JP4174204B2 - ズームレンズ及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一眼レフカメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、フィルム用カメラ等に好適な、超広角域を含みかつ大口径でありながらも良好なる光学性能を有するズームレンズ及びそれを有する光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一眼レフカメラ用のズームレンズとして、物体側から順に負・正・負・正の屈折力のレンズ群を配置したズームタイプが知られている。
【0003】
このズームタイプは負の屈折力のレンズ群が先行する、所謂ネガティブリードであることから広角端を広画角にするのに適している一方で、望遠端では第1レンズ群と第2レンズ群が全体として正の屈折力のグループ、第3レンズ群と第4レンズ群が全体として負の屈折力のグループを構成し、光学系全体として所謂テレフォトタイプとできることから望遠端においても明るいFナンバーとし易いといったメリットを有している。
【0004】
さらにこのズームタイプを、より良好なる光学性能が得やすいように発展させた光学系として、物体側から順に負・負・正・負・正の屈折力のレンズ群を配置したズームタイプが知られている。
【0005】
本出願人は、上記ズームタイプのズームレンズを特開平5−313066号公報、特開平6−308389号公報等で提案している。
【0006】
これらの特開平5−313066号公報、特開平6−308389号公報で提案されているズームレンズは負の屈折力の第2レンズ群を物体側に移動させることにより、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングを行っている。
【0007】
また、特開平6−034883号公報にも同様のズームタイプのズームレンズが開示されている。
【0008】
ここで提案されているズームレンズは第1レンズ群を移動させてフォーカシングをするのが容易となるような屈折力配置をとった光学系である。
【0009】
この他特開平10−039210号公報では、負、正、負、正の屈折力の第1、第2、第3、第4レンズ群より成るレンズ構成で、フォーカシングを第2レンズ群を移動させることで行うインナーフォーカス式を用いたズームレンズが提案されている。
【0010】
また特開平09−230242号公報では、負、正、正、負、正の屈折力の第1、第2、第3、第4、第5レンズ群より成るレンズ構成で、第2レンズ群でフォーカシングを行ったズームレンズが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、物体側から順に負・負・正・負・正の屈折力のレンズ群を配置したズームタイプのズームレンズは、広画角のズームレンズに好適である。しかしながら、広角端の画角が80°を超えるような超広角のズームレンズの場合、前玉径の大型化を抑制するため、近距離物体へのフォーカシング方法にも格別の配慮を払う必要がある。
【0012】
一般にネガティブリード型のズームレンズにおいて、広画角化、及び前玉径の小型化を図りつつ、全変倍範囲にわたり良好な光学性能を得るには各レンズ群の屈折力配置を適切に設定する必要がある。各レンズ群の屈折力配置やレンズ構成が不適切であるとレンズ枚数を増加させても変倍に伴う収差変動が大きくなり、全変倍範囲にわたり高い光学性能を得るのが難しくなってくる。
【0013】
一方、インナーフォーカス式のズームレンズは第1レンズ群全体を移動させてフォーカスを行うズームレンズに比べて第1レンズ群の有効径が小さくなり、レンズ系全体の小型化が容易となり、又近接撮影、特に極近接撮影が容易となり、更に比較的小型軽量のレンズ群を移動させて行っているのでレンズ群の駆動力が小さくてすみ、迅速な焦点合わせができる等の特徴を有している。
【0014】
しかしながらインナーフォーカス式を用いてレンズ系の広画角化を図ろうとすると、フォーカシングによる諸収差の変動が顕著となり、光学性能を良好に維持するのが大変難しくなってくる。
【0015】
本発明は広画角でしかも全変倍範囲にわたり高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
【0016】
この他本発明は、インナーフォーカス方式を採用しつつ、広画角化を図り、かつ変倍及びフォーカシングに伴う諸収差の変動を減少させ、全変倍範囲及び全フォーカス範囲にわたり高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
【0017】
この他本発明は広角端の画角が80°以上、変倍比2.0倍以上、Fナンバー約2.8程度を達成しながらも、前玉径をコンパクトとしやすいフォーカシング方法を有し、かつ良好なる光学性能を達成したズームレンズ及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍の為に前記第1レンズ群は像側へ凸状の軌跡の一部に沿って移動し、広角端から望遠端への変倍の為に前記第2レンズ群は物体側へ単調に移動し、広角端に対し望遠端での前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が小さく前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が小さく、前記第3レンズ群と前記第4レンズの間隔が大きく、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が小さくなるように前記第2、第3、第4、第5レンズ群物体側へ移動するズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は物体側より順に、負レンズ、負レンズ、正レンズよりなり、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズからなり、該正レンズと負レンズとの間で形成される空気レンズは負の屈折力を有しており、前記第2レンズ群を移動させることによってフォーカシングを行い、第iレンズ群の焦点距離をfiとするとき、
1.8<f2/f1<10.0
2.0<|f2/f3|<8.0
の条件式を満足することを特徴としている。
【0019】
請求項2の発明は請求項1の発明において前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズを有し、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき
3.5<|f2/fw|<14.0
の条件式を満足することを特徴としている。
【0020】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.8<|f4/fw|<3.5
1.0<f5/fw<3.5
の条件式を満足することを特徴としている。
【0021】
請求項4の発明は請求項1、2又は3の発明において前記第1レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が弱くなる形状の非球面を有し、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.8<|f1/fw|<2.7
の条件式を満足することを特徴としている。
【0022】
請求項5の発明は請求項1から4のいずれか1項の発明において前記第1レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が弱くなる形状の非球面と、該非球面よりも像側に光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状の非球面を有することを特徴としている。
【0023】
請求項6の発明は請求項1から5のいずれか1項の発明において前記第5レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって正の屈折力が弱くなる形状の非球面を有していることを特徴としている。
【0024】
請求項7の発明は請求項1から6のいずれか1項の発明において、撮像素子上に像を形成するための光学系であることを特徴としている。
【0025】
請求項8の発明の光学機器は、請求項1からのいずれか1項のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有していることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は実施形態1のズームレンズのレンズ断面図。図2、図3、図4は実施形態1のズームレンズの無限遠物体に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図、図5、図6、図7は実施形態1のズームレンズの後述する数値実施例の数値をmm単位で表わしたときの物体距離500mm(像面からの距離)に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【0028】
図8は実施形態2のズームレンズのレンズ断面図。図9、図10、図11は実施形態2のズームレンズの無限遠物体に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図、図12、図13、図14は実施形態2のズームレンズの後述する数値実施例の数値をmm単位で表わしたときの物体距離500mm(像面からの距離)に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【0029】
図15は実施形態3のズームレンズのレンズ断面図。図16、図17、図18は実施形態3のズームレンズの無限遠物体に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図、図19、図20、図21は実施形態3のズームレンズの後述する数値実施例の数値をmm単位で表わしたときの物体距離500mm(像面からの距離)に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【0030】
図22は実施形態4のズームレンズのレンズ断面図。図23、図24、図25は実施形態4のズームレンズの無限遠物体に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図、図26、図27、図28は実施形態4のズームレンズの後述する数値実施例の数値をmm単位で表わしたときの物体距離800mm(像面からの距離)に合焦しているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
【0031】
図1において(W)は広角端、(M)は中間のズーム位置、(T)は望遠端のレンズ断面図を示している。
【0032】
各レンズ断面図において、L1は負の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、L4は負の屈折力の第4レンズ群、L5は正の屈折力の第5レンズ群である。SPは開口絞り、SSPは開放Fナンバー絞り、FPは固定のフレアーカット絞りである。IPは像面であり、撮像手段の撮像面が位置している。
【0033】
絞りSPと開放Fナンバー絞りSSPは第3レンズ群L3と一体的に移動する。
【0034】
矢印は広角端から望遠端への変倍を行う際の各レンズ群の移動軌跡を示している。矢印に示す如く第2レンズ群L2から第5レンズ群L5は、いずれも物体側へ単調に移動している。尚、広角端と望遠端では変倍用レンズ群が機構上光軸上移動可能な範囲の両端に位置した時のズーム位置をいう。
【0035】
各実施形態では広角端から望遠端への変倍の為に、第1レンズ群L1は像側へ凸状の軌跡の一部に沿って移動し、広角端に対し望遠端での第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間隔が小さく、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間隔が小さく、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間隔が大きく、第4レンズ群L4と第5レンズ群L5との間隔が小さくなるように第2、第3、第4、第5レンズ群L2、L3、L4、L5を物体側へ移動している。第2レンズ群L2を物体側へ移動させて無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングを行っている。
【0036】
物体側より順に、第1レンズ群L1は、像面側に凹面を向けた負レンズ、負レンズ、そして物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズより成っている。第2レンズ群L2は、正レンズ、負レンズより成っている。第3レンズ群L3は、負レンズと正レンズとの接合レンズ、そして1以上の正レンズより成っている。第4レンズ群L4は、負レンズ、負レンズと正レンズとの接合レンズより成っている。第5レンズ群L5は、正レンズと負レンズとの接合レンズ、負レンズと正レンズとの接合レンズそして1枚の正又は負レンズより成っている。
【0037】
各実施形態において、第iレンズ群の焦点距離をfi、広角端における全系の焦点距離をfw、第5レンズ群は正レンズと負レンズとの接合レンズを有し、このうちの正レンズの材料のアッベ数をν4pとするとき
1.8<f2/f1<10.0 ・・・(1)
2.0<|f2/f3|<8.0 ・・・(2)
3.5<|f2/fw|<14.0 ・・・(3)
0.8<|f4/fw|<3.5 ・・・(4)
1.0<f5/fw<3.5 ・・・(5)
0.8<|f1/fw|<2.7 ・・・(6)
80<ν5p ・・・(7)
の条件式を満足している。
【0038】
尚、各実施形態においては必ずしも条件式▲1▼〜▲7▼を全て同時に満足する必要はなく、1以上の条件式を満足させるようにしても良く、これによれば満足した条件式における技術による効果が得られる。
【0039】
次に各実施形態の特徴と前述の条件式の技術的意味について、説明する。
【0040】
一般に超広角のズームレンズを設計する際、良好なる光学性能や仕様を満足することのほかに、光学系の大きさ、特に前玉径の大型化を抑制することが重要である。
【0041】
超広角のズームレンズでは、第1レンズ群に入射する最も軸外光線の角度が大変広いので、フォーカシングの際に第1レンズ群を移動させると、前玉径は著しく大型化する。そこで各実施形態では、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングの際、負の屈折力の第1レンズ群L1を固定とし、第1レンズ群L1の負の屈折力によって軸外光束の入射角度が狭くなっている負の屈折力の第2レンズ群L2を物体側に移動させ、さらに負の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3の屈折力を適切に規定することにより前玉径の縮小化を図っている。
【0042】
条件式▲1▼は負の屈折力の第1レンズ群L1と負の屈折力の第2レンズ群L2の屈折力を適切に設定し、前玉径の小型化と、第2レンズ群L2によるフォーカシングを両立しやすくするための条件である。
【0043】
条件式▲1▼の上限値を越えると、フォーカシングのための第2レンズ群L2の移動量が大となりやすくなるため、第2レンズ群L2が大型化しやすくなり、光学系全体の大型化を招きやすくなる。
【0044】
下限値を越えると、第1レンズ群L1の負の屈折力の確保が難しくなるため、前玉径の大型化を招きやすくなる。
【0045】
条件式▲2▼は負の屈折力の第2レンズ群L2と正の屈折力の第3レンズ群L3の屈折力を適切に設定するための条件である。
【0046】
条件式▲2▼の上限値を越えると、フォーカシングのための第2レンズ群L2の移動量が大となりやすくなるため、第2レンズ群L2が大型化しやすくなり、光学系全体の大型化を招きやすくなる。
【0047】
下限値を越えると、第3レンズ群L3の正の屈折力の確保難しくなるため、光学系全系で広角端においてレトロフォーカスタイプ、望遠端においてテレフォトタイプの屈折力配置をとりらくなるので、明るいFナンバーを確保することが困難となる。
【0048】
望ましくは条件式▲1▼、▲2▼を以下の範囲にすると良い。
【0049】
2.2<f2/f1<8.4 ・・・▲1▼´
2.9<|f2/f3|<7.0 ・・・▲2▼´
各実施形態では第2レンズ群L2が正レンズと負レンズ有するようにしている。
【0050】
第2レンズ群L2が正レンズと負レンズを有することで、第2レンズ群L2内の球面収差の補正が容易となり、フォーカシングにともなう球面収差の変動を抑制しやすくなる。そして条件式▲3▼を満足することで、第2レンズ群L2のフォーカス敏感度の確保と、第2レンズ群L2内の球面収差の補正が両立しやすくなる。
【0051】
さらに望ましくは条件式▲3▼を以下の範囲にすると良い。
【0052】
4.0<|f2/fw|<12.0 ・・・▲3▼´
条件式▲4▼は負の屈折力の第4レンズ群L4の屈折力を適切に設定する条件である。
【0053】
条件式▲4▼の上限値を越えると、望遠端で第4レンズ群L4と第5レンズ群L5の合成屈折力を十分な負の屈折力にすることが困難となり、テレフォトタイプの屈折力配置をとりずらくなることなることから、望遠端で明るいFナンバーを確保することが困難となる。下限値を越えると、焦点距離全域にわたって特にコマ収差と歪曲収差の補正が困難となる。
【0054】
条件式▲5▼は第5レンズ群L5の焦点距離を適切に設定したものである。
【0055】
条件式▲5▼の上限値を越えると、望遠端で特に球面収差の補正や広角端におけるバックフォーカスの確保及び十分な変倍比を達成することが困難となり、下限値をこえると、広角端で負の歪曲収差の補正が困難となる。
【0056】
さらに望ましくは条件式▲4▼、▲5▼を以下の範囲にすると良い。
【0057】
1.0<|f4/fw|<3.0 ・・・▲4▼´
1.3<f5/fw<2.9 ・・・▲5▼´
負の屈折力の第1レンズ群L1は光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が弱くなる形状の非球面を有することで、広角端における負の歪曲収差の補正を容易としている。さらに条件式▲6▼を満足することで、負の歪曲収差を良好に補正している。
【0058】
上限値をこえると、光学系全体を小型化することが困難となり、下限値をこえると広角端における歪曲収差、コマ収差、像面湾曲の補正が困難となったり、望遠端でテレフォトタイプの屈折力配置をとりづらくなることなることから、望遠端で明るいFナンバーを確保することが困難となる。
【0059】
さらに望ましくは条件式▲6▼を以下の範囲にすると良い。
【0060】
1.0<|f1/fw|<2.0 ・・・▲6▼´
超広角のズームレンズにおける負の歪曲収差は、画面周辺における歪曲収差が中間画角における歪曲収差よりも小となる、所謂陣笠形状の歪曲収差となりやすい。そこで第1レンズ群L1に光軸からレンズ周辺に向かって正の屈折力が強くなる形状の非球面(即ち負の屈折力が弱くなる形状の非球面)と、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状の非球面を配置している。これによって画面周辺における歪曲収差が中間画角における歪曲収差よりも小となり過ぎないようにしている。
【0061】
第5レンズ群L5に、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状(即ち、正の屈折力が弱くなる形状)の非球面を設けることで広角端における負の歪曲収差を良好に補正しやすくしている。
【0062】
第2レンズ群L2の、最も物体側に正レンズを配置することで、負の屈折力の第1レンズ群L1で発生した球面収差およびコマ収差をキャンセルすることが容易となり、さらに負の屈折力の空気レンズと負レンズを配置することで、軸外光束を効率良く屈折させることができ、広角端における負の歪曲収差や像面湾曲の補正を容易にしている。
【0063】
条件式▲7▼は5レンズ群L5の接合レンズの正レンズの材料のアッベ数を規定する条件である。第5レンズ群L5の接合レンズのうち、少なくとも一方の接合レンズが条件式▲7▼を満足すれば、広角端における負の倍率色収差と望遠端における軸上色収差を良好に補正しやすくなる。
【0064】
各実施形態のなかでも第5レンズ群L5の最も像側のレンズは、広角端において比較的軸外光束が光軸から離れた位置を通過している。このレンズに光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状の非球面を設けると、広角端における負の歪曲収差の補正がさらに容易となる。
【0065】
また、各実施形態で用いる非球面のうち、最も物体側の面と最も像側の面以外に配置された非球面であれば、球面レンズの表面に樹脂等による非球面層を形成しても良い。
【0066】
次に、本発明のズームレンズを用いた一眼レフ用のデジタルカメラシステムの実施形態を、図29を用いて説明する。図29において、10は一眼レフカメラ本体、11は本発明によるズームレンズを搭載した交換レンズ、12は交換レンズ11を通して得られる被写体像を記録する撮像素子などの記録手段、13は交換レンズ11からの被写体像を観察するファインダー光学系、14は交換レンズ11からの被写体像を記録手段12とファインダー光学系13に切り替えて伝送するための回動するクイックリターンミラーである。ファインダーで被写体像を観察する場合は、クイックリターンミラー14を介してピント板15に結像した被写体像をペンタプリズム16で正立像としたのち、接眼光学系17で拡大して観察する。撮影時にはクイックリターンミラー14が矢印方向に回動して被写体像は記録手段12に結像して記録される。
【0067】
このように本発明のズームレンズを一眼レフカメラ交換レンズ等の光学機器に適用することにより、高い光学性能を有した光学機器が実現できる。
【0068】
尚、本発明はクイックリターンミラーのないSLR(Single lens Reflex)カメラにも同様に適用することができる。
【0069】
次に本発明の実施形態1〜4に各々対応する数値実施例1〜4を示す。数値実施例においてiは物体側からの面の順番を示し、Riは各面の曲率半径、Diは第i番目と第(i+1)番目の光学部材厚又は空気間隔、Niとνiは第i番目の光学部材のd線に対する屈折率とアッベ数である。fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。
【0070】
又、非球面形状は面の中心部の曲率半径をR、光軸からの高さYの位置での光軸方向(光の進行方向)の変位を面頂点を基準にしてXとし、A、B、C、D、Eをそれぞれ非球面係数としたとき
【0071】
【数1】
Figure 0004174204
【0072】
で表されるものとする。尚、「e−x」は「×10-X」を表す。また前述の各条件式の一部と数値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。
【0073】
【外1】
Figure 0004174204
【0074】
【外2】
Figure 0004174204
【0075】
【外3】
Figure 0004174204
【0076】
【外4】
Figure 0004174204
【0077】
【表1】
Figure 0004174204
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、広画角でしかも全変倍範囲にわたり高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【0079】
この他本発明によればインナーフォーカス方式を採用しつつ、広画角化を図り、かつ変倍及びフォーカシングに伴う諸収差の変動を減少させ、全変倍範囲及び全フォーカス範囲にわたり高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【0080】
この他本発明によれば広角端の画角が80°以上、変倍比2.0倍以上、Fナンバー約2.8程度を達成しながらも、前玉径をコンパクトとしやすいフォーカシング方法を有し、かつ良好なる光学性能を達成したズームレンズ及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1のレンズ断面図
【図2】 本発明の実施形態1の無限遠物体に合焦しているときの広角端における収差図
【図3】 本発明の実施形態1の無限遠物体に合焦しているときの中間のズーム位置における収差図
【図4】 本発明の実施形態1の無限遠物体に合焦しているときの望遠端における収差図
【図5】 本発明の実施形態1の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの広角端における収差図
【図6】 本発明の実施形態1の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの中間のズーム位置における収差図
【図7】 本発明の実施形態1の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの望遠端における収差図
【図8】 本発明の実施形態2のレンズ断面図
【図9】 本発明の実施形態2の無限遠物体に合焦しているときの広角端における収差図
【図10】 本発明の実施形態2の無限遠物体に合焦しているときの中間のズーム位置における収差図
【図11】 本発明の実施形態2の無限遠物体に合焦しているときの望遠端における収差図
【図12】 本発明の実施形態2の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの広角端における収差図
【図13】 本発明の実施形態2の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの中間のズーム位置における収差図
【図14】 本発明の実施形態2の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの望遠端における収差図
【図15】 本発明の実施形態3のレンズ断面図
【図16】 本発明の実施形態3の無限遠物体に合焦しているときの広角端における収差図
【図17】 本発明の実施形態3の無限遠物体に合焦しているときの中間のズーム位置における収差図
【図18】 本発明の実施形態3の無限遠物体に合焦しているときの望遠端における収差図
【図19】 本発明の実施形態3の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの広角端における収差図
【図20】 本発明の実施形態3の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの中間のズーム位置における収差図
【図21】 本発明の実施形態3の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)500mmの望遠端における収差図
【図22】 本発明の実施形態4のレンズ断面図
【図23】 本発明の実施形態4の無限遠物体に合焦しているときの広角端における収差図
【図24】 本発明の実施形態4の無限遠物体に合焦しているときの中間のズーム位置における収差図
【図25】 本発明の実施形態4の無限遠物体に合焦しているときの望遠端における収差図
【図26】 本発明の実施形態4の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)800mmの広角端における収差図
【図27】 本発明の実施形態4の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)800mmの中間のズーム位置における収差図
【図28】 本発明の実施形態4の数値実施例の数値をmmで表わしたときの物体距離(像面から)800mmの望遠端における収差図
【図29】 本発明の光学機器の要部概略図
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
L5 第5レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面
d d線
g g線
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面
ω 画角
Fno Fナンバー
SSP 開放Fno絞り
FP フレアー絞り

Claims (8)

  1. 物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍の為に前記第1レンズ群は像側へ凸状の軌跡の一部に沿って移動し、広角端から望遠端への変倍の為に前記第2レンズ群は物体側へ単調に移動し、広角端に対し望遠端での前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が小さく前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が小さく、前記第3レンズ群と前記第4レンズの間隔が大きく、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が小さくなるように前記第2、第3、第4、第5レンズ群物体側へ移動するズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は物体側より順に、負レンズ、負レンズ、正レンズよりなり、前記第2レンズ群は、物体側から順に、正レンズ、負レンズからなり、該正レンズと負レンズとの間で形成される空気レンズは負の屈折力を有しており、前記第2レンズ群を移動させることによってフォーカシングを行い、第iレンズ群の焦点距離をfiとするとき、
    1.8<f2/f1<10.0
    2.0<|f2/f3|<8.0
    の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズを有し、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき
    3.5<|f2/fw|<14.0
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  3. 広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
    0.8<|f4/fw|<3.5
    1.0<f5/fw<3.5
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が弱くなる形状の非球面を有し、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
    0.8<|f1/fw|<2.7
    の条件式を満足することを特徴とする請求項1、2又は3のズームレンズ。
  5. 前記第1レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が弱くなる形状の非球面と、該非球面よりも像側に光軸からレンズ周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状の非球面を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項のズームレンズ。
  6. 前記第5レンズ群は、光軸からレンズ周辺に向かって正の屈折力が弱くなる形状の非球面を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項のズームレンズ。
  7. 撮像素子上に像を形成するための光学系であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項のズームレンズ。
  8. 請求項1からのいずれか1項のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有していることを特徴とする光学機器。
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