JP4169993B2 - ストレッチ包装機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレッチ包装機の、特に、フィルムの供給に関する。
【0002】
【従来の技術】
ストレッチ包装機は、フィルムロールから繰り出されて包装部に水平に張られたフィルムの下方からリフト手段により被包装物を押し上げて該被包装物の上面をフィルムで覆うと共に、該フィルムの周辺部を被包装物の底面側に折り込んで包装する。
【0003】
かかる包装機におけるフィルムの供給機構の一例を図10(a)に示す。
この図において、第1クランプ41は、フィルムFの先端部を挟持し、一方、第2クランプ42Aはフィルムの切断部近傍を挟持・解放する。第1および第2ローラ100,101はワンウェイローラで、フィルムロールから巻き出されたフィルムが緩むのを防止する。前記第2ローラ101はバネ102により第1ローラ100に向って押されており、これによりローラ100,101間でフィルムFを挟持する。ローラ100,101の直下流にはガイド103,104が設けられており、このガイド103,104と前記第2クランプ42Aとの間でカッタ44が上昇し、フィルムFを切断する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、第2クランプ42Aとローラ100,101との間が離れているので、図10(b)の切断時にフィルムFが不用意に伸びる。
また、図10(a)のローラ101のバネ102はローラ101の両端に設けられており、ローラ101の中央部分の押付力が小さくなるのは避けられない。そのため、図10(c)のようにフィルムFを先端側に引っ張って引き出す際に、フィルムFに加わる張力は、二点鎖線で示すように、両端で大きくなり、中央部では小さくなる。したがってフィルムFのセンタCLに緩みが生じ易い。
これらのフィルムの伸びや緩みは、フィルムFの切れ味の低下を招き、切断部分に皺や縒れが生じる。その結果、包装の仕上り状態が低下する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ストレッチ包装機において、フィルム切断時のフィルムの不用意な伸びや緩みを防止して、包装の仕上り状態を向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のストレッチ包装機では、フィルムの先端部を挟持する第1クランプと、フィルムのフィルムロール側を挟持する第2クランプと、該第2クランプよりもフィルムロール側においてフィルムを切断するカッタとを備え、フィルムロールから繰り出され、前記第1および第2クランプの間で包装ステーションに水平に張られたフィルムの下方からリフト手段により商品を押し上げて、商品の上面をフィルムで覆うと共に、該フィルムの周辺部を商品の底面側に折り込んで包装するストレッチ包装機であって、前記カッタの近傍のフィルムロール側において、前記フィルムを挟持する第3クランプと、前記第1クランプを含み前記フィルムの引出方向と反引出方向とに往復移動する第1ユニットと、前記第2クランプ、第3クランプおよびカッタを含み前記フィルムの引出方向と反引出方向に往復移動する第2ユニットとを更に備え、前記第1および第3のクランプは各々櫛歯状部でフィルムを挟持し、前記第1クランプの櫛歯状部が前記第3クランプの櫛歯状部に対し位相がズレており、前記第3クランプがフィルムの先端部を挟持している状態で、前記第2ユニットが前記引出方向に移動すると共に、前記第1ユニットが前記反引出方向に移動して両ユニットが互いに接近して、前記第1クランプの櫛歯状部が前記第3クランプの櫛歯状部の間に入り込んで前記フィルムの先端部を挟持し、該挟持後、前記第1クランプがフィルムの先端部を挟持している状態で前記第1ユニットがフィルムの引出方向に移動すると共に、前記第2および第3クランプがフィルムを挟持していない状態で前記第2ユニットが反引出方向に移動してフィルムを前記包装ステーションに張設するようにした。
【0007】
本発明によれば、互いに近接した第2クランプと第3クランプとの間でフィルムが切断されるから、フィルムに伸びが生じにくいので、切れ味が向上する。また、ローラではなく櫛歯状部でフィルムの上流側を押さえるので、フィルムを幅方向の全域にわたって均等に押さえることができるから、フィルムに緩みが生じにくい。
【0008】
なお、本発明において、フィルムロール側とは、フィルムの上流側(フィルムの引出方向の反対側)をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるストレッチ包装機を図面にしたがって説明する。
このストレッチ包装機は、小型の計量包装値付装置であり、青果などをノートレーで包装したり、ソフトトレーに収容された青果等の食品(商品)を包装したりするために設計されているが、通常の発泡トレーに載せられた商品であっても包装が可能である。なお、ストレッチ包装機は計量機能および値付機能(計量値や値段を含むラベル作成機能)を有しているが、主に、その包装機能について説明する。
【0010】
図1に示すように、本ストレッチ包装機は、本体フレーム2に各機構が取り付けられており、主として、商品搬入装置10と、リフト手段30とを備えている。
【0011】
オペレータの手によって商品が商品搬入装置10上に載せられると、図示しない計量器によって商品の計量が行われた後、商品がリフト手段30へと送られる。一方、図2の側面断面図および図6の正面断面図に示すように、フィルム供給装置40によってリフト手段30の上方に搬送されてきたフィルムFは、後述するように、プリストレッチされる。このプリストレッチされたフィルムFに対してリフト手段30に支持された商品Mが押し上げられると、商品MはフィルムFを突き上げた状態でフィルムFによって上方および側方が覆われた状態となる(図7(c)参照)。
【0012】
このように商品Mの上方および側方を覆ったフィルムFの周辺部は、左右折込板64,65および後折込板71などによって商品Mの底部側に折り込まれる(図7(e)参照)。この折り込み動作の際には、左右折込板64,65が商品Mの底部の左右端近傍に入り込み、リフト手段30とともに商品Mの底部を支える役割を果たす。そして、商品Mの底部側に折り込まれたフィルムFは、後折込板71と前側固定部材72との間に挟まれた状態で前側固定部材72に装着された熱シール手段73からの入熱を受け、熱シールされる。
【0013】
このように熱シールを含むフィルムFによる包装がなされた商品Mは、オペレータの手によって取り出され、図示しない値付機構から排出されたラベルが貼り付けられる。
【0014】
つぎに、図2のフィルム供給装置40について説明する。
フィルム供給装置40は、案内ロッド47に支持された第1ユニットU1および第2ユニットU2を備えている。前記第1および第2ユニットU1,U2は、フィルムFを包装ステーションSに供給するためのもので、それぞれ、前記案内ロッド47に沿ってフィルムFの長さ方向に往復運動する。
【0015】
図3に示すように、前記第1ユニットU1は、第1クランプ41を備えている。該第1クランプ41は、図4に示すように、多数の上下の第1櫛歯状部41a,41bを備えており、図3のフィルムFの先端部F1を前記一対の第1櫛歯状部41a,41bの間で挟持するものである。前記下の第1櫛歯状部41bは、リンク41rを介して第1電磁弁41sにより上下動して、フィルムFを挟持したり、解放したりする。
【0016】
前記第2ユニットU2は、第2および第3クランプ42,43、カッタ44およびテンションローラ45を備えている。前記テンションローラ45は、図2のフィルムロールRから巻き出されるフィルムFを案内する。なお、フィルムロールRは、ロール支持部46,46によって回転自在に支持されている。
【0017】
図4に示すように、前記第2クランプ42は、上板42aと多数の第2櫛歯状部42bとを備えており、前記上板42aと第2櫛歯状部42bとの間で、前記第1クランプ41よりもフィルムロール(図2)R側においてフィルムFを挟持する。なお、図3の第2櫛歯状部42bは、第2電磁弁42sにより上下動して前記上板42aとの間でフィルムFを挟持したり解放したりする。
【0018】
図4に示すように、第3クランプ43は、多数の上下の第3櫛歯状部43a,43bを備えている。該第3クランプ43は、前記第2クランプ42よりもフィルムロール(図2)R側に設けられており、フィルムFの先端部F1またはフィルムFの中間部分を、前記第3櫛歯状部43a,43bの間で挟持するものである。
図3に示す前記下の第3櫛歯状部43bは、該第3櫛状部43bと同様に櫛歯状に別れた可動部43cを介して、軸47のまわりに回転可能に支持されている。第3櫛歯状部43bは、たとえば薄い板バネ状の金属板からなり、常時、コイルスプリング48の付勢力(バネ力)により上方に付勢されており、上の第3櫛歯状部43aとの間で、フィルムFを挟持する。また、前記第3櫛歯状部43bは、第3電磁弁(解除手段の一例)43sの作動により前記可動部43cを介して軸47のまわりに若干下方に回動して、フィルムFの挟持を解除する。
【0019】
図4に示すように、前記第1櫛歯状部41a,41bは、前記第2櫛歯状部42bおよび第3櫛歯状部43a,43bに対し、互い違いに設けられており、フィルムFの幅方向に位相がズレている。第2クランプ42は、後述するように、少なくともフィルムの非挟持状態において第1クランプ41の第1櫛歯状部41a,41bの侵入を許容している。これにより、第3クランプ43がフィルムFの先端部F1を挟持している状態において、第1クランプ41が第2および第3クランプ42,43の間に侵入してフィルムFの先端部F1を迎えに行って挟持することが可能となっている。
【0020】
図3に示す前記カッタ44は、前記第2クランプ42と第3クランプ43との間に、上下動可能に設けられており、通常時は、前記第1クランプ41の侵入を許容する下方の待機位置で待機している。該カッタ44は、第1クランプ41がフィルムFを引き出した後に、かつ、第2クランプ42と第3クランプ43とがフィルムFを挟持している状態において、上方に移動して第2クランプ42と第3クランプ43との間に入りフィルムFを切断する。
前述のように、第3クランプ43は、ローラではなく、櫛歯状部43a,43bでフィルムFの上流側を押さえるので、フィルムFを幅方向の全域にわたって均等に押さえることができるから、フィルムFに緩みが生じにくい。
また、互いに近接した第2クランプ42と第3クランプ43との間でフィルムFを切断するので、フィルムFに伸びが生じにくいから、フィルムFの切れ味が向上する。
【0021】
つぎに、フィルムFの供給動作について説明する。
まず、商品Mを図1の商品搬入装置10上に載置すると、商品Mがリフト手段30上に搬入され、つづいて、図5(a)のリフト手段30が図5(d)の包装ステーションSに商品Mを押し上げる。この商品Mの押し上げまでの間に、以下に説明するように、フィルムFが包装ステーションSに供給される。
【0022】
図5(a)に示すように、予めフィルムロールRから引き出されたフィルムFの先端部F1を第2ユニットU2の第3クランプ43(図3)が挟持している。この際、第1クランプ41は図3のように解放された状態となっており、図5(a)のように、第2ユニットU2と第1ユニットU1とは互いに最も離間した位置において停止している。この状態で、前記2つのユニットU1,U2は包装ステーションSの中央部に向って図4のように互いに接近し、つづいて、第1クランプ41が第2クランプ42の間を通って第3クランプ43の間に侵入する。
【0023】
前記侵入後、図3の第1クランプ41は、下の第1櫛歯状部41bが上方に若干回転駆動して、フィルムFの先端部F1を挟持し、つづいて、第3クランプ43は、下の第3櫛歯状部43bが下方に若干回転駆動し、先端部F1の挟持を解除する。前記挟持および解放後、図5(b)および(c)に示すように、前記第1および第2ユニットU1,U2は、互いに離間するように移動する。
【0024】
前記移動後、図3の第2ユニットU2は、第1ユニットU1よりも先に移動を停止し、第2および第3クランプ42,43は、それぞれ、下の櫛歯状部42b,43bが上方に向って若干駆動し、フィルムFを挟持する。このとき、第1ユニットU1は更に移動を続け、フィルムFを前後方向にプリストレッチする。その後、この2つのクランプ42,43がフィルムFを挟持した状態で、カッタ44が二点鎖線で示すように上方に移動してフィルムFを切断する。
【0025】
その後、包装ステーションSにフィルムFが供給された状態で、図5(d)の前記商品Mがリフト手段30によって上方に押し上げられ、商品Mの上面がフィルムFで覆われる。
【0026】
つぎに、フィルムFを左右から商品Mの底部側に折り込む動作、ならびに、フィルムFを後方から商品Mの底部側に折り込んでフィルムFを熱シールさせる動作について説明する。
前述のように、フィルムFが搬送されてくると、図7(a)に示す左右のクランプ51,52が上昇して左右の押込部材61,62との間でフィルムFの左右部分を把持する。このときには、フィルムFの前後部分についても、図3の前記クランプ41,42によって把持されている。
【0027】
次に、図7(b)に示すように、左右の押込部材61,62およびそれらに追随する左右のクランプ51,52が外側に開き、フィルムFが左右方向にプリストレッチされる。このときには、前述のように、フィルムFが前後方向にもプリストレッチされる。このプリストレッチ後、図7(c)のように、フィルムFに対し、リフト手段30が商品Mを上昇させ、商品MによってフィルムFが突き上げられた状態となる。
【0028】
つづいて、図7(d)に示すように、左右の折込板64、65が先行して内側に入ってくると共に、少し遅れて左右の押込部材61,62および後折込板71(図2)も内側に入ってくる。前記左右の折込板64,65は、商品Mの底部を支持できる位置まで内側に入ったところで、その移動を停止する。一方、左右の押込部材61,62およびそれらに追随する左右のクランプ51,52は、左右の折込板64,65の移動によりフィルムFに過剰な張力が作用しないように左右の折込板64,65に続いて内側に移動すると共に、適当な位置で左右のクランプ51,52を下降させてフィルムFの左右部分の把持を解除する。
【0029】
図7(e)に示すように、フィルムFの左右部分の把持を解除した後も、左右の押込部材61,62は内側への移動を続けてフィルムFを商品Mの底部側に押し込み、最終的に左右の折込板64,65よりも内側に入ったところまで移動して停止する。
【0030】
後折り込み動作では、まず、図2の後折込板71が前方に移動し、少し遅れて第2ユニットU2が前方に移動する。この後、第2ユニットU2は、フィルムFに過剰な張力が作用しないように、後折込板71の動きに合わせて前方に移動していく。その後、熱シール手段73によりフィルムFが溶着されて包装が完了する。
【0031】
つぎに、作業開始時またはフィルム交換時の動作について説明する。
図8および図9に示すように、フィルムロールRの下方には、セットプレート21が配置されている。図8(b)に示すように、該セットプレート21は、第2ユニットU2の移動により第3クランプ43の上下の櫛歯状部43a,43bの間に入り込むようになっている。
【0032】
フィルムをセットするには、フィルム交換モードにおいて、まず、図8(a)に示すように、フィルムFの先端部F1をセットプレート21の端部に垂下させる。この状態で第2ユニットU2がセットプレート21に向って移動すると、図8(b)のように、フィルムFの先端部F1がセットプレート21と共に第3クランプ43の上下の櫛歯状部43a,43bの間に押し込まれる。この後、図9に示すように、第2ユニットU2がフィルムFの引出方向に若干移動すると、フィルムFの先端部F1が第3クランプ43の櫛歯状部43a,43bの間に挟持された状態となってフィルムFの供給動作が可能となる。
【0033】
ここで、図10(a)の前記従来技術では、ローラ100,101がフィルムの引出方向にのみ回転し、反対方向に回転しない。そのため、フィルム交換の際には、ローラ100,101の上流においてフィルムFを切断した後、フィルムFの先端部F1をフィルムFの引出方向に引っ張って廃棄していた。
【0034】
これに対し、本包装機では、図3の第3クランプ43によってフィルムFの先端部F1を把持しており、第3電磁弁43sを作動させて櫛歯状部43bを下方に移動させて解放することにより、フィルムFをフィルムロールR側に巻き戻すようにして抜き取ることができる。したがって、フィルムロールRの交換作業が容易になる。
【0035】
ところで、図10(a)の従来技術では、フィルム交換時に、フィルムFを第2クランプ42Aまでセットプレートで押し込む必要がある。そのため、セットプレートを長くする必要があるので、第2ユニットU2の動作時にセットプレートが邪魔になるから、セットプレートを回転駆動させて退避させていた。したがって、装置のコストアップを招いていた。
【0036】
これに対し、本包装機では、図8(b)のように、第2クランプ42よりも上流のフィルムロール側(フィルムの上流側)に第3クランプ43を設けたので、該第3クランプ43までフィルムFを押し込めばよい。そのため、セットプレート21を短くすることができる。したがって、セットプレート21が差程邪魔にならず、セットプレート21を回転して退避させる必要がない。
【0037】
ところで、第2ユニットU2をフィルム繰り出し方向と逆方向に移動(後退)させる場合がある。
たとえば、第2ユニットU2の現在位置は、第2ユニットU2の駆動モータのパルス数などによって決定される基準位置に基づいて認識される。本ストレッチ包装機の非常停止などにより、前記駆動モータのブレーキが開放されて第2ユニットU2を手で動かすことができるようになった場合や、駆動モータ自体にエラーが生じた場合には、第2ユニットU2の現在位置情報の信頼性が失われる。そのため、かかる場合には、第2ユニットU2を後退させて原点復帰を図り、第2ユニットU2の位置情報をリセットする。
また、テスト動作等のために、第2ユニットU2を後退させる場合がある。
【0038】
ここで、フィルムFを挟持した状態の第2ユニットU2が後退すると、フィルムロールと該第2ユニットU2との間のフィルムFに緩みが生じる。
そのため、以下に述べるそれぞれの場合ごとに、以下に説明する所定の動作を行い、フィルムの緩みを防止する。
(A)フィルム繰り出し前の場合
a.第1ユニットU1を第2ユニットU2側に移動させる。
b.第3クランプ43が挟持しているフィルムFを第1クランプ41が挟持する。
c.第3クランプ43のフィルムFの挟持を解除する。
d.第1ユニットU1と第2ユニットU2とを互いに離間させると共に、第2ユニットU2を後退させることにより原点復帰させる。
e.フィルムFを切断する。
f.緩んでいるおそれがあるので、第1クランプ41と第2クランプ42との間に挟持されたフィルムFを取り除く。
(B)フィルム繰り出し開始後、第2および第3クランプ42,43の挟持の前である場合
前記第1クランプ41がフィルムFを挟持しているので、前述の(A)の場合で述べた動作のうち、d〜fの動作が行われる。
(C)第2および第3クランプ42,43の挟持後、フィルムの切断までの場合
この場合は、第1〜第3クランプ41〜43が、それぞれフィルムFを挟持している状態であるので、前記(A)の動作のうち、c〜fの動作が行われる。
(D)フィルム切断後、フィルムが第1クランプ41と第2クランプ42との間で張設されている場合。
第2ユニットU2を後退させて原点復帰させる。
【0039】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
2クランプは櫛歯状とする必要はなく、フィルムの非挟持状態において、第1クランプの侵入・通過を許容するように、上下に大きく開いていてもよい。
また、フィルムを折り込む方法は、折り込み部材の動作によりフィルムの四方の周縁部を商品の底部に折り込むものであればよく、たとえば、左右の折り込み板を1枚ずつにしてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フィルムのテンションローラよりもフィルムの先端側に第3クランプを設けることで、互いに近接した第2クランプと第3クランプとの間でカッタがフィルムを切断するから、フィルムの切断時にフィルムに伸びが生じにくい。
また、ローラではなく櫛歯状部でフィルムの上流側を押さえるので、フィルムを幅方向の全域にわたって均等に押さえることができるから、フィルムに緩みが生じにくい。
このように、フィルムの伸びや緩みが生じにくいので、フィルムの切れ味が向上する。そのため、フィルムの切断部分に、皺や縒れが生じないので、包装の仕上り状態が向上する。
【0041】
また、バネなどの付勢力に抗して第3クランプの挟持を解除する解除手段を設ければ、フィルムの交換時に第3クランプを解放できるので、フィルムをカットしなくても、該第3クランプからフィルムを抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストレッチ包装機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】フィルムの供給装置の概略構成を示すストレッチ包装機の側面図である。
【図3】第1および第2ユニットの構造を示す断面図である。
【図4】第1、第2および第3クランプを示す概略斜視図である。
【図5】フィルムの供給の工程を示す概略側面図である。
【図6】フィルムの左右の折り込み機構を示すストレッチ包装機の一部断面した正面図である。
【図7】フィルムの左右の折り込み方法を示す工程図である。
【図8】フィルム交換の方法を示す要部の概略構成図である。
【図9】フィルム交換が完了した状態を示す要部の概略構成図である。
【図10】従来のフィルム供給装置を示す断面図およびフィルムの平面図である。
【符号の説明】
30:リフト手段
41:第1クランプ
42:第2クランプ
43:第3クランプ
41a,41b,43a,43b:櫛歯状部
F:フィルム
F1:先端部
M:商品
S:包装ステーション

Claims (4)

  1. フィルムの先端部を挟持する第1クランプと、フィルムのフィルムロール側を挟持する第2クランプと、該第2クランプよりもフィルムロール側においてフィルムを切断するカッタとを備え、
    ィルムロールから繰り出され、前記第1および第2クランプの間で包装ステーションに水平に張られたフィルムの下方からリフト手段により商品を押し上げて、商品の上面をフィルムで覆うと共に、該フィルムの周辺部を商品の底面側に折り込んで包装するストレッチ包装機であって、
    前記カッタの近傍のフィルムロール側において、前記フィルムを挟持する第3クランプと、
    前記第1クランプを含み前記フィルムの引出方向と反引出方向とに往復移動する第1ユニットと、
    前記第2クランプ、第3クランプおよびカッタを含み前記フィルムの引出方向と反引出方向に往復移動する第2ユニットとを更に備え、
    前記第1および第3のクランプは各々櫛歯状部でフィルムを挟持し、前記第1クランプの櫛歯状部が前記第3クランプの櫛歯状部に対し位相がズレており、
    前記第3クランプがフィルムの先端部を挟持している状態で、前記第2ユニットが前記引出方向に移動すると共に、前記第1ユニットが前記反引出方向に移動して両ユニットが互いに接近して、前記第1クランプの櫛歯状部が前記第3クランプの櫛歯状部の間に入り込んで前記フィルムの先端部を挟持し、
    該挟持後、前記第1クランプがフィルムの先端部を挟持している状態で前記第1ユニットがフィルムの引出方向に移動すると共に、前記第2および第3クランプがフィルムを挟持していない状態で前記第2ユニットが反引出方向に移動してフィルムを前記包装ステーションに張設するストレッチ包装機。
  2. 請求項1において、
    前記第2クランプおよび第3クランプがフィルムを挟持している状態で、前記カッタがフィルムを切断するストレッチ包装機。
  3. 請求項1もしくは2において、
    前記第3クランプは、フィルムを挟持する挟持状態に付勢されているストレッチ包装機。
  4. 請求項において、
    前記付勢力に抗して前記第3クランプを開放して該第3クランプの挟持を解除した状態に保つ解除手段を設けたストレッチ包装機。
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