JP4165900B1 - 切断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】角筒状の材料Sを切断する切断装置1であって、前記材料Sを所定位置に固定する固定刃23と、前記材料Sを切断するための切断機構31、51とを備え、前記切断機構31,51は、前記材料Sを切断する移動刃33,53と、前記移動刃33,53を移動自在に支持する移動刃支持機構31,51と、前記移動刃33,53に対し前記材料Sの所定の一面S1,S2に対する平行移動と旋回移動とを付与する駆動手段39,59,41,61とを、備えている。
【選択図】 図1
Description
先ず、本実施形態に係る切断装置1の全体概要について説明する。図1は切断装置1の正面図であり、切断対象物である角筒状の金属材料Sが紙面の法線方向に移動する向きで示されている。本実施形態で切断する金属材料Sは、あくまでも一例ではあるが、天井の下地材等として用いられる角スタッドであるので、以下「角スタッドS」を用いて本発明の内容を説明する。但し、本発明の切断装置1で切断できるのは角スタッドSだけではなく、その他の材料も切断できることは言うまでもないことである。
フレーム11は概ね長方形を形成しており、上側フレーム11aと、下側フレーム11bと、右側フレーム11cと左側フレーム11dとからなる。尚、ここで言う上下左右は、発明内容の理解を容易にするための便宜上の位置を示すものであり、上下を入れ替えたり、左右を入れ替えたりしても、発明の本質に変更はない。
次に、切断機構について説明する。なお、上側および下側の各切断機構31,51の構造はほぼ同一であるので、以下では主に上側切断機構31に着目して説明することとする。しかしながら、必要な場合には、下側切断機構51の各構成要素も引用しながら説明をする。
移動刃33は板状の切断刃であり、図2及び図3に示すように水平移動によって角スタッドSの一面である上面部S1を切断する第1刃部33aと、図4に示すように旋回移動によって角スタッドSの断面の右側の垂直面部S3を切断する第2刃部33bとからなる。第1刃部33aは、角スタッドSに切り込むための鋭利な先端部を有し、その先端部の上方に凹んだU字状部を備えている。これにより、先端部で角スタッドSに切り込んだ後は、U字状部で角スタッドSの上面部S1を切断できるようになっている。また、第2刃部33bは略V字状に凹んだ形状を有しており、その一方の斜面部によって角スタッドSの右側の垂直面部S3を切断するようになっている。
次に、移動刃を支持する移動刃支持機構35について説明する。移動刃支持機構35は、主要部をなすベース部35aと、このベース部35aをレール37に係合するレール係合部35bと、ベース部35aから下方に突出する旋回移動軸支部35cと、この旋回移動軸支部35cに揺動自在に軸支される移動刃支持部35dと、旋回移動駆動手段41を揺動自在に支持する旋回移動駆動手段軸支部35eとを備えている。
ベース部35aは、レール37と平行に配置され、レール37の長手方向に沿った2箇所で、レール係合部35bによってレール37に係合されている。そして、レール係合部35bはレール37に沿ったベース35aの移動を許容するように係合されている。このため、ベース部35aに水平方向の外力が加わった場合には、その外力の方向に応じてベース部35aが水平移動することとなる。
また、ベース部35aの右端の下面には、旋回移動軸支部35cが設けられている。旋回移動軸支部35cは逆台形状の形状をしており、その下端部近傍に旋回軸35c1が設けられている。そして、この旋回軸35c1には、移動刃支持部35dが係合されており、この移動刃支持部35dは旋回軸35c1を中心として旋回できるようになっている。移動刃支持部35dはL字形状を有しており、一方の辺に移動刃33が固定され、他方の辺の先端部が旋回軸35c1に係合されている。尚、移動刃支持部35dは移動刃33を両側から挟むようなチャック構造を備えており、ネジの着脱によって移動刃33を取り替えることができるようになっている。
ベース部35aの上面には、図2に示すように、旋回移動駆動手段軸支部35eが設けられている。この旋回移動駆動手段軸支部35eは、逆U字状の形状を有しており、その下端部がボルトによって左右の両側でベース部35aに固定されている。また、旋回移動駆動手段軸支部35eの上端部には揺動軸35e1が設けられ、この揺動軸35e1に旋回移動駆動手段41が揺動自在に軸支されている。従って、旋回移動駆動手段41はベース部35aの移動に伴って一体として移動することとなる。
平行移動駆動手段39は、油圧シリンダからなり、図1及び2に示すように、ベース部35aの左端に係合されている。また、平行移動駆動手段39の本体部分は左側フレーム11dに固定されており、油圧シリンダの伸縮に伴って移動刃支持機構35を水平方向(上面部S1に平行な方向)に移動させることができるようになっている。なお、平行移動駆動手段39は移動刃支持機構35の左側に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、右側に配置するようにしてもよい。
旋回移動駆動手段41は、平行移動駆動手段39と同様に油圧シリンダから構成されている。そして、上記したように、旋回移動駆動手段軸支部35eの揺動軸35e1に係合されている。このため、図4に示すように、旋回移動駆動手段41である油圧シリンダの伸縮によって移動刃支持部35dを旋回させると共に、旋回移動駆動手段自体41も揺動できるようになっている。尚、当該旋回移動駆動手段31も油圧シリンダに限定されるものではなく、エアシリンダや上記した電動モータと長ネジを用いたものでもよい。
下側切断機構51は上記したように上側切断装置31とほぼ同一の構造を有しているが、一部の点で異なっている。異なる点としては、各部の配置が上下左右方向で逆になっている点である。このため、下側切断機構51は左方向に移動する時に角スタッドSを切断することとなる。また、平行移動駆動手段59は、上側切断機構31と同様に左側フレーム11dに固定されている。
固定刃支持フレーム21は、右側フレーム11cと左側フレーム11dのそれぞれの中間部に固定されている。この固定刃支持フレーム21は、切断工程の際に角スタッドSを固定する固定刃23を支持するものである。この固定刃23には、角スタッドSが貫通するための貫通穴25が形成されている。
次に、図2〜図4に基づいて、本実施形態に係る切断装置の作用について詳述する。
図2は、切断前の状態を示す正面図である。切断前の状態においては、上側切断機構31の移動刃33は角スタッドSの左側に位置しており、下側切断機構51の移動刃53は角スタッドSの右側に位置している。そして、各移動刃33,53の第1刃部33aが角スタッドSの左上角部及び右下角部の近傍に位置している。
切断工程が開始されると、平行移動駆動手段39、59である各油圧シリンダが作動を開始する。上側切断機構31の油圧シリンダは右方に向かって伸び始め、下側切断機構51の油圧シリンダは左方に向かって縮み始める。これに伴い、移動刃支持機構35がレール37に沿って水平方向右方及び左方にそれぞれ移動を開始する。これは、角スタッドSの上面部S1および下面部S2に対して平行移動である。これにより、第1刃部33aの先端部が角スタッドSの角部へ食い込み、切断作業が始まる。そして、一旦第1刃部33aの先端部が角スタッドSの内部に進入すると、その後は第1刃部33aのU字状部で切断が進行する。
平行移動による切断中は、継続して各油圧シリンダが動作し、最終的には図3に示すように、上側の移動刃33が角スタッドSの右上角部を通過し、下側の移動刃53が角スタッドSの左下角部を通過して停止する。これにより、角スタッドSの上面部S1と下面部S2が完全に切断される。各移動刃33,53の停止位置は、第2刃部33bが角スタッドの垂直面部S3,S4に対向するような位置である。
図4は、垂直面部S3,S4の切断工程を示す図である。この図に示すように、垂直面部S3,S4の切断の際には、旋回移動駆動手段41、61である油圧シリンダが伸びる。これにより、移動刃支持部35dは旋回軸35c1を中心として旋回を始める。この旋回に伴って第2刃部33bが角スタッドSの垂直面部S3,S4を切断し始め、最終的には右側の垂直面部S3の下端近傍及び左側の垂直面部S4の上端近傍まで切断される。これにより、角スタッドSの断面全体が完全に切断されることとなる。
切断工程が終了すると、各油圧シリンダは元の状態に戻るように作動を始める。すなわち、旋回移動駆動手段41である各油圧シリンダは元の長さに縮み、移動刃支持部35dを水平方向に復帰させる。次に、上側切断機構31に係合された平行移動駆動手段39である油圧シリンダは縮むことで、上側切断機構31を左側の初期位置に復帰させる。一方、下側切断機構51に係合された平行移動駆動手段59である油圧シリンダは伸びることで、下側切断機構51を右側の初期位置に復帰させる。これにより、切断前の状態に戻される。この状態において、切断対象物である角スタッドSが固定刃23の貫通穴25内を移動し、次の切断位置で停止する。そして、上記した各切断工程が繰り返される。尚、本発明は角スタッドSが常に移動しているような、走行切断機に対しても適用可能である。その場合は、切断装置1を角スタッドSの移動速度に同期させた上で切断を行い、切断完了後に元の位置に復帰させるような制御が行われる。
以上は、移動刃33、53の水平な平行移動により角スタッドSの上下面部S1,S2を切断した後に、旋回移動により垂直面部S3,S4を切断する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図1の切断装置1の全体を90°回転させることで、移動刃33の垂直移動により垂直面部を切断した後に、旋回移動により上下面部を切断するように変形してもよい。これは、各構成要素の設置関係を単純に変更しただけであり、発明の本質は何ら変化していないものである。
11 フレーム
21 固定刃支持フレーム
23 固定刃
25 貫通穴
31 上側の切断機構
33 移動刃
35 移動刃支持機構
35a ベース部
35b レール係合部
35c 旋回移動軸支部
35c1 旋回軸
35d 移動刃支持部
35e 旋回移動駆動手段軸支部
35e1 揺動軸
Claims (10)
- 角筒状の材料を切断する切断装置であって、
前記材料を所定位置に固定する固定刃と、
前記材料を切断するための切断機構とを備え、
前記切断機構は、前記材料を切断する移動刃と、前記移動刃を移動自在に支持する移動刃支持機構と、前記移動刃に対し前記材料の所定の一面に対する平行移動と旋回移動とを付与する駆動手段とを備え、
前記移動刃は、切断時における前記平行移動の方向に関して先端部に設けられ且つ前記平行移動により前記一面の少なくとも一部を切断する第1刃部と、切断時における前記平行移動の方向に関して前記第1刃部の後方に設けられ且つ前記旋回移動により前記一面と直角な他面の少なくとも一部を切断するV字状に凹んだ第2刃部と、を備えており、
前記第1刃部は平行移動によって前記一面を材料の内側から外側に向かって切断するような傾斜を有し、前記第2刃部は旋回移動によって前記他面を材料の内側から外側に向かって切断することを特徴とする切断装置。 - 前記切断機構は、前記材料の所定の一面側および前記一面と平行な他面側にそれぞれ1組づつ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
- 前記各移動刃支持機構は、相互に平行で且つ反対方向に移動することで前記材料を切断することを特徴とする請求項1又は2に記載の切断装置。
- 前記移動刃支持機構は、前記材料の所定の一面に平行に移動するベースと、このベースに固定される旋回移動軸支部と、この旋回移動軸支部に設けられた旋回軸に対して旋回自在に係合される移動刃支持部とを備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の切断装置。
- 前記ベースには旋回移動駆動手段軸支部が固定され、この旋回移動駆動手段軸支部には所定の揺動軸が設けられ、この揺動軸に旋回移動を付与する駆動手段が揺動自在に軸支され、更に前記旋回移動駆動手段が前記移動刃支持部に係合されていることを特徴とする請求項4に記載の切断装置。
- 前記移動刃支持機構は所定のフレームに設けられたレールに係合されており、前記フレームには前記レールに沿って前記移動刃支持機構を移動させる駆動手段が固定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の切断装置。
- 前記駆動手段の少なくとも1つは油圧シリンダであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の切断装置。
- 請求項1〜7に記載の切断装置に使用されることを特徴とする移動刃。
- 所定の移動刃を用いて角筒状の材料を切断する切断方法であって、
前記移動刃を前記材料の所定の一面に対して平行移動させて前記一面の少なくとも一部を切断し、
しかる後、前記移動刃を前記材料に対して旋回移動させて前記一面と直角な他面の少なくとも一部を切断するものであり、
前記移動刃は、切断時における前記平行移動の方向に関して先端部に設けられ且つ前記平行移動により前記一面の少なくとも一部を切断する第1刃部と、切断時における前記平行移動の方向に関して前記第1刃部の後方に配置され且つ前記旋回移動により前記一面と直角な他面の少なくとも一部を切断するV字状に凹んだ第2刃部と、を備えており、
前記第1刃部は平行移動によって前記一面を材料の内側から外側に向かって切断するような傾斜を有し、前記第2刃部は旋回移動によって前記他面を材料の内側から外側に向かって切断することを特徴とする切断方法。 - 前記移動刃は、前記材料の所定の一面側および前記一面と平行な他面側にそれぞれ1組づつ設けられていることを特徴とする請求項9に記載の切断方法。
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