JP4173424B2 - 電磁波吸収シート、電子機器および電磁波吸収シートの製造方法 - Google Patents

電磁波吸収シート、電子機器および電磁波吸収シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、本発明は、強磁性体を用いた電磁波吸収シート、該電磁波吸収シートを備えた電子機器および電磁波吸収シートの製造方法に関する。
近年、インターネット利用をはじめとして、パソコン、自動車のエレクトロニックコントロールユニット、光モジュールや携帯電話あるいは携帯情報端末、高度道路情報システム、ブルートゥ−スなどGHz帯の高いクロック周波数を持つCPUを利用した電子機器や電波を利用した情報通信機器が普及してきており、ユビキタス社会が訪れてきている。しかし、これら情報機器の普及に伴って、これら情報機器から放射される電磁波がもたらす、他の電子機器への誤作動や、人体への影響が問題とされてきている。
そのため、電子機器には、誤作動を起こさないこと、他の電子機器や人体に影響を与えないように、電磁波をできるだけ放出しないこと、外部から電磁波を受けても誤作動しないことが求められ、電子機器に対し、電磁波を反射あるいは吸収する電磁波遮蔽を施すことが行われている。
電子機器、特に携帯可能な電子機器は、多機能、高性能化、小型化、軽量化が求められ、電磁波吸収においても同様で、堅牢で吸収効率がよく、小スペースで軽量であるものが求められている。
従来より行われている導体シールドでは、不要輻射源からの反射による電磁結合が助長されるので、磁性体の磁気損失、すなわち虚数部透磁率μ”を利用した不要輻射の抑制が有効であるとして、軟磁性体扁平粉の厚みが表皮深さより薄く、充分なアスペクト比を有し、磁性体表面を不導体化した磁性体粉を有機結合剤中に約95質量%加えてなる、効率のよい電磁波吸収特性を有し、可撓性を有する電磁波吸収体の提案がある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の実施例においては評価にあたって銅板で裏打ちされた電磁波吸収体を用いており、この電磁波吸収体の厚みは測定用銅板込みで2mmとされている。
また、セラミック相と強磁性超微結晶相とを含んでなる超微結晶磁性膜からなる電磁波吸収体の提案、すなわち、強磁性元素とセラミック元素をマグネトロンスパッタリングで基板上に製膜し、低温でアニールすることにより高抵抗のセラミック層中に強磁性体からなる超微結晶を析出させ、アイソレートしてなる電磁波吸収体の提案がある。この電磁波吸収体は、100MHz〜10GHzの高周波帯域で、電気抵抗が高く、渦電流による電磁波の反射が抑えられ、虚数部透磁率が大きいため優れた電磁波吸収特性を有するとされている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−93034号公報 特開平9−181476号公報
しかし、特許文献1記載の電磁波吸収体はその厚みが銅板込みで2mmであり、電磁波吸収体自体のシート厚みが1mm以上と厚く、しかもその95質量%が鉄などの強磁性体からなるので重く、軽量化が達成されたとはいえない。また、有機結合剤の量が少ないので堅牢性、可撓性も充分とはいえない。さらに、軟磁性体粉の扁平化や表面の不導体化に手間を要するため軟磁性体扁平粉は高価なものとなり、これを多量に用いるので電磁波吸収体も高価なものとなり、産業上満足のいくものではなかった。
また、特許文献2の電磁波吸収体においては、セラミック相中に強磁性超微結晶を生成させるためには高温の熱処理が必要とされている。特許文献2の実施例ではスライドガラス上にRFマグネトロンスパッタ法でセラミック/強磁性元素の膜を製膜し、200〜350℃の熱処理をして強磁性超微結晶を形成させている。特許文献2では有機フィルム上に作製することを考慮しているものの、有機フィルムとしては高耐熱有機フィルムを用いざるを得ない。高耐熱有機フィルムは価格が高く、高価なものとなる。さらに、仮に高耐熱有機フィルム上にこのような強磁性超微結晶相を形成させたとしても、有機フィルムと生成されたセラミックスとでは熱膨張率に大きな差があり、クラックが生じやすく、可撓性や堅牢性が高いというものではない。
このような状況から、電子機器や電子部品などに、組み込み応用が容易で、電磁波吸収特性が良く、小型、軽量で、可撓性があり、堅牢な電磁波吸収体は、未だ満足のいくものがなく、求められている。
上記状況に鑑み、本発明者らは、強磁性体の超微粒子分散を検討し、電磁波吸収特性に優れ、小型、軽量で可撓性があり、堅牢な電磁波吸収シートに到達した。
すなわち、本発明の電磁波吸収シートは、有機高分子と強磁性体からなる電磁波吸収機能層を有し、該電磁波吸収機能層が、真空下または不活性ガス雰囲気下での前記有機高分子の分解温度または蒸発温度よりも低い温度において1×10〜1×10Paの剪断弾性率を有する有機高分子からなる基体上に、強磁性体を物理的に蒸着して形成された層であり、電磁波吸収機能層の総厚みあたりの電磁波最大透過減衰量が0.5〜500dB/μmであることを特徴とする。
又、本発明の熱伝導シート付き電磁波吸収シートは、前記電磁波吸収シートの少なくとも一方の面に、熱伝導性充填剤を含有する熱伝導シートを積層してなることを特徴とする。
また、本発明の電磁波吸収シートの製造方法は、有機高分子からなる基体(以下、有機高分子基体という。)上に、強磁性体粒子を粒子エネルギー5eV以上で物理的に蒸着して電磁波吸収機能層を形成する電磁波吸収シートの製造方法であって、前記有機高分子が、真空下または不活性ガス雰囲気下での前記有機高分子の分解温度または蒸発温度よりも低い温度において1×10 〜1×10 Paの剪断弾性率を有することを特徴とする。
又、本発明の電子機器は前記電磁波吸収シートが電子部品あるいは電子部品群の少なくとも一部を覆ってなることを特徴とする。
又、本発明の電子機器は前記電磁波吸収シート、印刷回路板を有する電子機器の少なくとも一つの印刷回路板の少なくとも一方の面の一部又は全面に設けられてなることを特徴とする。
又、本発明の電子機器は前記電磁波吸収シートが、印刷回路板を有する電子機器の印刷回路に信号を伝達する電気コネクタに積層されていることを特徴とする。
又、本発明の電子機器は下面に前記電磁波吸収シートが積層された押釦スイッチ用キートップ部材を用いてなることを特徴とする。
又、本発明の電子機器はクリック部材を配列したクリックシートと、クリックシート上に設けられたキートップとを有し、クリックシートの一方の面に前記電磁波吸収シートが積層されてなる押釦スイッチ用キートップ部材を有することを特徴とする。
又、本発明の電子機器は少なくとも一方の面に前記電磁波吸収シートが積層されたプレフォーム用インサートシートを用いてなることを特徴とする。
本発明によれば、電磁波吸収特性が良く、小型、軽量で、可撓性があり、堅牢な電磁波吸収シートを提供することができる。
本発明で用いられる強磁性体としては、金属系軟磁性体および/または、酸化物系軟磁性体および/または、窒化物系軟磁性体が主に用いられるが、これらは1種単独で用いてもよいし、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
金属系軟磁性体としては、鉄および鉄合金が一般的に用いられ、鉄合金として具体的にはFe−Ni、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Cr−Si、Fe−Cr−Al及びFe−Al−Si合金を用いることができる。これらの金属系軟磁性体は1種単独で用いてもよいし、2種以上の組合せを用いてもよい。鉄および鉄合金のほかにコバルトやニッケルの金属あるいはそれらの合金を用いてもよい。ニッケルは単独で用いた場合は酸化に対して抵抗力があるので好ましい。
酸化物系軟磁性体としてはフェライトが好ましい。具体的にはMnFe、CoFe、NiFe、CuFe、ZnFe、MgFe、Fe、Cu−Zn−フェライト、Ni−Zn−フェライト、Mn−Zn−フェライト、BaCoFe1222、BaNiFe1222、BaZnFe1222、BaMnFe1222、BaMgFe1222、BaCuFe1222、BaCoFe2441を用いることができる。これらのフェライトは1種単独で用いても良いし、2種以上を組合せて用いてもよい。
窒化物系軟磁性体としては、FeN、FeN、FeN、Fe16などが知られている。これらの窒化物系軟磁性体は透磁率が高く、耐食性が高いので好ましい。
有機高分子基体として用いられる有機高分子は、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂や、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの非ジエン系ゴムなどが挙げられる。これらは熱可塑性であってもよく、熱硬化性であってもよく、その未硬化物であってもよい。また、該有機高分子は上述の樹脂、ゴムなどの変性物、混合物、共重合物であってもよい。
図1に、有機高分子基体上に強磁性体が物理的に蒸着された状態の電磁波シートの模式図を示す。
本発明の電磁波吸収シートは、有機高分子基体(1)上に強磁性体(3)の超微粒子が物理的に蒸着されているが、基体である有機高分子基体(1)の表層から0.03〜20μmの範囲にわたって強磁性体(3)の超微粒子が部分的に潜り込んで三次元的に分散し、均質膜を形成していない電磁波吸収機能層(2)を形成していることが好ましい。
すなわち、一般的には強磁性体(3)が有機高分子基体(1)の表面のみに蒸着されると、蒸着量が増えるにつれて強磁性体の連続層が形成されて、電磁波を反射しやすくなる。これに対して有機高分子基体(1)の表面近傍に強磁性体(3)の超微粒子が分散して0.03〜20μmの厚みの電磁波吸収機能層(2)を形成していると、有機高分子内に分散した強磁性体(3)の超微粒子が連続層を形成し難くなり、電磁波の反射を生じせしめずに電磁波を吸収できるようになる。電磁波吸収機能層(2)の厚みを0.03μm以上とすることにより、充分な電磁波吸収能を示すことができる。電磁波吸収機能層(2)を複数層積層して、その総厚みを100μmを超える厚みとしてもそれ以上の電磁波吸収機能の向上はなく、厚い電磁波吸収機能層(2)を形成するためには、例えば物理蒸着における粒子エネルギーを高める必要が生じ、物理蒸着コストがそれだけ高くなるので好ましくない。
また、強磁性体(3)がミクロンオーダーの大きさである場合、大きな透過吸収率を得るために、大量かつ高密度に強磁性体を使用し、厚く重い電磁波吸収シートを用いる必要があるが、強磁性体(3)を例えばナノメーターオーダーまで超微粒子化すると、ミクロンオーダーの粒子の場合とは特性が異なり、透磁率が大きくなり、吸収帯域が拡がることが知られている。従って、大きな透過吸収率を得るために、上記の場合のように大量かつ高密度に強磁性体を使用し、厚く重い電磁波吸収シートを用いる必要がなくなる。
この電磁波吸収機能層(2)中の強磁性体(3)の微粒子の寸法を直接測定するのは困難であるが、この強磁性体(3)がナノメーターオーダーの微粒子となっていることの目安として、電磁波吸収シートの電磁波吸収機能層(2)の厚みあたりの電磁波最大透過減衰量(dB/μm)で判断することができる。
電磁波吸収機能層(2)の厚みあたりの電磁波最大透過減衰量が、0.5〜500dB/μmであると、強磁性体(3)がナノメーターオーダーの微粒子になっていることを示す。本発明においては、この電磁波吸収機能層(2)の厚みあたりの電磁波最大透過減衰量が、0.5〜500dB/μmであることが必要である。この指標が0.5dB/μmよりも小さいかあるいは500dB/μmよりも大きいと電磁波の吸収効率が悪く、電磁波が透過しやすくなり、電磁波吸収効果が無くなるか、あるいは所定の電磁波吸収効果を発現させるためには電磁波吸収シートの厚みを厚くする必要が生じ、使用する電子機器等のスペースの制限が生じてくる。
電磁波最大透過減衰量は、吸収したい周波数帯域で測定される最大の透過減衰量を指し、例えば10MHz〜1GHz、100MHz〜3GHz、1〜3GHz、3〜20GHz、20〜50GHz、50〜100GHzなどの帯域で周波数を変えながら電磁波吸収機能層を透過してくる電磁波量を測定し、最も透過減衰量が大きかった時の周波数における電磁波透過減衰量を意味する。
電磁波吸収機能層の厚みに対しての電磁波透過量が小さくても、実使用上で実効的な値でなくてはならず、電磁波吸収の効果があるとされる6dB以上、ピーク値では10dB以上である必要がある。吸収の効果として認められる上限は50dBであれば十分である。また、電磁波吸収機能層の厚みも、電子機器内に納まる適当な厚さである必要があり、0.03〜100μmが好ましい。電磁波吸収シートとしては、この電磁波吸収機能層のほかに、支持層や粘着層あるいは絶縁層や保護層などを有するもので、各層は極力薄いことが好ましい。
同様に、吸収の効果を得るためには、電磁波の反射量も小さいことが好ましく、最大透過減衰量を示す帯域での反射減衰量が6dB以上であることが好ましく、10dB以上がさらに好ましい。
電磁波吸収シートが電磁波吸収機能層の厚みあたりの高い透過減衰量を有するためには、物理蒸着にあたって、強磁性体超微粒子が有機高分子基体の表面から有機高分子基体内部に潜り込む必要があり、そのためには、該有機高分子の剪断弾性率が低いことが好ましい。有機高分子の剪断弾性率が低いと、有機高分子基体への強磁性体の物理的蒸着時に、強磁性体超微粒子が有機高分子基体内に侵入あるいは強磁性体超微粒子の衝突による有機高分子の変形や流動により、有機高分子基体表層の0.03〜20μmの層にわたり分散しやすくなる。
図2aは強磁性体を蒸着した有機高分子基体の表面状態を示すレーザー顕微鏡画像であり、表面には凹凸が見られる。図2bではその断面形状を計測しており、突起の高さは約6μmである。一方、図3aは蒸着前の表面状態を示すレーザー顕微鏡画像であるが、蒸着前の表面は平坦である。図3bではその断面形状を計測しており、平均表面粗さは0.05μmである。図2、図3から、蒸着により、有機高分子が変形や流動を起こしていることが伺われる。
以上の観点から、物理的蒸着時には、有機高分子の剪断弾性率が、1×10〜1×10Paであることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×10Pa、さらに好ましくは1×10〜1×10Paとされる。物理的蒸着時には、所望の剪断弾性率にするために必要ならば基体を例えば100〜300℃に加熱することもできるが、分解や蒸発が起きない温度に加熱することが必要である。常温で物理的蒸着を行う時には、特に加熱を必要とするものではないが、この常温で物理蒸着する対象となる有機高分子としては、おおよそゴム硬度50〜60°(JIS−A)以下の弾性体が挙げられる。
また、プラズマ化あるいはイオン化された強磁性体原子が入り込みやすい分子間空隙の広さを示す指標として、ガス透過率を用いることができる。本来は、前記した強磁性体元素の大きさに等しいアルゴンガス、クリプトンガスが透過率を確認することに都合がよいが、ガス透過率の測定には一般的でないため、例えば炭酸ガスの透過率データで代用することができる。常温での炭酸ガス透過率の大きな有機高分子として、1×10−9[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]以上のポリフェニレンオキサイド、ポリメチルペンテン、ナイロン11、ハイインパクトポリスチレンなどのゴム成分との混合物や共重合物、1×10−8[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]以上のポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。剪断弾性率の点からもシリコーンゴムなどのゴム類は特に好ましい。
また、強磁性体超微粒子の酸化を防止する観点からは、酸素透過性の低いものが良く、1×10−10[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]以下のポリエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリメチルメタクリレートなどやさらには1×10−12[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]以下のポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。
このほか、補強性フィラーや難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、チクソトロピー性向上剤、可塑剤、滑剤、耐熱向上剤などを適宜添加して構わないが、硬質なものを配合すると、強磁性超微粒子がこれに衝突し、十分な分散が行われないことがあるので、注意が必要である。
該有機高分子の膜厚は薄い方がよく、1〜200μm程度とされる。有機高分子の膜が単独では薄くて、あるいは使用温度域での剪断弾性率が小さくて、ハンドリングが困難な場合は、別に該有機高分子を担持する支持層を設けることができる。支持層は前記した高分子基体と同等のものであってもよいが、金属箔や可撓性のあるセラミックス箔などで、有機高分子基体を構成する有機高分子より剛性が高く、剪断弾性率の高いものがよい。その支持層の厚さは薄いものがよく、50μm以下が好ましく、25μm以下がさらに好ましい。
有機高分子基体や、支持体を構成する薄い有機高分子の膜を形成するには、製膜材料の流動性の大きいことがよく、有機高分子を溶剤に溶解した溶液を製膜してもよく、有機高分子が単独で流動性を有する場合は無溶剤で製膜してもよい。
図4に強磁性体が物理的に蒸着された有機高分子の断面状態のSEM像を示す。これは、前記した表面の突起状部を除く、ベース部分の断面を観察したものであり、約45質量%の湿式シリカなどの無機フィラーを含む弾性体に、30nm厚相当の強磁性体を蒸着することにより、表層のスキン層に40nm厚の電磁波吸収機能層が形成されている。このように強磁性体が、直接、超微粒子化された状態で、電磁波吸収機能層に分散されているため、再加熱等による強磁性体の再結晶をはかるなどの後処理の必要がない。
強磁性体として、特に鉄、ニッケル、コバルトなどやその合金などの金属系軟磁性体を用いた場合、金属系軟磁性体が凝集して均質膜を形成するように蒸着されていると、金属系軟磁性体の固有抵抗が小さいので、渦電流が発生して電磁波吸収効果がなくなり、むしろ反射機能がでてくるため、電子回路や電子部品からの電磁波を吸収できずに、反射してしまい、電子回路等に逆に影響を与えてしまう。したがって、金属系軟磁性体を有機高分子基体(1)上に物理的に蒸着する場合は、特に、均質な強磁性体膜を形成しないようにすることがよい。膜の表面抵抗(直流抵抗)はおおよそ1×10〜1×1010Ω/□であることが好ましい。
後述する物理蒸着法により原子状態になった強磁性体元素は、おおよそ数Åのサイズであるが、有機高分子は、金属やセラミックスと異なり分子間に空隙を有しており、飛ばされた強磁性体原子は、この空隙に入り込み微小なクラスターや非常に薄い薄膜粒子を形成すると考えられるが、一平面に堆積して連続した薄膜を形成することがなく、三次元的に分散するため、蒸着量が少ない場合は、容易に超微粒子が独立して、良導通を示さない状態になり易い。
さらに、強磁性体の超微粒子が有機高分子基体の内部に深く入り込むことが可能になると、一度の蒸着で蒸着量が多くても容易に分散し、均質膜となることがないので、加工時間の手間を省くことができる。
物理蒸着法(PVD)での各種成膜方法は、真空にした容器の中で薄膜形成物質を何らかの方法で気化させ、近傍に置いた基板上に堆積させて薄膜を形成する方法である。
物理蒸着法を薄膜物質の気化方法で分類すると、蒸発系とスパッタ系に分けられ、蒸発系にはEB蒸着、イオンプレーティング、スパッタ系にはマグネトロンスパッタリング、対向ターゲット型マグネトロンスパッタリングなどが挙げられる。
EB蒸着は、蒸発粒子のエネルギーが1eVと小さいので、基板のダメージが少なく、膜がポーラスになりやすく、膜強度が不足する傾向があるが、強磁性体膜の固有抵抗は高くなるという特徴がある。
イオンプレーティングはアルゴンガスや蒸発粒子のイオンは加速されて基板に衝突するため、EBよりエネルギーは大きく、付着力の強い膜を得ることができる。ドロップレットと呼んでいるミクロンサイズの粒子が多数付着してしまうと放電が停止してしまう。また、酸化物系強磁性体を成膜するには、酸素などの反応性ガスを導入しなければならず、膜質コントロールが難しい反面、バイアス電圧を上げることにより1KeVまで原子状超微粒子を加速させることができる。
通常のマグネトロンスパッタリングは、磁界の影響で強いプラズマが発生するため成長速度が速い特徴があるが、ターゲットの利用効率が低い。バイアスを掛けた場合は数百eVまでエネルギーをあげることができる。
マグネトロンスパッタリングのうち対向ターゲット型マグネトロンスパッタリングは、対向するターゲット間でプラズマを発生させ、対向するターゲットの外に基板を置き、プラズマダメージを受けることなく所望の薄膜を生成する方法である。そのため、基板上の薄膜を再スパッタすることなく、成長速度がさらに速く、スパッタされた原子が衝突緩和することがなく、緻密なターゲット組成物と同じ組成のものを生成することができ、通常8eV以上の高いエネルギーを持っている。
代表的な有機の共有結合エネルギーは約4eVであり、具体的には例えばC−C、C−H、Si−O、Si−Cの結合エネルギーはそれぞれ3.6、4.3、4.6、3.3eVであるのに対して、バイアスイオンプレーティング、バイアスマグネトロンスパッタや対向ターゲット型マグネトロンスパッタでは、このように高いエネルギーを持っているので、一部の化学結合を切断し、衝突するものであるから、スパッタ後の基体表面には例えば5μm以上の凹凸が形成され、強磁性体原子が、有機高分子基体の表面からおおよそ0.03〜20μm程度まで進入し、電磁波吸収機能層を形成することができる。これは、高エネルギーの強磁性体原子の基体表面への衝突等により強磁性体原子と有機高分子の局部的なミキシング作用が生じたためと推測される。このように、粒子エネルギーが5eV以上である強磁性体微粒子を有機高分子基体上に物理的に蒸着すると、一度に大量の強磁性体を分散させることができるので好ましい。すなわち、一度の蒸着で、強磁性体の質量を稼ぐことができることから、透過吸収率の大きな吸収体を容易に得ることができるため、好ましい。
強磁性体の蒸着質量は、強磁性体単品の膜厚換算値で200nm以下が好ましく、これより厚いと高分子基体の包含能力の限界に達し、分散できずに堆積し、均質な導通性を有する連続した膜が生成してしまう。それゆえ、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下がよい。一方、電磁波吸収能の点からは0.5nm以上であることが好ましい。この蒸着質量は、ガラス、シリコン等の硬質基板上に堆積した厚みを測定することによって求められる。
蒸着された強磁性体は、電磁波吸収機能層中に分散されており、該機能層の厚みは、強磁性体単品の膜厚換算値よりも厚くなる。その測定は前記したように、断面のSEM像から算出することができる。
しかし、蒸着質量が小さくなると、吸収能力が低減するものであるから、電磁波吸収機能層を複数層積層して積層電磁波吸収シートとすることにより、適宜、電磁波吸収シートに占める強磁性体の総質量を増やすことが好ましい。この総質量は吸収レベルにもよるが、おおよそ総合の膜厚換算値で10〜500nmがよい。電磁波吸収機能層の厚みは積層された各層の和とすることができ、10〜100μmが好ましい。
積層電磁波吸収シートにおいては、その積層数は特に限定されるものではないが、積層電磁波吸収シートの全体の厚みを考慮して決められる。物理的蒸着後の、複数積層した有機高分子基体を含む全体の厚みは、おおよそ20〜200μm程度となるのが好ましい。そのため、有機高分子基体の厚みも積層電磁波吸収シートにした時の全体の厚みを考慮して適宜選択することが好ましい。
また、積層電磁波吸収シートにおいては、電磁波吸収機能層の厚みを変えたり、機能層中の強磁性体の質量を変えてもよい。例えば、電磁波吸収能力があるといえども、ある程度の反射が起こり、電磁波を放射した電子回路や電子部品に影響を与えることがあるので、積層する各電磁波吸収機能層の強磁性体の質量を、電子部品側の層から徐々に増して、傾斜的に配置するなど、極力反射を抑えることも可能である。
本発明の熱伝導シート付き電磁波吸収シートに用いられる熱伝導シートは熱伝導性充填剤を含有するシートであり、熱伝導性充填剤としては、銅やアルミニウム等の金属、アルミニウムやインジウムなどの低融点合金、アルミナ、シリカ、マグネシア、ベンガラ、ベリリア、チタニア等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の金属窒化物、或いは炭化ケイ素などを用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
熱伝導性充填剤の平均粒子径は0.1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。
粒径が0.1μm未満の場合には、粒子の比表面積が大きくなりすぎて高充填化が困難となる。粒径が100μmを超える場合には、熱伝導シートの表面に微小な凹凸が現れ、熱的な接触抵抗が大きくなるおそれがある。
熱伝導性充填剤の含有量は充填剤の種類にもよるが、10〜85vol%とすることが好ましい。10vol%未満では、必要とする熱伝導性が得られない場合があり、85vol%を超えると、シートが非常に脆いものとなってしまうおそれがある。
熱伝導シートを構成するシートの材質は特に限定されるものではないが、耐熱性、耐候性等の点からシリコーンゴム、ウレタンゴム等が好ましく用いられる。
この熱伝導シート付き電磁波吸収シートは、パワートランジスタやサイリスタのような発熱性半導体の放熱用途に特に効果がある。
本発明の電磁波吸収シートは種々の電子機器の電子部品から発生する電磁波を吸収して電磁波による悪影響を抑制することができる。即ち電子機器が有する電子部品の中、他からの電磁波により誤作動を起こすおそれのある電子部品や電磁波を発生して他の電子部品に誤作動を起こすおそれのある電子部品を本発明の電磁波吸収体で覆って、電子部品から発生する、あるいは電子部品に影響を与えようとする電磁波を吸収することができる。このような電子機器としては、信号を発信、受信あるいは受発信する機器であればどのような電子機器も対象となる。即ち、本発明の電子機器は、該電子機器の有する電子部品あるいは電子部品群の少なくとも一部を上記電磁波吸収シートで覆ってなることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上記電磁波吸収シートが、印刷回路板を有する電子機器の少なくとも一つの印刷回路板の少なくとも一方の面の一部又は全面に設けられてなることを特徴とする。
即ち、印刷回路板の両面全体、あるいは片面全体を覆っていてもよく、両面あるいは片面の一部を覆っていてもよい。印刷回路板上に設けられている電子部品から発生する電磁波が同じ印刷回路板上の他の電子部品に悪影響を与えるものでなければ、全体を電磁波吸収体で覆って、外部からの電磁波を吸収してもよい。
又、印刷回路板上の電子部品から発生する電磁波が同じ印刷回路板上の他の電子部品に悪影響を与えるものであれば、その悪影響を与える電磁波を発生する電子部品以外を例えばシールドボックスあるいは電磁波吸収シートで覆って、かつ、その悪影響を与える電磁波を発生する電子部品を個別に電磁波吸収シートで覆ってもよい。
本発明の電磁波吸収シートは可撓性を有するため、上記印刷回路板がフレキシブル印刷回路板である場合に、印刷回路板が応力により変形しても印刷回路板の変形に容易に追従してしっかりと電子部品を覆うことができるので特に適している。
又、本発明の電子機器が少なくとも印刷回路板と印刷回路に信号を伝達する電気コネクタとを有するものであって、前記電磁波吸収シートが、該電気コネクタの少なくとも一部に積層されていると、電気コネクタに及ぼす外部からの電磁波による誤作動を惹き起こす信号の侵入を防止できる。この場合も本発明の電磁波吸収シートは可撓性を有するため、電気コネクタがフレキシブルコネクタであると、外部応力によりフレキシブルコネクタが変形してもその変形に容易に追従してしっかりとフレキシブルコネクタを覆うことができるので特に適している。
上記のような電子機器の例として携帯電話機、カメラ付き携帯電話機等を例示できる。
又、本発明の電子機器としては、下面に前記電磁波吸収シートが積層された押釦スイッチ用キートップ部材を用いた電磁波ノイズ抑制電子機器を挙げることができ、このような押釦スイッチ用キートップ部材の具体例としては、押圧部を設けた加飾シートの下面に前記電磁波吸収シートが積層されてなる押釦スイッチ用キートップ部材を挙げることができる。
前記加飾シートの材料としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど熱可塑性の樹脂が選択されるが、印刷性や成形加工性等を考慮するとポリエステル、ポリカーボネート、アクリル及びそれらのアロイ、共重合物が好ましい。
この加飾シートは必要に応じてシートの所定の位置に文字、記号、絵柄等の必要な印刷を施しておくことができる。この印刷は従来ある印刷方法を用いればよく、特に限定されるものではない。さらには塗装、メッキ、蒸着、ホットスタンプ、レーザーマーキング等の手法を用いて装飾を行っておいてもよい。
前記押圧部は加飾シートに絞り加工などにより凹部を設け、その凹部に樹脂、エラストマ等を充填してもよく、平板状の加飾シートの一方の面に樹脂、エラストマ等からなる押釦スイッチ状の成型体を接着してもよい。
加飾シートの凹部に充填されるあるいは加飾シート上に設けられる樹脂またはエラストマとしては、特に限定されるものではない。
電磁波吸収シートは押圧部を設けた加飾シートの下面に積層される。加飾シートに設けられた凹部に樹脂、エラストマ等を充填したものの場合は、凹部に充填された樹脂エラストマ等の底面と、加飾シートの凹部を有する側の面を共に覆う様に電磁波吸収シートが積層される。
加飾シート上に押釦スイッチ状の成型体が設けられたものの場合は加飾シートが設けられた面とは反対側の面に電磁波吸収シートが積層される。
又、本発明の電子機器としては、クリック部材を配列したクリックシートと、クリックシート上に設けられたキートップとを有し、クリックシートの一方の面に前記電磁波吸収シートが積層されてなる押釦スイッチ用キートップ部材を有する電子機器を挙げることができる。
このような押釦スイッチ用キートップ部材の具体例としては、クリック部材が上に凸のドーム状で、ドーム状クリック部材内面(クリックシート下面)の少なくとも上部に導電性の被膜からなる可動接点が設けられ、キートップを押圧したときにクリック部材が変形して、例えばその下に配置された印刷配線基板上の固定接点に接触可能となっているものを挙げることができる。
電磁波吸収シートはクリックシートのキートップ側の面に積層されていてもよく、キートップ側と反対側の面に積層されていてもよい。キートップ側と反対側の面に積層されている場合は、電磁波吸収シートは前記可動接点と電気的に絶縁状態にある様に設けられる。即ち、可動接点のある部分を除いたクリックシート表面に電磁波吸収シートが積層されていてもよく、クリックシート下面の全面に電磁波吸収シートが積層され、電磁波吸収シートの表面のうち、ドーム状クリック部材内面の少なくとも上部に絶縁被膜を介して可動接点を設けてもよい。電磁波吸収シートが可動接点と電気的に絶縁されていると、キースキャンの際に他のキーとの干渉を抑制することができる。電磁波吸収シートがドーム状クリック部材の一方の面全面にわたって設けられているとミリ波帯域での電磁波の漏れを防止することができる。
クリックシートは押圧による変形性、押圧力解除時の反発による復元性、成型性等の点から例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂が好ましい。可動接点を構成する材料としては、導電性材料であれば特に限定されないが、銀、銅、カーボン等からなるものが好ましく用いられる。
又、本発明の電子機器としては、少なくとも一方の面に前記に記載の電磁波吸収シートが積層されたプレフォーム用インサートシートを用いてなるものを挙げることができる。
プレフォーム用インサートシートはAV機器のフロントパネル、自動車の計器パネル、押釦などに用いられる成形品の表面に形成されるものであり、透光性基材と、透光性印刷層を有するものである。即ち、透光性基材の一方の面に透光性印刷層を有していてもよく、透光性印刷層を間に挟んで2枚の透光性基材層が積層されていてもよい。本発明のプレフォーム用インサートシートは押釦スイッチに用いられる成形品の表面に形成されるものとして特に有効である。
透光性基材の一方の面に透光性印刷層を有するインサートシートの場合は、電磁波吸収シートは透光性印刷層と異なる面に積層されているのが好ましく、透光性印刷層を間に挟んで2枚の透光性基材層が積層されている場合はどちらの面に積層されていてもよい。
電磁波吸収シートの透光性基材と反対側の面に導電層を設けるのが好ましい。導電層としては、金属箔、金属蒸着膜、印刷された導電ペースト等を例示できる。この導電層を設けることにより、電磁波を反射させ、外に逃さない、反射波を再吸収することができる、共振のQを小さくすることでアンテナ効果を抑制することができる、金属光沢層の機能をも有することができるなどの効果を有する。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
(評価)
表面観察:キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9500により、倍率4000倍で、表面を観察した。
表面抵抗:ダイアインスツルメンツ製MCP−T600により、測定電圧10Vで直流4端子法で測定した。測定点数5点の平均値で示した。
電磁波吸収機能層の厚み測定:日本電子製走査電子顕微鏡(SEM)JEM−2100Fを用い、電磁波吸収シートの断面電子顕微鏡写真(倍率50000倍)から測定した。
電磁波吸収特性:キーコム製近傍界用電波吸収材料測定装置を用い、Sパラメータ法によるS21(透過量)とS11(反射量)を測定した。ネットワークアナライザーは、アンリツ製ベクトルネットワークアナライザー37247Cを用い、テストフィクスチャーにはキーコム製のTF−3A、TF−18Aを用いた。
(実施例1)
支持体として12μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(常温での剪断弾性率3.8×10Pa)上に、有機高分子として20μm厚のシリコーンゴム{常温での剪断弾性率:1×10Pa、常温での炭酸ガス透過率:2.2×10−7cm(STP)cm(cm×sec×cmHg)−1、湿式シリカ含有}を設け、この上に、膜厚換算で30nmのFe−Ni系軟磁性金属を、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により、基板温度を常温に保ち、8eVの粒子エネルギーを持つようわずかに負の電圧を印加し、スパッタを行った。電磁波吸収シートの表面抵抗を注意深く直流4端子法で測定し、所望の大きさに整え、総厚32μmの電磁波吸収シートを得た。スパッタ前後の表面観察を行い、次いで得られた試料の一部をミクロトームで薄片にし、断面にイオンビームポリシャーを施し、電磁波吸収機能層の厚みを計測し、電磁波吸収特性の測定を行った。
結果のまとめを表1に、表面観察結果を図2(a)、(b)、図3(a)、(b)に、電磁波吸収機能層の断面観察を図4に、0.05〜3GHzの電磁波吸収特性を図5に示す。図5において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
(実施例2)
実施例1と同様の支持体に、有機高分子として60μm厚のシリコーンゲル{常温での剪断弾性率:5×10Pa、常温での炭酸ガス透過率:2×10−7[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]を設け、この上に、膜厚換算で80nmのFe−Ni系軟磁性金属を、バイアスマグネトロンスパッタ法により、基板温度を常温に保ち、20eVの粒子エネルギーを持つようバイアス電圧を調整しスパッタを行い、総厚72μmの電磁波吸収シートを得た。以下実施例1と同様に表面抵抗、電磁波吸収機能層の厚みと電磁波吸収特性を測定した。
結果のまとめを表1に、0.05〜18GHzの電磁波吸収特性を図6に示す。図6において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
(実施例3)
有機高分子基体として100μm厚のポリアクリロニトリルシート{常温での剪断弾性率:1.7×10Pa、160℃における剪断弾性率:1.5×10Pa、常温での炭酸ガス透過率:5.3×10−8[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]、常温での酸素ガス透過率2.8×10−15[cm(STP)cm/(cm×s×cmHg)]を設け、この上に、膜厚換算で60nmのNi金属を、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により、基板温度を160℃に保ち、100eVの粒子エネルギーを持つようバイアス電圧を調整しスパッタを行い、総厚100μmの電磁波吸収シートを得た。以下実施例2と同様に表面抵抗、電磁波吸収機能層の厚みと電磁波吸収特性を測定した。
結果のまとめを表1に、0.05〜18GHzの電磁波吸収特性を図7に示す。図7において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
(比較例1)
表面を酸化させ不導体膜を有した扁平状のFe−Ni系軟磁性金属粉(平均粒径:15μm、アスペクト比:65)94重量部に、ポリウレタン樹脂5重量部、硬化剤としてイソシアネート化合物1重量部、溶剤(シクロヘキサノンとトルエンの1:1混合物)30重量部を加えたペーストを乾燥後の厚みが1.1mmとなるよう、バーコート法で塗布して膜を形成し、十分乾燥させた後、真空加熱プレスし、85℃で24時間キュアリングして膜厚1mmの電磁波吸収体を得た。次いで、実施例2と同様に表面抵抗、電磁波吸収機能層の厚みと電磁波吸収特性を測定した。
結果のまとめを表1に、0.05〜3GHzの電磁波吸収特性を図8に示す。
図8において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
(比較例2)
平均粒径8μm、アスペクト比31の粒子を用い、ペーストを乾燥後に、厚みが0.03mmになるようにしたこと以外、比較例1と同様に処理した。実施例2と同様に表面抵抗、電磁波吸収機能層の厚みと電磁波吸収特性を測定した。
結果のまとめを表1に、0.05〜18GHzの電磁波吸収特性を図9に示す。図9において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
(比較例3)
EB蒸着装置で蒸着を行ったこと以外は実施例2と同様にした。粒子エネルギーは1eVであった。
結果のまとめを表1に、0.05〜3GHzの電磁波吸収特性を図10に示す。図10において、太線は入射電磁波量を基準(0)とした時の電磁波透過量を示し、細線は電磁波反射量を示す。
Figure 0004173424
表1において、
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム
SR:シリコーンゴム
PAN:ポリアクリロニトリル
PU:ポリウレタン樹脂
を示す。
表1および図5〜9から、実施例1〜3、比較例1、2の電磁波吸収特性、すなわち透過減衰量と反射減衰量の傾向はほぼ同様で、低周波領域では、反射減衰量が大きく、透過減衰量が小さい。周波数が上がるにしたがって、透過減衰量は増加してくる。
実施例1〜3で、強磁性体量と最大透過減衰量とは相関が見られ、強磁性体量が多いほど、大きな減衰量を示している。
電磁波吸収機能層は薄く、比較例3と同程度の透過減衰特性と反射減衰特性を有している。比較例1では、電磁波吸収機能層(総厚と同じ)が、1000μmと厚く、実施例と同程度の透過減衰量、反射減衰量を示しているが、有機高分子の割合が少ないため、衝撃がかかった場合に壊れやすい。透過減衰量も低周波領域では、あまり大きな値ではなく、実施例と比較すると帯域は狭い。
比較例2では、厚みは薄いが、それと共に吸収特性も悪くなるため、電磁波吸収機能層厚みあたりの最大透過減衰量は、比較例1と同様に小さく、10dBもなく、実効的に吸収能力があるとはいい難い。比較例3は、蒸着時の超微粒子のエネルギーが小さいため、有機高分子の表面に均一な金属となっており、図10のとおり金属と似た挙動を示し、金属特有のピークがあり、反射によって透過減衰をもたらしている。その吸収効果は小さいもので電磁波シールドとして機能している。
実施例1〜3の電磁波吸収シートは電磁波最大透過減衰量/電磁波吸収機能層が大きく、厚みに対しての吸収特性は優れており、かつ、有機高分子の特性を残していて、薄く、軽く、伸度および可撓性を有する。
有機高分子基体上に強磁性体が物理的に蒸着された状態の模式図を示す図である。 (a)強磁性体が物理的に蒸着された有機高分子の表面状態のレーザー顕微鏡画像である。(鳥瞰図、一辺が73.5μm)(b)強磁性体が物理的に蒸着された有機高分子の断面形状を計測したレーザー顕微鏡画像である。 (a)強磁性体が物理的に蒸着される前の有機高分子の表面状態のレーザー顕微鏡画像である。(鳥瞰図、一辺が73.5μm)(b)強磁性体が物理的に蒸着される前の有機高分子の断面形状を計測したレーザー顕微鏡画像である。 強磁性体が物理的に蒸着された有機高分子の断面状態のSEM像である。 入射電磁波量を基準(0)とした、実施例1の周波数範囲0.05〜3GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。 入射電磁波量を基準(0)とした、実施例2の周波数範囲0.05〜18GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。 入射電磁波量を基準(0)とした、実施例3の周波数範囲0.05〜18GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。 入射電磁波量を基準(0)とした、比較例1の周波数範囲0.05〜3GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。 入射電磁波量を基準(0)とした、比較例2の周波数範囲0.05〜18GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。 入射電磁波量を基準(0)とした、比較例3の周波数範囲0.05〜3GHzにおける電磁波吸収シートの透過電磁波量と反射電磁波量を示す。
符号の説明
1:有機高分子、 2:電磁波吸収機能層、 3:強磁性体

Claims (16)

  1. 有機高分子と強磁性体からなる電磁波吸収機能層を有し、該電磁波吸収機能層が、真空下または不活性ガス雰囲気下での前記有機高分子の分解温度または蒸発温度よりも低い温度において1×10 〜1×10 Paの剪断弾性率を有する有機高分子からなる基体上に、強磁性体を物理的に蒸着して形成された層であり、電磁波吸収機能層の厚みあたりの電磁波最大透過減衰量が0.5〜500dB/μmであることを特徴とする電磁波吸収シート。
  2. 電磁波最大透過減衰量が10〜50dBであることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収シート
  3. 前記電磁波吸収機能層の総厚みが0.03〜100μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電磁波吸収シート。
  4. 電磁波最大透過減衰量を示す電磁波帯域での最大反射減衰量が、6dB以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電磁波吸収シート。
  5. 前記有機高分子の剪断弾性率と同じあるいはそれより大きい剪断弾性率を有する支持層に担持されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の電磁波吸収シート。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートの少なくとも一方の面に、熱伝導性充填剤を含有する熱伝導シートを積層してなることを特徴とする熱伝導シート付き電磁波吸収シート。
  7. 機高分子からなる基体上に、強磁性体粒子を粒子エネルギー5eV以上で物理的に蒸着して電磁波吸収機能層を形成する電磁波吸収シートの製造方法であって、
    前記有機高分子が、真空下または不活性ガス雰囲気下での前記有機高分子の分解温度または蒸発温度よりも低い温度において1×10 〜1×10 Paの剪断弾性率を有することを特徴とする電磁波吸収シートの製造方法。
  8. 前記有機高分子が該有機高分子の剪断弾性率と同じあるいはそれより大きい剪断弾性率を有する支持層に担持されていることを特徴とする請求項の電磁波吸収シートの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが電子部品あるいは電子部品群の少なくとも一部を覆ってなる電子機器。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが、印刷回路板を有する電子機器の少なくとも一つの印刷回路板の少なくとも一方の面の一部又は全面に設けられてなることを特徴とする電子機器。
  11. 印刷回路板がフレキシブル印刷回路板であることを特徴とする請求項10記載の電子機器。
  12. 少なくとも印刷回路板と印刷回路に信号を伝達する電気コネクタとを有し、該請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが、該電気コネクタの少なくとも一部に積層されていることを特徴とする電子機器。
  13. 電気コネクタがフレキシブルコネクタである請求項12記載の電子機器。
  14. 下面に請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが積層された押釦スイッチ用キートップ部材を用いてなることを特徴とする電磁波ノイズ制御電子機器。
  15. クリック部材を配列したクリックシートと、クリックシート上に設けられたキートップとを有し、クリックシートの一方の面に請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが積層されてなる押釦スイッチ用キートップ部材を有することを特徴とする電磁波ノイズ制御電子機器。
  16. 少なくとも一方の面に請求項1〜のいずれか1項に記載の電磁波吸収シートが積層されたプレフォーム用インサートシートを用いてなる電磁波ノイズ制御電子機器。
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