JP3827957B2 - 電子部品搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整列状態で搬送されたチップ部品等の電子部品から先頭の電子部品を外部に取り出す際に有用な電子部品搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公平6−82952号公報には、エア吸引力を利用して部品搬送を行う装置が開示されている。同公報に開示された装置は、管状給送路と、給送路の端部に設けられた部品取出用の開口部と、先頭のチップ部品を開口部に位置決めするためのストッパーピンと、ストッパーピンに当接した先頭のチップ部品よりも前方に離れた位置に設けられたエア吸引孔と、開口部を開閉するシャッターとを有している。
【0003】
この装置は、開口部をシャッターによって閉じた状態でエア吸引孔を通じて給送路内にエア吸引力を作用させることにより、給送路内のチップ部品をストッパーピンに向かって搬送して先頭のチップ部品をストッパーピンに当接させることができる。ストッパーピンに当接した先頭のチップ部品は、エア吸引力を停止し、且つ、シャッターを移動させて開口部を開いた後に外部に取り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
負のエア圧力を利用して部品搬送を行う前述のような装置では、正のエア圧力を利用して部品搬送を行う場合も含め、搬送通路と電子部品との間のクリアランスに不規則的なエアの流れが生じるため、部品搬送時に電子部品の姿勢及び位置が前記クリアランスの範囲で乱れる傾向があり、これにより、先頭のチップ部品が姿勢及び位置に乱れた状態のままでストッパーピンに当接して停止してしまい、先頭のチップ部品を吸着ノズルによって取り出すときに吸着不良や姿勢不良等の問題を生じる恐れがある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、エア圧力を利用して整列状態で搬送されたチップ部品等の電子部品から先頭の電子部品を吸着不良や姿勢不良等の問題を生じることなく取り出すことができる電子部品搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、所定形状の電子部品を整列状態で搬送するための搬送通路と、搬送通路の前端部に設けられた部品取出口と、部品取出口閉塞位置と部品取出口開放位置との間を移動可能な可動シャッターと、電子部品搬送用の負のエア圧力を作用させるための主エア通路を備えた電子部品搬送装置であって、部品停止位置と同位置から離れた離隔位置との間を移動可能で、部品停止位置にあるときに主エア通路と搬送通路に連通するエア通路を有する可動ストッパーと、部品停止位置にある可動ストッパーに当接した先頭の電子部品に少なくとも対応するように搬送通路の底面または内側面に主エア通路と連通して設けられたエア補助通路とを備え、可動シャッターが部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰し、且つ、可動ストッパーが離隔位置から部品停止位置に復帰する直前またはその後の時点から主エア通路に負のエア圧力を作用させることにより、主エア通路から可動ストッパーのエア通路を通じて搬送通路内に負のエア圧力を作用させて搬送通路内の電子部品を整列状態で搬送して先頭の電子部品を可動ストッパーに当接させ、且つ、主エア通路からエア補助通路を通じて少なくとも先頭の電子部品に負のエア圧力を作用させて先頭の電子部品を搬送通路内面に密着させる、ことをその特徴とする。
【0007】
この電子部品搬送装置によれば、可動シャッターが部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰し、且つ、可動ストッパーが離隔位置から部品停止位置に復帰する直前またはその後の時点から主エア通路に負のエア圧力を作用させることにより、主エア通路から可動ストッパーのエア通路を通じて搬送通路内に負のエア圧力を作用させて搬送通路内の電子部品を整列状態で搬送して先頭の電子部品を可動ストッパーに当接させることができると共に、主エア通路からエア補助通路を通じて少なくとも先頭の電子部品に負のエア圧力を作用させて先頭の電子部品を搬送通路内面に密着させることができる。つまり、部品搬送時に電子部品の姿勢及び位置が搬送通路と電子部品との間のクリアランスの範囲で乱れた場合でも、エア補助通路を通じて作用する負のエア圧力を利用して先頭の電子部品の姿勢及び位置を矯正して安定な状態とすることができる。
【0008】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図9は本発明の一実施形態に係るもので、以下の説明では図1における左を前、右を後、手前側を左、奥側を右として表記する。
【0010】
図1〜図9に示した装置は長さ>幅=高さの寸法関係を有する四角柱形状の電子部品ECを取り扱うのに適したものであり、図中の符号1は装置フレーム、2は通路構成部材、3はカバー部材、4は可動ストッパー、5は可動シャッター、6は操作レバー、7は第1駆動レバー、8は従動レバー、9は第2駆動レバー、10はエアシリンダー、11は制御バルブ、12はエアチューブである。
【0011】
通路構成部材2は、装置フレーム1に取り付けられている。この通路構成部材2は横断面矩形の溝を上面に有しており、この溝は、通路構成部材2の上面にカバー部材3を取り付けることによって、電子部品ECの幅または高さよりも僅かに大きな深さ及び左右寸法を有する搬送通路2aを構成する。また、搬送通路2aを構成する溝は横断面矩形の凹部を左右開口縁に沿って有しており、この2つの凹部は、通路構成部材2の上面にカバー部材3を取り付けることによって、第1のエア補助通路2a1を構成する。さらに、搬送通路2aの前端部にはカバー部材3で覆われない部分が存在し、同部分は単一の電子部品ECを露出可能な部品取出口2bを構成する。さらに、搬送通路2aの底面における部品取出口2bの真下位置から後述するエア通路2dに至る領域には、エア通路2dと連通する横断面矩形の凹部が底面中央に形成されており、この凹部は第2のエア補助通路2a2を構成する。図示装置では、図7及び図8に示すように、第2のエア補助通路2a2をその後端が、可動ストッパー4に当接した先頭の電子部品ECの後端とほぼ一致するように形成してあるが、第2のエア補助通路2a2の後端位置は同電子部品ECの後端よりも多少前側或いは後側であっても構わない。さらに、通路構成部材2の上面前部には、可動シャッター5を配置するための凹部2cが形成されており、この凹部2cの深さは搬送通路2aの深さに一致している。つまり、搬送通路2aの前端は凹部2cの後面で開口し、搬送通路2aの底面は凹部2cの底面と段差なく連続している。さらに、部品取出口2bの前側位置に当たる凹部2cの底面には、エア通路2dが上下方向に貫通形成されている。
【0012】
可動ストッパー4は、搬送通路2aの深さにほぼ一致した上下寸法と、通路構成部材2の幅よりも小さな左右寸法を有する直方体形状を成している。この可動ストッパー4には、上下方向に貫通する孔とこの孔と連通するように上面に形成されたU字形凹部によってエア通路4aが構成されており、エア通路4aを構成するU字形凹部の左右寸法は第1のエア補助通路2a1の左右寸法とほぼ一致している。可動ストッパー4の後面が凹部2cの後面に接している状態では、図7及び図8に示すように、エア通路4aの貫通孔部分の下端はエア通路2dの上端と一致している。また、可動ストッパー4の前部には、前端から後方に延びるガイド溝4bが形成されていて、このガイド溝4b内には、凹部2cの底面に立設されたストッパーロッド13の上方突出部分が挿入されている。つまり、可動ストッパー4の後退位置は凹部2cの後面によって規定され、前進位置はストッパーロッド13によって規定されている。さらに、可動ストッパー4と凹部2cの後面との間には、可動ストッパー4を前方に付勢するコイルバネ4c(図3及び図4参照)が介装されている。
【0013】
可動シャッター5は、搬送通路2aの深さとカバー部材3の厚みの和にほぼ一致した上下寸法と、通路構成部材2の幅にほぼ一致した左右寸法を有する直方体形状を成している。この可動シャッター5には、前後方向に延びたガイド孔5aが前後2箇所に形成されている。各ガイド孔5aには上方からガイドロッド14が挿入され、各ガイドロッド14の下部は凹部2cの底面に固着されている。また、可動シャッター5の後部下面には、搬送通路2aの深さにほぼ一致した深さと、部品取出口2bの前後寸法と可動シャッター4の前後寸法の和にほぼ一致した前後寸法を有する凹部5bが形成されている。この凹部5bの前側には幅狭部分が設けられていて、同部分の左右寸法は可動ストッパー4の左右寸法にほぼ一致している。可動シャッター5の後面がカバー部材3の前面に接し、部品取出口2bが閉塞されている状態では、図7及び図8に示すように、凹部5bの内側段差が凹部2cの後面に接し、且つ、凹部5bの前側内面が可動ストッパー4の前面に接していて可動ストッパー4の後面が凹部2cの後面に接している。さらに、可動シャッター5の左側面には、従動レバー8の係合溝8aに挿入され得る操作ロッド5cが横向きに設けられてる。
【0014】
操作レバー6,第1駆動レバー7,従動レバー8及び第2駆動レバー9は、操作レバー6への動力付与及び解除に基づいて、可動ストッパー4及び可動シャッター5とエアシリンダー10のそれぞれを動作させるレバー機構を構成している。
【0015】
第1駆動レバー7はその中央を装置フレーム1に設けられた支持シャフト15によって回転自在に支持され、L字形の従動レバー8はその屈曲部分を装置フレーム1に設けられた支持シャフト16によって回転自在に支持され、L字形の第2駆動レバー9はその屈曲部分を装置フレーム1に設けられた支持シャフト17によって回転自在に支持されている。操作レバー6の下端には第1駆動レバー7の後端が回転自在に連結され、操作レバー6の上部には第2駆動レバー9の前端が回転自在に連結され、第2駆動レバー9の下端には連結プレート18を介してエアシリンダー10のロッド10aの前端が回転自在に連結されている。操作レバー6と第2駆動レバー9は、装置フレーム1と通路構成部材2及びカバー部材3との間に形成された隙間(符号無し)に挿入されている。第1駆動レバー7の前端と従動レバー8の後端とは隙間を介して向き合っており、第1駆動レバー7の回転角度が所定角度を越えると第1駆動レバー7の前端によって従動レバー8の後端が押し上げられるようになっている。
【0016】
従動レバー8の上端にはU字形の係合溝8aが形成されており、この係合溝8aには可動シャッター5の操作ロッド5cが挿入されている。また、従動レバー8は装置フレーム1との間に張設されたコイルバネ19によって図1中で時計回り方向に付勢され、時計回り方向の回転を位置決めストッパー20によって制限されている。第2駆動レバー9は装置フレーム1との間に張設されたコイルバネ21によって図1中で時計回り方向に付勢され、時計回り方向の回転を位置決めストッパー22によって制限されている。
【0017】
エアシリンダー10は、給排気ポートを2つ備えた複動型のもので、装置フレーム1に設けられた支持シャフト23によってその後端部を回転自在に支持されている。このエアシリンダー10の後側の給排気ポートには制御バルブ11が取り付けられ、前側の給排気ポートは外気に開放している。図1に示した弁記号から分かるように、ロッド10aが前進位置から後退するときには制御バルブ11の後側口が排気口となり、また、ロッド10aが後退位置から前進するときには制御バルブ11の前側口が吸気口となる。エアシリンダー10のロッド10aが後退位置から前進するときに吸気口となる制御バルブ11の前側口には、エアチューブ12の後端が接続され、エアチューブ12の前端は継手24を介してエア通路2dに接続されている。
【0018】
図示を省略してあるが、搬送通路2aの後端には、バルク状態で収納された多数の電子部品ECを整列して搬送通路2aに送り込むための整列・供給機構が設けられており、同機構の連続動作或いは間欠動作によって搬送通路2a内には電子部品ECが整列状態で順次供給される。ちなみに、電子部品ECは、例えばチップコンデンサやチップ抵抗器やチップインダクタ等のチップ部品や、LCフィルター等の複合部品や、コンデンサアレイやインダクタアレイ等のアレイ部品や、他種の電子部品である。
【0019】
前記装置による部品搬送は、図1及び図2に示すように適当な駆動機器を用いて操作レバー6の上端に力を加えて操作レバー6を下方移動させ、この後に操作レバー6への押し下げ力を解除して操作レバー6をコイルバネ21の付勢力を利用して復帰させる動作を、所定のサイクルで繰り返すことにより実施される。
【0020】
搬送通路2a内に電子部品ECが長さ向きで並び、且つ、先頭の電子部品ECが可動ストッパー4に当接している図7の状態で、上昇位置にある操作レバー6を下方に移動させると、図2に示すように第1駆動レバー7が時計回り方向に回転し、第1駆動レバー7の回転角度が所定角度を超えると第1駆動レバー7の前端が従動レバー8の後端を押し上げて従動レバー8が反時計回り方向に回転する。
【0021】
従動レバー8が反時計回り方向の回転を開始すると、図3及び図4に示すように従動レバー8の係合溝8aに操作ロッド5cを係合している可動シャッター5が前進を開始すると共に、コイルバネ4cの付勢力によって可動ストッパー4も前進を開始して先頭の電子部品ECから前方に離れ、先頭の電子部品ECが可動ストッパー4及び2番目の電子部品ECによって何ら拘束されない自由な状態となる。可動ストッパー4はストッパーロッド13によって前進を規定されているため、部品停止位置から僅かな距離前方に離れた離隔位置に達したところで先に停止するが、可動シャッター5は従動レバー8の回転が停止するまでさらに前進する。
【0022】
また、上昇位置にある操作レバー6を下方に移動させるときには、図2に示すように第2駆動レバー9が反時計回り方向に回転して、エアシリンダー10のロッド10aが前進位置から後退するが、このときには制御バルブ11の後側口が排気口となるため、エアシリンダー10内のエアーはこの排気口を通じて外気に放出される。
【0023】
先頭の電子部品ECの外部への取り出しは、操作レバー6が下降位置にある状態で実施される。具体的には、図5に示すように部品取出口2bの上方から吸着ノズルSNが下降して先頭の電子部品ECを吸着し、吸着後の先頭の電子部品ECが部品取出口2a1を通じて外部に取り出される。吸着ノズルSNによって取り出された先頭の電子部品ECは例えば基板等に搭載される。
【0024】
先頭の電子部品ECが取り出された後に下降位置にある操作レバー6を復帰させると、図1に示すように第1駆動レバー7が反時計回り方向に回転して復帰し、従動レバー8がコイルバネ19の付勢力によって時計回り方向に回転して復帰する。
【0025】
従動レバー8が時計回り方向の回転を開始すると、図6に示すように従動レバー8の係合溝8aに操作ロッド5cを係合している可動シャッター5が後退を開始し、後退する可動シャッター5が可動ストッパー4に接した後は可動ストッパー4が可動シャッター5と一緒に後退する。可動シャッター5はその後面がカバー部材3の前面に接したところで後退を停止し、可動ストッパー4はその後面が凹部2bの後面に接したところで後退を停止する。
【0026】
また、下降位置にある操作レバー6を復帰させるときには、図1に示すように第2駆動レバー9が時計回り方向に回転して復帰し、エアシリンダー10のロッド10aが後退位置から前進して復帰する。
【0027】
エアシリンダー10のロッド10aが前進を開始すると、前進開始時点から若干遅れた時点、具体的には、可動シャッター5及び可動ストッパー4が復帰する直前またはその後の時点からロッド10aの前進が停止するまでの所定時間は、図7に示すように、制御バルブ11の前側口,エアチューブ12及び継手24を通じてエア通路2dに負のエア圧力が作用し、エア通路2dから可動ストッパー4のエア通路4a及び第1のエア補助通路2a1を通じて搬送通路2a内に負のエア圧力が作用して、搬送通路2a内の電子部品ECが整列状態で前方に搬送されて先頭の電子部品ECが可動ストッパー4に当接する。これと同時に、エア通路2dから第2のエア補助通路2a2を通じて先頭の電子部品ECに負のエア圧力が作用して、可動ストッパー4に当接しようとする或いは当接した後の先頭の電子部品ECが下方に引き寄せられて搬送通路2aの下面に密着する。
【0028】
このように図1〜図9に示した実施形態によれば、搬送通路2a内に負のエア圧力を作用させて搬送通路2a内の電子部品ECを整列状態で搬送して先頭の電子部品ECを可動ストッパー4に当接させるときに、エア通路2dから第2のエア補助通路2a2を通じて先頭の電子部品ECに負のエア圧力を作用させて、可動ストッパー4に当接しようとする或いは当接した後の先頭の電子部品ECを下方に引き寄せて搬送通路2aの下面に密着させることができる。
【0029】
つまり、部品搬送時に電子部品ECの姿勢及び位置が搬送通路2aと電子部品ECとの間のクリアランスの範囲で乱れた場合でも、第2のエア補助通路2a2を通じて作用する負のエア圧力を利用して先頭の電子部品ECの姿勢及び位置を矯正して安定な状態とすることができ、依って、吸着ノズルCNによって先頭の電子部品ECを取り出す際に吸着不良や姿勢不良等の問題を生じることがない。
【0030】
尚、図1〜図9に示した実施形態では、第2のエア補助通路2a2を可動ストッパー4に当接した先頭の電子部品ECに対応して形成したものを示したが、第2のエア補助通路2a2は先頭の電子部品ECを含む2以上の電子部品ECに対応するように形成されていてもよく、また、図10に示すように第2のエア補助通路2a2’は搬送通路2aの全体に亘って形成されていてもよい。
【0031】
また、図1〜図9に示した実施形態では、第2のエア補助通路2a2を搬送通路2aの下面に設けたものを示したが、第2のエア補助通路2a2を搬送通路2aの内側面の好ましくは下部に設けて、先頭の電子部品ECを左右何れかの方向に引き寄せて搬送通路2aの内側面に密着させるようにしても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
さらに、図1〜図9に示した実施形態では、搬送通路2aの全体に亘って第1のエア補助通路2a1を形成したものを示したが、第1のエア補助通路2a1は必ずしも必要なものではなく、第1のエア補助通路2a1を除外した構成でも前記同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
さらに、図1〜図9に示した実施形態では、上下方向に貫通する孔とこの孔と連通するように上面に形成されたU字形凹部によって構成されたエア通路4aを有するものを可動ストッパー4として示したが、図11に示すように下面に形成されたU字形凹部のみによって構成されたエア通路4a’を有する可動ストッパー4’を前記可動ストッパー4の代わりに用いてもよい。ちなみに、エア通路4a’を構成するU字形凹部の左右寸法は搬送通路2aの左右寸法とほぼ一致している。図11に示すような可動ストッパー4’を採用すれば、エア通路4a’を通じて搬送通路2a内に負のエア圧力を作用させて部品搬送を行うときに、先頭の電子部品ECを搬送通路2aの底面に引き寄せることができるので、第2のエア補助通路2a2を通じて先頭の電子部品ECに負のエア圧力を作用させることと相俟って、部品搬送時に先頭の電子部品ECの姿勢及び位置に乱れを生じることをより的確に抑制することができる。
【0042】
以上、先に述べた実施形態及び変形例では、長さ>幅=高さの寸法関係を有する四角柱形状の電子部品ECを搬送するものを示したが、部品通過箇所の寸法を適宜調整することにより、長さ>幅>高さの寸法関係を有する四角柱形状の電子部品や、円柱形状の電子部品は勿論のこと、四角柱形状及び円柱形状とは異なる立体形状を有する電子部品をも搬送対象とすることができる。
【0043】
また、先に述べた実施形態及び変形例では、エアシリンダー10として給排気ポートを2つ備えた複動型のものを示したが、エア配管が1の場合には単一の給排気ポートを有する単動型のエアシリンダーで代用したり、或いは、エア配管が2の場合には単動型のエアシリンダーを2個用いて動作させるようにしてもよい。
【0044】
さらに、先に述べた実施形態及び変形例では、負のエア圧力の発生源としてレバー機構により動作されるエアシリンダー10を示したが、動力や外力の付与によって負または正のエア圧力の発生できるものであればエアシリンダー以外のエアアクチュエーター、例えば弾性変形が可能なエアタンクまたはエアバッグや、ポンプ等を代わりに用いてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、部品搬送時に電子部品の姿勢及び位置が搬送通路と電子部品との間のクリアランスの範囲で乱れた場合でも、エア補助通路を通じて作用する負のエア圧力を利用して先頭の電子部品の姿勢及び位置を矯正して安定な状態とすることができるので、吸着ノズル等によって先頭の電子部品を取り出す際に吸着不良や姿勢不良等の問題を生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る、操作レバーが上昇位置にある状態を示す装置の左側面図
【図2】本発明の一実施形態に係る、操作レバーが下降位置にある状態を示す装置の左側面図
【図3】可動シャッター及び可動ストッパーが前進する様子を示す図
【図4】図3の上面図
【図5】先頭の電子部品を吸着ノズルによって取り出す様子を示す図
【図6】可動シャッター及び可動ストッパーが復帰する様子を示す図
【図7】搬送通路内の電子部品が搬送される様子を示す図
【図8】図7の上面図
【図9】図8のA−A線断面図
【図10】図1〜図9に示した実施形態の変形例を示す図
【図11】図1〜図9に示した実施形態の他の変形例を示す図
【符号の説明】
EC…電子部品、2a…搬送通路、2a1…第1のエア補助通路、2a2,2a2’…第2のエア補助通路、2a3…ガイド壁、2a4…ガイド部、2a5…ガイド面、2b…部品取出口、2d…エア通路、4,4’…可動ストッパー、4a,4a’…エア通路、5…可動シャッター、6…操作レバー、7…第1駆動レバー、8…従動レバー、9…第2駆動レバー、10…エアシリンダー、10a…ロッド。

Claims (4)

  1. 所定形状の電子部品を整列状態で搬送するための搬送通路と、搬送通路の前端部に設けられた部品取出口と、部品取出口閉塞位置と部品取出口開放位置との間を移動可能な可動シャッターと、電子部品搬送用の負のエア圧力を作用させるための主エア通路を備えた電子部品搬送装置であって、
    部品停止位置と同位置から離れた離隔位置との間を移動可能で、部品停止位置にあるときに主エア通路と搬送通路に連通するエア通路を有する可動ストッパーと、
    部品停止位置にある可動ストッパーに当接した先頭の電子部品に少なくとも対応するように搬送通路の底面または内側面に主エア通路と連通して設けられたエア補助通路とを備え
    可動シャッターが部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰し、且つ、可動ストッパーが離隔位置から部品停止位置に復帰する直前またはその後の時点から主エア通路に負のエア圧力を作用させることにより、主エア通路から可動ストッパーのエア通路を通じて搬送通路内に負のエア圧力を作用させて搬送通路内の電子部品を整列状態で搬送して先頭の電子部品を可動ストッパーに当接させ、且つ、主エア通路からエア補助通路を通じて少なくとも先頭の電子部品に負のエア圧力を作用させて先頭の電子部品を搬送通路内面に密着させるように構成されている、
    ことを特徴とする電子部品搬送装置。
  2. 負のエア圧力主エア通路に作用させるためのエアアクチュエーターと、
    可動シャッターを部品取出口閉塞位置から部品取出口開放位置に移動させ、且つ、可動ストッパーを部品停止位置から離隔位置に移動させると共に、可動シャッターを部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰させ、且つ、可動ストッパーを離隔位置から部品停止位置に復帰させる第1の駆動手段と、
    可動シャッターが部品取出口開放位置から部品取出口閉塞位置に復帰し、且つ、可動ストッパーが離隔位置から部品停止位置に復帰する直前またはその後の時点から主エア通路に負のエア圧力が作用するようにエアアクチュエーターを動作させる第2の駆動手段とをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品搬送装置。
  3. エア補助通路は、搬送通路の底面における部品取出口の真下位置から主エア通路に至る領域に形成された凹部から成る、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品搬送装置。
  4. エア補助通路は、搬送通路の底面の全体に亘って形成された凹部から成る、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品搬送装置。
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