JP4166650B2 - 樹脂容器成形装置および樹脂容器成形方法 - Google Patents
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上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、上下型の周縁部に周縁部加熱手段を備えさせる。そして、この周縁部加熱手段にて周縁部を加熱する。これによって、上下型が樹脂シートに当接した際に、当該上下型によって同樹脂シートが冷却されることを防止できる。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、上下型の周縁部における樹脂シートの挟持面にこの周縁部に沿って、当該周縁部から外側に向けて立設し、同樹脂シートを挟持した時に当該樹脂シートの肉厚方向に噛み込む突起形状を形成する。そして、この突起形状によって二つの樹脂シートの溶着部を部分的に圧縮しつつ溶着させる。
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、溶着手段で上下型を加熱板に対して上下駆動させた際に、樹脂シート引出手段によって、上下型の周縁部間の樹脂シートを外周方向に引き出す。これにより、溶着部の樹脂シート肉厚が引き延ばされるので、溶着部の強度を強化できるとともに、当該溶着部にてガスバリア層の各層間隔を密接させることが可能になる。
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、上下型内に圧空を噴射する圧空噴射手段を備えさせる。そして、圧空噴射手段は、溶着手段による溶着時に、略密封状態となっている上型と加熱板との間の空間および下型と加熱板との間の空間に圧空を噴射させる。これにより、略密接している溶着部には内部から外部に向かう圧力が掛かるため、この溶着部の樹脂シートを内部から外部に向けて流すことが可能になる。これにより、溶着部の強度を強化することができるとともに、当該溶着部にてガスバリア層の各層間隔を密接させることが可能になる。
上記のように構成した請求項7にかかる発明においては、刃型の内部に刃型加熱手段を備えさせる。そして、この刃型加熱手段にて刃型を加熱させつつ樹脂シートの切断を行う。
このため、請求項8にかかる発明は、二つの樹脂シートから中空形状の樹脂容器を成形する樹脂容器成形方法であって、上下両面で上記樹脂シートを吸引保持しつつ加熱する加熱板に対して、上下加熱部にて同加熱板の上下両面で吸引保持された両樹脂シートの外側を加熱する樹脂シート加熱工程と、上記樹脂シート加熱工程にて両樹脂シートの外側を加熱された加熱板に対して、凹部が相対面されて配置され上下駆動可能な上下型を上下駆動し同上下型の周縁部と同加熱板とにより同両樹脂シートを挟持しつつ略密封状態の同上下型内で差圧を発生させて同両樹脂シートの上下型内周面に対する成形を実行する成形工程と、上記成形工程での成形後に上記加熱板を上下型間から退避させ、さらに同上下型を同加熱板に対して上下駆動し同上下型の周縁部により同両樹脂シートを溶着させて中空形状の樹脂容器とする溶着工程とを具備する構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある樹脂容器成形装置に限らず、樹脂容器成形方法としても有効であることに相違はない。
また、請求項2にかかる発明によれば、上下型による樹脂シートの冷却を防止することが可能になる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、溶着部の強度を強化するとともに、ガスバリア層のバリア効果を向上させることができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、溶着部の強度を強化するとともに、ガスバリア層のバリア効果を向上させることができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、溶着と同時に樹脂容器の不要部分を切除することができるので、樹脂容器の製造工程を簡素化することが可能になる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、より切断し易くするとともに、溶着部の強度を強化させつつ、ガスバリア層のバリア効果を向上させることが可能になる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、加熱板にて加熱した樹脂シートの温度状態を保持しつつ樹脂シートを溶着させることができるとともに、成形工程にて溶着できることから中空形状の樹脂容器を成形する工程を簡素化可能な樹脂容器成形方法を提供することができる。
(1)樹脂容器成形装置の構成:
(2)樹脂容器成形装置の処理工程:
(3)変形例1:
(4)変形例2:
(5)変形例3:
(6)変形例4:
(7)まとめ:
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかる樹脂容器成形装置の概略構成を示した概略構成図である。同図において、樹脂容器成形装置10は、作業エリアW1と成形エリアW2と加熱エリアW3に分割されており、作業エリアW1にて作業者は樹脂シートの取り付け等の作業を行い、成形エリアW2には成形装置が配置され、加熱エリアW3には加熱装置が配置されている。ここで、成形エリアW2に配置される成形装置は、上方に凹部を下側に向けた上型20が設置される上テーブル21を備えるとともに、下方に凹部を上側に向けた下型30が設置される下テーブル31を備えている。
次に、上記のように構成された樹脂容器成形装置10の樹脂容器成形処理の処理工程について説明する。図2は、この処理工程における動作の流れを示した動作フローチャートである。また、図3は、この処理工程における各構成の動作内容を模式的に示した模式図である。
図において、先ず最初に作業者は、当該樹脂容器成形装置10の図示しない操作盤にて所定の操作を行い、加熱板50を作業エリアW1に移動させる(ステップS105)。そして、加熱板50が作業エリアW1に到着すると、真空タンク70を作動させる(ステップS110)。
上述した本実施形態ではステップS140にて上下型20,30に対して真空タンク70を作動させるとともに、加熱板50に対して圧空タンク80を作動させることによって、上下型20,30内に差圧を発生させ、樹脂シートS1,S2を成形する手法を採用したが、むろん、差圧を利用した成形方法はこれに限定されるものではなく、上下型20,30に対して真空タンク70のみを作動させることによって上下型20,30内に差圧を発生させ樹脂シートS1,S2を成形する手法であっても良い。また、加熱板50に対して圧空タンク80のみを作動させることによって上下型20,30内に差圧を発生させ樹脂シートS1,S2を成形する手法であっても良い。
上述した実施形態においては、成形時に上下型20,30の周縁部90と加熱板50とにより樹脂シートS1,S2を挟持して成形を行い、加熱板50を作業エリアW1に移動させ、樹脂シートS1,S2が所定の温度状態から冷却しないうちに、さらに上下型20,30を上下駆動させることによって、上下型20,30の周縁部90に沿って樹脂シートS1,S2を溶着した。かかる場合、上下型20,30の周縁部90が樹脂シートS1,S2に当接した際に、樹脂シートS1,S2の熱が上下型20,30に発散してしまうことがあり得る。そこで、図4に示すように、上下型20,30の周縁部90にヒータ100を収容したヒータ収容容器101を配設し、このヒータ100にて周縁部90を加熱し、同周縁部90を所定の温度に調整するようにしても良い。
樹脂シートS1,S2は、樹脂容器Pの内部から揮発性の気体(例えば、燃料用のガス)が外部に漏れることを防止するために、多層構造に形成されている場合がある。この多層は、例えばガスバリア層と呼ばれる。ここで、図6にこのガスバリア層の多層構造を有する樹脂シートS1,S2によって成形された樹脂容器Pの断面図を示す。同図において、樹脂シートS1は複数のガスバリア層B11を有し、樹脂シートS2は複数のガスバリア層B21を有している。ここで本実施形態ではガスバリア層B11,B21を2層で構成したが、むろんこれに限定されないことは言うまでもない。
溶着時に溶着部における樹脂シートS1,S2の不要部分(例えば、バリ部分)をトリミングすることができると、後工程でのトリミング工程を除くことができるため、樹脂容器Pの製造工程を簡素化することが可能となって好適である。ここで、上述したトリミングを実施可能な構成を図11に示す。同図においては、上型20の周縁部90に型の外周面に向かって刃が形成された刃型130を備えさせるとともに、下型30の周縁部90に型の外周面に向かって刃が形成された刃型131を備えさせ、片刃突き合わせ構造としている。そして、溶着時に上下型20,30を上下駆動させた際に、同時に刃型130,131によって樹脂シートS1,S2のバリ部分をトリミングする。
上述した実施形態においては、加熱板50の上下両面の表面に樹脂シートS1,S2を保持する手法として、真空タンク70にて発生させた真空を加熱板50の表面に貫通した表面孔を介して樹脂シートS1,S2に作用させ吸引保持した。むろん、樹脂シートS1,S2を加熱板50の上下両面の表面に保持する手法はこれに限定されるものではなく、図16に示すように加熱板50aの上下両面の周縁部(例えば四方周縁部)に保持ピン50a1を突設し、同保持ピン50a1に樹脂シートS1,S2を突き刺して保持するようにしても良い。このとき、周縁部に突設する保持ピン50a1は、上下型20,30が加熱板50aに対して略当接した際に干渉しない上下型20,30外側の所定位置に配設すれば良い。また、かかる変形例を採用した場合、上述したステップS150では、この保持ピン50a1の先端が樹脂シートS1,S2に干渉しないように上型20を若干上昇させるとともに、下型30を若干下降させれば良い。むろん、このように保持ピン50a1にて樹脂シートS1,S2を加熱板50aの上下両面の表面に保持するに際して、上述した真空による吸引保持を併用しても良い。このとき、樹脂シートS2を重力に対して保持しなければならない下面のみ保持ピン50a1による保持をサポートするため、真空による吸引保持を利用するようにしても良い。
このように、中空形状の樹脂容器Pを成形する場合に上下型20,30の周縁部にて樹脂シートS1,S2を溶着する際、樹脂シートS1,S2を加熱板50に加熱しつつ上下型20,30および加熱板50に真空あるいは圧空を作用させて成形を行い、成形後、加熱板50を成形エリアW2から作業エリアW1に移動させるとともに、さらに上下型20,30を上下駆動させることによって、樹脂シートS1,S2を所定の温度に保持しながら、溶着することができる。また、成形装置のインラインにて当該溶着を行うことができるため、中空形状の樹脂容器Pを成形する工程を簡素化することが可能になる。
20…上型
21…上テーブル
22…上型用シリンダ
30…下型
31…下テーブル
32…本体
33…下型用シリンダ
40…ボールネジ機構
41…サーボモータ
50…加熱板
60…上ヒータユニット
61…上ヒータ
62…下ヒータユニット
63…下ヒータ
70…真空タンク
80…圧空タンク
W1…作業エリア
W2…成形エリア
W3…加熱エリア
Claims (8)
- 二つの樹脂シートから中空形状の樹脂容器を成形する樹脂容器成形装置であって、
上下両面にて上記樹脂シートを保持しつつ加熱する加熱板と、
上下加熱部を有し、同上下加熱部にて上記加熱板の上下両面で保持された両樹脂シートの外側を加熱する樹脂シート加熱手段と、
凹部を相対面させて配置した上下駆動可能な上下型を有し、上記樹脂シート加熱手段にて両樹脂シートの外側を加熱された加熱板に対して同上下型を上下駆動し同上下型の周縁部と同加熱板とにより同両樹脂シートを挟持しつつ略密封状態の同上下型内で差圧を発生させて同両樹脂シートの上下型内周面に対する成形を実行する成形手段と、
上記成形手段での成形後に上記加熱板を上下型間から退避させ、さらに同上下型を同加熱板に対して上下駆動し同上下型の周縁部により同両樹脂シートを溶着させて中空形状の樹脂容器とする溶着手段とを具備することを特徴とする樹脂容器成形装置。 - 上記上下型は、上記周縁部を加熱する周縁部加熱手段を有することを特徴とする上記請求項1に記載の樹脂容器成形装置。
- 上記上下型の周縁部は、上記樹脂シートの挟持面に同周縁部に沿って同周縁部から外側に向けて立設し、同樹脂シートを挟持した時に当該樹脂シートの肉厚方向に噛み込む突起形状が形成されることを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の樹脂容器成形装置。
- 上記上下型の周縁部は、上記溶着手段にて上記上下型を上記加熱板に対して上下駆動させた際に、同上下型の周縁部間の樹脂シートを外周方向に引き出す樹脂シート引出手段を有することを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の樹脂容器成形装置。
- 上記上下型内に圧空を噴射する圧空噴射手段を有し、上記溶着手段は、上記溶着時に同圧空噴射手段に同上下型内に圧空を噴射させることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂容器成形装置。
- 上記上下型の周縁部は、上記樹脂シートの挟持面に同周縁部に沿って形成された刃型を有し、同刃型は、上記溶着手段にてさらに上下型を上下駆動された場合に相互に当接し、同樹脂シートを切断することを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の樹脂容器成形装置。
- 上記刃型は、内部に刃型加熱手段を有することを特徴とする上記請求項6に記載の樹脂容器成形装置。
- 二つの樹脂シートから中空形状の樹脂容器を成形する樹脂容器成形方法であって、
上下両面で上記樹脂シートを保持しつつ加熱する加熱板に対して、上下加熱部にて同加熱板の上下両面に保持された両樹脂シートの外側を加熱する樹脂シート加熱工程と、
上記樹脂シート加熱工程にて両樹脂シートの外側を加熱された加熱板に対して、凹部が相対面されて配置され上下駆動可能な上下型を上下駆動し同上下型の周縁部と同加熱板とにより同両樹脂シートを挟持しつつ略密封状態の同上下型内で差圧を発生させて同両樹脂シートの上下型内周面に対する成形を実行する成形工程と、
上記成形工程での成形後に上記加熱板を上下型間から退避させ、さらに同上下型を同加熱板に対して上下駆動し同上下型の周縁部により同両樹脂シートを溶着させて中空形状の樹脂容器とする溶着工程とを具備することを特徴とする樹脂容器成形方法。
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