JP4173689B2 - 鋸盤による材料切断方法及び鋸盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば材質,形状寸法の異なる複数の材料を鋸盤によって切断加工する場合に、材料特性に基づいて材料の切断順を定めて切断を行う材料切断方法及び鋸盤に係り、さらに詳細には、可能な限り鋸刃の切断寿命を長くすることのできる材料切断方法及び鋸盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば金属性の材料の切断を行う切断装置として帯鋸盤や丸鋸盤等の鋸盤が一般的に使用されている。鋸盤においては、コンピュータ制御により切削条件が自動的に設定されて自動的に材料の切断を行うCNC鋸盤が開発されており、この種の鋸盤は、立体倉庫,クレーン等の搬送装置と組合せて切断ラインを構成し、各種材質、形状寸法の複数の材料の切断を自動的に行うよう構成されている。また、従来の鋸盤には、ICカードに切断指示,切断実績を集計する機能を備えた鋸盤もあり、高効率化,システム化が図られている。
【0003】
しかし、材質、形状寸法の異なる複数本の材料の実切削加工を行う場合、どの材料から切断すべきかの切断順は、作業者の過去の経験やユーザに対する納期日程などに基づいて決定されており、どの材料から切断した方が鋸刃の切断寿命が長くなるか等、材料の切断順を決定する際に参考的に補助する機能を備えた鋸盤等はないのが現状である。
【0004】
また、鋸盤に使用される鋸刃に関しては、例えば鋸刃の使用状況として切断材料別の切断面積や使用回数,使用時間,切断個数などの切断実績情報を管理しているだけで、鋸刃の摩耗量の予想や管理はされておらず、さらに鋸刃の摩耗量を予想する機能を備えた鋸盤等はないのが現状である。
【0005】
現在、切断市場では、多種少量切断,納期厳守,高効率化,高寿命化,コスト削減など多種多様なニーズがあり、その中で特に多種少量切断での高効率化と納期厳守を図るべく設備改善やレイアウト変更が行われていると共に、被削材料に対応して鋸刃の開発も行われている。さらに鋸盤では、部品の共通化,部品点数の削減,軽量化などコスト低減を意識したり、高効率化を図るための鋸盤の開発が行われている。
【0006】
少種大量切断のように同一材料を長時間切断する場合には段取り替えも多くないので、切断予定計画は立て易い。しかし、多種少量生産の場合には段取り替えが多く、また被削材においては新鋼種が日々開発されているので、同一鋼種名でも特性が異なる場合がある。したがって、多種少量生産の場合には過去の経験によるのみでは切断予定計画を立て難くなっている。さらに、多種少量生産の場合には、同一鋸刃で種々の材料を切断することが多く、切断順序が不定であると、鋸刃の切断寿命のバラツキが大きくなり、鋸刃の管理も厄介である。
【0007】
すなわち、従来は、例えば電話,ファックス,メールなどによって切断受注を受けると、鋸刃,被削材名,大きさ及び個数を切断機の制御装置へ入力すると共に、納期,熱処理の有無などを入力する。そして、作業者の過去の経験及び切断ノウハウ等を参考にして切断計画表を作成し、切断順序の良否を判別して、否の場合には切断順序の修正を行い、否でない場合には作業者の意志決定により切断計画表の作成を終了する。
【0008】
上記切断計画表の作成は、納期などを考慮した作業者の考え方や経験年数によって違いがあり、切断計画表の切断順序に従って材料の切断を行うと、鋸刃の切断寿命(鋸刃がある程度摩耗してしまうと、材料αの切断は可能であるが材料βの切断は不可能となるものであり、この場合、材料βに対しては切断寿命となる)に差が生じて、時によっては切曲りが大きく発生し材料を切断できないことがある。したがって、多種少量切断においては材料の切断順序を決定することは重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、多種少量生産の切断加工の場合に鋸刃の切断寿命の延長を図ることのできる材料切断方法及びその方法に使用する鋸盤を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、材質、形状寸法の異なる複数の材料を鋸盤に装着された同一の鋸刃によって切断するとき、この切断に先立ち予め切削条件データベースと、ワークの切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示す鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを前記鋸盤の制御手段に登録すると共に、前記複数の材料を材質により区分けし、この区分けされた材料グループにおいては切削抵抗の大きな材料グループを優先すると共に、前記区分けされた材料グループの中においては、形状寸法の大きい材料を優先して切断するように切断順序を定め、この定められた切断順序に従って切断を行うことを特徴とする鋸盤による材料切断方法である。
【0012】
請求項2に係る発明は、 材質、形状寸法の異なる複数の材料を鋸盤に装着された同一の鋸刃によって切断するとき、この切断に先立ち予め切削条件データベースと、ワークの切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示す鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを前記鋸盤の制御手段に登録すると共に、前記複数の材料を材質により区分けし、この区分けされた材料グループにおいては、材料特性データにより切削抵抗の大きな材料グループを優先すると共に、前記区分けされた材料グループの中においては、形状寸法の大きい材料を優先して切断するように切断順序を定め、次に、この切断順序を切削加工時の鋸刃予想摩耗量データにより鋸刃の摩耗量が大きくなる材料が後順位になるように切断順序を修正して切断を行うことを特徴とする鋸盤による材料切断方法である。
【0013】
請求項3に係る発明は、切断すべき材料の材質、形状寸法及び鋸刃の種類等を入力するための入力手段と、前記材料を切断する切削条件を格納した切削条件データベースと、前記材料の切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示すデータを格納した鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを備え、演算した材料の切断面積と、前記鋸刃摩耗量データベースとに基づいて求めた予想摩耗量と実測した鋸刃摩耗量との比較を行い、前記予想摩耗量の補正を行うための演算処理手段と、この演算処理手段の演算結果を出力する出力手段と、前記演算処理手段の演算結果に基づき作業者に対して切断予定データ変更又は切削条件の変更あるいは鋸刃交換を促すための表示手段とを備えていることを特徴とする鋸盤である。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の鋸盤において、前記演算した材料の切断面積と鋸刃摩耗量データベースとに基づいて求めた予想摩耗量と実測した鋸刃摩耗量との比較を行い、予想摩耗量の補正を行うための演算処理手段とを備えていることを特徴とする鋸盤である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、図1には本発明の一実施の形態に係る鋸盤の例として横型帯鋸盤が概念的に例示されているが、本発明は横型帯鋸盤に限ることなく竪型帯鋸盤及び丸鋸盤に適用し得ることは勿論のことである。
【0017】
さて、一実施の形態に係る鋸盤1はベースフレーム3を備えており、このベースフレーム3には、切削加工(切断加工)すべきワーク(材料)Wを固定するワーク固定手段としてのバイス装置5が設けられている。さらに、上記ベースフレーム3には、前記ワークWの切断加工(切削加工)を行うための帯鋸刃7を備えたカッティングヘッド9が装着されている。
【0018】
前記カッティングヘッド9は、前記ワーク固定手段5に固定されたワークWに対して接近離反する方向,本例においては上下動する方向へ移動自在に設けられている。すなわち、本例においては、カッティングヘッド9はヒンジピン11を介して前記ベースフレーム3に昇降自在(上下に揺動自在)に装着されている。そして、上記カッティングヘッド9をワークWに対して接近離反する方向へ作動しワークWに対して帯鋸刃7の切込み動作を行う切込み作動装置の1例として昇降用シリンダ13が、前記ベースフレーム3とカッティングヘッド9との間に設けられている。したがって、上記昇降用シリンダ13を作動することにより、カッティングヘッド9の上下動が行われ、ワークWに対する帯鋸刃7の切込み作動が行われるものである。
【0019】
前記カッティングヘッド9には、前記帯鋸刃7を掛回するための駆動ホィール15と従動ホィール17とが回転自在に備えられており、駆動ホィール15は、例えばベルト伝動機構のごとき適宜の伝動機構19を介してサーボモータのごとき制御モータ21と連動連結してある。
【0020】
前記帯鋸刃7に張力を付与するために、前記従動ホィール17を支持した支持プレート23が駆動ホィール15に対して接近離反する方向へ移動自在に設けられており、かつ上記支持プレート23を離反する方向へ常に付勢する流体圧シリンダ25が設けられている。
【0021】
さらに、前記カッティングヘッド9には、帯鋸刃7を走行方向に案内しかつワークWの切削加工時にはワークWに対して切込み方向の背分力を受ける鋸刃ガイド27が設けられている。
【0022】
上述したごとき横型帯鋸盤の構成は周知の構成であるが、その作用について概略的に説明すると、バイス装置5にワークWが固定された状態にあるときに、帯鋸刃7を走行駆動せしめてカッティングヘッド9を上昇位置から下降せしめることにより、前記帯鋸刃7によってワークWの切削加工(切断加工)を行うことができるものである。
【0023】
前記鋸盤を制御するために、例えばCNC制御装置のごとき制御手段29が設けられている。この制御手段29はコンピュータを備えた構成であって、適正な制御を行うために各種のデータベースが設けられていると共に各種のセンサ等が接続されている。すなわち、前記ワークWの切削時における切削抵抗として帯鋸刃7の背分力を検出するための切削抵抗検出手段31が前記鋸刃ガイド27の部分に設けてあり、上記切削抵抗検出手段31がインターフエイスを介して前記制御手段29に接続してある。
【0024】
なお、上記切削抵抗検出手段31としては公知の構成でよく、また例えば昇降用シリンダ13内の圧力を検出することによって間接的に背分力を検出する構成としても良いものである。さらに、切削抵抗検出手段としては、制御用モータ21の動力を検出して切削抵抗の主分力(帯鋸刃の走行方向の切削抵抗)を検出する構成であってもよいものである。
【0025】
さらに前記鋸刃ガイド27には、ワークWの切削加工時における切曲りを検出するための切曲り検出手段33が設けてあり、前記制御手段29に適宜に接続してある。なお、切曲り検出手段33の構成は公知であるから、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0026】
前記ワークWに対する帯鋸刃7の切込み位置を検出するために、切込み位置検出手段35が設けられており、かつ上記切込み位置検出手段35は前記制御装置29に適宜に接続してある。上記切込み位置検出手段35として、本例においては、前記ヒンジピン11に設けられて前記カッティングヘッド9と一体的に回動するセクタギア37によって回転されるパルスエンコーダ39を備えた構成である。
【0027】
したがって、上記パルスエンコーダ39から出力されるパルス数を計数して帯鋸刃7の昇降位置に演算することによってワークWに対する帯鋸刃7の位置を検出することができるものである。また、パルスエンコーダ39から出力される単位時間当りのパルス数を計数し演算することにより、ワークWに対する帯鋸刃7の切込み速度(切込み量)を検出することができるものである。よって、前記位置検出手段は、切込み速度(切込み量)検出手段ということもできるものである。
【0028】
また前記帯鋸盤には、帯鋸刃7の破断を検出する帯鋸刃破断検出手段の1例として前記流体圧シリンダ25の急激な圧力変化を検出する圧力センサ41が設けてあり、前記制御手段29に適宜に接続してある。さらに、帯鋸盤には、前記ワークWに対する帯鋸刃7の切削条件の1つとしての切込み速度を調整する切込み速度調整手段43が設けられている。この切込み速度調整手段43は、カッティングヘッド9を上下動する上下作動装置として昇降用シリンダ13を採用しているので、本例においては、前記昇降用シリンダ13から排出される作動流体の排出量を制御自在の流量制御弁やメータリングバルブ等よりなるものであって、その作動は前記制御手段29の制御の下に行われるものである。
【0029】
なお、ワークWに対する帯鋸刃7の切込み速度を制御するために、カッティングヘッド9の移動をサーボモータ及びボールネジ等を利用した構成で行う場合には、上記サーボモータを適宜に制御することにより、ワークに対する帯鋸刃7の切込み位置や切込み速度を制御することができるものである。
【0030】
さらに前記帯鋸盤には、前記カッティングヘッド9の上下動回数を検出してワークWの切断個数を計数する切断個数カウンタ45が設けてあると共にワークWの切断開始時からの1回の切断加工に要する切断時間や複数回の切断加工に要した累積切断時間等を計時する時計などのごとき切断時間計測手段47が設けられている。また、前記制御手段29には、各種のデータ等を入力する入力手段49、各種の演算処理を行う演算処理手段51、各種の比較演算を行う比較手段53及び演算結果等を出力する出力手段55が設けられていると共に、切削条件によって帯鋸刃7の走行速度や切込み速度等を制御調整するための切削条件調整手段57が設けられている。
【0031】
さらに、前記制御手段29には、予め切削条件を設定したメーカ推奨切削条件,ユーザ推奨切削条件,過去の実績の切削条件等を登録した切削条件データベース59,切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示す鋸刃摩耗量データベース61及び材料特性データベース63がそれぞれ接続してある。
【0032】
前記メーカ推奨切削条件データとしては、ワークWの各種の材質,形状,寸法などに対応して各種鋸刃の切削速度及び切削率が予め登録されている。したがって、制御手段29に対してワークの材質,形状,寸法が入力設定され、かつ使用する鋸刃の種類が入力設定されると、上記ワークの材質,形状,寸法及び鋸刃の種類に対応して予め登録されている切削条件を制御手段29によって検索し、切削条件を自動的に設定してワークの切削加工を自動的に行うことが可能なものである。また、前記ユーザ推奨切削条件データとしては、同様に、ワークの材質,形状,寸法及び鋸刃の種類に対応して切削速度,切削率等の切削条件がユーザの推奨値として予め登録されている。
【0033】
過去の実績切削条件データとしては、実際にワークWを切削加工したときのワークWの材質,形状,寸法及び使用鋸刃の種類と共に、そのときの切削速度及び切削率等の切削条件がワークWの材質,形状,寸法及び使用鋸刃に対応付けて登録してある。したがって、今回切削加工しようとするワークWの材質,形状,寸法が過去に切削加工を行ったことのあるワークと同一又は類似の場合には、登録してある切削条件を検索し、過去に使用した鋸刃と同一種の鋸刃を使用することにより、過去における切削条件と同一切削条件でもって今回のワークの切削加工を自動的に行うことが可能なものである。
【0034】
前記第1鋸刃摩耗量データベース61は、ワークWの切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示すデータを登録したもので、ワークの各種材質と各種鋸刃による各種切削条件毎に実験的に得られたワークの切断面積Xと鋸刃摩耗量Yとの関係を実験式化して登録してある。すなわち、図2に示すように、切断面積Sを0〜S1,S1〜S2,S2〜S3の複数の領域に区分し、各領域毎に式Y1=AX+B,Y2=CX+D,Y3=EX+Fを適用している。上記式においてY1,Y2,Y3は鋸刃の摩耗量を示し、A,C,Eは各切断面積領域における比例定数であり、B,D,Fは補正パラメータである。この比例定数A,C,E及び補正パラメータB,D,Fは前記実験式を得るために行った多大の実験結果によって得られたものである。
【0035】
したがって、ワークの材質,使用鋸刃及び切削条件が分れば、これから切断しようとするワークの総切断面積を演算することにより、上記総切断面積の切断終了時における鋸刃の予想摩耗量Yを演算によって求めることができるものである。換言すれば、ワークの切断完了時における鋸刃摩耗量を予測できることとなり、同一鋸刃でもって複数種のワークの切断を遂行し得るか否か判断し得ることとなる。
【0036】
なお、鋸刃摩耗量が大きくなれば当然のこととして鋸刃の切味は低下し、かつ切削抵抗が大きくなると共に切曲りを生じ易くなるものであるから、切断面積に基づいての演算結果から得られた鋸刃摩耗量に基づいて鋸刃交換時間をも予測し得るものである。
【0037】
前記材料特性データベース63は、第1,第2の切削抵抗データベース65,67及び材料別摩耗量データベース69を備えている。上記第1切削抵抗データベース65は、同一形状寸法の各種材質の材料を同一条件の下で切削加工を行ったときに検出した切削抵抗の大きさをデータベース化したもので、例えば図3 (A)に示すように、各種材質の材料毎に切削抵抗が表わされる。前記第2の切削抵抗データベース67は、各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示すデータベースで、図3(B)に示すように、切削長と切削抵抗との関係をグラフ化あるいは式化してある。前記材料別摩耗量データベース69は、一定の切削条件の下で各種材質の材料を一定面積切削したときの鋸刃摩耗量を検出してデータベース化したもので、図3(C)に示すように、各種材料毎に摩耗量の大きさを表わしている。なお、この材料別摩耗量データベース69は、各種鋸刃毎にデータベース化してあるものである。
【0038】
以上のごとき構成において、切断の受注があると、その切断受注データに基づいて使用する鋸刃,被削材名,大きさ及び切断個数を入力手段49によって制御手段29へ入力すると共に、納期及び熱処理の有無などを入力する。そして、材料特性データベース63におけるデータおよび作業者の過去の経験,切断ノウハウにより切断順序案を作成し、この切断順序案の良否を判別して、否の場合には切断順序の修正を行い、否でない場合には作業者の意志決定により切断予定計画書を作成し、この切断予定計画書に従って材料の切断を行うものである。
【0039】
ところで、材料特性データとして、一般的には、SUM1Aの被削性を100としたとき、例えばSS34=50,S45C=60,SCr430=50,SCM435=60,SUS304=30,SKS3=25,SKD11=40,SKH5=25として知られているが、同一材料にも硬度の違いや材料内部に巣などの不純物が含まれる場合があり、被削性に大きく影響することも知られている。したがって、上述したごとき一般的な被削性定数では材料のバラツキに対応した被削性を知ることは難しい。
【0040】
そこで、切断受注データに基づいて各材料の切断順序を決定する場合には、鋸刃,材料,切削条件を総合的に考慮する必要がある。
【0041】
ここで、例えば図4(A)に示すごとく、材料A〜Gの切断を受注した場合、過去の切断予定実績データに基づいて切断予定表を作成する場合には、例えば同質材料毎に区分けすると共に大径の材料から切断すべく作成するので、例えば図4(B)に示すごとき切断順となる。しかし、前記材料特定データベース63に基く場合には、切削抵抗及び鋸刃摩耗量を考慮して切断順序を決定するもので、図4(C)に示すごとき切断順となる。この場合、簡便的には、折出硬化系,加工硬化を生じ易い材料、すなわち換言すれば切削抵抗の大きな材料を優先し、同材質においては径の大きい材料を優先するように切断順序を設定している。
【0042】
このように、折出硬化系,加工硬化を生じ易い材料を優先することにより、鋸刃における歯先が鋭利で喰い込み易いうちに硬化し易い材料を切削加工するので、鋸刃の摩耗を進行し、硬化し易い材料が切断し難い状態になった場合でも、同一鋸刃でもって例えば快削鋼のように切削加工し易い材料を継続して切断加工することができ、鋸刃の切断寿命を延ばすことができるものである。
【0043】
次に、図5(A)に示すように、各種材料G〜Kの混在材料の受注データの場合、各材料の被削性を考慮して受注データの並べ替えを行うと、図5(B)に示すようになり、同一材質の材料の連続切断,一般的な難削材料の早期切断となる。 そこで、図5(B)に示した切断順序に従って各材料の実切断を行い、同一鋸刃による材料の切断面積と切曲り及び摩耗量との関係を測定したところ、図6(A),(B)に示すごときデータが得られた。図6(A),(B)により明らかなように、材料Iの切削時に鋸刃の摩耗量が急激に進行し、材料Jの切削時に切曲りが急激に大きくなっている。
【0044】
鋸刃摩耗量について見ると、材料H,Jの切断時には摩耗量は既に大きくなっているものの、摩耗量の増大は小さなものである。そして、切曲りについて見ると、材料I,Hの切断時には急激に増大することはなく、材料Jの切断時に切曲りが急激に増大している。したがって、鋸刃摩耗量が所定値を越えると急激に切曲りが増大するものであるから、被削性が比較的良い場合であっても、鋸刃の摩耗量が所定値を越えると鋸刃の切断寿命となり切断不可能になるものである。なお、材料Jは、新品の鋸刃に交換して実切断を完了した。
【0045】
材料Iの場合に鋸刃摩耗が激しく、後続の材料Jの切断時に切曲りが大きくなるものであったから、被削性のデータのみでなく、鋸刃の摩耗を考慮し、摩耗量の激しくなる材料Iを最後に変更し、図5(C)に示すごとき切断順に従って各材料の実切断を行い、同一鋸刃による材料の切断面積と切曲り及び摩耗量との関係を測定したところ、図7(A),(B)に示すごときデータが得られた。この場合、鋸刃摩耗の激しい材料Iを最後に切断したことにより、材料Jまでの切断において鋸刃摩耗が抑制され、材料Iの切断時に摩耗が激しくとも、切曲りが大きくなる所定の鋸刃摩耗量に達する前に材料Iの切断を終了したものである。なお、材料Iの切断後は鋸刃摩耗量が激しいので、材料Iの切断でもって鋸刃寿命となるものである。
【0046】
図7(A),(B)より明らかなように、材料G〜Kの切断において、材料の切断面積が増加するに従って鋸刃の摩耗量も次第に増大しているものの、図6 (A)に示したごとき大きな切曲りを発生することなく、1本の鋸刃でもって全材料の実切断が行われた。したがって、被削性のデータのみならず鋸刃の摩耗量を考慮して材料の切断順序を設定することは、切曲りによる不良製品発生を抑制し、かつ鋸刃交換の抑制や切断作業の効率向上に有意義であることがわかる。
【0047】
したがって、切断材料特性と鋸刃予想摩耗を考慮することによって切断順序案を作成することにより、1本の鋸刃でもって各種材料を切断するとき、大きな切曲りによる不良品の発生を抑制できると共に、切断作業の効率向上と鋸刃使用量の抑制に効果があることになる。
【0048】
そこで、切断材料特性と鋸刃予想摩耗によって切断順序案を作成するには、先ず材料特性データに基づいて切断受注データの切断順序の並べ替えを行うか否かを判断し、並び替えを行うときには材料特性データと鋸刃予想摩耗量データに基づいて切断順序の並べ替えを行う。そして、並べ替えデータの修正を行うか否かを判断し、修正する場合には作業者の意志により修正する。もし切断順序がよければ切断順序は完成し切断予定計画書の作成は終了する。
【0049】
すなわち、例えば図8(A)に示す受注データとしての材料L〜Pを材料特性データに基づいて切断順序を変更すると、図8(B)に示すごとき切断順となる。この場合、材料特性データとして、同一切削条件で各材料を切削したときの各材料の切削抵抗データに基づき、切削抵抗が小さい方が切り易いので後でも良いこととし、切削抵抗の大きい方から先に切断加工しようとすると、図3(A)の切削抵抗データに基づき図8(B)に示すごとく切断順序を変更することになる。
【0050】
そして、次に、材料特性データとして、一定の切削条件で各材料を所定面積切削したときの各材料に対する鋸刃の摩耗量の比較データに基づくと、図3(C)に示されているように、材料Nは材料Oより摩耗し易いので、材料Nの後では鋸刃摩耗量が大きくなっていて切曲りを発生し易くなるので、材料Nより材料Oを先に切断することになる。したがって、鋸刃予想摩耗量データによる場合には、図8(C)に示すように、材料Oと材料Nの切断順序が入れ替ることになる。
【0051】
前述したように、図8(A)に示すごとき受注データを図8(C)に示すごとき切断順に変更した後に、各材料P,L,M,O,Nを順に切断した場合の鋸刃の予想摩耗量を演算すると、図9に示すごとくなる。
【0052】
前記鋸刃摩耗量の演算は、先ず材料Pの形状,寸法及び切断個数から材料Pの全切断面積を演算し、適用する切断面積領域を求めると共に材料Pを切断する切削条件の摩耗量データベース61に適用して鋸刃の摩耗量(y1=0.07)を求める。そして、材料Lについては、材料Pにおいて求めた摩耗量(y1)を材料Lの切削条件に対応した摩耗量データベース61に適用して、摩耗量(y1)の場合に相当する切断面積を逆算により求めると共に、材料Lの全切断面積を演算し、この演算した結果の全切断面積と摩耗量(y1)の場合に相当する切断面積の総和を求める。そして、この総和の切断面積を材料Lの場合の工具摩耗量データベース61に適用して材料Lの切断終了時の鋸刃の摩耗量(y2=0.09)を求めるものである。同様にして材料M,O,Nをそれぞれ切断したときの鋸刃の摩耗量(y3=0.1,y4=0.12,y5=0.3)を求めることができるものである。
【0053】
前述したように、材料P,L,M,O,Nをそれぞれ切削条件J1〜J5で切断加工したときの鋸刃の予想摩耗量を求めてシミュレーションすると、図9に示すように求められ、かつ予想摩耗量がそれ程大きくないと判断される場合には、材料P,L,M,O,Nの切断能率を上げるために、それぞれ例えば切削条件J6〜J10に変更した場合について鋸刃の予想摩耗量を求めることができる。この場合、前記摩耗量(y1,y2)を求めた場合と同様にして、各材料を切削条件J6〜J10でそれぞれ切断した場合に対応した摩耗量データベース61に適用することによって、切削条件J6〜J10で各材料を切断した場合における鋸刃の予想摩耗量を求めてシミュレーションすることができる。
【0054】
ところで、鋸刃摩耗量が大きいか小さいかの判断は、鋸刃がある程度摩耗すると、過去の経験により切曲りを生じ易いことが知られており、この切曲りを生じる限界摩耗量の大きさに比較してどの程度の大きさであるか否かを判断するものである。
【0055】
前述のごとく、材料P,L,M,O,Nを順次切断した場合の鋸刃予想摩耗量を図9に示したように求めた後に、図10に示すように、ステップS1において鋸盤に鋸刃,材料及び切削条件の切断予定データを設定し、ステップS2において実切削した。そして、ステップS3において、材料Mの切断後に鋸刃摩耗量を測定すると、そのときの実測摩耗量は0.14であった。
【0056】
そこで、上記実測データ(0.14)をステップS3において制御装置に入力し、ステップS4において、予め演算した予想摩耗量(0.1)と実測摩耗量 (0.14)を表示出力して比較し、その比較結果がステップS5に示すように、予想摩耗量≧実測摩耗量の場合には、製品の納期や作業能率向上を考慮してより条件の高い切削条件での切断が可能であると判断でき、作業能率の向上を図ることができる。
【0057】
予想摩耗量<実測摩耗量の場合には、予め演算した場合よりも実際の摩耗量が大であるから、最後の材料Nの切断が可能であるか否かを判別する必要がある。そこで、材料O,Nを切断した場合の鋸刃の摩耗量を演算すべく、材料Mの再予想摩耗量を0.14として、前述に準じてO,Nを継続して切断した場合の鋸刃の再予想摩耗量を演算しシミュレーションしたところ、図11に示す再予想摩耗量が得られた。
【0058】
図11より明らかなように、材料Nの切断終了時には再予想摩耗量は0.42と非常に大きいので、切曲りを発生し易く製品不良の発生危険が極めて高いと予想できる。したがって、ステップS6においては、切断予定データの変更、切削条件の変更、鋸刃の交換又は材料の変更が必要であると判断し、作業者の意志判断に基づいて納得する作業に変更する必要がある。
【0059】
すなわち、ステップS7において切断予定データ変更が必要であるか否かを表示手段(出力手段,催足手段)に表示して変更を催足し、必要と判断した場合にはステップS8の切断予定データの変更サブルーチンへ移行して切断予定データを変更する。ステップS9において切断条件(切削条件)の変更が必要であるか否かを表示手段に表示して変更を催足し、変更が必要と判別した場合にはステップS10の切断条件の変更サブルーチンへ移行して切断条件の変更を行う。ステップS11において鋸刃交換であるか否かを表示手段に表示して交換を催足し、交換と判断した場合にはステップS12の鋸刃交換サブルーチンへ移行して鋸刃を交換する。この場合、鋸刃が新品の鋸刃に変更されたので、ステップS13の切断予定データの変更サブルーチンへ移行して、必要により切断予定データを変更する。そして、ステップS14において切断予定計画が完了したか否かを判断し、否の場合にはステップS1に戻り、否でない場合には材料の切断を終了する。
【0060】
上述のごとく、切断予定データの変更,切削条件の変更,鋸刃交換,材料変更等を行う場合には、納期の厳守と鋸刃寿命の向上ができるように考慮すると共に切断作業の能率向上を考慮することが必要である。
【0061】
そこで、今回は切断予定データの変更により、材料Nの切断加工時に切曲りに起因する不良品の発生を防止すべく、再予想摩耗量が0.38以下になるように、材料Nの切断個数を20個から15個へ変更した。そして、材料Nの残り5個の切断は納期が厳守できる範囲内の切削条件となるように切削条件を少し下げて切削を実施した。
【0062】
ところで、鋸刃交換を行うと、通常はならし切削を行うので、このならし切削に時間を要することとなるので、また材料交換においては鋸盤に対する材料の搬出,搬入に時間を要することとなるので、今回は実施しなかった。
【0063】
前述のように、各種材料の実切断途中において鋸刃の摩耗量を測定して、切断開始前に予め演算した予想摩耗量と比較することにより、予め求めた予想摩耗量のシミュレーションと実切断時の摩耗量との差異を検知でき、その結果によって切断予定計画の変更による切断順序の並べ替えや切削条件の変更などを実施することにより、切断受注データの納期を守ることかできると共に鋸刃寿命を長くする切断が可能になる。また納期等を考慮しての鋸刃の交換時期がシミュレーションにより予測でき、段取り替え時期が把握でき能率良い作業を行い得ることになる。
【0064】
なお、鋸刃摩耗の測定は鋸盤から鋸刃を取り外して顕微鏡により行うのが正確である。しかし、鋸盤に対する鋸刃の着脱に時間を要することとなるので、例えば一定時間毎あるいは一定切断面積毎に鋸刃摩耗の測定を行うのでは作業能率が低下することとなる。そこで、例えば切断抵抗を検出し、所定の切削抵抗になった場合や、切削抵抗の増加率が大きくなった場合、又は累積切断面積が所定の面積になったとき、或いは切断する材料が変るときなど、作業能率を考慮して鋸刃摩耗測定時期を予め設定しておくことが望ましい。
【0065】
ところで、鋸盤において切断する材料は一般的には大きく分けて図12に示すように分類される。切断材料は、硬さ,ねばさ,じん性,耐摩耗性,焼入性などの改善のために合金成分量を変更したりして改良,改善が行われている。したがって、通常慣れ親しんでいる材料でも少し変更がある場合がある。よって、同一材料名であっても切断すると性能が異なる材料もある。このようなことから、受注材料を切断するときには、例えばある材料に似た材料であると言った情報が大切である。
【0066】
ここで、材料の持ち込み等によって材料名が不明であるときには、低切削条件でもって切断を行い、切断具合をみながら切削条件の再設定を行うのが普通である。これでは切断してみないとわからないので切断予定計画書の切断順序の決定は難しく、納期の厳守や鋸刃の長寿命化は難しい。
【0067】
そこで、材料名の不明な材料を切断するときには、データベースに予め登録してある切断し難い材料として別名で入力し切断を行う。この場合、切断前の鋸刃予想摩耗量は、切断し難い材料を参考として演算する。そして実切削を行うとき、材料名の不明な材料の切断前後において実鋸刃摩耗量を測定し、データベースに登録してあるどの材料に該当するか、又は似ているかを検索手段により検索して知る必要がある。ここで、摩耗の進行が早く、大きく摩耗している場合には切断不可能と判断して別種の鋸刃に交換する必要がある。このように、材料名が不明である場合にはデータベースに登録してある材料に該当するか、又は類似するかを検索し、この検索した材質を出力手段55に出力する。そして、この検索した材料に基き作業者に対して切断予定データの変更、切断条件の変更又は鋸刃交換が必要であるか否かを表示手段(催足手段)に表示して変更等を催足することにより、材料名が不明な材料の場合であっても、鋸刃の長寿命化を図って切断することができるものである。
【0068】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、多品種少量切断の受注データに対して従来は作業者の経験と勘による意志決定によることが大きかったのを、本発明によれば、予めデータベースに保存してある材料特定データに基づいて切断順序を変更し、また各材料の切断時における鋸刃予想摩耗量を演算しシミュレーションすることができるので、鋸刃予想摩耗量に基づいての切断順序の変更が容易である。
【0069】
したがって、切曲りによる不良品の発生を抑制しつつ、かつ鋸刃の切断寿命の延長を図りつつ材料の切断を行うことができるものである。
【0070】
また、材料の実切削の途中において実摩耗量を測定し、予め演算した予想摩耗量と比較することにより、切削条件を変更することや再予想摩耗量を演算して以後の切断順序の変更を行うことができ、鋸刃の切断寿命の延長を図り乍らの切断を容易に行うことができるものである。
【0071】
さらに、前述したように再予想摩耗量を演算して最終的な鋸刃摩耗量を予測できることにより、鋸刃の交換時期をも予測できることとなり、納期の厳守や不良品発生の抑制を考慮しての切断が可能となるものである。
【0072】
さらにまた、納期が至急の場合には、鋸刃寿命を考慮せずに高い切削条件で材料の切断を行わなければならないが、この場合にも鋸刃予想摩耗量を演算してシミュレーションすることができ、納期以内に材料の切断を行い得るか否かを予測することができ。能率の良い切断を行い得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鋸盤の全体的構成の概念的な説明図である。
【図2】材料の切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示すデータベースの1例を示す説明図である。
【図3】材料特性データベースの説明図である。
【図4】切断受注データの並べ替えの説明図である。
【図5】切断受注データの並べ替えの説明図である。
【図6】材料の切断面積と切曲り及び摩耗量との関係を示す実測データである。
【図7】材料の切断面積と切曲り及び摩耗量との関係を示す実測データである。
【図8】切断受注データの並べ替えの説明図である。
【図9】切断順序別鋸刃予想摩耗量データの説明図である。
【図10】切断の手順を概略的に示したフローチャートである。
【図11】切断順序別鋸刃予想摩耗量データの説明図である。
【図12】主な材料の分類を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鋸盤
7 帯鋸刃
9 カッティングヘッド
29 制御手段
31 切削抵抗検出手段
33 切曲り検出手段
35 切込み検出手段
43 切込み速度調整手段
47 切断時間計測手段
51 演算処理手段
55 出力手段
59 切削条件データベース
61 鋸刃摩耗量データベース
63 材料特性データベース
65,67 切削抵抗データベース
69 材料別摩耗量データベース
Claims (4)
- 材質、形状寸法の異なる複数の材料を鋸盤に装着された同一の鋸刃によって切断するとき、この切断に先立ち予め切削条件データベースと、ワークの切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示す鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを前記鋸盤の制御手段に登録すると共に、前記複数の材料を材質により区分けし、この区分けされた材料グループにおいては切削抵抗の大きな材料グループを優先すると共に、前記区分けされた材料グループの中においては、形状寸法の大きい材料を優先して切断するように切断順序を定め、この定められた切断順序に従って切断を行うことを特徴とする鋸盤による材料切断方法。
- 材質、形状寸法の異なる複数の材料を鋸盤に装着された同一の鋸刃によって切断するとき、この切断に先立ち予め切削条件データベースと、ワークの切断面積と鋸刃の摩耗量との関係を示す鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを前記鋸盤の制御手段に登録すると共に、前記複数の材料を材質により区分けし、この区分けされた材料グループにおいては、材料特性データにより切削抵抗の大きな材料グループを優先すると共に、前記区分けされた材料グループの中においては、形状寸法の大きい材料を優先して切断するように切断順序を定め、次に、この切断順序を切削加工時の鋸刃予想摩耗量データにより鋸刃の摩耗量が大きくなる材料が後順位になるように切断順序を修正して切断を行うことを特徴とする鋸盤による材料切断方法。
- 切断すべき材料の材質、形状寸法及び鋸刃の種類等を入力するための入力手段と、前記材料を切断する切削条件を格納した切削条件データベースと、前記材料の切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示すデータを格納した鋸刃摩耗量データベースと、同一形状寸法の各種材質の同一条件下での切削加工時の切削抵抗の大きさを示す第1切削抵抗データベースと、前記各種材質の材料の切削長と切削抵抗との関係を示す第2切削抵抗データベースと、一定の切削条件の下で前記各種材質の材料を一定面積切断したときの鋸刃摩耗量の大きさを示す材料別摩耗量データベースとを備え、演算した材料の切断面積と、前記鋸刃摩耗量データベースとに基づいて求めた予想摩耗量と実測した鋸刃摩耗量との比較を行い、前記予想摩耗量の補正を行うための演算処理手段と、この演算処理手段の演算結果を出力する出力手段と、前記演算処理手段の演算結果に基づき作業者に対して切断予定データ変更又は切削条件の変更あるいは鋸刃交換を促すための表示手段とを備えていることを特徴とする鋸盤。
- 請求項3に記載の鋸盤において、前記演算した材料の切断面積と鋸刃摩耗量データベースとに基づいて求めた予想摩耗量と実測した鋸刃摩耗量との比較を行い、予想摩耗量の補正を行うための演算処理手段とを備えていることを特徴とする鋸盤。
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