JP6667850B2 - べた基礎用のコンクリートブロックの製造方法、及びべた基礎の構築方法 - Google Patents
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Description
(1)地形工事として、根切り作業により構築領域を掘削した後、砕石を敷き詰めて、その上から転圧機で転圧し、防湿シートを敷いた後、捨てコンクリートを打設する。
(2)捨てコンクリートの上に墨出しを行い、これに基づいて配筋工事を行う。配筋工事では、複数の鉄筋を水平面内で縦横に所定の間隔で交差させて、底盤であるベース部に埋設される鉄筋を配筋すると共に、立上部の内部に上下左右に埋設される鉄筋を配筋する。
(3)捨てコンクリートに描かれた墨出しに沿って基礎の外周に型枠を設置する。また、基礎の外周に沿って成型される立上部と基礎の内側領域に成型される立上部を成型するための型枠を設置する。これらの型枠は、墨出しによって特定された所定の位置に垂直な姿勢で設置される。
(4)型枠内の所定の位置に、建物の土台や柱と基礎とを連結させる構造用金物を設置する。
(5)型枠内にコンクリートを打設してベース部と立上部とを成型する。この際、ベース部及び立上部の上面をコテで均して平らにする。
(6)コンクリートが十分に硬化した後、外周部と内部の型枠を取り外して、べた基礎が構築される。
さらに、反転工程において、挿入筒45に挿入される支持アーム49を、回転フォークリフトのフォークとし、回転フォークリフトで成型型枠40を持ち上げて上下反転させることができる。
準備工程は、立上壁部1及び底盤部2をコンクリートで一体成型する成型型枠40であって、底盤部2を成型する上方開口の第1型枠部41と、第1型枠部41の底板41Aの開口部41aに、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、立上壁部1を成型する上方開口で溝状の第2型枠部42と、第1型枠部41と第2型枠部42とを所定の高さに保持するとともに、水平姿勢で連結された挿入筒45を備える支持脚44とを備える成型型枠40を準備する成型型枠準備工程と、成型型枠40の内部に鉄筋3を配筋して、その一部を連結突出部3xとして外部に突出させる型枠配筋工程と、成型型枠40の第1型枠部41及び前記第2型枠部42を上方開口の姿勢として、第1型枠部41及び第2型枠部42の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、成型型枠40に充填されたコンクリートが硬化した後、挿入筒45に挿入される支持アーム49を介して成型型枠40を上下反転させる反転工程とを含んでいる。
べた基礎用のコンクリートブロック10を図3〜図6に示す。これらの図において、図3は、コンクリートブロック10が構築領域30に設置されて、コンクリートが打設された状態を示す垂直断面図を示している。また、図4〜図6は、このコンクリートブロック10の平面図、斜視図、及び底面斜視図をそれぞれ示している。これらの図に示すコンクリートブロック10は、建物のコーナー部に配置されるコーナー用ブロック10Aを示している。
立上壁部1は、垂直姿勢であって、所定の厚さを有する板状にコンクリートで成型されている。垂直姿勢の立上壁部1は、所定の高さを有すると共に、幅方向に延長されて、外側面1xから見た正面形状を長方形状としている。なお、本明細書において、「水平方向に延在する」との表現は、水平面内において延在する状態だけでなく、垂直姿勢の立上壁部1が正面視において幅方向に延在する状態をも含む広い意味で使用する。さらに、垂直姿勢の立上壁部1は、その両面である外側面1x及び内側面を平面状としている。さらに、図に示す立上壁部1は、その下端部に、立上壁部1よりも厚く成型された根入れ部4を設けている。根入れ部4は、底盤部2の下面から突出するように、立上壁部1と底盤部2に一体成型して設けられている。ここで、立上壁部1の厚さ(t)は、120mm以上とすることができる。図に示す立上壁部1は、その厚さ(t)を150mmとしている。根入れ部4の厚さ(d)は、150mmよりも厚く、好ましくは200mmよりも厚く、さらに好ましくは250mmより厚くする。図に示す根入れ部4は、厚さ(d)を300mmとしている。さらに、根入れ部4が底盤部2の下面から突出する突出量(T)は100mmとしている。この突出量(T)は、深堀部30Aと浅堀部30Bとの段差に等しくしている。
底盤部2は、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型されている。図に示すコーナー用のブロック10Aは、L字状に交差する立上壁部1を備えているので、隣合う立上壁部1同士の内側に平面視を矩形状とする底盤部2を設けている。底盤部2は、根入れ部4の下面よりも一段高い位置を下面とする板状としている。底盤部2は、厚さ(s)を120mm以上とする。図に示す底盤部2は、厚さを150mmとしている。また、底盤部2は、上面の高さ(h)をグランドレベル(GL)よりも100mm高くしている。なお、図に示すコンクリートブロック10は、底盤部2に埋設される鉄筋3を1段に配筋(シングル配筋)している。ただ、コンクリートブロックは、図示しないが、底盤部に埋設される鉄筋を2段に配筋(ダブル配筋)することもできる。この構造のコンクリートブロックは、2段に配筋される鉄筋の間隔、及びコンクリートのかぶり厚さを考慮して、底盤部の厚さ(s)を200mm以上とする。
さらに、コンクリートブロック10は、立上壁部1と底盤部2に埋設される複数の鉄筋3を備えている。複数の鉄筋3は、底盤部2の内部において、水平方向に所定の間隔(K)で縦横に交差する姿勢で配置されている。また、複数の鉄筋3は、立上壁部1の内部において、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で配置されている。さらに、複数の鉄筋3は、根入れ部4の内部において、上下2段に、かつ、根入れ部4の厚さ方向に離して2列に所定の間隔(K)で配置されている。さらにまた、根入れ部4の内部に2段2列に配置される4本の鉄筋に対して、コ字状に折曲された鉄筋3を垂直姿勢で交差させて連結すると共に、コ字状の一端を上方に立ち上げて立上壁部1の内部に上下に配置し、コ字状の他端を水平方向に折曲して底盤部2の内部に配置している。立上壁部1、底盤部2、及び根入れ部4の内部に埋設されて、交差する姿勢で配筋される鉄筋3は、交点を線材で結束して連結することで、さらに強固に連結される。
図7に示すコンクリートブロック10は、立上壁部1を平面視において直線状とする直線状ブロック10Bとしている。この直線状ブロック10Bは、例えば、建物のコーナー部とコーナー部の間であって、外周ライン31を直線状とする部分に配置される。図7に示す直線状ブロック10Bは、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)を前述のコーナー用ブロックの長さ(L)と同様の範囲とし、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を800mm〜1350mmであって、例えば910mmとして前述のコーナー用ブロックの長さ(L)よりも短くしている。この直線状ブロック10Bは、全体の平面形状を矩形状とすると共に、立上壁部1を設けた辺を除く3辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。この直線状ブロック10Cは、立上壁部1の全長を短くするので、建物の側面であって、打設中間壁部25が構築されない部分に便利に使用できる。また、全体の重量を1t以下としてクレーン等の吊り上げ機を使用して簡単に移動できる。さらに、この直線状ブロック10Bは、3辺に位置する端面から突出する連結突出部3xの突出量(R)を550mmとするので、ブロック全体の縦横の長さ(W1、W2)を1900mm×2010mmとして、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
さらに、立上壁部1を平面視において直線状とする直線状ブロック10Cは、図2に示すように、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)に対して、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を長くすることもできる。図2に示す直線状ブロック10Cは、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)を前述のコーナー用ブロックの長さ(L)と同様の範囲とし、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を1350mm以上であって、例えば1820mmとして前述のコーナー用ブロックの長さ(L)よりも長くしている。この直線状ブロック10Bは、立上壁部を1辺にのみ設けているので、幅方向の長さ(L2)を長くしながら全体の重量を1.5t以下とすることができる。また、この直線状ブロック10Bは、3辺に位置する端面から突出する連結突出部3xの突出量(R)を550mmとするので、ブロック全体の縦横の長さ(W1、W2)を1900mm×2920mmとして、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
さらに、図8に示すコンクリートブロック10は、底盤部2の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部5を備えている。このコンクリートブロック10は、中間壁部5の一端を立上壁部1の中間部に直交する姿勢で連結して、中間壁部5と立上壁部1の平面視をT字状とするT字状ブロック10Dとしている。このT字状ブロック10Dは、中間壁部5に埋設される鉄筋3の一部を、中間壁部5の端面から水平方向に突出させて連結突出部3xとしている。このT字状ブロック10Dも、全体の平面形状を矩形状とすると共に、立上壁部1を設けた辺を除く3辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。このT字状ブロック10Dは、立上壁部1に連結された中間壁部5を備えているので、べた基礎の外周に構築される立上部の内側に中間壁を構築する場合には、立上壁部1の内側に成型された中間壁部5をガイドとして利用することで、打設されるコンクリートで成型される打設中間壁部25を成型する際の型枠を簡単に設置できる。また、中間壁部5の端面から突出する連結突出部3xをガイドに利用することで、打設中間壁部25に埋設される打設用鉄筋23の配筋を簡単にできる。
さらに、図2に示すコンクリートブロック2は、べた基礎の外周に構築される立上部の内側であって、打設されるコンクリートで打設底盤部22が成型される領域の中央部に、平面状ブロック10Eを配置している。この平面状ブロック10Eは、立上壁部1を設けることなく、全体の厚さを均等とする底盤部2のみで構成されている。この平面状ブロック10Eは、平面形状を矩形状とすると共に、4辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。この形状の平面状ブロック10Eは、打設されるコンクリートで打設底盤部22が成型される領域に配置することで、効果的に打設されるコンクリート量を低減することができる。また、打設されるコンクリートの中央部に浮島の状態で配置されるので、打設されたコンクリートの表面をコテで均す際には、この平面状ブロックの上面に乗って、効率よく均し作業をできる。
以上のコンクリートブロック10は、図3〜図8に示すように、連結突出部3xを設けた端部に凹凸形状6を設けて、連続して成型される打設コンクリート部20との連結強度を高める構造としている。図に示すコンクリートブロック10は、連結突出部3xを設けた端面に、複数の連結突出部3xの配列方向に沿って嵌合溝部6Aを設けている。図に示す嵌合溝部6Aは、底盤部2、立上壁部1、及び中間壁部5の端面の長手方向であって中心線に沿って溝部を形成している。図に示すコンクリートブロック10は、底盤部2の端面に設けた嵌合溝部6Aと立上壁部1の端面に設けた嵌合溝部6AとをT字状に連結すると共に、この連結部の下方であって、根入れ部4の端面においては、正面視が四角形状となるように嵌合溝部6Aを設けて、底盤部2と立上壁部1に設けた嵌合溝部6Aに連結している。このように、隣接して成型される打設コンクリート部との境界部分に嵌合溝部6Aを備えるコンクリートブロック10は、図3に示すように、打設されるコンクリートが嵌合溝部6Aの内部に侵入して嵌合溝部6Aに嵌合する嵌合凸部26Aを形成する。したがって、コンクリートブロック10の端面に形成される嵌合溝部6Aと、打設されるコンクリートとの接触面積を大きくすることで結合力を増加させて連結強度を大きくできる。とくに、底盤部2及び立上壁部1と打設コンクリート部20との境界部分における剪断力を大きくできる。
さらに、図3に示すコンクリートブロック10は、土台(図示せず)を固定するためのアンカーボルト7を立上壁部1の上面に埋設して設けている。アンカーボルト7は、立上壁部1の上面から垂直に突出しており、上面に配置される土台を固定できるようにしている。アンカーボルト7の突出量は、構築されたベタ基礎の立上部の上面に配置される土台を貫通して突出する長さとする。
さらに、図3のコンクリートブロック10は、柱(図示せず)を固定するためのホールダウン用アンカーボルト8を埋設して固定している。このホールダウン用アンカーボルト8は、立上壁部1の上面であって、柱が配置される位置に隣接して、上面から突出するように埋設されている。ホールダウン用アンカーボルト8は、例えば、立上壁部1の上面からの突出量を約500mmとすると共に、立上壁部1に埋設される長さを約400mmとして十分な連結強度、とくに引っ張り強度を強くしている。このホールダウン用アンカーボルト8は、立上壁部1に埋設される鉄筋3に金具を介して、あるいは緊締して連結される。なお、図1、図2、及び図4〜図9においては、アンカーボルト7及びホールダウン用アンカーボルト8を図示することなく、省略している。
さらに、コンクリートブロック10は、クレーンの玉掛用の金具を固定することができる。このような金具として、例えば、予めコンクリートに埋設されたつり上げ金具とし、あるいはつり上げ金具として使用されるIボルトがねじ込まれるアンカーとすることができる。コンクリートブロック10は、立上壁部1の上面につり上げ金具を設ける場合、この部分に突出する部材があると、土台を配置する際に邪魔になる。したがって、このような部分には、予めアンカーを埋設することができる。このアンカーにIボルト等の金具をねじ込むことでつり上げ用の金具として使用でき、コンクリートブロック10を移動後には、Iボルトを取り外して立上壁部1の上面を平らにできる。また、底盤部2においては、予めアンカーを埋設しておいて、このアンカーにIボルトをねじ込むこともできるが、先端にリング部やU曲部を備える金具をコンクリートに埋設することでつり上げ金具とすることができる。このような金具は、内部に配筋される鉄筋3に連結することでより強固に固定できる。あるいは、内部に配筋される鉄筋3の一部をU曲させた状態で底盤部2の上面から突出させて、つり上げ用の金具とすることもできる。
以上のコンクリートブロック10は、製造工場等において所定の内形を有する成型型枠を使用して製造される。成型型枠の一例を図10の概略断面図に示す。図10に示す成型型枠40は、図4〜図6に示すコーナー用ブロック10Aを製造する成型型枠40を示している。成型型枠40は、底盤部2を成型する箱形の第1型枠部41と立上壁部1を成型する溝状の第2型枠部42とを備えている。第2型枠部42の開口縁は第1型枠部41の底板41Aに開口された開口部41aに連結されており、第2型枠部42の内側面42Aと第1型枠部41の底板41Aとは互いに垂直姿勢で連結されている。これにより、コンクリートで成型される立上壁部1の側面と底盤部2の上面とを正確な垂直姿勢とすることができる。また、第2型枠部42の外側面42Bは第1型枠部41の外周壁41Bと同じ高さまで延長されており、底盤部2から突出する根入れ部4の外側面を成型する型枠としている。さらに、第1型枠部41の内側には、根入れ部4の内側面を成型するための内側型枠部43を配設している。
(1)[型枠準備工程]
図10に示すように、第1型枠部41及び第2型枠部42を上方開口の姿勢として成型型枠40を配置する。
(2)[型枠配筋工程]
成型型枠40の内部において、複数の鉄筋3を所定の配列で配筋すると共に、アンカーボルトやホールダウン用アンカーボルト8を所定の位置に固定する。
(3)[コンクリート充填工程]
成型型枠40の内部にコンクリートを打設する。第2型枠部42と第1型枠部41に所定の高さまでコンクリートが充填された状態で、第1型枠部41の開口部側において、底盤部2の下面となる面をコテで均してコンクリートの表面を平らにする。さらに、第2型枠部42の外側面42Bと内側型枠部43との間にコンクリートを充填して、底盤部2よりも一段高く突出する根入れ部4を成型し、根入れ部4の下面となる面をコテで均してコンクリートの表面を平らにする。
(4)[反転工程]
打設されたコンクリートが硬化した後、回転フォークリフトの支持アーム49を成型型枠40の挿入筒45に挿入し、成型型枠40を持ち上げて上下反転する。
(5)[脱型工程]
その後、成型型枠40を脱型することで、所定の形状のコンクリートブロック10が製造される。
以上の建物用のべた基礎は、以下の工程で構築される。なお、以下の説明に使用する図11〜図14、及び図16に示すコンクリートブロック10においては、前述のように、アンカーボルト及びホールダウン用アンカーボルトを図示することなく省略している。
[準備工程]
図3〜図8に示すように、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設されて、その一部が立上壁部1及び底盤部2の端面から水平方向に突出する連結突出部3xを形成してなる複数の鉄筋3とを備えるコンクリートブロック10を準備する。
図2と図3に示すように、べた基礎を構築する構築領域30を根切り作業により掘削する。構築領域30は、建物の外周ライン31に沿って深く掘削された深堀部30Aと、この深堀部30Aの内側に、深堀部30Aよりも浅く掘削された浅堀部30Bとに区画する状態で掘削する。その後、深堀部30Aと浅堀部30Bに砕石34を敷き詰める。敷き詰めた砕石34の上から転圧機で転圧して押し固める。転圧された砕石34の上に防湿シート33を敷き詰める。深堀部30Aにおいて、防湿シート33の上に、捨てコンクリート32を打設する。捨てコンクリート32は、例えば50mmの厚さに成型される。捨てコンクリート32の上に墨出しを行い、図2に示すように、外周ライン31を表示する。
墨出しされた外周ライン31にコンクリートブロック10を配置する。図11及び図12に示すべた基礎は、四隅にコーナー用ブロック10Aを配置すると共に、側面となる部分には立上壁部1を直線状とする直線状ブロック10B、10Cを配置し、さらに、内側に打設中間壁部25を形成する部分には、平面視をT字状とするT字状ブロック10Dを配置する。この工程では、墨出しされた外周ライン31に沿って各コンクリートブロック10の立上壁部1の外側面1xを位置決め面9として配置する。コンクリートブロック10は、例えば、位置決め面9である外側面1xの下端縁が外周ライン31と一致するように配置することで外周ライン31に対して正確に位置決めしながら設置される。コーナー部に設置されるコーナー用ブロック10Aにおいては、直交する立上壁部1の外側面1xを外周ライン31のコーナー部に沿って配置する。これにより、四隅の位置を確定しながら配置される。さらに、外周ライン31の直線部分に沿って、すなわち建物の側面に位置して配置される直線状ブロック10B、10C及びT字状ブロック10Dは、四隅に配置されるコーナー用ブロック10Aの間に位置して配置される。また、中間壁部5を備えるT字状ブロック10Dは、中間壁部5の位置が所定の位置となるように外周ライン31に配置する。
配置工程で外周ライン31に配置されたコンクリートブロック10の間に位置して、所定の位置に型枠24を固定するための型枠支持具27を設置する(図15参照)。建物の外周ライン31に沿って成型される打設立上壁部21を成型するための型枠24を定位置に支持する外周支持具27Aを捨てコンクリート32に表示された外周ライン31に沿って配置する。また、基礎の内側に成型される打設中間壁部25を成型するための型枠24を定位置に支持する中間支持具27Bを、浅堀部30Bに敷設された防湿シート33の上面の所定の位置に配置する。なお、図13においては、型枠支持具27を図示することなく省略している。
図13に示すように、建物の外周ライン31に配置された複数のコンクリートブロック10から突出する鉄筋3の連結突出部3xを利用して打設用鉄筋23を配筋する。互いに隣接して配置されるコンクリートブロック10同士の間において、それぞれのコンクリートブロック10から突出する連結突出部3xが互いに重なる位置関係にある場合は、直接これ等の連結突出部3Xを連結し、連結突出部3xが互いに重ならない場合は、打設用鉄筋23を介して連結する。このとき、打設用鉄筋23は、コンクリートブロック10から突出する連結突出部23をガイドとして、簡単かつ正確な位置で連結される。さらに、コンクリートブロック10から突出する連結突出部3xと連結突出部3xから延長する状態で連結された打設用鉄筋23に対して、打設用鉄筋23を縦横に交差し、あるいは上下左右に交差する状態で配置する。底盤部2に連続して成型される打設底盤部22に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、水平方向に所定の間隔(K)で縦横に交差する姿勢で連結される。また、立上壁部1に連続して成型される打設立上壁部21に埋設される連結突出部3x、立上げ用の鉄筋23T、及び打設用鉄筋23は、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で連結される。さらに、打設立上壁部21の下端部に成型される打設根入れ部の内部に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、2段2列に配置されると共に、下部をコ字状に折曲された立上げ用の鉄筋23Tに垂直姿勢で交差するように連結される。さらにまた、基礎の内側において成型される打設中間壁部25に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で連結される。以上のようにして交差する姿勢で配筋される連結突出部3x、打設用鉄筋23、及び立上げ用の鉄筋23Tは、交点を線材で結束することで、さらに強固に連結される。
図14と図15に示すように、打設立上壁部21及び打設中間壁部25を構築する部分に型枠24を設置する。これらの型枠24は、構築領域30に設置されたコンクリートブロック10に沿って配置される。なお、図14においては、型枠24を支持するための型枠支持具27及び型枠24を固定するため型枠固定具28は省略している。
図16に示すように、型枠設置工程で定位置に設置された型枠24の内側にコンクリートを打設して、底盤部2に連続する打設底盤部22と、立上壁部1に連続する打設立上壁部21と、中間壁部5に連続する打設中間壁部25とを成型する。この工程では、まず、構築領域30に設置された複数のコンクリートブロック10の底盤部2の間の領域にコンクリートを打設して、底盤部2に連続する打設底盤部21を成型する。打設底盤部21を形成するコンクリートは、設置されたコンクリートブロック10の底盤部1の上面と等しい高さまで充填されると共に、その表面をコテで均して平らにする。打設されるコンクリートの表面を平らに均す際には、設置されたコンクリートブロック10の底盤部1の上面に乗って作業できるので、打設されたコンクリートの硬化具合に関係なく、また、コンクリートの表面に跡を残すことなく、効率よく作業できる。
打設したコンクリートが十分に乾いた後、型枠24を取り外す。この状態で図1に示すべた基礎が構築される。
1x…外側面
2…底盤部
3…鉄筋
3x…連結突出部
4…根入れ部
5…中間壁部
6…凹凸形状
6A…嵌合溝部
6a、6c…凹部
6b、6d…凸部
7…アンカーボルト
8…ホールダウン用アンカーボルト
9…位置決め面
10…コンクリートブロック
10A…コーナー用ブロック
10B…直線状ブロック
10C…直線状ブロック
10D…T字状ブロック
10E…平面状ブロック
20…打設コンクリート部
21…打設立上壁部
22…打設底盤部
23…打設用鉄筋
23T…立上げ用の鉄筋
24…型枠
24A…外周型枠
24B…内周型枠
24C…中間型枠
25…打設中間壁部
26A…嵌合凸部
27…型枠支持具
27A…外周支持具
27a、27b、27c…連結溝部
27B…中間支持具
28…型枠固定具
28a…連結溝部
30…構築領域
30A…深堀部
30B…浅堀部
31…外周ライン
32…捨てコンクレート
33…防湿シート
34…砕石
40…成型型枠
41…第1型枠部
41A…底板
41a…開口部
41B…外周壁
42…第2型枠部
42A…内側面
42B…外側面
42C…底板
43…内側型枠部
44…支持脚
45…挿入筒
49…支持アーム
Claims (5)
- 垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部と、
前記立上壁部の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部と、
前記立上壁部及び前記底盤部に埋設された複数の鉄筋と、
を備え、
前記複数の鉄筋は、その一部が前記立上壁部及び前記底盤部の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部を形成するべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法であって、
前記立上壁部及び前記底盤部をコンクリートで一体成型する成型型枠であって、
前記底盤部を成型する上方開口の第1型枠部と、
前記第1型枠部の底板の開口部に、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、前記立上壁部を成型する上方開口で溝状の第2型枠部と、
前記第1型枠部と前記第2型枠部とを所定の高さに保持する支持脚と、
を備える成型型枠を準備する成型型枠準備工程と、
前記成型型枠の内部に前記鉄筋を配筋して、その一部を前記連結突出部として外部に突出させる型枠配筋工程と、
前記成型型枠の前記第1型枠部及び前記第2型枠部を上方開口の姿勢として、該第1型枠部及び該第2型枠部の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
前記成型型枠に充填されたコンクリートが硬化した後、前記成型型枠を上下反転させる反転工程と、
を備え、
前記成型型枠準備工程において、前記支持脚に水平姿勢で連結された挿入筒を備える成型型枠を準備し、
前記反転工程において、前記挿入筒に挿入される支持アームを介して前記成型型枠を上下反転することを特徴とするべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法。 - 請求項1に記載されるべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法であって、
前記反転工程において、前記挿入筒に挿入される前記支持アームが回転フォークリフトのフォークで、回転フォークリフトで成型型枠を持ち上げて上下反転させるべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法。 - 建物の下部に構築されるべた基礎の構築方法であって、
垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部と、前記立上壁部の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部と、前記立上壁部及び前記底盤部に埋設された複数の鉄筋とを備え、前記複数の鉄筋は、その一部が該立上壁部及び該底盤部の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部を形成してなるコンクリートブロックを準備する準備工程と、
建物の外周ラインに前記コンクリートブロックを配置する配置工程と、
前記コンクリートブロックから突出する複数の前記連結突出部を利用して、打設されるコンクリートに埋設される打設用鉄筋を配筋する配筋工程と、
前記コンクリートブロックの前記立上壁部に沿って型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠の内側にコンクリートを打設して、前記底盤部に連続する打設底盤部と、前記立上壁部に連続する打設立上壁部とを成型するコンクリート打設工程と、
を備え、
前記準備工程が、
前記立上壁部及び前記底盤部をコンクリートで一体成型する成型型枠であって、
前記底盤部を成型する上方開口の第1型枠部と、
前記第1型枠部の底板の開口部に、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、前記立上壁部を成型する上方開口で溝状の第2型枠部と、
前記第1型枠部と前記第2型枠部とを所定の高さに保持するとともに、水平姿勢で連結された挿入筒を備える支持脚と、
を備える成型型枠を準備する成型型枠準備工程と、
前記成型型枠の内部に前記鉄筋を配筋して、その一部を前記連結突出部として外部に突出させる型枠配筋工程と、
前記成型型枠の前記第1型枠部及び前記第2型枠部を上方開口の姿勢として、該第1型枠部及び該第2型枠部の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
前記成型型枠に充填されたコンクリートが硬化した後、前記挿入筒に挿入される支持アームを介して前記成型型枠を上下反転させる反転工程と、
を含むことを特徴とするベタ基礎の構築方法。 - 請求項3に記載されるべた基礎の構築方法であって、
前記準備工程において、
前記コンクリートブロックとして、前記立上壁部が前記底盤部の平面視において互いに直交する二辺に連続するようにL字状に成型されてなるコーナー用ブロックを準備し、
前記配置工程において、
前記コーナー用ブロックを建物の外周ラインの四隅に配置することを特徴とするベタ基礎の構築方法。 - 請求項4に記載されるべた基礎の構築方法であって、
前記準備工程において、
前記コンクリートブロックとして、前記立上壁部が平面視において直線状である直線状ブロック、または、前記底盤部の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部の一端が前記立上壁部の中間部に直交する姿勢で連結されて該中間壁部と該立上壁部の平面視をT字状とするT字状ブロックを準備し、
前記配置工程において、
前記直線状ブロックまたは前記T字状ブロックを前記コーナー用ブロックの間であって、建物の外周ラインの直線部に配置することを特徴とするベタ基礎の構築方法。
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