JP4171291B2 - 部品供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品取出口を開閉するシャッターを備えた部品供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平1−183200号公報には、エア吸引力によってチップ部品の搬送を行う装置が開示されている。この装置は、管状給送路と、給送路の端部に設けられた部品取出用の開口部と、先頭のチップ部品を開口部に位置決めするためのストッパーピンと、ストッパーピンに当接した先頭のチップ部品よりも前方に離れた位置に設けられたエア吸引孔と、開口部を開閉するシャッターとを有している。
【0003】
この装置は、開口部をシャッターによって閉じた状態で給送路の前側からエアを吸引することによって給送路内のチップ部品を前方に搬送し、先頭のチップ部品をストッパーピンに当接させることができる。ストッパーピンに当接した先頭のチップ部品は、前記のエア吸引を停止し、且つ、シャッターを前進させて開口部を開いた後に、吸着ノズルによって開口部から外部に取り出される。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−183200号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の装置は、シャッターを前進させて開口部を開くことにより先頭のチップ部品を開口部を通じて外部に取り出せるようにしているが、シャッターを前進させるときに生じる振動や吸着ノズルによって先頭のチップ部品を取り出すときの取出ミス等を原因として、先頭のチップ部品が同位置において立ち上がってしまうことがある。この立ち上がった状態のチップ部品は自動的に元の姿勢に戻ることはできないので、結果的には復帰するシャッターによって挟み込まれ、このときの衝撃でチップ部品に外傷やクラックが生じる共にシャッターの部品当接部分に外傷や変形を生じてしまう。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、シャッターが取出口開放位置から取出口閉塞位置に復帰するときに先頭の電子部品が立ち上がっていても、復帰するシャッターによって電子部品に外傷やクラックが生じることを防止でき、且つ、シャッターの部品当接部分に外傷や変形を生じることのない部品供給装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、電子部品が長さ向きに一列に並んだ状態で移動可能な部品通路と、先頭の電子部品との当接によって部品通路における部品移動を停止させる部品ストッパと、部品移動停止後の先頭の電子部品を外部に露出させる部品取出口とを具備した部品供給装置であって、部品取出口閉塞位置と部品取出口開放位置との間を変位可能な第1シャッターを備え、該第1シャッターは、第1シャッターが部品取出口閉塞位置にあるときに部品取出口を開放可能な開口と、開口を開閉する第2シャッターと、第2シャッターを部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に向かう方向に付勢する手段とを有する、ことをその主たる特徴とする。
【0008】
この部品供給装置によれば、第1シャッターが部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰するときに先頭の電子部品が立ち上がっていても、この電子部品には第2シャッターが当接し、当接後の第2シャッターは付勢力に抗して第1シャッターの復帰方向とは逆方向に退くことになる。つまり、立ち上がった状態にある電子部品には第2シャッターを付勢する力しか加わらないので、この付勢力を小さなものに設定しておけば、立ち上がった状態にある電子部品が第2シャッターによって挟み込まれてもこの電子部品に外傷やクラックが生じることはなく、しかも、第2シャッターの部品当接部分に外傷や変形を生じることもない。
【0009】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図24は本発明に係る部品供給装置の一実施形態を示す。図中の符号1はユニットベース、2は部品ストッパ、3はスプリング、4はシャフト、5は逃げ部材、6はスプリング、7は基準プレート、8は第1ガイドプレート、9は第2ガイドプレート、10は部品通路を構成する湾曲溝、11は第1シャッター、12は第2シャッター、13はスプリング、14はガイドリング、15はシャッターカバー、16はチューブ支持部材、17はチューブホルダー、18は透明カバー、19は搬送チューブ、20は第1継手、21は第2継手、22〜24は止めネジ、ECは電子部品、SNは吸着ノズルである。
【0011】
以下に、図4〜図17を引用して、図1に示した部品供給装置の構成をその組立手順と併せて説明する。尚、以下の説明では図1における左を前、右を後、下側を左、上側を右として表記する。
【0012】
部品供給装置の組み立てに際しては、まず、ユニットベース1を用意する(図4参照)。
【0013】
このユニットベース1は略直方体形状を成していて、上面の前部右側には部品ストッパ2を収容可能な形状を備える凹部1aが形成され、凹部1aのU字形部分の中心にはシャフト4の下端が着脱自在に差し込むための差込穴1a1が形成されている。また、凹部1aのU字形部分の前側には、逃げ部材5を上下移動可能に収容するための矩形状凹部1bが凹部1aよりも大きな深さで且つその上部が凹部1aと連続するように形成され、その底面にはスプリング6の下端を着脱自在に差し込むための差込穴1b1が形成されている。さらに、ユニットベース1の上面の略中央部左側にはチューブ支持部材16を着脱自在に差し込むための矩形状凹部1cが形成され、その底面にはチューブ支持部材16の差込部16bを着脱自在に差し込むための差込孔1c1が形成されている。さらに、ユニットベース1の後部右側面にはコ字形の窪み1dが形成され、上面の後部左側には搬送チューブ19の配設スペースを構成する矩形状凹部1eが形成されている。さらに、凹部1eの後側には搬送チューブ19の左右移動を抑制するための一対の平行突起1fが形成されている。
【0014】
さらに、前記凹部1aの底面の所定位置には部品搬送用の吸引エアの通り道となる第1エア孔1gが貫通形成され、その下端には第1継手20が取り付けられている(図2参照)。さらに、ユニットベース1の上面の前部左側には部品保持用の吸引エアの通り道となる第2エア孔1hが貫通形成され、その下端には第2継手21が取り付けられている(図2参照)。さらに、ユニットベース1の上面の後部左側にはネジ穴1iが前後に間隔をおいて2個形成され、上面の前部左側にはネジ穴1jが前後に間隔をおいて2個形成され、上面の略中央部左側にはネジ穴1kが凹部1cを挟むように前後に間隔をおいて形成されている。
【0015】
次に、ユニットベース1の凹部1a内に部品ストッパ2を配置する(図5参照)。
【0016】
この部品ストッパ2は合成樹脂から成り、図6(A)〜図6(C)に示すように、凹部1aの深さ寸法とほぼ一致した高さ寸法を有する略直方体形状を成していて、差込穴1a1と同一径の差込孔2a1を有するU字形部分2aを後部左側面下部に一体に備える。また、部品ストッパ2の上面の後部右側には、第1シャッター11の角部11aにより押圧操作を受ける矩形状突起2bが形成されている。さらに、部品ストッパ2の左側面前側の上部には、左側から見た形状が横長長方形を成すストッパ部2cが形成され、その前後両側には部品搬送用の吸引エアの通り道となる断面半円形の溝2dが上下方向に平行に形成されている。さらに、ストッパ部2cの上側には部品搬送用の吸引エアの通り道となる段差2c1が形成され、また、ストッパ部2cの下側には部品搬送用の吸引エアの通り道となる窪み2eが形成されている。さらに、部品ストッパ2の左側面前部には、部品ストッパ2の開放時の動力源となるスプリング3を挿入するための穴2fが形成されている。
【0017】
この部品ストッパ2をユニットベース1に配置するときには、穴2fにスプリング3を差し込み、そして、凹部1aのU字形部分にU字形部分2aが収まるように部品ストッパ2を凹部1a内に挿入する。そして、部品ストッパ2の差込孔2a1と凹部1aの差込穴1a1を位置合わせしてその上側からシャフト4を差し込む。勿論、シャフト4を凹部1aの差込穴1a1に差し込んでからこのシャフト4に差込孔2a1を差し込むようにして部品ストッパ2を配置しても構わない。部品ストッパ2を凹部1a内に配置した状態では、部品ストッパ2の底面が凹部1aの底面に接し、第1エア孔1gの上側に窪み2eが位置する。
【0018】
尚、部品ストッパ2を凹部1a内に配置した状態では、スプリング3の付勢力によって部品ストッパ2がシャフト4を中心として時計回り方向に僅かに回動した状態(図20(B)参照)となるが、図5には、説明の便宜上、部品ストッパ2の左側面が凹部1aの左側壁に当接した状態、即ち、部品ストッパ2が部品停止位置にある状態を示してある。
【0019】
次に、ユニットベース1の凹部1b内に逃げ部材5を配置すると共に、ユニットベース1の上面に基準プレート7を配置する(図7参照)。
【0020】
逃げ部材5は合成樹脂から成り、図8(A)〜図8(C)に示すように、凹部1bの深さ寸法よりも小さく且つ凹部1aの深さ寸法よりも大きな高さ寸法を有する直方体形状を成している。また、逃げ部材5の上面には部品通路を構成する横断面矩形状の湾曲溝5aが左右方向に形成され、湾曲溝5aの上端の前後両側にはエア通路を構成する浅溝5bが形成されている。さらに、逃げ部材5の底面には、逃げ部材5に上側から過負荷がかかったときの下方移動を許容し且つ負荷が解かれたときの復帰の動力源となるスプリング6を挿入するための穴5cが形成されている。
【0021】
一方、基準プレート7は所定厚のプレートから成り、図9に示すように、ユニットベース1の凹部1aに対応した切欠き部7aと、差込穴1a1に対応した穴7bと、凹部1cに対応した切欠き部7cと、窪み1dに対応した切欠部7eを有している。切欠部7aには凹部1bに対応した矩形状切欠部7a1が連続して形成され、また、切欠部7cの前後両側には搬送チューブ19の前端部下面を受容する支持溝7dが形成され、前側の支持溝7dの前側には前上がりの傾斜面7d1が形成されている。また、基準プレート7の後部左側には凹部1eに対応した切欠部7fが形成されており、前部左側には第2エア孔1hに対応した孔7gが形成されている。さらに、基準プレート7には、ユニットベース1のネジ穴1iに対応するネジ挿通孔7hと、ネジ穴1jに対応するネジ挿通孔7iと、ネジ穴1kに対応するネジ挿通孔7jが形成されている。
【0022】
前記の逃げ部材5とユニットベース1に配置するときには、穴5cにスプリング6を差し込み、このスプリング6の下端が差込穴1b1に差し込まれるように逃げ部材5を凹部1b内に挿入する。逃げ部材5の横断面形は凹部1bの横断面形よりも若干小さいため、逃げ部材5は凹部1b内で上下移動可能である。
【0023】
一方、前記の基準プレート7をユニットベース1上に配置するときには、穴7bをシャフト4の上端突出部分に差し込み、各ネジ挿通孔7h,7i,7jが各ネジ穴1i,1j,1kと一致するように接着剤を介して基準プレート7をユニットベース1の上面に固着する。
【0024】
次に、基準プレート7の上面に第1ガイドプレート8と第2ガイドプレート9を配置する(図10参照)。
【0025】
第1ガイドプレート8は所定厚のプレートから成り、図11に示すように、基準プレート7の切欠部7a及び7a1に対応した切欠部8a及び8bを有している。また、第1ガイドプレート8の後部には、湾曲溝10の前側壁面を構成する湾曲面8cが形成され、その前側上面にはエア通路を構成する略三角形状の浅溝8c1が形成されている。さらに、浅溝8c1の角部分には基準プレート7の孔7gに対応した孔8dが形成されている。さらに、第1ガイドプレート8には、基準プレート7のネジ挿通孔7iに対応するネジ挿通孔8eが形成されている。
【0026】
一方、第2ガイドプレート9は第1ガイドプレート9と同一厚のプレートから成り、図12に示すように、前側の張出部分9aに基準プレート7の穴7bに対応した孔9a1が形成されている。また、第2ガイドプレート9の張出部分9aの下部には、湾曲溝10の後側壁面を構成する湾曲面9bが形成され、その後側上面にはエア通路を構成する帯状の浅溝9b1が形成されている。さらに、第2ガイドプレート9には、基準プレート7のネジ挿通孔7hに対応するネジ挿通孔9cが形成されている。
【0027】
前記の第1ガイドプレート8を基準プレート7上に配置するときには、ネジ挿通孔8eがネジ挿通孔7iと一致するように接着剤を介して第1ガイドプレート8を基準プレート7の上面に固着する。
【0028】
一方、第2のガイドプレート9を基準プレート7上に配置するときには、ネジ挿通孔9cがネジ挿通孔7hと一致するように接着剤を介して第2ガイドプレート9を基準プレート7の上面に固着する。基準プレート7をユニットベース1の上面に固着した状態ではシャフト4の上端は基準プレート7の上面と面一もしくは基準プレート7の上面よりも低い位置にあるので、第2ガイドプレート9の穴9a1にはシャフト4は挿入されない。
【0029】
尚、コストダウンのためにユニットベース1を合成樹脂から形成する場合には成形時にその上面に所定高さの複数の位置決め突起を一体形成することができるので、この位置決め突起が挿入可能の複数の位置決め孔を基準プレート7,第1ガイドプレート8及び第2ガイドプレート9を形成しておけば、基準プレート7をユニットベース1の上面に載置する際、並びに、第1ガイドプレート8及び第2ガイドプレート9を基準プレート7の上面に載置する際の位置合わせを前記位置決め突起を利用して簡単に行うことができる。
【0030】
図10から分かるように、基準プレート7の上面に第1ガイドプレート8と第2ガイドプレート9を固着した状態では、第1ガイドプレート8の湾曲面8cと第2ガイドプレート9の湾曲面9bとの間に、前記逃げ部材5の上面に形成された湾曲溝5aと同じ幅及び高さを有する部品通路構成用の湾曲溝10が形成される。
【0031】
次に、第1ガイドプレート8及び第2ガイドプレート9の上面に第1シャッター11を配置する(図13参照)。
【0032】
第1シャッター11は所定厚のプレートから成り、図14(A)及び図14(B)に示すように、角部11aを介して前側部分に狭幅部11bを有し、狭幅部11bの左右方向中央に一定幅のスリット11cを有する。また、第1シャッター11のスリット11cの後側には、第2シャッター12を前後移動可能に配置するための矩形状開口11dが形成され、その後端面にはスプリング13の後端を保持する保持スリット11d1が形成されている。さらに、第1シャッター11の後部右側面には下方に伸びる操作片11eが形成され、操作片11eには駆動レバー(図示省略)を連結するための穴11e1が形成されている。さらに、第1シャッター11には同シャッター11の前後移動を案内する長孔11fが前後に間隔をおいて2個形成されている。
【0033】
第2シャッター12は、図14(A)及び図14(B)に示すように、第1シャッター11と同一厚さのプレートから成り、開口11dよりも左右幅寸法が若干小さく且つ前後寸法が短い矩形状を成している。また、第2シャッター12の後部にはスプリング13の前端を保持する保持スリット12aが形成され、その前部上面には後述する吸着ノズルSNとの干渉を避けるために肉厚の薄い部分12bが形成されている。この第2シャッター12は、スプリング13の前端を保持スリット12aに圧入した後、このスプリング13の後端を保持スリット11d1に圧入し、スプリング13を縮めながら全体を開口11dに差し込むことによって第1シャッター11の開口11dに前後移動可能に取り付けられており、スプリング13の付勢力に抗した後退とスプリング13の付勢力による復帰を可能としている。
【0034】
この第2シャッター付きの第1シャッター11を第1ガイドプレート8及び第2ガイドプレート9の上面に配置するときには、ユニットベース1の窪み1d(7e,9d)に操作片11eが位置し、且つ、その前端が第1ガイドプレート8の前端と一致するように第1シャッター11を第1ガイドプレート8及び第2ガイドプレート9の上に置き、各長孔11fにガイドリング14を挿入する。
【0035】
次に、第1シャッター11の上面にシャッターカバー15を配置する(図11参照)。
【0036】
シャッターカバー12は所定厚のプレートから成り、図15に示すように、角部15aを介して前側部分に狭幅部15bを有し、狭幅部15bの前端に矩形状の部品取出口15cを有する。また、さらに、シャッターカバー15には、第2ガイドプレート9のネジ挿入孔9cに対応するネジ挿入孔15dが形成されている。
【0037】
このシャッターカバー15を第1シャッター11上に配置するときには、ネジ挿通孔15dがネジ挿通孔9cと一致するようにシャッターカバー15を第1シャッター11の上面に置き、各ネジ挿通孔15dに止めネジ22を差し込んでこれをベースユニット1のネジ穴1iにねじ込む。この止めネジ22のねじ込みにより逃げ部材5の上面がスプリング6の付勢力に抗して下方に押し込まれ、上面に形成されている湾曲溝5aの底面が湾曲通路10の底面(基準プレート7の上面)と段差なく連続する。また、取り付け後のシャッターカバー15の部品取出口15cは、逃げ部材5の上面に形成されている湾曲溝5aの右側部分を露出可能な場所、即ち、先頭の電子部品ECを取出可能な場所に位置する(図19参照)。さらに、シャッターカバー15と第2ガイドプレート9とのクリアランスはガイドリング14の厚みによって規定されているので、止めネジ22を強くねじ込んでも第1シャッター11はシャッターカバー15と第2ガイドプレート9との間に前後移動可能な状態で配置される。また、第2シャッター12の上下方向の変動もシャッターカバー15の下面と第2ガイドプレート9の上面によって抑制されるので、第2シャッター12は第1シャッター11の開口11dから外れることなく第1シャッター11と前後方向に移動し得る。
【0038】
次に、ユニットベース1の凹部1c内にチューブ支持部材16を配置し、搬送チューブ19を介してチューブホルダー17を取り付けると共に、透明カバー18を第1ガイドプレート8の上面に取り付ける(図1参照)。
【0039】
チューブ支持部材16は、図16(A)に示すように、ユニットベース1の凹部1cに差し込み可能な形状を有しており、搬送チューブ19を差し込むための矩形溝16aを上面中央に有し、ユニットベース1の差込孔1c1に差し込み可能な差込部16bを下端に有する。
【0040】
一方、チューブホルダー17は、図16(B)に示すように、基準プレート7のネジ挿入孔7jに一致したネジ挿入孔17aを有しており、チューブ支持部材16の上部が差し込まれる凹部(図示省略)を下面に有している。
【0041】
他方、透明カバー18は透明な合成樹脂やガラスから成り、図16(C)に示すように、シャッターカバー15の前端左側を受け入れる切欠部18aを有している。また、透明カバー18の下面の右側には第1シャッター11の前後移動を許容するための窪み18bが形成され、また、第2ガイドプレート8のネジ挿入孔8eに対応したネジ挿入孔18cが形成されている。
【0042】
因みに、搬送チューブ19は合成樹脂から成り、図17に示すように、縦断面が正方形の外形を有し、その内側に縦断面が正方形の搬送通路19aを有している。前述の部品供給装置は図17に示すような長さ>幅=高さの寸法関係を有する直方体形状の電子部品EC、例えば長さが1.0mmで幅及び高さが0.5mmの電子部品や長さが0.6mmで幅及び高さが0.3mmの電子部品を対象するとするものであり、搬送チューブ19の搬送通路19aの縦寸法及び横寸法は対象となる電部品ECを長さ向きで一列に並んだ状態で支障なく搬送できるように電子部品の幅及び高さよりも若干大きく設定されている。
【0043】
因みに、前記の電子部品ECには、チップコンデンサやチップ抵抗器やチップインダクタ等のチップ部品の他、LCフィルター等の複合部品や、コンデンサアレイやインダクタアレイ等のアレイ部品や、他種の電子部品が含まれる。
【0044】
前記透明カバー18を第1ガイドプレート8の上面に取り付けるときには、ネジ挿通孔18cがネジ挿通孔8eと一致するように透明カバー18を第1ガイドプレート8の上面に置き、各ネジ挿入孔18cに止めネジ23を差し込んでこれをベースユニット1のネジ穴1jにねじ込む。透明カバー18の下面の右側には窪み18bが形成されているので、透明カバー18を取り付けても第1シャッター11の前後移動は阻害されない。また、透明カバー18を第1ガイドプレート8の上面に取り付けた状態では、前記の湾曲溝5aと湾曲溝10が透明カバー18によって覆われて部品通路が構成されると共に、前記の浅溝5bと浅溝8c1及び9b1が透明カバー18によって覆われてエア通路が構成される。
【0045】
以下、湾曲溝5aと透明カバー18によって構成された部分を部品通路5aと称し、湾曲溝10と透明カバー18によって構成された部分を部品通路10と称する。また、浅溝5bと透明カバー18によって構成された部分をエア通路5bと称し、浅溝8c1と透明カバー18によって構成された部分をエア通路8c1と称し、浅溝9b1と透明カバー18によって構成された部分をエア通路9b1と称する。
【0046】
前記搬送チューブ19を取り付けるときには、基準プレート7の切欠き部7cを介してユニットベース1の凹部1cにチューブ支持部材16を差し込み、その下端の差込部16bを差込穴1c1に差し込む。そして、基準プレート7の支持溝7dとチューブ支持部材16の矩形溝16aに搬送チューブ19の前端を上から差し込むと共に、チューブホルダー17の各ネジ挿通孔15dに止めネジ24を差し込んでこれをベースユニット1のネジ穴1iにねじ込む。チューブ支持部材16の矩形溝16aの形状がチューブ外形に一致しているため、止めネジ24を強くねじ込んでも搬送チューブ19及び搬送通路19aに部品搬送を妨げるような変形を生じることはない。
【0047】
以下に、図1〜図3,図18〜図24を引用して、前述の部品供給装置の動作について説明する。
【0048】
因みに、搬送チューブ19の後端は図示省略の部品供給機の供給口に接続されている。この部品供給機は、多数の電子部品ECをバルク状態で収納する貯蔵室と、貯蔵室内の電子部品ECを長さ向きに整列する可動部を有し整列後の電子部品ECを自重を利用して供給口に送り込む供給機構とを備えている。つまり、搬送チューブ19の後端には、部品供給機の動作によって電子部品ECが長さ向きに送り込まれる。
【0049】
また、第1継手20と第2継手21はそれぞれチューブを介してエアシリンダ等の負圧発生源の吸気ポートに接続されている。負圧発生源としてエアシリンダを用いる場合には、ロッドの引き出しによって1つの吸気ポートに負圧が発生し、且つ、ロッドの押し込みによって他の1つの吸気ポートに負圧が発生するタイプのものを用い、1つの吸気ポートにチューブを介して第1継手20を接続し、且つ、他の1つの吸気ポートにチューブを介して第2継手21を接続してそれぞれに作用する負圧のタイミングがずれるようにするとよい。勿論、真空ポンプとエア制御機器との組み合わせから成るものを負圧発生源として用い、第1継手20と第2継手21に作用する負圧のタイミングがずれるように制御しても構わない。
【0050】
第1シャッター11が部品搬送位置に在る図1の状態では、第1シャッター11の角部11aにより部品ストッパ2の突起2bが前方に押されているため、図2に示すように部品ストッパ2の左側面は逃げ部材5の右側面に当接している。この状態で、第1継手20に負圧を作用させると、図18及び図19に矢印で示すように、搬送チューブ19の搬送通路19aと部品通路10とエア通路8c1及び浅溝9b1と部品通路5aとエア通路5bに部品ストッパ2に向かうエアの流れが生じると共に、部品ストッパ2のストッパ部2cの周囲の溝2d,段差2c1及び下側隙間から窪み2eを通じて第1エア孔1gに向かうエアの流れが生じる。
【0051】
このエアの流れによって、搬送チューブ19の搬送通路19a内の電子部品ECが前方に引き込まれ、さらに部品通路10及び部品通路5aを通じて部品ストッパ2のストッパ部2cに達する。先頭の電子部品ECがストッパ部2cに当接した後はこれ以上電子部品ECは移動することができないため、エアの流れが継続していても電子部品ECの移動は停止する。
【0052】
第1継手20への負圧作用を停止した後は、図19に示すように第1シャッター11を部品搬送位置から部品取出位置に後退させると共に、第2継手21に負圧を作用させる。因みに、第1シャッター11の後退動作は操作片11eに連結された駆動レバー(図示省略)によって行う。
【0053】
この第1シャッター11の後退によって、図19〜図21に矢印で示すように、第1シャッター11の角部11aによる部品ストッパ2の突起2bへの押圧が解除され、部品ストッパ2はスプリング3の付勢力によってその後端部が凹部1aの内壁に当接するまでシャフト4を中心として時計回り方向に数度、例えば2度程度回転し、部品ストッパ2の左側面が逃げ部材5の右側面から僅かに離れる。
【0054】
また、第1シャッター11の後退によって、スリット11cが逃げ部材5の上側に移動するため、このスリット11cを通じて逃げ部材5の上面一部と部品ストッパ2の少なくともストッパ部2cがシャッターカバー15の部品取出口15cを通じて露出する。
【0055】
さらに、第2継手21に負圧を作用させることによって、部品取出口15c及びスリット11cを通じて外部エアが取り込まれ、この外部エアが部品通路5aとエア通路5bと部品通路10とエア通路8c1とエア通路9b1を通じて第2エア孔1hに向かうエアの流れが生じる。このエアの流れによって部品通路5a内と部品通路10内に存する電子部品ECにその停止状態を維持する保持力が働く。
【0056】
つまり、部品ストッパ2の左側面が逃げ部材5の右側面から僅かに離れても、部品通路5a内と部品通路10内に存する電子部品ECが部品ストッパ方向に移動することを防止することができるので、先頭の電子部品ECが部品ストッパ2のストッパ部2cに押し付けられてその取り出しに支障を生じるようなことはない。
【0057】
第2継手21への負圧作用は、第1シャッター11を部品搬送位置から部品取出位置に後退した後も僅かに継続させ、この継続時間を利用して図21に示すように昇降可能な吸着ノズルSNを使用しスリット11c及び部品取出口15cを通じて先頭の電子部品ECの外部への取り出しを行う。
【0058】
吸着ノズルSNの降下位置は吸着ノズルSNの下端吸着面と先頭の電子部品ECの上面とが軽く触れる位置に設定されるが、吸着ノズルSNの降下位置を設定する際の誤差やユニット構成部品の寸法公差や電子部品ECの公差等の影響によって降下した吸着ノズルSNの下端吸着面が先頭の電子部品ECの上面に強く押し付けられてしまうことがある。しかし、この場合には、図22に示すように先頭の電子部品ECを支える逃げ部材5がその下側に配置したスプリング6の付勢力に抗し下方に退避して前記の過剰押圧力を吸収するので、吸着ノズルSNの下端吸着面の押圧によって先頭の電子部品ECに外傷やクラック等を生じることを防止できる。
【0059】
先頭の電子部品ECの取り出しが完了した後は、第2継手21への負圧作用を停止し、第1シャッター11を部品取出位置から部品搬送位置に前進させて図1の状態に復帰させる。以後の前記の動作を繰り返して、吸着ノズルSNによる先頭の電子部品ECの取り出しを所定サイクル、例えば0.1秒以下のサイクルで行う。
【0060】
前記の部品供給装置は、第1シャッター11を後退させることでスリット11c及び部品取出口15cを通じて先頭の電子部品ECをその取り出しが可能なように露出させ、この先頭の電子部品ECをスリット11c及び部品取出口15cを通じて吸着ノズルSNで取り出せるようにしたものであるが、第1シャッター11を後退させるときに生じる振動や吸着ノズルSNによって先頭の電子部品ECを取り出すときの取出ミス等を原因として、図23及び図24に示すように先頭の電子部品ECが立ち上がってしまうことがある。
【0061】
しかし、前述の部品供給装置では、第2シャッター12が第1シャッター11の開口11dに前後移動可能に取り付けられ、しかも、この第2シャッター12はスプリング13によって前方に付勢された状態にあるため、第1シャッター11が復帰するときに図23及び図24に示すように先頭の電子部品ECが立ち上がっていても、この電子部品ECにはスプリング付勢された第2シャッター12が当接し、当接後の第2シャッター12はスプリング13の付勢力に抗して第1シャッター1の復帰方向とは逆方向に退くことになる。つまり、立ち上がった状態にある電子部品ECには第2シャッター12を付勢するスプリング13の付勢力しか加わらないので、この付勢力を小さなものに設定しておけば、立ち上がった状態にある電子部品ECが第2シャッター12によって挟み込まれてもこの電子部品ECに外傷やクラックが生じることはなく、しかも、第2シャッター12の部品当接部分に外傷や変形を生じることもない。
【0062】
立ち上がった状態にある先頭の電子部品ECに第2シャッター12の前端が当接するときの衝撃をより小さなものとするには、第2シャッター12の前端面に軟質樹脂やゴム等の緩衝材をコーティングや嵌め込み等によって設けるようにするとよい。
【0063】
このように前述の部品供給装置によれば、第1シャッター11が復帰するときに先頭の電子部品ECが立ち上がっていても、この電子部品ECにはスプリング付勢された第2シャッター12が当接し、当接後の第2シャッター12はスプリング13の付勢力に抗して第1シャッター1の復帰方向とは逆方向に退くことになり、立ち上がった状態にある電子部品ECには第2シャッター12を付勢するスプリング13の付勢力しか加わらないので、この付勢力を小さなものに設定しておけば、立ち上がった状態にある電子部品ECが第2シャッター12によって挟み込まれてもこの電子部品ECに外傷やクラックが生じることはなく、しかも、第2シャッター12の部品当接部分に外傷や変形を生じることもない。
【0064】
また、前述の部品供給装置によれば、取出前状態にある先頭の電子部品ECが接触する部分、即ち、部品ストッパ2及び逃げ部材5を合成樹脂から形成しているので、電子部品ECとして金属製の外部電極を有するものを用いた場合でも、部品供給過程及び部品取出過程等において外部電極に摩耗を生じ難く、摩耗粉が部品ストッパ2及び逃げ部材5に付着することも防止できる。依って、部品供給過程及び部品取出過程等において摩耗粉の発生及び付着を原因として電子部品ECに汚れが発生したり、電子部品ECの移動抵抗が増加して姿勢不良や取出不良を生じることを未然に防止できる。
【0065】
さらに、前述の部品供給装置によれば、先頭の電子部品ECを支える逃げ部材5をスプリング6によって上方付勢した構成を採用しているので、先頭の電子部品ECを取り出す際に吸着ノズルSNの下端吸着面が先頭の電子部品ECの上面に強く押し付けられてしまったときでも、逃げ部材5がスプリング6の付勢力に抗し下方に退避して前記の過剰押圧力を吸収するので、吸着ノズルSNの下端吸着面の押圧によって先頭の電子部品ECに外傷やクラック等を生じることを防止できる。
【0066】
さらにまた、前述の部品供給装置によれば、部品ストッパ2、シャフト4、逃げ部材5、基準プレート7、第1ガイドプレート8、第2ガイドプレート9、第1シャッター11、第2シャッター12、シャッターカバー15等をユニットベース1の上から順に組み付けてネジ止めするだけで部品供給装置を組み立てることができるので組み立て作業が極めて簡単であり、ユニット組み立てに要する作業コストを削減して安価な部品供給装置を提供できる。
【0067】
尚、前述の実施形態では、逃げ部材5への上側からの過負荷を吸収するためのスプリング6をその下端をユニットベース1の凹部1bの底面に形成した差込穴1b1に挿入し、且つ、その上部を逃げ部材5の底面に形成した穴5cに挿入して配置したものを示した(図2参照)が、図25に示すように、ユニットベース1の凹部1bの底面に形成した差込穴1b1にガイドピン25の下端を圧入してその上部に逃げ部材5の底面に形成した穴5cを逃げ部材5が上下移動可能なように挿入し、スプリング6をこのガイドピン25に挿入してユニットベース1の凹部1bの底面と逃げ部材5との間にスプリング6を配置するようにしてもよい。このようにすれば、逃げ部材5の上下移動をガイドピン25によって案内できるので、逃げ部材5の下方退避と復帰をよりスムースに行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、シャッターが取出口開放位置から取出口閉塞位置に復帰するときに先頭の電子部品が立ち上がっていても、復帰するシャッターによって電子部品に外傷やクラックが生じることを防止でき、且つ、シャッターの部品当接部分に外傷や変形を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品供給装置の上面図
【図2】図1のa1−a1線断面図
【図3】図1のa2−a2線断面図
【図4】ユニットベースの上面図
【図5】部品供給装置の組み立て手順を示す図
【図6】部品ストッパの上面図とそのb1−b1線断面図と左側面図
【図7】部品供給装置の組み立て手順を示す図
【図8】逃げ部材の上面図とそのC1−C1線断面図とc2−c2線断面図
【図9】基準プレートの上面図
【図10】部品供給装置の組み立て手順を示す図
【図11】第1ガイドプレートの上面図
【図12】第2ガイドプレートの上面図
【図13】部品供給装置の組み立て手順を示す図
【図14】第1シャッターの上面図とそのd1−d1線断面図
【図15】シャッターカバーの上面図
【図16】チューブ支持部材の前面図とチューブホルダーの上面図と透明カバーの上面図
【図17】搬送チューブと電子部品の斜視図
【図18】部品供給装置の動作説明図
【図19】部品供給装置の動作説明図
【図20】部品供給装置の動作説明図
【図21】部品供給装置の動作説明図
【図22】部品供給装置の動作説明図
【図23】部品供給装置の動作説明図
【図24】部品供給装置の動作説明図
【図25】図1に示した部品供給装置の部分変形例を示す図
【符号の説明】
1…ユニットベース、2…部品ストッパ、3…スプリング、4…シャフト、5…逃げ部材、5a…湾曲溝(部品通路)、5b…浅溝(エア通路)、6…スプリング、7…基準プレート、8…第1ガイドプレート、8c1…浅溝(エア通路)、9…第2ガイドプレート、9b1…浅溝(エア通路)、10…湾曲溝(部品通路)、11…第1シャッター、12…第2シャッター、13…スプリング、14…ガイドリング、15…シャッターカバー、16…チューブ支持部材、17…チューブホルダー、18…透明カバー、19…搬送チューブ、20…第1継手、21…第2継手、22〜24…止めネジ、25…ガイドピン、EC…電子部品、SN…吸着ノズル。
Claims (6)
- 電子部品が長さ向きに一列に並んだ状態で移動可能な部品通路と、先頭の電子部品との当接によって部品通路における部品移動を停止させる部品ストッパと、部品移動停止後の先頭の電子部品を外部に露出させる部品取出口とを具備した部品供給装置であって、
部品取出口閉塞位置と部品取出口開放位置との間を変位可能な第1シャッターを備え、
該第1シャッターは、第1シャッターが部品取出口閉塞位置にあるときに部品取出口を開放可能な開口と、開口を開閉する第2シャッターと、第2シャッターを部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に向かう方向に付勢する手段とを有する、
ことを特徴とする部品供給装置。 - 第1シャッターと第2シャッターは同一の厚さを有し、第2シャッターは開口内に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。 - 部品取出口は、第1シャッターの上側に配置されたシャッターカバーに設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の部品供給装置。 - 部品通路の少なくとも先頭の電子部品を支える部分が、上方付勢された逃げ部材によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の部品供給装置。 - 部品ストッパと部品通路における少なくとも取出前の先頭の電子部品が接触する部分が合成樹脂から形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の部品供給装置。 - 部品ストッパは部品移動を停止させる部品停止位置と同位置から離れた位置との間を変位可能に構成されていて、
該部品ストッパは、第1シャッターが部品取出口閉塞位置にあるときに部品停止位置にあり、第1シャッターが部品取出口開放位置にあるときに部品停止位置から離れた位置にあるように動作し得る、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の部品供給装置。
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