JP4165458B2 - ポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
従来から、半導体素子の表面保護や層間絶縁膜の形成には、耐熱性、電気特性、機械特性に優れるポリイミド樹脂が使用されてきた。また、メモリやマイクロプロセッサーなどの主要デバイスの生産性を向上させるための半導体素子の高集積化・大型化、情報機器用デバイスの薄型パッケージングに対応した封止樹脂パッケージの薄型化・小型化、半田リフローによる表面実装などに伴い、耐熱サイクル性、耐熱ショック性などについての大幅な性能向上がポリイミド樹脂に対して要求されている。換言すれば、より高性能なポリイミド樹脂が望まれている。
回路パターンを製造する工程の簡略化のために感光性ポリイミドが注目されている。感光性ポリイミド樹脂に代わって、耐湿性に優れる感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂も開発されてきている。
特開2000−187324号公報 特開2001−214055号公報
本発明は、基材との密着性の低下や基材の反りなどが軽減し、かつ、電気特性、解像性などに優れた樹脂膜を与えるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、樹脂膜と基材との密着性の低下や基材の反りなどが生じるのは、樹脂膜と基材との熱膨張係数が乖離しているためであることに着目し、さらに、基板として用いられる無機材料の熱膨張係数に近いポリイミド樹脂を与えるためのポリイミド前駆体の化学構造を鋭意検討することによって以下に記載する本発明を完成した。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物(以下、「本発明の前駆体組成物」とも表記する)は、下記一般式(1)
Figure 0004165458
(式中、
はフェノール性水酸基を有する4価の有機基またはフェノール性水酸基を有さない炭素数1〜30の4価の有機基を示し、
は各々独立に水酸基を示すかまたはフェノール性水酸基を有してもよい1価の有機基を示し、
は一般式(2)〜(5)
Figure 0004165458
(一般式(2)〜(5)中、
Xは硫黄原子またはNR(式中、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す。)を示し、
〜Rは各々独立してフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基またはフェノール性水酸基を有してもよい複素環基を示す。)
のいずれかで示される有機基を示す。)
で示される繰り返し単位を有し、ポリマー全体に含まれるフェノール性水酸基の量が一般式(1)で示される繰り返し単位1モルあたり0.3〜3モルであるポリイミド前駆体と、
感光性溶解阻害剤と、
を含有するポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物である。
本発明の前駆体組成物に含まれるポリイミド前駆体をイミド化すると熱膨張係数が小さいポリイミドが得られる。よって、シリコンウエハなどの低熱膨張係数の基材上に本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物を塗布してイミド化した後にシリコンとの熱膨張率の差が小さいポリイミド膜が得られ、そのようなポリイミド膜は、基材との密着性がよく反りなどが生じ難い。また、優れた現像性、感光性を呈して、良好なパターンが得られる。よって、本発明の前駆体組成物は、ICやLSIなどの半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜などといった微細パターンの加工が必要とされる場合の絶縁材料の前駆体として、半導体デバイスなどの製造において有用である。
本発明のポリイミド前駆体組成物は、特定構造を有するポリイミド前駆体と、感光性溶解阻害剤とを含有する。上記ポリイミド前駆体は、上記一般式(1)(式中、各記号は上述のとおり。)で表される繰り返し単位を有する。上記ポリイミド前駆体は、ポリアミド酸エステルを基本構造とし、所定量のフェノール性水酸基を有する。
式(1)のRが示すフェノール性水酸基を有さない炭素数1〜30の4価の有機基は、耐熱性の観点から、好ましくは芳香族環または芳香族複素環を含有し、好ましくは炭素数6〜30の有機基であって、典型的にはテトラカルボン酸二無水物の残基として表現することができ、前記テトラカルボン酸二無水物は特に限定されず、好ましくは、ピロメリット酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸などといった芳香族テトラカルボン酸が挙げられる。
式(1)のRが示すフェノール性水酸基を有する4価の有機基は、芳香族環の水素原子が置換された水酸基を有していればよく、上述した芳香族環を有するテトラカルボン酸二水和物の残基であってその芳香族環にフェノール性水酸基を有する有機基が挙げられる。
式(1)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい1価の有機基としては、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、アルキルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルアミノ基、ベンジル基などが挙げられ、これらのうち芳香族環を有する有機基では前記芳香族環の水素原子が水酸基に置換されていてもよい。Rがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である場合、典型的にはポリアミド酸のカルボン酸部分とフェノール性水酸基を有するアルコール化合物またはアミン化合物とがエステルまたはアミドを形成する。
がフェノール性水酸基を有する1価の有機基であって、ポリアミド酸のカルボン酸部分でエステルを構成する場合に、エステルを構成するために用いられるフェノール性水酸基を含有するアルコール化合物としては、好ましくは、4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコールなどが挙げられる。
がフェノール性水酸基を有する1価の有機基であって、ポリアミド酸のカルボン酸部分でアミドを構成する場合に、アミドを構成するために用いられるフェノール性水酸基を含有するアミン化合物としては、好ましくは、4−ヒドロキシベンジルアミン、3−ヒドロキシベンジルアミン、2−ヒドロキシベンジルアミン、4−ヒドロキシフェネチルアミンなどが挙げられる。
次に、式(1)のRが参照する式(2)〜(5)について説明する。
式(2)〜(3)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基は、フェノール性水酸基を有してもよい芳香族化合物または複素環化合物から4つの水素を除いたものに相当する4価の基である。式(2)〜(3)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基の具体例としては、
Figure 0004165458
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、S=O、CH、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン、イソプロピリデンである。)などが挙げられ、さらに、上記芳香族環の任意の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
式(2)〜(4)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基は、フェノール性水酸基を有してもよい芳香族化合物または複素環化合物から2つの水素を除いたものに相当する2価の基である。式(2)〜(4)のRが示す芳香族基または複素環基の具体例としては、
Figure 0004165458
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、S=O、CH、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン、イソプロピリデンである。)などが挙げられ、さらに、上記芳香族環の任意の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
式(4)〜(5)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基は、フェノール性水酸基を有してもよい芳香族化合物または複素環化合物から3つの水素を除いたものに相当する3価の基である。式(4)〜(5)のRが示す芳香族基または複素環基の具体例としては、
Figure 0004165458
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、S=O、CH、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン、イソプロピリデンである。)などが挙げられ、さらに、上記芳香族環の任意の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
式(5)のRが示すフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基または複素環基は、フェノール性水酸基を有してもよい芳香族化合物または複素環化合物から2つの水素を除いたものに相当する2価の基である。式(5)のRが示す芳香族基または複素環基の具体例としては、
Figure 0004165458
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、SO、S=O、CH、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン、イソプロピリデンである。)などが挙げられ、さらに、上記芳香族環の任意の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
式(2)〜(5)のXが参照するNRの、Rが示すアルキル基は、炭素数が好ましくは1〜12個、より好ましくは1〜6個のアルキル基である。
式(1)のRが示す有機基は、好ましくはベンゾチアゾール残基またはベンズイミダゾール残基である。好ましいベンゾチアゾール残基の具体例として、2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾール、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、2,2´−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾチアゾール)などのジアミノベンゾチアゾールの2価の残基が挙げられ、好ましいベンズイミダゾール残基の具体例として、2,6−(4,4´―ジアミノジフェニル)ベンズ[1,2−d:5,4−d´]ビスイミダゾール、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、2,2´−p−フェニレンビス(5−アミノベンズイミダゾール)などのジアミノベンズイミダゾールの2価の残基が挙げられる。
式(1)のRが示す有機基がフェノール性水酸基を有する場合の好適例は以下のとおりである。
2,6−(3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾール、5−アミノ−2−(m−ヒドロキシ−p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、5−アミノ−2−(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールなどのジアミノベンゾチアゾール残基、
2,6−(3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノジフェニル)ベンズ[1,2−d:5,4−d´]ビスイミダゾール、5−アミノ−2−(m−ヒドロキシ−p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、5−アミノ−2−(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールなどのジアミノベンズイミダゾール残基など。
本発明で用いるポリイミド前駆体の主鎖の少なくとも一つの末端は、結合性基を有する連鎖延長剤によって該結合性基を介して封鎖封止されていてもよい。連鎖延長剤が有する結合性基は芳香族ジアミンまたは二酸無水物と結合する官能基である。連鎖延長剤は、連結性基をさらに有する。連結性基は芳香族ジアミンと二酸無水物とからポリイミド前駆体を合成するための条件とは異なる条件下で該ポリイミド前駆体同士を該連鎖延長剤を介して連結することができる有機基である。連鎖延長剤の具体例として、アルケニル基、アルキニル基、シクロブテン環を含有する二酸無水物又は1級又は2級のアミンが挙げられ、より具体的には、例えば無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビニルフタル酸無水物、1,2−ジメチル無水マレイン酸、4−シクロヘキセンー1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、フェニルエチニルアニリン、エチニルアニリン、3−(3−フェニルエチニルフェノキシ)アニリン、プロパルギルアミン、アミノベンゾシクロブテンなどが挙げられる。連鎖延長剤の量は、一般的に望ましい分子量および溶液の粘度を得るために選択され、量が増えるとポリイミド前駆体の分子量が減少し、それゆえポリイミド前駆体を含む溶液の粘度が減少する。塗布方法により最適な溶液粘度が存在するので、溶液の濃度と塗布方法を考慮して連鎖延長剤の量を決めるのが好ましい。
本発明で用いるポリイミド前駆体においては、ポリイミド膜と基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲内でR、Rにシロキサン構造を有する脂肪族の基が導入されていてもよい。換言すると、ポリアミド酸を得るための全ジアミン成分の1〜10モル%の量の、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどを共重合させてもよい。
本発明の前駆体組成物が後述するポジ型感光性を発揮するためには、上記ポリイミド前駆体(ポリマー)全体に含まれるフェノール性水酸基の量が一般式(1)で示される繰り返し単位1モルあたり0.3〜3モルであり、好ましくは1〜2モルである。上記フェノール性水酸基の量が少なすぎると現像の際にアルカリ溶液に溶け難いが故に良好なポジ型感光性を呈さない。上記フェノール性水酸基の量が多すぎると、現像時に膜減りが大きく、良好なパターンを形成できない虞がある。
本発明のポリイミド前駆体の合成は公知の手段を組合わせることでなし得る。以下、Rがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である場合の合成についてやや詳しく記載するが、RやRにフェノール性水酸基が含まれる場合であっても公知の合成方法に倣って適当な出発原料を適宜選択して合成することができる。
まず、テトラカルボン酸二無水物と、フェノール性水酸基を有するアルコール化合物またはフェノール性水酸基を有するアミン化合物とを反応させて、テトラカルボン酸ジエステルまたはテトラカルボン酸ジアミドを合成する。ここで、フェノール性水酸基を含有するアルコール化合物、フェノール性水酸基を含有するアミン化合物の好適例は上述のとおりである。ついで、該ジエステルまたはジアミドを塩化チオニルなどと反応させて、テトラカルボン酸ジエステル塩化物またはテトラカルボン酸ジアミド塩化物を合成して、得られた塩化物を有機溶媒に溶解させる。この塩化物を、脱ハロゲン化水素剤(ピリジンなど)を含有した有機溶剤に溶解したジアミノベンゾチアゾール化合物またはジアミノベンズイミダゾール化合物と反応させるか、あるいは、上記塩化物を、適当な脱水剤(シクロヘキシルカルボジイミドなど)を用いてジアミノベンゾチアゾール化合物またはジアミノベンズイミダゾール化合物と反応させる。このときの溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどを主成分とする極性溶剤やγ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒が挙げられる。
本発明で用いる感光性溶解阻害剤は、露光前はアルカリ水溶液に対して難溶な物質であって上述のポリイミド前駆体の溶解阻害剤として作用し、かつ、露光によってアルカリ水溶液に易溶となってポリイミド前駆体の溶解促進剤として作用する物質である。そのような物質はポジ型感光性樹脂の分野で公知であり、例えば、フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会)、56−58頁、241頁、山岡亜夫監修「フォトポリマーの基礎と応用」(シーエムシー出版)、85−87頁、175−179頁などにその作用機構とともに記載されている。感光性溶解阻害剤の典型例としては、o−キノンジアジド化合物が挙げられる。特に、ナフトキノンジアジドスルホン酸とフェノール性水酸基を有する化合物とからなるエステルが好ましい。前記エステルを形成するためのナフトキノンジアジドスルホン酸としては、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸を挙げることができる。フェノール性水酸基を有する化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、トリヒドロキシベンゾフェノンなどが使用され、またノボラック樹脂レジストなどに用いられる各種フェノール化合物も使用できる。具体的には、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド化合物などを例示できるがこれらに限定されない。
感光性溶解阻害剤はポリイミド前駆体100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部添加される。
本発明の前駆体組成物は、塗膜または加熱処理後の樹脂と基板との接着性を向上させるために、接着促進剤を用いることができる。接着促進剤としては、有機シラン化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、珪素含有ポリアミド酸などが好ましく挙げられる。本発明の前駆体組成物は、基板との接着性、感度、解像度、耐熱性などを損なわない範囲で可塑剤、色素、重合禁止剤などの他の添加物をさらに含有してもよい。
本発明の前駆体組成物は、溶媒に溶解して溶液状態で得ることができる。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、ジメチルイミダゾリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
本発明の前駆体組成物は浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、スピンコート法などによって、シリコンウエハ、金属基板、セラミック基板などの基材表面に塗布し、加熱して溶剤の大部分を除くことにより、基材表面に粘着性のない塗膜を与えることができる。塗膜の厚みには特に制限はないが、4〜50μmが好ましい。この塗膜に、所定のパターンを有するマスクを通して、化学線を照射して、パターン状に露光した後、膜の未露光部分を、適切な現像液で現像して除去することにより、所望のパターン化された膜を得ることができる。化学線としては、紫外線、可視光線、X線、電子線などが使用でき、化学線照射装置として、g線ステッパ、i線ステッパ、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機などが挙げられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩アルカリ類の水溶液およびこれにメタノール、エタノールのようなアルコール類などの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適量添加した水溶液を好適に使用することができる。
現像後に、必要に応じて、水または貧溶媒で塗膜を洗浄し、ついで約100℃前後で塗膜を乾燥して、パターンを安定化することが望ましい。パターンを形成させた塗膜を加熱して、優れた耐熱性、機械特性、電気特性を有するポリイミド膜を得ることができる。加熱温度は、150〜500℃が好ましく、300〜450℃がさらに好ましい。加熱時間は0.05〜10時間が好ましい。加熱処理は通常、段階的または連続的に昇温しながら行う。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの4−ヒドロキシベンジルアルコールおよび2LのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間滴下した。この状態で3時間放置した後に1モルの2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの4−ヒドロキシベンジルアルコールおよび1LのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間滴下した。この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を入れて混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥して、ポリイミド前駆体1を合成した。
(合成例2)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体2を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
(合成例3)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体3を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
(合成例4)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体4を合成した。
・ピロメリット酸無水物の代わりに3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
(合成例5)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体5を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールを用いた。
(合成例6)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体6を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンズ[1,2−d:5,4−d´]ビスイミダゾールを用いた。
(合成例7)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体7を合成した。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
(合成例8)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体8を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
(合成例9)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体9を合成した。
・ピロメリット酸無水物の代わりに3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
(合成例10)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体10を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに5−アミノ−6−ヒドロキシ−2−(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)−ベンズイミダゾールを用いた。
(合成例11)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体11を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,2´−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを用いた。
(合成例12)
以下の変更点以外は合成例1と同様の操作によってポリイミド前駆体12を合成した。
・フラスコ1および2に4−ヒドロキシベンジルアルコールの代わりにエチルアルコールを加えた。
・2,6−(4,4´−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d´]ビスチアゾールの代わりに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテルを用いた。
(実施例1)
100重量部のポリイミド前駆体1に対して、20重量部のキノンジアジド化合物(東洋合成工業(株)製、MG−300)をNMPに溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスを得た。このワニスをスピンコーターでシリコンウェハ上に回転塗布して、ホットプレートを用いて100℃で5分間乾燥を行い、10μmの塗膜を得た。この塗膜に対してマスク(1〜50μmの残しパターンおよび抜きパターン)を介して、超高圧水銀灯を用いて紫外線を照射した。その後、2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像を行った。次に、シリコンウェハを水でリンスして、乾燥した。その結果、露光量400mJ/cmの照射で良好なパターンが形成され、残膜率は92%であった。また、現像後の外観は良好であった。さらに、窒素雰囲気下で200℃にて30分間、次いで、400℃にて60分間の熱処理を行った。前記熱処理後の膜をシリコンウハから剥がし、TMA(熱機械分析)法により25〜200℃の範囲で昇温速度10℃/分で測定したところ、熱膨張係数は4ppm/℃であった。
(実施例2〜10)
ポリイミド前駆体1の代わりに、ポリイミド前駆体2〜10を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
(比較例1〜2)
ポリイミド前駆体1の代わりに、ポリイミド前駆体11〜12を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
各実施例、比較例についての評価結果を表1にまとめる。表1中、「感度」とは解像度10μmのパターン形成のために要する露光量であり、現像後の外観評価は、未露光部の現像残りがなく、パターンのエッジが平滑であれば「良好」と評価した。残膜率は以下の式で算出される。
残膜率(%)=(現像後の膜厚)÷(現像前の膜厚)×100
Figure 0004165458
表1から明らかなように、本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドは熱膨張係数が小さく、現像性や感度も優れている。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004165458


    (式中、
    はフェノール性水酸基を有する4価の有機基またはフェノール性水酸基を有さない炭素数1〜30の4価の有機基を示し、
    は各々独立に水酸基を示すかまたはフェノール性水酸基を有してもよい1価の有機基であって、R に結合するカルボニル基を含んだエステル結合もしくはアミド結合を形成する有機基を示し、
    は一般式(2)〜(5)
    Figure 0004165458


    (一般式(2)〜(5)中、
    Xは硫黄原子またはNR(式中、Rは水素原子、アルキル基またはフェニル基を示す。)を示し、
    〜Rは各々独立してフェノール性水酸基を有してもよい芳香族基またはフェノール性水酸基を有してもよい複素環基を示す。)
    のいずれかで示される有機基を示す。)
    で示される繰り返し単位を有し、ポリマー全体に含まれるフェノール性水酸基の量が一般式(1)で示される繰り返し単位1モルあたり0.3〜3モルであるポリイミド前駆体と、
    感光性溶解阻害剤と、
    を含有するポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。

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