JP2006251478A - ポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱膨張係数が小さく、このため、基材との密着性の低下や基材の反り等が軽減され、電気特性、解像性などが劣化することがない樹脂膜を与えることができるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、主鎖にベンゾアゾール骨格を有し、且つ側鎖のカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子を光脱離性基で置換したポリイミド前駆体を含有することを特徴とする。本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド化後の熱膨張係数が小さいので、シリコンウエハなどの低熱膨張係数の基材上に塗布、熱環化した後に得られるポリイミドと基材との熱膨張係数の差が小さく、また、基材とポリイミドとの密着性が良く、かつ反りなどを軽減でき、また、現像性、感光性などを良好に維持でき、良好なパターンが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体素子の信頼性向上のための半導体表面保護膜や層間絶縁膜の形成に使用されるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
従来から、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜の形成には、耐熱性、電気特性、機械特性に優れたポリイミド樹脂が使用されてきた(非特許文献1参照)。また、近時、メモリやマイクロプロセッサーなどの主要デバイスの生産性向上に対応するように半導体素子の高集積化と大型化とが進められ、また、情報機器用デバイスの薄型パッケージングに対応するように封止樹脂パッケージの薄型化と小型化とが進められ、さらに、半田リフローによる表面実装への移行が進められるようになってきている。これら事情に伴って、これらに使用される表面保護膜や層間絶縁膜に対しても、耐熱サイクル性、耐熱ショック性などの大幅な性能向上が要求されてきており、より高性能なポリイミド樹脂が望まれている。
「最新ポリイミド〜基礎と応用」、エヌ・ティー・エス発行、p.327〜338(2002)
また、回路パターン製造工程を簡略化するために、感光性ポリイミドを使用することが注目されてきている。
また、感光性ポリイミド樹脂に代わって、耐湿性に優れた感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂も開発されて来た(非特許文献2参照)。
「電子部品用高分子材料の最新動向III」、住ベテクノリサーチ発行、p.88〜119(2001)
しかし、従来の感光性ポリイミド樹脂や感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂は、金属や無機材料と比べると、熱膨張係数が大きいという問題があった。
樹脂の熱膨張係数が大きい場合、金属や無機材料の基材に塗布すると、熱膨張係数の差に起因する熱応力によって、膜にクラックが発生したり、膜が基材から剥離したり、基材に反りが発生したり、基材が破壊されたり等が起こる。さらに、基材に大きな反りを生じた状態で、パターニングのためのリソグラフィーを行うと、パターニングの解像度が悪くなり問題となる。この問題は、特に、大型の基材を使用した場合や、基材上に厚く塗布する場合に大きくなる。そのため、熱膨張係数の小さい感光性樹脂の開発が強く望まれている。特にシリコンウエハは基材として重要であるが、熱膨張係数が3ppm/℃と非常に小さく、樹脂との熱膨張率差から生じるウエハの反りは、製造工程での不良品の発生、搬送不良、割れの要因、あるいはデバイス特性への影響を考えると好ましくない。
本発明は、従来のポジ型感光性樹脂の熱膨張係数が大きいことに起因する、基材との密着性の低下や基材の反りなどを軽減するためになされたものであり、熱膨張係数が小さく、このため、基材との密着性の低下や基材の反り等が軽減され、電気特性、解像性などが劣化することがない樹脂膜を与えることができるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物を提供することを目的としたものである。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、主鎖にベンゾオキサゾールなどのベンゾアゾール骨格を有し、且つ側鎖のカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子を光脱離性基で置換したポリイミド前駆体を含有することを特徴とし、そのことにより、上記目的が達成される。
すなわち本発明は、一般式(1)で示されるポリイミド前駆体を含有することを特徴とするポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物である。
Figure 2006251478
(式中、R1は芳香族環又は脂肪族環を有する4価の有機基を示し、R2は水酸基、光脱離性基又はその他の1価の有機基を示し、R3は一般式(2)〜(5)で示される芳香族ベンゾアゾール残基を示す。)
Figure 2006251478
(一般式(2)〜(5)中、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR8(式中R8は水素原アルキル基又はフェニル基を示す)を示し、R4、R6は、それぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基又は複素環基を示し、R5、R7はそれぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基、複素環基又は脂肪族環基を示す。)
前記光脱離基は、4−ニトロベンジル構造を有する基、2−ニトロベンジル構造を有する基、およびフェナシル構造を有する基から選択される基であることが好ましい。
前記ポリイミド前駆体が有する側鎖のカルボキシル基の水素原子の20%以上が光脱離性基で置換されていることが好ましい。
上記構成のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物において、増感剤をさらに含有することが好ましい。
前記ポリイミド前駆体の少なくとも一方の末端は、芳香族ジアミン又は二酸無水物と結合する結合性基を有する連鎖延長剤によって該結合性基を介して封鎖されており、該連鎖延長剤は、芳香族ジアミンと二酸無水物とからポリイミド前駆体を形成するための条件とは異なる条件下で該ポリイミド前駆体同士を該連鎖延長剤を介して連結する連結性基をさらに有していることが好ましい。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド化後の熱膨張係数が小さいので、シリコンウエハなどの低熱膨張係数の基材上に塗布、熱環化した後に得られるポリイミドと基材との熱膨張係数の差が小さく、また、基材とポリイミドとの密着性が良く、かつ反りなどを軽減でき、また、現像性、感光性などを良好に維持でき、良好なパターンが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、主鎖にベンゾアゾール骨格を有し、且つ側鎖のカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子を光脱離性基で置換したポリイミド前駆体を含有することを特徴とする。
本発明におけるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物が含有するポリイミド前駆体は、側鎖のカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子が光脱離性基で置換されており、それ自体アルカリ水溶液に対する溶解性が小さくなっているが、紫外線等の所定の化学線を照射すると、光脱離性基が分解脱離してカルボキシル基に変化するので、アルカリ水溶液への溶解性が増大し、これにより、良好なポジ型感光特性が得られる。
本発明に関するポリイミド前駆体は、好ましくは、一般式(1)で表される構造単位を主成分としており、加熱するか、又は適当な触媒を添加することにより、イミド環を有する樹脂となり得るものであり、イミド環形成により耐熱性に優れたポリイミドが形成される。
Figure 2006251478
(式中、R1は芳香族環又は脂肪族環を有する4価の有機基を示し、R2は水酸基、光脱離性基又はその他の1価の有機基を示し、R3は一般式(2)〜(5)で示される芳香族ベンゾアゾール残基を示す。)
上記一般式(1)中、R1は芳香族環又は脂肪族環を有する4価の有機基であれば特に限定されないが、ポリイミドに耐熱性を持たせるために、芳香族環基又は芳香族複素環基を含有する炭素数6〜30の基であることが好ましい。R1の好ましい具体例としては、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などといったテトラカルボン酸由来の構造などが挙げられる。
得られるポリイミドに透明性を持たせるためには、脂肪族環を含有することが好ましく、炭素数は6〜30が好ましい。この場合、好ましくは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,34−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸無水物、2,3,5−トリカルボキシ−シクロペンタン酢酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−ノルボルナン酢酸二無水物などが挙げられる。
上記一般式(1)式中、R2は、水素、光脱離性基又はその他の1価の有機基であり、ポリイミド前駆体構造中にエステル結合により導入されている。
2が表す光脱離基としては、紫外線等の化学線照射により脱離する基であれば特に限定されないが、好ましいものとしては、4−ニトロベンジル構造を有する基、2−ニトロベンジル構造を有する基、およびフェナシル構造を有する基が挙げられる。4−ニトロベンジル構造を有する基としては、具体的には、4−ニトロベンジル基、α−メチル−4−ニトロベンジル基、4−ニトロ−2−メトキシベンジル基、2,4−ジニトロベンジル基等が挙げられる。また、2−ニトロベンジル構造を有する基としては、具体的には、2−ニトロベンジル基、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル基、4,5−メチレンジオキシ−2−ニトロベンジル基、4−ジメチルアミノ−2−ニトロベンジル基、1−ニトロナフチル−2−イルメチル基等が挙げられる。また、フェナシル構造を有する基としては、具体的には、α−メチルフェナシル基、α−メチル−4−ニトロフェナシル基、α−フェニルフェナシル基等が挙げられる。
また、光脱離性基の具体例としては、上記のほか、3’−メトキシベンゾイル基、3’,5’−ジメトキシベンゾイル基等の3’−メトキシベンゾイル構造を有する基、1−インダン−2−イル基等も用いることができる。
また、R2が表すその他1価の有機基としては、光脱離性基以外の基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基など、炭素数6〜10のフェニル基、ベンジル基などが挙げられる。
水素、光脱離性基、又は、その他一価の有機基であり、ポリイミド前駆体の繰り返し構造の1単位あたり2つずつ含まれるR2は、少なくとも一部、好ましくは、20%以上が光脱離性基である。光脱離性基の割合が20%に満たない場合には、光脱離性基が脱離して光照射後に新たに生成するカルボキシル基が少なく、アルカリ現像液に対して十分な溶解性を示さないおそれがあり、良好なポジ型感光性の機能を発揮することができないおそれがある。
一般にポリイミドの熱膨張係数を小さくするためには、化学構造上、ポリイミド主鎖が剛直で直線状の棒状構造を有していることが必要であると考えられる。そして、このような剛直で直線状の棒状構造を形成するためには、環構造のパラ結合が特に重要である。このようなパラ結合を有する環構造のポリイミドでは、ポリイミド骨格の面内配向度が大きくなり、そのために、剛直で直線状の棒状構造を有するようになると考えられるからであ
る。
本発明に関するポリイミド前駆体は、このようなポリイミドの熱膨張係数を小さくするために適した化学構造として、主鎖にベンゾアゾール骨格を有しており、さらに好ましくは、上記一般式(1)において、R3が、以下の一般式(2)〜(5)のいずれかで表されるベンゾアゾール骨格を有している。
Figure 2006251478
一般式(2)〜(5)中、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR8(式中R8は水素子、アルキル基又はフェニル基を示す)を示し、R4、R6は、それぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基又は複素環基を示し、R5、R7はそれぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基、複素環基又は脂肪族環基を示している。
式(1)のR3が参照する式(2)〜(5)について説明する。
式(2)〜(5)のR4が示す芳香族基又は複素環基は、芳香族化合物又は複素環化合物から4つの水素を除いたものに相当する4価の基である。式(2)〜(5)のR4が示す芳香族基又は複素環基の具体例としては、
Figure 2006251478
(式中、X4は、酸素原子、硫黄原子、SO2、S=O、CH2、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン又はイソプロピリデンである。)などが挙げられる。
式(2)〜(5)のR5が示す芳香族基、複素環基又は脂環族基は、芳香族化合物、複素環化合物又は脂環族化合物から2つの水素を除いたものに相当する2価の基である。式(2)〜(5)のR5が示す芳香族基、複素環基又は脂環族基の具体例としては、
Figure 2006251478
(式中、X5は、酸素原子、硫黄原子、SO2、S=O、CH2、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン又はイソプロピリデンである。)、もしくは、シクロヘキシレン基などが挙げられる。
式(2)〜(5)のR6が示す芳香族基又は複素環基は、芳香族化合物又は複素環化合物から3つの水素を除いたものに相当する3価の基である。式(2)〜(5)のR6が示す芳香族基又は複素環基の具体例としては、
Figure 2006251478
(式中、X6は、酸素原子、硫黄原子、SO2、S=O、CH2、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン又はイソプロピリデンである。)などが挙げられる。
式(2)〜(5)のR7が示す芳香族基、複素環基又は脂環族基は、芳香族化合物、複素環化合物又は脂環族化合物から2つの水素を除いたものに相当する2価の基である。式(2)〜(5)のR7が示す芳香族基、複素環基又は脂環族基の具体例としては、
Figure 2006251478
(式中、X7は、酸素原子、硫黄原子、SO2、S=O、CH2、C=O、ヘキサフルオロイソプロピリデン又はイソプロピリデンである。)、もしくは、シクロヘキシレン基などが挙げられる。
式(2)〜(5)のXが参照するNR8の、R8が示すアルキル基は、炭素数が好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜6個のアルキル基である。
式(1)のR3が示す有機基は、好ましくはベンゾオキサゾール残基、ベンゾチアゾール残基又はベンズイミダゾール残基である。好ましいベンゾオキサゾール残基の具体例として、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)−ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス−(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,6−(4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)−ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(3−アミノシクロヘキシル)−ベンゾオキサゾール、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(5−アミノベンゾオキサゾール)などのジアミノベンゾオキサゾール残基が挙げられ、好ましいベンゾチアゾール残基の具体例として、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスチアゾール、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)−ベンゾチアゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾチアゾール)、2,6−(4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスチアゾール、5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)−ベンゾチアゾール、5−アミノ−2−(3−アミノシクロヘキシル)−ベンゾチアゾール、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(5−アミノベンゾチアゾール)などのジアミノベンゾオキサゾール残基が挙げられ、好ましいベンズイミダゾール残基の具体例として、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスイミダゾール、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)−ベンズイミダゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンズイミダゾール)、2,6−(4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)−ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスイミダゾール、5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)−ベンズイミダゾール、5−アミノ−2−(3−アミノシクロヘキシル)−ベンズイミダゾール、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(5−アミノベンズイミダゾール)などのジアミノベンズイミダゾール残基が挙げられるが、これらに限定されない。
また、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲内でR1、R3にシロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合しても良い。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
また、本発明においては、芳香族ジアミン又は二酸無水物と結合する結合性基と、芳香族ジアミンと二酸無水物とからポリイミド前駆体を形成するための条件とは異なる条件で該ポリイミド前駆体同士を連結する連結性基との二種類の官能基を有する連鎖延長剤によって、ポリイミド前駆体の少なくとも一方の末端が結合性基を介して封鎖されていることが好ましい。ポリイミド前駆体がこのような連鎖延長剤によって封鎖されていると、芳香族ジアミンと二酸無水物とからポリイミド前駆体を形成した後に、連結性基を用いて、前駆体形成とは異なる条件で、ポリイミド前駆体の分子量を増大させることができる。この分子量の増大は、添加する連鎖延長剤の量を調整することによって任意に制御することができる。
本発明において使用される連鎖延長剤は、特に限定はないが、例えば、アルケニル基、アルキニル基、シクロブテン環を含有する二酸無水物又は1級又は2級のアミンが挙げられる。具体的には、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビニルフタル酸無水物、1,2−ジメチル無水マレイン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラドロ無水フタル酸、フェニルエチニルアニリン、エチニルアニリン、3−(3−フェニルエチニルフェノキシ)アニリン、プロパルギルアミン、アミノベンゾシクロブテンなどが挙げられる。一般的に、添加される連鎖延長剤の量が多くなると、ポリイミド前駆体の分子量が減少し、それゆえそれを含む溶液の粘度が減少する。また、塗布方法により最適な溶液粘度が存在する。したがって、望ましい分子量および溶液粘度が得られるように考慮して、連鎖延長剤の濃度と塗布方法とが選択される。
本発明のポリイミド前駆体は公知の方法により合成される。まず、テトラカルボン酸二無水物と光脱離性基含有アルコール化合物を反応させて、テトラカルボン酸ジエステルを合成し、ついで、該ジエステルを塩化チオニルなどと反応させて、テトラカルボン酸ジエステル塩化物を合成する。その後、得られた該塩化物を有機溶媒に溶解させて、ピリジンなどの脱ハロゲン化水素剤を含有した有機溶剤に溶解したジアミノベンゾオキサゾールと反応させるか、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートなどの適当な脱水剤を用いてジアミノベンゾオキサゾールとを反応させる。溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどを主成分とする極性溶剤やγ−ブチロラクトンを主成分とする溶媒を用いる。
光脱離性基を含有するポリイミド酸エステル(前駆体)を合成するために用いられるアルコール化合物としては、例えば、2−ニトロベンジルアルコール、4−ニトロベンジルアルコール、α−メチル−4−ニトロベンジルアルコール、2,4−ジニトロベンジルアルコール、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール、α−メチルフェナシルアルコール、α−メチル−4−ニトロフェナシルアルコール、α−フェニルフェナシルアルコールなどが挙げられる。
また、本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、現像後のパターン形成において、高い感度、高い解像度を得るため、特に光脱離基が4−ニトロベンジル基の場合に、増感剤を含有することが好ましい。
本発明に適した増感剤の例として、芳香族多環式炭化水素、例えばアントラセン、アントラキノン、ピレン、ペリレン、ビオランスレンなどが挙げられるが、特に好適なものとして、電子供与性置換基を有するもの、例えば、アミノケトン、p−置換アミノスチリル、キサンテン、チオキサントン、ポリアリール化合物、ポリメチレン染料などが挙げられる。具体的には、2−クロロチオキサントン、ミヒラーケトン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、アントラセン、10−ジエトキシ−16,17−ジメトキシビオランスレンが好ましい化合物として挙げられる。これらは単独又は組み合わせて用いられる。
増感剤は、ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部が添加される。
また、本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物においては、本発明の組成物の塗膜又は加熱処理後のポリイミド膜と基板との接着性を向上させるために、接着促進剤を用いることができる。
接着促進剤としては、有機シラン化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、珪素含有ポリアミド酸などが好ましい。さらに、基板との接着性、感度、解像度、耐熱性などを損なわない範囲で可塑剤、色素、重合禁止剤などの他の添加物を含有させても良い。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、溶媒に溶解して溶液状態で得ることができる。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、ジメチルイミダゾリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどを用いることができる。これらは単独で用いても良いし、混合系として用いても良い。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、スピンコート法などによって、シリコンウェハ、金属基板、セラミック基板などの基材表面に塗布し、加熱して溶剤の大部分を除くことにより、基材表面に粘着性のない塗膜を与えることができる。塗膜の厚みには特に制限はないが、4〜50μmであることが好ましい。
この塗膜に、所定のパターンを有するマスクを通して、紫外線、可視光線、X線、電子線などの化学線を照射して、パターン状に露光後、膜の未露光部分を、適切な現像液で現像して除去することにより、所望のパターン化された膜を得ることができる。
化学線照射装置として、g線ステッパ、i線ステッパ、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機、又はその他の紫外線、可視光線、X線、電子線などを照射可能な投影機や線源を使用することができる。
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三アミン類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩アルカリ類の水溶液およびこれにメタノール、エタノールのようなアルコール類などの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適量添加した水溶液を好適に使用することができる。
上記現像の後に、必要に応じて、水で洗浄し、ついで約100℃前後で乾燥し、パターンを安定化することが望ましい。パターンを形成させた膜を加熱して、優れた耐熱性、機械特性、電気特性を有する膜を得ることができる。
加熱温度は、150〜500℃が好ましく、300〜450℃がさらに好ましい。加熱時間は0.05〜10時間が好ましい。加熱処理は通常、段階的又は連続的に昇温しながら行う。
(作用)
本発明は、硬化後に熱膨張係数が小さいポリイミドを得ることができるポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物を与えるものである。主鎖にベンゾアゾール骨格を有し、且つ側鎖のカルボキシル基の少なくとも一部の水素原子を光脱離性基で置換したポリイミド前駆体は、それ自体アルカリ水溶液に対する溶解性が小さくなっているが、紫外線等の所定の化学線を照射すると、光脱離性基が分解脱離してカルボキシル基に変化するので、アルカリ水溶液への溶解性が増大し、これにより、良好なポジ型感光特性が得られる。また、ベンゾアゾール骨格を有していることにより、硬化して得られるポリイミドの熱膨張係数が小さくなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と表記する)を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ブンゾオキサゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例2)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの4−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンゾオキサゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの4−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例3)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルの1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンゾオキサゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例4)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルのα−メチルフェナシルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンゾオキサゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルのα−メチルフェナシルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例5)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンゾオキサゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例6)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンゾチアゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例7)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMP
を加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。
滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの5−アミノ−2−(4−アミノシクロヘキシル)ベンズイミダゾールを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルの無水マレイン酸と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例8)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、滴下後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルのナジック酸無水物(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物)と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(合成例9)
窒素導入管を備えたフラスコ1に、1モルのピロメリット酸無水物、2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび2LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置し、反応終了後に1モルの4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを加えた。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。また、別の窒素導入管を備えたフラスコ2に、2モルのナジック酸無水物(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物)と2.1モルの2−ニトロベンジルアルコールおよび1LのNMPを加えて攪拌し、続けて2.1モルのトリエチルアミンを30分間にわたって滴下した。滴下後、この状態で3時間放置した後、フラスコ1にフラスコ2の溶液を混合し、30分間攪拌した。次に2.1モルのジフェニル(2,3−ジヒドロ−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを5回に分けて添加し、添加後、その状態で5時間縮合した。得られたスラリー状の混合物を大量のメタノール中に投入して洗浄し、得られた固形樹脂を真空乾燥機によって12時間乾燥した。
(実施例1)
合成例1のポリイミド前駆体をワニス粘度が50ポイズ程度になるようにNMPに溶解し、感光性ワニスを得た。スピンコーターでシリコンウエハ上にワニスを回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃で5分間乾燥を行い、5μmの塗膜を得た。この塗膜をマスク(1〜50μmの残しパターンおよび抜きパターン)を通して、超高圧水銀灯を用いて紫外線を照射した。その後、ホットプレート上で80℃で2分間のプリベーク処理を行った後、現像を行った。現像は2.38の%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像した。次に水でリンスし、乾燥した。その結果、露光量550mJ/cm2の照射で良好なパターンが形成され、残膜率は90%であった。また、現像後の外観も良好であった。さらに、窒素雰囲気下で200℃で30分間、400℃で60分間の熱処理を行った。熱膨張係数は、試料を適当な温度範囲で昇温した時の線膨張率を測定し、得られた線膨張率の温度に対するプロットから求められる。線膨張率の測定方法としては、TMA(熱機械分析)法、直読法、光干渉法、押棒法、電気容量法、SQUID法などがあるが、本実施例1では、熱処理後の膜をシリコンウェハから剥がし、TMA(熱機械分析)法により25〜200℃の範囲で昇温速度10℃/分で測定したところ、5ppm/℃であり、熱膨張係数が低い樹脂であることが確認された。
(実施例2)
合成例2のポリイミド前駆体100質量部に対して3質量部の2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセンをワニス粘度が50ポイズ程度になるようにNMPに溶解し、感光性ワニスを得、実施例1と同様に評価した。
(実施例3〜7)
実施例1において用いた合成例1のポリイミド前駆体の代わりに、合成例3〜7のポリイミド前駆体を用いた以外は、実施例1と同様に操作して感光性ワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
(比較例1〜2)
実施例1において用いた合成例1のポリイミド前駆体の代わりに、合成8〜9のポリイミド前駆体を用いた以外は、実施例1と同様に操作して感光性ワニスを調製し、実施例1と同様にして評価した。
実施例1〜7、比較例1〜2の評価結果については以下の表1に示した。表1中、「感度」とは、解像度10μmのパターン形成のために要する露光量であり、現像後の膜の外観評価は、露光部の現像残りがなく、パターンのエッジが平滑であれば、「良好」と評価した。残膜率の算定・算出は、以下の方法にて行った。
残膜率(%)={(現像後の未露光部の膜厚)/(現像前の未露光部の膜厚)}×100
Figure 2006251478
以上の表1に示される結果によると、実施例1〜7の熱膨張係数と比較例1〜2の熱膨張係数とを比較して明らかなように、実施例1〜7に示される本発明に係るポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドは、従来のポリイミド(比較例1〜2)に比較して、明らかに熱膨張係数が低減されている。また、実施例1〜7と比較例1〜2とにおける感度および残膜率および現像後外観を比較すると、感度および残膜率および現像外観ともに実施例1〜7は、比較例1〜2に比較して劣化しておらず、本発明に係るポジ型感光性ポリイミド前駆体から得られるポリイミドは、現像性や感度も優れていることが分かる。
本発明のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物は、半導体デバイスなどの製造での電気、電子絶縁材料として、詳しくは、ICやLSIなどの半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜などに用いられ、微細パターンの加工が必要とされるものなどに利用できる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で示されるポリイミド前駆体を含有することを特徴とするポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
    Figure 2006251478
    (式中、R1は芳香族環又は脂肪族環を有する4価の有機基を示し、R2は水酸基、光脱離性基又はその他の1価の有機基を示し、R3は一般式(2)〜(5)で示される芳香族ベンゾアゾール残基を示す。)
    Figure 2006251478
    (一般式(2)〜(5)中、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR8(式中R8は水素原アルキル基又はフェニル基を示す)を示し、R4、R6は、それぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基又は複素環基を示し、R5、R7はそれぞれ独立して、単環又は複数の環から構成される芳香族環基、複素環基又は脂肪族環基を示す。)
  2. 前記光脱離基が、4−ニトロベンジル構造を有する基、2−ニトロベンジル構造を有する基、およびフェナシル構造を有する基から選択される基である、請求項1に記載のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
  3. 前記ポリイミド前駆体が有する側鎖のカルボキシル基の水素原子の20%以上が光脱離性基で置換されている、請求項1又は2のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
  4. 増感剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
  5. 前記ポリイミド前駆体の少なくとも一方の末端は、芳香族ジアミン又は二酸無水物と結合する結合性基を有する連鎖延長剤によって該結合性基を介して封鎖されており、該連鎖延長剤は、芳香族ジアミンと二酸無水物とからポリイミド前駆体を形成するための条件とは異なる条件下で該ポリイミド前駆体同士を該連鎖延長剤を介して連結する連結性基をさらに有している、請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物。
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