JP4169062B2 - 無線タグ - Google Patents
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Description
従来のパッチアンテナは、理想的には無限遠となる地板の上に誘電体の基板を設け、基板上に銅箔からなる放射用のパッチアンテナ部を形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような構成とすることにより、腕に巻き付けて、各種施設の入退場管理に使用することができる。
その場合、フレキシブル基板を二つ折り状に折り曲げて基板を構成すると、フレキシブル基板の柔軟性により曲面への取り付けも可能になり、対象物品に関する制約を少なくすることができる。また、二つ折り状のフレキシブル基板の間にスペーサを介在することにより、放射電極と接地導体との間隔も十分に設定することができ、アンテナとしての機能を有効に発揮することができる。
図1は第1実施形態の無線タグを示しており、この無線タグ1は、誘電体からなる略正方形の基板2を挟むように放射電極3及び接地導体4が設けられたアンテナ5と、アンテナ5の放射電極3側に配置された集積回路チップ6とを有する。このような無線タグ1はRFID(Radio Frequency Identification)タグや、IC(Integrated Circuit)タグと呼ばれることもある。
なお、この放射電極3において前記軸線Cに平行な一対の辺3aは、電波の送受信に寄与する開放端であり、その長さDは通信用の電波の実効波長λの約1/4とされている。一方、前記軸線Cに直交する辺3bの長さは開放端3aと略同じ長さに形成されているが、通信に直接影響を与えないので、開放端3aより短くてもよい。
そして、基板2の前記一方の主面、つまり放射電極3が設けられている上面に、該放射電極3から基板2の一側面2a付近まで引き出されている導体線路7の端部と、接地導体4から基板2の一側面2aを経由して引き出されている導体線路9の端部との間を接続するように前記集積回路チップ6がフリップチップ実装等により搭載されている。
この無線タグ11は、アンテナ12の基板をフレキシブル基板13により構成し、そのフレキシブル基板13を二つ折りにしてスペーサ14を間に介在させた構成としたものである。放射電極3、接地導体4、両導体線路7、9、及び集積回路チップ6の構成は第1実施形態のものと同じであり、同一符号を付して説明を簡略化する。
このフレキシブル基板13の片面に、前記第1実施形態の放射電極、接地導体及び導体線路を平面状に展開したようなパターンで、放射電極3、接地導体4及び導体線路7、9が設けられている。この場合、フレキシブル基板13は幅寸法Wの2倍より少し大きい長さ寸法Lを有する長方形状に形成されており、その片面において、図2の一点鎖線Aで示す半分の位置よりも若干一方の端部寄りの位置の表面に、その一方の端部にわたって略正方形の接地導体4が設けられ、該接地導体4との間に間隔をおいて前記放射電極3が設けられている。この放射電極3は、フレキシブル基板13における前記接地導体4とは反対側の端部寄りに設けられており、フレキシブル基板13の両側辺からX=約λ/10ずつ内側に寄せて配置されている。
一方、スペーサ14は、シリコンゴム等の軟質の樹脂から構成されており、前記接地導体3とほぼ同じ大きさの略正方形の板状に形成され、厚さは約1.0mmに設定されている。
また、製造に際しては、フレキシブル基板13やスペーサ14をロール状のものから切り出しながら製作することができる。また、フレキシブル基板13は、銅を積層した基板からエッチング処理によって複数個同時に製作することも可能であり、生産性を著しく向上させることができる。
なお、この第2実施形態の無線タグ11では、フレキシブル基板13の厚さが25μm〜75μmであり、これを単に二つ折りにしただけでは放射電極3と接地導体4との離間距離が確保できないので、二つ折りした間にスペーサ14を介在させるように構成したが、数百μmの厚さのフレキシブル基板を用いることができれば、スペーサは省略することが可能である。
図5は第3実施形態の無線タグを示している。この無線タグ21は、アンテナ22が第2実施形態の場合と同じように、フレキシブル基板13とスペーサ14とを有する構成とされているが、フレキシブル基板13は、放射電極3等の形成面を内側にして折り曲げられている点が異なるものである。このため、フレキシブル基板13の表面から突出する集積回路チップ6はスペーサ14に対向することになり、その対向位置のスペーサ14に、集積回路チップ6よりも大きい凹部23が形成されている。したがって、組み立て状態においては、集積回路チップ6がスペーサ14の凹部23内に収容され、フレキシブル基板13の外面に突出部分がなく、平坦面とされている。
すなわち、集積回路チップ6を実装する場合、ベアチップをフリップチップ実装するか、ICパッケージ化してハンダ付けする等の方法があるが、単に基板上にフリップチップ実装するだけではチップが露出状態となるし、ICパッケージ化の方法ではパッケージ化のための工程が必要でコスト高を招く。本実施形態の場合、図5に示すように、フリップチップ実装した集積回路チップ6を二つ折りにしたフレキシブル基板13の内側に配置するという簡単な構成により、集積回路チップ6の保護を確実にすることができるのである。
すなわち、このスペーサ33は、フレキシブル基板13が貼り付けられる基台部34と、該基台部34の両端から一体に延びる一対のバンド部35とから構成されており、バンド部35の先端部には、相互に着脱可能なマジックテープ(登録商標)等の留め具(図示略)が設けられる。基台部34とバンド部35とは、同一の厚みにより1枚のシートから型抜き等で成形されてもよい。
この種の無線タグは、従来では、例えば成形樹脂中に埋め込まれており、成形金型内で無線タグをインサート成形することにより製作されるので、コスト高となっていたが、この実施形態の構成とすることにより、フレキシブル基板13とスペーサ33とを別々にかつ連続的に製作しておくことができ、生産性が著しく向上するものである。
なお、この第4実施形態の無線タグ31においても、図5の第3実施形態のものと同様に、フレキシブル基板13をその回路形成面を内側にして折り曲げ、スペーサ33の基台部34に集積回路チップ6を収容する凹部を形成した構成とすれば、突出部のない平坦な外面に形成することができるとともに、集積回路チップ6を外力から保護することができる。
この無線タグ41において、アンテナ42は、放射電極3において通信に寄与する一対の辺(開放端)3aが所定の長さD=約λ/4に設定されていれば通信可能であり、その開放端3aが維持される範囲で切欠部43が形成されていても通信には影響を与えない。
Claims (4)
- 誘電体からなる基板の一方の主面に放射電極が設けられるとともに、他方の主面に接地導体が設けられ、これら放射電極と接地導体との間に、情報が記録される集積回路チップと、該集積回路チップを前記放射電極及び接地導体にそれぞれ接続状態とする導体線路とが設けられ、その導体線路が前記基板の側面上を経由して形成され、
前記基板はフレキシブル基板を二つ折り状に折り曲げて構成され、
二つ折り状の前記フレキシブル基板の間にスペーサが挿入状態に固定され、
前記スペーサは可とう性を有する軟質材から構成され、
前記放射電極及び/又は接地導体には、その曲げ変形予定線に沿う切欠部が形成されていることを特徴とする無線タグ。 - 二つ折り状の前記フレキシブル基板の内側表面に、前記放射電極、接地導体、集積回路チップ、導体線路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線タグ。
- 前記スペーサに、前記集積回路チップを収容する凹部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の無線タグ。
- 前記スペーサは腕に巻き付け可能なバンドとして構成され、このスペーサの長さ方向の途中位置に前記フレキシブル基板が固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無線タグ。
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