JP4165024B2 - 有機高分子成分の分析方法と装置およびその応用 - Google Patents
有機高分子成分の分析方法と装置およびその応用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流れ分析方法に基づいて液中の有機高分子成分を分析する方法と装置およびその用途に関し、特に銅電解液などの金属電解液やメッキ液に含まれる微量の膠やゼラチンなどを定量分析するのに適する分析方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解液やメッキ液中には、電着金属表面の光沢化や平滑化、メッキ層の硬化などの種々の目的に応じて添加剤が加えられる。添加剤としては、一般に電解製錬では膠が用いられ、メッキではゼラチンが用いられているが、その濃度を一定の範囲内に保つことが品質管理上極めて重要である。例えば、膠は電着面を平滑化するために用いられるが、その濃度が過剰になると分極を著しく高め、電解液に含まれるビスマス等の不純物が析出するようになるなどの問題がある。
【0003】
このため液中に含まれる膠やゼラチン等のタンパク質について精度の高い分析方法が求められるが、従来の一般的なタンパク質の分析法は弱酸性から弱アルカリ性の条件下で行われるものが多く、電解液やメッキ液などのようにpHが1以下の強酸性下で適用できる分析方法は少ない。従来、電解液やメッキ液などに含まれる膠やゼラチンなどのタンパク質は、電位差滴定法やケルダール蒸留法などにより測定されているが、いずれも特殊な装置が必要である上、操作が煩雑であった。また、ケルダール蒸留法は膠をアンモニア態窒素に分解してから測定を行なうものであるが、電解液中にはタンパク質以外の窒素化合物が含まれる場合が多く、正確な測定を困難にしている。
【0004】
この他に、強酸性溶液中のゼラチン・膠の定量法として、これらをメンブランフィルターに捕集して特定の試薬(アミドブラック10B色素)と結合させ、過剰の色素を洗浄した後、色素を溶出してゼラチン等を検出する方法(特開平2-69660号公報)、あるいはゼラチン等を捕集したフィルターを乾燥させ反射率を利用して検出する方法(特開平6-337247号公報)などが報告されている。しかし、これらの方法は膠の捕集量がフィルターの孔径に著しく左右されるため測定誤差が大きいと云う問題がある。またフィルターの捕集に濾過装置を必要とし、操作も煩雑である。しかもフィルターが使い捨てであるため分析コストが嵩むなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の分析方法における上記問題を解決したものであって、強酸性の溶液でも、液中に含まれる膠やゼラチン等の有機高分子成分を迅速かつ正確に定量することができる流れ分析方法と装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明は、液中の有機高分子成分を樹脂に吸着させて分離し、これをゲル拡散クロマトグラフィに導いて分析する操作を流れ分析によって行うことにより、信頼性が高く操作の容易な測定システムを完成したものである。
【0007】
本発明は、試料中の有機高分子成分を分離して分析する以下の流れ分析方法に関する。
〔1〕試料の導入部、調整部、および測定部が管路によって一体に接続された流れ分析装置による測定方法であって、
(イ)試料導入部には一定量の試料液を保持するループを備えたバルブ手段V1が設けられており、該バルブ手段V1には試料液供給管路、キャリアー液導入管路、排液用管路、測定系管路が切換え自在に接続しており、
(ロ)試料調整部には有機高分子成分を吸着する疎水性樹脂が充填されたカラムを備えたバルブ手段V2が設けられており、該バルブ手段V2には導入部に通じる測定系管路、溶離液用管路、排液用管路、測定部に通じる測定系管路が切替え自在に接続しており、
(ハ)測定部には分離した有機高分子成分を分画して分析する手段が設けられており、
(ニ)上記導入部において、一定量の試料液が上記ループに供給された後にバルブ手段V1によって管路が切換えらて該ループにキャリアー液を導入し、キャリアー液と共に試料液を測定系管路を通じて調整部に導入し、
(ホ)上記調整部において、試料液をバルブ手段V2のカラムに導入して液中の有機高分子成分を上記樹脂に吸着させ、該カラムを通過した液は排液管路を通じて系外に排出し、次いでバルブ手段V2によって管路を切換えて該カラムに溶離液を導入し、該溶離液と共に有機高分子成分を測定系管路を通じて測定部に導入し、
(ヘ)カラムから測定部に流れる間に有機高分子成分の凝集を防止する緩衝液を添加し、(ト)上記測定部において、有機高分子成分の量あるいはその分解生成物量を測定することを特徴とする有機高分子成分の流れ分析方法。
〔2〕上記[1]の分析方法において、測定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用い、試料液から分離した膠またはゼラチンを分画して、その量あるいはその分解生成物量を測定する方法。
〔3〕上記[1]または上記[2]の分析方法において、有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用い、金属電解工程から採取した電解液、またはメッキ工程から採取したメッキ液を試料液として用いる方法。
〔4〕上記[1]〜上記[3]の分析方法において、分析結果を金属電解工程またはメッキ工程にフィードバックする工程を有し、膠またはゼラチンの量、あるいはその分解生成物量の測定結果を金属電解工程またはメッキ工程にフィードバックして金属電解工程またはメッキ工程を管理する方法。
【0008】
本発明の分析方法は、以上のように、試料に含まれるタンパク質や膠、ゼラチンなどの有機高分子成分を樹脂に吸着させて試料から分離し、これをゲル拡散クロマトグラフィに導いて分析する一連の操作を流れ分析方法に基づいて行うことにより、試料の導入から有機高分子成分の分析までの操作が短時間に連続して行われるので、迅速に分析結果を得ることができる。従って、有機高分子成分について分解途中の挙動や中間生成物を把握することができる。また、分離を疎水性吸着樹脂で行い、ゲル拡散クロマトグラフィによって分析するので有機高分子成分を分子量に左右されずに分析することができる。さらに、有機高分子成分を測定部に送る際に、その凝集を防止する緩衝液を添加して管路の閉塞などを生じないようにし、信頼性よく分析を行うことができる。この緩衝液は溶離液にあらかじめ混合しても良く、あるいは調整部と測定部の間で緩衝液を添加しても良い。なお、樹脂に吸着した有機高分子成分を溶離した後に緩衝液を添加すれば溶離効果も良く、高分子成分の凝集防止効果も高い。
【0009】
さらに、本発明の流れ分析方法は、有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用いることにより、金属電解液やメッキ液などのような強酸性溶液についても適用することができるので、銅電解製錬などの電解液に含まれる膠の定量分析を容易に行うことができ、電解操業管理方法として利用することができる。また、本発明の分析方法は従来のバッチ法による手作業の電解管理方法に代えて、連続自動分析を行うことができるので長期間にわたって電解製錬の正確な操業管理が可能である。
【0010】
本発明はさらに以下の流れ分析装置に関する。
〔5〕試料の導入部、調整部、および測定部が管路によって一体に接続された流れ分析装置であって、
(イ)試料導入部には一定量の試料液を保持するループを備えたバルブ手段V1が設けられており、該バルブ手段V1には試料液供給管路、キャリアー液導入管路、排液用管路、測定系管路が切換え自在に接続しており、
(ロ)試料調整部には有機高分子成分を吸着する疎水性樹脂が充填されたカラムを備えたバルブ手段V2が設けられており、該バルブ手段V2には導入部に通じる測定系管路、溶離液用管路、排液用管路、測定部に通じる測定系管路が切替え自在に接続しており、
(ハ)調整部と測定部の間に有機高分子成分の凝集を防止する緩衝液を添加する緩衝部が設けられており、
(二)測定部には分離した有機高分子成分を分画して分析する手段が設けられており、
(ホ)上記導入部において、一定量の試料液が上記ループに供給された後にバルブ手段V1によって管路が切換えられて該ループにキャリアー液が導入され、試料液がキャリアー液と共に測定系管路を通じて調整部に導入され、
(ヘ)上記調整部において、試料液がバルブ手段V2のカラムに導入されて液中の有機高分子成分が上記樹脂に吸着され、該カラムを通過した液は排液管路を通じて系外に排出され、次いでバルブ手段V2によって管路が切換えられて該カラムに溶離液が導入され、
(ト)該溶離液と共に有機高分子成分が測定系管路を通じて測定部に向かって流れ、
(チ)上記緩衝部を通じて緩衝液が添加され、
(リ)上記測定部において、有機高分子成分の量あるいはその分解生成物量が測定されることを特徴とする有機高分子成分の流れ分析装置。
〔6〕上記[5]の分析装置において、有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用い、金属電解工程から採取した電解液、またはメッキ工程から採取したメッキ液に含まれる膠、ゼラチン、あるいはその分解生成物量の測定に用いる分析装置。
〔7〕上記[5]または上記[6]の分析装置において、測定部の有機高分子成分の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィが設けられており、分子量排除限界5×103以上の親水性ポリマーゲルが用いられており、この親水性ポリマーゲルを用いてタンパク質の分子量分画を行う流れ分析装置。
〔8〕上記[7]の分析装置において、分子量排除限界の異なる親水性ポリマーゲルを充填した複数段のカラムが設けられている流れ分析装置。
〔9〕キャリアー液として、0.1M濃度以下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用いる上記[5]〜上記[9]の何れかに記載する流れ分析装置。
〔10〕溶離液として、20〜40%以下のメタノール、エタノールなどの低級アルコール、または20〜40%以下のアセトニトリルを用いる上記[5]〜上記[9]の何れかに記載する流れ分析装置。
〔11〕試料の導入部および調整部の送液と排液、測定部の温度調整、検出部の動作を自動制御する手段を有し、試料の導入から有機高分子成分の分離を経て分画分析に至る操作を連続して自動的に行う上記[5]〜上記[10]の何れかに記載する流れ分析装置。
【0011】
上記流れ分析装置によれば、試料に含まれる有機高分子成分を操作性良く分離して分析することができる。さらに、この高分子成分を吸着する樹脂カラムと、試料導入用の管路と、分離した有機高分子成分を測定部に導く管路との樹脂カラムに対する接続を切替自在に設けることにより、樹脂カラムへの試料の供給と排出、樹脂による有機高分子成分の吸着と溶離、および測定部への送液を機械的に短時間にしかも円滑に行うことができる。また、調整部と測定部との間に緩衝液を添加する緩衝部を介設することにより、分離した有機高分子成分の凝集が防止されるので管路の閉塞などを生じる虞がなく、信頼性の高い分析を行うことができる。
【0012】
さらに、試料中の有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用いると共に測定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用い、好ましくは、このゲル拡散クロマトグラフィには分子量排除限界5×1003以上の親水性ポリマーゲルを充填したカラムを用い、必要に応じ、分子量排除限界の異なるゲルを充填したカラムを複数段に接続した測定系を形成することにより、高分子成分の分子量に応じて正確な分析を行うことができる。なお、これらのカラムは恒温室に設置すると良い。
【0013】
なお、キャリアー液として0.1M濃度以下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用い、溶離液として40%以下のメタノール、エタノールなどの低級アルコール、または40%以下のアセトニトリルを用い、好ましくは、溶離液と共に有機高分子成分の凝集を防止するリン酸緩衝液を混合した溶液を用いることによりタンパク質の分析を精度よく、円滑に行うことができる。
【0014】
さらに、本発明の分析装置は試料の導入部から調整部を経て測定部に至る測定系が管路によって一体に連通されており、調整部に接続する管路が切替自在に形成されているので、各部分の送液および排液の操作を自動制御するのに適し、この自動制御手段を組み込むことによって試料の導入から分析に至る一連の操作を自動化することができる。
【0015】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の分析方法および装置を図示する実施態様に基づいて具体的に説明する。図1,2は本発明に係る分析システムの構成例を示す概念図である。図示する本発明の分析システムは、試料液の導入部A、試料調整部Bおよび測定部Cが管路によって順次一体に連通されている。試料調整部Bには試料液中の有機高分子成分を吸着する樹脂充填カラム(21)と該カラムに通じる溶離液管路(22)が設けられており、測定部(C)には上記カラム(21)に通じるゲル拡散クロマトグラフィ(31)のカラム(32)とその検出手段(33)が設けられている。
【0016】
図1の分析システムは、さらに、試料調整部のカラム(21)と測定部Cの間に緩衝液管路(25)と混合部(26)が設けられている。また、測定部Cのゲル拡散クロマトグラフィ(31)のカラム(32)は恒温室(34)に設置されており、ゲルの網目径が異なる複数段のカラム(32)が設けられている。なお、図2の分析システムは図1の構成から緩衝液管路(25)と混合部(26)とを省いて簡略化したものである。
【0017】
測定系に導入した試料液は、上記カラム(21)に導かれて液中の有機高分子成分が吸着分離され、次いで、管路を切り替えて溶離液をカラム(21)に通じ、有機高分子成分を溶離した後に、この有機高分子成分を含む溶液をゲル拡散クロマトグラフィ(31)のカラム(32)および検出手段(33)に導いて分画分析する。
【0018】
上記分析システムの各構成部分について以下に説明する。
( A ) 試料液導入部
試料液の導入部Aは試料液の導入手段とこの試料液を測定系に送るキャリアー液の送液手段とを有する。キャリアー液の送液手段としては送液ポンプP1を用いることができる。送液ポンプP1は脈流の少ないプランジャー式ポンプが適しており、送液ポンプP1によってキャリアー液の希硫酸が管路(12)を通じて測定系に供給される。なお、送液手段P1として水を供給する送液ポンプと希硫酸液を供給する送液ポンプを備えたダブルプランジャー式ポンプ等を用い、希硫酸液と水とを独立に系内に導入しても良い。キャリアー液としては、例えば0.1M濃度以下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液などを用いることができる。
【0019】
試料液の導入手段として一定量の試料液を保持するループ(10)を備えたバルブ手段(六方バルブ)V1が用いられている。このバルブ手段V1には6個の通孔が設けられており、相対向する一対の通孔の間に一定量の試料液を保持するループ(10)が設けられており、その他の通孔はおのおの試料液の供給管路(11)、キャリアー液の導入管路(12)、排液用管路(13)、および測定部に向かう管路(14)に連通するように形成されている。また、排液用管路(13)には送液ポンプP2が設けられている。
【0020】
試料液は送液ポンプP2に吸引されて供給管路(11)を通じて上記ループ(10)に導入され、一定量が保持される。試料液の量はループの長さによって調整することができる。測定時には、このバルブ手段V1の回転によってループ(10)がキャリアー液の導入管路(12)と測定系管路(14)とにそれぞれ連通され、キャリアー液によって一定量の試料液が試料調整部Bに供給される。試料液を供給した後はバルブ手段V1の回転によって管路が切り替えられ、ループ(10)は試料液供給管路(11)と排液用管路(13)に連通され、ループ中の残液が排出されると共に新たに試料液がループ(10)に再び導入される。なお、試料液の供給管路(11)には複数の試料液タンク(図示省略)を管路の切替手段(図示省略)を介して接続し、複数の試料液を適宜選択して測定系に導入するようにしても良い。
【0021】
( B ) 試料調整部
試料調整部Bには樹脂充填カラム(21)と該カラムに通じる溶離液管路(22)が設けられている。図示する分析システムにおいて、試料液導入部のバルブ手段V1と同様の6個の通孔を有するバルブ手段V2が設けられており、このバルブ手段V2の相対向する一対の通孔の間に上記カラム(21)が設けられている。その他の通孔はおのおの導入部Aに通じる管路(14)、溶離液管路(22)、排液用管路(23)、および測定部Cに向かう測定系管路(24)に連通するように形成されている。
【0022】
上記カラム(21)には試料液に含まれている有機高分子成分を吸着する樹脂が充填されている。具体的には、例えば金属電解液やメッキ液を試料液とするとき液中に含まれる膠やゼラチンなどのタンパク質を吸着する疎水性吸着樹脂が充填されている。また、この樹脂は金属電解液やメッキ液などの強酸性液に耐えるように耐酸性の疎水性吸着樹脂が適当である。好適な樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン系無極性樹脂、エステル系中間極性樹脂などが用いられる。これらの無極性樹脂や中間極性樹脂はイオン交換樹脂よりも液中の微量タンパク質に対する吸着能が優れる。また、スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂は酸に対する耐久性が良い。これらの樹脂によって試料液に含まれるタンパク質を吸着し、試料液から分離する。
【0023】
樹脂に吸着したタンパク質は溶離液によって樹脂から溶離させる。溶離液は管路(22)を通じて樹脂充填カラム(21)に送られる。溶離液の管路(22)には送液ポンプP3が設けられており、バルブ手段V2の回転によって上記カラム(21)の流路が溶離液管路(22)と測定系管路(24)に連通するように切り替えられた後に、該カラム(21)に溶離液が導入される。溶離液としては有機溶媒の水溶液を用いることができる。具体的には、メタノールやエタノール等の低級アルコール、アセトニトリルなどの水溶液を使用できる。このうちアセトニトリルの溶離効果が高い。アセトニトリルの濃度は20〜50wt%が適当であり、20〜40wt%以下が好ましい。濃度が低すぎるとタンパク質の溶出が不十分であり、一方、濃度が高すぎるとタンパク質が沈殿して送液および測定に支障をきたす。
【0024】
管路(14)を通じて導入部Aから一定量の試料液がカラム(21)に導入される。液中の有機高分子成分は樹脂に吸着され、カラムを通過した濾液は排液用管路(23)を通じて系外に排出される。吸着後、バルブ手段V2の回転によって管路が切り替えられ、カラム(21)は溶離液管路(22)と測定系管路(24)に連通され、カラム内に溶離液が導入される。樹脂に吸着されている有機高分子成分はこの溶離液によって液中に溶出され、管路(24)を通じて測定部Cに向かって送られる。この樹脂による吸着は低濃度のタンパク質等については繰り返し行うことによってタンパク質等の濃度を高めることができる。
【0025】
なお、樹脂充填カラム(21)に試料液や溶離液を導入する際には、必要に応じてカラム内部のコンディショニングを行うと良い。例えば、予め希硫酸液をカラムに流してカラム内をキャリアー溶液に置換して金属類の析出を防止すると共にタンパク質の吸着を促すようにすると良い。また、カラム内の酸濃度が高い場合には予め水洗浄を行うと良い。
【0026】
図1の分析システムには試料調整部Bから測定部Cに至る間に緩衝液の導入管路(25)とその送液ポンプP4および混合部(26)が介設されている。緩衝液は溶離した膠やゼラチン等のタンパク質(有機高分子成分)が凝集するのを防止するためのものであり、リン酸などの中性ないし弱酸性溶液が用いられる。送液ポンプP4によって緩衝液は測定系管路(24)に導入され、有機高分子成分を含有する溶離液に添加されて混合部(26)を流れる間に均一に混合される。混合部(26)は管路(24)をコイル状にして管路を長く形成した部分であり、これにより混合時間が確保される。混合部(26)の出口には脱気用のデガッサ(27)が設置されている。緩衝液と混合された有機高分子成分を含有する溶離液は混合部(26)を経由した後に測定系管路(28)を通じて測定部Cに導入される。
【0027】
なお、図2に示すように、溶離液と緩衝液を予め混合した溶液を用いることによって、緩衝液の導入管路(25)と混合部(26)を省略し、測定系を簡略化しても良い。なお、このような混合溶液では溶離効果が低下する場合には、図1のように溶離後に緩衝液を導入する管路(25)を設け、溶離液と緩衝液とを独立に導入するのが好ましい。緩衝液としてリン酸を用いる場合、測定系に導入するリン酸の流量は概ね毎分1ml以下が適当である。
【0028】
( C ) 測定部
測定部Cには測定手段としてゲル拡散クロマトグラフィ[GPC](31)が設けられている。ゲル拡散クロマトグラィ(31)はゲルを充填したGPCカラム(32)と検出手段(33)を有しており、GPCカラム(32)は幅広い分子量のタンパク質(有機高分子成分)を分画して分析できるように、複数のカラムに網目径の異なったゲルを充填したものが多段に設けられており、また温度変化による誤差を抑えるためにこれらのゲル充填カラムは恒温室(34)に収納されている。具体的には、例えば分子量排除限界が5000以上、あるいは10000以上、あるいは2×105〜2.5×106以上の親水性ポリマーゲルを充填したカラムが用いられる。また、必要に応じて、分子量排除限界の異なる親水性ポリマーゲルを充填した複数段のカラムが用いられる。なお、GPCカラム(32)を保護するためにその前にガードカラム(33)が設けられている。
【0029】
GPCカラム(32)に導入されたタンパク質等の有機高分子成分はカラムを通過する間にゲルの網目径(分子量排除限界)に従い、流れ方向に沿って分子量に応じて拡散される。具体的には、例えば、分子量5000以下、または1万以下のタンパク質を一段目のGPCカラム(32)で分画拡散し、分子量5000以上、または1万以上のタンパク質を二段目のGPCカラム(32)で分画拡散する。あるいは一段目のGPCカラムに分子量排除限界2×105のポリマーゲルを充填し、二段目のGPCカラムにタンパク質を分子量排除限界2.5×106のポリマーゲルを充填したものを用い、各カラムの分子量排除限界に応じてタンパク質を分画拡散させる。このタンパク質等の高分子成分が拡散した溶液を検出手段(35)に導いて定量する。
【0030】
検出手段(35)はタンパク質等を直接に光学的に定量する方法を用いることができる。また、測定部Cに発色試薬の導入管路と混合部を設け、その発色強度等によって定量するようにしても良い。
【0031】
本発明の分析システムは、好ましくは自動制御手段を有する。すなわち、試料液の導入部および調整部に設けた送液ポンプやバルブ手段などの各部分の操作、および測定部の温度調整、検出部の動作を制御し、試料液の導入からタンパク質等の有機高分子成分の分画分析に至る一連の操作を連続して自動的に行う制御手段を設けることができる。このような自動分析システムによれば、電解液の膠などをリアルタイムで把握することができる。
【0032】
【発明の効果】
(イ)本発明の流れ分析システム(方法ないし装置)によれば、従来、個々に手作業で行われていたタンパク質等の定量分析を機械的に短時間で迅速に行うことができ、手作業による測定誤差がなく測定精度が高い。しかも分析時間を大幅に短縮できる。特に、タンパク質などを分子量に応じて分画分析することができるので、試料液に含まれる膠などの分解挙動や中間生成物の量などを把握することができる。さらに、樹脂による吸着を繰り返すことによってタンパク質を濃縮して分析できるので、低濃度のタンパク質等も分画分析することができる。以上のことから、本発明の分析システムは電解操業の工程管理方法として利用することができる。
(ロ)さらに、本発明の分析装置は、試料液が管路を流れる間にタンパク質等の分離および試薬の添加・反応と分析が連続して行われる流れ分析によるので、自動化に適する。自動化により分析時間を一層短縮でき、誤差要因もさらに少なくなるので測定精度が向上する。
【0033】
(ハ)特に、本発明の分析装置は、電解液やメッキ液などの強酸性溶液に含まれる微量タンパク質等の定量に適する。強酸性溶液に溶存しているタンパク質は分解し変質しやすいので分析時間が長いと測定精度が大幅に低下する。従来のバッチ型の分析方法では24時間程度の分析時間がかかり分析誤差が大きく、リアルタイムでの工程管理ができない。一方、本発明の分析システムによれば、サンプリング後、直ちに短時間で分析結果を得ることができるので分析精度が高い。
(ニ)また、本発明の分析システムでは、タンパク質を分離する手段として疎水性吸着樹脂を用い、従来のようなフィルター等を用いないので分析精度がフィルターの孔に左右されることがない。また、上記吸着樹脂は再生が容易であり、繰り返し使用できるので分析コストも低減できる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0035】
実施例1
図1に示す本発明の分析システムを用い、銅電解液(硫酸:1.5M、銅:40g/l、ニッケル:20g/l)のゼラチン(膠)の定量分析を行なった。タンパク質を吸着する樹脂充填カラム(21)はチューブ(1mmφ×150mm:容量0.11ml)に疎水性の無極性吸着樹脂(商品名:SM-2)を充填して形成した。また、試料液は1ml用い、キャリヤー液としては0.1M濃度の希硫酸を用い、タンパク質の溶離媒としては40%アセトニトリル水溶液を使用した。一段目のGPCカラム(32)には分子量排除限界2.0×105の親水性ポリマーゲルを充填し、二段目のGPCカラム(32)には分子量排除限界2.5×106の同ゲルを充填したものを用いた。検出手段(35)としては光路長20mmのフローセルを装着した紫外・可視分光光度計(測定波長:209nm)を用いた。
先ず希硫酸液および水を樹脂充填カラム(21)に流して洗浄した後に、試料液をサンプルループ(10)に流して一定量(1ml)保持させ、次いで、キャリアの希硫酸液をループ(10)に導入して試料液を上記カラム(21)に送り込み、試料液中のゼラチンを樹脂に吸着させた。カラム(21)を通過した液は系外に排出した。次いで、管路を切り替えてカラム(21)に溶離液を流して、樹脂に吸着したゼラチンを溶出させ、管路(24)を通じてこの溶液を混合部(26)に導いた。また、0.1M濃度のリン酸を緩衝液として用い、これを管路(24)を流れる溶出液に混合した。この混合液を二段に設置したGPCカラム(32)に導き、液中のゼラチンを分画拡散させた。これを検出手段(35)に導いてゼラチンの分解挙動を測定した。この結果を図3、図4に示した。
【0036】
図3では、ポリエチレンオキシド換算で分子量10万〜5万前後の範囲でクロマトグラムの立ち上がりが緩く、ゼラチンの分解が不十分なことを示している。また、分子量200前後にピークが存在し、この範囲で中間生成物が生じていることを示している。一方、図4においては、分子量10万〜5万前後のクロマトグラム曲線の立ち上がりがシャープであり、分子量200前後に大きなピークも無く、ゼラチンの分解が良好であることが判る。
【0037】
実施例2
実施例1と同様の銅電解液について、室温下と75℃加熱下の異なる環境下におけるゼラチンの分解挙動を実施例1と同様にして測定した。測定は添加直後から144時間経過時まで継続して行い、その経時変化を調べた。この結果を図5および図6に示した。図示するように、測定時間が経過するのに伴いクロマトグラム曲線は低分子量側に次第に推移しており、測定時間の経過に伴ってゼラチンの分解が進行している。図5に示すように、室温下では加熱下よりもゼラチンの分解速度は遅いが、24時間以上経過するとゼラチンの分解状態が添加直後から大きく異なる。一方、図6に示すように、加熱下では添加3時間経過後でも定量曲線は低分子量側に大きく移動しており、従って、電解液の管理にはできるだけ短時間での迅速な分析が必要であることが判る。
【0038】
実施例3
図1に示す分析装置を用い、銅電解液(硫酸1〜2M、銅30〜45g/L、ニッケル0〜40g/L)中のゼラチン(膠)の定量分析を行った。タンパク質を吸着する樹脂カラムは市販のカラムハウジングに疎水性の無極性吸着樹脂(商品名:SM-2)を充填して形成した。また、試料は25ml用い、キャリアー溶液としては20mM濃度の希硫酸を用い、タンパク質の溶離液としては0.1Mリン酸緩衝液−20%アセトニトリルを用いた。一段目のGPCカラムには分子量排除限界2.5×106の親水性ポリマーゲルを充填し、二段目のGPCカラムには分子量排除限界2×105の親水性ポリマーゲルを充填したものを用いた。検出手段としては光路長20mmのフローセルを装着した紫外・可視吸光光度計(測定波長209nm)を用いた。まず、希硫酸を樹脂充填カラム(21)に流して洗浄した後に、試料液をサンプルループ(10)に流して一定量(5ml)保持させ、次いで、キャリアの希硫酸液をループ(10)に導入して試料液を上記カラム(21)に送り込み、試料中のゼラチン(膠)を樹脂に吸着させた。以上の動作を5回繰り返した。カラム(21)を通過した液は系外に排出した。次いで、管路を切り替えてカラム(21)に溶離液を流して、樹脂に吸着したゼラチン(膠)を溶出させ、管路(24)を通じて、この溶液をデガッサ(27)に導いた。デガッサ(27)により溶離夜中に含まれる気体成分を脱気し、管路(28)を通じて、45℃に保持した恒温室(34)の二段に設置したGPCカラム(32)に導き、液中のゼラチン(膠)を分子量分画させ、カラムからの流出液を検出手段(35)に導いてゼラチン(膠)の分子量分布を測定した。この結果を図7に示した。図7は製造元の異なるゼラチン(膠)を電解精錬に用いた時の電解液中の分子量分布を示したものである。この図から製造元によってゼラチンの分子量分布状態が異なることが確認できる。
【0039】
実施例4
図8に示す装置を用い、電解槽入口および出口での全ゼラチン(膠)濃度を測定した。あわせて、電解製錬によってゼラチンが分解され生成する分子量100前後の分解生成物の濃度を測定した。図8の装置は、図1の分析装置に複数の試料を適宜選択できる試料選択部(D)を試料導入部(A)に付設したものである。さらに、この試料選択部(D)には試料を採取するための管路が銅電解槽入口と出口に各々接続されており、この管路と試料選択部(D)の接続を切り替えることによって電解槽入口または出口から試料をおのおの採取することができるように構成されている。なお、一連の操作は各操作部分をコンピュータにより制御させることによって自動的に行うことができる。この測定装置によって電解槽入口と出口から採取した電解液の全ゼラチン(膠)濃度と分解生成物の濃度測定を1日4回実施し、電解によって電着銅が生成するのに必要とされる約1月間、この測定を連続して行った。最終的に得られた濃度推移を図9に示す。また分析開始時点ならびに終了時点での分子量分布を図10に示す。
【0040】
図9に示すように、全ゼラチン(膠)濃度の分析値は、入口側では20〜25ppmの範囲にあり、出口側では15〜22ppmの範囲で推移しており、入口側の濃度が出口側の濃度よりも高い傾向がある。通常、電解製錬工程ではゼラチン(膠)の添加を電解槽入口側で行い、毎時一定量を添加している。図9の結果から電解製錬工程においてゼラチンが消費されていることを確認することができる。
【0041】
図10に示すように、分解生成物濃度は電解槽入口側ではほぼ一定値で推移するのに対して、出口側では経時的に濃度が低下する傾向を有している。これは、図11の測定終了時の分子量分布に示すように、分子量100以下のピークを示すものが確認できることから、電着銅が生成すると、よりゼラチンの分解が進行して分子量100前後よりも更に小さな分子量の分解生成物が生成したためである。このように、本測定装置を用いれば電解液中の全ゼラチン(膠)濃度、分解生成物濃度と電解製錬の関係をオンラインでモニタリングすることが可能であり、操業管理分析装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分析装置(システム)の概念図
【図2】 図1の分析システムを簡略化した構成例の概念図
【図3】 実施例1の分析結果を示すグラフ
【図4】 実施例1の分析結果を示すグラフ
【図5】 実施例2の分析結果を示すグラフ
【図6】 実施例2の分析結果を示すグラフ
【図7】 実施例3の分析結果を示すグラフ
【図8】 本発明に係る分析装置(システム)の概念図
【図9】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【図10】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【図11】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【符号の説明】
A−試料導入部、B−調整部、C−測定部、P1,P2,P3,P4−送液ポンプ、V1,V2−バルブ手段、10−サンプルループ、11−供給管路、12−管路、13−排液用管路、14−測定系管路、21−樹脂充填カラム、22−溶離液管路、23−排液用管路、24−測定系管路、25−緩衝液管路、26−混合部、27−デガッサ、28−測定系管路、31-ゲル拡散クロマトグラフィ、32−GPCカラム、33−ガードカラム、34−恒温室、35−検出手段
Claims (11)
- 試料の導入部、調整部、および測定部が管路によって一体に接続された流れ分析装置による測定方法であって、
(イ)試料導入部には一定量の試料液を保持するループを備えたバルブ手段V1が設けられており、該バルブ手段V1には試料液供給管路、キャリアー液導入管路、排液用管路、測定系管路が切換え自在に接続しており、
(ロ)試料調整部には有機高分子成分を吸着する疎水性樹脂が充填されたカラムを備えたバルブ手段V2が設けられており、該バルブ手段V2には導入部に通じる測定系管路、溶離液用管路、排液用管路、測定部に通じる測定系管路が切替え自在に接続しており、
(ハ)測定部には分離した有機高分子成分を分画して分析する手段が設けられており、
(ニ)上記導入部において、一定量の試料液が上記ループに供給された後にバルブ手段V1によって管路が切換えらて該ループにキャリアー液を導入し、キャリアー液と共に試料液を測定系管路を通じて調整部に導入し、
(ホ)上記調整部において、試料液をバルブ手段V2のカラムに導入して液中の有機高分子成分を上記樹脂に吸着させ、該カラムを通過した液は排液管路を通じて系外に排出し、次いでバルブ手段V2によって管路を切換えて該カラムに溶離液を導入し、該溶離液と共に有機高分子成分を測定系管路を通じて測定部に導入し、
(ヘ)カラムから測定部に流れる間に有機高分子成分の凝集を防止する緩衝液を添加し、
(ト)上記測定部において、有機高分子成分の量あるいはその分解生成物量を測定することを特徴とする有機高分子成分の流れ分析方法。 - 請求項1の分析方法において、測定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用い、試料液から分離した膠またはゼラチンを分画して、その量あるいはその分解生成物量を測定する方法。
- 請求項1または2の分析方法において、有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用い、金属電解工程から採取した電解液、またはメッキ工程から採取したメッキ液を試料液として用いる方法。
- 請求項1〜3の分析方法において、分析結果を金属電解工程またはメッキ工程にフィードバックする工程を有し、膠またはゼラチンの量、あるいはその分解生成物量の測定結果を金属電解工程またはメッキ工程にフィードバックして金属電解工程またはメッキ工程を管理する方法。
- 試料の導入部、調整部、および測定部が管路によって一体に接続された流れ分析装置であって、
(イ)試料導入部には一定量の試料液を保持するループを備えたバルブ手段V1が設けられており、該バルブ手段V1には試料液供給管路、キャリアー液導入管路、排液用管路、測定系管路が切換え自在に接続しており、
(ロ)試料調整部には有機高分子成分を吸着する疎水性樹脂が充填されたカラムを備えたバルブ手段V2が設けられており、該バルブ手段V2には導入部に通じる測定系管路、溶離液用管路、排液用管路、測定部に通じる測定系管路が切替え自在に接続しており、
(ハ)調整部と測定部の間に有機高分子成分の凝集を防止する緩衝液を添加する緩衝部が設けられており、
(二)測定部には分離した有機高分子成分を分画して分析する手段が設けられており、
(ホ)上記導入部において、一定量の試料液が上記ループに供給された後にバルブ手段V1によって管路が切換えられて該ループにキャリアー液が導入され、試料液がキャリアー液と共に測定系管路を通じて調整部に導入され、
(ヘ)上記調整部において、試料液がバルブ手段V2のカラムに導入されて液中の有機高 分子成分が上記樹脂に吸着され、該カラムを通過した液は排液管路を通じて系外に排出され、次いでバルブ手段V2によって管路が切換えられて該カラムに溶離液が導入され、
(ト)該溶離液と共に有機高分子成分が測定系管路を通じて測定部に向かって流れ、
(チ)上記緩衝部を通じて緩衝液が添加され、
(リ)上記測定部において、有機高分子成分の量あるいはその分解生成物量が測定されることを特徴とする有機高分子成分の流れ分析装置。 - 請求項5の分析装置において、有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用い、金属電解工程から採取した電解液、またはメッキ工程から採取したメッキ液に含まれる膠、ゼラチン、あるいはその分解生成物量の測定に用いる分析装置。
- 請求項5または6の分析装置において、測定部の有機高分子成分の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィが設けられており、分子量排除限界5×10 3 以上の親水性ポリマーゲルが用いられており、この親水性ポリマーゲルを用いてタンパク質の分子量分画を行う流れ分析装置。
- 請求項7の分析装置において、分子量排除限界の異なる親水性ポリマーゲルを充填した複数段のカラムが設けられている流れ分析装置。
- キャリアー液として、0.1M濃度以下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用いる請求項5〜9の何れかに記載する流れ分析装置。
- 溶離液として、20〜40%以下のメタノール、エタノールなどの低級アルコール、または20〜40%以下のアセトニトリルを用いる請求項5〜9の何れかに記載する流れ分析装置。
- 試料の導入部および調整部の送液と排液、測定部の温度調整、検出部の動作を自動制御する手段を有し、試料の導入から有機高分子成分の分離を経て分画分析に至る操作を連続して自動的に行う請求項5〜10の何れかに記載する流れ分析装置。
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