JP4173972B2 - 香味料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−アセチル−2−チアゾリンを含有する茶飲料用香味料組成物及び該香味料組成物を含有する茶飲料並びに2−アセチル−2−チアゾリンを添加することを特徴とする飲食物への火入れ香の付与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
緑茶に代表される茶類は、日々の生活に潤いを与え、日本人の生活にはなくてはならないものである。最近では茶類の持つ抗酸化性が注目を集めており、ノンカロリーの健康的な飲み物として、茶飲料は無糖飲料の代表的なものとなってきている。しかしながら、従来の茶飲料の持つ欠点としては、茶類が本来持っていた入れ立ての馥郁とした香りが消費者の手に渡る前に失われるという問題点があった。この問題を解決する手段として、入れ立ての茶の香気を得るために、茶葉に短時間に蒸気を通ずる方法(特開平8−116882号公報)、酸化防止剤の存在下に茶から香気成分を蒸留する方法(特開平8−73886号公報)などが提案されている。しかしながら、上記方法で得られた香気も経時的に劣化が進行し、問題の解決とはならなかった。 茶飲料自体の香味を増強する手段としては、茶飲料にカロチン類の熱分解物を加える方法(特公平7−99995号公報)、茶飲料にスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ社の商標)を添加する方法(特開2000−135058号公報)などが提案されているが、これらにより得られる香味は茶類が本来持つ特徴的な香りではなかった。一方、茶飲料の特徴的な香味を付与する方法としては、4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール(特許第3026436号公報)、4−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノン(特許第3026437号公報)、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン(特許第3058165号公報)がいずれも茶類のもつ特徴的で且つ微妙に異なったグリーンノートの表現に効果的であることが提案されている。しかしながら、茶類が本体持つ特徴的な香りを表現するには、未だ完全なものとはいえなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、茶が持つ軽やかで香ばしいローストノート、即ち火入れ香を茶飲料に付与する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは茶類の香気成分の微量分析を行い検索した結果、極微量の2−アセチル−2−チアゾリンが茶類に含まれていることを初めて見いだし、該2−アセチル−2−チアゾリンが火入れ香に大きな寄与をしていることを発見し、本発明を完成させた。即ち本発明は、2−アセチル−2−チアゾリンを10 −12 〜1ppb濃度添加することを特徴とする茶飲料への火入れ香の付与方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。2−アセチル−2−チアゾリンは、従来の文献に記載されており、例えば、調理した牛肉の香気成分として見いだされている(Z. Lebensm. Unters. Forsch., 194, 322-325, 1992)。また、特表2001−526910号公報においては、ロースト風、ポプコーン風或いはパンの皮風の特徴を有し、パン製品などの用途に適しているとの提案もある。しかしながら、上記従来の文献には、2−アセチル−2−チアゾリンが茶類の超微量の香気成分として存在することはもちろん、茶類の持つ火入れ香に寄与することは示唆するものではなかった。
【0006】
本発明で言う火入れ香とは、茶類が本来持つ微妙な軽いローストノートであり、ロースト風、ポプコーン風或いはパンの皮風などの甘く重たいローストノートとは一線を画す風味である。このような風味は、最終製品である茶飲料において、2−アセチル−2−チアゾリンを10−13〜10ppb濃度、好ましくは10−12〜1ppb濃度、特に好ましくは10−11〜10−1ppb濃度で添加した時に発現される。添加率が10−13ppb濃度未満であれば本発明の効果は現れにくく、添加率が10ppb濃度を越えると不快臭となり飲用に適さない場合がある。したがって、本発明の香味料組成物は、最終茶飲料中に0.1%添加されるものとして、2−アセチル−2−チアゾリンを通常は10−10〜10ppb濃度、好ましくは10−9〜10ppb濃度、特に好ましくは10−8〜10ppb濃度で添加されなくてはならない。2−アセチル−2−チアゾリンは、天然物から抽出、減圧条件下での精密蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段で得るか、或いは前記の文献(Z. Lebensm. Unters. Forsch., 194, 322-325, 1992)等記載の合成手段によって得ることができる。
【0007】
本発明の香味料組成物が添加される茶飲料の例としては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉を常法により熱水、温水または冷水で抽出して得られる茶抽出液、茶の香味成分を適宜調合して得られる茶香味を有する調合飲料などがあげられる。
【0008】
茶飲料用香味料組成物の例としては、上記茶抽出液を蒸留して得られる茶溜出液及び/または他の香味料を調合して得られる香味料組成物などがあげられる。そのような香味料としては、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムサルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、l−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、ペパーミント、スペアミントなどミント系の精油、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、スペアミント、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ペパーミント、ホースミント、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、海藻、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンブ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シソ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スペアミント、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、ニンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、ノリ、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、ハッカ、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ペパーミント、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースミント、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料が例示され、適宜選択して使用される。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0010】
[実施例1]
緑茶抽出液100重量部に対し、2−アセチル−2−チアゾリンの1ppbエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを10−3ppb含有する本発明の緑茶飲料を得た。このものは緑茶本来が持つ軽やかで広がりのある火入れ香を持ち、グリーンノートと調和しつつ増強するものであった。
【0011】
[実施例2]
緑茶抽出液を蒸留して得られた緑茶香味料100重量部に対し、2−アセチル−2−チアゾリンの1ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを1ppb含有する本発明の茶飲料用香味料組成物を得た。このものを緑茶抽出物100重量部に対して0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを10−3ppb含有する本発明の緑茶飲料を得た。このものは緑茶本来が持つ軽やかで広がりのある火入れ香を持ち、グリーンノートと調和しつつ増強するものであった。
【0012】
[実施例3]
表1の緑茶用香味料組成物100重量部に、2−アセチル−2−チアゾリンの100ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを100ppb含有する本発明の緑茶飲料用香味料組成物を得た。このものを緑茶抽出物100重量部に対して0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを0.1ppb含有する本発明の緑茶飲料を調製した。
【0013】
【表1】
Figure 0004173972
【0014】
[比較例1]
緑茶抽出物100重量部に、表1の緑茶用香味料組成物を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを含有しない緑茶飲料を調製した。
【0015】
[比較例2]
表1の緑茶用香味料組成物100重量部に、2−アセチル−2−チアゾリンを0.2重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを2000ppm含有する香味料組成物を得た。このものを緑茶抽出物100重量部に対して0.1重量部を加え、2−アセチル−2−チアゾリンを2ppm含有する緑茶飲料を調製した。
【0016】
[試験例1]
実施例3、比較例1及び比較例2の緑茶飲料について、10名のパネルで官能評価を行った。評価の基準は、火入れ香とグリーン香のバランスを中心にし、7:特に好ましい〜1:特に劣悪である、の7段階評価で行った。表2にその平均値と香調を示した。
【0017】
【表2】
Figure 0004173972
【0018】
[実施例4]
烏龍茶抽出液100重量部に対し、2−アセチル−2−チアゾリンの100ppbエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを0.1ppb含有する本発明の烏龍茶飲料を得た。このものは烏龍茶本来が持つ軽やかで広がりのある火入れ香をもったものであった。
【0019】
[実施例5]
烏龍茶抽出液を蒸留して得られた烏龍茶香味料100重量部に対し、2−アセチル−2−チアゾリンの100ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを100ppb含有する本発明の茶飲料用香味料組成物を得た。このものを烏龍茶抽出物100重量部に対して0.1重量部添加したところ、烏龍茶本来が持つ軽やかで広がりのある火入れ香を持った烏龍茶飲料が得られた。
【0020】
[実施例6]
紅茶抽出液を蒸留して得られた紅茶香味料100重量部に対し、2−アセチル−2−チアゾリンの10ppmエタノール溶液を0.1重量部加え、2−アセチル−2−チアゾリンを10ppb含有する本発明の茶飲料用香味料組成物を得た。このものを紅茶抽出物100重量部に対して0.1重量部添加したところ、紅茶本来が持つ広がりのある力強いグリーン香および火入れ香を持った紅茶飲料が得られた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の2−アセチル−2−チアゾリンを茶飲料に添加することにより、茶類の持つ軽い広がりのあるローストノート、即ち火入れ香を持った茶飲料を提供することができた。

Claims (1)

  1. 2−アセチル−2−チアゾリンを10 −12 〜1ppb濃度添加することを特徴とする茶飲料への火入れ香の付与方法
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