JP6667850B2 - べた基礎用のコンクリートブロックの製造方法、及びべた基礎の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートで構築される建物のべた基礎の構築に使用されるべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法、このコンクリートブロックを使用する建物用のべた基礎の構築方法に関する。
建物用の下部に構築される基礎として、従来から布基礎と呼ばれるものと、べた基礎と呼ばれるものがある。布基礎は、建物の壁の下にのみ、逆T字状に成型された鉄筋コンクリートを連続して設けた構造であるのに対して、べた基礎は、建物の外周や柱の下だけでなく、底部の全体を鉄筋コンクリートで支える構造となっている。かつては、木造住宅で布基礎が主流であったが、震災等の影響により、近年では、べた基礎が主流となっている。
従来の一般的なべた基礎は、以下のようにして構築される。
(1)地形工事として、根切り作業により構築領域を掘削した後、砕石を敷き詰めて、その上から転圧機で転圧し、防湿シートを敷いた後、捨てコンクリートを打設する。
(2)捨てコンクリートの上に墨出しを行い、これに基づいて配筋工事を行う。配筋工事では、複数の鉄筋を水平面内で縦横に所定の間隔で交差させて、底盤であるベース部に埋設される鉄筋を配筋すると共に、立上部の内部に上下左右に埋設される鉄筋を配筋する。
(3)捨てコンクリートに描かれた墨出しに沿って基礎の外周に型枠を設置する。また、基礎の外周に沿って成型される立上部と基礎の内側領域に成型される立上部を成型するための型枠を設置する。これらの型枠は、墨出しによって特定された所定の位置に垂直な姿勢で設置される。
(4)型枠内の所定の位置に、建物の土台や柱と基礎とを連結させる構造用金物を設置する。
(5)型枠内にコンクリートを打設してベース部と立上部とを成型する。この際、ベース部及び立上部の上面をコテで均して平らにする。
(6)コンクリートが十分に硬化した後、外周部と内部の型枠を取り外して、べた基礎が構築される。
以上のように、べた基礎は、設置する現場において、構築領域の全面に鉄筋を配筋した後、周囲と内側にコンクリート型枠を枠組みし、その後、型枠内にコンクリートを打設して硬化させて成型する。この作業は、鉄筋の配筋作業や型枠の設置作業が複雑で手間がかかるため、施工に要する時間が長くなると共に、専門の技術を有する職人が必要となるため、人件費等によりコストが高くなる。また、従来のべた基礎では、型枠に流し込むコンクリートの量も多くなり、現場で注入する作業や、コンクリートが硬化するまで養生させる時間も長く必要となる。さらにまた、近年の慢性化した人手不足が続く中で、木造住宅の基礎施工業者の高齢化や若者の定着が進まず、従来の施工方法では需要に対応できなくなる問題点がある。
特開2002−364001号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的の一は、べた基礎の構築を簡単にして、基礎施工業者でなくても設置が可能であって、大幅な工期の短縮を実現でき、しかも低コストに施工できる技術を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明の製造方法で製造されるべた基礎用のコンクリートブロックは、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設された複数の鉄筋3とを備え、複数の鉄筋3は、その一部が立上壁部1及び底盤部2の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部3xを形成しており、立上壁部1が建物の外周ライン31に設置された状態で、連結突出部3xが、打設されるコンクリートに埋設されてべた基礎が構築されるようにしてなることを特徴とする。
上記構成によると、べた基礎用のコンクリートブロックを、コンクリートで成型された垂直姿勢の立上壁部と水平姿勢の底盤部とで構成し、さらに、これらに埋設される複数の鉄筋の一部を立上壁部と底盤部の一部の端面から突出させて連結突出部としており、立上壁部を建物の外周ラインに設置する状態で、連結突出部を打設されるコンクリートに埋設させてべた基礎を構築できるので、工場等であらかじめ製造されたコンクリートブロックを有効に利用することで、べた基礎の構築を簡単にして、しかも低コストに施工できる。また、コンクリートブロックを構築現場に設置することにより、べた基礎の構築を簡単にできるので、基礎施工業者でなくても設置が可能であって、大幅な工期の短縮を実現できる。さらに、工場において製造されるコンクリートブロックは、現場で打設されるコンクリートとは異なり十分に時間をかけて硬化させることができる。
た基礎用のコンクリートブロックは、さらに、立上壁部1の下端部に、立上壁部1よりも厚く成型されて、底盤部2の下面から突出する根入れ部4を備えることができる。上記構成により、立上壁部の下部に、立上壁部よりも厚く成型された根入れ部を設けることで立上壁部を低重心として、立上壁部の下端をバランスよく安定して設置面に固定できる。
た基礎用のコンクリートブロックは、立上壁部1を、底盤部2の平面視において互いに直交する二辺に連続するようにL字状に成型することができる。上記構成のコンクリートブロックは、立上壁部の平面視を互いに直交するL字状とするので、建物のコーナ部に配置しながら、L字状の立上壁部によって建物の縦方向と横方向とを特定しながら外周ラインに配置できる。
た基礎用のコンクリートブロックは、さらに、底盤部2の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部5を備えて、中間壁部5は、その一端が立上壁部1の中間部に直交する姿勢で連結されて、中間壁部5と立上壁部1の平面視をT字状とし、中間壁部5に埋設される鉄筋3の一部を、中間壁部5の端面から水平方向に突出させて連結突出部3xとすることができる。上記構成のコンクリートブロックは、立上壁部を建物の側面の外周ラインに配置しながら、立上壁部に連結された中間壁部によって、建物の内側において効率よく立上部を構築できる。
た基礎用のコンクリートブロックは、連結突出部3xを備える端部を凹凸形状6とすることができる。上記構成のコンクリートブロックは、連結突出部を備える端部を凹凸形状としているので、打設されるコンクリートとの接触面積を大きくして連結強度を大きくできる。
た基礎用のコンクリートブロックは、連結突出部3xを備える端面に、連結突出部3xの配列方向に延びる嵌合溝部6Aを備えることができる。上記構成のコンクリートブロックは、連結突出部を備える端面に設けた嵌合溝部に打設されるコンクリートを侵入させることにより、打設されるコンクリートとの連結強度を大きくできる。
本発明のべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法は、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設された複数の鉄筋3とを備え、複数の鉄筋3が、その一部を立上壁部1及び底盤部2の一部の端面から水平方向に突出させて連結突出部3xを形成するべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法である。この製造方法は、立上壁部1及び底盤部2をコンクリートで一体成型する成型型枠40であって、底盤部2を成型する上方開口の第1型枠部41と、第1型枠部41の底板41Aの開口部41aに、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、立上壁部1を成型する上方開口で溝状の第2型枠部42と、第1型枠部41と第2型枠部42とを所定の高さに保持する支持脚44とを備える成型型枠40を準備する成型型枠準備工程と、成型型枠40の内部に鉄筋3を配筋して、その一部を連結突出部3xとして外部に突出させる型枠配筋工程と、成型型枠40の第1型枠部41及び前記第2型枠部42を上方開口の姿勢として、第1型枠部41及び第2型枠部42の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、成型型枠40に充填されたコンクリートが硬化した後、成型型枠40を上下反転させる反転工程とを備えている。
以上の製造方法によると、立上壁部と底盤部とを垂直姿勢となるようにコンクリートで一体成型しながら、コンクリートの硬化後に、成型型枠を上下反転することで、所定の立体形状のコンクリートブロックを簡単に成型できる。また、第1型枠部と第2型枠部とを支持脚で所定の高さに保持することで、第1型枠部で成型される底盤部に対して、第2型枠部で成型される立上壁部を所定の垂直姿勢に成型できる。
また、本発明のべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法は、成型型枠準備工程において、支持脚44に水平姿勢で連結された挿入筒45を備える成型型枠40を準備し、反転工程において、挿入筒45に挿入される支持アーム49を介して成型型枠40を上下反転する。この製造方法によると、成型型枠に設けた挿入筒に挿入される支持アームで成型型枠を持ち上げて上下反転させることができる。
さらに、反転工程において、挿入筒45に挿入される支持アーム49を、回転フォークリフトのフォークとし、回転フォークリフトで成型型枠40を持ち上げて上下反転させることができる。
本発明の構築方法で構築される建物用のべた基礎は、建物の下部に構築されるべた基礎であって、建物の外周ライン31に配置されるコンクリートブロック10と、このコンクリートブロック10に連続するようにコンクリートが打設されて、コンクリートブロック10に連結して構築される打設コンクリート部20とを備えている。コンクリートブロック10は、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設された複数の鉄筋3とを備え、複数の鉄筋3は、その一部が立上壁部1及び底盤部2の一部の端面から水平方向に突出して連結突出部3xを形成しており、底盤部2が外周ライン31の内側に位置するように、立上壁部1が外周ライン31に配置されている。打設コンクリート部20は、底盤部2に連続して成型される打設底盤部22と、立上壁部1に連続して成型される打設立上壁部21とを備えており、打設底盤部22及び打設立上部21の内部に、複数の連結突出部3xと連結突出部3xに連結される複数の打設用鉄筋23とが埋設されている。
上記構成によると、建物用のべた基礎を、工場等であらかじめ製造されて構築領域に配置されるコンクリートブロックと、現場においてコンクリートブロックに連続して打設される打設コンクリート部とで構成するので、現場での作業量を低減させて、作業時間を短縮しながら、現場で打設するコンクリート量を減少させて、効率よくべた基礎を構築できる。このため、従来のべた基礎に比較して、工期を短縮しながら低コストに施工できる。
物用のべた基礎は、コンクリートブロック10が、立上壁部1及び底盤部2の連結突出部3xを備える端部を凹凸形状6とし、打設コンクリート部20が、連結突出部3xを備える端部との境界部分を、凹凸形状と嵌合する嵌合形状とすることができる。
物用のベタ基礎は、コンクリートブロック10が、連結突出部3xを備える端面に、連結突出部3xの配列方向に延びる嵌合溝部6Aを備えて、打設コンクリート部20が、連結突出部3xを備える端面との境界部分に、嵌合溝部6Aに嵌合する嵌合凸部26が成型されてもよい。
本発明のべた基礎の構築方法は、建物の下部に構築されるべた基礎の構築方法であって、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設された複数の鉄筋3とを備え、複数の鉄筋3は、その一部が立上壁部1及び底盤部2の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部3xを形成してなるコンクリートブロック10を準備する準備工程と、建物の外周ライン31にコンクリートブロック10を配置する配置工程と、コンクリートブロック10から突出する複数の連結突出部3xを利用して、打設されるコンクリートに埋設される打設用鉄筋23を配筋する配筋工程と、コンクリートブロック10の立上壁部1の外側面に沿って型枠24を設置する型枠設置工程と、型枠24の内側にコンクリートを打設して、底盤部2に連続する打設底盤部22と、立上壁部1に連続する打設立上壁部21とを成型するコンクリート打設工程とを備えている。
準備工程は、立上壁部1及び底盤部2をコンクリートで一体成型する成型型枠40であって、底盤部2を成型する上方開口の第1型枠部41と、第1型枠部41の底板41Aの開口部41aに、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、立上壁部1を成型する上方開口で溝状の第2型枠部42と、第1型枠部41と第2型枠部42とを所定の高さに保持するとともに、水平姿勢で連結された挿入筒45を備える支持脚44とを備える成型型枠40を準備する成型型枠準備工程と、成型型枠40の内部に鉄筋3を配筋して、その一部を連結突出部3xとして外部に突出させる型枠配筋工程と、成型型枠40の第1型枠部41及び前記第2型枠部42を上方開口の姿勢として、第1型枠部41及び第2型枠部42の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、成型型枠40に充填されたコンクリートが硬化した後、挿入筒45に挿入される支持アーム49を介して成型型枠40を上下反転させる反転工程とを含んでいる。
上記構成によると、工場等であらかじめ製造されたコンクリートブロックを構築領域に設置することにより、現場で打設されるコンクリート量を低減でき、また、コンクリートを打設する作業を簡単にして、作業時間を短くしながら低コストに施工できる。また、建物の外周ラインに配置されたコンクリートブロックから突出する複数の連結突出部を利用して、打設されるコンクリートに埋設される打設用鉄筋を配筋し、また、外周ラインに配置されたコンクリートブロックの立上壁部を利用して型枠を設置できるので、基礎施工業者でなくても鉄筋の配筋や型枠の設置が可能となり、人材不足による問題点を解消し、人件費を低減しながら工期を短縮できる。
また、本発明のべた基礎の構築方法は、準備工程において、コンクリートブロック10として、立上壁部1が底盤部2の平面視において互いに直交する二辺に連続するようにL字状に成型されてなるコーナー用ブロック10Aを準備し、配置工程において、コーナー用ブロック10Aを建物の外周ライン31の四隅に配置することができる。上記のベタ基礎の構築方法は、建物の外周ラインの四隅にコーナー用ブロックを配置するので、これらのコーナーブロックをガイドとして打設コンクリート部を簡単かつ容易に成型できる。
さらにまた、本発明のべた基礎の構築方法は、準備工程において、コンクリートブロック10として、立上壁部1が平面視において直線状である直線状ブロック10B、10C、または、底盤部2の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部5の一端が立上壁部1の中間部に直交する姿勢で連結されて中間壁部5と立上壁部1の平面視をT字状とするT字状ブロック10Dを準備し、配置工程において、直線状ブロック10B、10CまたはT字状ブロック10Dをコーナー用ブロック10Aの間であって、建物の外周ライン31の直線部に配置することができる。上記のベタ基礎の構築方法は、建物の外周ラインの四隅に配置されたコーナー用ブロックの間に、直線状ブロックまたはT字状ブロックを配置するので、現場で打設されるコンクリート量をさらに低減して、低コストに施工できる。
本発明の一実施形態に係る建物用のべた基礎の斜視図である。 図1に示すべた基礎の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリートブロックの設置状態を示す拡大断面図であって、図1のIII−III線断面に相当する図である。 コンクリートブロックの一例を示す平面図である。 図4に示すコンクリートブロックの斜視図である。 図5に示すコンクリートブロックの底面斜視図である。 コンクリートブロックの他の一例を示す斜視図である。 コンクリートブロックの他の一例を示す斜視図である。 コンクリートブロックの他の一例を示す斜視図である。 コンクリートブロックを製造する成型型枠の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るべた基礎の構築方法の配置工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るべた基礎の構築方法の配置工程を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るべた基礎の構築方法の配筋工程を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るべた基礎の構築方法の型枠設置工程を示す斜視図である。 型枠設置工程を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るべた基礎の構築方法のコンクリート打設工程を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、以下のものや方法に特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る構築方法で構築される建物用のべた基礎の斜視図を示している。図に示すべた基礎は、あらかじめ工場等で製造されて、現場に搬送して設置されるコンクリートブロック10と、このコンクリートブロック10に連続するように現場で打設されるコンクリートによって成型される打設コンクリート部20とを備えている。この建物用のべた基礎は、図2の分解斜視図に示すように、地業工事によって捨てコンクリート32が打設された構築領域30の所定の位置に、工場等で製造されたコンクリートブロック10が配置された状態で、このコンクリートブロック10を利用して、配筋工事や型枠の設置を行った後、コンクリートを打設して、コンクリートブロック10に連続する打設コンクリート部20が成型されてべた基礎が構築される。
(コンクリートブロック10、コーナー用ブロック10A)
べた基礎用のコンクリートブロック10を図3〜図6に示す。これらの図において、図3は、コンクリートブロック10が構築領域30に設置されて、コンクリートが打設された状態を示す垂直断面図を示している。また、図4〜図6は、このコンクリートブロック10の平面図、斜視図、及び底面斜視図をそれぞれ示している。これらの図に示すコンクリートブロック10は、建物のコーナー部に配置されるコーナー用ブロック10Aを示している。
図3〜図6に示すコンクリートブロック10は、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、この立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設された複数の鉄筋3を備えている。複数の鉄筋3は、その一部が立上壁部1及び底盤部2の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部3xを形成している。図に示すコンクリートブロック10は、建物のコーナー部に配置されるので、底盤部2の平面視において互いに直交する二辺に連続するようにL字状に成型された立上壁部1を備えている。
べた基礎用のコンクリートブロック10は、地業工事によって捨てコンクリート32が打設された構築領域30において、捨てコンクリート32上に墨出しされた外周ライン31を基準として設置される。本明細書において、建物の外周ライン31とは、構築領域30に建設される建物の下端部、すなわち、構築されるべた基礎の外周に沿うラインを意味するものとする。図2及び図3で示す構築領域30は、建物の外周ライン31に沿って深く掘削された深堀部30Aと、この深堀部30Aの内側の領域であって、深堀部30Aよりも浅く掘削された浅堀部30Bとに区画されている。深堀部30Aは、べた基礎の外周部に形成される立上部が構築される領域であって、浅堀部30Bは、立上部の内側に形成されるベース部が構築される領域である。図3に示す構築領域30においては、深堀部30Aにのみ捨てコンクリート32を設けている。ただ、捨てコンクリート32は深堀部30Aと浅堀部30Bの両方に設けてもよい。
コンクリートブロック10は、立上壁部1が深堀部30Aに位置すると共に、底盤部2が浅堀部30Bに位置するように配置される。さらに、図のコンクリートブロック10は、立上壁部1の外側面1xを位置決め面9として、この位置決め面9が外周ライン31に一致するように配置することで、コンクリートブロック10を構築領域30の定位置に配置している。図2及び図4に示すコーナー用ブロック10Aは、建物のコーナー部であって縦横に交差する外周ライン31に対して、平面視L字状に交差する立上壁部1の外側面1xを一致させる状態を示している。これにより、コンクリートブロック10の縦横の向きを正確に位置決めしながら配置している。このように、コンクリートブロック10の外側面1xを外周ライン31に一致させて配置する方法は、最も簡単にしかも正確にコンクリートブロック10を定位置に配置できる。ただ、コンクリートブロック10は、外周ライン31を立上壁部1の中心線として表示すると共に、この外周ライン31と立上壁部1の中心線とを一致させて位置決めすることもできる。
(立上壁部1)
立上壁部1は、垂直姿勢であって、所定の厚さを有する板状にコンクリートで成型されている。垂直姿勢の立上壁部1は、所定の高さを有すると共に、幅方向に延長されて、外側面1xから見た正面形状を長方形状としている。なお、本明細書において、「水平方向に延在する」との表現は、水平面内において延在する状態だけでなく、垂直姿勢の立上壁部1が正面視において幅方向に延在する状態をも含む広い意味で使用する。さらに、垂直姿勢の立上壁部1は、その両面である外側面1x及び内側面を平面状としている。さらに、図に示す立上壁部1は、その下端部に、立上壁部1よりも厚く成型された根入れ部4を設けている。根入れ部4は、底盤部2の下面から突出するように、立上壁部1と底盤部2に一体成型して設けられている。ここで、立上壁部1の厚さ(t)は、120mm以上とすることができる。図に示す立上壁部1は、その厚さ(t)を150mmとしている。根入れ部4の厚さ(d)は、150mmよりも厚く、好ましくは200mmよりも厚く、さらに好ましくは250mmより厚くする。図に示す根入れ部4は、厚さ(d)を300mmとしている。さらに、根入れ部4が底盤部2の下面から突出する突出量(T)は100mmとしている。この突出量(T)は、深堀部30Aと浅堀部30Bとの段差に等しくしている。
立上壁部1は、構築領域30において深堀部30Aに設置されて、下部が地中に埋まるように配設される。立上壁部1は、根入れ部4が、完全に地中に埋まるように設計される。深堀部30Aは、その深さ(D)を100mm以上であって、好ましくは120mm以上とする。図に示す深堀部30Aは、深さ(D)を150mmとしている。したがって、立上壁部1は、下端から150mmの部分がグランドレベル(GL)となり、これよりも下側の部分が地中に埋設される。さらに、立上壁部1は、地上に突出する高さであって、グランドレベル(GL)からの立ち上がり天面高さ(H)が300mm以上、好ましくは400mm以上となるように設計される。図に示す立上壁部1は、全体の高さを580mmとしており、下端部の150mmの部分を地中に埋設し、グランドレベルGLより上側の430mmを立ち上がり天面高さ(H)として地上に表出させるようにしている。
(底盤部2)
底盤部2は、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型されている。図に示すコーナー用のブロック10Aは、L字状に交差する立上壁部1を備えているので、隣合う立上壁部1同士の内側に平面視を矩形状とする底盤部2を設けている。底盤部2は、根入れ部4の下面よりも一段高い位置を下面とする板状としている。底盤部2は、厚さ(s)を120mm以上とする。図に示す底盤部2は、厚さを150mmとしている。また、底盤部2は、上面の高さ(h)をグランドレベル(GL)よりも100mm高くしている。なお、図に示すコンクリートブロック10は、底盤部2に埋設される鉄筋3を1段に配筋(シングル配筋)している。ただ、コンクリートブロックは、図示しないが、底盤部に埋設される鉄筋を2段に配筋(ダブル配筋)することもできる。この構造のコンクリートブロックは、2段に配筋される鉄筋の間隔、及びコンクリートのかぶり厚さを考慮して、底盤部の厚さ(s)を200mm以上とする。
以上の立上壁部1と底盤部2は、コンクリートで一体成型されて所定の立体形状に形成される。図4〜図6に示すコーナー用ブロック10Aは、縦横の長さ(L)を等しくして、平面視における外形を正方形状としている。このコーナー用ブロック10Aは、縦横の長さ(L)を900mm以上であって、好ましくは1200mm以上とする。縦横の長さ(L)を大きくすると、構築領域30に設置されるコンクリートブロック10の体積を大きくできるので、打設されるコンクリートの量を少なくできる。ただ、縦横の長さ(L)を大きくすると、重量が大きくなってその搬送や設置に制約を受けるようになる。したがって、コーナー用ブロック10Aは、縦横の長さ(L)を3000mm以下であって、好ましくは2000mm以下とする。図に示すコーナー用ブロック10Aは、縦横の長さ(L)を1350mmとしている。この構造のコーナー用ブロック10Aは、全体の重量を1.5t以下としてクレーン等の吊り上げ機を使用して簡単に移動できる。
(鉄筋3)
さらに、コンクリートブロック10は、立上壁部1と底盤部2に埋設される複数の鉄筋3を備えている。複数の鉄筋3は、底盤部2の内部において、水平方向に所定の間隔(K)で縦横に交差する姿勢で配置されている。また、複数の鉄筋3は、立上壁部1の内部において、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で配置されている。さらに、複数の鉄筋3は、根入れ部4の内部において、上下2段に、かつ、根入れ部4の厚さ方向に離して2列に所定の間隔(K)で配置されている。さらにまた、根入れ部4の内部に2段2列に配置される4本の鉄筋に対して、コ字状に折曲された鉄筋3を垂直姿勢で交差させて連結すると共に、コ字状の一端を上方に立ち上げて立上壁部1の内部に上下に配置し、コ字状の他端を水平方向に折曲して底盤部2の内部に配置している。立上壁部1、底盤部2、及び根入れ部4の内部に埋設されて、交差する姿勢で配筋される鉄筋3は、交点を線材で結束して連結することで、さらに強固に連結される。
ただ、底盤部2及び立上壁部1の内部に配筋される鉄筋3は、溶着や接着により連結することも、線材以外の連結具を介して連結することもできる。とくに、本発明のコンクリートブロック10は、製造工場等において専用の型枠で成型されるので、内部に配筋される複数の鉄筋3を、必ずしも現場での作業と同様の手段や道具を使用して連結する必要はない。したがって、コンクリートブロック10に埋設される複数の鉄筋3は、コンクリートが硬化した状態で、立上壁部1及び底盤部2の内部の定位置に固定されるように配筋される。なお、詳細には図示しないが、底盤部2及び立上壁部1に埋設される複数の鉄筋3は、従来から現場で配筋される鉄筋と同様の配列と間隔で配筋することができる。
さらに、立上壁部1や底盤部2の内部に埋設される複数の鉄筋3は、水平方向に延在して配置される鉄筋3の端部を立上壁部1や底盤部2の端面から水平方向に突出させて連結突出部3xを形成している。これらの連結突出部3xは、コンクリートブロック10が構築領域30の所定の位置に配置される状態で、水平方向に延在する立上壁部1や底盤部2の端面から水平方向に突出する。これらの連結突出部3xは、コンクリートブロック10に対して連続して打設されるコンクリートの内部に埋設される。これにより、構築領域30に配置されるコンクリートブロック10と、コンクリートブロック10に連結して打設されるコンクリートとの連結強度を強くすることができる。ここで、連結突出部3xの突出量(R)は、400mm以上であって、好ましくは500mm以上とする。連結突出部を長くすることで、打設用鉄筋23との連結強度を強くでき、コンクリートブロック10に連続して成型される打設コンクリート部20との連結強度を強くできる。ただ、連結突出部が長すぎると、コンクリートブロック10の搬送や設置に制約を受ける。したがって、連結突出部3xの突出量(R)は、1000mm以下であって、好ましくは800mm以下とする。図に示すコーナーブロック10Aは、L字状の立上壁部1と対向する2つの端面から突出する連結突出部3xの突出量(R)を550mmとしている。この構造のコーナーブロック10Aは、ブロック全体の縦横の長さ(W)を2000mm以下にできるので、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
さらに、これらの連結突出部3xは、構築領域30に配置されるコンクリートブロック10の周囲に等間隔でかつ所定の突出量として配置されるので、打設されるコンクリートに埋設される打設用鉄筋23を配筋する際のガイドとして有効に利用される。多数の打設用鉄筋23を配筋する配筋作業では、複数の打設用鉄筋23を等間隔に交差させながら配筋することが重要である。また、下面に打設された捨てコンクリート32との間隔や、打設底盤部22の上面との間隔を保持して、所定のかぶり厚さを確保することも大切である。以上のコンクリートブロック10では、端面から水平方向に突出する連結突出部3xをこれらの打設用鉄筋23の配筋作業でのガイドとして利用できるので、多数の打設用鉄筋23を簡単かつ容易に、しかも確実に所定の間隔を保持しながら配筋できる。また、構築領域30の上面に対しても、所定の間隔を保持した状態で水平姿勢で配置されるので、所定のかぶり厚さを確保することができる。
さらにまた、立上壁部1に配筋される立上げ用の鉄筋23Tは、複雑で手間がかかるものであったが、このようにコンクリートブロック10を利用する構造によると、現場での複雑な配筋作業を低減でき、配筋作業にかかる時間を短縮できる。このように、コンクリートブロック10の端面から突出する複数の連結突出部3xを利用することで、複雑であった配筋作業を簡単にできる。とくに、高度な専門技術を必要とせず、現場において多少の経験を有する者であれば誰でも簡単に配筋できる。
以上の鉄筋3は、太さを10mm以上とすることができる。鉄筋3は、例えば13mmとすることができる。さらに、縦横に交差され、あるいは上下左右に交差されて複数列に配筋される鉄筋3同士の間隔(K)は、100mm〜300mmであって、好ましくは150mm〜250mmとすることができる。図のコンクリートブロック10は、複数の鉄筋3の間隔(K)を200mmとしている。
図3〜図6に示すコンクリートブロック10は、建物のコーナー部に配置されるコーナー用ブロック10Aを示したが、コンクリートブロック10は、図2、図7、及び図8に示すように、建物の側面であって、外周ライン31の直線部分に配置されるブロックとすることもできる。
(直線状ブロック10B)
図7に示すコンクリートブロック10は、立上壁部1を平面視において直線状とする直線状ブロック10Bとしている。この直線状ブロック10Bは、例えば、建物のコーナー部とコーナー部の間であって、外周ライン31を直線状とする部分に配置される。図7に示す直線状ブロック10Bは、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)を前述のコーナー用ブロックの長さ(L)と同様の範囲とし、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を800mm〜1350mmであって、例えば910mmとして前述のコーナー用ブロックの長さ(L)よりも短くしている。この直線状ブロック10Bは、全体の平面形状を矩形状とすると共に、立上壁部1を設けた辺を除く3辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。この直線状ブロック10Cは、立上壁部1の全長を短くするので、建物の側面であって、打設中間壁部25が構築されない部分に便利に使用できる。また、全体の重量を1t以下としてクレーン等の吊り上げ機を使用して簡単に移動できる。さらに、この直線状ブロック10Bは、3辺に位置する端面から突出する連結突出部3xの突出量(R)を550mmとするので、ブロック全体の縦横の長さ(W1、W2)を1900mm×2010mmとして、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
(直線状ブロック10C)
さらに、立上壁部1を平面視において直線状とする直線状ブロック10Cは、図2に示すように、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)に対して、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を長くすることもできる。図2に示す直線状ブロック10Cは、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)を前述のコーナー用ブロックの長さ(L)と同様の範囲とし、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を1350mm以上であって、例えば1820mmとして前述のコーナー用ブロックの長さ(L)よりも長くしている。この直線状ブロック10Bは、立上壁部を1辺にのみ設けているので、幅方向の長さ(L2)を長くしながら全体の重量を1.5t以下とすることができる。また、この直線状ブロック10Bは、3辺に位置する端面から突出する連結突出部3xの突出量(R)を550mmとするので、ブロック全体の縦横の長さ(W1、W2)を1900mm×2920mmとして、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
(T字状ブロック10D)
さらに、図8に示すコンクリートブロック10は、底盤部2の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部5を備えている。このコンクリートブロック10は、中間壁部5の一端を立上壁部1の中間部に直交する姿勢で連結して、中間壁部5と立上壁部1の平面視をT字状とするT字状ブロック10Dとしている。このT字状ブロック10Dは、中間壁部5に埋設される鉄筋3の一部を、中間壁部5の端面から水平方向に突出させて連結突出部3xとしている。このT字状ブロック10Dも、全体の平面形状を矩形状とすると共に、立上壁部1を設けた辺を除く3辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。このT字状ブロック10Dは、立上壁部1に連結された中間壁部5を備えているので、べた基礎の外周に構築される立上部の内側に中間壁を構築する場合には、立上壁部1の内側に成型された中間壁部5をガイドとして利用することで、打設されるコンクリートで成型される打設中間壁部25を成型する際の型枠を簡単に設置できる。また、中間壁部5の端面から突出する連結突出部3xをガイドに利用することで、打設中間壁部25に埋設される打設用鉄筋23の配筋を簡単にできる。
このT字状ブロック10Dは、図8に示すように、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)に対して、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を短くすることで、建物の側面であって、打設中間壁部25が構築される部分に便利に使用できる。このT字状ブロック10Dは、例えば、立上壁部1の厚さ方向の長さ(L1)を前述のコーナー用ブロックの長さ(L)と同様の範囲とし、立上壁部1の幅方向の長さ(L2)を800mm〜1350mmであって、例えば910mmとしている。このサイズのT字状ブロック10Dは、全体の重量を1t以下としながら、ブロック全体の縦横の長さ(W1、W2)を1900mm×2010mmとして、トラック等の輸送手段を使用してして簡単に搬送できる。
(平面状ブロック10E)
さらに、図2に示すコンクリートブロック2は、べた基礎の外周に構築される立上部の内側であって、打設されるコンクリートで打設底盤部22が成型される領域の中央部に、平面状ブロック10Eを配置している。この平面状ブロック10Eは、立上壁部1を設けることなく、全体の厚さを均等とする底盤部2のみで構成されている。この平面状ブロック10Eは、平面形状を矩形状とすると共に、4辺に位置する端面から連結突出部3xを突出させている。この形状の平面状ブロック10Eは、打設されるコンクリートで打設底盤部22が成型される領域に配置することで、効果的に打設されるコンクリート量を低減することができる。また、打設されるコンクリートの中央部に浮島の状態で配置されるので、打設されたコンクリートの表面をコテで均す際には、この平面状ブロックの上面に乗って、効率よく均し作業をできる。
(嵌合溝部6)
以上のコンクリートブロック10は、図3〜図8に示すように、連結突出部3xを設けた端部に凹凸形状6を設けて、連続して成型される打設コンクリート部20との連結強度を高める構造としている。図に示すコンクリートブロック10は、連結突出部3xを設けた端面に、複数の連結突出部3xの配列方向に沿って嵌合溝部6Aを設けている。図に示す嵌合溝部6Aは、底盤部2、立上壁部1、及び中間壁部5の端面の長手方向であって中心線に沿って溝部を形成している。図に示すコンクリートブロック10は、底盤部2の端面に設けた嵌合溝部6Aと立上壁部1の端面に設けた嵌合溝部6AとをT字状に連結すると共に、この連結部の下方であって、根入れ部4の端面においては、正面視が四角形状となるように嵌合溝部6Aを設けて、底盤部2と立上壁部1に設けた嵌合溝部6Aに連結している。このように、隣接して成型される打設コンクリート部との境界部分に嵌合溝部6Aを備えるコンクリートブロック10は、図3に示すように、打設されるコンクリートが嵌合溝部6Aの内部に侵入して嵌合溝部6Aに嵌合する嵌合凸部26Aを形成する。したがって、コンクリートブロック10の端面に形成される嵌合溝部6Aと、打設されるコンクリートとの接触面積を大きくすることで結合力を増加させて連結強度を大きくできる。とくに、底盤部2及び立上壁部1と打設コンクリート部20との境界部分における剪断力を大きくできる。
図に示すコンクリートブロック10は、連結突出部3xを設けた端部に設ける凹凸形状6を嵌合溝部6Aとするが、コンクリートブロックは、連結突出部を設けた端面に、連結突出部の配列方向に延長された嵌合凸条を設けて、これと対向する打設コンクリート部には、嵌合凸条と嵌合する嵌合凹部をコンクリートで成型することもできる。この構造も、コンクリートブロックの端面に形成される嵌合凸条と、打設されるコンクリートとの接触面積を大きくすることで結合力を増加させて連結強度を大きくしながら、底盤部及び立上壁部と打設コンクリート部との境界部分における剪断力を大きくできる。
さらに、コンクリートブロック10は、図9に示すように、連結突出部3xを設けた端部をジグザグ状に出入りする形状に成型して、連結突出部3xを設けた端面を凹凸形状6とすることもできる。図に示すコンクリートブロック10は、底盤部2及び立上壁部1の端部を、厚さ方向に延びる凸部6bと凹部6aとを交互に設ける形状に成型して凹凸形状6としている。また、根入れ部4においては、交差する凹部6cにより、複数の凸部6dを設けている。このコンクリートブロック10は、端部に連続して成型される打設コンクリート部20に、これ等の凹凸形状6と嵌合する凹凸部がコンクリートで成型されることにより、打設されるコンクリートとの接触面積を大きくすることで結合力を増加させて連結強度を大きくできる。さらに、図示しないが、コンクリートブロックは、打設コンクリート部に連結される端部の形状を種々の凹凸形状とすることで、打設コンクリート部との連結強度を強くすることができる。
(アンカーボルト7)
さらに、図3に示すコンクリートブロック10は、土台(図示せず)を固定するためのアンカーボルト7を立上壁部1の上面に埋設して設けている。アンカーボルト7は、立上壁部1の上面から垂直に突出しており、上面に配置される土台を固定できるようにしている。アンカーボルト7の突出量は、構築されたベタ基礎の立上部の上面に配置される土台を貫通して突出する長さとする。
(ホールダウン用アンカーボルト8)
さらに、図3のコンクリートブロック10は、柱(図示せず)を固定するためのホールダウン用アンカーボルト8を埋設して固定している。このホールダウン用アンカーボルト8は、立上壁部1の上面であって、柱が配置される位置に隣接して、上面から突出するように埋設されている。ホールダウン用アンカーボルト8は、例えば、立上壁部1の上面からの突出量を約500mmとすると共に、立上壁部1に埋設される長さを約400mmとして十分な連結強度、とくに引っ張り強度を強くしている。このホールダウン用アンカーボルト8は、立上壁部1に埋設される鉄筋3に金具を介して、あるいは緊締して連結される。なお、図1、図2、及び図4〜図9においては、アンカーボルト7及びホールダウン用アンカーボルト8を図示することなく、省略している。
(つり上げ金具)
さらに、コンクリートブロック10は、クレーンの玉掛用の金具を固定することができる。このような金具として、例えば、予めコンクリートに埋設されたつり上げ金具とし、あるいはつり上げ金具として使用されるIボルトがねじ込まれるアンカーとすることができる。コンクリートブロック10は、立上壁部1の上面につり上げ金具を設ける場合、この部分に突出する部材があると、土台を配置する際に邪魔になる。したがって、このような部分には、予めアンカーを埋設することができる。このアンカーにIボルト等の金具をねじ込むことでつり上げ用の金具として使用でき、コンクリートブロック10を移動後には、Iボルトを取り外して立上壁部1の上面を平らにできる。また、底盤部2においては、予めアンカーを埋設しておいて、このアンカーにIボルトをねじ込むこともできるが、先端にリング部やU曲部を備える金具をコンクリートに埋設することでつり上げ金具とすることができる。このような金具は、内部に配筋される鉄筋3に連結することでより強固に固定できる。あるいは、内部に配筋される鉄筋3の一部をU曲させた状態で底盤部2の上面から突出させて、つり上げ用の金具とすることもできる。
つり上げ金具は、複数箇所に設けることで金具にかかる荷重を分散しながらつり上げできる。とくに、複数のつり上げ金具をバランスよく配置することで、各金具にかかる負荷を分散しながら安定してつり上げできる。なお、以上のつり上げ金具は、コンクリートブロック10の形状に応じて最適な位置に設けることができる。つり上げ金具の位置は、好ましくは、クレーンでつり上げる際にバランスしやすい位置であって、平面視においてコンクリートブロック10の重心を通る中心線に対して線対称の位置に設けることができる。
(コンクリートブロック10の製造方法)
以上のコンクリートブロック10は、製造工場等において所定の内形を有する成型型枠を使用して製造される。成型型枠の一例を図10の概略断面図に示す。図10に示す成型型枠40は、図4〜図6に示すコーナー用ブロック10Aを製造する成型型枠40を示している。成型型枠40は、底盤部2を成型する箱形の第1型枠部41と立上壁部1を成型する溝状の第2型枠部42とを備えている。第2型枠部42の開口縁は第1型枠部41の底板41Aに開口された開口部41aに連結されており、第2型枠部42の内側面42Aと第1型枠部41の底板41Aとは互いに垂直姿勢で連結されている。これにより、コンクリートで成型される立上壁部1の側面と底盤部2の上面とを正確な垂直姿勢とすることができる。また、第2型枠部42の外側面42Bは第1型枠部41の外周壁41Bと同じ高さまで延長されており、底盤部2から突出する根入れ部4の外側面を成型する型枠としている。さらに、第1型枠部41の内側には、根入れ部4の内側面を成型するための内側型枠部43を配設している。
第1型枠部41、第2型枠部42、及び内側型枠部43は、詳細には図示しないが、複数枚の金属板を連結して構成されると共に、打設されたコンクリートが硬化した後、脱型できるように分解可能に構成されている。また、第1型枠部41及び第2型枠部42は、鉄筋3や構造用金物を内部の定位置に配置しながら、その一部を外部に突出できるように、鉄筋3や構造用金物を貫通させる複数の貫通孔(図示せず)が開口されている。
さらに、図10に示す成型型枠40は、第1型枠部41の底板41Aを所定の高さに支持する支持脚44を底板41Aの下方に備えている。図に示す成型型枠40は、底板41Aの四隅部に4本の支持脚44を固定している。支持脚44は、立上壁部1に埋設されるアンカーボルトやホールダウン用アンカーボルト8等の構造用金物を第2型枠部42の定位置に配置した状態で、これらの造用金物の先端が床面に接触しないように、底板41Aを所定の高さに配置できるように、その高さを決定している。図に示す成型型枠40は、第2型枠部42から突出するホールダウン用アンカーボルト8の突出量を約500mmとすると共に、第1型枠部41の底板41Aと第2型枠部41の底板41Cとの高低差(S)、すなわち底盤部2に対する立上壁部1の突出量を330mmとするので、支持脚44の高さ(M)を850mm以上としている。
さらに、図10に示す成型型枠40は、内部にコンクリートを打設して硬化させた後、成型型枠40全体を上下反転できるように、成型型枠40を持ち上げて回転させるための支持アーム49を挿入するための挿入筒45を備えている。この挿入筒45は、支持アーム49を挿入できる内形であって、コンクリートが打設された成型型枠40を支持アーム49で持ち上げできる長さとしている。図に示す成型型枠40は、立上壁部1や底盤部2の端面から突出する連結突出部3xが邪魔にならないように、立上壁部1の外側面1x側、すなわち、第2型枠部42の外側から支持アーム49を挿入できるように、挿入筒45を第2型枠部42の底板42Cよりも下方に配置している。成型型枠40は、一対の挿入筒45を水平方向に離して支持脚44に固定しており、第2型枠部42の外側面42B側から挿入される支持アーム49を挿入筒45に挿入させた状態で、成型型枠40を持ち上げて上下反転できるようにしている。このように、挿入筒45に挿入される支持アーム49を上下反転させる機構として、例えば、回転フォークリフトが使用できる。すなわち、回転フォークリフトのフォークである支持アーム49を挿入筒45に差し込んだ状態で成型型枠40を持ち上げ、かつ上下反転させることで、図3〜図6に示す姿勢のコンクリートブロック10が成型される。
コンクリートブロック10は、以上の構造の成型型枠40を使用して、以下のようにして製造される。
(1)[型枠準備工程]
図10に示すように、第1型枠部41及び第2型枠部42を上方開口の姿勢として成型型枠40を配置する。
(2)[型枠配筋工程]
成型型枠40の内部において、複数の鉄筋3を所定の配列で配筋すると共に、アンカーボルトやホールダウン用アンカーボルト8を所定の位置に固定する。
(3)[コンクリート充填工程]
成型型枠40の内部にコンクリートを打設する。第2型枠部42と第1型枠部41に所定の高さまでコンクリートが充填された状態で、第1型枠部41の開口部側において、底盤部2の下面となる面をコテで均してコンクリートの表面を平らにする。さらに、第2型枠部42の外側面42Bと内側型枠部43との間にコンクリートを充填して、底盤部2よりも一段高く突出する根入れ部4を成型し、根入れ部4の下面となる面をコテで均してコンクリートの表面を平らにする。
(4)[反転工程]
打設されたコンクリートが硬化した後、回転フォークリフトの支持アーム49を成型型枠40の挿入筒45に挿入し、成型型枠40を持ち上げて上下反転する。
(5)[脱型工程]
その後、成型型枠40を脱型することで、所定の形状のコンクリートブロック10が製造される。
以上の方法によると、第2型枠部42と第1型枠部41の奥部まで確実にコンクリートを充填しながら、底盤部2と立上壁部1とを一度の打設で一体成型できる。また、コンクリートブロック10は、工場において製造されるので、打設されたコンクリートを十分に時間をかけて硬化させることができる。したがって、底盤部2と立上壁部1との連結強度が低下するのを有効に防止しながら、底盤部2と立上壁部1とを正確な直交姿勢に成型できる。ただ、コンクリートブロックの製造方法は、以上の方法に限定しない。コンクリートブロックは、成型型枠にコンクリートを打設して立上壁部と底盤部を成型できる他の全ての方法が採用できる。
(べた基礎の構築方法)
以上の建物用のべた基礎は、以下の工程で構築される。なお、以下の説明に使用する図11〜図14、及び図16に示すコンクリートブロック10においては、前述のように、アンカーボルト及びホールダウン用アンカーボルトを図示することなく省略している。
[準備工程]
図3〜図8に示すように、垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部1と、立上壁部1の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部2と、立上壁部1及び底盤部2に埋設されて、その一部が立上壁部1及び底盤部2の端面から水平方向に突出する連結突出部3xを形成してなる複数の鉄筋3とを備えるコンクリートブロック10を準備する。
[地業工程]
図2と図3に示すように、べた基礎を構築する構築領域30を根切り作業により掘削する。構築領域30は、建物の外周ライン31に沿って深く掘削された深堀部30Aと、この深堀部30Aの内側に、深堀部30Aよりも浅く掘削された浅堀部30Bとに区画する状態で掘削する。その後、深堀部30Aと浅堀部30Bに砕石34を敷き詰める。敷き詰めた砕石34の上から転圧機で転圧して押し固める。転圧された砕石34の上に防湿シート33を敷き詰める。深堀部30Aにおいて、防湿シート33の上に、捨てコンクリート32を打設する。捨てコンクリート32は、例えば50mmの厚さに成型される。捨てコンクリート32の上に墨出しを行い、図2に示すように、外周ライン31を表示する。
[配置工程]
墨出しされた外周ライン31にコンクリートブロック10を配置する。図11及び図12に示すべた基礎は、四隅にコーナー用ブロック10Aを配置すると共に、側面となる部分には立上壁部1を直線状とする直線状ブロック10B、10Cを配置し、さらに、内側に打設中間壁部25を形成する部分には、平面視をT字状とするT字状ブロック10Dを配置する。この工程では、墨出しされた外周ライン31に沿って各コンクリートブロック10の立上壁部1の外側面1xを位置決め面9として配置する。コンクリートブロック10は、例えば、位置決め面9である外側面1xの下端縁が外周ライン31と一致するように配置することで外周ライン31に対して正確に位置決めしながら設置される。コーナー部に設置されるコーナー用ブロック10Aにおいては、直交する立上壁部1の外側面1xを外周ライン31のコーナー部に沿って配置する。これにより、四隅の位置を確定しながら配置される。さらに、外周ライン31の直線部分に沿って、すなわち建物の側面に位置して配置される直線状ブロック10B、10C及びT字状ブロック10Dは、四隅に配置されるコーナー用ブロック10Aの間に位置して配置される。また、中間壁部5を備えるT字状ブロック10Dは、中間壁部5の位置が所定の位置となるように外周ライン31に配置する。
この工程において、所定の位置に配置されるコンクリートブロック10は、立上壁部1の外側面1xを位置決め面9として外周ライン31に対して正確な位置に配置されると共に、水平器や垂直器を使用することで、立上壁部1の姿勢を確認しながら配置される。垂直器は、立上壁部1が垂直な姿勢となるように配置されたかどうかを確認する。水平器を使用する場合は、底盤部2の上面が水平姿勢にあるかどうかを確認する。コンクリートブロック10は、立上壁部1が底盤部2に対して正確な垂直姿勢となるように工場で製造されるので、現場において立上壁部1が正確な鉛直姿勢となるように配置されたかどうかは、底盤部2が水平に配置されたかどうかで判定できる。図3〜図8に示すコンクリートブロック10は、とくに、底盤部2の上面を平面状としながら、この平面状の上面に対して正確な垂直姿勢となるように、立上壁部1を成型しているので、現場においては、底盤部2の上面の水平姿勢を確認することで立上壁部1が鉛直な姿勢にあるかどうかを確認できる。このため、このコンクリートブロック10は、底盤部2の上面に水平器を載せて縦横の方向における水平姿勢を確認することで底盤部2の水平姿勢を確認しつつ、立上壁部1の鉛直状態を確認できる。したがって、極めて簡単に立上壁部1の鉛直姿勢を確認できる。
なお、立上壁部1の鉛直姿勢を確認する際に、コンクリートブロック10の姿勢の傾き等による誤差があった場合には、コンクリートブロック10の下面であって、傾きのずれを修正できる位置に修正部材を配置することで、コンクリートブロック10の姿勢を修正できる。このような修正部材には、例えば、金属板が使用できる。とくに、修正部材を金属板とする場合には、金属板の厚さや枚数を調整することでコンクリートブロック10の姿勢を簡単に微調整できる。また、複数のコンクリートブロック10の設置高さについては、レベルセンサ等を用いて高さの確認をすることができる。
また、この配置工程においては、各コンクリートブロック10は、クレーンを使用して所定の位置に配置される。コンクリートブロック10は、トラック等の荷台に載せて移送される。また、現場においては、クレーンにより荷台から下ろされると共に、所定の設置位置にクレーンで吊り上げて移動する。コンクリートブロック10は、図示しないが、複数箇所に固定されたクレーンの玉掛用のつり上げ金具を介して吊り上げられる。
[型枠支持具設置工程]
配置工程で外周ライン31に配置されたコンクリートブロック10の間に位置して、所定の位置に型枠24を固定するための型枠支持具27を設置する(図15参照)。建物の外周ライン31に沿って成型される打設立上壁部21を成型するための型枠24を定位置に支持する外周支持具27Aを捨てコンクリート32に表示された外周ライン31に沿って配置する。また、基礎の内側に成型される打設中間壁部25を成型するための型枠24を定位置に支持する中間支持具27Bを、浅堀部30Bに敷設された防湿シート33の上面の所定の位置に配置する。なお、図13においては、型枠支持具27を図示することなく省略している。
[配筋工程]
図13に示すように、建物の外周ライン31に配置された複数のコンクリートブロック10から突出する鉄筋3の連結突出部3xを利用して打設用鉄筋23を配筋する。互いに隣接して配置されるコンクリートブロック10同士の間において、それぞれのコンクリートブロック10から突出する連結突出部3xが互いに重なる位置関係にある場合は、直接これ等の連結突出部3Xを連結し、連結突出部3xが互いに重ならない場合は、打設用鉄筋23を介して連結する。このとき、打設用鉄筋23は、コンクリートブロック10から突出する連結突出部23をガイドとして、簡単かつ正確な位置で連結される。さらに、コンクリートブロック10から突出する連結突出部3xと連結突出部3xから延長する状態で連結された打設用鉄筋23に対して、打設用鉄筋23を縦横に交差し、あるいは上下左右に交差する状態で配置する。底盤部2に連続して成型される打設底盤部22に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、水平方向に所定の間隔(K)で縦横に交差する姿勢で連結される。また、立上壁部1に連続して成型される打設立上壁部21に埋設される連結突出部3x、立上げ用の鉄筋23T、及び打設用鉄筋23は、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で連結される。さらに、打設立上壁部21の下端部に成型される打設根入れ部の内部に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、2段2列に配置されると共に、下部をコ字状に折曲された立上げ用の鉄筋23Tに垂直姿勢で交差するように連結される。さらにまた、基礎の内側において成型される打設中間壁部25に埋設される連結突出部3x及び打設用鉄筋23は、所定の間隔(K)で上下左右に交差する姿勢で連結される。以上のようにして交差する姿勢で配筋される連結突出部3x、打設用鉄筋23、及び立上げ用の鉄筋23Tは、交点を線材で結束することで、さらに強固に連結される。
[型枠設置工程]
図14と図15に示すように、打設立上壁部21及び打設中間壁部25を構築する部分に型枠24を設置する。これらの型枠24は、構築領域30に設置されたコンクリートブロック10に沿って配置される。なお、図14においては、型枠24を支持するための型枠支持具27及び型枠24を固定するため型枠固定具28は省略している。
まず、外周ライン31に配置された複数のコンクリートブロック10の立上壁部1の側面に沿って型枠24を配置する。この型枠24は、コンクリートブロック10の立上壁部1に連続して成型される打設立上壁部21を成型するための型枠24であって、図15に示すように、立上壁部1の外側面1xに沿って配置される外周型枠24Aと、立上壁部1の内側面に沿って配置される内周型枠24Bとを備えている。外周型枠24Aは、コンクリート成型面となる平滑面がコンクリートブロック10の立上壁部1の外側面1xに沿って配置されると共に、下端部が捨てコンクリート32に固定された外周支持具27Aの連結溝部27aに嵌入されて定位置に配置される。また、内周型枠24Bは、コンクリート成型面となる平滑面がコンクリートブロック10の立上壁部1の内側面に沿って配置されると共に、下端部が捨てコンクリート32から所定の高さに配置された外周支持具27Aの連結溝部27bに嵌入されて定位置に配置される。立上壁部1の両面に対向する姿勢で配置された外周型枠24Aと内周型枠24Bは、それぞれの上端部が型枠固定具28の両端部に設けた連結溝部28aに嵌入されて定位置に保持される。とくに、外周型枠24Aと内周型枠24Bは、立上壁部1の両面に沿って配置されることで、所定の間隔に保持されながら立上壁部1に沿う垂直姿勢で配置される。
また、基礎の内側であって、打設中間壁部25が成型される部分にも型枠24が配置される。図15は、外周ライン31に配置されるT字状ブロック10Dの中間壁部5の側面に沿って型枠24を配置する状態を示している。この型枠24は、T字状ブロック10Dの中間壁部5に連続して成型される打設中間壁部25を成型するための型枠24であって、立上壁部1の側面に沿って配置される一対の中間型枠24Cを備えている。一対の中間型枠24Cは、コンクリート成型面となる平滑面がT字状ブロック10Dの中間壁部5の側面に沿って配置されると共に、下端部が浅堀部30Bの防湿シート33から所定の高さに配置された中間支持具27Bの連結溝部27cに嵌入されて定位置に配置される。中間壁部5の両面に対向する姿勢で配置された一対の中間型枠24Cは、それぞれの上端部が型枠固定具28の両端部に設けた連結溝部28aに嵌入されて定位置に保持される。とくに、一対の中間型枠24Cは、中間壁部5の両面に沿って配置されることで、所定の間隔に保持されながら中間壁部5に沿う垂直姿勢で配置される。
以上のように、コンクリートブロック10の立上壁部1の側面と面を合わせる状態で打設立上壁部21を成型でき、また、T字状ブロック10Dの中間壁部5の側面と面を合わせる状態で打設中間壁部25を成型できる。したがって、従来のように、型枠の鉛直姿勢を正確に測定することなく、簡単かつ短時間で複数の型枠24を正確な姿勢で設置できる。このように、コンクリートブロック10の立上壁部1や中間壁部5の側面を位置決め面として、この面に沿って型枠24を配置することで、型枠24を正確な姿勢に位置決めしながら設置できる。とくに、以上のコンクリートブロック10は、立上壁部1を外周ライン31に位置決めする位置決め面9を、型枠24の位置決め面9に兼用しながら設置できる。したがって、この工程では、従来のように、型枠24の鉛直姿勢を正確に測定することなく、また、複数の型枠24を垂直姿勢に支持するための支柱等の支持部材を使用することなく、簡単かつ短時間で複数の型枠24を正確な姿勢で設置できる。
[コンクリート打設工程]
図16に示すように、型枠設置工程で定位置に設置された型枠24の内側にコンクリートを打設して、底盤部2に連続する打設底盤部22と、立上壁部1に連続する打設立上壁部21と、中間壁部5に連続する打設中間壁部25とを成型する。この工程では、まず、構築領域30に設置された複数のコンクリートブロック10の底盤部2の間の領域にコンクリートを打設して、底盤部2に連続する打設底盤部21を成型する。打設底盤部21を形成するコンクリートは、設置されたコンクリートブロック10の底盤部1の上面と等しい高さまで充填されると共に、その表面をコテで均して平らにする。打設されるコンクリートの表面を平らに均す際には、設置されたコンクリートブロック10の底盤部1の上面に乗って作業できるので、打設されたコンクリートの硬化具合に関係なく、また、コンクリートの表面に跡を残すことなく、効率よく作業できる。
さらに、立上部を成型するために設置された一対の型枠24の内側にコンクリートを打設して、打設立上壁部21と打設中間壁部25とを成型する。すなわち、対向する外周型枠24Aと内周型枠24Bの間にコンクリートを充填して立上壁部1に連続する打設立上壁部21を成型し、対向する一対の中間型枠24Cの間にコンクリートを充填して中間壁部5に連続する打設中間壁部25を成型する。対向する型枠24の内側に充填されるコンクリートは、所定の高さまで充填されると共に、その表面をコテで均して平らにする。
なお、以上の実施例では、T字状ブロック10Dの中間壁部5に沿って打設中間壁部25を成型する例を示したが、打設中間壁部は、T字状ブロックを使用することなく、打設立上壁部に連結する状態で構築することもできる。この場合は、配筋工程において、打設立上壁部に埋設される打設鉄筋に連続する状態で、打設中間壁部に埋設される打設鉄筋を配筋すると共に、型枠設置工程においては、打設立上壁部21の内側面を成型する内周型枠と打設中間壁部を成型する中間型枠とを平面視においてL字状に連結することによって、打設立上壁部と打設中間壁部とをT字状に連結された状態で一体成型する。
[脱型工程]
打設したコンクリートが十分に乾いた後、型枠24を取り外す。この状態で図1に示すべた基礎が構築される。
以上の構築方法では、例えば、通常は20坪程度の基礎工事に要する日時は、捨てコンクリートの墨出しまでは同じで、2名で2週間程度掛かるが、このべた基礎の構築方法によると、5日程度で完成することができる。事前に計画的に作成された設計図を基に、べた基礎用のコンクリートブロックをクレーン車や玉掛技能士等にて設置することで大幅な人員削減と工期短縮になる。
ハウスメーカー・地域ビルダー等も全国的に、住宅を受注しても基礎施工業者が少なくなりつつあり、基礎ができないので着工できない恐れが起こっている現状の問題から解決される。基礎の大部分のパーツを工場生産することで、現場で作業することが圧倒的に少なくなり、若年等の労働者の働き方改革もされ、慢性化した人材不足の解消につながる。
1…立上壁部
1x…外側面
2…底盤部
3…鉄筋
3x…連結突出部
4…根入れ部
5…中間壁部
6…凹凸形状
6A…嵌合溝部
6a、6c…凹部
6b、6d…凸部
7…アンカーボルト
8…ホールダウン用アンカーボルト
9…位置決め面
10…コンクリートブロック
10A…コーナー用ブロック
10B…直線状ブロック
10C…直線状ブロック
10D…T字状ブロック
10E…平面状ブロック
20…打設コンクリート部
21…打設立上壁部
22…打設底盤部
23…打設用鉄筋
23T…立上げ用の鉄筋
24…型枠
24A…外周型枠
24B…内周型枠
24C…中間型枠
25…打設中間壁部
26A…嵌合凸部
27…型枠支持具
27A…外周支持具
27a、27b、27c…連結溝部
27B…中間支持具
28…型枠固定具
28a…連結溝部
30…構築領域
30A…深堀部
30B…浅堀部
31…外周ライン
32…捨てコンクレート
33…防湿シート
34…砕石
40…成型型枠
41…第1型枠部
41A…底板
41a…開口部
41B…外周壁
42…第2型枠部
42A…内側面
42B…外側面
42C…底板
43…内側型枠部
44…支持脚
45…挿入筒
49…支持アーム

Claims (5)

  1. 垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部と、
    前記立上壁部の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部と、
    前記立上壁部及び前記底盤部に埋設された複数の鉄筋と、
    を備え、
    前記複数の鉄筋は、その一部が前記立上壁部及び前記底盤部の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部を形成するべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法であって、
    前記立上壁部及び前記底盤部をコンクリートで一体成型する成型型枠であって、
    前記底盤部を成型する上方開口の第1型枠部と、
    前記第1型枠部の底板の開口部に、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、前記立上壁部を成型する上方開口で溝状の第2型枠部と、
    前記第1型枠部と前記第2型枠部とを所定の高さに保持する支持脚と、
    を備える成型型枠を準備する成型型枠準備工程と、
    前記成型型枠の内部に前記鉄筋を配筋して、その一部を前記連結突出部として外部に突出させる型枠配筋工程と、
    前記成型型枠の前記第1型枠部及び前記第2型枠部を上方開口の姿勢として、該第1型枠部及び該第2型枠部の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
    前記成型型枠に充填されたコンクリートが硬化した後、前記成型型枠を上下反転させる反転工程と、
    を備え、
    前記成型型枠準備工程において、前記支持脚に水平姿勢で連結された挿入筒を備える成型型枠を準備し、
    前記反転工程において、前記挿入筒に挿入される支持アームを介して前記成型型枠を上下反転することを特徴とするべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法。
  2. 請求項1に記載されるべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法であって、
    前記反転工程において、前記挿入筒に挿入される前記支持アームが回転フォークリフトのフォークで、回転フォークリフトで成型型枠を持ち上げて上下反転させるべた基礎用のコンクリートブロックの製造方法。
  3. 建物の下部に構築されるべた基礎の構築方法であって、
    垂直姿勢にコンクリートで成型された立上壁部と、前記立上壁部の下部の内側面から水平方向に延在するようにコンクリートで成型された底盤部と、前記立上壁部及び前記底盤部に埋設された複数の鉄筋とを備え、前記複数の鉄筋は、その一部が該立上壁部及び該底盤部の一部の端面から水平方向に突出されて連結突出部を形成してなるコンクリートブロックを準備する準備工程と、
    建物の外周ラインに前記コンクリートブロックを配置する配置工程と、
    前記コンクリートブロックから突出する複数の前記連結突出部を利用して、打設されるコンクリートに埋設される打設用鉄筋を配筋する配筋工程と、
    前記コンクリートブロックの前記立上壁部に沿って型枠を設置する型枠設置工程と、
    前記型枠の内側にコンクリートを打設して、前記底盤部に連続する打設底盤部と、前記立上壁部に連続する打設立上壁部とを成型するコンクリート打設工程と、
    を備え、
    前記準備工程が、
    前記立上壁部及び前記底盤部をコンクリートで一体成型する成型型枠であって、
    前記底盤部を成型する上方開口の第1型枠部と、
    前記第1型枠部の底板の開口部に、下方に突出する垂直姿勢で連結されて、前記立上壁部を成型する上方開口で溝状の第2型枠部と、
    前記第1型枠部と前記第2型枠部とを所定の高さに保持するとともに、水平姿勢で連結された挿入筒を備える支持脚と、
    を備える成型型枠を準備する成型型枠準備工程と、
    前記成型型枠の内部に前記鉄筋を配筋して、その一部を前記連結突出部として外部に突出させる型枠配筋工程と、
    前記成型型枠の前記第1型枠部及び前記第2型枠部を上方開口の姿勢として、該第1型枠部及び該第2型枠部の内側にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、
    前記成型型枠に充填されたコンクリートが硬化した後、前記挿入筒に挿入される支持アームを介して前記成型型枠を上下反転させる反転工程と、
    を含むことを特徴とするベタ基礎の構築方法。
  4. 請求項3に記載されるべた基礎の構築方法であって、
    前記準備工程において、
    前記コンクリートブロックとして、前記立上壁部が前記底盤部の平面視において互いに直交する二辺に連続するようにL字状に成型されてなるコーナー用ブロックを準備し、
    前記配置工程において、
    前記コーナー用ブロックを建物の外周ラインの四隅に配置することを特徴とするベタ基礎の構築方法。
  5. 請求項に記載されるべた基礎の構築方法であって、
    前記準備工程において、
    前記コンクリートブロックとして、前記立上壁部が平面視において直線状である直線状ブロック、または、前記底盤部の上面に起立姿勢で一体成型された中間壁部の一端が前記立上壁部の中間部に直交する姿勢で連結されて該中間壁部と該立上壁部の平面視をT字状とするT字状ブロックを準備し、
    前記配置工程において、
    前記直線状ブロックまたは前記T字状ブロックを前記コーナー用ブロックの間であって、建物の外周ラインの直線部に配置することを特徴とするベタ基礎の構築方法。
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