JP4165413B2 - 無線データ通信復調装置及び復調方法 - Google Patents
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Description
このような近距離無線データ通信では、スクランブルコードとヘッダとペイロードとで構成される送信パケットを送信するようにしているが、データ通信の高速化の要請から図2に示すように、ヘッダPH及びペイロードPL間にガードタイム及び同期を行う16ビットのプリアンブル部を配置した送信パケットを形成し、アクセスコードAC及びヘッダPHを周波数シフトキーイング変調信号で送信し、プリアンブル部PA及びペイロードPLを位相シフトキーイング変調信号で送信することが提案されている。
この周波数オフセットの補償方法としては、プリアンブル受信中だけではPLLのロックアップ時間が不足したときに、フレームのデータ領域に入ったら続けて差動検波を行ってデータを復調し、同時にPLLの動作をも行うことでPLLロックアップ時間が過ぎたら差動検波と同期検波のデータクオリティを比較して、その空間伝搬環境上で適した復調動作を選択するようにした無線データ通信の復調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載した従来例では、プリアンブルにより周波数同期が確立しない場合を想定し、周波数同期が確立するまでの間は、差動検波を行い、周波数がロックしたと判断された後に、差動検波と同期検波を切り替えるようにしているが、一般に差動検波はビット誤り率(BER)特性が同期検波に比べて劣るため、同期確立が成立するまで差動検波を行った場合、その期間に誤りが発生する可能性があり、位相シフトキーイング変調を用いた近距離無線データ通信では、1ビットの誤りが直ちにパケットロスにつながるため、パケットロスが多くなるという未解決の課題がある。
さらに、前記特許文献3に記載した従来例では、周波数初期値を求めるための遅延手段を必要とし、より正確な初期値を得るためには、多くのビットを平均することが望ましく、回路規模が大きくなるという未解決の課題がある。
さらに、第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記PSK復調部が、位相シフトキーイング変調信号を直交検波する直交検波手段と、該直交検波手段で検波した同相成分及び直交成分を前記FSK復調部で得られたシンボルに同期したクロックを用いてA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分が入力される前記位相同期ループ式の復調回路とで構成されていることを特徴としている。
図1は本発明の第1の実施形態を示す2.4GHzのISM帯を使用する近距離無線通信システムに適用した場合の無線データ通信復調装置を示すブロック図である。
図中、WDは無線データ通信復調装置であって、この無線データ通信復調装置WDは、受信アンテナ1を有し、この受信アンテナ1で送信側から送信される図2に示す送信パケットを受信し、受信した受信信号はミキサ2に供給されて、このミキサ2で、受信信号に位相同期ループ(以下、PLLと称す)回路3から入力される局部発振信号を乗算してダウンコンバートして中間周波信号(IF信号)に変換される。
また、周波数誤差検出回路14は、図4に示すように、ローパスフィルタ12のFSK復調信号が入力される平均値算出回路14aと、この平均値算出回路14aから出力される平均値からオフセットの無い基準信号を減算して、両者の偏差を算出する減算器14bと、この減算器14bから出力される減算値を周波数誤差検出値に変換する周波数換算値変換回路14cとで構成され、周波数換算値変換回路14cから出力される周波数誤差検出値feが後述するPSK復調部7のループフィルタに供給される。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、図示しない送信装置から図2に示す送信パケットを、先ず、アクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK変調信号で送信し、次いでプリアンブルPA及びペイロードPLをPSK変調信号で送信すると、この送信パケットを無線データ通信復調装置WDで受信すると、受信アンテナ1で受信した受信信号がミキサ2に供給されて中間周波信号(IF信号)に変換されてバンドパスフィルタ4を介して受信信号切換スイッチ5に供給される。
このFSK復調部6では、FSK変調された受信信号をディスクリミネータ11に供給することにより、このディスクリミネータ11で電圧信号に変換し、この電圧信号をローパスフィルタ12を介してコンパレータ13に供給することにより2値信号のFSK復調データを再生して、後段の図示しない信号処理回路に出力される。
また、コンパレータ13で復調されるFSK復調データはシンボルタイミング再生回路15に供給され、このシンボルタイミング再生回路15の2値位相比較器15aでクロック発生器15dで発生したクロック信号を位相制御器15cで制御されて分周器15eで分周されて形成されたデータクロックDCKと比較し、両者間の位相進み又は位相遅れを検出し、これをランダムウォークフィルタ15bのアップダウンカウンタに供給することにより、入力されたFSK復調データがデータクロックDCKに対して進んでいるときにはアップダウンカウンタがアップカウントされ、逆の場合にはダウンカウントされ、アップダウンカウンタのカウント値がアップカウント閾値又はダウンカウント閾値を越えたときに、オーバーフロー信号又はアンダーフロー信号を位相制御器15cに出力すると共に、アップダウンカウンタを中央値にリセットする。このため、位相制御器15cでクロック発生器15dから供給されるクロック信号に1パルスの付加又は除去を行ったクロック信号を形成し、これを分周器15e及び15fに供給することにより、FSK復調データに同期したデータクロックDCK及びサンプルクロックSCKを形成し、データクロックDCKを図示しない信号処理回路に出力すると共に、サンプルクロックSCKをPSK復調部7のA/D変換器23a及び23bに供給する。
このとき、送信パケットのパケットヘッダPHの最終ビットが終了して、プリアンブルPAの先頭ビットが受信されたときに、復調回路24のループフィルタ29内のマルチプレクサ35にFSK復調部7の周波数誤差検出回路14で16ビットのプリアンブルPAより長い合計126ビットのアクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK復調している際に検出した周波数誤差検出値feが入力されており、この周波数誤差検出値feが初期値として選択されて、ラッチ回路36でラッチされることにより、第2の加算器34で、複素乗算器25の出力に基づいて周波数オフセット検出回路28で検出した周波数オフセット値foに第2のフィルタ係数Kiを乗算した値に加算され、これが第1の加算器32で周波数オフセット値foに第1のフィルタ係数Kpを乗算した値に加算されてフィルタ出力として数値制御発振器30に供給される。
このように、上記第1の実施形態においては、送信側で送信パケットの前半部をFSK変調信号で送信し、後半部をPSK変調信号で送信する場合に、この送信パケットを無線データ通信復調装置WDで受信したときに、前半部のアクセスコードAC及びパケットヘッダPHをFSK復調部6で復調し、その間に周波数誤差検出回路14で周波数誤差検出値feを検出すると共に、シンボルタイミング再生回路15で、受信したシンボルに同期したサンプルクロックSCKを再生することにより、パケットヘッダPHの最終ビットを受信してからPSK復調部7に切換えたときに、その初期状態で、サンプルクロックSCKに基づいてA/D変換器23a及び23bでディジタル信号に変換することにより、PSK変調信号の受信開始時から直ちに周波数引き込みが可能となり、さらに、位相同期ループ式の復調回路24で、ループフィルタ29の初期値として周波数誤差検出回路14で検出した周波数誤差検出値feが設定されることにより、位相同期ループのロックアップまでの時間を大幅に短縮して、短いプリアンブルPAの期間で確実にロックアップさせることが可能となり、PSK変調による通信時のビット誤り率特性を向上させることができる。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態におけるPSK復調部7の復調回路24を位相角度計算器を使用して構成するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態は、図7に示すように、前述した第1の実施形態における復調回路24が位相角度計算器を使用した復調回路40に変更されていることを除いては図1と同様の構成を有し、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明は、これを省略する。
ここで、角度計算器41は、A/D変換器23a及び23bから入力されるディジタル信号の同相成分(I成分)及び直交成分(Q成分)に基づいてtan-1(Q/I)の演算を行って位相情報を取り出し、この位相情報を位相同期ループ回路42に出力する。
そして、減算器44から出力される出力位相が判定回路43に供給される。
そして、これらA/D変換器23a及び23bから出力されるディジタル信号の同相成分及び直交成分に基づいてtan-1(Q/I)の演算を行って位相情報を取り出し、この位相情報を位相同期ループ回路42の減算器44に供給するが、このPSK復調の開始時にループフィルタ46のマルチプレクサ35でFSK復調部6に設けた周波数誤差検出回路14でFSK復調時に検出した周波数誤差検出値feが初期値として選択されることにより、前述した第1の実施形態と同様に、位相同期ループ回路42のロックアップまでの時間を大幅に短縮して、プリアンブルPAの受信期間中に確実にロックアップを行って、PSK変調による通信の際のビット誤り率特性を向上させることができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、受信信号をミキサ2で中間周波信号にダウンコンバートしてから受信信号切換スイッチ5でFSK復調部6及びPSK復調部7に切換えるようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、送信機と受信機との間の周波数ずれは、ミキサに入力される信号の周波数で決定されるため、この信号をFSK復調部6とPSK復調部7とで共通に使用する構成であれば、切換位置は任意に設定することができる。また、FSK復調部6及びPSK復調部7に夫々個別にミキサを配設するようにしてもよい。
Claims (7)
- 前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調装置であって、
前記周波数シフトキーイング変調信号を復調するFSK復調部と、前記位相シフトキーイング変調信号を復調するPSK復調部とを有し、前記FSK復調部は、周波数シフトキーイング変調信号の周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段を有し、前記PSK復調部はループフィルタを有する位相同期ループ式の復調回路を有し、前記ループフィルタの初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴とする無線データ通信復調装置。 - 前記周波数誤差検出手段は、周波数シフトキーイング変調信号を受信回路で復調した周波数シフトキーイング復調信号の周波数平均値を算出する平均値算出手段と、該平均値算出手段で算出した周波数平均値と周波数シフトキーイング復調信号の基準周波数との偏差を算出する減算手段とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線データ通信復調装置。
- 前記PSK復調部は、位相シフトキーイング変調信号を直交検波する直交検波手段と、該直交検波手段で検波した同相成分及び直交成分を前記FSK復調部で得られたシンボルに同期したクロックを用いてA/D変換するA/D変換手段と、該A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分が入力される前記位相同期ループ式の復調回路とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線データ通信復調装置。
- 前記復調回路は、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分に、理想信号点の位相と一致させるための正弦波及び余弦波とに基づいて所定角度の位相回転を与える複素乗算器と、該複素乗算器から出力される位相回転された同相成分及び直交成分が入力されるローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力が入力されるデータ再生回路と、前記ローパスフィルタから出力される同相成分及び直交成分が入力される周波数オフセット検出回路と、該周波数オフセット検出回路の周波数オフセット検出値が入力されると共に、初期値として前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力されるループフィルタと、該ループフィルタの出力が入力されて、前記複素乗算器に供給する正弦波及び余弦波を形成する数値制御発振器とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の無線データ通信復調装置。
- 前記復調回路は、A/D変換手段から出力される同相成分及び直交成分から位相情報を算出する角度計算器と、該角度計算器から出力される位相情報と位相信号とを比較する位相比較手段と、該位相比較手段から出力される位相信号に基づいて復調データを再生する判定回路と、前記位相比較手段の位相信号が入力される位相オフセット検出手段と、該位相オフセット検出手段のオフセット検出値が入力されると共に、前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、前記位相比較手段に位相信号を出力するループフィルタとで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の無線データ通信復調装置。
- 前記ループフィルタは、入力されるオフセット値に第1のフィルタ係数を乗算する第1の乗算器と、前記オフセット値に第2のフィルタ係数を乗算する第2の乗算器と、該第2の乗算器の出力とラッチ回路の出力とを加算する第1の加算器と、該第1の加算器の加算出力と前記第1の乗算器の出力とを加算して数値制御発振器に対する出力を形成する第2の加算器と、前記第1の加算器の加算出力と前記周波数誤差検出手段で検出した周波数誤差検出値が初期値として入力され、これらを選択して前記ラッチ回路に出力するマルチプレクサとを備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の無線データ通信復調装置。
- 前半部を周波数シフトキーイング変調信号で送信し、後半部を位相シフトキーイング変調信号で送信される送信パケットを受信して復調する無線データ通信復調方法であって、
前記周波数シフトキーイング変調信号をFSK復調部で周波数誤差を検出しながら復調し、その後に前記位相シフトキーイング変調信号をPSK復調部で復調開始する際に、当該PSK復調部を構成する位相同期ループ式の復調回路に含まれるループフィルタの初期値として前記FSK復調部で検出した周波数誤差検出値を設定するようにしたことを特徴とする無線データ通信復調方法。
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