JP4130722B2 - 水硬性無機質成形物の製造方法および装置 - Google Patents

水硬性無機質成形物の製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水硬性無機質成形物の製造方法および装置に関し、詳しくは、セメントや石膏などの水硬性無機質成形材料を所定の形状の成形し硬化させて、建材製品などを製造する方法と、この方法に用いる装置とを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
セメントなどの水硬性無機質成形材料を用いて、建築物の内外装材を製造することが行われている。例えば、セメント瓦などの製品が知られている。
水硬性無機質成形物を製造する方法として、水硬性無機質成形材料のスラリーを、一対の成形型の間に構成されるキャビィティに圧入し、キャビィティ内で水硬性無機質成形材料を脱水するとともに加圧し賦形することで、所望の立体形状を有する水硬性無機質成形物を得ている。水硬性無機質成形物は、必要に応じて、養生、乾燥、硬化、焼成などの工程を経て、最終製品となる。
【0003】
水硬性無機質成形物の製造においては、水硬性無機質成形材料に含まれる水分の除去すなわち脱水が重要である。成形型への圧入を容易にするには、水硬性無機質成形材料に多量の水分を配合して流動性を高めておくことが好ましい。しかし、所定形状の水硬性無機質成形物に賦形して十分な強度その他の特性を発揮させるには、水硬性無機質成形材料から余分の水分を除去する必要がある。
【0004】
例えば、特開昭55−126408号公報(先行技術1)には、雄型が前後進可能に嵌め込まれた型板を、水抜板が設けられた雌型に当接させて型閉めし、水硬性無機質成形材料を圧入したあと、雌型の水抜板から吸引して脱水し、その後で雄型を前進させて加圧および賦形・硬化を行う技術が示されている。
特開平1−51908号公報(先行技術2)には、成形型間に水硬性無機質成形材料を圧入したあと、片側の成形型側から真空吸引し、反対側の成形型に設けたラバープレス部材で押圧することにより、成形材料の脱水や賦形を効率的に行う技術が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行技術1では、雄型側に、雄型と型板とを別個に作動させるために2重の駆動系統が必要になり、成形装置が複雑になるという問題がある。
先行技術2では、弾力的に変形するラバープレス部材によって成形物の表面形状が決められるため、成形品の肉厚や表面形状が不均一あるいは不正確になり易いという問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、前記した水硬性無機質成形物の製造を能率的に行い、正確な形状の成形物を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる水硬性無機質成形物の製造方法は、開閉自在な一対の成形型間に構成されるキャビィティに水硬性無機質成形材料を圧入し、脱水および加圧賦形して水硬性無機質成形物を製造する方法であって、以下の工程を含む。
前記一対の成形型を型締め方向に移動させ、成形型の縁部同士が少なくとも一部に間隙をあけて嵌め合わされ、前記キャビィティの厚みが最終的に製造される水硬性無機質成形物の厚みよりも大きくなるように配置する工程(a) 。
【0008】
キャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料の水分を、キャビィティの内面に有する水抜孔から脱水する工程(c) 。
前記工程(c) を継続しながら、前記成形型をさらに型締め方向に移動させ、水硬性無機質成形材料の厚みが目的とする水硬性無機質成形物の厚みになるようにキャビィティを狭め、水硬性無機質成形材料を加圧し賦形して水硬性無機質成形物を得る工程(d) 。
【0009】
前記成形型を型開き方向に移動させ、成形型から水硬性無機質成形物を取り出す工程(e)。
前記工程 (b) から工程 (d) までの間に、前記縁部同士の間隙があいた状態から、この間隙がなくされた状態又はこの間隙が狭められた状態とする。
〔その他の製造方法〕
【0010】
前記間隙が、成形型同士の型締め方向における距離の変化に対応して変更されることができる。
前記間隙が、キャビィティに圧入された水硬性無機質材料の圧力の変化に対応して変更されることができる。
前記間隙をなくした段階で、前記間隙を挟む縁部の少なくとも一方を間隙を閉じる方向に押圧することができる。
【0011】
前記工程(b) でキャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料のうち、前記間隙からキャビィティの外にはみ出した水硬性無機質成形材料を切断して除去する工程(f) をさらに含むことができる。
前記工程(b) のあとで、前記圧入口に残留する水硬性無機質成形材料を排除する工程(g) をさらに含むことができる。
【0012】
前記工程(b)が、前記縁部の少なくとも一方に配置される圧接ブロックを、相手側の縁部に対して弾力的に当接してこの相手側の縁部との間に前記圧入口を構成し、工程(b)から工程(d)の間、前記圧接ブロックを相手側の縁部に常に当接させておくことができる。
【0013】
前記工程(b) でキャビィティに圧入される水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程(h) をさらに含み、前記工程(d) が、前記固形分割合によって成形型の型締め量を調整することができる。
前記工程(c) の前に、キャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程(i) をさらに含み、前記工程(d) が、前記圧入口に進退自在な閉鎖ピンを進出させて圧入口を塞ぐとともに、閉鎖ピンの進出量を前記固形分割合によって調整することができる。
【0014】
前記工程(c) が、脱水している水硬性無機質成形材料の固形分割合を継続的に測定し、固形分割合が所定値になった時点で脱水を終了させることができる。
前記工程(b) でキャビィティに圧入される水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程(h) をさらに含み、前記工程(d) が、測定された固形分割合にもとづいて、キャビィティに開口する調圧部でキャビィティ内の水硬性無機質成形材料に加わる圧力を調整することができる。
【0015】
前記工程(c) が、キャビィティを水抜孔から真空排気して脱水し、真空排気された空気を蓄圧しておき、前記工程(e) が、前記蓄圧された空気を、成形型と水硬性無機質成形物との間に吹き出して、水硬性無機質成形物を成形型から型外しすることができる。
〔水硬性無機質成形物の製造装置〕
前記製造方法には以下の製造装置が使用できる。
【0016】
少なくとも一方が型締め型開き方向に移動自在な一対の成形型と、前記成形型の対向面に構成されるキャビィティと、前記キャビィティの内面に開口し、前記水硬性無機質成形材料が供給される圧入口と、少なくとも一方の成形型の型面に開口して多数が配置された水抜孔と、前記水抜孔の表面を覆う濾布と、前記キャビィティの外側で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされる縁部と、一対の成形型の何れかの前記縁部に進退自在に配置され、縁部同士の間隙を調整する間隙調整部材とを備えることができる。
【0017】
前記キャビィティの外周で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされ、少なくとも一方が弾性体からなる縁部を備えることができる。
少なくとも一方の縁部に配置され、縁部の先端に向かって凹入された勾配部を備えることができる。
【0018】
前記縁部を構成し、前記工程(a) で嵌め合わされる第1縁部と、前記縁部を構成し、前記工程(a) では嵌め合わされず工程(d) で嵌め合わされ、前記間隙からキャビィティの外にはみ出した水硬性無機質成形材料を切断して除去する第2縁部を備えることができる。
前記圧入口に配置され、圧入口に進退自在で、圧入口に残留する水硬性無機質成形材料を排除する閉鎖ピンを備えることができる。
【0019】
前記縁部の少なくとも一方に配置され、前記工程(b) から工程(d) の何れの段階でも、相手側の縁部に対して弾力的に当接し、相手側の縁部との間に前記圧入口を構成する圧接ブロックを備えることができる。
前記圧入口を構成する圧接ブロックと相手側の縁部との何れか一方に、アンダーカット部とノッチ部とからなる水硬性無機質成形物の切断手段を備えることができる。
【0020】
前記キャビィティが、圧入口から縁部側に向かって厚みが大きくなる勾配を有することができる。
少なくとも一方の成形型が、相手側の成形型に対して平行な状態と傾斜した状態との間で移行自在な傾動手段を備えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔基本工程〕
図1に示す概略コ字形をなす枠状の役物瓦Mを、セメントを主成分とする水硬性無機質成形材料を用いて製造する方法を、図2〜図6に工程毎に段階的に示している。
【0022】
<成形装置>
図2に示すように、一対の成形型10、20のうち、上型10は上下に昇降自在に配置され、下型20は固定設置されている。上型10の下を向いた型面は上方側に凹んだ雌型になっており、下型20の上を向いた型面は上方側に突出する雄型になっている。
【0023】
上型10の型面には多数の通気孔12が開口しており、通気孔12は上型10の裏面空間で通気配管14に連通している。通気配管14にはポンプ15が設けられ、圧力空気の吹き出しおよび真空吸引の両方が可能になっている。
上型10の型面外周には圧入口16が開口している。圧入口16は、上型10の内部を空洞状に外側に延びており、上型10の外周で供給配管18に接続されている。供給配管18は、成形に用いる水硬性無機質成形材料を圧送供給することができる。
【0024】
下型20の型面には多数の水抜孔22が配置され、型面の裏側空間で水抜配管24に接続されている。水抜配管24にはポンプ15を備え、真空吸引によって脱水を行う。水抜孔22の表面には通水性および通気性を有する濾布26が張り詰められている。
上型10の型面の外周は中央側よりも下方に突出した縁部30となっており、下型20の型面の外周は中央側よりも凹んだ縁部40となっており、上型10と下型20とを型締めしたときに、上型縁部30の内周と下型縁部40の外周とが互いに対面した状態で嵌め合わされる。
【0025】
図2(b) (c) に示すように、上型縁部30と下型縁部40とが対面する個所において、下型縁部40には位置決めブロック50が突出して配置されており、上型縁部30には位置決めブロック50が嵌合する嵌合穴52が設けられている。型締め時に、位置決めブロック50と嵌合穴52とが嵌合することで、上型10と下型20とが確実に位置決めされる。
【0026】
上記のような構造を有する成形装置を用いて、水硬性無機質成形物を製造する方法を工程順に説明する。
<材料圧入>
図2に示す型開き状態から、上型10を下降させる。
図3に示すように、上型縁部30が下型縁部40の外周に嵌め込まれる。上型10の型面と下型20の型面との間には成形用の空間すなわちキャビィティCが構成される。
【0027】
上型縁部30と下型縁部40との間には、成形材料Sが漏れない程度の部分的な隙間があいていても構わない。図3(c) に示すように、位置決めブロック50も嵌合穴52には嵌入していない。
上型10と下型20の具体的な間隔寸法は、最終的に製造する成形物Mの厚みに、加圧・賦形工程における圧縮分を加えた寸法に設定される。
【0028】
この状態で、供給配管18から圧入口16を経てキャビィティCに、セメント等を水に分散させたスラリー状の水硬性無機質成形材料Sを圧入する。
上型10と下型20とが完全に型締めされておらず、キャビィティCの隙間が広いので、成形材料Sの圧入はスムーズかつ迅速に行われ、キャビィティCの隅々まで確実に行き渡る。
【0029】
<脱水>
図4に示すように、成形材料Sの圧入後、あるいは、圧入途中から、下型20の水抜配管24から吸引することで、水抜孔22および濾布26を介して、キャビィティC内の水硬性無機質成形材料Sから水分を抜き取る。
成形材料Sの圧入が完了して脱水を開始する前、あるいは、脱水開始と同時、さらには、脱水が進行している途中の何れかの段階で、上型10をさらに下降させる。上型10の下降によるキャビィティCの容積減少と成形材料Sからの脱水による容積減少とを同時に進行させることができる。
【0030】
位置決めブロック50せ嵌合穴52に嵌合されて、上型10と下型20とが完全に位置決めされた状態になる。
この状態で、キャビィティCの形状は、前記した成形物Mの形状にほぼ対応する形状になる。
<加圧・賦形>
脱水を継続しながら、上型10を下型20側に加圧すると、キャビィティCに圧入された成形材料Sが固く締め付けられて、目的とする成形物Mの形状が賦形される。成形材料Sが加圧によって圧縮されることで、強度や耐久性などの特性が十分なものとなる。脱水された成形材料Sは経時的に水硬性が発揮されて硬化する。
【0031】
<型開き>
脱水および加圧による賦形が十分に行われ、成形物Mが形成されれば、図5に示すように、上型10による加圧を解除し、上型10を上方に復帰させて型開きを行う。下型20の水抜孔22による脱水は終了させておく。
型開きを行う際には、上型10の通気配管14から真空吸引し、通気孔12を介して成形物Mを吸着保持する。その結果、上型10の上昇とともに成形物Mは下型20の型面から容易に取り外される。
【0032】
<型外し>
図6に示すように、上型10の通気配管14の真空吸引を止め、逆に圧力空気を供給する。圧力空気は、通気孔12から成形物Mに吹き付けられて、成形物Mを上型10から脱落する。上型10から脱落した成形物Mは、手作業あるいは適宜の回収機構を用いて成形型10、20の間から取り出す。
【0033】
取り出された成形物Mは、必要に応じて、養生や乾燥などの工程が行われて、最終製品となる。
〔間隙の変更〕
図7に示す実施形態は、成形材料の圧入工程で縁部同士の間隙を変更する。
図7(a) は、前記図3に示した成形材料の圧入工程における縁部の構造を示している。上型縁部30には、先端からキャビィティCおよび下型縁部40の対向面側に向かって進退自在な間隙調整部材34が配置されている。間隙調整部材34は、上型縁部30の外側に取り付けられたアクチュエータ32によって進退駆動される。アクチュエータ32は、シリンダやモータで駆動される。下型縁部40の上端は間隙調整部材34の途中位置に配置されている。
【0034】
上型縁部30が下型縁部40の外側に嵌め合わされた状態で、間隙調整部材34は、その先端面が上型縁部30の内周側面と同一面に配置されている。間隙調整部材34の先端面が下型縁部40の外周面に当接する。間隙調整部材34の上側部分は、下型縁部40よりも上方のキャビィティCに配置されるので、下型縁部40には当接せず、隙間があいている。
【0035】
この状態で、キャビィティCに成形材料Sが圧入されると、成形材料SはキャビィティCの外周部分に移動してくる。但し、間隙調整部材34と下型縁部40とが当接していると、成形材料Sが浸入していく狭い空間が密閉されていて、空気などの逃げ場がないので、キャビィティCの隅まで成形材料Sが行き渡り難くなる。
【0036】
図7(b) に示すように、間隙調整部材34を退出させると、間隙調整部材34の先端と下型縁部40の外周側面との間に間隙δがあく。この間隙δは空気などの逃げ道になるので、キャビィティCの外周部分に浸入してきた成形材料Sは、キャビィティCの隅までスムーズかつ確実に行き渡り、成形材料Sの圧入が完了する。
【0037】
図7(c) に示すように、成形材料Sの圧入が完了したあと、間隙調整部材34を元の位置まで進出させて、下型縁部40の外周側面に当接させ、間隙δをなくす。
この状態で、上型10をさらに下降させて、脱水から加圧および賦形の各工程を行い、成形物Mを得る。上型10が下降した状態では、下型縁部40の上端が間隙調整部材34の上端あるいは上型縁部30の位置に配置されるので、加圧工程で間隙調整部材34のところから圧力や成形材料Sが漏れ出る心配はない。成形物Mの外周縁形状は、上型縁部30の内周面と下型縁部40の外周面とで厳密に規定されるので、外周縁にバリが発生することが防止される。
【0038】
〔間隙の制御〕
図8〜図10に示す実施形態は、前記した間隙調整部材34の動作を適切に制御する。
図8(a) (b) に示すように、成形装置の基本構造および間隙調整部材34に関する構成は、前記図7の実施形態と共通している。図8(a) に示すように、マイクロコンピュータなどの演算機構を備えた制御装置60を用いて成形装置の動作を制御する。図8(b) において、間隙調整部材34の先端面と下型縁部20の外周側面との間の間隙をδで示し、上型縁部30の下端面と下型縁部40の上端面との間の間隔をLで示す。この間隔Lは、型締めストローク値と呼ぶ。
【0039】
図8(a) に示すように、上型10の昇降位置に関する情報すなわち型締めストローク値Lを制御装置60に入力する。制御装置60では、予め型締めストローク値Lと間隙δとの関係について設定された基準データと、前記型締めストローク値Lとを比較演算して、適切な間隙値δを求める。この適切な間隙値δにもとづいて、間隙調整部材34を駆動するアクチュエータ32に指令を出す。
【0040】
図9は、型締めストローク値Lと間隙δの関係を示し、矢印で示す順番に制御が進行する。図10は、図9の各段階に対応する縁部付近の動作状態を示す。
図10(a) の段階、すなわち、上型縁部30と下型縁部40とが嵌め合わされて成形材料Sの圧入が開始された初期の段階では、間隙δは比較的に広いδ2 であり、成形材料Sの圧入に伴って押し出される空気などの逃げ道を広く確保している。型締めストローク値Lは徐々に狭くなってL2 になる。成形材料SはキャビィティC内を縁部側へと移動してくる。
【0041】
図10(b) の段階では、間隙調整部材34を少し前進させて間隙δが少し狭いδ1 になる。型締めストローク値Lはさらに狭くなり、最終的にはL1 になる。成形材料Sは、下型縁部40の上端位置まで入り込んでくる。
図10(c) の段階では、間隙調整部材34をさらに前進させて間隙δを0にする。上型10はさらに下降し、型締めストローク値Lも最小値L0 になり、型締めが完了した状態である。
【0042】
この状態で、加圧および賦形が行われ、成形物Mが得られる。その後、型開きが行われる。間隙調整部材34は退出し、間隙δは大きくなり、型締めストローク値Lも大きくなる。
上記動作において、各段階における間隙δと型締めストローク値Lとの相関関係を、制御装置60に予め設定された基準データにもとづいて経時的に演算し、間隙調整部材34の動作指令を出す。
【0043】
上記実施形態において、間隙調整部材34の動作制御を、制御装置60を用いずに、適宜個所に配置されたリミットスイッチによって行うことができる。具体的には、上型10の下降に伴ってリミットスイッチが作動し、アクチュエータ32が進退するようにしておけばよい。
上記実施形態では、上型10の下降状態すなわち型締めストローク値Lに合わせて、間隙δを適切な値に調整あるいは設定することができる。間隙調整が簡単で、しかも、繰り返し再現性良く調整できる。その結果、水硬性無機質成形物Mの製造を、良好にかつ安定的に生産することができる。
【0044】
〔圧力による間隙制御〕
図11および図12に示す実施形態は、間隙δの調整をキャビィティC内の成形材料Sの圧力にもとづいて行う。
図11に示すように、成形装置の基本構造は前記図8の実施形態と共通している。下型20の型面に圧力センサ62が設けられている。制御装置60では、圧力センサ62で得られた成形材料Sの圧力値pが入力され、予め設定されている型内圧と間隙との関係を規定する基準データと比較演算され、その結果にもとづいて、間隙δを調整する指令をアクチュエータ32に対して出す。
【0045】
図12は、型締めストローク値Lと間隙δの関係を示し、矢印で示す順番に制御が進行する。
上型縁部30が下型縁部40に嵌め合わされ成形材料Sの圧入を開始した初期段階では、間隙δは比較的に広いδ2 である。成形材料Sの圧入に伴って型内圧pは大きくなる。型内圧p1 になると、間隙調整部材34を前進させて、間隙δを間隙δ1 まで狭める。この状態で、さらに成形材料Sの圧入後期段階が進行する。
【0046】
成形材料Sの圧入が終了し、型内圧pがp2 になると、間隙調整部材34をさらに前進させて間隙δを0にする。この状態で、加圧および賦形が行われる。
加圧および賦形が終了すれば、間隙調整部材34を後退させて間隙δを拡げるとともに、型開きを行い、製造された成形物Mを取り出す。
上記実施形態では、キャビィティCに圧入された成形材料Sの水分含有率その他の材料特性のばらつきや、圧入量のばらつきなどを原因とする成形物Mの品質性能のばらつきを解消することができる。型内圧pは、成形性能に極めて大きな影響を与えるため、この型内圧pにもとづいて、各工程段階における間隙δを適切に設定することで、成形品Mの品質性能を安定させることができる。
【0047】
〔間隙調整部材による押圧〕
図13および図14に示す実施形態は、間隙調整部材34を下型縁部20側に押圧する。
図13に示すように、成形装置の基本構造は前記図11の実施形態と共通している。制御装置60では、圧力センサ62で得られた成形材料Sの圧力値pが入力され、予め設定されている型内圧pと押圧力Fとの関係を規定する基準データと比較演算され、その結果にもとづいて、押圧力Fを調整する指令をアクチュエータ32に対して出す。
【0048】
図13(b) に示すように、間隙調整部材34を下型縁部20の外周側面まで進出させた状態で、キャビィティC内の成形材料Sは、間隙調整部材34と下型縁部20との間から外部に漏れ出ようとする。間隙調整部材34は、成形材料Sの圧力すなわち型内圧pで無理矢理に押し開かれることになる。この型内圧pに対向するために、間隙調整部材34を押圧力Fで下型縁部20側に押圧しておく。
【0049】
図14は、押圧力Fと型内圧pの関係を示し、矢印で示す順番に制御が進行する。
型内圧pがp1 のとき、F<F1 であると、型内圧pに押圧力Fが負けて間隙δが生じてしまう。F≧F1 であれば間隙δは生じない。しかし、F>F1 の場合は、押圧力Fが大きすぎるために加圧賦形時に下型縁部40にかじりが生じてしまう。したがって、F=F1 に設定すれば、間隙δは生じず、下型縁部40のかじりも生じないないので最適となる。実用上は、上記のような問題が十分に小さくなるF≒F1 でもよい。
【0050】
〔切断刃〕
図15に示す実施形態は、縁部に切断機能を備えている。
図15(a) に示すように、上型縁部30の下端付近に段差を設けて、第1縁部36と第2縁部38とを配置している。下型縁部40の上端付近にも段差を設けて、上型縁部30の第1縁部36および第2縁部38にそれぞれ対応する第1縁部46と第2縁部48とを配置している。
【0051】
上型縁部30と下型縁部40とを嵌め合わせて成形材料Sの圧入を行う際は、上型縁部30の先端側の第1縁部36が、下型縁部40の第1縁部46に当接した状態になる。第3縁部38、48同士の間には少し隙間があいている。
したがって、成形材料Sの圧入に伴って押し出される空気等は、第2縁部38、48の空間に入り込むことができる。成形材料Sの一部も第2縁部38、48の空間まで到達する。これによって、キャビィティCの外周縁まで確実に成形材料Sを行き渡らせることができる。但し、第1縁部36、46は閉じられているので、成形材料Sが成形型10、20の外に漏れることはない。
【0052】
図15(b) に示すように、成形材料Sの圧入後に加圧および賦形を行う段階では、上型10が下降してくる。上型縁部30の第2縁部38が、下型縁部40の第2縁部48の外周側面に当接する。第2縁部38、48よりも上方のキャビィティCの形状に対応する成形物Mが成形されることになる。そのため、第2縁部38、48の間の空間まで浸入していた成形材料Sによって成形物Mの外周端に付随形成される余剰部M0 は、第2縁部38、48の当接によって剪断され、第2縁部38、28と第1縁部36、46との間の隙間に収容される。
【0053】
成形型10、20を型開きして成形物Mを取り出し、余剰部M0 は廃棄することになる。成形物Mは、外周端部が正確に断ち切られた状態になり、バリの発生が防止できる。
上記動作において、第2縁部38、48は、いわゆる押し切り切断を行う切断刃として機能する。そこで、第2縁部38の内周側面と下端面とで構成される刃部の角度θが、切断刃としての機能に影響を与える。通常は、刃部角度θ=30〜90°に設定する。
【0054】
上記実施形態では、成形物Mの製造と同時にバリ除去を果たすことができ、成形物Mの品質向上および作業工程の能率化を図ることができる。
〔圧入口の材料除去〕
図16に示す実施形態は、圧入口16に成形材料Sが残留する問題を解消する。
【0055】
図16(a) に示すように、圧入口16とそれにつづく供給配管18の間に、閉鎖装置70を装着する。閉鎖装置70は、シリンダ機構などからなるアクチュエータ74で進退させられる閉鎖ピン72を備えている。閉鎖ピン72は、供給配管18の途中から圧入口16へと進出する。
キャビィティCに成形材料Sを圧入する際には、閉鎖ピン72は後退させておき、供給配管18から圧入口16を経てキャビィティC内に成形材料Sを圧入する。
【0056】
図16(b) に示すように、キャビィティCに圧入された成形材料Sを加圧・賦形する工程では、閉鎖ピン72を進出させて圧入口16を塞いでしまう。閉鎖ピン72の先端は圧入口16がキャビィティCに開口している位置に配置され、周囲の型面と同一面を構成する。閉鎖ピン72の進出は、加圧工程の開始前、開始と同時、開始後完了までの何れの段階で行ってもよい。
【0057】
このようにして成形された成形物Mは、外周面に圧入口16の形状に対応する凹凸形状が存在せず、滑らかな外周面を有するものとなる。従来行われていた、圧入口16の形状に対応する突起を削除する仕上げ加工が不要になる。
なお、キャビィティCに成形材料Sを圧入したあとで、閉鎖ピン72を圧入口16に進出させると、成形材料Sが存在していた空間容積が、閉鎖ピン72が進出した体積分だけ狭くなる。その結果、成形材料Sが圧縮されることになる。このことは、加圧工程における成形材料Sの圧縮量を、閉鎖ピン72の進出によって調整することが可能であることを意味する。
【0058】
〔開放可能な圧入口〕
図17に示す実施形態は、圧入口が開放可能に構成されている。
図17(a) に示すように、上型10の縁部30の下端面に凹部80を設け、凹部80の中央に型外から型内へと通じる断面半円形の圧入溝82を有している。
下型20の縁部40には、上型10の凹部80に対応する先端形状を有する圧接ブロック84が、上下動可能に取り付けられている。圧接ブロック84は、下部に取り付けられたバネ88によって弾力的に上方側に付勢されている。圧接ブロック84の上端面には、上型10の圧入溝82に対応する断面半円形の圧入溝86が形成されている。
【0059】
図17(b) に示すように、上型10を下型20の上に下降させて、縁部30、49を嵌め合わせると、上型10の凹部80に下型20の圧接ブロック84が嵌入する。圧接ブロック84が弾力的に上下移動することで、凹部80に対して圧接ブロック84が密着した状態になる。
上下の圧入溝82、86が合体して断面円形状の孔が、成形型の外部からキャビィティCまで連通する。この圧入溝82、86が合体した孔を、前記各実施形態における圧入口16として利用する。具体的には、成形型の外面に供給配管18を接続して、成形材料Sを圧入すればよい。
【0060】
図17(c) に示すように、キャビィティCに圧入された成形材料Sを加圧および賦形して成形物Mを得る工程では、上型10が圧入工程よりもさらに下降してくる。しかし、上型10の凹部80が下降してくるのに合わせて下型20の圧接ブロック84が弾力的に下降するので、上型10の下降の邪魔になることはない。圧入溝82、86による圧入口16も維持されたままになる。
【0061】
成形物Mが成形されたあと、型開きを行えば、図17(a) の状態に戻る。この状態では、上型10の圧入溝82および下型20の圧入溝86が露出しているので、付着した成形材料Sや成形物Mの残渣などを取り除く作業が行い易い。
前記した実施形態において、製造工程中に型締めストロークLを複数段階で変更する場合でも、型締めストロークLの変更に関わらず、圧接ブロック82の弾力的な移動によって、凹部80と圧接ブロック82とで構成される圧入口16は適切な状態に維持され、成形材料Sが漏れ出したりすることが防げる。型締め動作に対して大きな抵抗を生じることもない。
【0062】
〔固形分割合と圧縮代〕
図18に示す実施形態は、成形材料Sの固形分割合に合わせて加圧時の圧縮代を調整する。
図18(a) に示すように、成形型に成形材料Sを圧入する供給配管18に、供給配管18を通過する成形材料S中の固形分割合を検知する固形分センサ64を備えている。固形分センサ64の検知機構としては、固形分割合の変化によって変動する各種特性を検知するものが使用できる。具体的には、超音波、レーザー、pH値、電気抵抗、圧力などの変化を検知するセンサが使用できる。
【0063】
固形分センサ64の検知情報は制御装置60に伝達される。制御装置60は、成形材料Sの固形分割合に応じて、上型10の下降動作を制御する。より具体的には、上型10と下型20との型締めストロークLを調整する。
成形材料Sの圧入工程では、供給配管18から圧入口16を経てキャビィティCへと成形材料Sを圧入する。この段階では、上型10と下型20とは比較的に大きな型締めストローク値Lに配置されている。このとき、供給配管18を通過する成形材料Sの固形分割合を固形分センサ64で検知し、制御装置60に記憶させておく。
【0064】
図18(b) に示すように、成形材料Sの圧入が終了し、上型10をさらに下降させて加圧・賦形工程を行う際に、制御装置60で演算された適切な圧縮代に合わせて上型10の下降量あるいは型締めストローク値Lを調整する。
具体的には、成形材料Sの固形分割合が多い(水分が少ない)場合には、上型10の下降量を少なくして、圧縮代を小さくする。この場合、成形材料Sからの脱水は少なくなる。逆に、成形材料Sの固形分割合が少ない(水分が多い)場合には、上型10の下降量を多くして、圧縮代を大きくする。この場合は、成形材料Sからの脱水が多くなる。その結果、圧入された成形材料Sの固形分割合の違いに関わらず、賦形される成形物Mに含まれる水分量は成形物Mの性能や機能に取って適切な一定の値になる。成形物Mの強度は一定になり、安定した品質性能の成形物Mが得られる。
【0065】
〔閉鎖ピンのストローク調整〕
図19に示す実施形態は、図18の実施形態で使用した固形分センサ64を用いて、図16の実施形態で使用している閉鎖装置70の動作を制御する。
図19(a) に示すように、圧入口16には供給配管18が接続され、供給配管18の途中には閉鎖装置70が取り付けられている。閉鎖装置70の取付位置よりも上流側の供給配管18には固形分センサ64が取り付けられている。
【0066】
成形材料Sの圧入工程では、閉鎖装置70の閉鎖ピン72は後退させておき、供給配管18から圧入口16を経てキャビィティCに成形材料Sを圧入する。このとき、供給配管18を通過する成形材料Sの固形分割合を固形分センサ64で検知し、制御装置60に伝達しておく。
図19(b) または図19(c) に示すように、キャビィティCに成形材料Sを圧入したあと、上型10を下降させて加圧および賦形を行う際に、閉鎖装置70の閉鎖ピン72を進出させて、圧入口16の少なくとも一部を閉鎖する。圧入口16に存在していた成形材料Sは、キャビィティC側に押し込められて、キャビィティC内の成形材料Sの圧縮代を増やすことになる。
【0067】
成形材料Sの固形分割合が多いときには、閉鎖ピン72の進出量を少なくし、成形材料Sの圧縮代を少なくする〔図19(b) 〕。成形材料Sの固形分割合が少ないときには、閉鎖ピン72の進出量を多くし、成形材料Sの圧縮代を大きくする〔図19(c) 〕。
その結果、製造される成形物Mは、密度のばらつきがなく、特性や機能のばらつきも少ない、品質性能の安定した均一な強度の成形物Mとなる。
【0068】
〔キャビィティ内の固形分割合〕
図20に示す実施形態は、キャビィティC内に圧入された成形材料Sの固形分割合を測定する。
図20(a) に示すように、上型10の型面に固形分センサ64が取り付けられている。固形分センサ64の検知情報は、図示しない制御装置に送られる。制御装置は、脱水工程や加圧・賦形工程の作動を制御する。
【0069】
成形材料Sの圧入工程では、供給配管18から圧入口16を経てキャビィティCに成形材料Sを圧入する。キャビィティC内における成形材料Sの圧力が固形分センサ64で検知される。
図20(b) に示すように、上型10を下降させて加圧および賦形を行うと同時に、上型10の通気孔12および下型20の水抜孔22から脱気および脱水を行う際にも、固形分センサ64による成形材料Sの固形分割合の検知を継続して行う。
【0070】
成形材料Sが加圧され脱水されるにつれて、固形分割合は増加していく。固形分割合が所定の値になった時点で、通気孔12および水抜孔22からの脱気および脱水を停止させる。加圧を終了し、型開きを行って、成形された成形物Mを取り出す。その結果、過剰な脱水を行うことがなく、固形分割合が一定で、寸法精度が良く、材料密度が均一な成形物Mが得られる。このような成形物Mは、強度が向上し品質性能が安定したものとなる。
【0071】
〔成形材料の調圧〕
図21に示す実施形態は、キャビィティC内における成形材料Sの圧力を調整する。
図21(a) に示すように、圧入口16に接続された供給配管18に固形分センサ64を備えておく。圧入口16の反対側になるキャビィティCの外周には、上型10に調圧装置90が取り付けられている。
【0072】
調圧装置90は、アクチュエータ94で作動する調圧軸92がキャビィティC側に向かって進退する。調圧装置90の作動は、固形分センサ64で得られた成形材料Sの固形分割合の情報にもとづいて制御される。
図21(a) に示す成形材料Sの圧入工程では、調圧装置90の調圧軸92は退出させておく。供給配管18から圧入口16を経てキャビィティC内に成形材料Sを圧入する。このとき、供給配管18を通過する成形材料Sの固形分割合を固形分センサ64で測定しておく。
【0073】
図21(b) (c) に示すように、圧入工程のあと加圧および賦形を行うときに、成形材料Sの固形分割合にもとづいて、調圧装置90における調圧軸92の進退量を調整する。具体的には、成形材料Sの固形分割合が多い場合は、調圧軸92の進出量を少なくする〔図21(b) 〕。この場合、成形材料Sの圧縮代が小さくなる。成形材料Sの固形分割合が少ない場合は、調圧軸92の進出量を多くする〔図21(c) 〕。この場合、成形材料Sの圧縮代は大きくなる。
【0074】
その結果、得られる成形物Mは、材料密度が適切で、強度などの特性に優れ、品質性能の安定したものとなる。
〔排気の蓄圧〕
図22に示す実施形態は、脱水の際に真空排気された排気を蓄圧しておき、成形物Mの型外し時に利用する。
【0075】
図22(a) に示すように、上型10の通気配管14と下型20の水抜配管24とがループ状に連結されている。連結された配管経路の途中には、上型10側から順番に、圧力バルブ102、エアータンク104、ボールバルブ106、トラップ108、真空ポンプ110およびトラップ112が装備されている。このうち、トラップ108、112は、フィルターに置き換えることもできる。
【0076】
図22(b) に示す脱水および加圧工程では、真空ポンプ110を作動させて、下型20の水抜孔22から脱水を行う。下型20から水抜配管24に排出された水分および排気は、まず、トラップ112で水分が除去される。真空ポンプ110からエアータンク104に送られた排気は、エアータンク104に蓄えられる。このとき、圧力バルブ102によって、エアータンク104に蓄えられた排気が上型10側に送られるのを防止する。また、ボールバルブ106が取り付けられているので、エアータンク104の排気が、水抜配管24側に戻ることはない。
【0077】
図22(c) に示すように、脱水および加圧工程が完了し、成形物Mが得られれば、上型10を上昇させて型開きを行う。この段階では、真空ポンプ110の作動は停止させておく。成形物Mは、上型10に固着した状態で上方に持ち上げられる。
図22(d) に示すように、圧力バルブ102を開くと、エアータンク104に蓄えられた排気が圧力空気として通気配管14に送りだされ、上型10の通気孔12から吹き出す。この圧力空気の吹き出しによって、上型10の型面から成形物Mが分離されて型外しが行われる。
【0078】
上記した型外し作業の際には、真空ポンプ110を作動させる必要がない。型外しのために別のポンプ手段や圧力空気の供給手段を備えておかなくてもよい。
したがって、型外しに要する装置が簡略化でき、型外し作業に必要な電力などの稼動エネルギーも削減される。
〔弾性体ブロック〕
図23に示す実施形態では、一方の縁部に相手側の縁部に当接する弾性体ブロックを配置しておく。
【0079】
図23(a) に示すように、上型縁部30の内周側面と下端面との角部に、ゴムなどの弾性体からなる弾性体ブロック39を装着している。弾性体ブロック39の先端角部は丸められている。弾性体ブロック39は、上型縁部30の内周側面よりも内側に突出している。下型縁部20の外周側面と弾性体ブロック39の内周側面との間の距離tを適宜に設定しておく。
【0080】
図23(b) に示すように、成形材料Sの圧入工程で上型10を下降させていくと、最初に弾性体ブロック39が下型縁部40に当接する。弾性体ブロック39は弾力的に変形し、下型縁部40の外周側面に密着して圧接された状態になる。前記した距離tが、弾性体ブロック39の変形量あるいは下型縁部40に対する圧接力を決める。
【0081】
金属などの剛性体からなる上型縁部30が下端角部が、直接に下型縁部40 の上端角部と接触したり食い込んだりした場合には、いわゆるカジリと呼ばれる現象が生じて、上型縁部30および下型縁部40が損傷するが、弾性体ブロック39が存在することで、カジリ現象を避けることができる。しかも、弾性体ブロック39は下型縁部40に対して密着して圧接されているので、成形材料Sの漏れを確実に防止することができる。
【0082】
図23(c) に示すように、上型10をさらに下降させて加圧および賦形工程を行う際にも、弾性体ブロック39は下型縁部40の外周側面に沿って摺動し、弾力的に下型縁部40に当接する。これによって、加圧時における成形材料Sの漏れも確実に防ぐことができる。
〔縁部の勾配〕
図24に示す実施形態は、縁部の先端に勾配を付けておく。
【0083】
図24(a) に示すように、上型縁部30の内周側の先端角部が、先端側に向けて凹んだ勾配部37になっている。
成形材料Sの圧入工程では、上型縁部30の勾配部37が、下型縁部40の外周側面上端付近に配置される。下型縁部40の外周側面と勾配部37との間には、比較的に大きな間隙δ1 があいている。その結果、キャビィティCに圧入された成形材料Sは、キャビィティCの外周部分まで迅速かつスムーズに行き渡ることになる。
【0084】
図24(b) に示すように、上型10を下降させて、加圧および賦形工程を行う際には、勾配部37よりも上方の上型縁部30の内周側面が下型縁部40の外周側面と対面することになる。両者の間には間隙δ2 があいている。この間隙δ2 は、前記圧入工程での間隙δ1 よりもかなり狭くなっている。その結果、加圧によって成形材料Sあるいは成形物Mの一部が成形型の外に漏れるのを防止することができる。なお、圧入工程から加圧工程に移り加圧工程が進行するのに伴って、下型縁部40に対面する勾配部37の位置が変わるので、間隙δ1 から間隙δ2 へと徐々に間隙が狭くなっていく。
【0085】
上記実施形態において、勾配部37の勾配や長さを変更すれば、圧入工程での間隙δ1 と加圧工程での間隙δ2 を調整することができる。
〔切除機能付きの圧接ブロック〕
図25および図26に示す実施形態は、前記図17に示した実施形態の圧接ブロック84に成形物Mの余剰部を切除する機能を持たせている。
【0086】
図25(a) (b) に示すように、上型10には凹部80と圧入溝82を有し、下型20には、バネ88によって弾力的に上下動する圧接ブロック84を備えている。圧接ブロック84の上面には上型10の圧入溝82と対になる圧入溝86が形成されている。
さらに、圧接ブロック84の圧入溝86には、内周側の先端に鋭く上方に突出するノッチ部89を備え、ノッチ89部よりも外側で少し離れた位置にはアンダーカット部87を備えている。アンダーカット部87は断面がV字状をなして圧入溝86を横断している。
【0087】
図26(a) に示すように、上型10を下降させ、上下の圧入溝82、86を一体化させた状態で圧入溝82、86で構成される圧入口からキャビィティCへ成形材料Sの圧入工程を行ったあと、上型10をさらに下降させて、加圧および賦形を行って成形物Mを製造する。この間、上型10の下降位置に関わらず、圧接ブロック84は凹部82に押しつけられていて、圧入口の形状を維持し、圧接ブロック84と凹部82との間から成形材料などが漏れるのを防ぐ。
【0088】
圧接ブロック84の圧入溝86にはノッチ部89およびアンダーカット部87を有するが、圧入工程では、成形材料Sが上型10側の圧入溝82を主に通過することでキャビィティCへの圧入が行われる。成形材料Sの一部は、圧入口である圧入溝82、86の内部まで配置され、加圧および賦形されて固化する。但し、下側の圧入溝86ではノッチ部89およびアンダーカット部87の形状に沿った形で成形材料Sが存在し固化することになる。
【0089】
図26(b) に示すように、成形物Mが得られたあと、上型10を上昇させて型開きを行うと、成形物Mは上型10とともに上方に持ち上げられる。しかし、キャビィティCの外周縁よりも外側の圧入溝82、86の内部で形成された成形物の余剰部M1 は、アンダーカット部87がクサビ状に食い込んだ状態になっているので、圧接ブロック84すなわち下型20側に固定されたままになる。そして、余剰部M1 と成形物Mの境界にはノッチ部89によって形成された脆弱なクビレがあるので、上型10に付いて上昇する成形物Mと下型20に固定されたままの余剰部M1 とは、ノッチ部89の個所で破断し互いに分離される。
【0090】
その結果、成形物Mの外周には、バリのない正確な外周縁形状が形成されることになる。成形物Mに圧入口の形状に対応する余剰部が付随したままにならないので、後工程として余剰部の切除工程を特別に実行する手間がかからない。
〔キャビィティの勾配〕
図27に示す実施形態は、キャビィティに勾配を付けることで、成形材料Sの圧入を良好にする。
【0091】
図27(a) に示すように、上型10と下型20の間にキャビィティCが構成されている。上型10および下型20の外周には互いに嵌め合わされる上型縁部30および下型縁部40が設けられている。上型10の中央上部に成形材料Sの圧入口16が配置されている。
上型10の型面およひ下型20の型面の何れも、中央から外周に向かって低くなる勾配が付けられている。但し、上型10の型面に有する勾配よりも下型20の型面に有する勾配のほうが強い勾配になっている。その結果、キャビィティCの形状は、全体が中央から外周に向かって低くなるテーパー状をなすとともに、上下方向の空間高さすなわち隙間は、中央側が狭く外周側が広くなっている。
【0092】
圧入口16からキャビィティCに成形材料Sを圧入すると、成形材料Sは中央から外周に向かって流れ込む。
図27(a) から図27(c) へと、上型10が下降していき、圧入工程から加圧工程へと進んでいく。このとき、キャビィティCの隙間は徐々に低くなっていくが、中央よりも外周のほうが比較的に隙間が広いので、成形材料Sは中央から外周へと押し出されるようにして移動していく。その結果、成形材料Sの圧入がスムーズに行われ、圧入工程が迅速に行われる。また、キャビィティCの外周で隙間が広いので外周まで確実に成形材料Sが行き渡ることになる。
〔成形型の傾動〕
図28に示す実施形態は、成形型を傾動させて成形材料Sの圧入を良好にする。
【0093】
図28(a) に示すように、上型10と下型20の間にキャビィティCが構成される。キャビィティCの外周では、上型縁部10と下型縁部20が嵌め合わされる。上型10の外周には成形材料Sの圧入口16が配置されている。
上型10の上部には、傾動部120を備えている。傾動部120の外周のうち、上型10に圧入口16が配置された側の一端近くには上下方向に延びる長孔126を有し、他端近くには水平方向に延びる長孔124を有している。上型10の上部に固定された支持ガイド122、128がそれぞれ長孔124、126に嵌入していて、上型10は傾動部120に支持された状態になっている。
【0094】
傾動部120のうち、上下方向に延びる長孔126の少し内側位置には、傾動部120から下方に向かって進退自在な押動部材130を備えている。押動部材130は、図示しないがシリンダ機構やモータなどの駆動機構によって作動させられる。
押動部材130の先端は、上型10の上面に当接しており、押動部材130で上型10を下方に押し動かす。押動部材130に近い上型10の外周端部では、傾動部120の垂直長孔126に対して上型10の支持ガイド128が上下方向に移動可能になっているので、押動部材130で押された上型10は下方に移動する。但し、押動部材130から離れた上型10の外周端部では、傾動部120の水平長孔122に上型10の支持ガイド122が嵌合しているので、こちら側では上型10が下方に移動することはできない。そのため、上型10は全体として、支持ガイド124を基点にして、支持ガイド128側が下方側に回動するように移動し、上型10が水平状態に対して傾動することになる。
【0095】
成形材料Sの圧入工程では、圧入口16からキャビィティCへと成形材料Sを圧入する。
このとき、予め押動部材130を下方に進出させて、上型10の圧入口16側が低くなるように傾けておく。水平状態で固定された下型20に対して上型10が傾くと、上型10と下型20の間に構成されるキャビィティCは、圧入口16側の高さすなわち隙間が狭く、圧入口16の反対側の高さすなわち隙間が広くなる。
【0096】
この状態でキャビィティCに圧入された成形材料Sは、キャビィティCの狭いほうから広いほうへと移動することになるので、圧入に伴う抵抗が少なくスムーズに移動していく。
図28(b) に示すように、上型10および傾動部120を一体的に下降させていくと、キャビィティCの上下方向の隙間が狭くなっていくが、相対的に圧入口16側が狭くて成形材料Sが流れていく方向が広くなっているので、上型10の下降に伴って成形材料Sを流れ方向に付勢する作用が生じ、成形材料SがキャビィティCの端部まで迅速かつ確実に圧入されることになる。
【0097】
図28(c) に示すように、キャビィティCの全体に必要量の成形材料Sが圧入されれば、圧入工程は完了し、つづいて加圧工程を開始する。傾動部120および上型10を下方に下降させて下型20に加圧するとともに、押動部材130を上方に退出させる。上型10の片端に対する押し付け力がなくなるので、上型10は傾動状態から水平状態に戻る。傾動部120と上型10を下型20側に加圧する加圧力が、上型10を強制的に水平状態に戻す作用を発揮する。
【0098】
この状態におけるキャビィティCの形状は、目的とする成形物Mの形状に正確に対応しているので、このまま加圧および賦形が行われれば、目的形状の成形物Mを得ることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明の水硬性無機質成形物の製造方法および装置は、成形材料の圧入工程ではキャビィティの厚みを少し拡げておいて成形材料の圧入をスムーズに行わせ、脱水から加圧および賦形工程で、キャビィティの厚みを所定の厚みに狭めて、正確な形状の成形物を製造することができる。
【0100】
その結果、型締めおよび加圧圧縮のための駆動系統を2系統にしなくても、正確な形状の成形物を能率的に製造することができ、水硬性無機質成形物の品質性能を高め生産性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本工程を表し、成形物の外形を示す斜視図
【図2】 製造工程を段階的に表し、最初の工程を示す断面図(a) 、断面図(b) と直交する方向の断面図(b) および位置決めブロック付近の側面図(c)
【図3】 次の工程を示す断面図(a) 、断面図(b) と直交する方向の断面図(b) および位置決めブロック付近の側面図(c)
【図4】 次の工程を示す断面図(a) 、断面図(b) と直交する方向の断面図(b) および位置決めブロック付近の側面図(c)
【図5】 次の工程を示す断面図(a) 、断面図(b) と直交する方向の断面図(b) および位置決めブロック付近の側面図(c)
【図6】 次の工程を示す断面図(a) 、断面図(b) と直交する方向の断面図(b) および位置決めブロック付近の側面図(c)
【図7】 別の実施形態を段階的に示す要部拡大断面図
【図8】 別の実施形態を表す装置構成図(a) およびA部拡大図(b)
【図9】 型締めストロークと間隙の変化を示すグラフ図
【図10】 縁部付近の動作を段階的に示す断面図
【図11】 別の実施形態を表す装置構成図
【図12】 型内圧と間隙の変化を示すグラフ図
【図13】 別の実施形態を表す装置構成図(a) およびA部拡大図(b)
【図14】 型内圧と押圧力の関係を示すグラフ図
【図15】 別の実施形態を段階的に示す装置要部の拡大断面図
【図16】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図17】 別の実施形態を段階的に示す装置要部の断面図および側面図
【図18】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図19】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図20】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図21】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図22】 別の実施形態を段階的に示す断面図
【図23】 別の実施形態を段階的に示す要部拡大断面図
【図24】 別の実施形態を段階的に示す要部拡大断面図
【図25】 別の実施形態を示す断面図(a) およびB部拡大図(b)
【図26】 製造工程を段階的に示す断面図および側面図
【図27】 製造工程を段階的に示す断面図
【図28】 製造工程を段階的に示す断面図
【符号の説明】
10 上型
12 通気孔
14 通気配管
16 圧入口
18 供給配管
20 下型
22 水抜孔
24 水抜配管
26 濾布
30、40 縁部
34 間隙調整部材
60 制御装置
62 圧力センサ
64 固形分センサ
C キャビィティ
M 成形物
S 成形材料
δ 間隙
L 型締めストローク値

Claims (21)

  1. 開閉自在な一対の成形型間に構成されるキャビィティに水硬性無機質成形材料を圧入し、脱水および加圧賦形して水硬性無機質成形物を製造する方法であって、
    前記一対の成形型を型締め方向に移動させ、成形型の縁部同士が少なくとも一部に間隙をあけて嵌め合わされ、前記キャビィティの厚みが最終的に製造される水硬性無機質成形物の厚みよりも大きくなるように配置する工程(a)と、
    前記キャビィティに開口する圧入口からキャビィティに水硬性無機質成形材料を圧入する工程(b)と、
    キャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料の水分を、キャビィティの内面に有する水抜孔から脱水する工程(c)と、
    前記工程(c)を継続しながら、前記成形型をさらに型締め方向に移動させ、水硬性無機質成形材料の厚みが目的とする水硬性無機質成形物の厚みになるようにキャビィティを狭め、水硬性無機質成形材料を加圧し賦形して水硬性無機質成形物を得る工程(d)と、
    前記成形型を型開き方向に移動させ、成形型から水硬性無機質成形物を取り出す工程(e)とを含み、
    前記工程 (b) から工程 (d) までの間に、前記縁部同士の間隙があいた状態から、この間隙がなくされた状態又はこの間隙が狭められた状態とする
    水硬性無機質成形物の製造方法。
  2. 前記間隙が、成形型同士の型締め方向における距離の変化に対応して変更される
    請求項1に記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  3. 前記間隙が、キャビィティに圧入された水硬性無機質材料の圧力の変化に対応して変更される
    請求項に記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  4. 前記間隙をなくした段階で、前記間隙を挟む縁部の少なくとも一方を間隙を閉じる方向に押圧する
    請求項1乃至3のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  5. 前記工程 (b) でキャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料のうち、前記間隙からキャビィティの外にはみ出した水硬性無機質成形材料を切断して除去する工程 (f) をさらに含む
    請求項に記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  6. 前記工程 (b) のあとで、前記圧入口に残留する水硬性無機質成形材料を排除する工程 (g) をさらに含む
    請求項1乃至5のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  7. 前記工程 (b) が、前記縁部の少なくとも一方に配置される圧接ブロックを、相手側の縁部に対して弾力的に当接してこの相手側の縁部との間に前記圧入口を構成し、工程 (b) から工程 (d) の間、前記圧接ブロックを相手側の縁部に常に当接させておく
    請求項1乃至6のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  8. 前記工程 (b) でキャビィティに圧入される水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程 (h) をさらに含み、
    前記工程 (d) が、前記固形分割合によって成形型の型締め量を調整する
    請求項1乃至7のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  9. 前記工程 (c) の前に、キャビィティに圧入された水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程 (i) をさらに含み、
    前記工程 (d) が、前記圧入口に進退自在な閉鎖ピンを進出させて圧入口を塞ぐとともに、閉鎖ピンの進出量を前記固形分割合によって調整する
    請求項1乃至8のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  10. 前記工程 (c) が、脱水している水硬性無機質成形材料の固形分割合を継続的に測定し、固形分割合が所定値になった時点で脱水を終了させる
    請求項1乃至9のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  11. 前記工程 (b) でキャビィティに圧入される水硬性無機質成形材料の前記圧入口付近における固形分割合を測定する工程 (h) をさらに含み、
    前記工程 (d) が、測定された固形分割合にもとづいて、キャビィティに開口する調圧部でキャビィティ内の水硬性無機質成形材料に加わる圧力を調整する
    請求項1乃至10のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  12. 前記工程 (c) が、キャビィティを水抜孔から真空排気して脱水し、真空排気された空気を蓄圧しておき、
    前記工程 (e) が、前記蓄圧された空気を、成形型と水硬性無機質成形物との間に吹き出して、水硬性無機質成形物を成形型から型外しする
    請求項1乃至11のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造方法。
  13. 請求項1に記載の水硬性無機質成形物の製造方法に用いる装置であって、
    少なくとも一方が型締め型開き方向に移動自在な一対の成形型と、
    前記成形型の対向面に構成されるキャビィティと、
    前記キャビィティの内面に開口し、前記水硬性無機質成形材料が供給される圧入口と、
    少なくとも一方の成形型の型面に開口して多数が配置された水抜孔と、
    前記水抜孔の表面を覆う濾布と、
    前記キャビィティの外側で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされる縁部と、
    一対の成形型の何れかの前記縁部に進退自在に配置され、縁部同士の間隙を調整する間隙調整部材と
    を備える水硬性無機質成形物の製造装置。
  14. 請求項に記載の水硬性無機質成形物の製造方法に用いる装置であって、
    少なくとも一方が型締め型開き方向に移動自在な一対の成形型と、
    前記成形型の対向面に構成されるキャビィティと、
    前記キャビィティの内面に開口し、前記水硬性無機質成形材料が供給される圧入口と、
    少なくとも一方の成形型の型面に開口して多数が配置された水抜孔と、
    前記水抜孔の表面を覆う濾布と、
    前記キャビィティの外で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされ、少なくとも一方が弾性体からなる縁部
    備える水硬性無機質成形物の製造装置。
  15. 請求項に記載の水硬性無機質成形物の製造方法に用いる装置であって、
    少なくとも一方が型締め型開き方向に移動自在な一対の成形型と、
    前記成形型の対向面に構成されるキャビィティと、
    前記キャビィティの内面に開口し、前記水硬性無機質成形材料が供給される圧入口と、
    少なくとも一方の成形型の型面に開口して多数が配置された水抜孔と、
    前記水抜孔の表面を覆う濾布と、
    前記キャビィティの外で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされる縁部と、
    少なくとも一方の縁部に配置され、縁部の先端に向かって凹入された勾配部と
    を備える水硬性無機質成形物の製造装置。
  16. 請求項に記載の水硬性無機質成形物の製造方法に用いる装置であって、
    少なくとも一方が型締め型開き方向に移動自在な一対の成形型と、
    前記成形型の対向面に構成されるキャビィティと、
    前記キャビィティの内面に開口し、前記水硬性無機質成形材料が供給される圧入口と、
    少なくとも一方の成形型の型面に開口して多数が配置された水抜孔と、
    前記水抜孔の表面を覆う濾布と、
    前記キャビィティの外側で成形型に配置され、成形型を型締め方向に移動させたときに互いに嵌め合わされる縁部と、
    前記縁部を構成し、前記工程 (a) で嵌め合わされる第1縁部と、
    前記縁部を構成し、前記工程 (a) では嵌め合わされず工程 (d) で嵌め合わされ、前記間隙からキャビィティの外にはみ出した水硬性無機質成形材料を切断して除去する第2縁部と
    を備える水硬性無機質成形物の製造装置。
  17. 前記圧入口に配置され、圧入口に進退自在で、圧入口に残留する水硬性無機質成形材料を排除する閉鎖ピン
    を備える請求項13乃至16のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造装置。
  18. 前記縁部の少なくとも一方に配置され、前記工程 (b) から工程 (d) の何れの段階でも、相手側の縁部に対して弾力的に当接し、相手側の縁部との間に前記圧入口を構成する圧接ブロック
    を備える請求項13乃至16のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造装置。
  19. 前記圧入口を構成する圧接ブロックと相手側の縁部との何れか一方に、アンダーカット部とノッチ部とからなる水硬性無機質成形物の切断手段を備える
    請求項18に記載の水硬性無機質成形物の製造装置。
  20. 前記キャビィティが、圧入口から縁部側に向かって厚みが大きくなる勾配を有する
    請求項13乃至19のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造装置。
  21. 少なくとも一方の成形型が、相手側の成形型に対して平行な状態と傾斜した状態との間で移行自在な傾動手段を備える
    請求項13乃至19のいずれかに記載の水硬性無機質成形物の製造装置。
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