JP4171152B2 - アースオーガなどの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧モータによってオーガスクリューを回転駆動するアースオーガなどの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アースオーガは、図3に示すように、ベースマシン1の前方に立設したリーダ2のガイドレール3に係合させて作業装置5が昇降可能に設けられ、この作業装置5の下部にオーガスクリュー6が取り付けられている。
【0003】
そして、作業装置5によってオーガスクリュー6を駆動し、オーガスクリュー6の下端の掘削具を回転させながら地中に推し進めて掘削をしている。
なお、掘削具の押込みはリーダ2の長手方向に付設されたラックに噛合うピニオンを作業装置5に設け、これを油圧モータで駆動するようにしたり、作業装置5をワイヤロープで巻上げ、巻下げを行うものでは、絞り込み用のワイヤロープを使用することによっている。
【0004】
アースオーガには、作業装置5や押込み装置を始め、アースオーガを構成する各種の装置を作動させるため、ベースマシン1に搭載したエンジンで駆動する複数の油圧ポンプを備えている。
図4は、従来のアースオーガ機の油圧回路の一部を示すもので、エンジンで駆動される2個の可変吐出ポンプ11、13に、切換弁19、20、23、24を介して左右の走行用の油圧モータ17、18、オーガ駆動用の油圧モータ21、オーガ昇降用の油圧モータ22へ圧油を供給している。
【0005】
なお、可変吐出ポンプ11、13の圧油は、上記油圧モータ17、18、21、22のほかにウインチの油圧モータなどへも送油しているが、図が複雑になるので、ここでは省略している。また、リーダ支持、アウトリガ、リーダ位置調整等のシリンダの作動は、別途設けた定吐出型の油圧ポンプの圧油によっている。
【0006】
さらに、可変吐出ポンプ11、13の吐出量や走行用の油圧モータ17、18の回転を制御を行うため、制御用の油圧ポンプ15が設けられている。なお、16はリモコン弁で、これを操作することによって切換弁19、20を作動させるようにしている。
【0007】
アースオーガでは、通常、エンジンを定速回転で使用しており、可変吐出ポンプ11を最大吐出量にしてオーガ駆動用の油圧モータ21を作動させ、作業装置5を昇降させる油圧モータ22への可変吐出ポンプ13の吐出量を減少させ、オーガスクリュー6を傷めないよう微速度一定で昇降を行っている。
【0008】
この吐出量制御は、制御用ポンプ15の圧油を吐出量制御装置12に設けられている可変減圧弁で適宜減圧操作し、可変吐出ポンプ11に付設された斜板または斜軸の傾転角を変えるシリンダを作動させることによっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アースオーガでの掘削作業においては、土質などにより負荷の変動が大きく、掘削抵抗が増大してリリーフ弁25が作動しても、一時的な場合が多いので、切換弁23の操作レバーを中立位置に戻さずにリリーフ状態のまま掘削作業を継続することが多い。切換弁23の操作レバーを中立位置に戻した場合は、再度掘削し始めるまでに時間を要するので、リリーフ弁25が作動する度に切換弁23を中立位置にしていては作業効率が悪いからである。
【0010】
リリーフ状態での掘削作業では掘削抵抗が減少しない限り、その状態が継続することになるので、作動油の温度が上昇する。そして、急激に上昇した場合には作動油が劣化するばかりでなく、油圧ポンプや油圧モータなどの油圧機器が油膜切れを起こし破損する危険性がある。
【0011】
このため、作業者はリリーフ状態での掘削作業になったときは、油温の上昇に最大限の注意を払いながら作業をしている。
作動油の温度の上昇を防止する手段として、オイルクーラの容量を大きくしたり、リリーフ状態になると作動油を油タンクへ戻すアンロード弁を使用することが考えられるが、オイルクーラを大きくすることはエンジンの最大出力に近い状態での作業が多いアースオーガにおいてはエンジン出力の低下につながるので好ましくなく、また、アンロード弁が作動すると掘削力がなくなるので、切換弁を中立位置に操作したときと同様に作業性が悪いという欠点がある。
【0012】
本発明は、このような技術背景の下になされたもので、リリーフ状態でも作動油の温度の上昇を極力小さくして掘削作業ができるアースオーガなどの駆動制御装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では次の手段を採った。即ち、
ベースマシンの前方に立設したリーダに油圧モータで駆動される作業装置を昇降可能に設けたアースオーガなどの駆動制御装置において、作業装置の油圧モータを可変吐出ポンプから切換弁を介して接続し、該可変吐出ポンプの吐出流路にリリーフ弁と圧力検知器を設け、該圧力検知器がリリーフ設定圧力であることを検知したときは可変吐出ポンプの吐出量を最小吐出量に制御するようにしたことを特徴としている。
【0014】
ここで、「アースオーガなど」は、履帯走行するベースマシンの前方に立設したリーダに油圧モータで駆動する作業装置を備えた基礎工事用の建設機械を指しており、アースオーガのみならず、掘削と撹拌を行う地盤改良機や掘削具をケリーバで回転駆動する掘削機を含むものである。
【0015】
また、本発明はエンジンを定回転にして複数個の油圧ポンプを駆動し、掘削具を油圧モータで駆動するものに適用される。
アースオーガなどの掘削作業では、負荷変動が大きくリリーフ設定圧力になることがしばしばあるが、リリーフ弁が作動したら切換弁を中立位置に戻したり、アンロード弁を使用することは、掘削作業の効率が悪いので、リリーフ状態でも掘削作業を継続することが多い。
【0016】
本発明は、リリーフ状態での掘削作業では可変吐出ポンプの吐出量を最小にして掘削具を駆動させることにより、作動油の温度の上昇を防止するようにしたものである。
可変吐出ポンプの吐出量の制御は、可変吐出ポンプに付設された斜板または斜軸の傾転角を変えるシリンダを制御用ポンプからの圧油で可変減圧弁を介して作動させるようにしたものが一般的であるが、これに限るものではなく例えば電気的に制御するものでもよい。
【0017】
掘削作業において負荷が大きくリリーフ設定圧力になったときは、可変吐出ポンプの吐出量は最小に制御されるが、この状態での掘削作業を継続するうちに負荷が小さくなったときは、請求項2に記載のように、可変吐出ポンプの吐出量を最大吐出量へ段階的に増加させるようにするのがよい。これにより、リリーフ弁のチャタリングやエンジンのハウリングを防止することができ、安定した制御を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をアースオーガに適用した実施形態例について図面に基づいて説明する。
アースオーガの基本的な油圧回路は、上記図4で説明したものと同じである。
【0019】
即ち、エンジンで駆動される2個の可変吐出ポンプ11、13は、切換弁19、20、23、24を介して左右の走行用の油圧モータ17、18、作業装置5の掘削駆動用の油圧モータ21、オーガ昇降用の油圧モータ22などへ圧油を供給している。
【0020】
なお、油圧モータ21、22の切換弁23、24は操作レバーが付設された手動型のものが使用されているが、走行切換弁19、20と同様の操作方法でもよい。また、可変吐出ポンプ11、13の吐出量は制御用の油圧ポンプ15の油圧によって行われるように構成されている。
【0021】
図1は、図4における作業装置5用の油圧モータ21の油圧回路を抜き出したもので、図4に使用されているものと同じものは同一符号を付している。
エンジンに連結された可変吐出ポンプ11は手動型の切換弁23を介して作業装置5の油圧モータ21に配管接続されている。そして、可変吐出ポンプ11の吐出量を制御するため、可変吐出ポンプ11は吐出量制御装置12に接続されている。
【0022】
また、可変吐出ポンプ11から切換弁23への流路には、リリーフ設定圧力になるとこれを検知して吐出量制御装置12へ出力する圧力検知器28が設けられており、さらに、切換弁23の操作レバーには切換弁23が中立位置に戻されるとこれを検知して吐出量制御装置12へ出力する中立検知器27が設けられている。なお、25はリリーフ弁である。
【0023】
可変吐出ポンプ11の吐出量は、可変吐出ポンプ11に付設された斜板または斜軸の傾転角を変えるシリンダのピストンロッドの位置によって決まるが、これは制御用油圧と内装されているバネとの釣り合いによっており、吐出量の制御は制御用油圧を可変減圧弁で変えることによっている。
【0024】
このように構成されているので、オーガ掘削作業中において、圧力検知器28がリリーフ状態であることを検知すると、その信号は吐出量制御装置12に送られ、可変吐出ポンプ11の吐出量制御部へ最小吐出量にするように制御用油圧を減圧して送り、斜板または斜軸の傾転角が変えられる。
【0025】
これによって、可変吐出ポンプ11の吐出量は最小吐出量となり、作業装置5の掘削具駆動用の油圧モータ21の回転数は最小となる。そして、掘削抵抗が低下し、リリーフ状態を脱したとき、即ち、吐出圧力がリリーフ設定圧力以下になったときには、可変吐出ポンプ11の吐出量を増加させるように吐出量制御装置12から制御用油圧を上げて送り、斜板または斜軸の傾転角を変える。なお、この場合の吐出量の増加は最大吐出量まで段階的に行われる。
【0026】
このように、オーガ掘削中にリリーフ状態になった場合は、可変吐出ポンプの吐出量を最小にして掘削作業が行われるので、油温上昇は少なく、また、この低回転掘削中に掘削抵抗が減少した場合にはスムーズにオーガ回転が最大吐出量時に自動的に復帰することになる。
【0027】
なお、オーガ掘削中にリリーフ状態になった場合に、切換弁23を中立位置に操作すると、中立検知器27がこれを検知し、その信号は吐出量制御装置12に送られ、可変吐出ポンプ11の吐出量制御部へアイドリング状態(切換弁23が中立位置における場合の設定した吐出量)の吐出量にするように制御用油圧を上げて送り、斜板または斜軸の傾転角が変えられる。
【0028】
次に、上記の作用をまとめて図2に示すフローチャートで説明する。
駆動制御装置のスタートとともに可変吐出ポンプ11の吐出圧力が検出される(ステップ110)。そして、その圧力がリリーフ設定圧力であるときは、吐出量制御装置12へ信号を送り(ステップ120)、可変吐出ポンプ11の吐出量を最小に制御する(ステップ130)。ステップ120でリリーフ設定圧力でないときは、ステップ140に進み、切換弁23が中立位置である場合、即ち、切換弁23に付設された中立位置を検知する中立検知器27が中立位置であることを検知した場合は吐出量制御装置12へ信号を送りアイドリング状態の吐出量へ制御される。
【0029】
一方、切換弁23が中立でない場合は、可変吐出ポンプ11が最大吐出量であるかどうかによって制御が異なる(ステップ150)。最大吐出量である場合はその吐出量制御装置12はその状態を維持するが、最大吐出量でないときは、可変吐出ポンプ11の吐出量を1段階増加させ(ステップ160)、この制御を順次繰り返して最大吐出量にする。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアースオーガなどの駆動制御装置は、可変吐出ポンプからの吐出流路にリリーフ弁と圧力検知器を設け、該圧力検知器がリリーフ設定圧力であることを検知したときは可変吐出ポンプの吐出量を最小吐出量に制御するようにしたので、リリーフ状態でも作動油の温度の上昇を気にすることなく掘削作業ができ作業効率がよい。また、リリーフ状態を脱したときは吐出量を段階的に増加するようにしたので、安定した制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアースオーガなどの駆動制御装置の実施形態としての可変吐出ポンプの吐出量の制御回路図である。
【図2】同装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図3】アースオーガの全体を示す概略側面図である。
【図4】従来のアースオーガの油圧回路図である。
【符号の説明】
1…ベースマシン 2…リーダ
3…ガイドレール 5…作業装置
6…スクリューオーガ
11…可変吐出ポンプ 12…吐出量制御装置
13…可変吐出ポンプ 14…吐出量制御装置
15…制御用ポンプ 16…リモコン弁
17、18…走行用の油圧モータ
19、20…走行用切換弁
21…油圧モータ
22…油圧モータ
23…切換弁 24…昇降用の切換弁
25、26…リリーフ弁 27…中立検知器
28…圧力検知器

Claims (2)

  1. ベースマシンの前方に立設したリーダに油圧モータで駆動される作業装置を昇降可能に設けたアースオーガなどの駆動制御装置において、作業装置の油圧モータを可変吐出ポンプから切換弁を介して接続し、該可変吐出ポンプの吐出流路にリリーフ弁と圧力検知器を設け、該圧力検知器がリリーフ設定圧力であることを検知したときは可変吐出ポンプの吐出量を最小吐出量に制御するようにしたことを特徴とするアースオーガなどの駆動制御装置。
  2. 切換弁が中立位置であることを検知する中立検知器を設け、切換弁が中立位置でない場合には可変吐出ポンプの吐出量を最大吐出量に段階的に増加させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のアースオーガなどの駆動制御装置。
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