JP4173602B2 - 可撓継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシールドトンネル等の横坑と縦坑との接続部に取り付けて止水機能を確保するとともに、相互の相対変位を許容する可撓継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地下道や山岳トンネル等を掘削するに際し、シールド工法が広く用いられている。このシールド工法は、縦坑を掘り、次いでこれよりシールドマシンによってトンネル等の横坑を掘削するものである。また、掘削終端部にも縦坑が掘られ、シールドマシンの先端部が終端部縦坑の壁面から突出してトンネル等を掘削し終えた後、横坑と縦坑との接続部にコンクリートを打設してトンネル等を完成させている。したがって、横坑とその両端部縦坑との間はコンクリートで一体化され、地下水等が横坑と縦坑との接続部から漏れ出すことが防止される。
【0003】
しかしながら、横坑と縦坑との接続部をコンクリートで一体化すると、止水性は確保できるものの両者間の相対変位を許容できないものとなり、地殻変動等によって横坑や縦坑が移動すると両者の接続一体化部分にひび割れ等が生じ、地下水等が漏れ出すという問題があった。そして、このひび割れの補修には多大の労力が必要であり、また、困難であることも多かった。さらには、漏れ出した地下水は縦坑内に貯留されるので、ポンプで汲み上げる必要もあった。
【0004】
そのため、横坑と縦坑との接続部にゴムシートを挿入することで止水性を確保し、かつ、両者間の相対変位を吸収できるようにした工法も採用された。しかしながら、ゴムシートでは大きな相対変位を吸収できず、また、ゴムシートの劣化やその場合の取り替えの困難さから、止水構造としての信頼性は、低いものでしかなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような横坑と縦坑との接続部において、高い止水性を確保しつつ、横坑と縦坑との相対変位を十分に許容することができる可撓継手を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであって、その要旨は、帯状弾性部材の一端に横坑の開口部断面との水密取付部を設けるとともに、他端に縦坑の内壁面との水密取付部を設け、帯状弾性部材の両水密取付部間の距離を、横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離よりも長くし、帯状弾性部材が、横坑の開口部断面との水密取付部を内円とし、縦坑の内壁面との水密取付部を外円とする円弧状のものとした可撓継手に係るものであり、好ましくは、帯状弾性部材の両水密取付部間を半円状、もしくは、蛇腹状としたものである。また、帯状弾性部材内に繊維補強材を偶数層設け、その各層を一層ごとに互い違いのバイアス方向としたものである。さらに、内円の半径を2700mm以上4500mm以下とした可撓継手に係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の可撓継手が使用されるトンネル等においては、横坑と縦坑との相対変位を十分に許容できるように、予め両者間は相当の隙間をもって施工される。そして、このままでは地下水等がその隙間から漏れ出すので、本発明の可撓継手を使用するのである。すなわち、本発明の可撓継手は、横坑と縦坑との接続部に挿入するものではなく、横坑の開口部断面と縦坑の内壁面との間に、弾性部材のカバーを設けるものである。したがって、本発明の可撓継手は、帯状弾性部材の一端に横坑の開口部断面との水密取付部を、他端に縦坑の内壁面との水密取付部を設けて止水性を確保し、かつ、帯状弾性部材の両水密取付部間の距離を、横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離よりも長くして、横坑と縦坑との接続部に生じる大きな相対変位を許容しているのである。
【0008】
ここで、帯状弾性部材の両水密取付部間の距離は、横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離よりも長いので、帯状弾性部材は縦坑の内壁面側に突出することとなる。この突出した部分は折り返す等しておいてもよいが、予め半円状としておけば取り付け作業性に優れたものとなる。また、半円状に限らず、蛇腹状としても同様の効果が得られる。
【0009】
また、トンネル等の横坑の断面は円形であることが多い。したがって、可撓継手が直線状のものであると、横坑の断面形状に合わせて帯状弾性部材を曲げ変形させて取り付ける必要が生じる。そこで、帯状弾性部材内に繊維補強材を偶数層設け、その各層を一層ごとに互い違いのバイアス方向とすれば、水圧や土圧等に対する十分な強度を確保できるとともに、帯状弾性部材が曲がり易いものとなって、取り付けが容易なものとなる。さらに、横坑の円形断面の直径は様々であることから、予め可撓継手を、横坑の開口部断面との水密取付部を内円とし、縦坑の内壁面との水密取付部を外円とする円弧状としておけば、小断面の横坑にも大断面の横坑にも幅広く対応させることが可能となり、取り付け作業が一層容易なものとなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の可撓継手1を取り付けた横坑5および縦坑6を示すの断面図である。図1の通り、横坑5と縦坑6との接続部は、地殻変動等によって生じる相対変位を十分に許容できるように、予め相当な隙間7をもって施工されている。また、本発明の可撓継手1は、横坑5の開口部断面と縦坑6の内壁面との間にまたがって水密取付部3で取り付けられている。したがって、隙間7から地下水等が漏れ出すことが防止される。
【0011】
さらに、本発明の可撓継手1は、両水密取付部3間の距離L1が横坑5の取付部と縦坑6の取付部との間の直線距離L2よりも長くされている。すなわち、可撓継手1は半円状とされている。したがって、横坑5と縦坑6とが地殻変動等によって相対変位を生じても可撓継手1が変形するだけで止水性は確保できる。
【0012】
図2は比較例の可撓継手1を示す斜視図である。可撓継手1は帯状弾性部材2から構成され、帯状弾性部材2の端部には横坑の開口部断面および縦坑の内壁面との水密取付部3が設けられている。また、帯状弾性部材2内には図2で一部露出させて示すように、互い違いのバイアス方向となるように繊維補強材4が2層設けられている。したがって、可撓継手1を横坑の円形断面部分に合わせて容易に曲げ変形させることができ、取り付け作業が容易となるとともに水圧や土圧等が作用しても十分な強度を有するものとなっている。
【0013】
図3は本発明の第一実施例の可撓継手1を示す上面図である。第二実施例においても比較例と同様、帯状弾性部材2内には、図3で一部露出させて示すように、互い違いのバイアス方向となるように繊維補強材4が2層設けられている。しかし、第一実施例の可撓継手1は、横坑の開口部断面との水密取付部を内円とし、縦坑の内壁面との水密取付部を外円とする円弧状とされたものである。内円の半径Rは横坑の開口部断面に合わせたものとされるが、横坑の開口部断面の直径は様々であることから、個別に対応していると製造面、経済面等で問題を生じる。そこで、可撓継手1の内円の半径Rを2700mm以上4500mm以下としておけば、小断面の横坑に取り付ける場合には可撓継手1をさらに小さく曲げることにより、大断面の横坑の場合には径を広げることにより、比較例のような直線状の可撓継手を使用する場合に比べ、取り付け作業が一層容易なものとなる。なお、内円の半径Rを2700mm以上4500mm以下としたのは、可撓継手1の曲げ剛性と一般的な横坑の開口部断面の直径とを考慮して決定したものであるが、半径Rは、生産性と取り付け作業性との兼ね合いで、一種類としても、多種類用意しておいてもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、帯状弾性部材の一端に横坑の開口部断面との水密取付部を設けるとともに、他端に縦坑の内壁面との水密取付部を設け、帯状弾性部材の両水密取付部間の距離を、横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離よりも長くしたものであるので、高い止水性を確保しつつ、横坑と縦坑との接続部に生じる大きな相対変位を許容できる。特に、帯状弾性部材の両水密取付部間を半円状、もしくは、蛇腹状としておけば、可撓継手の取り付け作業性を優れたものとすることができる。また、帯状弾性部材内に繊維補強材を偶数層設け、その各層を一層ごとに互い違いのバイアス方向とすれば、水圧や土圧等に対する十分な強度を確保できるとともに、帯状弾性部材が曲がり易いものとなる。さらに、帯状弾性部材が横坑の開口部断面との水密取付部を内円とし、縦坑の内壁面との水密取付部を外円とする円弧状のものであって、特に、内円の半径が2700mm以上4500mm以下であれば、小断面の横坑にも大断面の横坑にも幅広く対応させることができ、取り付け作業が一層容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の可撓継手を取り付けた横坑および縦坑を示す断面図である。
【図2】図2は比較例の可撓継手を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の第一実施例の可撓継手を示す上面図である。
【符号の説明】
1‥可撓継手
2‥帯状弾性部材
3‥水密取付部
4‥繊維補強材
5‥横坑
6‥縦坑
7‥隙間
L1‥帯状弾性部材の両水密取付部間の距離
L2‥横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離
R‥可撓継手の内円の半径
Claims (5)
- トンネル等の横坑と縦坑との接続部を止水する可撓継手であって、帯状弾性部材の一端に横坑の開口部断面との水密取付部を設けるとともに、他端に縦坑の内壁面との水密取付部を設け、前記帯状弾性部材の両水密取付部間の距離を、横坑の取付部と縦坑の取付部との間の直線距離よりも長くし、前記帯状弾性部材が、横坑の開口部断面との水密取付部を内円とし、縦坑の内壁面との水密取付部を外円とする円弧状であることを特徴とする可撓継手。
- 前記帯状弾性部材の両水密取付部間を半円状としたことを特徴とする請求項1に記載の可撓継手。
- 前記帯状弾性部材の両水密取付部間を蛇腹状としたことを特徴とする請求項1に記載の可撓継手。
- 前記帯状弾性部材内に繊維補強材を偶数層設け、その各層を一層ごとに互い違いのバイアス方向としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可撓継手。
- 前記帯状弾性部材の内円の半径が、2700mm以上4500mm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の可撓継手。
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1999
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