JP2003340684A - 鋸刃摩耗による切断可能性の判別方法及び装置 - Google Patents

鋸刃摩耗による切断可能性の判別方法及び装置

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JP2003340684A
JP2003340684A JP2002147646A JP2002147646A JP2003340684A JP 2003340684 A JP2003340684 A JP 2003340684A JP 2002147646 A JP2002147646 A JP 2002147646A JP 2002147646 A JP2002147646 A JP 2002147646A JP 2003340684 A JP2003340684 A JP 2003340684A
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Koji Kokado
孝司 古角
Iwao Kamiyama
巌 上山
Yuji Nagano
裕二 長野
Susumu Tsujimoto
晋 辻本
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Amada Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種材料を切断するに際し、ワークの切断面
積と鋸刃摩耗量との関係をデータベース化し、材料を切
断するときに予想摩耗量及び切断可能性の判別を行う方
法及び装置を提供する。 【解決手段】 ワークの切断面積と鋸刃摩耗量との関係
をデータベース化し、切断しようとするワークの演算し
た総切断面積を前記データベースに適用して鋸刃摩耗量
の予想値を求めてワークの切断可能性を判別する切断可
能性の判別方法である。そして、また、複数のワークの
材質、形状寸法と複数種の鋸刃とに対応して切断面積と
鋸刃摩耗量との関係を示す第1データベース17と、ワ
ーク毎の寿命摩耗量を格納した第2データベース19
と、入力手段23と、第1,第2のデータベース17,
19に格納されているデータ及び入力されたデータに基
いて切断終了時の鋸刃摩耗量及び切断可能性を演算する
演算手段21と、演算結果を出力する出力手段25と、
CPU11と、を備えた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯鋸盤や丸鋸盤に
よって各種材質、形状寸法のワークの切断を行うに際
し、鋸刃の摩耗量を予め演算して各種材質、形状寸法の
ワークの切断が可能か否かを判別する鋸刃摩耗による切
断可能性の判別方法及び装置に係り、さらに詳細には、
各種材質、形状寸法のワークと各種鋸刃毎にワークの切
断面積と鋸刃摩耗量との関係及び寿命時の鋸刃摩耗量と
を予めデータベース化し、このデータベースに基いて各
種のワークの切断を行うに際して予め摩耗量の予想値を
求めると共に切断可能性の判別を行い、ワークの切断順
序の決定や切断能率の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種のワークの切断に際しては帯
鋸盤や丸鋸盤等の鋸盤が使用されている。この鋸盤に使
用される鋸刃は各種のワークの切断を繰り返すことによ
り歯先が次第に摩耗する。したがって、鋸刃によって各
種ワークの切断を繰り返し、鋸刃の摩耗が大きくなった
時には鋸刃を交換する必要がある。
【0003】上記鋸刃の交換時期の判断要素としては、
例えば、(A)切断材料別の切断面積、使用日数、使用
時間や切断個数などの切断実績情報を判断要素とする場
合、(B)切断材料別の切曲りや面粗さ、歯欠け、ビビ
リ振動、騒音などの切断状況を判断要素とする場合、及
び(C)鋸刃破断やホイールスリップなどの工具情報を
判断要素とする場合がある。
【0004】そして、鋸盤に装備されているセンサとし
ては切断時間計、切断個数カウンター、切曲り検出器、
鋸刃破断検出器、ホイールスリップ検出器などがあり、
例えば鋸刃の累積使用時間を見て鋸刃交換時期の判断の
目安として利用されている。しかし、鋸刃自体の摩耗量
を予め予想したり、或いは摩耗量を実測しての鋸刃の交
換は行われておらず、鋸刃交換のための総合的な判断は
作業者の経験、勘に頼るところが大である。
【0005】また、切断受注があったときには、切断受
注データより切断予定計画書の切断順序表を作成する
が、この場合、主に納期達成に注力して材料の有無を確
認する程度で、工具としての鋸刃の寿命については、実
切削切断面積と実切削時間合計を基に検討される程度に
過ぎず、材料の切断前に鋸刃摩耗による切断性能の評価
予想はなされていないのが一般的である。また、切断前
のシミュレーションによって切断計画書の切断順序の検
討、変更が行われていないのが普通である。
【0006】さらに、現在の切断市場においては、各種
材料の少量切断、鋸刃の長寿命化、切断時の低騒音化、
高精度化、納期厳守、コスト削減など多種多様なニーズ
があり、それらに対応した鋸刃の開発が行われており、
かつ鋸盤自体の開発も行われている。また材料において
も、日々新しい鋼種が開発されており、従来の鋸刃交換
の判断要素では対応できない場合がある。
【0007】鋸刃の交換時期の判断要素としては前述し
たように種々あるが、鋸刃破断、切曲り等において、材
料の切断途中で鋸刃が破断したり切曲り等を生じてしま
うと、不良品を発生することになり望ましいものではな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、鋸
刃交換の意志決定はあくまでも作業者が行うものである
が、材料の切断を開始する前に切断終了時の鋸刃の摩耗
量を予想して、切断しようとする全ての材料が切断可能
であるか否かの切断可能性を判別する判別方法及び装置
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のごとき問題に鑑み
て、請求項1に係る発明は、ワークの切断面積と鋸刃摩
耗量との関係を予めデータベース化し、これから切断し
ようとするワークの総切断面積を演算し、この演算した
総切断面積を前記データベースに適用して切断終了時の
鋸刃摩耗量の予想値を求め、この予想値に基いてワーク
の切断可能性を判別する切断可能性の判別方法である。
【0010】請求項2に係る発明は、ワークの切断面積
と鋸刃摩耗量との関係を予めデータベース化し、切断し
ようとするワークの総切断面積を上記データベースに適
用して切断終了時の鋸刃摩耗量の予想値を求め、この予
想値と予め求めた寿命時の摩耗量データとに基いてワー
クの切断可能性を演算する切断可能性の判別方法であ
る。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の切断可能性の判別方法において、ワークの切断面
積と鋸刃摩耗量との関係をデータベース化するに際して
切断面積の大きさを複数の大きさ毎のゾーンに区分し、
各ゾーン毎に切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示す演算
式を適用する切断可能性の判別方法である。
【0012】請求項4に係る発明は、ワークの切断面積
と鋸刃摩耗量との関係をデータベース化するに際して切
断面積の大きさを複数の大きさ毎のゾーンに区分し、各
ゾーン毎に切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示す演算式
を適用し、第1のワークの切断に際して当該第1のワー
クの該当するデータベースに基いて切断終了時の鋸刃の
摩耗量を演算し、この演算した摩耗量を第2のワークの
データベースに適用して第2のワークに相当する切断面
積を演算し、この演算した切断面積に第2のワークの総
切断面積を合算して第2のワークの切断終了時における
鋸刃摩耗量を演算し、この演算した鋸刃摩耗量及び予め
求めた寿命時の摩耗量データに基いて第2のワークに対
する切断可能性を判別する切断可能性の判別方法であ
る。
【0013】請求項5に係る発明は、複数のワークの材
質、形状寸法と複数種の鋸刃とをそれぞれ対応した切断
面積と鋸刃摩耗量との関係を示す第1データベースと、
複数のワーク毎に寿命時の摩耗量を格納した第2データ
ベースと、各種データを入力する入力手段と、第1,第
2のデータベースに格納されているデータ及び入力手段
から入力されたデータに基いて各ワークの切断終了時の
鋸刃摩耗量及び各ワークの切断可能性を演算する演算手
段と、演算手段の演算結果を出力する出力手段と、上記
入力手段,演算手段及び出力手段を制御するCPUと、
を備えた構成である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、本発明の実施
の形態に係る鋸刃摩耗による切断可能性の判別装置は、
鋸刃1によってワーク(材料)Wを切断する切断装置と
しての鋸盤3と、当該鋸盤3を制御するためのシーケン
スコントローラ5とインターフェイス7を介して接続し
たCNC制御装置のごとき制御装置9よりなるものであ
る。
【0015】上記制御装置9は、CPU11とバスを介
してROM13、RAM15、第1データベース17、
第2データベース19、演算手段21、入力手段23、
出力手段25、第3データベース27、第4データベー
ス29及び前記インターフェイス7を相互に接続した構
成である。なお、切断機としての前記鋸盤3は公知であ
るから、当該鋸盤3についての詳細な説明は省略する。
【0016】各種材料の切断加工を行う前記鋸盤におい
ての切断作業は、切断受注データに基いて、実切断加工
を開始する前に切断予定計画書を作成し、この作成され
た切断予定計画書の切断順序に基いて各種材料の切断を
行うのが普通である。
【0017】ここで、材料A,B,C,D及びEの切断
受注データに基き、今までの経験と勘により、例えば図
2に示すごとき切断計画書を作成し、この作成した切断
計画書の切断順序により、通常の鋸刃を用いて切断加工
を行った切断結果の切断面積、切曲り及び鋸刃の摩耗量
は図2の右側部分に数値で示すとおりである。上記切曲
り及び摩耗量は、各材料A,B,C,D及びEの切断終
了毎に実測した。そして、上記実測の結果として、同一
鋸刃による切断面積と切曲りとの関係及び切断面積と摩
耗量との関係をグラフ化すると、図3(A),(B)に
示すようになる。
【0018】上記図3(A),(B)の結果より、鋸刃
の摩耗量に関してはNO3のC材の切断時に急激に大き
くなり、切曲りに関しては、NO5のE材の切断途中に
大きな切曲りが発生し切断不可になってしまった。よっ
て、前述の判断要素(B)に該当することとなり、新し
い鋸刃と交換して切断を継続し最終切断を行った。
【0019】上記切断結果より理解されるように、鋸刃
の摩耗量は累積されるものであり、かつ所定の摩耗量以
上になると大きな切曲りを発生し易いものである。した
がって、ある材料の切断を行う際、材料の切断終了時の
鋸刃摩耗量を予想できれば、上記材料の切断途中で鋸刃
交換の必要性があるか否かを判別でき、例えば予め鋸刃
を交換するなどの処置を構ずることができ、作業能率向
上を図ると共に不良品の発生を防止できるものである。
【0020】そこで発明者は、鋸盤による切断に供され
る各種鋼材を、図4に示すように、炭素鋼、炭素工具
鋼、金型用鋼、耐熱鋼、ステンレス鋼及び超耐熱鋼等の
各種に分類区分した。そして、数年の歳月と膨大な材料
及び鋸刃とを消費して、各種鋸刃で各種材料を各種材料
毎に、予め推奨されている適正な切削条件の下で実切断
したときの各種鋸刃の摩耗量を測定して、各種鋸刃によ
る各種材料の切断面積と摩耗量との関係を示す膨大なデ
ータベースを作成した。すなわち、複数のワークの材
質、形状寸法と複数種の鋸刃とをそれぞれ対応して切断
面積と鋸刃摩耗量との関係を示すデータベースを作成し
た。
【0021】このデータベースの1例としては、図5
(A),(B)に示すように、例えばφ150,φ25
0のA材、B材、C材を切断したときの切断面積と摩耗
量との関係をグラフ化し、かつ図6(A),(B)に示
すように、切断面積の大きさを複数の大きさ毎のゾーン
I,II,IIIに区分し、各ゾーンI,II,III毎に切断面積
と摩耗量との関係を示す演算式Y=AX+B(ここで、
Y:摩耗量、X:切断面積、A,B:各ゾーン毎に実験
的に求めた係数である)を予め実験式により求めてあ
り、これらのデータは第1データベース17に格納して
ある。
【0022】さらに、前述のごとく各種材料と各種鋸刃
において切断面積と摩耗量との関係を示すデータベース
を作成するとき、各種鋸刃によって各種材料が切断でき
なくなった寿命時の摩耗量を測定し、図7に1例を示す
ように、各種材料の大、中、小の大きさ毎に対応する各
種鋸刃の寿命時の摩耗量データのデータベースを作成
し、第2データベース19に格納してある。
【0023】さて、以上のごとき構成において、図2に
示した切断計画表の切断順序に従って各種材料A,B,
C,D,Eの切断を行う場合における切断可能性の判別
方法について説明する。
【0024】図2に示された切断順序1のデータに従
い、図8のステップS1においてはNO1のA材、φ2
50,5cut、使用鋸刃名N1、納期を入力手段23
により入力すると、ステップS2においてデータベース
内に同一材料名、大きさや鋸刃名により該当するデータ
が有るか否かが検索され、無い場合にはステップS3に
おいて類似材料名を入力する。
【0025】ステップS2においてデータベースに該当
するデータがあるときには、ステップS4において、第
1データベース17から材料名、鋸刃に対応した鋸刃摩
耗量データが抽出(検索)される。そして、ステップS
5において、材料名、径と対応して予めデータベース化
してある切削条件が第3データベース27から抽出され
る。この切削条件は、各材料名、径と対応して鋸速、切
削率、切込み量(切込み速度)が適正となるように予め
設定してあると共に、鋸速、切削率、切込み量の許容値
が設定してあるものである。
【0026】次に、ステップS6においては、第1デー
タベース17から鋸刃摩耗方程式Y1=A1X+B1
(式1,図6(A)参照)を検索する。ここで、Xは切
断面積、Y1は予想摩耗量を示し、Xにφ250,5c
ut分の切断面積2454cm を代入して切断終了時
の予想摩耗量Y1を演算する。
【0027】また、第3データベース27より、A材を
鋸刃N1で切断したときの切削条件はAJ1で、第2デ
ータベース19より鋸刃寿命摩耗量はAJM1であり、
さらに上記鋸刃N1で全ての材料の切断が不可能となる
限界摩耗量(最大の鋸刃寿命摩耗量と同義)GEN1を
求める。さらに鋸刃N1でB材を切断するとき、C材を
切断するとき、D材を切断するとき、E材を切断すると
きのそれぞれの鋸刃寿命摩耗量BJM1,CJM1,D
JM1,EJM1を、第2データベース19より求め
る。
【0028】そして、前記予想摩耗量Y1と鋸刃寿命摩
耗量AJM1との関係により、切断可能性をAY1とす
ると、A材での切断可能性AY1={(AJM1−Y
1)/AJM1}×100[%]となり、材料全体での
切断可能性GY1は、GY1={(GEN1−Y1)/
GEN1}×100[%]となる。
【0029】したがって、図2に示した場合に適用する
と、予想摩耗量Y1は、Y1=0.0000115X+
0.002で、X=2454cmによりY1=0.0
30が得られる。なお、上記係数0.0000115及
び0.002は予め実験的に求められたものである。ま
た、第2データベース19より各材料での鋸刃寿命摩耗
量がAJM1=0.4,BJM1=0.3,CJM1=
0.5,DJM1=0.25,EJM1=0.35であ
るとき、A材の切断可能性はAY1={(AJM1−Y
1)/AJM1}×100[%]よりAY1={(0.
4−0.030)/0.4}×100=92.5%とな
る。同様にその他の材料B,C,D,Eの切断可能性は
BY1=90.0%,CY1=94.0%,DY1=8
8.0%,EY1=91.4%が求められる。
【0030】さらに、第2データベース19より材料全
体の鋸刃寿命摩耗量GEN1=0.5とすると、材料全
体での切断可能性GY1は、GY1={(GEN1−Y
1)/GEN1}×100[%]よりGY1=94.0
%が求められる。
【0031】したがって、求められた各切断可能性AY
1,BY1,CY1,DY1,EY1及びGY1を、図
9に示すように予め区分した切断可能性の第4データベ
ース29のデータと比較すると、いずれの切断可能性A
Y1,BY1,CY1,DY1,EY1及びGY1は8
5%以上であり、どの材料もまだ切断が可能であると判
断できると共に、GY1が90%以上であることにより
鋸刃NO1は充分切断可能であることが判る。
【0032】ここで、例えばAY1=0とすると、A材
の切断可能性はないことを意味し、かつGY1=0とす
ると、鋸刃NO1によって切断可能の材料はないことを
意味することとなる。
【0033】前述のごとき演算結果はステップS7にお
いて表示装置、プリンタ、スピーカーなどのごとき適宜
の出力手段25に出力され、作業者によって確認され
る。
【0034】次に、A材の切断からB材の切断に材料を
変更して切断するときは、A材の切断時とB材の切断時
においては鋸刃摩耗量の仕方が異なるため、次に、B材
の鋸刃摩耗方程式Y2=A2X×B2(式2,図6
(B)参照)を第1データベース17から検索する。こ
こで、Y2はB材の切断時の予想摩耗量、A2,B2は
実験的に求められた係数、Xは切断面積である。
【0035】A材を切断したときの摩耗量Y1=0.0
30をB材の式2に代入してA材の切断時の摩耗量デー
タをB材の切断面積に変換すると、Y2=0.03=
0.000013X+0.004より、切断面積XはX
=2000cmと求められる。なお、上記係数0.0
00013,0.004は実験的に予め設けられている
ものである。
【0036】次に、図2よりB材の切断面積(9523
−2454=7069cm)を加味してB材の切断後
の鋸刃予想摩耗量を求めるとき、切断面積が7069c
であることにより切断面積のゾーンが5000cm
〜20000cmのゾーンIIに変化し、鋸刃摩耗方
程式がY2式からY3式に切替る(図6(B)参照)。
また、鋸刃予想摩耗量を演算するための累積切断面積X
は、X=(A材切断による摩耗量からB材の切断面積を
演算した値)+(B材の実切断面積)=2000+70
69=9069cmとなる。
【0037】したがって、B材の切断後における予想摩
耗量Y3はY3=A3X+B3となり、Y3=0.00
000948×9069+0.004=0.09(m
m)として求められる。なお、A3,B3は実験的に予
め求められた係数である。
【0038】B材の切断後においての各材料の切断可能
性については前記と同様の演算によって求められる。す
なわち、各材料に対しての鋸刃NO1の鋸刃寿命摩耗量
がAJM1=0.4,BJM1=0.3,CJM1=
0.5,DJM1=0.25,EJM1=0.35であ
るとすると、A材の切断可能性はAY1={(AJM1
−Y3)/AJM1}×100[%]より、AY1=
{(0.4−0.090)/0.4}×100=77.
5%となり、同様にその他の材料の切断可能性は、BY
1=70.0%,CY1=82.0%,DY1=64.
0%,EY1=74.3%と求めることができる。
【0039】ここで、さらに材料全体の鋸刃寿命摩耗量
GEN1=0.5とすると、材料全体での切断可能性は
GY1={(GEN1−Y3)/GEN1}×100
[%]より、GY1=82.0%を求めることができ
る。
【0040】したがって、切断可能性AY1,BY1,
CY1,DY1,EY1は前回よりも低下しているが、
いずれも60%以上あり、第4データベース29のデー
タと対比すると、まだどの材料も切断可能であると判断
でき、さらに材料全体での切断可能性GY1は80%以
上あり、十分鋸刃は切断可能であることが分かる。
【0041】次に、B材からC材に材料を変更して切断
するときは、B材の切断時とC材の切断時においては鋸
刃摩耗の仕方が異なるため、第1データベース17から
C材の鋸刃摩耗方程式Y4=A4X+B4(式4)を検
索する。
【0042】そして、B材を切断したときの予想摩耗量
Y3=0.09をC材の式4に代入してB材の切断時の
摩耗量データをC材の切断面積に変換すると、Y4=
0.09=0.000013X+0.01より、切断面
積Xは、X=6154cmと求められる。
【0043】次に、図2のC材の切断面積9820cm
を加味してC材の切断終了後の鋸刃予想摩耗量を求め
るとき、鋸刃予想摩耗量と切断面積の方程式は、第1デ
ータベース17から検索されるY4式からY5式(Y5
=A5X+B5)に切替り、鋸刃予想摩耗量を演算する
累積切断面積Xは、X=(B材の摩耗量よりC材の切断
面積を演算した値)+(C材の実切断面積)=6154
+9820=15974cmとなる。
【0044】したがって、C材の切断終了後の予想摩耗
量Y5は、Y5=0.00002×15974+0.0
1=0.33mmと求められる。
【0045】C材の切断終了後の切断可能性については
前記と同様に演算により求められ、各材料での鋸刃寿命
摩耗量がAJM1=0.4,BJM1=0.3,CJM
1=0.5,DJM1=0.25,EJM1=0.35
であるとき、A材の切断可能性はAY1={(AJM1
−Y5)/AJM1}×100[%]より、AY1=
{(0.4−0.33)/0.4}×100=17.5
%となる。同様にその他の材料の切断可能性はBY1=
−10.0%,CY1=34.0%,DY1=−32.
0%,EY1=5.7%として求めることができる。
【0046】さらに、材料全体の鋸刃寿命摩耗量GEN
1=0.5とすると、材料全体での切断可能性GY1
は、GY1={(GEN1−Y5)/GEN1}×10
0[%」より、GY1=34.0%として求められる。
【0047】よって、切断可能性のAY1,BY1,C
Y1,DY1,EY1は前回よりもかなり低下してお
り、特にBY1,DY1は零以下となり、切断可能性は
ない。また、AY1,EY1もかなり低下しており、第
4データベース29との比較において、0−19%の範
囲であり、切断しない方が良いと判断される。しかし、
CY1は30%以上で、20−39%の範囲であるの
で、微妙であるが少しは切断可能であると判断できる。
さらに材料全体での切断可能性GY1は30%以上なの
で少しは切断可能であることが分かる。
【0048】上述のように、図2に示した切断順序に従
って全ての材料A,B,C,D,Eを切断したときの鋸
刃予想摩耗量を演算し、かつ切断可能性を予め求めるこ
とができる。すなわち設定された切断順序に従って材料
A,B,C,D,Eの切断を行ったときの予想摩耗量及
び切断可能性を予めシミュレーションすることができ
る。そして、切断可能性が60〜80%と高い数値であ
れば良いが、鋸刃摩耗が進行して切断可能性が約20%
になれば判断を中止して鋸刃を交換しようと考えたり、
例えばA材はもう切断不可能などが理解でき、次の作業
の意志判断要素として活用することが可能である。
【0049】すなわち、ステップ8で全ての材料A,
B,C,D,Eの切断終了後における予想摩耗量を演算
した後は、鋸刃交換か?、切削条件変更か?、切断順序
の変更か?、材料変更か?、そのまま継続か?、再シミ
ュレーションか?等の次の作業の選択が可能であり、例
えば材料A,B,C,D,Eの切断順を変更して再度シ
ミュレーションを行うことにより、最適な切断順を選択
することが可能となる。
【0050】ここで、演算結果の鋸刃予想摩耗量のデー
タや切断可能性のデータを表示するに際しては、図9,
図10(A),(B)に示すように、印◎,○,△,
▲,×等や可能性のパーセンテージを表示出力したり、
又はプリント出力したり、或いは音声出力手段等によっ
て作業者に報知することにより、または図11に示すよ
うに、表示装置に「コメント」を表示することにより、
作業者は切断計画書に従っての鋸刃の予想摩耗量を算出
した結果を知ることができ、切断可能性を求めながら切
断順序が正しいか否かを確認できる。
【0051】したがって、例えば鋸刃の交換時期を予め
予測できることとなり、材料の切断作業の途中において
鋸刃摩耗が過大となることによる不都合を解消すること
ができるものである。
【0052】
【発明の効果】以上のごとき説明より理解されるよう
に、本発明によれば、各種材料を順次切断する毎に鋸刃
予想摩耗量を演算し、かつ各種材料の切断可能性を演算
するので、材料を全て切断することができるか否かが前
もって判別でき、また鋸刃交換時期を予測することがで
き、不良品を生じることなく各種材料の切断を能率よく
効果的に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る装置の概略的な構成
を示す説明図である。
【図2】各種材料の切断順序例の説明図である。
【図3】図2に示した切断順序で切断した場合の切断面
積と切曲り、鋸刃摩耗量との関係を示した説明図であ
る。
【図4】主な材料の分類を示す説明図である。
【図5】切断面積と摩耗量との関係を示す説明図であ
る。
【図6】切断面積を大きさ毎に区分した各ゾーン毎に摩
耗量と切断面積との関係の式を示す説明図である。
【図7】寿命時の摩耗量データを示す説明図である。
【図8】鋸刃予想摩耗量シミュレーションを示す概要フ
ローチャートである。
【図9】切断可能性の判定基準例を示す説明図である。
【図10】切断可能性表、結果グラフを示す表示例の説
明図である。
【図11】表示コメント例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鋸刃 3 鋸盤 5 シーケンスコントローラ 9 制御装置 11 CPU 17 第1データベース 19 第2データベース 21 演算手段 23 入力手段 25 出力手段 27 第3データベース 29 第4データベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 晋 兵庫県小野市天神町80−293 Fターム(参考) 3C029 DD02 3C040 AA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの切断面積と鋸刃摩耗量との関係
    を予めデータベース化し、これから切断しようとするワ
    ークの総切断面積を演算し、この演算した総切断面積を
    前記データベースに適用して切断終了時の鋸刃摩耗量の
    予想値を求め、この予想値に基いてワークの切断可能性
    を判別することを特徴とする鋸刃摩耗による切断可能性
    の判別方法。
  2. 【請求項2】 ワークの切断面積と鋸刃摩耗量との関係
    を予めデータベース化し、切断しようとするワークの総
    切断面積を上記データベースに適用して切断終了時の鋸
    刃摩耗量の予想値を求め、この予想値と予め求めた寿命
    時の摩耗量データとに基いてワークの切断可能性を演算
    することを特徴とする鋸刃摩耗による切断可能性の判別
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の鋸刃摩耗による
    切断可能性の判別方法において、ワークの切断面積と鋸
    刃摩耗量との関係をデータベース化するに際して切断面
    積の大きさを複数の大きさ毎のゾーンに区分し、各ゾー
    ン毎に切断面積と鋸刃摩耗量との関係を示す演算式を適
    用することを特徴とする鋸刃摩耗による切断可能性の判
    別方法。
  4. 【請求項4】 ワークの切断面積と鋸刃摩耗量との関係
    をデータベース化するに際して切断面積の大きさを複数
    の大きさ毎のゾーンに区分し、各ゾーン毎に切断面積と
    鋸刃摩耗量との関係を示す演算式を適用し、第1のワー
    クの切断に際して当該第1のワークの該当するデータベ
    ースに基いて切断終了時の鋸刃の摩耗量を演算し、この
    演算した摩耗量を第2のワークのデータベースに適用し
    て第2のワークに相当する切断面積を演算し、この演算
    した切断面積に第2のワークの総切断面積を合算して第
    2のワークの切断終了時における鋸刃摩耗量を演算し、
    この演算した鋸刃摩耗量及び予め求めた寿命時の摩耗量
    データに基いて第2のワークに対する切断可能性を判別
    することを特徴とする鋸刃摩耗による切断可能性の判別
    方法。
  5. 【請求項5】 複数のワークの材質、形状寸法と複数種
    の鋸刃とをそれぞれ対応した切断面積と鋸刃摩耗量との
    関係を示す第1データベースと、複数のワーク毎に寿命
    時の摩耗量を格納した第2データベースと、各種データ
    を入力する入力手段と、第1,第2のデータベースに格
    納されているデータ及び入力手段から入力されたデータ
    に基いて各ワークの切断終了時の鋸刃摩耗量及び各ワー
    クの切断可能性を演算する演算手段と、演算手段の演算
    結果を出力する出力手段と、上記入力手段,演算手段及
    び出力手段を制御するCPUと、を備えたことを特徴と
    する鋸刃摩耗による切断可能性判別装置。
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