JP4166023B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線中継増幅装置などの無線通信装置に関し、特に、例えば同一のパス内に存在する複数の基地局装置からのパスの検出が可能な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば直接拡散−符号分割多元接続(DS−CDMA:Direct Sequence - Code Division Multiple Access)方式を用いて基地局装置と移動局装置との間で無線通信を行う移動通信システムでは、信号を拡散符号(コード)により拡散して得られる拡散信号を無線により送受信することが行われる。また、このようなシステムには、基地局装置と移動局装置との間で通信される信号を中継増幅する無線中継増幅装置が設けられる。
【0003】
なお、無線中継増幅装置では、基地局装置から移動局装置に対して無線送信される信号(下り信号)を受信して増幅した後に移動局装置に対して無線送信し、移動局装置から基地局装置に対して無線送信される信号(上り信号)を受信して増幅した後に基地局装置に対して無線送信することにより、基地局装置と移動局装置との間で通信される信号を中継増幅する。
【0004】
このようなシステムでは、例えば、複数の伝送シンボル区間にわたって、基地局装置毎に固有である長い拡散符号(ロングコード)と基地局装置内で多重化された各チャネル毎に固有である短い拡散符号(ショートコード)とを乗算した系列をスペクトラム拡散のための拡散符号として用いることが行われる。なお、基地局装置毎に固有である長い拡散符号としては例えばスクランブリングコードが用いられ、各チャネル毎に固有である短い拡散符号としては例えばチャネライゼーションコードが用いられる。
【0005】
また、このようなシステムでは、例えば、前記基地局装置毎のスクランブリングコードによる拡散を一定の周期で行わない(マスクする)ことにより、システムで唯一であるプライマリシンクロナイゼーションコードのみで拡散されるチャネルを一定周期で設けて同期チャネルとして用いることが行われる。また、このようなシステムでは、例えば、基地局装置から移動局装置への下り通信において報知チャネルを設け、付随する制御チャネル(共通パイロットチャネル)の送信電力値(報知チャネル送信電力値)などの報知情報を当該報知チャネルを用いて送信することが行われる。
【0006】
なお、例えば特開2001−69091号公報のブースター等には無線中継増幅装置に関して記載されており、例えば「DS−CDMA移動通信におけるロングコード同期、1995年電子情報通信学会総合大会 B−429 中村、梅田、東」や「DS−CDMA基地局間非同期セルラ方式におけるロングコードの2段階高速初期同期法、電子情報通信学会技報 CS96−19、RCS96−12(1996−05)、樋口、佐和橋、安達」には同期チャネルのサーチモードや報知チャネルのサーチモードなどに関して記載されており、例えば「3GPPTS(Technical Specification) 3GTS25.211(V3.2.0)」や「3GPP TS(Technical Specification) 3GTS25.213(V3.2.0)」にはセルサーチに用いられる下り信号である同期チャネル(SCH:Synchronisation Channel)などの種々なチャネルのフォーマット例などが記載されている。
【0007】
ここで、従来技術における無線中継増幅装置の例として、報知チャネルの信号を当該無線中継増幅装置により受信することができた基地局装置に対応して、当該基地局装置に関する伝搬損の変化に応じて無線中継増幅器の利得を逐次設定して当該無線中継増幅器を制御することが行われる。だが、このような従来技術では、例えば基地局装置の増設や周囲の環境変化による伝搬路の変化などに対して即座に対応することができないという問題点があった。この対策として、例えば、後述する第1の参考技術例で示すような時間窓外での他局検出により新規局(新規な基地局装置)の追加を行う機能を有する無線中継増幅装置が検討等されており、また、後述する第2の参考技術例や第3の参考技術例に示すような方法により、当該時間窓外での他局検出では検出できない時間窓内に存在する新規局を追加する機能を有する無線中継増幅装置が検討等されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の無線中継増幅装置では、例えば異なる基地局装置からの信号が同一の受信タイミングに存在するような場合には、受信レベルが高いいずれか一方の基地局装置のみしか検出することができず、他方の基地局装置が検出不可能な基地局装置として存在してしまうといった不具合があった。そして、この結果、従来の無線中継増幅装置では、最適な利得の設定を行うことができず、不適切な利得制御が行われてしまうことで過増幅により干渉の増大が生じてしまうことなどが生じ、設定する環境によっては動作が不安定になってしまうといった不具合があった。なお、本明細書では、異なる通信局装置(例えば基地局装置)からの信号が同一の受信タイミングに重なってしまうような状況を、これらの受信信号が同一のパス内に存在するというような表現を用いて説明する。
【0009】
ここで、本発明の課題を更に具体的に説明する。
例えば、同期チャネルサーチモードにおけるスクランブリングコードグループの同定動作が本発明の対象の一例となる。
移動局装置などが電源投入時等の初期状態から在圏セルをサーチする場合には初期セルサーチを行い、このときに同期チャネルであるSCH(Synchronisation Channel)が用いられる。
基地局装置毎に固有なスクランブリングコードは64のグループに分けられている。そして、スクランブリングコードの同定に際しては、最初にグループの同定を行い、次に、同定したグループ内に割り当てられたスクランブリングコードのみを用いて受信信号を逆拡散することでスクランブリングコードを同定する。
【0010】
一般に、スクランブリングコードの同定の際に使用するSCHでは、プライマリ同期コード(PSC:Primary Synchronisation Code )とセカンダリ同期コード(SSC:Secondary Synchronisation Code)との2種類のコードが用いられる。PSCはシステムで唯一であり、更に、1フレーム中に15個設けられるスロットのそれぞれにおいて同一であり、このため、複数の基地局装置からの送信波を受信できればPSCに基づいてスロットタイミングを一度に検出することが可能である。
【0011】
一方、SSCとしては16種類のコードが選択的に用いられ、割り当てるスクランブリングコードグループ毎に、前記15個設けられるスロットについて異なる組合せのコードが用いられる。つまり、1フレームでは、15個のスロットのそれぞれの先頭にPSCによる拡散信号が設けられるとともにSSCによる拡散信号が多重され、各スロットのPSCでは同期が確立され、これら15個の各スロットのSSCでは当該15個の各スロットで用いられるコードの組合せ(並び)に対応してスクランブリングコードグループが特定される。受信側では、SSCに割り当てられた15スロット分のコードの全てが判定されて当該コードの組合せが判定されれば、スクランブリングコードのグループが特定されてスクランブリングコードの候補が絞られる。
【0012】
そして、従来では、SSCでのグループ同定として、15個分のスロットのSSCに対してスクランブリングコードのグループに割り当てられたコードの組合せを用いて逆拡散を行い、これにより得られた相関ピーク値が最大となるグループを通信対象となる基地局装置(基準となる基地局装置)のスクランブリングコードを含むグループであると判定していた。
【0013】
しかしながら、従来の技術では、上述のように、例えば全く同一のタイミング(パス内)で複数の基地局装置からのPSCを受信したような場合には、これら複数の基地局装置の中で、SSCを逆拡散して得られる相関ピーク値が最大となる基地局装置のみしか検出することができなくなってしまうといった不具合があった。
【0014】
なお、第3世代移動通信システムの標準仕様書のうち無線アクセスに関するものとして、例えば上記した「3GPP TS 3GTS25.211(V3.2.0)」には、SCH(p.27 5.3.3.4)などについて記載されており、また、上記した「3GPP TS 3GTS25.213(V3.2.0)」には、スクランブリングコード(p.20 5.2.2)やSSC(p.225.2.3.2)やSSCのコードの組合せ(p.22 5.2.3.2 Table4)などについて記載されている。
【0015】
また、例えば初期セルサーチについての記載が特開平11−122141の「初期同期捕捉方法及び初期同期捕捉回路」や特開2001−7782の「CDMA受信回路」にあり、これらの文献で言うショートコードがPSC及びSSCに相当し、これらの文献で言うロングコードがスクランブリングコードに相当する。また、「W−CDMAシステムの無線方式、 FUJITSU.51.1.pp.13−18(01,2001)」には、W−CDMAシステムの無線インタフェースにおけるレイヤ1の仕様について記載されている。
【0016】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、例えば同一のパス内に存在する複数の通信局装置からのパスを検出することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る無線通信装置では、固有コードグループ識別コードを用いて拡散された信号を無線送信する通信局装置から当該拡散信号を受信するに際して、次のようにして、固有コードグループの候補を検出する。なお、固有コードグループ識別コードは、各通信局装置毎に固有なコード(固有コード)が属するグループ(固有コードグループ)を識別するためのコードである。
すなわち、逆拡散手段が当該受信拡散信号を複数の固有コードグループ識別コードのそれぞれを用いて逆拡散し、固有コードグループ候補検出手段が当該逆拡散結果に基づく値が所定の閾値を超える固有コードグループ識別コードに対応した固有コードグループを候補として検出する。
【0018】
従って、固有コードグループ識別コードにより拡散された受信拡散信号が複数の固有コードグループ識別コードのそれぞれにより逆拡散されて、当該逆拡散結果に基づく値が所定の閾値を超える固有コードグループ識別コードに対応した固有コードグループの例えば全てが候補として検出されるため、例えば同一のパス内に複数の通信局装置からの受信拡散信号が重なってしまったような場合においても、これら複数の通信局装置のそれぞれに割り当てられた固有コードが含まれる固有コードグループの全てを候補として検出することができる。
【0019】
なお、例えば検出対象となる同一のパス内において既に受信パスが検出されていて固有コードグループが同定されているような基地局装置があるような場合には、当該基地局装置からの受信パスに基づいて検出される固有コードグループを除いて、つまり当該基地局装置以外の基地局装置からの受信パスのみに関して候補となる固有コードグループを検出するようなことが行われてもよく、本発明はこのような実施態様を包含する。
【0020】
ここで、無線通信装置としては、例えば無線中継増幅装置や移動局装置や基地局装置などの種々な通信装置に適用することが可能である。
また、通信局装置としては、例えば基地局装置が用いられるが、他の通信装置が用いられてもよい。
【0021】
また、例えば通信局装置として基地局装置が用いられる場合、各通信局装置毎に固有なコードとしてはスクランブリングコードを用いることができ、固有コードグループとしてはスクランブリングコードのグループを用いることができ、固有コードグループ識別コードとしては同期チャネルのセカンダリ同期コード(SSC)を用いることができる。
【0022】
また、固有コードグループの数としては任意であってもよく、また、各固有コードグループに含まれる固有コードの種類や数としては任意であってもよい。
また、逆拡散では、例えば同期チャネルのプライマリ同期コード(PSC)などを用いて得られる受信タイミングに同期して、受信拡散信号を各固有コードグループ識別コードにより逆拡散することが行われる。なお、逆拡散に用いられる複数の固有コードグループ識別コードは、例えば予め受信側となる無線通信装置に設定される。
【0023】
また、逆拡散結果に基づく値としては、例えば受信拡散信号と各固有コードグループ識別コードとの相関度を表す値を用いることができ、このような値は前記逆拡散により取得することができる。
また、所定の閾値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば受信拡散信号の拡散に用いられた可能性がある固有コードグループ識別コードの全てを候補として検出することができるような値が用いられるのが好ましい。
【0024】
また、本発明に係る無線通信装置では、更に、次のようにして、通信局装置に割り当てられた固有コードを同定する。
すなわち、通信局装置から固有コードを用いて拡散された信号を受信する場合に、固有コード同定手段が固有コードグループ候補検出手段により検出された候補(固有コードグループ)に属する固有コードの中から当該受信拡散信号の拡散に用いられた固有コードを同定する。
【0025】
従って、例えば同一のパス内に複数の通信局装置からの受信拡散信号が重なってしまったような場合においても、これらの各通信局装置に割り当てられた固有コードが含まれる固有コードグループの例えば全てが候補として検出されることにより、当該候補に属する固有コードの中から当該各通信局装置に割り当てられた固有コードを同定することが可能となる。
【0026】
なお、上記と同様に、例えば検出対象となる同一のパス内において既に受信パスが検出されていて固有コードが同定されているような基地局装置があるような場合には、当該基地局装置からの受信パスに基づいて同定される固有コードを除いて、つまり当該基地局装置以外の基地局装置からの受信パスのみに関して固有コードを同定するようなことが行われてもよく、本発明はこのような実施態様を包含する。
【0027】
ここで、固有コードを用いて拡散された信号としては、例えば固有コードの一例であるスクランブリングコードを用いて拡散された報知チャネルや制御チャネルや情報チャネルなどの信号を用いることができる。
【0028】
また、本発明に係る無線通信装置では、一実施態様例として、固有コードグループ識別コードは所定の複数のスロットコードから構成され、当該所定の複数のスロットコードの並びと固有コードグループとが対応させられる。
ここで、所定の複数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、スロットコードとは各スロット毎のコードであり、当該コードとしては複数種類のコードが選択的に用いられる。そして、所定の複数のスロットコードの並び(コードの種類の組合せ)により固有コードグループが例えば1対1で対応させられる。
【0029】
一例として、同期チャネルのセカンダリ同期コード(SSC)が固有コードグループ識別コードとして用いられる場合には、所定の複数として15が用いられ、スロットコードとして16種類のコードが選択的に用いられる。この場合、1フレーム中に含まれるSSCのパターン(SSCの数)は1フレーム中のスロット数である15パターン存在する。そして、各スロット毎にSSCコードを硬判定する構成では、各スロット毎に比較対象として用意したSSCコードと各スロットで実際に用いられているSSCコードとが合致するか否かを“1”値(合致する場合)か“0”値(合致しない場合)で表して当該値を15スロット分加算した結果を相関値とすることを行い、この場合、計算上における相関ピークの最大値は15となる。
なお、実機での調整の結果の一例では、前記固有コードグループ候補検出手段により用いられる所定の閾値として相関ピークの最大値の2/5の値を用いるのが好ましいことが検出され、つまり、当該所定の閾値として6(=15×2/5)を用いるのが好ましいことが検出された。
【0030】
本発明を適用した場合には、SSCでのグループ同定に際して、例えば当該所定の閾値以上の相関ピークのレベルが得られた複数のスクランブリングコードグループを記憶し、記憶したそれぞれのスクランブリングコードグループについて当該スクランブリングコードグループに属するスクランブリングコードと受信拡散信号の拡散に用いられたスクランブリングコードとが合致するか否かを判定して、スクランブリングコードの同定を行う。
【0031】
また、本発明に係る無線通信装置は、好ましい態様例として、基地局装置と移動局装置との間で通信される信号を中継増幅する無線中継増幅装置であり、中継増幅利得制御手段が受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置に対応して前記中継増幅の利得を制御する。なお、基地局装置が通信局装置に相当する。
従って、受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置を検出するに際して、同一のパス内に受信拡散信号が存在する複数の基地局装置を検出することができるため、受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置を正確に検出することができる。
【0032】
ここで、基地局装置や移動局装置や無線中継増幅装置としては、種々な通信装置が用いられてもよい。
また、基地局装置と移動局装置との間で通信される信号を中継増幅する態様としては、例えば基地局装置から無線送信される信号を受信して増幅した後に移動局装置に対して無線送信する下り通信の中継増幅と、移動局装置から無線送信される信号を受信して増幅した後に基地局装置に対して無線送信する上り通信の中継増幅とのいずれか一方或いは両方を行うような態様を用いることができる。
また、伝搬損が最小となる基地局装置に対応して中継増幅の利得を制御することは、例えば下り信号の中継増幅と上り信号の中継増幅とのいずれか一方について行われてもよく、或いは、両方について行われてもよい。
【0033】
なお、本発明に係る無線通信装置は、好ましい態様として、CDMA方式を用いた移動通信システムで用いられる無線通信装置に適用されるのに好適なものである。
ここで、CDMA方式としては、例えばW(Wideband)−CDMA方式などの種々な方式が用いられてもよい。
また、移動通信システムとしては、例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの種々なシステムが用いられてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明を適用した他局検出機能を有した他局検出処理部25を含む無線中継増幅装置の一構成例を示してあり、この無線中継増幅装置には、無線復調部1と、A/D(Analog to Digital)変換部2と、サーチ部3と、逆拡散部4と、ベースバンド復調部5と、報知情報解析部6と、受信レベル測定部7と、伝搬損算出部8と、検出局リスト保持部9と、利得設定部10と、無線中継増幅部11とが備えられている。また、サーチ部3には、サーチ制御部21と、パス検出部22と、タイミング生成部23と、コード同定部24と、他局検出処理部25とが備えられている。
【0035】
ここで、本例の無線中継増幅装置では特にサーチ部3の機能に特徴があるため、以下では、当該サーチ部3について詳細に説明し、他の構成部分については概略的に説明する。
すなわち、概略的には、無線復調部1は、例えばW−CDMA方式に基づく移動通信システム等において直交変調された変調波を受信した信号を復調してベースバンド信号へ変換する。A/D変換部2は、当該ベースバンド信号をデジタル信号へ変換する。サーチ部3は、当該A/D変換部2出力のデジタル信号を使用して、同期チャネルのパスタイミングの検出や、受信信号の送信元となる基地局装置で用いられたスクランブリングコード(基地局スクランブリングコード)の同定などを行い、当該基地局装置を検出する。
【0036】
逆拡散部4は、サーチ部3のタイミング生成部23からのタイミング情報及びサーチ部3のコード同定部24からのコード情報に基づいて受信信号を逆拡散する。ベースバンド復調部5は、逆拡散部4出力から受信信号を復調や復号し、当該復調データを取得する。報知情報解析部6は、当該復調データ中に含まれる報知情報を解析して、受信信号の送信元となる基地局装置における送信電力値の情報を得る。受信レベル測定部7は、逆拡散部4出力の受信信号を使用して、受信信号の受信レベルを測定する。伝搬損算出部8は、報知情報解析部6から通知される送信電力値の情報と受信レベル測定部7から通知される受信レベルの情報とから、例えば当該送信電力値と当該受信レベルとの差分に相当する伝搬損を算出する。
【0037】
検出局リスト保持部9は、サーチ部3により検出した基地局装置に関する情報を例えばメモリにリストとして記憶する。なお、基地局装置に関する情報としては、例えば基地局装置に関する伝搬損の情報やパスタイミングの情報やスクランブリングコードの情報などが含まれる。利得設定部10は、当該リストに登録されている基地局装置の中から最も伝搬損が少ない基地局装置を検出して親局とし、当該親局に関する伝搬損に対応して無線中継増幅部11の利得を設定する。無線中継増幅部11は、利得設定部10からの利得の設定値に応じて、上り信号や下り信号の増幅を行う。
【0038】
次に、サーチ部3を構成する各処理部21〜25を説明する。
サーチ制御部21は、同期チャネル用のチャネライゼーションコードの同定処理を行い、また、当該サーチ部3のサーチモードの切り替えや、同期チャネル用のチャネライゼーションコードの切り替えや、スクランブリングコードの切り替えや、タイミングの設定などを行う。なお、サーチ制御部21は、検出局リスト保持部9に保持されているリストの基地局装置に関する情報(局情報)を参照する。
【0039】
パス検出部22は、サーチ制御部21により指定されるサーチモードやコードやタイミングに従って受信信号と拡散符号(例えば、チャネライゼーションコード)との相関値を算出し、当該相関値に基づいてパスの検出を行う。また、パス検出部22は、検出したパスの位置(タイミング)に関する情報をタイミング生成部23や他局検出処理部25へ通知する。
【0040】
タイミング生成部23は、サーチ制御部21及びパス検出部22からの制御信号(サーチモードの設定)に従って、所望のパスのタイミングを生成する。また、タイミング生成部23は、生成したパスタイミングの情報をコード同定部24や逆拡散部4や検出局リスト保持部9へ通知する。
【0041】
コード同定部24は、サーチ制御部21からの制御信号(候補となる基地局装置のスクランブリングコード)に従って、タイミング生成部23から出力されるタイミングを用いて受信信号の拡散に用いられたスクランブリングコードの同定を行う。また、コード同定部24は、同定したスクランブリングコードを識別する番号(コード番号)の情報を逆拡散部4や検出局リスト保持部9へ通知する。
【0042】
他局検出処理部25は、パス検出部22から入力されるパス位置の情報やサーチ制御部21からの制御信号(パイロットパスのタイミング)に従って、基準となる基地局装置(基準基地局装置)以外の基地局装置(他の基地局装置)からの受信パスを検出する他局検出処理を行う。また、他局検出処理部25は、検出した他の基地局装置(他局)のパス位置に関する情報をタイミング生成部23へ通知する。
【0043】
なお、基準となる基地局装置としては、例えば検出局リスト保持部9のリストに登録されている基地局装置の中で伝搬損が最も小さい基地局装置が用いられる。また、パイロットパスとしては、例えば、このような基準基地局装置から受信する複数のパスの中で受信レベルが最大となるパスが用いられる。
【0044】
次に、サーチ部3の動作例を示す。
本例のサーチ部3では、動作のモードとして、▲1▼同期チャネルサーチモードと、▲2▼報知チャネルサーチモードと、▲3▼他局サーチモードとがあり、▲1▼同期チャネルサーチモードと▲2▼報知チャネルサーチモードについては、例えば後述する第1の参考技術例で説明する無線中継増幅装置における各モードと同様であり同様な動作が行われる。
【0045】
本例の▲3▼他局サーチモードでは、例えば後述する第1の参考技術例で説明する無線中継増幅装置における▲3▼他局サーチモードで行われる窓外他局検出の処理に加えて、例えば後述する第2の参考技術例で説明する窓内他局検出の処理や或いは後述する第3の参考技術例で説明する窓内他局検出の処理が行われ、更に、後述するような本例に特徴的なパス内での他局検出の処理が行われる。
【0046】
ここで、本例に特徴的なパス内他局検出の処理においては、同一パス内に複数の基地局装置からの受信パスが存在し得ることを考慮して、サーチ制御部21では、同一パス内の受信信号について15スロット分のセカンダリ同期コード(SSC)に関する相関値が任意の閾値(具体例としては、上記のように、6)を超えたものに対応するスクランブリングコードグループに属するスクランブリングコードの候補を任意の数だけ記憶し、更に、その候補についてコード同定部24によりコードの同定を行う。なお、コード同定部24により同定されたスクランブリングコードを識別するコード情報は検出局リスト保持部9へ出力されて、当該検出局リスト保持部9により記憶される。
【0047】
次に、図2には、他局検出処理部25の構成例を示してあり、本例の他局検出処理部25には、サーチ制御部21側に設けられたセレクタ(SEL)31と、窓外他局検出処理部32と、窓内他局検出処理部33と、パス内他局検出処理部34と、タイミング生成部23側に設けられたセレクタ(SEL)35とが備えられている。このように、他局検出処理部25は、窓外他局検出を行う機能、窓内他局検出を行う機能、及びパス内他局検出を行う機能を有し、サーチ制御部21により設定される他局検出モードに従って動作する。
【0048】
サーチ制御部21側のセレクタ31は、サーチ制御部21からパイロットパスのタイミングを指定する制御信号を入力するとともに、当該サーチ制御部21から他局検出モードを指定する制御信号(他局検出モード信号)を入力し、当該他局検出モード信号により指定される他局検出モードに従って、当該パイロットパスタイミングを供給する先を窓外他局検出処理部32と窓内他局検出処理部33とパス内他局検出処理部34とで切り替える。
【0049】
タイミング生成部23側のセレクタ35は、サーチ制御部21から上記した他局検出モード信号を入力し、当該他局検出モード信号により指定される他局検出モードに従って、他局検出処理により検出されてタイミング生成部23に対して供給する他局パス位置情報の取り出し元を窓外他局検出処理部32と窓内他局検出処理部33とパス内他局検出処理部34とで切り替える。
【0050】
ここで、サーチ制御部21により制御される他局検出モード信号は、窓外他局検出の動作と窓内他局検出の動作とパス内他局検出の動作とを切り替えるための信号であり、上記した2つのセレクタ31、35では、窓外他局検出を行うべき指示に応じて窓外他局検出処理部32へ切り替えられ、窓内他局検出を行うべき指示に応じて窓内他局検出処理部33へ切り替えられ、パス内他局検出を行うべき指示に応じてパス内他局検出処理部34へ切り替えられる。
なお、窓外他局検出や窓内他局検出やパス内他局検出の動作をサーチ制御部21により切り替えて実行する場合の処理手順としては、種々な処理手順が用いられてもよい。
【0051】
窓外他局検出処理部32は、窓外他局検出の処理を行い、例えば基準タイミングを中心とする時間窓の外側に受信パスが存在する基地局装置を検出する。
窓内他局検出処理部33は、窓内他局検出の処理を行い、例えば基準タイミングを中心とする時間窓の内側に受信パスが存在する基地局装置の候補の内で、未検出の基地局装置を検出する。
パス内他局検出処理部34は、パス内他局検出の処理を行い、例えば基準タイミングと同一の受信タイミングに受信パスが存在する基地局装置の候補の内で、未検出の基地局装置を検出する。
【0052】
ここで、本例では、受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置を基準として、当該基準となる基地局装置から受信する信号のパスの中で受信レベル(例えば逆拡散時の相関レベル)が最大となるパスをパイロットパスとし、当該パイロットパスの受信タイミングを基準となるタイミング(基準タイミング)としている。そして、窓外他局検出や窓内他局検出では当該基準タイミングを中心として時間窓を設定することが行われる。また、パス内他局検出では当該基準タイミングと同一のパス内に存在する基準基地局装置以外の基地局装置(他の基地局装置)からの受信パスが検出される。
【0053】
次に、上記図2に示した他局検出処理部25の動作例を示す。
まず、サーチ制御部21から出力されるパイロットパスタイミングをセレクタ31により切り替える。この切り替えは、サーチ制御部21から出力される他局検出モード信号に従って行われる。このセレクタ31により切り替えられたパイロットパスタイミングは、窓外他局検出処理部32、窓内他局検出処理部33、又は、パス内他局検出処理部34のいずれか一つへ出力される。
【0054】
パイロットパスタイミングが窓外他局検出処理部32へ出力された場合には、窓外他局検出処理部32では、例えば後述する第1の参考技術例で説明する無線中継増幅装置における▲3▼他局サーチモードで行われる窓外他局検出の処理と同様な処理を行い、これにより検出した他局パスの位置の情報をセレクタ35へ出力する。
【0055】
また、パイロットパスタイミングが窓内他局検出処理部33へ出力された場合には、窓内他局検出処理部33では、例えば後述する第2の参考技術例で説明する窓内他局検出の処理や或るは後述する第3の参考技術例で説明する窓内他局検出の処理と同様な処理を行い、これにより検出した他局パスの位置の情報をセレクタ35へ出力する。
【0056】
また、パイロットパスタイミングがパス内他局検出処理部34へ出力された場合には、受信パスの検出対象となる受信タイミングはパイロットパスタイミングと同一であるため、パス内他局検出処理部34では、他局パス位置としてパイロットパスタイミングで与えられるパス位置と同一の位置を用いてパス内他局検出の処理を行い、これにより検出した他局パスの位置の情報をセレクタ35へ出力する。
【0057】
セレクタ35では、上記した3つの他局検出処理部32〜34から出力される他局パス位置情報のいずれか一つを出力対象となる他局パス位置情報として切り替え、切り替えた他局パス位置情報をタイミング生成部23へ出力する。この切り替えは、サーチ制御部21から出力される他局検出モード信号に従って行われ、サーチ制御部21側のセレクタ31の切り替えと同期させられる。
【0058】
このようにして他局パス位置の情報が取得されると、コード同定部24では、タイミング生成部23から出力されるパスタイミングを使用して、未検出の基地局装置で用いられているスクランブリングコードの同定処理を行う。
本例では、このようなパス内他局検出を行うことにより、従来では検出不可能であったパス内に存在する他の基地局装置からの受信パスの検出が可能となり、これにより、例えば常時において最適な利得設定を行うことが可能となる無線中継増幅装置を実現することができる。
【0059】
以上のように、本例のパス内他局検出機能を有した無線中継増幅装置では、同一のタイミングでパス信号が受信された可能性がある基地局スクランブリングコードの候補を複数記憶し、記憶した複数の基地局スクランブリングコードを候補として使用して受信パスで用いられた基地局スクランブリングコードの同定を行うことにより、例えば基準となる基地局装置からの同期用チャネルの検出パスと比べてnスロット(nは、例えば0から14までの任意の整数)ずれたタイミングで受信される当該基準基地局装置以外の基地局装置からの受信パスを検出することが可能となる。これにより、例えば基準基地局装置と同一のパス内に受信パスが存在する他の基地局装置の検出が可能となり、また、このようなパス内他局検出機能を有することで、無線中継増幅装置において、より安定で且つより高精度な利得設定が可能となる。
【0060】
なお、本例では、同期チャネルの15スロット分のセカンダリ同期コード(SSC)の組合せに基づいて、基準基地局装置と同一のパス内に受信パスが存在する当該基準基地局装置以外の基地局装置に割り当てられたスクランブリングコードが属するグループを判定し、その後、判定した1又は複数のグループに属する複数のスクランブリングコードの中から当該受信パスの拡散に用いられたスクランブリングコードを同定し、当該受信パスを、当該同定したスクランブリングコードが割り当てられた基地局装置からの受信パスであるとして検出する。
【0061】
また、本例では、1フレーム中に15スロットが含まれており、各スロットではプライマリ同期コード(PSC)を用いて拡散された信号が先頭に含まれてこれにコードが多重されてセカンダリ同期コード(SSC)を用いて拡散された信号が含まれることから、プライマリ同期コードの受信タイミングが一致して受信タイミングが同一であるとみなされる場合としては、上記のように、n=0〜14のいずれかの数のスロット分だけ受信タイミングがずれた15通り考えられる。
【0062】
そして、本例では、同期チャネルサーチモードにおいて、15スロット分の同期チャネル(SCH)内のセカンダリ同期コード(SSC)についての逆拡散結果であって所定の閾値以上となる任意の個数の相関ピーク値を選択し、選択した相関ピーク値を取得したときに用いたセカンダリ同期コードの15スロット分の並びに対応するグループを候補として検出し、検出したグループ候補のそれぞれを用いてスクランブリングコードの同定を行うことにより、例えば複数の基地局装置からのスクランブリングコードによる拡散信号の受信タイミングが同一であるような場合においても、これら複数の基地局装置のそれぞれに割り当てられたスクランブリングコードが属するグループや当該スクランブリングコードを特定することが可能となる。
【0063】
なお、本発明に係る無線通信装置では、好ましい態様として、例えばビル等による反射などによって無線通信される信号が複数のパスを経由して伝搬するようなマルチパスが発生する通信環境においては、各パスの信号毎に異なる信号が存在するとしてパス検出を行う。
すなわち、例えば基準となる通信局装置から無線送信される拡散信号が複数のパスを経由して到来する複数のパス信号として受信される場合にはこれら複数のパス信号の中のいずれか1つのパス信号を基準として所定の時間幅(時間窓)を設定することなどを行い、また、当該基準通信局装置以外の通信局装置から無線送信される拡散信号が複数のパスを経由して到来する複数のパス信号として受信される場合には各パス信号毎にパス信号を検出する。なお、同一の信号から発生した複数のパス信号を受信側でRAKE合成などにより合成する態様を用いることが可能である。
【0064】
また、基準となる基地局装置以外の基地局装置から無線送信されて受信する信号を検出する態様としては、例えば当該受信信号自体の存在を検出することを行うような態様ばかりでなく、例えば何らかの受信信号が存在するが当該受信信号の送信元がわからないような場合に、当該受信信号を無線送信した基地局装置を特定した状態で当該受信信号を検出すること(つまり、当該基地局装置を同定すること)を行うような態様を含んでいる。
【0065】
また、基準となる基地局装置から無線送信される信号の受信タイミングを含む所定の時間幅としては、種々な時間幅が用いられてもよい。例えば、CDMA方式を用いた無線通信では、当該時間幅として、基準となる信号を中心として±mチップの時間幅を用いることができ、ここで、mは1以上の数であり、また、チップは拡散符号を構成する単位であって、所定の複数のチップのデータ値(例えば、“1”値及び“0”値)の並びから1単位の拡散符号が構成される。
【0066】
また、本例では、本発明を適用したパス検出の方法を無線中継増幅装置の利得制御に適用した場合を示したが、このようなパス検出方法を、例えば無線携帯機などの移動局装置が通信対象とする基地局装置を検索するパスサーチのような処理に適用することもできる。このような移動局装置におけるパスサーチでは、本発明を適用したパス検出方法により、例えば、スペクトラム拡散された受信信号から複数のパスを検出し、検出したパスの中から基準となるパスを選択し、選択した基準となるパスと同一のパス内でのパス検出処理などを行うことにより、例えば伝搬損が最小となるような通信対象として最適な基地局装置を検索する。ここで、パスサーチとしては、例えば移動局装置の起動時などに行われる初期的なパスサーチや、例えばハンドオーバ時に行われるパスサーチなどに適用することができる。
【0067】
ここで、本例では、無線通信装置として無線中継増幅装置が用いられており、通信局装置として基地局装置が用いられており、基地局装置毎に固有なコードとしてスクランブリングコードが用いられており、固有コードグループ識別コードとして15スロット分の同期チャネルのセカンダリ同期コード(SSC)が用いられている。
【0068】
また、本例では、サーチ部3がセカンダリ同期コードによる15スロット分の受信拡散信号を複数種類の組合せに係るセカンダリ同期コードのそれぞれの組合せを用いて逆拡散する機能により、逆拡散手段が構成されている。
また、本例では、サーチ部3が当該逆拡散結果に基づく相関ピーク値が所定の閾値を超えるセカンダリ同期コードの組合せに対応したスクランブリングコードグループを候補として検出する機能により、固有コードグループ候補検出手段が構成されている。
【0069】
また、本例では、基地局装置から無線送信される固有コードを用いて拡散された信号として、例えば報知チャネルなどの拡散信号が用いられている。
また、本例では、サーチ部3が候補として検出したスクランブリングコードグループに属するスクランブリングコードの中から報知チャネルなどの受信拡散信号の拡散に用いられたスクランブリングコードを同定する機能により、固有コード同定手段が構成されている。
【0070】
また、本例では、固有コードグループ識別コードは15個のスロットのセカンダリ同期コードから構成され、各スロットのセカンダリ同期コードによりスロットコードが構成されている。また、本例では、15個のスロットのセカンダリ同期コードの並びによりスクランブリングコードグループが同定される。
また、本例では、利得設定部10や無線中継増幅部11などが受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置に対応して中継増幅の利得を制御する機能により、中継増幅制御手段が構成されている。
【0071】
ここで、本発明に係る無線通信装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0072】
また、本発明に係る無線通信装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0073】
以下で、本発明の参考となる技術例を示しておく。
まず、第1の参考技術例に係る無線中継増幅装置を説明する。
本例の無線中継増幅装置では、基地局装置から無線送信される同期チャネルや報知チャネルの拡散信号を受信するに際して、受信した同期チャネルの拡散信号に基づいて受信タイミングや当該基地局装置により用いられる拡散符号(コード)を検出し、受信した報知チャネルの拡散信号に基づいて報知情報を取得する。ここで、基地局装置により用いられる拡散符号としては、例えばシステムで唯一な同期用のチャネライゼーションコードや、例えば各基地局装置毎に固有なスクランブリングコードなどがあり、報知チャネルの拡散符号としては例えばチャネライゼーションコードとスクランブリングコードとの積に相当するコードが用いられる。
【0074】
また、本例の無線中継増幅装置では、基準となる基地局装置(基準基地局装置)から受信される複数のパス信号の中で受信レベルが最大となるパス信号をパイロットパス信号として、当該パイロットパス信号を基準として時間窓を例えば1スロット分の時間内に設け、当該1スロット分の時間内であって当該窓の外側のタイミングで受信される信号を当該基準基地局装置以外の基地局装置(他の基地局装置)から無線送信されて受信する信号として検出するような窓外他局検出処理を行い、これにより、未だに検出されていない他の基地局装置からの受信パス信号の存在やその拡散に用いられた拡散符号を検出する。
【0075】
また、本例の無線中継増幅装置では、受信信号を検出した各基地局装置に関して受信信号の伝搬損などの情報を記憶し、当該伝搬損が最も小さくなる基地局装置に対応して下り信号(基地局装置から移動局装置に対する信号)や上り信号(移動局装置から基地局装置に対する信号)に係る中継増幅の利得を制御する。また、当該伝搬損が最も小さくなる基地局装置を上記した基準基地局装置として用いる。
【0076】
また、本例の無線中継増幅装置では、具体的な動作例として、同期チャネルサーチモードでの処理、報知チャネルサーチモードでの処理、他局サーチモードでの処理が行われる。
同期チャネルサーチモードでは、同期チャネルに基づいて、基地局装置からの受信信号の受信タイミングを検出し、当該受信タイミングを用いて当該基地局装置で用いられたスクランブリングコードを同定する。
報知チャネルサーチモードでは、当該同定されたスクランブリングコードを用いて、当該基地局装置からの報知チャネルの受信タイミングなどを検出する。
他局サーチモードでは、未だに受信パスの存在が検出されていない基地局装置により用いられているスクランブリングコードを同定して、当該基地局装置からの受信パスを検出する。
【0077】
次に、第2の参考技術例に係るパス検出を説明する。
本例のパス検出では、複数の基地局装置に共通なコードを用いて拡散された信号(共通拡散信号)と、各基地局装置毎に固有なコードを用いて拡散された信号(固有拡散信号)とを基地局装置から無線により受信する場合に、共通コードを用いて検出される共通拡散信号と基準となる基地局装置の固有コードを用いて検出される固有拡散信号とを比較することにより、検出した共通拡散信号の中で検出した固有拡散信号と対応しない信号(共通拡散信号)を当該基準基地局装置以外の基地局装置(他の基地局装置)からの受信パス信号として検出する。なお、共通コードとしては例えばチャネライゼーションコードが用いられ、固有コードとしては例えばスクランブリングコードが用いられる。また、本例のパス検出は、例えば基準基地局装置からの受信信号に基づいて設定された所定の時間窓の内側で受信される拡散信号に対して適用されると特に有効であり、これにより、効率的な窓内他局検出を実現することができる。
【0078】
次に、第3の参考技術例に係るパス検出を説明する。
本例のパス検出では、各基地局装置毎に固有なコードを用いて拡散された信号を基地局装置から無線により受信するに際して、基準となる基地局装置の固有コードを用いて受信拡散信号を逆拡散し、当該逆拡散結果に基づく受信レベルに関する値が所定の閾値未満となる受信拡散信号の中から当該基準通信局装置以外の通信局装置からの拡散信号を検出する。また、当該検出に際して、受信拡散信号の拡散に用いられた固有コードを同定する。なお、共通コードとしては例えばチャネライゼーションコードが用いられ、固有コードとしては例えばスクランブリングコードが用いられる。また、本例のパス検出は、例えば基準基地局装置からの受信信号に基づいて設定された所定の時間窓の内側で受信される拡散信号に対して適用されると特に有効であり、これにより、効率的な窓内他局検出を実現することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る無線通信装置によると、各通信局装置毎に固有なコードが属するグループを識別するための固有コードグループ識別コードを用いて拡散された信号を無線送信する通信局装置から当該拡散信号を受信するに際して、当該受信拡散信号を複数の固有コードグループ識別コードのそれぞれを用いて逆拡散し、当該逆拡散結果に基づく値が所定の閾値を超える固有コードグループ識別コードに対応した固有コードグループを候補として検出するようにしたため、例えば同一のパス内に複数の通信局装置からの受信拡散信号が重なってしまったような場合においても、例えばこれらの各通信局装置に割り当てられた固有コードが含まれる複数の固有コードグループを候補として検出することができる。
【0080】
また、本発明に係る無線通信装置では、更に、通信局装置から固有コードを用いて拡散された信号を受信する場合に、検出された固有コードグループの候補に属する固有コードの中から当該受信拡散信号の拡散に用いられた固有コードを同定するようにしたため、例えば同一のパス内に複数の通信局装置からの受信拡散信号が重なってしまったような場合においても、例えばこれらの各通信局装置に割り当てられた固有コードを同定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る無線中継増幅装置の一例を示す図である。
【図2】 他局検出処理部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1・・無線復調部、 2・・A/D変換部、 3・・サーチ部、
4・・逆拡散部、 5・・ベースバンド復調部、 6・・報知情報解析部、
7・・受信レベル測定部、 8・・伝搬損算出部、
9・・検出局リスト保持部、 10・・利得設定部、
11・・無線中継増幅部、 21・・サーチ制御部、 22・・パス検出部、
23・・タイミング生成部、 24・・コード同定部、
25・・他局検出処理部、 31、35・・セレクタ、
32・・窓外他局検出処理部、 33・・窓内他局検出処理部、
34・・パス内他局検出処理部、
Claims (4)
- 通信局装置から拡散信号を受信する無線通信装置であって、
基準となる通信局装置から受信されるパスの中で受信レベルが最大となるパスの受信タイミングを基準となるタイミングとして、当該基準となるタイミングを中心とする時間窓の外側に受信パスが存在する他の通信局装置を検出する窓外他局検出手段と、
前記基準となるタイミングを中心とする時間窓の内側に受信パスが存在する通信局装置の候補の内で、未検出の通信局装置を検出する窓内他局検出手段と、
前記基準となるタイミングと同一の受信タイミングに受信パスが存在する通信局装置の候補の内で、未検出の通信局装置を検出するパス内他局検出手段と、
窓外他局検出手段と窓内他局検出手段とパス内他局検出手段の内のいずれか一つにより処理を行うように切り替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1に記載の無線通信装置において、
各通信局装置毎に固有なコードが属するグループを識別するための固有コードグループ識別コードを用いて拡散されるとともに前記固有なコードを用いて拡散された信号を無線送信する通信局装置から当該拡散信号を受信し、
前記パス内他局検出手段は、当該受信拡散信号を複数の固有コードグループ識別コードのそれぞれを用いて逆拡散する逆拡散手段と、当該逆拡散結果に基づく値が所定の閾値を超える固有コードグループ識別コードに対応した固有コードグループを候補として検出する固有コードグループ候補検出手段と、固有コードグループ候補検出手段により検出された候補に属する固有コードの中から当該受信拡散信号の拡散に用いられた固有コードを同定する固有コード同定手段を備えたことを特徴とする無線通信装置。 - 請求項2に記載の無線通信装置において、
固有コードグループ識別コードは所定の複数のスロットコードから構成され、当該所定の複数のスロットコードの並びと固有コードグループとが対応させられる、
ことを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置において、
通信局装置に相当する基地局装置と移動局装置との間で通信される信号を中継増幅する無線中継増幅装置であり、
受信信号の伝搬損が最小となる基地局装置に対応して前記中継増幅の利得を制御する中継増幅利得制御手段を備えた、
ことを特徴とする無線通信装置。
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