JP4165286B2 - 開閉弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジン)の吸気管、排気管、EGR管などに取り付けられて、吸入空気または排気ガスに触れる開閉弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の開閉弁の一例として、アイドル・スピード・コントロール・バルブ(以下、ISCV)を用いて従来技術を説明する。
ISCVは、スロットルバルブの吸気バイパス通路を流れる吸気流量を調整してアイドル回転速度を制御するものであり、アルミニウム製のハウジングと一体に設けられた弁座と、この弁座に着座可能に設けられた樹脂製の弁体とからなる開閉弁を備える。
弁体は電磁アクチュエータ(駆動手段の一例)によって駆動されて、弁座内の開口の開度を調整するものであり、開口の開度を調整することによって吸気バイパス通路を流れる吸気流量を調整するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−266215公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
吸気管、排気管、EGR管に取り付けられる開閉弁では、高い耐久性や強度が要求される。このため、弁体を樹脂製で設ける場合、弁体の強度を高く保つために弁体の樹脂にガラス繊維が混入される。
ガラス繊維の表面には、樹脂との結合力を増すために接着剤がコーティングされている。この接着剤は、水と親和性があるために、弁体も親和性になる。このため、吸気管内で発生する凝縮水を弁体が保持してしまう。
エンジンの凝縮水は、硫酸塩(例えば、硫酸アンモニウム)や硝酸塩(例えば、硝酸アンモニウム)を含む。このため、弁体が弁座に着座した状態で放置されると、特に長期に亘って車両が放置された場合、弁体が保持した凝縮水が乾燥し、凝縮水に含まれる成分(硫酸塩や硝酸塩)が固化し、弁体と弁座が固着する場合がある。
【0005】
このような固着が発生すると、エンジンを始動させるためにイグニッションスイッチをONして、弁体を駆動する電磁アクチュエータに通電しても、弁体と弁座の固着力が電磁アクチュエータの弁体駆動力より大きくなると、ISCVが開弁できなくなる可能性がある。
ISCVが開弁できなくなると、エンジンを回し続けるのに必要な最低吸気量が確保できなくなり、エンジンの始動ができなくなるという問題が生じてしまう。
【0006】
一方、エンジンの凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩は、アルミニウム製の弁座を腐食させてしまう。
その腐食時に、腐食生成物である硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムが発生する。弁体が弁座に着座した状態でこのような腐食生成物が乾燥して固化すると、弁体と弁座が固着し、上記と同様の問題が発生してしまう。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウム製のハウジングと一体の弁座と、樹脂製の弁体とを備える構造で、しかも着座部分にエンジンの凝縮水が付着する可能性があっても、弁体と弁座の固着の発生を防ぐことのできる開閉弁の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する開閉弁は、少なくとも弁座と接触するバルブシート部を、強化繊維が混入されていない樹脂によって設けたものである。
このように、少なくともバルブシート部を強化繊維が混入されていない樹脂にすることにより、弁体のうちの弁座に着座する部分が親和性にならない。これによって、弁体のうちの弁座に着座する部分への凝縮水の付着量を低減させることができ、エンジンの凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。
【0011】
開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂によってバルブシート部を設けたものである。
このように、水を弾く性質のある四フッ化エチレン樹脂でバルブシート部を設けることにより、弁体のうちの弁座に着座する部分に付着する凝縮水の付着量を極めて少なくすることができる。
また、必要な部位(バルブシート部)に限定して高価な四フッ化エチレン樹脂を使用するため、低コストで達成できる。
【0012】
開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂よりなるバルブシート部と弁体とを2重成形して結合した、あるいは四フッ化エチレン樹脂よりなるバルブシート部と弁体とを接着剤によって結合したものである。
【0013】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する開閉弁は、弁体と接触する弁座シート部のみを硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けたものである。
このように設けることにより、硫酸塩や硝酸塩を含むエンジンの凝縮水が弁座シート部に付着したとしても、弁座シート部にはアルミニウムの腐食が発生しない。
このように、弁体が着座する弁座シート部に硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムが発生しないため、このような腐食生成物の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用する開閉弁は、ガラス繊維やカーボン繊維等の強化繊維が混入されていない樹脂によって弁体を形成するものである。
このように、弁体の樹脂に強化繊維を混入しないことにより、弁体が親和性にならない。これによって、弁体への凝縮水の付着量を低減させることができ、エンジンの凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。
また、弁体の樹脂に強化繊維を混入させないという手段を採用することにより、上記の効果を安価に達成することができる。
さらに、開閉弁は、弁体と接触する弁座シート部のみを硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けたものである。
このように設けることにより、硫酸塩や硝酸塩を含むエンジンの凝縮水が弁座シート部に付着したとしても、弁座シート部にはアルミニウムの腐食が発生しない。
このように、弁体が着座する弁座シート部に硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムが発生しないため、このような腐食生成物の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用する開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂を弁体に含有して設けたものである。
このように、弁体の樹脂に水を弾く性質のある四フッ化エチレン樹脂を含有させることにより、弁体に付着する凝縮水の付着量を極めて少なくすることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段を採用する開閉弁は、少なくとも弁座と接触するバルブシート部を、強化繊維が混入されていない樹脂によって設けたものである。
このように、少なくともバルブシート部を強化繊維が混入されていない樹脂にすることにより、弁体のうちの弁座に着座する部分が親和性にならない。これによって、弁体のうちの弁座に着座する部分への凝縮水の付着量を低減させることができ、エンジンの凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。 また、開閉弁は、弁体と接触する弁座シート部のみを硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けたものである。
このように設けることにより、硫酸塩や硝酸塩を含むエンジンの凝縮水が弁座シート部に付着したとしても、弁座シート部にはアルミニウムの腐食が発生しない。
このように、弁体が着座する弁座シート部に硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムが発生しないため、このような腐食生成物の固化によって弁体と弁座が固着するのを防ぐことができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6の手段を採用する開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂によってバルブシート部を設けたものである。
このように、水を弾く性質のある四フッ化エチレン樹脂でバルブシート部を設けることにより、弁体のうちの弁座に着座する部分に付着する凝縮水の付着量を極めて少なくすることができる。
また、必要な部位(バルブシート部)に限定して高価な四フッ化エチレン樹脂を使用す るため、低コストで達成できる。
〔請求項7の手段〕
請求項7の手段を採用する開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂よりなるバルブシート部と弁体とを2重成形して結合した、あるいは四フッ化エチレン樹脂よりなるバルブシート部と弁体とを接着剤によって結合したものである。
【0014】
〔請求項8の手段〕
請求項8の手段を採用する開閉弁は、ステンレスによって弁座シート部を設けたものである。
このように、必要な部位(弁座シート部)に限定して高価なステンレスを使用するため、上記請求項2、3、5の手段で示した効果を低コストで達成できる。
【0015】
〔請求項9の手段〕
請求項9の手段を採用する開閉弁は、アルミニウム製の弁座にステンレス製の弁座シート部を圧入によって結合したものである。
【0016】
〔請求項10の手段〕
請求項10の手段を採用する開閉弁は、四フッ化エチレン樹脂によって弁座シート部を設けたものである。
このように、必要な部位(弁座シート部)に限定して高価な四フッ化エチレン樹脂を使用するため、上記請求項2、3、5の手段で示した効果を低コストで達成できる。
【0017】
〔請求項11の手段〕
請求項11の手段を採用する開閉弁は、アルミニウム製の弁座に四フッ化エチレン樹脂よりなる弁座シート部を接着剤によって結合したものである。
【0018】
〔請求項12の手段〕
請求項12の手段を採用する開閉弁は、吸気管に配置されたスロットルバルブをバイパスする吸気バイパス通路を流れる吸気流量を調整してアイドル回転速度を制御するISCVに用いられるものである。
このように、ISCVに本発明が適用されることにより、弁体が弁座に着座した状態で放置されても(例えば、長期に亘って車両が放置された場合でも)、上述したように弁体と弁座の固着が防がれるため、ISCVが開弁できなくなって、エンジンの始動ができなくなるという問題を回避できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
先ず、参考例を用いてISCVの構成を説明し、その後で本発明が適用された実施例を説明する。
[参考例]
ISCVを用いたアイドル・スピード・コントロール・システム(以下、ISCシステム)を図2を参照して説明する。
【0020】
(ISCシステムの説明)
エンジン1の吸気管2には、空気の取入口からエンジン1に向かって、エアクリーナ3、スロットルバルブ4、サージタンク5が設けられており、エアクリーナ3で濾過された吸気はスロットルバルブ4によって吸気量が制御され、サージタンク5を経てエンジン1に供給される。
スロットルバルブ4は、アイドル運転時において吸気管2を遮断するように設けられており、アイドル運転時のアイドル回転速度は図2に示すISCシステムによって制御される。
ISCシステムは、スロットルバルブ4をバイパスする吸気バイパス通路6、この吸気バイパス通路6を通過する吸気量を調整するISCV7、このISCV7を制御するECU8(エンジン・コントロール・ユニットの略)で構成される。
【0021】
(ISCV7の説明)
ISCV7は、図1に示すように、弁座11と弁体12で構成される開閉弁13と、弁体12を軸方向へ駆動する電磁アクチュエータ14(駆動手段の一例)とで構成される。
【0022】
(弁座11の説明)
開閉弁13および電磁アクチュエータ14の周囲を覆うアルミニウム製(アルミニウム合金を含む)のハウジング15には、吸気バイパス通路6の上流側に連通する流入口16(弁座内の開口)と、吸気バイパス通路6の下流側に連通する流出口17とが形成されており、流入口16と流出口17の間に流体通路18が形成されている。流入口16は、略筒形状を呈した弁座11の内側に形成される。また、流出口17は、弁座11および弁体12の周囲を覆う筒部に形成されている。
このように、弁座11はアルミニウム製のハウジング15と一体に設けられるものであり、流入口16は弁体12によって開度調整される。
【0023】
(弁体12の説明)
弁体12は、略筒形状を呈した弁座11に着座して流入口16を閉塞することができるとともに、弁座11の下流端から離座して流入口16の開度を調整可能なものであり、樹脂によって設けられている。この樹脂製の弁体12は、電磁アクチュエータ14の内側に伸びるシャフト19の端部に結合して設けられている。
このシャフト19は、電磁アクチュエータ14の図示上側に組付けられる調整ネジ20内の軸方向穴21と、電磁アクチュエータ14の図示下側に組付けられる板バネ22によって軸方向に摺動自在に支持されるものである。なお、板バネ22はシャフト19の図示下側において芯出しを行うものである。
このように設けられることにより、弁体12はシャフト19と一体に軸方向へ変位可能に支持される。
【0024】
弁体12には、流入口16の圧力を板バネ22が配置された室内に導く通路23が形成されている。この通路23は、流入口16の圧力を、弁体12の流入口16とは異なった側に与えることで、流入口16側の圧力変動によって弁体12が変位するのを防ぐためのものである。このため、ISCV7には、板バネ22が配置された室内と流出口17との連通を阻止するゴム製の隔壁24が設けられている。なお、図中に示す符号25は、ゴム製の隔壁24を保護する金属プレートである。
【0025】
(電磁アクチュエータ14の説明)
電磁アクチュエータ14は、ムービングコア26、コイル27、固定子磁気回路、スプリング28、コネクタ29を備える。
【0026】
ムービングコア26は、ステータ32に磁気吸引される磁性体金属(例えば、鉄)によって形成されたものであり、上述したシャフト19の弁体12側の周囲に圧入等で固定されたものである。このため、ムービングコア26は、弁体12と一体に軸方向へ移動する。
コイル27は、通電されると磁力を発生して、固定子磁気回路にムービングコア26を駆動するための磁束を発生させる磁力発生手段であり、樹脂性のボビン27aの周囲にエナメル線を多数巻回して構成される。
【0027】
固定子磁気回路は、ヨーク31、ステータ32、端部ヨーク33、スリーブ34を備える。
ヨーク31は、コイル27の内側に配置されてムービングコア26を磁気吸引する内筒部31aを有する磁性体金属(例えば、鉄)である。
内筒部31aの端部の内側は、ムービングコア26が接触しないで侵入可能に設けられており、この内筒部31aの端部の内側にムービングコア26が侵入することで、ムービングコア26がステータ32の端部に吸引された際に、ムービングコア26とステータ32の一部が軸方向に交差するように設けられている。なお、筒状部31aの端部にはテーパ31bが形成されており、ムービングコア26のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
ステータ32は、磁束をコイル27の内側へ導く円盤部32aと、その円盤部32aの磁束をムービングコア26の周囲へ導く筒状部32bとからなる磁性体金属(例えば、鉄)である。
【0028】
スプリング28は、調整ネジ20とムービングコア26との間に圧縮された状態で配置された圧縮コイルバネであり、ムービングコア26、シャフト19を介して弁体12を常に閉弁方向へ付勢する。
コネクタ29は、ECU8と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にコイル27の両端にそれぞれ接続される端子29aが配置されている。
【0029】
(ECU8の説明)
ECU8は、デューティ比制御によって電磁アクチュエータ14のコイル27へ供給する電流量を制御するものであり、CPU35(演算処理装置:コンピュータ制御部)と駆動回路36(ドライバ)から構成される。なお、デューティ比制御とは、制御周波数(PWM周波数)における1サイクル当たりのON時間とOFF 時間の割合を可変することによって、コイル27へ与える電流量を可変制御するものである。
【0030】
CPU35は、記憶装置(RAM、ROM等)、I/Oポート(DAC、ADC)等を備えるものであり、図示しない各種センサによって検出される冷却水温度、エンジン回転速度、各種負荷信号(パワーステアリング、エアコン、電気負荷等)などの車両の運転状態に基づいてコイル27への供給電流量を演算によって求め、求めた供給電流量に応じたデューティ比(1サイクル当たりのON時間とOFF 時間の割合)を決定するものである。
駆動回路36は、CPU35から出力されるデューティ比の制御信号(指令信号)に基づいて、電磁アクチュエータ14のコイル27のON-OFF制御を実施するものである。
【0031】
(ISCシステムの作動説明)
コイル27への通電が停止されている状態では、スプリング28の付勢力によって弁体12が弁座11に着座し、流入口16が閉塞される。即ち、吸気バイパス通路6の吸気の流れが遮断された状態になる。
【0032】
ECU8によるデューティ比制御によって電磁アクチュエータ14のコイル27へ電流が供給されると、スプリング28の付勢力に抗してムービングコア26がヨーク31の内筒部31aに吸引され、弁体12が弁座11から離座して流入口16が開放される。これにより、流入口16から流出口17へ吸気が流れ、吸気バイパス通路6からエンジン1に吸気が供給される。そして、コイル27に供給する電流量をECU8がデューティ比制御することにより、流入口16の開度が調整され、吸気バイパスを流れる空気量が調整される。即ち、ECU8によってアイドル回転速度を調整できる。
【0033】
「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、弁体12を樹脂製で設ける場合、従来では弁体12の樹脂にガラス繊維を混入していた。混入されるガラス繊維の表面には、樹脂との結合力を増すために接着剤がコーティングされているが、接着剤は水と親和性があるために、弁体12も親和性になってしまう。このため、吸気管2内で発生する凝縮水を弁体12が保持してしまう。
吸気管2の内部で発生する凝縮水は、硫酸塩(例えば、硫酸アンモニウム)や硝酸塩(例えば、硝酸アンモニウム)を含むため、弁体12が弁座11に着座した状態で放置されると、特に長期に亘って車両が放置された場合、弁体12が保持した凝縮水が乾燥し、凝縮水の成分(硫酸塩や硝酸塩)が固化して弁体12と弁座11の固着が発生する場合がある。
このような固着が発生すると、エンジン1を始動させるためにイグニッションスイッチをONして、電磁アクチュエータ14のコイル27に通電しても、弁体12と弁座11の固着が解除できず、エンジン1を回し続けるのに必要な最低吸気量が確保できなくなる可能性がある。
【0034】
この問題を解決するべく、この参考例では、弁体12を強化繊維が混入されていない樹脂(例えば、PPS等)によって形成した。
このように、強化繊維を混入しない樹脂で弁体12を設けたことにより、弁体12が親和性にならない。これによって、弁体12への凝縮水の付着量を低減させることができる。このため、車両が放置されたとしても、エンジン1の凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩の固化によって弁体12と弁座11が固着するのを防ぐことができる。
即ち、車両の放置後にエンジン1を始動させるためにイグニッションスイッチをONして電磁アクチュエータ14のコイル27に通電を開始すれば、弁体12が弁座11から離座するため、車両の放置によりエンジン1が始動できなくなる問題が発生しない。
【0036】
[第1実施例]
図3を参照して本発明が適用された第1実施例を説明する。
上記の参考例では、強化繊維が混入されていない樹脂で弁体12を設ける例を示したが、この第1実施例は、弁体12のうち、弁座11と接触するバルブシート部12aのみを、強化繊維が混入されていない樹脂によって設けるものである。
具体的に、バルブシート部12a以外の弁体12を強化繊維(例えば、ガラス繊維)が混入された樹脂で成形し、バルブシート部12aだけを、強化繊維が混入されていない四フッ化エチレン樹脂で設けたものである。
なお、弁体12を強化繊維(例えば、ガラス繊維)が混入されていない樹脂で成形し、バルブシート部12aだけを強化繊維が混入されていない四フッ化エチレン樹脂で成形しても良い。
【0037】
なお、バルブシート部12aは、弁体12(バルブシート部12aを除く部分)と2重成形して結合されるものである。あるいは、バルブシート部12aは、弁体12(バルブシート部12aを除く部分)と接着剤を用いて結合されるものである。
【0039】
バルブシート部12aだけを強化繊維が混入されていない四フッ化エチレン樹脂で設けることにより、弁体12のうちの弁座11に着座するバルブシート部12aが強く水を弾くため、弁体12に凝縮水が付着するのを防ぐことができる。これによって、エンジン1の凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩の固化によって弁体12と弁座11が固着する可能性を上記参考例に比較してさらに少なくできる。
また、必要な部位(バルブシート部12a)に限定して高価な四フッ化エチレン樹脂を使用するため、凝縮水が弁体12に付着することによって発生する弁体12と弁座11の固着を防ぐことのできるISCV7を低コストで提供できる。
【0040】
[第2実施例]
図4を参照して第2実施例を説明する。
弁座11はアルミニウム製のハウジング15と一体に設けられているため、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩は、アルミニウム製の弁座11を腐食させてしまう。
その腐食時に腐食生成物である硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウムが発生する。弁体12が弁座11に着座した状態でこのような腐食生成物が乾燥して固化すると、弁体12と弁座11が固着する場合がある。
【0041】
この問題を解決するために、この第2実施例は、弁座11のうち、弁体12と接触する弁座シート部11aのみを、凝縮水に含まれる硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けたものである。
即ち、弁座シート部11aを除いた弁座11はハウジング15と一体のアルミニウム製であるが、弁座シート部11aだけを、耐腐食性に優れた金属、あるいは耐腐食性に優れた樹脂で設けたものである。
このように設けることにより、硫酸塩や硝酸塩を含むエンジン1の凝縮水が弁座シート部11aに付着したとしても、弁座シート部11aには硫酸アルミニウムや硝酸アルミニウム等の腐食生成物が発生しないため、腐食生成物の固化によって弁体12と弁座11が固着するのを防ぐことができる。
【0042】
なお、弁座シート部11aの材料として耐腐食性に優れた金属(例えば、ステンレス)を用いる場合は、圧入によってアルミニウム製の弁座11(弁座シート部11aを除く部分)に結合されるものである。
あるいは、弁座シート部11aの材料として耐腐食性に優れた樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)を用いる場合は、接着剤を用いてアルミニウム製の弁座11(弁座シート部11aを除く部分)に結合されるものである。
このように、必要な部位(弁座シート部11a)に限定して高価な金属(例えば、ステンレス)や、高価な樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)を使用するため、腐食生成物の固化によって弁体12と弁座11が固着するのを防ぐことのできるISCV7を低コストで提供できる。
【0044】
[変形例]
上記の実施例では、本発明をISCV7に適用した例を示したが、本発明はエンジン1の吸気管2の他、排気管、EGR管など、吸入空気または排気ガスの流路に取り付けられる全ての開閉弁に適用なものである。即ち、エンジン1の吸気管2、排気管、EGR管などにおいて、硫酸塩や硝酸塩が含まれる凝縮水が発生する部位に取り付けられる開閉弁に広く適用可能なものである。
【0045】
上記の実施例では、弁体12の駆動手段として電磁アクチュエータ14を用いた例を示したが、電動モータ、ピエゾアクチュエータなど、他の駆動手段によって弁体12を駆動しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ISCVの断面図である(参考例)。
【図2】 ISCシステムの概略図である。
【図3】 ISCVの要部断面図である(第1実施例)。
【図4】 ISCVの要部断面図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 吸気管
4 スロットルバルブ
6 吸気バイパス通路
7 ISCV(アイドル・スピード・コントロール・バルブ)
8 ECU(エンジン・コントロール・ユニット)
11 弁座
11a 弁座シート部
12 弁体
12a バルブシート部
13 開閉弁
14 電磁アクチュエータ(駆動手段)
15 ハウジング
16 流入口(弁座内の開口)
Claims (12)
- アルミニウム製のハウジングと一体に設けられる弁座と、
この弁座に着座可能に設けられた樹脂製の弁体と、を具備し、
内燃機関に吸い込まれる吸入空気、または前記内燃機関から排出された排気ガスが触れる部位に取り付けられる開閉弁において、
前記弁体は、少なくとも前記弁座と接触するバルブシート部が、強化繊維が混入されていない樹脂によって設けられ、
前記バルブシート部は、四フッ化エチレン樹脂によって設けられ、
四フッ化エチレン樹脂よりなる前記バルブシート部は、前記弁体と2重成形して結合された、あるいは前記弁体と接着剤によって結合されたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項1に記載の開閉弁において、
前記弁座は、前記弁体と接触する弁座シート部のみが、硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - アルミニウム製のハウジングと一体に設けられる弁座と、
この弁座に着座可能に設けられた樹脂製の弁体と、を具備し、
内燃機関に吸い込まれる吸入空気、または前記内燃機関から排出された排気ガスが触れる部位に取り付けられる開閉弁において、
前記弁体は、強化繊維が混入されていない樹脂によって形成され、
前記弁座は、前記弁体と接触する弁座シート部のみが、硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項3に記載の開閉弁において、
前記弁体は、四フッ化エチレン樹脂が含有して設けられたことを特徴とする開閉弁。 - アルミニウム製のハウジングと一体に設けられる弁座と、
この弁座に着座可能に設けられた樹脂製の弁体と、を具備し、
内燃機関に吸い込まれる吸入空気、または前記内燃機関から排出された排気ガスが触れる部位に取り付けられる開閉弁において、
前記弁体は、少なくとも前記弁座と接触するバルブシート部が、強化繊維が混入されていない樹脂によって設けられ、
前記弁座は、前記弁体と接触する弁座シート部のみが、硫酸塩や硝酸塩で腐食しない材料によって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項5に記載の開閉弁において、
前記バルブシート部は、四フッ化エチレン樹脂によって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項6に記載の開閉弁において、
四フッ化エチレン樹脂よりなる前記バルブシート部は、前記弁体と2重成形して結合された、あるいは前記弁体と接着剤によって結合されたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項2〜請求項7のいずれかに記載の開閉弁において、
前記弁座シート部は、ステンレスによって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項8に記載の開閉弁において、
ステンレス製の前記弁座シート部は、アルミニウム製の前記弁座に圧入によって結合されたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項2〜請求項7のいずれかに記載の開閉弁において、
前記弁座シート部は、四フッ化エチレン樹脂によって設けられたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項10に記載の開閉弁において、
四フッ化エチレン樹脂よりなる前記弁座シート部は、アルミニウム製の前記弁座に接着剤によって結合されたことを特徴とする開閉弁。 - 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の開閉弁において、
この開閉弁は、吸気管に配置されたスロットルバルブをバイパスする吸気バイパス通路を流れる吸気流量を調整してアイドル回転速度を制御するアイドル・スピード・コントロール・バルブに用いられることを特徴とする開閉弁。
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