JP4165413B2 - 無線データ通信復調装置及び復調方法 - Google Patents

無線データ通信復調装置及び復調方法 Download PDF

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Description

本発明は、前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調方法に関する。
一般に、2.4GHzのISM帯を使用した近距離無線データ通信方式にあっては、送信パケットを周波数シフトキーイング変調信号で送信し、受信側でも周波数シフトキーイング復調を行うようにしている。
このような近距離無線データ通信では、スクランブルコードとヘッダとペイロードとで構成される送信パケットを送信するようにしているが、データ通信の高速化の要請から図2に示すように、ヘッダPH及びペイロードPL間にガードタイム及び同期を行う16ビットのプリアンブル部を配置した送信パケットを形成し、アクセスコードAC及びヘッダPHを周波数シフトキーイング変調信号で送信し、プリアンブル部PA及びペイロードPLを位相シフトキーイング変調信号で送信することが提案されている。
このように送信パケットの前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信する場合には、位相シフトキーイング変調を採用する関係で、搬送周波数のずれ(周波数オフセット)が位相復調歪みとなってビット誤り率(BER)に重大な影響を及ぼすことが知られている。
この周波数オフセットの補償方法としては、プリアンブル受信中だけではPLLのロックアップ時間が不足したときに、フレームのデータ領域に入ったら続けて差動検波を行ってデータを復調し、同時にPLLの動作をも行うことでPLLロックアップ時間が過ぎたら差動検波と同期検波のデータクオリティを比較して、その空間伝搬環境上で適した復調動作を選択するようにした無線データ通信の復調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、入力信号を一旦バッファメモリに記憶し、記憶した入力信号に対して角周波数離調度と初期位相差を推定し適用的に自走角周波数と初期位相を修正する試行モード処理を行った後、従来のPLL処理である通常モード処理を行うことにより、PLLの同期引き込み範囲の拡大と雑音帯域の縮小とを同時に実現するように適用位相検出同期方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
同様に、位相比較手段、位相調整手段、ループフィルタ、及び数値制御発振器を含むループ部を有するディジタルPLL回路において、位相比較手段に連続的に入力される位相データのうち連続するn+1シンボル分のデータから平均周波数誤差及び位相誤差情報を求め、PLL回路のループフィルタに平均位相誤差がプリセットされ、かつ数値制御発振器に位相情報がプリセットされたときにループ手段を起動することにより、ループ引き込みの時間(ロックインタイム)を算出するようにしたディジタルPLL回路が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3130773号公報(第1頁〜第4頁、図1) 特許第2712706号公報(第1頁〜第10頁、第2図) 特許第2877198号公報(第1頁〜第6頁、図2)
しかしながら、前述した図2に示す送信パケットを受信したときに、前半部の周波数シフトキーイング変調信号から後半部の位相シフトキーイング変調信号に切換える際に、プリアンブル部が16ビットと少ないことにより、このプリアンブル部の期間内に位相シフトキーイング復調のための位相同期を確立する必要がある。
前記特許文献1に記載した従来例では、プリアンブルにより周波数同期が確立しない場合を想定し、周波数同期が確立するまでの間は、差動検波を行い、周波数がロックしたと判断された後に、差動検波と同期検波を切り替えるようにしているが、一般に差動検波はビット誤り率(BER)特性が同期検波に比べて劣るため、同期確立が成立するまで差動検波を行った場合、その期間に誤りが発生する可能性があり、位相シフトキーイング変調を用いた近距離無線データ通信では、1ビットの誤りが直ちにパケットロスにつながるため、パケットロスが多くなるという未解決の課題がある。
また、前記特許文献2に記載した従来例では、PLLの初期値を複数回の試行モードにより定めているために入力信号を一旦パッファメモリに蓄える必要があり、より正確な初期値を得るためには、試行モードの回数を増やす必要があるが、これに伴い必要となるパッファメモリが増えてしまい、全体の構成が大型化するという未解決の課題がある。
さらに、前記特許文献3に記載した従来例では、周波数初期値を求めるための遅延手段を必要とし、より正確な初期値を得るためには、多くのビットを平均することが望ましく、回路規模が大きくなるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、少ないプリアンブル期間で位相同期を正確に確立することができる無線データ通信復調装置及び復調方法を提供することを目的としている。
第1の技術手段は、前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調装置であって、前記周波数シフトキーイング変調信号を復調するFSK復調部と、前記位相シフトキーイング変調信号を復調するPSK復調部とを有し、前記FSK復調部は、周波数シフトキーイング変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段を有し、前記PSK復調部はループフィルタを有する位相同期ループ式の復調回路を有し、前記ループフィルタの初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴としている。
この第1の技術手段では、周波数シフトキーイング変調信号で送られる例えばアクセスコードAC、パケットヘッダPHは位相シフトキーイング復調のための準備に当てられた16ビットのプリアンブル部PAに比較して十分に長く、この周波数シフトキーイング変調信号から中心周波数を求め、送受信機間の周波数誤差を正確に推定することができ、この推定した周波数誤差をPSK復調部の位相同期ループ式の復調回路に含まれるループフィルタの初期値とすることにより、ロックアップまでの時間を大幅に短縮することができる。
また、第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記周波数誤差検出手段が、周波数シフトキーイング変調信号を受信回路で復調した周波数シフトキーイング復調信号の周波数平均値を算出する平均値算出手段と、該平均値算出手段で算出した周波数平均値と周波数シフトキーイング復調信号の基準周波数との偏差を算出する減算手段とで構成されていることを特徴としている。
この第2の技術手段では、受信回路で復調した周波数シフトキーイング復調信号の周波数平均値を平均値算出手段で算出し、減算手段で算出した周波数平均値と周波数シフトキーイング復調信号の基準周波数との偏差を算出して周波数誤差を検出するので、周波数誤差を正確に検出することができる。
さらに、第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記PSK復調部が、位相シフトキーイング変調信号を直交検波する直交検波手段と、該直交検波手段で検波した同相成分及び直交成分を前記FSK復調部で得られたシンボルに同期したクロックを用いてA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分が入力される前記位相同期ループ式の復調回路とで構成されていることを特徴としている。
この第3の技術手段では、PSK復調部を構成するA/D変換手段で、FSK復調部で得られたシンボルに同期したクロックを用いてA/D変換するようにしているので、位相シフトキーイング変調信号の受信開始時に直ちに周波数引き込みが可能となり、ロックアップまでの時間を短縮することができ、位相シフトキーイング復調時のビット誤り率特性を改善することができる。
さらにまた、第4の技術手段は、第1乃至第3の技術手段の何れかにおいて、前記復調回路が、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分に、理想信号点の位相と一致させるための正弦波及び余弦波とに基づいて所定角度の位相回転を与える複素乗算器と、該複素乗算器から出力される位相回転された同相成分及び直交成分が入力されるローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力が入力されるデータ再生回路と、前記ローパスフィルタから出力される同相成分及び直交成分が入力される周波数オフセット検出回路と、該周波数オフセット検出回路の周波数オフセット検出値が入力されると共に、初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力されるループフィルタと、該ループフィルタの出力が入力されて、前記複素乗算器に供給する正弦波及び余弦波を形成する数値制御発振器とで構成されていることを特徴としている。
この第4の技術手段では、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分に複素乗算器で、位相同期検波手段で形成される正弦波及び余弦波を利用して理想信号点の位相と一致させるように所定角度の位相回転を与え、その出力をローパスフィルタで符号間干渉を除去してからデータ再生回路に供給することにより、復調データを再生するが、このときにローパスフィルタの出力を周波数オフセット検出手段に供給して周波数オフセット検出値を求め、この周波数オフセット検出値をループフィルタに供給して正弦波及び余弦波を形成し、これらを複素乗算器に供給する。このとき、位相シフトキーイング変調信号の受信開始時に、ループフィルタに、初期値としてFSK復調部に形成した周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値を設定することにより、位相シフトキーイング変調信号の受信開始時に、ロックアップまでの時間を短縮することができる。
なおさらに、第5の技術手段は、第1乃至第3の技術手段の何れかにおいて、前記復調回路が、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分から位相情報を算出する角度計算器と、該角度計算器から出力される位相情報と位相信号とを比較する位相比較手段と、該位相比較手段から出力される位相信号に基づいて復調データを再生する判定回路と、前記位相比較手段の位相信号が入力される位相オフセット検出手段と、該位相オフセット検出手段のオフセット検出値が入力されると共に、周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、前記位相比較手段に位相信号を出力するループフィルタとで構成されていることを特徴としている。
この第5の技術手段では、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分を角度計算器に供給して位相情報を算出し、算出した位相情報を位相比較手段で、ループフィルタで検出される位相情報と比較して位相ずれを補正した位相情報を得、これを判定回路に供給して復調データを出力する。ここで、位相同期検波手段では、位相比較手段から出力される位相情報を位相オフセット検出回路に供給して位相オフセットを検出し、検出した位相オフセット値をループフィルタに供給して、位相信号を出力するが、周波数シフトキーイング変調信号の受信状態から位相シフトキーイング変調信号の受信状態に切り換わる際に、ループフィルタの初期値としてFSK復調部に形成した周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値を設定することにより、位相シフトキーイング変調信号の受信開始時に、ロックアップまでの時間を短縮することができる。
また、第6の技術手段は、第4又は第5の技術手段において、前記ループフィルタは入力されるオフセット値に第1のフィルタ係数を乗算する第1の乗算器と、前記オフセット値に第2のフィルタ係数を乗算する第2の乗算器と、該第2の乗算器の出力とラッチ回路の出力とを加算する第1の加算器と、該第1の加算器の加算出力と前記第1の乗算器の出力とを加算して数値制御発振器に対する出力を形成する第2の加算器と、前記第1の加算器の加算出力と前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、これらを選択して前記ラッチ回路に出力するマルチプレクサとを備えていることを特徴としている。
この第6の技術手段は、入力される周波数又は位相オフセット値に第1のフィルタ係数を乗算した値を第1の加算器に供給し、前記オフセット値に第2のフィルタ係数を乗算した値を第2の加算器に供給し、この第2の加算器の出力を第1の加算器に供給すると共に、マルチプレクサに供給して、このマルチプレクサで、位相シフトキーイング変調信号受信開始時に周波数誤差検出値を選択することにより、この周波数誤差検出値をラッチ回路でラッチして第2の加算器に供給することにより、位相シフトキーイング変調信号の受信初期時に第1の加算器の出力が略ロック状態を表すことになり、位相シフトキーイング変調信号の受信開始時に、ロックアップまでの時間を短縮することができる。
さらに、第7の技術手段は、前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調方法であって、前記周波数シフトキーイング変調信号をFSK復調部で周波数誤差を検出しながら復調し、その後に前記位相シフトキーイング変調信号をPSK復調部で復調開始する際に、当該PSK復調部を構成する位相同期ループ式の復調回路に含まれるループフィルタの初期値として前記FSK復調部で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴としている。
この第7の技術手段では、第1の技術手段と同様に、周波数シフトキーイング変調信号で送られる例えばアクセスコード、パケットヘッダは位相シフトキーイング復調のための準備に当てられた16ビットのプリアンブル部に比較して十分に長く、この周波数シフトキーイング変調信号から中心周波数を求め、送受信機間の周波数誤差を正確に推定することができ、この推定した周波数誤差をPSK復調部の位相同期ループ式の復調回路に含まれるループフィルタの初期値とすることにより、ロックアップまでの時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示す2.4GHzのISM帯を使用する近距離無線通信システムに適用した場合の無線データ通信復調装置を示すブロック図である。
図中、WDは無線データ通信復調装置であって、この無線データ通信復調装置WDは、受信アンテナ1を有し、この受信アンテナ1で送信側から送信される図2に示す送信パケットを受信し、受信した受信信号はミキサ2に供給されて、このミキサ2で、受信信号に位相同期ループ(以下、PLLと称す)回路3から入力される局部発振信号を乗算してダウンコンバートして中間周波信号(IF信号)に変換される。
ここで、送信側で送信される送信パケットのフォーマットは、図2に示すように、例えば小規模ネットワークを特定するためのコードである72ビットのアクセスコードACと、小規模ネットワーク内の通信管理を行う54ビットのパケットヘッダPHと、ガードタイム及び同期を行う16ビットのプリアンブルPAと、データを格納するペイロードPLとで構成され、アクセスコードAC及びパケットヘッダPHとが周波数シフトキーイング(以下、FSKと称する)変調信号で送信され、プリアンブルPA及びペイロードPLが位相シフトキーイング(以下、PSKと称す)変調信号で送信される。
そして、ミキサ2から出力される中間周波信号は、バンドパスフィルタ4を通じて受信信号切換スイッチ5の可動入力端子taに供給され、この受信信号切換スイッチ5の一方の固定出力端子tbが受信信号を周波数シフトキーイング復調するFSK復調部6に接続され、他方の固定出力端子tcが受信信号を位相シフトキーイング復調するPSK復調部7に接続されている。ここで、受信信号切換スイッチ5は、送信側から送信され図2に示す送信パケットの受信開始時からパケットヘッダPHの終了時点までの間で可動入力端子taが固定出力端子tb側に切換えられ、パケットヘッダPHが終了した時点で可動入力端子taが固定出力端子tc側に切換えられる。
FSK復調部6は、受信信号切換スイッチ5の固定接点tbに接続された中間周波信号を電圧信号に変換するディスクリミネータ11と、このディスクリミネータ11から出力される電圧信号から高周波ノイズ信号成分を除去するローパスフィルタ12と、このローパスフィルタ12の出力が入力され、基準電圧と比較して2値信号に変換してFSK復調データを出力するコンパレータ13と、ローパスフィルタ12の出力が入力されると共に、オフセットの無い基準信号が入力される周波数誤差検出手段としての周波数誤差検出回路14と、コンパレータ13から出力される復調データが入力されるシンボルタイミング再生回路15とを備えている。
ここで、ディスクリミネータ11は、図3に示すように、横軸に周波数を、縦軸に出力電圧をとったときに、所望の周波数範囲で直線性を有する特性曲線を使用して周波数信号を電圧信号に変換する。
また、周波数誤差検出回路14は、図4に示すように、ローパスフィルタ12のFSK復調信号が入力される平均値算出回路14aと、この平均値算出回路14aから出力される平均値からオフセットの無い基準信号を減算して、両者の偏差を算出する減算器14bと、この減算器14bから出力される減算値を周波数誤差検出値に変換する周波数換算値変換回路14cとで構成され、周波数換算値変換回路14cから出力される周波数誤差検出値feが後述するPSK復調部7のループフィルタに供給される。
さらに、シンボルタイミング再生回路15は、図5に示すように、コンパレータ13から出力される復調データと、後述する分周器15eから出力される再生したデータクロックとを比較して、その位相の進み/遅れを検出し、その進み信号及び遅れ信号をランダムウォークフィルタ15bに供給する。このランダムウォークフィルタ15bは、アップダウンカウンタを用いた積分器からなるフィルタであり、アップダウンカウンタとコンパレータとで構成され、アップダウンカウンタは、初期状態で中央値にリセットされ、位相比較器15aから入力される進み信号でアップカウントし、遅れ信号でダウンカウントし、コンパレータでアップダウンカウンタのカウント値と所定アップカウント閾値及びダウンカウント閾値とを比較し、カウント値が所定閾値を越えてオーバーフロー又はアンダーフローした場合に、オーバーフロー信号又はアンダーフロー信号を位相制御器15cに出力すると共に、アップダウンカウンタを中央値にリセットする。この位相制御器15cは、クロック信号発生器15dから入力されるクロック信号に対して、ランダムウォークフィルタから入力されるオーバーフロー信号又はアンダーフロー信号に応じて、1パルスの付加又は除去を行ったクロック信号を出力する。このクロック信号は分周器15eに供給されて1/Kに分周されてデータクロックDCKが形成され、これが2値位相比較器15aに供給されることにより、データクロックDCKが入力される変調データの位相に同期するように制御される。また、分周器15eから出力されるデータクロックDCKが復調データと共に、図示しないデータ処理部に供給される。また、位相制御器15cから出力されるクロック信号が分周器15fに供給されてM/Kに分周されてサンプルクロックSCKが形成され、このサンプルクロックSCKが後述するPSK変調部のA/D変換器に供給される。
また、PSK復調部7は、受信信号切換スイッチ5の固定出力端子tcから入力される中間周波信号を同相成分(I成分)及び直交成分(Q成分)に変換する直交検波回路21と、この直交検波回路21から出力される同相成分及び直交成分が入力され、これらから次段のA/D変換器23a,23bのサンプリング周波数の1/2以上の周波数成分を除去するローパスフィルタ22a及び22bと、これらローパスフィルタ22a及び22bのフィルタ出力が入力されると共に、前述したFSK復調器6のシンボルタイミング再生回路15から出力されるサンプルクロックSCKが入力され、フィルタ出力をディジタル信号に変換するA/D変換器23a及び23bと、A/D変換器23a及び23bの出力信号が入力される位相同期ループ(PLL)式の復調回路24とを備えている。
直交検波回路21は、受信信号切換スイッチ5の固定出力端子tcから入力される中間周波信号が分岐されて入力される2つのミキサ21a及び21bと、これらミキサ21a及び21bに供給する局部発振信号を出力する発振器21cとを有し、発振器21cから出力される局部発振信号が直接ミキサ21aに供給されると共に、局部発振信号を90度移相する移相器21dを介してミキサ21bに供給することにより、ミキサ21aから同相成分(I成分)が出力され、ミキサ21bから直交成分(Q成分)が出力され、これら同相成分及び直交成分が複素ベースバンド信号を表している。
また、復調回路24は、A/D変換器23a及び23bから出力されるディジタル信号を、後述する数値制御発振器30から入力される正弦波信号及び余弦波信号を用いて位相が直交する積同士を加算及び減算して複素乗算することにより、所定の位相だけ回転させて出力する複素乗算器25と、この複素乗算器25の出力信号からルートロールオフ特性のフィルタ処理を施して符号間干渉を除去するローパスフィルタ26a及び26bと、これらローパスフィルタ26a及び26bの出力信号に入力されてPSK復調データを再生するデータ再生回路27と、ローパスフィルタ26a及び26bの出力信号が入力され、これら入力信号の極座標上における角度を求め、逐次第n番目のシンボルの受信ベクトルの角度と(n+1)番目のシンボルの受信ベクトルの角度の差を求めることにより、受信信号の搬送波周波数と直交検波回路21の発信器21cの発振周波数とのオフセット値foを検出する周波数オフセット検出回路28と、この周波数オフセット検出回路28で検出した周波数オフセット値foと前述したFSK復調部6における周波数誤差検出回路14で検出した周波数誤差検出値feとが入力されたループフィルタ29と、このループフィルタ29の出力が入力される数値制御発振器30とで位相同期ループ(PLL)式に構成されている。
ここで、ループフィルタ29は、図6に示すように、周波数オフセット検出回路28から出力される周波数オフセット値foに第1のフィルタ係数Kpを乗算する第1の乗算器31と、この乗算器31の乗算出力と後述する第2の加算器34の加算出力とが入力される第1の加算器32と、周波数オフセット値foに第2のフィルタ係数Kiを乗算する第2の乗算器33と、この乗算器33の乗算出力と後述するラッチ回路36のラッチ出力とを加算する第2の加算器34と、この加算器34の加算出力と前述したFSK復調部6の周波数誤差検出回路14で検出した周波数誤差検出値feが初期値として入力され、送信パケットのパケットヘッダPHの受信が終了した時点で周波数誤差検出値feを選択し、その後、第2の乗算器33の乗算出力を選択するマルチプレクサ35と、このマルチプレクサ35の選択出力をラッチして第2の加算器34に出力するラッチ回路36とでループ積算器の構成を有し、第1の加算器32から出力されるフィルタ出力が数値制御発振器30に出力される。
数値制御発振器30は、ループフィルタ29のフィルタ出力の値に応じて出力周波数が変化する搬送波の正弦波及び余弦波を生成し、生成した正弦波及び余弦波を複素乗算器25に供給する。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、図示しない送信装置から図2に示す送信パケットを、先ず、アクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK変調信号で送信し、次いでプリアンブルPA及びペイロードPLをPSK変調信号で送信すると、この送信パケットを無線データ通信復調装置WDで受信すると、受信アンテナ1で受信した受信信号がミキサ2に供給されて中間周波信号(IF信号)に変換されてバンドパスフィルタ4を介して受信信号切換スイッチ5に供給される。
このとき、送信パケットの前半部を受信するので、受信信号切換スイッチ5の可動入力端子taが固定出力端子tb側に切換えられており、アクセスコードAC及びこれに続くパケットヘッダPHがFSK復調部6に供給される。
このFSK復調部6では、FSK変調された受信信号をディスクリミネータ11に供給することにより、このディスクリミネータ11で電圧信号に変換し、この電圧信号をローパスフィルタ12を介してコンパレータ13に供給することにより2値信号のFSK復調データを再生して、後段の図示しない信号処理回路に出力される。
このとき、ローパスフィルタ12のフィルタ出力が周波数誤差検出回路14に供給されることにより、この周波数誤差検出回路14の平均値算出回路14aで図3で破線図示の周波数範囲の実際に受信したFSK復調信号の平均値fmに対応する平均電圧Vmを算出し、この平均電圧Vmを減算器14bに供給する。この減算器14bには、無線伝送時の周波数ずれのない理想的な図3で実線図示の周波数範囲における中心周波数fiに対応する基準電圧Viが基準信号として入力されており、平均電圧Vmから基準電圧Viを減算して周波数ずれに対応する電圧偏差を算出し、この電圧偏差を周波数換算値変換回路14cに供給して、周波数ずれ量に対応して周波数誤差検出値feを算出し、これをPSK復調部7における位相同期ループ式の復調回路24に含まれるループフィルタ29に供給する。
しかしながら、現時点ではFSK変調信号の受信及び復調中であり、PSK復調部7は非作動状態であるので、ループフィルタ29の動作も停止している。
また、コンパレータ13で復調されるFSK復調データはシンボルタイミング再生回路15に供給され、このシンボルタイミング再生回路15の2値位相比較器15aでクロック発生器15dで発生したクロック信号を位相制御器15cで制御されて分周器15eで分周されて形成されたデータクロックDCKと比較し、両者間の位相進み又は位相遅れを検出し、これをランダムウォークフィルタ15bのアップダウンカウンタに供給することにより、入力されたFSK復調データがデータクロックDCKに対して進んでいるときにはアップダウンカウンタがアップカウントされ、逆の場合にはダウンカウントされ、アップダウンカウンタのカウント値がアップカウント閾値又はダウンカウント閾値を越えたときに、オーバーフロー信号又はアンダーフロー信号を位相制御器15cに出力すると共に、アップダウンカウンタを中央値にリセットする。このため、位相制御器15cでクロック発生器15dから供給されるクロック信号に1パルスの付加又は除去を行ったクロック信号を形成し、これを分周器15e及び15fに供給することにより、FSK復調データに同期したデータクロックDCK及びサンプルクロックSCKを形成し、データクロックDCKを図示しない信号処理回路に出力すると共に、サンプルクロックSCKをPSK復調部7のA/D変換器23a及び23bに供給する。
このFSK復調部6での復調処理が継続されて、送信パケットのパケットヘッダPHの最終ビットに対応するFSK復調データの復調が終了すると、受信信号切換スイッチ5の可動入力端子taが固定出力端子tb側から固定出力端子tc側に切換えられ、送信パケットのプリアンブルPAに対応する受信信号をミキサ2で変換した中間周波信号がPSK復調部7に供給される。
このPSK復調部7では、中間周波信号を直交検波器21で検波することにより、同相成分(I成分)及び直交成分(Q成分)をローパスフィルタ22a、22bを介してA/D変換器23a及び23bに供給してディジタル信号に変換する。このとき、A/D変換器23a及び23bにはFSK復調部6のシンボルタイミング再生回路15でFSK復調時に形成されたシンボルに同期したサンプルクロックSCKが供給されているので、通常PSK復調部7で周波数引き込みの前に行わなければならないシンボルのタイミング抽出を不要とし、PSK変調信号の受信時に直ちに周波数引き込みを開始することができ、引き込み時間を短縮することができる。
そして、A/D変換器23a及び23bから出力されるディジタル信号が位相同期ループ(PLL)式の復調回路24に入力されてPSK復調される。
このとき、送信パケットのパケットヘッダPHの最終ビットが終了して、プリアンブルPAの先頭ビットが受信されたときに、復調回路24のループフィルタ29内のマルチプレクサ35にFSK復調部7の周波数誤差検出回路14で16ビットのプリアンブルPAより長い合計126ビットのアクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK復調している際に検出した周波数誤差検出値feが入力されており、この周波数誤差検出値feが初期値として選択されて、ラッチ回路36でラッチされることにより、第2の加算器34で、複素乗算器25の出力に基づいて周波数オフセット検出回路28で検出した周波数オフセット値foに第2のフィルタ係数Kiを乗算した値に加算され、これが第1の加算器32で周波数オフセット値foに第1のフィルタ係数Kpを乗算した値に加算されてフィルタ出力として数値制御発振器30に供給される。
このようにPSK復調の開始時にループフィルタ29のマルチプレクサ35で、FSK復調部6の周波数誤差検出回路14で検出された周波数誤差検出値feが初期値として選択されることにより、周波数オフセット検出回路28の出力を零に近づけて周波数ロック状態とすることができ、これにより、16ビットの短いプリアンブルPAを受信中における位相同期ループのロックアップまでの時間を大幅に短縮することができ、プリアンブルPAの受信中に確実にロックアップを行うことができ、PSK変調による無線データ通信の際のビット誤り率(BER)特性を改善することができる。
そして、複素乗算器25の出力がローパスフィルタ26a及び26bを介してデータ再生回路27に供給されることにより、プリアンブルPA及びこれに続くペイロードPLのPSK復調データを再生することができ、データ再生回路27から出力されるPSK復調データが後段の図示しない信号処理回路に供給されて信号処理される。
このように、上記第1の実施形態においては、送信側で送信パケットの前半部をFSK変調信号で送信し、後半部をPSK変調信号で送信する場合に、この送信パケットを無線データ通信復調装置WDで受信したときに、前半部のアクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK復調部6で復調し、その間に周波数誤差検出回路14で周波数誤差検出値feを検出すると共に、シンボルタイミング再生回路15で、受信したシンボルに同期したサンプルクロックSCKを再生することにより、パケットヘッダPHの最終ビットを受信してからPSK復調部7に切換えたときに、その初期状態で、サンプルクロックSCKに基づいてA/D変換器23a及び23bでディジタル信号に変換することにより、PSK変調信号の受信開始時から直ちに周波数引き込みが可能となり、さらに、位相同期ループ式の復調回路24で、ループフィルタ29の初期値として周波数誤差検出回路14で検出した周波数誤差検出値feが設定されることにより、位相同期ループのロックアップまでの時間を大幅に短縮して、短いプリアンブルPAの期間で確実にロックアップさせることが可能となり、PSK変調による通信時のビット誤り率特性を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図7について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態におけるPSK復調部7の復調回路24を位相角度計算器を使用して構成するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態は、図7に示すように、前述した第1の実施形態における復調回路24が位相角度計算器を使用した復調回路40に変更されていることを除いては図1と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明は、これを省略する。
復調回路40は、A/D変換器23a及び23bから出力されるディジタル信号が入力される角度計算器41と、この角度計算器41から出力される位相情報が入力される位相同期ループ(PLL)回路42と、この位相同期ループ回路42で形成される位相情報をデコードしてPSK復調データを出力する判定回路43とで構成されている。
ここで、角度計算器41は、A/D変換器23a及び23bから入力されるディジタル信号の同相成分(I成分)及び直交成分(Q成分)に基づいてtan-1(Q/I)の演算を行って位相情報を取り出し、この位相情報を位相同期ループ回路42に出力する。
また、位相同期ループ回路42は、角度計算器41から入力される位相情報から後述するループフィルタ46のフィルタ出力を減算して搬送波に同期した出力位相を出力する位相比較手段としての減算器44と、この減算器44から出力される出力位相が入力され、これに基づいて位相オフセット値poを算出する位相オフセット検出回路45と、この位相オフセット検出回路45から出力される位相オフセット値po及びFSK復調部6の周波数誤差検出回路14から出力される周波数誤差検出値feが入力されてループ積算器を構成し、フィルタ出力を減算器44に出力するループフィルタ46とで構成されている。
ここで、ループフィルタ46は、前述した第1の実施形態における図6と同様の構成を有し、乗算器31及び33に周波数オフセット検出回路28で検出した周波数オフセット検出値foに代えて位相オフセット検出回路45で検出した位相オフセット検出値poが入力される。
そして、減算器44から出力される出力位相が判定回路43に供給される。
この第2の実施形態によると、送信側から送信された送信パケットのアクセスコードAC及びパケットヘッダPHについては、第1の実施形態と同様にFSK復調部6で復調してFSK復調データを得ることができ、パケットヘッダPHに続くプリアンブルPAを受信する状態となると、受信信号切換スイッチ5がPSK復調部7側に切換えられて、PSK復調部7でのPSK復調が開始される。
この場合も、A/D変換器23a及び23bにFSK復調部6のシンボルタイミング再生回路15から出力されるサンプルクロックSCKが供給されるので、PSK復調信号の受信開始と同時に周波数引き込みを開始でき、引き込み時間を短縮することができる。
そして、これらA/D変換器23a及び23bから出力されるディジタル信号の同相成分及び直交成分に基づいてtan-1(Q/I)の演算を行って位相情報を取り出し、この位相情報を位相同期ループ回路42の減算器44に供給するが、このPSK復調の開始時にループフィルタ46のマルチプレクサ35でFSK復調部6に設けた周波数誤差検出回路14でFSK復調時に検出した周波数誤差検出値feが初期値として選択されることにより、前述した第1の実施形態と同様に、位相同期ループ回路42のロックアップまでの時間を大幅に短縮して、プリアンブルPAの受信期間中に確実にロックアップを行って、PSK変調による通信の際のビット誤り率特性を向上させることができる。
そして、減算器44から出力される出力位相が判定回路43に供給されることにより、この判定回路43でPSK復調データを再生して、後段の図示しない信号処理回路に供給する。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、受信信号をミキサ2で中間周波信号にダウンコンバートしてから受信信号切換スイッチ5でFSK復調部6及びPSK復調部7に切換えるようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、送信機と受信機との間の周波数ずれは、ミキサに入力される信号の周波数で決定されるため、この信号をFSK復調部6とPSK復調部7とで共通に使用する構成であれば、切換位置は任意に設定することができる。また、FSK復調部6及びPSK復調部7に夫々個別にミキサを配設するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、送信パケットの前半部をFSK送信し、後半部をPSK送信する場合の復調装置について説明したが、これに限定されるものではなく、送信パケット全体がFSK送信される場合には、周波数誤差検出回路14を非作動状態としてFSK復調部6のみで通常の復調処理を行うようにすればよく、送信パケットの送信状態に合わせて、PSK復調部を使用するか否かを選択するようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。 送信パケットのフォーマットを示す図である。 ディスクリミネータ特性を示す特性線図である。 周波数誤差検出回路を示すブロック図である。 シンボルタイミング再生回路を示すブロック図である。 ループフィルタを示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
WD 無線データ通信復調装置、1 受信アンテナ、2 ミキサ、3 PLL回路、4 バンドパスフィルタ、5 受信信号切換スイッチ、6 FSK復調部、7 PSK復調部、11 ディスクリミネータ、12 ローパスフィルタ、13 コンパレータ、14 周波数誤差検出回路、14a 平均値算出回路、14b 減算器、14c 周波数換算値変換回路、15 シンボルタイミング再生回路、15a 2値位相比較器、15b ランダムウォークフィルタ、15c 位相制御器、15d クロック信号発生器、15e,15f 分周器、21 直交検波器、22a,22b ローパスフィルタ、23a,23b A/D変換器、24 位相同期ループ式の復調回路、25 複素乗算器、26a,26b ローパスフィルタ、27 データ再生回路、28 周波数オフセット検出回路、29 ループフィルタ、30 数値制御発振器、31 第1の乗算器、32 第1の加算器、33 第2の除算器、34 第2の加算器、35 マルチプレクサ、36 ラッチ回路、40 位相同期ループ式の復調回路、41 角度計算器、42 位相同期ループ回路、43 判定回路、44 減算器、45 位相オフセット検出回路、46 ループフィルタ

Claims (7)

  1. 前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調装置であって、
    前記周波数シフトキーイング変調信号を復調するFSK復調部と、前記位相シフトキーイング変調信号を復調するPSK復調部とを有し、前記FSK復調部は、周波数シフトキーイング変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段を有し、前記PSK復調部はループフィルタを有する位相同期ループ式の復調回路を有し、前記ループフィルタの初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴とする無線データ通信復調装置。
  2. 前記周波数誤差検出手段は、周波数シフトキーイング変調信号を受信回路で復調した周波数シフトキーイング復調信号の周波数平均値を算出する平均値算出手段と、該平均値算出手段で算出した周波数平均値と周波数シフトキーイング復調信号の基準周波数との偏差を算出する減算手段とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線データ通信復調装置。
  3. 前記PSK復調部は、位相シフトキーイング変調信号を直交検波する直交検波手段と、該直交検波手段で検波した同相成分及び直交成分を前記FSK復調部で得られたシンボルに同期したクロックを用いてA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分が入力される前記位相同期ループ式の復調回路とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線データ通信復調装置。
  4. 前記復調回路は、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分に、理想信号点の位相と一致させるための正弦波及び余弦波とに基づいて所定角度の位相回転を与える複素乗算器と、該複素乗算器から出力される位相回転された同相成分及び直交成分が入力されるローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力が入力されるデータ再生回路と、前記ローパスフィルタから出力される同相成分及び直交成分が入力される周波数オフセット検出回路と、該周波数オフセット検出回路の周波数オフセット検出値が入力されると共に、初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力されるループフィルタと、該ループフィルタの出力が入力されて、前記複素乗算器に供給する正弦波及び余弦波を形成する数値制御発振器とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の無線データ通信復調装置。
  5. 前記復調回路は、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分から位相情報を算出する角度計算器と、該角度計算器から出力される位相情報と位相信号とを比較する位相比較手段と、該位相比較手段から出力される位相信号に基づいて復調データを再生する判定回路と、前記位相比較手段の位相信号が入力される位相オフセット検出手段と、該位相オフセット検出手段のオフセット検出値が入力されると共に、前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、前記位相比較手段に位相信号を出力するループフィルタとで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の無線データ通信復調装置。
  6. 前記ループフィルタは、入力されるオフセット値に第1のフィルタ係数を乗算する第1の乗算器と、前記オフセット値に第2のフィルタ係数を乗算する第2の乗算器と、該第2の乗算器の出力とラッチ回路の出力とを加算する第1の加算器と、該第1の加算器の加算出力と前記第1の乗算器の出力とを加算して数値制御発振器に対する出力を形成する第2の加算器と、前記第1の加算器の加算出力と前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、これらを選択して前記ラッチ回路に出力するマルチプレクサとを備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の無線データ通信復調装置。
  7. 前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調方法であって、
    前記周波数シフトキーイング変調信号をFSK復調部で周波数誤差を検出しながら復調し、その後に前記位相シフトキーイング変調信号をPSK復調部で復調開始する際に、当該PSK復調部を構成する位相同期ループ式の復調回路に含まれるループフィルタの初期値として前記FSK復調部で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴とする無線データ通信復調方法。
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