JP2014127752A - アンテナ及びそれを用いたシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】金属面の影響や絶縁体の影響を受けずそのまま両用できる上、金属面上で放射インピーダンスが改善されるため小形でかつ細い帯状及び薄い構造のアンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】電気長約1/2波長線路で往復約1波長線路となる場合の線路と、約1/4波長で往復約半波長線路となる帯状または線状平行線路アンテナにおいて、給電部やICが取り付けられる放射面側の金属帯側と対向する下面の金属帯側の金属帯幅を少し大きくすることにより、金属面に乗せた場合でも主線路の電界の変化が発生しないようにし、主線路のインピーダンス特性や周波数特性が変わらないようにしたことを特徴とするアンテナ。
【選択図】図12

Description

高周波において金属面上で動作する帯状や棒状の線路を利用して放射するアンテナ及びそれを用いたシステムに関する。
前述の通り、帯状、棒状の線路によるUHFICタグまたはIDタグは一般に金属面に弱いが、金属面で使用されているタグは5mm〜10mm程度の厚みがあり、大形となる傾向があった。
帯状アンテナで比較的幅の狭い薄い周囲長が1波長のループ形状のアンテナや周囲長が約半波長のコ字形の共振器形のアンテナが発明されており、外部の放射電流と線路内の回路電流がある程度共通しており、それなりの特性が得られ、小形・薄形で構成できる特徴があった。一方、線路幅を比較的広くとれる発明者の先の発明に係るスロットアンテナによる放射は、もともと線路幅が広く、端部の影響は全体からみると僅かとなるばかりでなく、スロット面の電流と放射が主であるため、端部の影響は殆どなかった。
然し乍ら、帯状アンテナ、棒状アンテナ等のこれらのアンテナは、金属面上で金属面の影響を受け易く、共振周波数やインピーダンスを調整しているため、金属面上では最適となっていても、そのまま非金属上で用いられると共振周波数が変わったり、インピーダンス特性が変わったりするため、性能が低下する傾向があった。逆に非金属上で調整したものは金属面上で特性が劣化する。本発明は、これらの両特性の良い部分を合わせ持つ小形・薄形アンテナに関するものである。
特開2007−272264号公報 特表2009−540715号公報
上記高周波で用いられるICタグやIDタグあるいは放射体は、一旦製造されると、金属面上で用いられるか非金属面上で用いられるかは不明であり、使用環境、使用場所、使用方法により条件が変わる。金属対応で作られたICタグやIDタグであっても、金属面上で使用しているときは最高の特性が得られても、非金属に取り付けた場合は特性が劣化する。後述する線路の端部電界の変動により、特性の変化が生ずるので、この変化をなくすことで変動のない線路やICタグとすることができる。
本発明は、金属面でも空中やプラスチック面でも放射特性を劣化させずかつ周波数特性を安定させて、同様に動作させることができる理想的な万能タグに用いられるアンテナ及びそれを用いたシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
(1)電気長約1/2波長線路で往復約1波長線路となる場合の線路と、約1/4波長で往復約半波長線路となる帯状または線状平行線路アンテナにおいて、給電部やICが取り付けられる放射面側の金属帯側と対向する下面の金属帯側の金属帯幅を少し大きくすることにより、金属面に載せた場合でも主線路の電界の変化が発生しないようにし、主線路のインピーダンス特性や周波数特性が変わらないようにすることを特徴とするアンテナ。
(2)電気長約1/2波長線路で往復1波長線路となる主線路と、約1/4波長で往復約半波長線路となる帯状または線状平行線路アンテナにおいて、給電部やICが取り付けられる放射面側の金属帯の両側を捕捉する金属帯を加え、この捕捉金属帯を副線路とし、電界の変化を吸収し、主線路の電界を変化させないようにすることを特徴とするアンテナ。
(3)動物、金属材料、荷物、コンテナ、部品、機器、車両等に取付け、自動的にIDを行うことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のアンテナ。
(4)前記(3)記載のアンテナを用い、RFIDのR/Wあるいは送受信機でタグID番号、必要情報の読み書きを自動的に行い、コンピュータや制御器により、自動的に管理、選別、表示、情報伝送を行うことを特徴とするシステム。
本発明を用いることにより、ICタグを載せる対象物が金属でも、水でも、プラスチック等でも機器に影響を受けず安定した特性を得ることができるようになった。また、スロットアンテナやスリットアンテナ等の変形による小形化、薄型化が実現できた。
従来の1/2波長帯状アンテナの説明図 従来の1/4波長帯状アンテナの説明図 1/2波長帯状アンテナの電界分布の説明図 1/4波長帯状アンテナの電界分布の説明図 本発明の帯状アンテナの電界分布の説明図 本発明の副線路は帯状アンテナの電界分布の説明図 金属面上に置かれ幅の狭い帯状アンテナの電界分布の説明図 従来線路の金属面イメージによる電界の分布の説明図 本発明の線路の金属面イメージの電界分布の説明図 本発明の副線路は線路の金属面イメージの電界分布の説明図 本発明の電界長約1/2波長の副線路なしと副線路付き帯状線路の斜視図 本発明の電気長約1/2波長帯状線路の副線路の状態の違いを示す斜視図 本発明の電気長約1/4波長副線路なしと輻線路付帯状線路の斜視図 本発明の電気長約1/4波長主線路の給電方法の違いを説明する斜視図 本発明の電気長約1/2波長主線の長さがX,Xが左右僅かに異なる場合の説明図 本発明の主線路の幅が狭い場合の説明のための斜視図 主線路の脇に更に給電用線路を設けた場合の説明図 幅の広いスロットアンテナの場合の説明図 幅の狭いスロットアンテナの場合の説明図 本発明の主線路の動作と副線路の動作の役割を説明する図 本発明の放射素子を2個並列に並べブロードサイドアレイとして利得や感度を上昇させる場合の説明図 本発明のアンテナを製造する工程を示す説明図 ICチップを乗せTagとする場合の説明図 荷物の本発明IC Tagを取付けた応用例を示す図 更に機器、製品、部品にIC Tagを取付けた場合の応用例を示す図 本発明のIC Tagの応用システムの説明図 本発明のIC Tagの説明図 本発明のIC Tagの実施例と特性の説明図 本発明のIC Tagの実施例と特性の説明図 本発明のIC Tagの実施例と特性の説明図 本発明のICタグの実施例と特性の説明図 本発明のICタグの実施例と特性の説明図 本発明のICタグの並列給電の実施例の説明図
本発明を実施するための形態を、実施例により以下に説明する。
図1,図2は、従来の平行板線路によるループ形構造のRFIDタグの例である。図1は、1/2波長帯状アンテナを有する1波長系の金属対応ICタグで、図2は1/4波長帯状アンテナを有する半波長系の金属対応ICタグである。
これらは帯状で構成でき、1/4波長のトラップ構造の線路による強電界(高電圧)を利用して、金属面上でも強い放射電界を形成するようにしている。この中心部にICを載せ、このICと整合するように線路幅や長さを調整している。
しかるに、実際の放射部と放射電流は金属線路の周囲長と端部の電界に左右されるためのスロットアンテナではスロット面で放射が行われるため金属面からほぼ遮断されるため下方の金属面で影響を受け難いスロットアンテナと較べ金属面上と空間やプラスチック面上では条件が異なるため、特性の変動が避けられなかった。
図1は1波長ループ形帯状アンテナによるICタグで、図1(a)は断面を示し、線路全体の周面長Cが電気長で約1波長λである。図1(b)は電気長で、周囲長Cが約1波長λのICタグの斜視図を示す。実際には誘電体による絶縁体が金属板の間に挿入されているのと、金属面の影響やストレイキャパシティー等の影響でかなり1波長より短縮される。従って線路長はy=1/2波長よりかなり短くなっている。
図2は図1の周囲長Cが約1波長λに対して共振のための実質的周囲長Cが約半波長で、従って、線路長が約1/4波長であり、実際には前述の理由で短縮されている。端部効果の影響を受け難くし、放射電磁界の励振を容易にするために、多少下方の線路長は上の金属板Mより延ばしてある。ICを取り付ける位置はICの容量と線路のインダクタンスLとにより約λ/4で共振する長さで取り付ける。
図3には、これらの帯状の平行板線路の断面の電界分布の概要を示す。即ち、図3(a)では、線路M平行板の断面の中心部の電界Eは乱れず垂直に立ち上がっている。然るに、上下の金属帯板M,Mの両端M1e,M2eでは、電界Eは両側に膨らむようにつづみ状あるいはタル形になっている。
これは、端部の電界が片側のみから反撥を受け広がっているので、絶縁体や空中にそえられている場合には、このような状態となる。絶縁体は主にプラスチックでテフロン(登録商標),PE,PET等の材料でできているが、図が複雑となるため、電界E(E,E)のみしか示していない。セラミック等の高誘電率の絶縁体が用いられる場合には電界は誘電体から多くは外に出ないが、逆に硬い柔軟性のないタグとなってしまう。誘電率の大きな材料を用いると短縮率(1/√εμ)が乗ぜられ実効波長λが短くなるので1/4波長の共振(反共振)もλ/4となり短くなる。
図3(b)では、下方の金属板または金属帯Mが金属板Mの上に載せられたときは下方の金属板Mの端部の電界は金属面Mに移り、広がり、金属面Mに垂直に立ち上がる電界Eとなる。この電界の変化がインピーダンスや周波数の特性に影響を与える。
この端部電界Eの影響による給電部、即ちICの給電部のインピーダンスや周波数特性がどのように変わるかを、後に図27,図28で述べるとともに、発明者の方法により、インピーダンスの変化が押えられることを後述のスミスチャートで説明する。
図4は図2の1/4波長線路でも、同様な現象となることを示す。図4は同様に同線路の断面図である。図4(a)はプラスチック系の絶縁体Pの上に載せられた金属板による平行板線路の電界分布を示す。図3(a)の場合と同じように端部の電界Eeは中央部の電界Ecと異なり膨らむ。
図4(b)は下部の金属面Mが金属板や金属Mの上に載せられたときは端部の電界Eは金属板Mに移り、金属板Mより垂直に立ち上がる。
このように平板線路を用いた周囲長1波長アンテナ、即ち約半波長の長さのアンテナも周囲長半波長アンテナの場合も、端部の電界の影響は同じで、金属面に置く場合とプラスチック等の絶縁体や空気中に置く場合には特性が異なるため、一方では使えても他方では特性が劣化し、均一に安定した特性が得られない。このような課題を改善するのが本発明の目的である。
図5は平板線路の下方金属板Mの幅WをICが取付けられる金属板の幅Wより2dだけ広くしている。これにより下方の電界は広がっており、端部のみの電界の膨らみは少ない。図5(a)は絶縁体12の上に2枚の金属板M,Mが載せられている場合に、上下の2枚の金属板による平行板線路に電圧を加えた場合の電界の分布を示す。下方の金属板Mの幅Wのほうが上方の金属板Mの幅より2dだけ広くなっており、端部の電界は下方で広がっている。上下2枚の金属板M,Mの絶縁は図が複雑にならないように空気による絶縁で示しているが、図3でも説明するようにテフロン(登録商標),PE,PET,ポリプロピレン,セラミック等の損失の少ないプラスチックの絶縁シートやセラミック薄板を用いるのがよい。
図5(b)に示すように、一方、この平行板線路を金属あるいは金属板Mに載せたときは最初から下方に広がっている電界の分布は殆ど変化することがない。即ち、金属面M上でも絶縁体上でも電界劣化は変わらないので平行板容量Cの変化が現れず、インピーダンスの変化や周波数のずれ等の特性の変化を受けることはない。これを数式で現すと、
Figure 2014127752
で現される変化を受ける。これを見ても分かる通り、全体のCが大きい、即ち、幅広の平行板線路は分布容量Cが大きくなるため影響を受け難く、平行板間の距離h(即ち厚み)が小さい程Cが大きくなり、これも影響を受け難くなる。即ち、全体として端部の電界の乱れは大きく影響を与えなくなる。
逆に幅の狭い平行板線路と厚みのある平行板線路は全体の容量Cが低くなり、その分端部電界により発生する電界の乱れ、即ちΔCの影響を受け易くなる。
Figure 2014127752
同様に線路間の距離h(厚み)が大きくなれば、分布容量Cも減り、影響を受け易くなる。このような傾向が平行板線路または帯状線路の特徴で、更に線状や棒状の線路は端部の電界の影響が強く現れるので、端部電界が金属面上Mでも絶縁体Insでも変わらなくすることが一定の特性を得る鍵となる。上下の金属板の電位差をVとすると、中心の電界Eと側部の電界Eとこの電界の軌跡の距離hとの間には次の関係がV=Eh=E・hとなる。
これにより、本発明の金属面に密着する側の金属帯Mの幅Wを大きくすることが解決の一つの方法であることが説明できた。後に実際に測定した線路のスミスチャートによるインピーダンス特性を用いて説明する。
次に図6に示すように平行板線路または帯状線路Wの両側に更に緩衝壁となる帯状第2線路を設けることにより、端部の電界の変動を吸収してしまう方法について述べる。図6(a)に示すように、平行板線路の上の主線路Mの両脇に、ほぼ同じ高さhで幅がWの第2線路となる金属帯M1sを同一線路長だけ追加する。
図6の下方の金属帯幅をWとする。上方の線路の主線路の金属線路幅をW、副線路幅WSLとWSR及び主線路と副線路との空隙gとすると、W=W+WSL+WSR+2gとなるように構成されている。
上述したように、上下の板の間には絶縁体INSがはさまれているが、電界分布を描くために特に表記はしていない。
絶縁体板は紙、PE、テフロン(登録商標)(ダクロン)、PET、ポリプロピレン等の高周波損失の少ないものを用いる。但し、多少固くなってもよい場合には、高誘電率のセラミックや磁性体シートを用いることができ、更に小型化、薄型化することができる。大量に用いるときはできるだけ安価な材料を用いる方がよい。後にも述べるが、金属箔や印刷物と組み合わせるフィルムやスペーサは、プラスチックフィルムや、安価に作るため紙であってもよい。
図6(a)の主線路Mの電界は、ほぼ垂直で両側の副線路M1SL,M1SRの電界が存在するために両側にはあまり広がらない。
一方、左側の副線路M1SLの左側端部の電界ESLや右側の副線路M1SRの右側の端部の電界EeRは線路が置かれる状況により電界の乱れを起こし易い。図6(a)の場合の絶縁体Insの上に載せられている時の主線路と副線路の電界分布を示す。主線路Mの側部の電界はあまり広がらない。
左側の副線路MISL端部の電界EeLは、左方に鼓状に膨らんでいる。同様に右側の副線路MISRの端部の電界EeRは鼓状に膨らんでいる。
次に、図6(b)には同線路を金属面Mの上に載せた場合を示す。図6(b)では金属面Mと垂直な電界となるため、端部の電界Eは金属面Mと接しているため下部で広がる。分かりやすくするため副線路の側部の電界の広がりを強調して書いてある。然し、主線路M,Mの電界は図6(a)の場合の電界と中央部も端部も殆ど変わらず、従って主線路の特性に影響を与えることはない。従って、金属面MにICが接続され、ICタグとして構成されている場合も特性の変化はない。
次に両側の副線路M1SとM1SRが上方の金属板Mと下方の金属板Mも絶縁されている場合を図6(e)に示す。図6(c)の場合には絶縁体Insの上に乗せられている場合を示す。この場合絶縁されているので、M1SLやM1SRの副線路は下方の金属面Mと同一ポテンシャルとならず、電界は逆方向となる。
しかるに、主線路Mとの間には電圧の差があるので、この間の間隙gの間に電位差Vに応じた電界Eの大きさで発生する。V=E+E1SRhである。gは間隙の最短距離で、hは端部で広がる電界Eの通路長である。
図6(d)には金属面Mの上に図6(c)で示す同様の線路を乗せた場合で金属面MとMと副線路M1SL,M1SRは異なるポテンシャルとなり、金属面Mに乗せた場合と絶縁体Insの上に乗せた場合は殆ど間隙gの間に発生する端部電界Eは変化がないので、特性が変わることはない。副線路を逆相に励振する場合もほぼ同様な電界分布となる。次に、側面5、6を短絡した場合を図6(e),(f)に示す。側面を短絡し、副線路M1SLとM1SRと下方の線路Mと接続することは実質的に下方の線路Mの幅で広くする場合と同じように、更に下方に来る金属面Mの影響を取除くことになるのと共通の効果がある。しかるに側面にも金属面を構成しなければならないいため構造が複雑となる。もう一つは直接下方のポテンシャルの変化から間隙gの電界に影響を与えるので、完全な遮蔽効果とはならない。もっと大きな問題は、副線路に零相電流を流してインピーダンスの調整や共振を制御したり、放射を制御する等、副線路を折返しアンテナとしても放射に用いる本発明のアンテナの一部として用いる本発明の目的の一つにも用いることができなくなる。
図7にはストリップラインや棒状、柱状線路のような横幅が狭い線路の場合の電界分布を示す。図7(a)は、上下の線路幅Wが狭く、上下の線路高hがある程度の高さがある平行線路の場合の断面の電界分布を示す。図7(b)の場合には、下方の金属Mに直接金属面Mが接している場合を示す。このように下方の金属面に沿って電界Eは広がる。この電界の広がりまたは乱れは、平板線路の中心部で殆ど変化がないのに比べて全体に及んでいることがわかる。即ち、電界の乱れがないのは中心部の電界のみのように見える。従って、先に述べたように浮遊容量が増加する割合が大きく、周波数特性やインピーダンス特性が先の幅広の平板線路より大きくなる。折角、幅の細い線路が実現でき、これによるICタグが実現できても安定しないICタグとなり、金属面により結局周波数特性やインピーダンス特性の影響を受けることにより特性の劣化を生ずる。
次に図7(c)には棒状あるいは柱状の線路、あるいはレッヘル線路の場合を述べる。図7(c)は上記の線路を絶縁体の上、あるいは空中に置いた場合を示す。この場合の電界や磁界分布は教科書等によく述べられているので、電界の一部のみを示すに止める。図7(d)には、下方の裸の線路の下に接するように金属板Mを置いた場合に下方の線路と金属面Mとは同一ポテンシャルとなるので、電界は線路による突出部を除き、ほぼ図7(d)に示すように下方で広がる。図7(b),(d)の影響をみるとより明確に金属面による電界の影響を説明できるので次に述べる。
図8により電界の広がりについて説明する。前述の図7(b)の場合、金属面Mの上方の電界のみを示したのであるが、金属面Mがあることにより、上の線路の影像が下方に同様に出来ることが分かっている。この上方のみの電界を示したのが、図7(b)である。上方の実像に対して下方の影像も一緒に表わしたのが、図8で、図7(b)に対応して説明図を示したのが図8(a)で金属面Mの上下対象に同じ幅や大きさの線路が2倍の距離、即ち、2h離れて存在する線路と同一となることは図8(a)を見ても分かる通りである。この電界分布は、図8(d)に示すように金属面Mがない同一の大きさの線路が距離2hだけ離れた線路を同一となる。但し、現実には半分しかないので、インピーダンスはこの約半分の値となる。
次に、図8(b)には図7(d)の棒状、柱状線路あるいはレッヘル線路に密着するように下方に金属面Mが置かれた場合の電界の分布する様子を説明するもので、先に述べたようにこのような状態の影像を考えると容易に説明でき、図8(b)のようになり、距離約2h(正確には中心部をとると2h+2ρとなる)離れた平行2線の線路と同じ電界や磁界分布となり、教科書等にインダクタンス、キャパシタンス、特定インピーダンス等が示されているので、ここではそれ以上述べない。
図8(c)には図8(a)より少し幅広の平行板線路の電界分布を示す。この場合も金属面が下方の平行板線路と密着しているので、図8(c)に示すような電界分布となり、端部の電界分布は大きく広がる。線路間隔が等価的に2倍になったのと同様のモードとなるので、電界、磁界ともに広がるのは当然であり、この場合の線路のインピーダンスは高くなるが、実在する線路は半分なのでこの1/2となる。
図7,図8の結果から、金属面Mの大きさが有限の大きさでも殆どのエネルギーは中心部の範囲を通ることが分かっているので、図9のように下方の線路幅Mを大きくしておけば、金属面Mの上にこの線路を置いても電界分布はあまり変化しないことが図8の説明でも分かってくる。
図9(a)は上方の線路の幅Wが小さく、下方の線路幅Mを大きくとった線路が絶縁体の上や空中に置かれている場合を示す。この電界の分布は図9(b)のように金属面Mの上に乗せられた場合でも殆ど変化しない。図9(c)は棒状(柱状)の平行2線、即ち、レッヘル線の下方の線路に直接接するようにWの幅の金属板を当てた場合の状態を示す。下方の平行2線の一本は平板とほぼ一体となるため、この金属棒を取除いても殆ど変化はない。但し、十分に細い線と考えられ平行2線間の線間距離があまり影響しない範囲の場合である。
図9(d)は下方の平行線路の金属棒Mを取除いた図で図9(c),図9(d)とはそれ程大きな差はない。また、下方の金属板Mの幅が充分に大きいので絶縁体上の図9(c)の場合と金属面M上の場合の電界の分布に大きな差はないので、特性の大きな変化はないと云える。
次にもう一つの方法として上面の金属板Mの伝送線路の幅が小さいときに下方側面に広がる電界を小さくし、絶縁体上や中空上の場合でも下方に金属面が来た場合でも、変わらないように側面に沿って両側に金属帯やガードを設置し、電界の乱れを防止する方式の実施形態を図10に示す。
図10(a)には上面の平行板線路幅が狭いWであったとき、右側と左側側面にWSR,WSLの幅の平行な側板M1SL,M1SRを間隙gだけあけて沿わせた場合を示す。この3本の線路間は線路端部で接続されているとする。即ち、線路の終端部3,4即ちM,M(図11参照)より、全て短絡されており、これにより同一の長さあるいは距離の所では零相電流により同一のポテンシャルとなっているからである。また、厚みhを変えないで説明する。外側の副線路の高さhsを変えることができるが、製造上を考えると主線路高hと同じ、即ち、同じ厚みの方が製造が容易である。図111(b),図12(b)に示すように端部3,4を主線路Mと副線路M3S,M4Sを示してあるが、図12(c)のように端部を連続しておいてもよいし、図19(a),(c)のように端部まで切り込みを入れずある距離xを残して構成することもできる。
短絡部3,4から少し離れた位置では、周囲に示すような電界分布となっている。線路幅の両端では、図に示すように電界は鼓状に膨らむ。これは図3や図4で述べた場合と同様な現象である。しかるに、図10の場合には、側面の板M1SRやM1SLの外側に膨らむ電界ができており、中心部の主線路Mの電界は、一様で垂直に金属面に対して直角に並んでいる。このような状態の線路の外側を金属面Mの上に乗せた場合を図10(b)に示す。
図10(b)から分かる通り電界の下方は金属面Mに沿って広がる。しかるに、この変動した電界は側面に沿えられた金属面M1SL,M1SRの端部の電界であって中心線路Mの電界は殆ど変動することはない。従って、絶縁体上、中空上から金属面上に移された場合でも特性の変動がないことが理解できる。
次に、図10(d)には線状導体Mが放射給電アンテナやICタグの励振素子に用いられている場合を示す。図10(a),(b)と同じように両側に金属細帯MISL,MISRを設けることにより、下方の金属面の変化の電界が両側の金属側板帯により吸収されて線状導体Mの電界は、絶縁体上でも金属面M上でも変化を生ずることが少ないので、細い線状励振素子でも変動をあまり生じない線路として用いることができる。
図10(e),(f)には、複雑となり、完全とは言えないが更にもう一つの解決方法を示す。基本的には今迄述べた図10(a),(b),(c),(d)の場合と同様であるが、側方に設けた金属板M1SL,M1SRの外側を下方の金属板Mの側面とM,Mの金属壁によって短絡することにより、外に広がる電界をなくす方法であって、これにより上面の金属側板M1Sと下方の金属板Mとの電位差がなくなり、絶縁体の場合でも金属面Mの場合でも特性の変化は少なくなる。結局は中心の上面金属面Mと金属側板M1Sとの間の間隙gが電位差を発生させ、電界がこの間隙に現れるが、両端が薄い板であるため電界が面に沿って広がることがないため、変化が少なくなる。
薄い場合には効果が鮮明ではない。また、側面金属M,Mを立ち上げなければならないので構造が複雑となる。端部の電界の変化にはある程度有効であるが、副線路あるいは折返し素子による放射や、電流分配率を変えることによるインピーダンスの逓昇を行うことができないので本発明の平行板線路と副線路方式が優れている。
以上、本発明の原理について述べたので、次に応用例について述べる。図11(a)はUHF帯用920MHzにおける金属タグの例で、主線路Mの幅Wが10mm〜30mmの帯状線路上側金属面Mの中心部が半分に分割され、その中心部にICチップが取付けられている。下方の金属板Mの幅はMの金属板より少し広くしてあり、W=20〜50mmとしてある。線路長は理論的には1/2波長λe/2であるが、誘電体絶縁体のεが上下線路を絶縁している。誘電率εによる短縮率(50%〜66%)やICチップがR=20Ω、X=−170Ω程度(R=13〜18Ω,jx=−120〜−176Ωで)キャパシティブであるので、共範として共振するには、並列接続による反共振とはなければならないので、線路長を短くしてインダクティブにしなければならなかったりするため1/2波長λe/2よりは短くして共振特性や整合特性をとっている。従ってアンテナのインピーダンスはR=13〜18Ω,X=120〜180Ωとすればよい。線路幅が10〜30mmでIC整合もとれるが、放射特性は幅が広い方がインピーダンスが上がり、通信距離が長く得られる結果となった。
Figure 2014127752
然るに線路幅Wが広くなることは形状が大きくなるので、放射にはよいが、大きさには望ましい方向ではない。また幅広くし、H型の線路長に沿う方向のスリットを短くしていくことはスロットの直線部を延ばすことにより、小形化の特徴を失うことになるので、小形化を計り乍ら特性を維持することの方が望ましい。
図11(b)は側板線路あるいは副線路M1SR,M1SLが備わっている場合を示す。この場合には放射特性は図11(a)と変わり、側板線路にも電流が流れるため図11(a)の場合と異なる。即ち、帯状副線路による放射が加わり折返し線路によるインピーダンス変換が行われ放射インピーダンスの逓昇が行われる。
図11(c)にはスリットにICが載せられICの内部CとスリットLとが共振(反共振)がとれるようにするとともに放射を行うスリット側に副線路を設けた場合を示す。スリットはL性であるのでλ/4より短いのであり、先に述べたICの容量と略共振となるLの値を作る。線路の中央部は、高電界・高電圧部であるので、厚みの薄い線路でもICは励振され易い。
図11(d)は、スリットの周囲長はそれ程変わらず、線路に沿って拡げた状態のもので、同様にスリットによるLとICの容量Cで共振(反共振)を起こし放射させる場合を示し、副線路を両側に備えた場合を示す。
いままでの説明では、金属側板帯M1Sは主線路Mと同じように両端部3,4は別々に短絡されており、線路の両側部は開放されている平行二線線路で構成されていた。図12(c)では主線路と副線路を両端で短絡する金属面M,Mが別々になっておらず一体となっており、上面のみが分離されており、主線路M1と副線路M1SRとM1SLで構成されている場合を示す。副線路の追加により、電流路が両側に約λ/2ずつ増えスリットに沿う副線路の電流路は片側でλ/2の2倍の波長となり両側で更に2倍の2波長の長さとなる。従って、スロットアンテナのスロットに沿う周囲長1波長、従来のループアンテナの全長1波長と異なる物理特性となる。図12(c)では両側板体M1SR、M1SLの線路の外側に更に副線路M12Sを設け特性を安定にするとともに、インピーダンス調整やプラスの線路長による共振周波数を複数にし、多国間で用いることが可能となる効果、バンド幅を拡げる効果を持たせる例を示す。
図12(a)は金属側板帯M1SR,M1SLの伝送線路の端部が短絡されておらず、側面も短絡されていない場合を示す。この場合は下面の金属面を広げたいのだが幅があまり取れず、然し金属面Mに載せたときに電界の変化が生じて特性が変わらないように中間的効果を出したい場合に用いる。折返し素子の効果はないが副線路は共振アンテナとして役立つ。図12(c)に示すように幅線路の金属MSR,MSL,M12SR,M12SLを2重に備え金属面の影響を2重に抑えることができるとともに、インピーダンスの逓昇も更に大きくすることができる。第2副線路の端部を開放するか短絡とするかはチップのインピーダンスや使用周波数によって決める。従って幅を狭くしても側方の電界の乱れをある程度押えることができる。
今迄説明した1/2波長(λe/2)の長さで両側に1/4波長(λe/4)線路をほぼ対称的に配置した線路による高電圧(強電界)誘導線路を構成し、金属面近傍でも放射が行われるように構成したが、この基本は図12に説明したようにλ/4チョーク回路またはλ/4高インピーダンス回路を構成することが主体であったので、この原理を利用して片側の線路のみで小形タグや小形アンテナを構成したものを図13に示す。このような放射線路においても金属面に置いた場合と空中や絶縁体に置いた場合では先に説明したように側方電界の乱れや変化によって特性が変化するので、本発明の副線路による同様の効果を応用したものである。
図13(a)には、図11(a)や(b)とほぼ同じ放射アンテナ構造であり、上面金属Mの励振の仕方を変えている。図13(a)では、下方の金属面Mは半分とはせず、X分少し長めにとってある。Xは5mm以上であり、ICを接続する空間を備えている。下方金属面Mは図11(a)で説明したように、幅広Wの金属面Mとしている。寸法的には図11(a)の場合とほぼ同様である。絶縁体Insの一部にICを備え、上面金属面Mと両副線路をつなぐ金属板M1SCとの間に接続している。
図13(b)には、図11(b)とほぼ同じアンテナ構造であるが、同様に図11(b)の約半分の構造とし、小形化を実現している。この場合の方が図12(b)の場合より特性の変化は少ないし、副線路の零相電流による放射効果もあり、インピーダンスを高くして、副線路による同調を利用し、更に高帯域化を実現することができる。
図13(c)には更に給電の方法を変えた場合を示す。この場合には、給電線M11による整合とチューニングの他、主線路と副線路によるインピーダンス変換や同チューニングの要素も加わり、多様な調整が可能となる。
図13(a),(b)では帯状金属面Mの先端の最も電圧が高く、電界が強い所でICに給電を行っていたが、図13(c)のように帯状金属面Mに平行する給電金属線(帯)M11を設け、この中間にICを取り付け、主線路Mとの接続をFPで行い、給電を行い整合を取る方法を取っている。ICとのインピーダンス整合は零相電流の励振により、Mに流れる電流とM11に流れる電流との結合や分配率を利用し、インピーダンスの逓昇を行っており、整合をとるICとの整合を取ることができた。放射金属帯の長さX、短縮率等もあり、約λ/4より短めであるが、給電金属線の長さXは被放射線路長Xより短い方が同調がとれることが判明した。WLの値が120〜170Ω程度でλ/4より短いことによる理由である。
図14には図13と同じように放射素子となる金属帯Mの側方に電界を乱さない目的の金属側板帯M1Sを用いた場合を示す。図14(a)には主線路Mと同じ構造の側板帯M1Sを用いた場合を示し、図14(b)には更に給電線M11による主線路の給電を行っている場合を示す。このような組み合わせは自由である。両方ともに周面の金属面の影響を小さくした場合を示す。図14(a)、(b)の場合も、磁界は線路の側部を通る。図14(a)、(b)の副線路の放射も同調も利用することができる。図13(b)、(c)の端部Mssを取り付けていないが主線路長とほぼ同じ長さでλ/4の同調回路とすることにより、主線路とともに副線路からの放射も行うことができる。
図15には主線路を対称とせずに線路長X,Xと僅かに異ならせ、λ/4とλ/4の長さで線路のインピーダンスが無限大となり、電界強度が最大となる周波数を異ならせて広帯域の整合を計る場合の例を示す。実用的には3〜7mm程度、実際2〜3mm程度ずらすだけでも周波数の最適値が得られる。例えばUHFの使用周波数は、米国、日本、ヨーロッパ、中国等では異なるため、同一のタグを取付けて物流を行う場合に使用できない場合がある。このような場合にX長に合う周波数とX長に合う周波数とが夫々並列や直列に接続されることにより、複合的に1つのICで整合させる場合を示す。X,Xのみを変えるのではなく、主線路幅yやw、副線路幅WSR並びにこの短絡長を変えて、更に微調整を行うこともできる。主線路X,X、副線路長左、右で約4周波数に対応するタグを作ることができる。
図15(a)は主線路a,bがICと直列に接続されている場合で、図15(b)は主線路と副線路の電流の結合を示す。ICの接続は直列でも並列接続でもよく並列の場合は上の金属面Mと下の金属面Mとの間にICを接続するものである。これにより、例えば920MHzの他に800数拾MHの両方の周波数に同調することが可能となった。また、電流の結合によってインピーダンスが逓昇されることを示す。主線路のインピーダンスをZ11、副線路のインピーダンスをZ22とし、相互結合をZ12とすると入力インピーダンスZinは、Zin=Z11+Z22+2Z12となる。図15(b)では示し難いので、図15(c)に断面図でICと線路の様子を示す。
図16には更に主線路Mの幅が狭くなり5mm程度の線状の伝送線路に近づいた場合を示す。例えば、伝送線路が1mm〜5mm幅程度の細いリボンテープ状あるいは線状で構成された場合に相当する。図7〜図10等の例に示す伝送線路の場合、下面の影響を受けずに構成することは難しいことは電界の分布からも説明した。従って、先に説明した単に下方の金属板Mの幅Wを充分に大きくとり、電気等の変動を押える方法を図16(a)に示し、金属側板帯M1SR,M1SLを備え、主線路の広がる電界を押さえ、副線路となる金属側板帯で変動を吸収して主線路の特性の変動を押える例を図16(b)に示している。この方法によると、主線路幅が狭い故に放射抵抗が小さくて感度が得られないのが普通であるが、副線路の電流分配率によるインピーダンス上昇や放射インピーダンスの上昇により、細くても能率のよいアンテナを構成することができた。ICのキャパシタのみでは整合が難しく、ICと並列にキャパシタを挿入するか、絶縁した金属片をICと並列に給電部に追加し整合をとることができた。図の金属片は給電部から離して書いてあるが、実際には絶縁体を介して給電部に貼り付け、容量(キャパシティー)を加えている。
次に、図13,図14で述べた主線路Mの金属帯の幅Wが5〜50mm程度放射モードが(スロットの場合には50〜120mm程度)のλ/4の線路を用いた例を示したのに対し、図17には更に細い10mm以下の主線路幅Wをもつ放射素子を利用したλ/4波長主線路の給電方法とこの給電方法を応用したλ/2波長主線路長の応用例を示す。
図17(a),(b),(c)に示すように主線路M、幅Wは1mm〜5mm程度の幅の細い放射線路となる。構造的には図13,図14に示すものとほぼ同じであり、放射抵抗やリアクタンス値に合わせて主線路長及び給電線の給電FPの長さや位置を変えることができる。
図17(d)には、更に図12,図15,図16等のように主線路M長が1/2波長λ線路を用いた場合でも給電線路M11を用いてインピーダンスの整合と放射モードの励振を行う場合を示す。この場合には、主線路は中間部で切断されていなくともよい。即ち、主線路は放射アンテナと高インピーダンス線路を構成すればよい。先にも説明したように、主線路長、副線路長、電流分配率によるインピーダンス変換、給電線路長や位置による複数の自由度が得られるため、多周波数対応や広域対応が可能となり、インピーダンスも高くとれるようになるので、感度も上昇する。
次にスロットアンテナを用いた場合の電流の流れと放射電界や誘導電流の流れの例を図18に示す。図18(a)にはスロット周辺の金属面に流れる電流を示す。即ち、金属面Mのみの表面電流Iとスロットの放射電界Erとが同一面内で誘導されスロットの切れた部分、スロット幅Sに誘起電圧V(Ers)を生ずる。従ってスロット放射面の大きさがある程度あれば独立してスロットの励振あるいは放射は発生し、この面内のみで行われる。スロットの周辺を流れる電流ISは短絡法で本発明のような零相電流I0となり放射にあずかるものではない。
一方、このスロット面が他の金属面のそばにあると当然スロットの電界は他の金属面と結合し、放射電界が乱されるとともにスロット間の電圧も下がりスロットは励振されなくなり、放射も行われなくなる。従って、下方にもう一つの金属面Mを設けて伝送路を構成し、下面の金属面Mによる電界降下が生じないようにλ/4長の線路を設け、スロット部の下方を見たインピーダンスが無限大近くに見えるように高インピーダンス回路を構成することにより、スロットが宙に浮いたように構成するようとしたもので、図18(b)にはこの線路の断面の電界分布を示している。線路の両側では電界は張るが、線路幅W,Wは広いため、一部の側部の電界が金属面Mや絶縁体Ins等の違いにより変化しても全体としては大きな変化を受けない。また、スロット自体の励振電界は更に中心部にあるため、縁の電界の変化は殆ど影響を受けないで済むため絶縁体でも金属面でも特性の影響を受けることがなかった。安定した良好な特性を示すが大形となる傾向があった。
然るにH形スロット形を利用して線路幅を狭くしていくこにより、より帯状線路による放射と近づいて来るので端部の影響が現れて来る。然るに側方に電流の帰路となる金属側板帯Mを備えているので、電界の乱れは単一の主線路Mのみの帯状、線状のアンテナを用いたものより影響を受け難いことは先の説明により同様に説明できる。しかるに、放射にあずかる励振電流Iと金属面の側路を流れる帰路の電流Iは線路幅が狭くなるのと副線路長が長くなりこの副線路に流れる電流の位相も変化を生じ、放射電界Eを励振する電流は主線路を回りこんで裏面を流れるようになり、内部の電界Eや線路内部の電流Iと外部の電流Iとは区別がつかなくなる。
副線路のない従来のアンテナは、線路内によるI、Eによる高インピーダンス化が難しくなり、また、線路端部の電界の乱れも大きく影響を受け、放射電界や電流も影響を受ける。これを改善することが本発明の金属側板帯MISによる電界の乱れの吸収方法であり、零相電流による放射電界の励振やインピーダンス整合、多周波インピーダンス整合、共振特性の調整が可能となる。
従って、見方によっては、スロット線路の幅が狭くなった場合の放射特性が変わって来たことに対応する新しい技術と考えられることである。
図19(a)には幅の狭いスロットアンテナの例を示す。スロット長が約半波長となるように構成しているため、スロット形状のH形の翼の部分が長くなり、主線路Mの幅Wも狭くなり、10mm〜20mmとなり、電流の帰路の側部Wも狭く5mm程度となることが分かる。同図では、またはスロット端部Sと線路端部との間が少しの距離Xだけ残しているので、上面の金属面Mの連続のように見える。従って、スロット面の電流Iは側面の金属面(副線路)にも流れる。それ故、またスロットアンテナと云うことができる。然るに図18のスロットと異なり、線路長xの方向にもスリットが設けられており、この方向にも電流が流れ電圧も発生し、側路となる副線路とは位相の異なる零相電流が発生するため、正相電流のみとはならず副線路からの零相電流による放射が発生する。
図19(b)にはH形スロットの端部Sが主線路の端部まで伸びて来た場合の例を示す。H形スロットアンテナの特殊な場合で、この場合には主線路が金属帯状アンテナで副線路を設けた構造とほぼ同じ構造となる。どちらの放射がドミナントになるかは別として帯状金属板による放射の場合にも副線路の端部電界の乱れをなくする効果により、特性の変動をほぼなくすことができる上に、副線路による放射インピーダンスの上昇や主線路の放射電流と同相となる零相電流が励振され感度の上昇、複数の周波数に対する同調整合等を可能にする特徴が備えられる。電流の方向は、図19(a),(b)とは異なる。線路長の長さによる違いでもある。
図19(c)には図19(a)や図19(b)の側部に更にもう一つの副線路となる金属側板Mを設けた場合を示す。側部の電界の乱れの影響は更に改善されるし、同調周波数同調の自由度も更に2周波加えたり、放射インピーダンスを変えることもできる。図19(d)には伝送線路の断面の電界分布を示すもので、中心部の主線路の電界分布は2重に保護され、側部線路の電界が周面の環境で変化した場合でも主線路の電界は変動することはないことを示す。スロットの励振電流Iが側路の金属面も流れている場合の電界分布となる。若し側路の金属面による副線路に零相電流が流れ、放射を助ける場合にはインピーダンスの逓昇や複合同調等を行うことができる。何処の金属面に分配されるか励振されるかによって、種々の特性が得られ、自由度が増える結果となる。図12(c)で説明した副、副線路においても同様なことが言える。
図19(e)には金属側面板帯MISに位相の異なる電流が流れており、主線路の電界と反対の逆方向の電界が発生している場合を示す。このような場合でも電界の変化は側面の副線路MISの電界の変化のみにとどめることができる。
一方の金属板を下方の金属板Mとは零相の電流と正相の電流が流れると同様に金属側板帯(副線路)MISにも零相と正相の電流が流れるが線路長の長さや中央部が短絡と開放ではこれらの電流に対する条件が異なって来る。
図20には今迄発明されている帯状ループ線路による電流Iと放射電界Eを示す。電流Iは線路内の電流Iと完全に切り離せず、一緒になって裏面の金属面にも流れループ状の電流となるので、この電流自体も下方に金属面Mが存在すると影響を受けると共に、前述の線路側部の電界の乱れによる影響で特性の変動の影響を大きく受けることがわかる。
従って、図20(b)のように金属側板帯Mを設けることより、例えループ状の電流が流れても変動を押えることができる。今迄は金属側板帯路、即ち副線路Mは、連続して接続された例で示した。図20(c)は両側の副線路Mに零相電流が励振されて、主線路の電流と同位相となり、折り返しアンテナと同様に動作することを示す。この場合の電流は主線路と副線路に放射に係る電流が流れ、副線路は電界の乱れをなくす金属側板帯と折り返しアンテナのように放射やインピーダンスの励昇に役立つことを示している。
次の図20(d),(e)には零相電流と正相電流についてもう少し詳しく述べる。H形のスリットの翼の長さが長くなり、スリットに沿う電流路が大きく迂回するような状態となると、スリットの先端部では電圧や電流の位相が変わり、電流の向きが反転する。即ち、給電部F,Fに接続される主伝送路長と副線路長の全線路長が電気長で約一波長となり、半波長アンテナの2倍となったときは、この線路やスリットの先端の状態が給電部F,Fの反対側の金属面が短絡か開放かで電流分布が異なり、先端が接続(短絡)されているときは、給電部の電流の位相と同様な位相の電流が主線路や金属側板帯(副線路)に流れ零相電流が励振され、給電部とほぼ同じ電流分布となるため、放射電界を助ける。
線路の終端が短絡された場合、放射電界の分布は主線路、副線路ともに中心部が最大となるような図20(d)に示すような定在波分布となり、零相電流が主流となり、放射電流となる。従って、主線路のみの放射でなく、副線路の放射も加わり、強い放射となり、放射を助け、先の図19(d)でも述べた金属面上でも副線路による電界の変動を抑圧効果も加わり、一石二鳥の効果を得る。この場合のインピーダンスはZin=Z11+Z22+2Z12となり完全な結合が行われ、Z11=Z22とすれば約4倍のインピーダンスに変換される。
図20(f)には副線路M1Sの中心部が開放されている場合を示す。この場合には正相電流が主流となる。図20(f)には副線路となる金属側板帯の中央部が開放されている場合で、この副線路には零相電流の励振は出来難く、従って放射電界の励振は殆どなく、正相電流のみとなるので、放射には役に立たずリアクタンスの効果となる。電界の変動は先に説明したように押えることができる。
図20(g)にはもう一つの本発明の実施例を示す。先にも述べたように、UHFのRFIDの国際的な使用周波数は多少国によって異なるので、共通にタグを用いるためには多周波で使用できることが望ましい。この目的のために図20(g)及び図20(h)に示す構造のタグを用いる。
図20(g)は厚さ約0.5mm(0.1〜5mm)の線路で、放射素子となる主線路Mの長さを僅か左右で変えてX,Xと非対称とすることによる異なる共振周波数を作ることである。例えば、約X=51,約X=53として約40mmの長さのリアクタンスを給電部に挿入することで860MHzと920MHzの両周波数で整合をすることができた。即ち、主線路の長さを左右で多少違えることにより、複数の共振(励振)が得られ、図20(g)に示すように、更に副線路長を変えることにより、複数の周波数に対応するタグやアンテナが構成でき便利である。図20(h)には、ICを上下の線路の間に載せ線路電界Eによる電圧を利用して励振する場合を示す。
図20(h)には同じく0.5mm(0.1〜5mm)厚の線路で主線路Mの長さがX,Xと対称または非対称として並列に接続し、ICを両線路の端部、即ち上下で接続した場合を示す。
図20(g)(ロ),(h)(ロ)の例では副線路MISによる電流や動作も同時に示している。即ち、主線路のみでなく、副線路長も同調の整合に用いれることを示している。
図21には本発明の金属面に強い放射素子を用いて多素子(実施例では2素子)M101,M102の同相給電(あるいは位相差給電)を行い、同相給電の場合は直角方向、位相差給電の場合には斜め方向の指向性を持たせ、単体のアンテナより2.5〜3dB利得あるいは感度を上昇させる方法を示す。
図13(b)のアンテナに約λ/2(≒λ/2)の伝送線路を延長させることによりICが取り付けられた給電部に発生する放射電界Eと同相の放射電界Eが1/2波長離れた左側の解放線路端部に発生して放射電界は2倍となる。
図21(a)には幅が狭いテープ状の構造で約3λ/4(≒3λ/4)の長さで2素子の放射と同様な効果を発生させるような給電を行った場合の実施例を示す。λ/2線路を追加することにより周期的に同一のインピーダンスと逆相の電圧が現れることによって同相の電圧が励振されることにより、2素子の放射アンテナを構成できることを示す。
Figure 2014127752
放射を行う主線路幅は15mm〜30mmとして充分な放射抵抗とICとの整合をとることができ、更に複数の周波数に対して同調あるいは整合をとることができた。
Figure 2014127752
図21(c)には図21(a),(b)の側どちらでも実行できる技術で、給電線長FLを自由に長くとり、整合や位相差給電を行えるようにする場合の実施例を示す。
次に、図22,図23にはタグ及びアンテナの製造に関る金属面を金属箔とブラスチックのラミネート構造で大量に安価に作る方法を示す。
図22(a)にはPET,PE,ポリプロピレン等のプラスチックフィルムシートにアルミ箔を必要な部分のみかたどりを行い、部分的にのみラミネートしたものか、ラミネート後エッチングしてかたどりを残したもの、あるいは蒸着あるいは印刷されたフィルムを連続して巻物(ロール)Rとして保管する。
アルミ箔をプラスチックフィルムを中にして巻き込むか外に巻き込むかは金属箔の保護の面と後工程を考え、金属箔にICの端子部をボンディングあるいは融着、圧着、挿着させる工程や巻き取り、巻き戻しの都合により決めるとよい。金属箔の中心部は伝送路の底の金属面Mであり、両側の部分は伝送路の上の金属面Mで放射面となる部分である。この途中に壁面となる端部金属面M,Mの部分が存在する。金属箔の両端にICが接続される。従って、金属面が現れる面にICを接続するか、金属面が現れるような加工をし、金属フィルムが破れないようにもう一方の側に補強をするようにする。また、保護のため、フィルムの両端を僅かにプラスチックフィルム部として残す。番号1,2,3……と書かれているのは、タグとして後に1個ずつ切り離される部分を示している。
金属面Mの部分がMの部分より大きくなっているのは、図5,図9等で説明したように下方の金属面Mを大きくとることにより下方の物体の材料による影響をなくすようにしているためである。
図22(b)には、図6,図10に示すように副線路となる金属側板帯M1Sが主線路Mの両側に備えられている構造のラミネートシートを示す。
図22(c)には主線路となる金属帯Mの長さが少し短く、ICチップを接続するための給電間隔を備えられるように構成している。副線路M1Sは両側を接続するため少し長めに構成している。重ね合わせによるキャパシティブショートでもよいし、超音波融着、圧着、導電塗料や接着剤等による接着でもよい。図22(b)の副線路は主線路の長さと同じであるので、副線路も主線路と同じように間隔が備わることになる。先に述べたように、主線路長と副線路長合わせて約1波長となるように構成すれば、約1波長ループとして動作するので、このような長さとなるよう構成するとよい。
図22(d)は副線路が折り曲げ部分で連続せず、断続している場合を示す。図22(e)はλ/4(1/4波長λ)の共振素子(反共振素子)による放射素子を構成する図2で説明した構造のアンテナ構造またはタグ構造を作るときに用いる金属箔とプラスチックフィルムとによるアンテナパターンを示す。図21(a),(b),(c),(d)で説明した伝送線路の約半分を用いているので、約半分の大きさで済む。下方の金属面Mは、λ/4より少し大きくとっており、更に下方に来る金属面Mの影響を受け難くすると共に、放射を行い易くしている。
図23には図22の金属面の構造で巻き上げられたラミネートシートのロールRaをアンテナ成形する場合とこのアンテナにICチップを接続し、連続して成形されるタグを1個1個切り離してタグを製造する工程を示す。
図23(a)には、図22でエッチング印刷等で構成された金属箔のアンテナ構造がラミネートされたプラスチックフィルムが巻かれたロールRaと約半分の幅の糊のついた絶縁体Insシート約0.1〜0.5mm(100〜500μm)を重ね合わせ乍ら、底面の金属面部Mはその孔にも側面の部分M(M)は折り曲げ乍ら上面の金属面Mが絶縁体Insシートに重なるようにフォーミング誘導形FGによって折り曲げて行く。上面の金属面Mの全長は下面の金属面Mの全長より、ICの乗る給電部のスリット分だけ短く作っているので、折り曲げた場合でもスリットをふさぐことはない。また端部分金属面M,Mの部分に使われる長さ2×0.1〜0.5mmの分はあらかじめ加えておけばよいので、この分を考慮すると、ほぼ同じ程度かやや短めにすればよい。厚みのもう少し厚い、例えば絶縁体厚が0.5〜5mm程度の比較的厚い絶縁体シートを用いるときは、絶縁体を同図(ロ)のように一個ずつブロックにしてアンテナ面と合わせ、連続させて製造し、後に切り離すようにすればよい。
金属フィルムの形や大きさは図21に述べたように各種あるので、このラミネートシートは夫々異なるローラRanに巻き取られており、どのような構造のタグを作るかによって選ぶことができる。
同図、右のロールRfにはこのようにして組み合わせされたアンテナの素構造は出来上がるので、このロールRfにICチップをボンディングや印刷や融着、導電接着させることにより、タグを構成し、この上に保護シートPSを覆せ、はり合わせた後1個1個切り離しタグを完成させる工程を図23(b)に示す。
図23(b)の左のロールは上記の説明のように図23(a)で完成した半製品のアンテナが連続して構成されて、ICチップまたはインレイをフィーダによって供給し、ICチップをアンテナスリット給電部に供給し、ボンダや印刷、圧着、接着、挿着、融着、キャパシティブショート等によってスリット部で接続し、金属端部にICを接続する。
この後、保護のため、更に薄いプラスチックフィルムシートを供給し、貼り付け、この後切断機で1個ずつタグとして切り分けることにより、タグを完成することができる。
図24,図25にはこのようにして完成したタグの用途の一部を示すもので、金属、動物、水等の電波の反射や吸収の生ずる物でも、特性の劣化もなく、簡単に使用することができる。
図24は国際的な物流となる旅行鞄に使用した場合を示すもので、図24(a)のような金属製バッグや一部金属を用いているもの、プラスチック、その他のバッグでも材料を選ばずに使用できる場合も示す。
図24(b)の場合は一般的な旅行鞄で中央部がアルミの金属枠でできているものが多く、このような場合タグがどちら側に貼られたり触れたりした場合でも問題なく使用できる場合を示す。タグは年間10億枚程度の要望があるので、性能、コストともに満足しなければならない。
また、図25には別の応用例を示す。図25(a)には牛鳥等の家畜や動物等のID管理を行う場合を示す。図25(b)はコンテナ等の管理を、図25(c)は車輌の管理等を、図25(d)は機器の管理等を、図25(e)は製造工程、材料部品、金形等金属材料の管理を行う場合を示す。
図26には荷物の搬入による識別や、荷物をアンテナのゲートを通過させることにより、自動識別や選別を行い、チェックインとチケットとの自動照合、または選別を行い、入庫、出庫管理を自動的に行い、データベース化するシステムの実施例を示している。
特に、国際的に流通する物の管理は複雑となるので、コンピュータとネットワークを組み合わせた自動認識と管理は欠かすことができない。
ハンディーターミナル(HT)のデータは無線LAN,WiFi,Blue Tooth(登録商標)等を通じて無線中継機で読み取られ、直ぐにコンピュータPCに読み取られる。
また、チェックインされた荷物は、本人照合とともにID Tagが付加されたゲートを通るときTagにより自動的にアンテナ及びR/Wにより読み書きされ、登録、チェックされる。未確認の荷物や間違った荷物は選別装置で選別され登録された荷物のみ積み込まれる。
図27には副線路付き及び複副線路付き帯状アンテナによる本発明の実施例タグの写真を示す。
図28には副線路付き帯状アンテナによるタグの給電部のインピーダンス特性をプラスチック等の絶縁体の上の場合と金属板の上の場合の両方の測定値を示し、どちらの場合でも殆ど変化のないことを示す。複副線路による場合は、この変化は実に少ない。
図29には1/4波長長の帯状アンテナの周波数特性を絶縁体の上に載せた場合と金属面の上に載せた場合について示す。共振点(反共振点)においてかなりずれていることがわかる。このようなアンテナによるタグでは絶縁体と金属面とではタグのアンテナの特性が変わり万能な使用ができない。
図30には図29の1/4波長長の帯状アンテナの下方の金属板M2の幅が写真のように5mm主線路M1よりも大きくした場合に共振点(反共振点)が絶縁体の上でも金属面の上でも殆どずれない場合を示す。直列形、並列形どちらでも可能である。
図31には図29の主線路の両側に副線路を設けた場合に絶縁体、金属面の違いに周波数特性が変化しないばかりでなく、副線路による共振特性も加わりキンクが生じていることがわかる。すなわち広帯域特性を持たせることができ、設定する帯域幅を広げることもできるし、他から影響をなくすることもできる。例えば、左側の線路長を53mm、他の線路長を57mmとすることにより920MHzと880MHzの両方の同調が得られ、ほぼ整合も取れた。
図32には図31のような1/4波長線路が上下にある図27や図28の線路に変化を加え、上下の線路長x,xを変え、更に主線路には写真のようなインダクタンスを追加し、共振(反共振)周波数を合わせて明確に2点の共振によるキンクを発生させ、1つのアンテナまたはタグで2周波対応、例えば8MHzと920MHzの周波数に合わせた複数同調タグを作った場合を示す。
図33は図11、12、13を2段並列にした場合の写真で、1台で高感度指向性アンテナを組んだ場合の実施例である。
図27には従来のアンテナと本発明の1/2波長の構造を持つタグが取り付ける対象物の性質によってインピーダンスの変化を受けないかを示す目的でスミスチャートによるインピーダンス特性を示す。
1 アンテナ上面金属面M
2 アンテナ下面金属面M
3 アンテナ端部金属面M
4 アンテナ端部金属面M
5 アンテナ側部
6 アンテナ側部
7 アンテナ給電部(中央開放部)
ε 誘電率(プラスチック絶縁体等)
μ 透磁率(磁性体等)
Cont 制御用のコントローラ
E 電界強度
伝送路中央部電界
伝送路側部電界
伝送路内部電界(主線路電界)
放射電界
副線路電界
,F,FP 給電部
FL アンテナ給電線(Stripline)
H 磁界
HT ハンディターミナル
I 電線
Is 副線路の流れる電流
Ir 放射に係る電流
I 正相電流
Io 零相電流
Ii 伝送路内部の電流
IL ループ電流
IC ICチップ
Ins 絶縁体
g 間隙
lx,ly x方向,y方向のスリットの長さ
11+l12 スリットの長さ
金属主線路上面
金属主線路下面
金属主線路端部面
金属主線路端部面
金属主線路側面
金属主線路側面
PC コンピュータ
IS 副線路上面
ISR 右側副線路上面
ISL 左側副線路上面
11 給電用線路
M 下方の金属面
P ICが入るプラスチックの窪み
Ra ラミネートフィルム巻取用ローラ
Rf アンテナシートフィルム巻取用ローラ
X x方向(伝送線路の伝送方向)
Y y方向(帯状伝送路の幅方向)
LAN ローカルエリアネットワーク
PR 圧着用ローラ
Rf 保護用プラスチックフィルム
R/W リーダライタ
S 切断機
Tag ICタグ

Claims (16)

  1. 電気長約1/2波長線路で往復約1波長線路となる場合の線路と、約1/4波長で往復約半波長線路となる帯状または線状平行線路アンテナにおいて、給電部やICが取り付けられる放射面側の金属帯側と対向する下面の金属帯側の金属帯幅を少し大きくすることにより、金属面に載せた場合でも主線路の電界の変化が発生しないようにし、主線路のインピーダンス特性や周波数特性が変わらないようにすることを特徴とするアンテナ。
  2. 電気長約1/2波長線路で往復1波長線路となる主線路と、約1/4波長で往復約半波長線路となる帯状または線状平行線路アンテナにおいて、給電部やICが取り付けられる放射面側の金属帯の両側を捕捉する金属帯を加え、この捕捉金属帯を副線路とし、電界の変化を吸収し、主線路の電界を変化させないようにすることを特徴とするアンテナ。
  3. 主線路を給電する給電線路を別途設けることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  4. 上面の主線路を下面の線路による共振特性と放射に加え、副線路による共振特性と放射特性を合成し、広帯域や多周波共振や反共振特性を持たせることを特徴とする請求項2記載のアンテナ。
  5. 副線路の中央が短絡されず、開放となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  6. 副線路の端部が短絡されず開放状態となり、約1/2波長の共振素子を構成することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  7. 約1/2波長線路において主線路左右の長さが僅かに異なることを特徴する請求項1または2に記載のアンテナ。
  8. 約1/4波長線路において、主線路の共振を副線路の共振長を僅かに異なるように構成し、広帯域とすることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  9. ICとのインピーダンス整合を行うため、ICの接続される給電部に並列にICを追加し、インダクタンスが発生する線を追加することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  10. 長さの僅かに異なる主線路を並列に接続し、複数の共振周波数を発生させ、複数の周波数の使用を可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  11. 主線路の給電は、1/2波長線路の場合、中央部の開放端部とする直列方式が中央部でグランド面に給電するか、ICを接続する並列方式で給電あるいはICを接続する方式とすることを特徴する請求項1または2に記載のアンテナ。
  12. 主線路の給電は1/4波長線路の場合、開放端部よりグランド面に給電するかICを接続する方式とするか、更に主線路に沿う給電用線路を設け、給電部にICを接続する方式とすることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  13. 主線路を2個以上設け、給電を行い、ブロードサイドアレイとし、1組の高利得アンテナを構成することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  14. プラスチックと金属箔によるラミネート構造の連続したアンテナフィルムを構成し、これをフォーミングすることにより、共振形アンテナを構成し、ICやインレイを給電部に圧着、接着、融着等により、タグに用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  15. 動物、金属材料、荷物、コンテナ、部品、機器、車両等に取付け、自動的にIDを行うことを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
  16. 請求項15記載のアンテナを用い、RFIDのR/Wあるいは送受信機でタグID番号、必要情報の読み書きを自動的に行い、コンピュータや制御器により、自動的に管理、選別、表示、情報伝送を行うことを特徴とするシステム。
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