JP4165458B2 - ポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物 - Google Patents
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Description
回路パターンを製造する工程の簡略化のために感光性ポリイミドが注目されている。感光性ポリイミド樹脂に代わって、耐湿性に優れる感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂も開発されてきている。
R1はフェノール性水酸基を有する4価の有機基またはフェノール性水酸基を有さない炭素数1〜30の4価の有機基を示し、
R2は各々独立に水酸基を示すかまたはフェノール性水酸基を有してもよい1価の有機基を示し、
R3は一般式(2)〜(5)
Xは硫黄原子またはNR8(式中、R8は水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す。)を示し、
R4〜R7は各々独立してフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基またはフェノール性水酸基を有してもよい複素環基を示す。)
のいずれかで示される有機基を示す。)
で示される繰り返し単位を有し、ポリマー全体に含まれるフェノール性水酸基の量が一般式(1)で示される繰り返し単位1モルあたり0.3〜3モルであるポリイミド前駆体と、
感光性溶解阻害剤と、
を含有するポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物である。
R2がフェノール性水酸基を有する1価の有機基であって、ポリアミド酸のカルボン酸部分でアミドを構成する場合に、アミドを構成するために用いられるフェノール性水酸基を含有するアミン化合物としては、好ましくは、4−ヒドロキシベンジルアミン、3−ヒドロキシベンジルアミン、2−ヒドロキシベンジルアミン、4−ヒドロキシフェネチルアミンなどが挙げられる。
式(2)〜(3)のR4が示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基は、フェノール性水酸基を有してもよい芳香族化合物または複素環化合物から4つの水素を除いたものに相当する4価の基である。式(2)〜(3)のR4が示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基の具体例としては、
2,6−(3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾール、5−アミノ−2−(m−ヒドロキシ−p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、5−アミノ−2−(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールなどのジアミノベンゾチアゾール残基、
2,6−(3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニル)ベンズ[1,2−d:5,4−d´]ビスイミダゾール、5−アミノ−2−(m−ヒドロキシ−p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、5−アミノ−2−(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールなどのジアミノベンズイミダゾール残基など。
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの4−ヒドロキシベンジルアルコールおよび2LのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間滴下した。この状態で3時間放置した後に1モルの2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの4−ヒドロキシベンジルアルコールおよび1LのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間滴下した。この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を入れて混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥して、ポリイミド前駆体1を合成した。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体2を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体3を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体4を合成した。
・ピロメリット酸無水物の代わりに3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体5を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体6を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンズ[1,2−d:5,4−d´]ビスイミダゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体7を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体8を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体9を合成した。
・ピロメリット酸無水物の代わりに3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体10を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体11を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,2´−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いた。
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体12を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテルを用いた。
100重量部のポリイミド前駆体1に対して、20重量部のキノンジアジド化合物(東洋合成工業(株)製、MG−300)をNMPに溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスを得た。このワニスをスピンコーターでシリコンウェハ上に回転塗布して、ホットプレートを用いて100℃で5分間乾燥を行い、10μmの塗膜を得た。この塗膜に対してマスク(1〜50μmの残しパターンおよび抜きパターン)を介して、超高圧水銀灯を用いて紫外線を照射した。その後、2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像を行った。次に、シリコンウェハを水でリンスして、乾燥した。その結果、露光量400mJ/cm2の照射で良好なパターンが形成され、残膜率は92%であった。また、現像後の外観は良好であった。さらに、窒素雰囲気下で200℃にて30分間、次いで、400℃にて60分間の熱処理を行った。前記熱処理後の膜をシリコンウハから剥がし、TMA(熱機械分析)法により25〜200℃の範囲で昇温速度10℃/分で測定したところ、熱膨張係数は4ppm/℃であった。
ポリイミド前駆体1の代わりに、ポリイミド前駆体2〜10を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
ポリイミド前駆体1の代わりに、ポリイミド前駆体11〜12を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
残膜率(%)=(現像後の膜厚)÷(現像前の膜厚)×100
Claims (1)
- 下記一般式(1)
(式中、
R1はフェノール性水酸基を有する4価の有機基またはフェノール性水酸基を有さない炭素数1〜30の4価の有機基を示し、
R2は各々独立に水酸基を示すかまたはフェノール性水酸基を有してもよい1価の有機基であって、R 1 に結合するカルボニル基を含んだエステル結合もしくはアミド結合を形成する有機基を示し、
R3は一般式(2)〜(5)
(一般式(2)〜(5)中、
Xは硫黄原子またはNR8(式中、R8は水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す。)を示し、
R4〜R7は各々独立してフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基またはフェノール性水酸基を有してもよい複素環基を示す。)
のいずれかで示される有機基を示す。)
で示される繰り返し単位を有し、ポリマー全体に含まれるフェノール性水酸基の量が一般式(1)で示される繰り返し単位1モルあたり0.3〜3モルであるポリイミド前駆体と、
感光性溶解阻害剤と、
を含有するポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
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