JP2002296260A - 有機高分子成分の分析方法と装置およびその応用 - Google Patents

有機高分子成分の分析方法と装置およびその応用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に含まれる有機高分子成分を効率よ
く、高精度で分析する方法と装置を提供する。 【解決手段】 試料の導入部、調整部、および測定部を
有する測定系に基づいた流れ分析方法であって、試料を
キャリア液と共に導入部から測定系に供給する工程、試
料を調整部に導いて試料中の有機高分子成分を分離する
工程、分離した有機高分子成分を測定部に導いて分析す
る工程を含み、有機高分子成分を分離する工程が、試料
中の有機高分子成分を樹脂に吸着させる工程と、調整部
に溶離液を導入して樹脂に吸着された有機高分子成分を
溶離する工程とを含むことを特徴とする有機高分子成分
の分析方法と装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流れ分析方法に基
づいて液中の有機高分子成分を分析する方法と装置およ
びその用途に関し、特に銅電解液などの金属電解液やメ
ッキ液に含まれる微量の膠やゼラチンなどを定量分析す
るのに適する分析方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電解液やメッキ液中には、電着金属表面
の光沢化や平滑化、メッキ層の硬化などの種々の目的に
応じて添加剤が加えられる。添加剤としては、一般に電
解製錬では膠が用いられ、メッキではゼラチンが用いら
れているが、その濃度を一定の範囲内に保つことが品質
管理上極めて重要である。例えば、膠は電着面を平滑化
するために用いられるが、その濃度が過剰になると分極
を著しく高め、電解液に含まれるビスマス等の不純物が
析出するようになるなどの問題がある。
【0003】このため液中に含まれる膠やゼラチン等の
タンパク質について精度の高い分析方法が求められる
が、従来の一般的なタンパク質の分析法は弱酸性から弱
アルカリ性の条件下で行われるものが多く、電解液やメ
ッキ液などのようにpHが1以下の強酸性下で適用でき
る分析方法は少ない。従来、電解液やメッキ液などに含
まれる膠やゼラチンなどのタンパク質は、電位差滴定法
やケルダール蒸留法などにより測定されているが、いず
れも特殊な装置が必要である上、操作が煩雑であった。
また、ケルダール蒸留法は膠をアンモニア態窒素に分解
してから測定を行なうものであるが、電解液中にはタン
パク質以外の窒素化合物が含まれる場合が多く、正確な
測定を困難にしている。
【0004】この他に、強酸性溶液中のゼラチン・膠の
定量法として、これらをメンブランフィルターに捕集し
て特定の試薬(アミドブラック10B色素)と結合させ、
過剰の色素を洗浄した後、色素を溶出してゼラチン等を
検出する方法(特開平2-69660号公報)、あるいはゼラチ
ン等を捕集したフィルターを乾燥させ反射率を利用して
検出する方法(特開平6-337247号公報)などが報告されて
いる。しかし、これらの方法は膠の捕集量がフィルター
の孔径に著しく左右されるため測定誤差が大きいと云う
問題がある。またフィルターの捕集に濾過装置を必要と
し、操作も煩雑である。しかもフィルターが使い捨てで
あるため分析コストが嵩むなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の分析
方法における上記問題を解決したものであって、強酸性
の溶液でも、液中に含まれる膠やゼラチン等の有機高分
子成分を迅速かつ正確に定量することができる流れ分析
方法と装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は、液中の有機高分子成
分を樹脂に吸着させて分離し、これをゲル拡散クロマト
グラフィに導いて分析する操作を流れ分析によって行う
ことにより、信頼性が高く操作の容易な測定システムを
完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、試料中の有機高分子
成分を分離して分析する以下の流れ分析方法に関する。 (1) 試料の導入部、調整部、および測定部を有する
測定系に基づいた流れ分析方法であって、試料をキャリ
ア液と共に導入部から測定系に供給する工程、試料を調
整部に導いて試料中の有機高分子成分を分離する工程、
分離した有機高分子成分を測定部に導いて分析する工程
を含み、有機高分子成分を分離する工程が、試料中の有
機高分子成分を樹脂に吸着させる工程と、調整部に溶離
液を導入して樹脂に吸着された有機高分子成分を溶離す
る工程とを含むことを特徴とする有機高分子成分の分析
方法。 (2)上記(1)の分析方法において、導入部から調整部
に至る試料供給用の管路と調整部から系外に至る排液用
の管路とを調整部に連通した状態で試料を導入部から測
定系に供給し、試料を調整部に導いて試料中の有機高分
子成分を調整部の樹脂に吸着させると共に調整部から排
出された溶液を系外に導き、次いで、調整部に通じる管
路を切り替えて、溶離液の供給管路と測定部に通じる管
路とを調整部に連通し、調整部に溶離液を導入して樹脂
に吸着されている有機高分子成分を溶離し、この有機高
分子成分を含む溶液を測定部に導いて分析を行う方法。 (3)上記(1)の分析方法において、有機高分子成分の
凝集を防止する緩衝液を加えた溶離液を用いるか、ある
いは調整部を経て測定部に至る間に有機高分子成分を含
む溶液に緩衝液を添加する方法。 (4)上記(1)または(2)の分析方法において、測定部の
分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用い、試料
から分離した有機高分子成分を分画して分析する方法。 (5)上記(1)または(2)の分析方法において、試料から
分離した膠またはゼラチンの量、あるいはその分解生成
物量を測定する方法。 (6)上記(1)または(2)の分析方法において、測定部の
分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用い、試料
から分離した膠またはゼラチンを分画し、その量あるい
はその分解生成物量を測定する方法。 (7)上記(1)または(2)の分析方法において、試料中の
有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸
着樹脂を用いる方法。 (8)上記(1)または(2)の分析方法において、金属電解
工程から採取した電解液、またはメッキ工程から採取し
たメッキ液を試料液として用いる方法。 (9)上記(1)または(2)の分析方法において、分析結果
を金属電解工程にフィードバックする工程を有し、金属
電解工程から採取した電解液を試料液として用い、この
電解液から分離した膠またはゼラチンの量、あるいはそ
の分解生成物量を測定し、この結果を金属電解工程にフ
ィードバックして金属電解工程を管理する方法。 (10)上記(1)または(2)の分析方法において、分析結
果をメッキ工程にフィードバックする工程を有し、メッ
キ工程から採取したメッキ液を試料液として用い、この
メッキ液から分離した膠またはゼラチンの量、あるいは
その分解生成物量を測定し、この結果をメッキ工程にフ
ィードバックしてメッキ工程を管理する方法。
【0008】本発明の分析方法は、以上のように、試料
に含まれるタンパク質や膠、ゼラチンなどの有機高分子
成分を樹脂に吸着させて試料から分離し、これをゲル拡
散クロマトグラフィに導いて分析する一連の操作を流れ
分析方法に基づいて行うことにより、試料の導入から有
機高分子成分の分析までの操作が短時間に連続して行わ
れるので、迅速に分析結果を得ることができる。従っ
て、有機高分子成分について分解途中の挙動や中間生成
物を把握することができる。また、分離を疎水性吸着樹
脂で行い、ゲル拡散クロマトグラフィによって分析する
ので有機高分子成分を分子量に左右されずに分析するこ
とができる。さらに、有機高分子成分を測定部に送る際
に、その凝集を防止する緩衝液を添加して管路の閉塞な
どを生じないようにし、信頼性よく分析を行うことがで
きる。この緩衝液は溶離液にあらかじめ混合しても良
く、あるいは調整部と測定部の間で緩衝液を添加しても
良い。なお、樹脂に吸着した有機高分子成分を溶離した
後に緩衝液を添加すれば溶離効果も良く、高分子成分の
凝集防止効果も高い。
【0009】さらに、本発明の流れ分析方法は、有機高
分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂
を用いることにより、金属電解液やメッキ液などのよう
な強酸性溶液についても適用することができるので、銅
電解製錬などの電解液に含まれる膠の定量分析を容易に
行うことができ、電解操業管理方法として利用すること
ができる。また、本発明の分析方法は従来のバッチ法に
よる手作業の電解管理方法に代えて、連続自動分析を行
うことができるので長期間にわたって電解製錬の正確な
操業管理が可能である。
【0010】本発明はさらに以下の流れ分析装置に関す
る。 (11)試料の導入部、調整部、および測定部が管路に
よって一体に接続された流れ分析装置であって、調整部
には試料中の有機高分子成分を分離する手段として有機
高分子成分の吸着手段と溶離手段とが設けられており、
また測定部には分離した有機高分子成分を分画して分析
する手段が設けられていることを特徴とする有機高分子
成分の流れ分析装置。 (12)上記(11)の分析装置において、調整部に試料中
の有機高分子成分を吸着する樹脂を充填したカラムが設
けられており、このカラムに対して導入部から系外に至
る導入用管路と溶離液の供給元から測定部に至る溶離用
管路とが切替自在に接続されており、これによって有機
高分子成分の吸着手段と溶離手段とが形成されている流
れ分析装置。 (13)上記(12)の分析装置において、試料中の有機高
分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂
を用い、この樹脂を充填したカラムを用いてタンパク質
の分離を行う流れ分析装置。 (14)上記(11)、(12)、または(13)の分析装置におい
て、調整部と測定部の間に、有機高分子成分の凝集を防
止する緩衝液を添加する緩衝部が設けられている流れ分
析装置。 (15) 上記(11)、(12)、または(13)の分析装置におい
て、測定部の有機高分子成分の分析手段としてゲル拡散
クロマトグラフィが設けられている流れ分析装置。 (16)上記(15)の分析装置において、ゲル拡散クロマ
トグラフィに、分子量排除限界5×103以上の親水性
ポリマーゲルを充填したカラムが設けられており、この
親水性ポリマーゲルを用いてタンパク質の分子量分画を
行う流れ分析装置。 (17)上記(16)の分析装置において、ゲル拡散クロマ
トグラフィに、分子量排除限界の異なる親水性ポリマー
ゲルを充填した複数段のカラムが設けられている流れ分
析装置。 (18)上記(11)、(12)、または(13)の分析装
置において、測定部に恒温室が設けられており、この恒
温室にゲル拡散クロマトグラフィが設けられている流れ
分析装置。 (19)キャリアー液として、0.1M濃度以下の硫
酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用いる上
記(11)〜(18)の何れかに記載する流れ分析装置。 (20)溶離液として、20〜40%以下のメタノー
ル、エタノールなどの低級アルコール、または20〜4
0%以下のアセトニトリルを用いる上記(11)〜(19)の何
れかに記載する流れ分析装置。 (21)溶離液と有機高分子成分の凝集を防止するリン
酸緩衝液との混合溶液が測定部の検出手段に導入される
上記(11)〜(20)の何れかに記載する流れ分析装置。 (22)測定部の検出手段に導入されるリン酸溶液の流
量が毎分1ml以下である上記(21)の流れ分析装置。 (23) 内径1mm下のステンレス製、テブゼル製、ま
たはピーク製のチューブによって管路が形成されている
上記(11)〜(22)の何れかに記載する流れ分析装置。 (24)試料の導入部および調整部の送液と排液、測定
部の温度調整、検出部の動作を自動制御する手段を有
し、試料の導入から有機高分子成分の分離を経て分画分
析に至る操作を連続して自動的に行う上記(11)〜(23)の
何れかに記載する流れ分析装置。
【0011】上記流れ分析装置によれば、試料に含まれ
る有機高分子成分を操作性良く分離して分析することが
できる。さらに、この高分子成分を吸着する樹脂カラム
と、試料導入用の管路と、分離した有機高分子成分を測
定部に導く管路との樹脂カラムに対する接続を切替自在
に設けることにより、樹脂カラムへの試料の供給と排
出、樹脂による有機高分子成分の吸着と溶離、および測
定部への送液を機械的に短時間にしかも円滑に行うこと
ができる。また、調整部と測定部との間に緩衝液を添加
する緩衝部を介設することにより、分離した有機高分子
成分の凝集が防止されるので管路の閉塞などを生じる虞
がなく、信頼性の高い分析を行うことができる。
【0012】さらに、試料中の有機高分子成分を吸着す
る樹脂として耐酸性の疎水性吸着樹脂を用いると共に測
定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用
い、好ましくは、このゲル拡散クロマトグラフィには分
子量排除限界5×1003以上の親水性ポリマーゲルを充
填したカラムを用い、必要に応じ、分子量排除限界の異
なるゲルを充填したカラムを複数段に接続した測定系を
形成することにより、高分子成分の分子量に応じて正確
な分析を行うことができる。なお、これらのカラムは恒
温室に設置すると良い。
【0013】なお、キャリアー液として0.1M濃度以
下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用
い、溶離液として40%以下のメタノール、エタノール
などの低級アルコール、または40%以下のアセトニト
リルを用い、好ましくは、溶離液と共に有機高分子成分
の凝集を防止するリン酸緩衝液を混合した溶液を用いる
ことによりタンパク質の分析を精度よく、円滑に行うこ
とができる。
【0014】さらに、本発明の分析装置は試料の導入部
から調整部を経て測定部に至る測定系が管路によって一
体に連通されており、調整部に接続する管路が切替自在
に形成されているので、各部分の送液および排液の操作
を自動制御するのに適し、この自動制御手段を組み込む
ことによって試料の導入から分析に至る一連の操作を自
動化することができる。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明の分析方法および装
置を図示する実施態様に基づいて具体的に説明する。図
1,2は本発明に係る分析システムの構成例を示す概念
図である。図示する本発明の分析システムは、試料液の
導入部A、試料調整部Bおよび測定部Cが管路によって
順次一体に連通されている。試料調整部Bには試料液中
の有機高分子成分を吸着する樹脂充填カラム(21)と該カ
ラムに通じる溶離液管路(22)が設けられており、測定部
(C)には上記カラム(21)に通じるゲル拡散クロマトグラ
フィ(31)のカラム(32)とその検出手段(33)が設けられて
いる。
【0016】図1の分析システムは、さらに、試料調整
部のカラム(21)と測定部Cの間に緩衝液管路(25)と混合
部(26)が設けられている。また、測定部Cのゲル拡散ク
ロマトグラフィ(31)のカラム(32)は恒温室(34)に設置さ
れており、ゲルの網目径が異なる複数段のカラム(32)が
設けられている。なお、図2の分析システムは図1の構
成から緩衝液管路(25)と混合部(26)とを省いて簡略化し
たものである。
【0017】測定系に導入した試料液は、上記カラム(2
1)に導かれて液中の有機高分子成分が吸着分離され、次
いで、管路を切り替えて溶離液をカラム(21)に通じ、有
機高分子成分を溶離した後に、この有機高分子成分を含
む溶液をゲル拡散クロマトグラフィ(31)のカラム(32)お
よび検出手段(33)に導いて分画分析する。
【0018】上記分析システムの各構成部分について以
下に説明する。(A)試料液導入部 試料液の導入部Aは試料液の導入手段とこの試料液を測
定系に送るキャリアー液の送液手段とを有する。キャリ
アー液の送液手段としては送液ポンプP1を用いること
ができる。送液ポンプP1は脈流の少ないプランジャー
式ポンプが適しており、送液ポンプP1によってキャリ
アー液の希硫酸が管路(12)を通じて測定系に供給され
る。なお、送液手段P1として水を供給する送液ポンプ
と希硫酸液を供給する送液ポンプを備えたダブルプラン
ジャー式ポンプ等を用い、希硫酸液と水とを独立に系内
に導入しても良い。キャリアー液としては、例えば0.
1M濃度以下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混
酸溶液などを用いることができる。
【0019】試料液の導入手段として一定量の試料液を
保持するループ(10)を備えたバルブ手段(六方バルブ)V
1が用いられている。このバルブ手段V1には6個の通孔
が設けられており、相対向する一対の通孔の間に一定量
の試料液を保持するループ(10)が設けられており、その
他の通孔はおのおの試料液の供給管路(11)、キャリアー
液の導入管路(12)、排液用管路(13)、および測定部に向
かう管路(14)に連通するように形成されている。また、
排液用管路(13)には送液ポンプP2が設けられている。
【0020】試料液は送液ポンプP2に吸引されて供給
管路(11)を通じて上記ループ(10)に導入され、一定量が
保持される。試料液の量はループの長さによって調整す
ることができる。測定時には、このバルブ手段V1の回
転によってループ(10)がキャリアー液の導入管路(12)と
測定系管路(14)とにそれぞれ連通され、キャリアー液に
よって一定量の試料液が試料調整部Bに供給される。試
料液を供給した後はバルブ手段V1の回転によって管路
が切り替えられ、ループ(10)は試料液供給管路(11)と排
液用管路(13)に連通され、ループ中の残液が排出される
と共に新たに試料液がループ(10)に再び導入される。な
お、試料液の供給管路(11)には複数の試料液タンク(図
示省略)を管路の切替手段(図示省略)を介して接続し、
複数の試料液を適宜選択して測定系に導入するようにし
ても良い。
【0021】(B)試料調整部 試料調整部Bには樹脂充填カラム(21)と該カラムに通じ
る溶離液管路(22)が設けられている。図示する分析シス
テムにおいて、試料液導入部のバルブ手段V1と同様の
6個の通孔を有するバルブ手段V2が設けられており、
このバルブ手段V2の相対向する一対の通孔の間に上記
カラム(21)が設けられている。その他の通孔はおのおの
導入部Aに通じる管路(14)、溶離液管路(22)、排液用管
路(23)、および測定部Cに向かう測定系管路(24)に連通
するように形成されている。
【0022】上記カラム(21)には試料液に含まれている
有機高分子成分を吸着する樹脂が充填されている。具体
的には、例えば金属電解液やメッキ液を試料液とすると
き液中に含まれる膠やゼラチンなどのタンパク質を吸着
する疎水性吸着樹脂が充填されている。また、この樹脂
は金属電解液やメッキ液などの強酸性液に耐えるように
耐酸性の疎水性吸着樹脂が適当である。好適な樹脂とし
ては、スチレン−ジビニルベンゼン系無極性樹脂、エス
テル系中間極性樹脂などが用いられる。これらの無極性
樹脂や中間極性樹脂はイオン交換樹脂よりも液中の微量
タンパク質に対する吸着能が優れる。また、スチレン−
ジビニルベンゼン系樹脂は酸に対する耐久性が良い。こ
れらの樹脂によって試料液に含まれるタンパク質を吸着
し、試料液から分離する。
【0023】樹脂に吸着したタンパク質は溶離液によっ
て樹脂から溶離させる。溶離液は管路(22)を通じて樹脂
充填カラム(21)に送られる。溶離液の管路(22)には送液
ポンプP3が設けられており、バルブ手段V2の回転によ
って上記カラム(21)の流路が溶離液管路(22)と測定系管
路(24)に連通するように切り替えられた後に、該カラム
(21)に溶離液が導入される。溶離液としては有機溶媒の
水溶液を用いることができる。具体的には、メタノール
やエタノール等の低級アルコール、アセトニトリルなど
の水溶液を使用できる。このうちアセトニトリルの溶離
効果が高い。アセトニトリルの濃度は20〜50wt%が
適当であり、20〜40wt%以下が好ましい。濃度が低
すぎるとタンパク質の溶出が不十分であり、一方、濃度
が高すぎるとタンパク質が沈殿して送液および測定に支
障をきたす。
【0024】管路(14)を通じて導入部Aから一定量の試
料液がカラム(21)に導入される。液中の有機高分子成分
は樹脂に吸着され、カラムを通過した濾液は排液用管路
(23)を通じて系外に排出される。吸着後、バルブ手段V
2の回転によって管路が切り替えられ、カラム(21)は溶
離液管路(22)と測定系管路(24)に連通され、カラム内に
溶離液が導入される。樹脂に吸着されている有機高分子
成分はこの溶離液によって液中に溶出され、管路(24)を
通じて測定部Cに向かって送られる。この樹脂による吸
着は低濃度のタンパク質等については繰り返し行うこと
によってタンパク質等の濃度を高めることができる。
【0025】なお、樹脂充填カラム(21)に試料液や溶離
液を導入する際には、必要に応じてカラム内部のコンデ
ィショニングを行うと良い。例えば、予め希硫酸液をカ
ラムに流してカラム内をキャリアー溶液に置換して金属
類の析出を防止すると共にタンパク質の吸着を促すよう
にすると良い。また、カラム内の酸濃度が高い場合には
予め水洗浄を行うと良い。
【0026】図1の分析システムには試料調整部Bから
測定部Cに至る間に緩衝液の導入管路(25)とその送液ポ
ンプP4および混合部(26)が介設されている。緩衝液は
溶離した膠やゼラチン等のタンパク質(有機高分子成分)
が凝集するのを防止するためのものであり、リン酸など
の中性ないし弱酸性溶液が用いられる。送液ポンプP4
によって緩衝液は測定系管路(24)に導入され、有機高分
子成分を含有する溶離液に添加されて混合部(26)を流れ
る間に均一に混合される。混合部(26)は管路(24)をコイ
ル状にして管路を長く形成した部分であり、これにより
混合時間が確保される。混合部(26)の出口には脱気用の
デガッサ(27)が設置されている。緩衝液と混合された有
機高分子成分を含有する溶離液は混合部(26)を経由した
後に測定系管路(28)を通じて測定部Cに導入される。
【0027】なお、図2に示すように、溶離液と緩衝液
を予め混合した溶液を用いることによって、緩衝液の導
入管路(25)と混合部(26)を省略し、測定系を簡略化して
も良い。なお、このような混合溶液では溶離効果が低下
する場合には、図1のように溶離後に緩衝液を導入する
管路(25)を設け、溶離液と緩衝液とを独立に導入するの
が好ましい。緩衝液としてリン酸を用いる場合、測定系
に導入するリン酸の流量は概ね毎分1ml以下が適当であ
る。
【0028】(C)測定部 測定部Cには測定手段としてゲル拡散クロマトグラフィ
[GPC](31)が設けられている。ゲル拡散クロマトグラィ
(31)はゲルを充填したGPCカラム(32)と検出手段(33)
を有しており、GPCカラム(32)は幅広い分子量のタン
パク質(有機高分子成分)を分画して分析できるように、
複数のカラムに網目径の異なったゲルを充填したものが
多段に設けられており、また温度変化による誤差を抑え
るためにこれらのゲル充填カラムは恒温室(34)に収納さ
れている。具体的には、例えば分子量排除限界が500
0以上、あるいは10000以上、あるいは2×105
〜2.5×106以上の親水性ポリマーゲルを充填したカ
ラムが用いられる。また、必要に応じて、分子量排除限
界の異なる親水性ポリマーゲルを充填した複数段のカラ
ムが用いられる。なお、GPCカラム(32)を保護するた
めにその前にガードカラム(33)が設けられている。
【0029】GPCカラム(32)に導入されたタンパク質
等の有機高分子成分はカラムを通過する間にゲルの網目
径(分子量排除限界)に従い、流れ方向に沿って分子量に
応じて拡散される。具体的には、例えば、分子量500
0以下、または1万以下のタンパク質を一段目のGPC
カラム(32)で分画拡散し、分子量5000以上、または
1万以上のタンパク質を二段目のGPCカラム(32)で分
画拡散する。あるいは一段目のGPCカラムに分子量排
除限界2×105のポリマーゲルを充填し、二段目のG
PCカラムにタンパク質を分子量排除限界2.5×106
のポリマーゲルを充填したものを用い、各カラムの分子
量排除限界に応じてタンパク質を分画拡散させる。この
タンパク質等の高分子成分が拡散した溶液を検出手段(3
5)に導いて定量する。
【0030】検出手段(35)はタンパク質等を直接に光学
的に定量する方法を用いることができる。また、測定部
Cに発色試薬の導入管路と混合部を設け、その発色強度
等によって定量するようにしても良い。
【0031】本発明の分析システムは、好ましくは自動
制御手段を有する。すなわち、試料液の導入部および調
整部に設けた送液ポンプやバルブ手段などの各部分の操
作、および測定部の温度調整、検出部の動作を制御し、
試料液の導入からタンパク質等の有機高分子成分の分画
分析に至る一連の操作を連続して自動的に行う制御手段
を設けることができる。このような自動分析システムに
よれば、電解液の膠などをリアルタイムで把握すること
ができる。
【0032】
【発明の効果】(イ)本発明の流れ分析システム(方法な
いし装置)によれば、従来、個々に手作業で行われてい
たタンパク質等の定量分析を機械的に短時間で迅速に行
うことができ、手作業による測定誤差がなく測定精度が
高い。しかも分析時間を大幅に短縮できる。特に、タン
パク質などを分子量に応じて分画分析することができる
ので、試料液に含まれる膠などの分解挙動や中間生成物
の量などを把握することができる。さらに、樹脂による
吸着を繰り返すことによってタンパク質を濃縮して分析
できるので、低濃度のタンパク質等も分画分析すること
ができる。以上のことから、本発明の分析システムは電
解操業の工程管理方法として利用することができる。 (ロ)さらに、本発明の分析装置は、試料液が管路を流れ
る間にタンパク質等の分離および試薬の添加・反応と分
析が連続して行われる流れ分析によるので、自動化に適
する。自動化により分析時間を一層短縮でき、誤差要因
もさらに少なくなるので測定精度が向上する。
【0033】(ハ)特に、本発明の分析装置は、電解液や
メッキ液などの強酸性溶液に含まれる微量タンパク質等
の定量に適する。強酸性溶液に溶存しているタンパク質
は分解し変質しやすいので分析時間が長いと測定精度が
大幅に低下する。従来のバッチ型の分析方法では24時
間程度の分析時間がかかり分析誤差が大きく、リアルタ
イムでの工程管理ができない。一方、本発明の分析シス
テムによれば、サンプリング後、直ちに短時間で分析結
果を得ることができるので分析精度が高い。 (ニ)また、本発明の分析システムでは、タンパク質を分
離する手段として疎水性吸着樹脂を用い、従来のような
フィルター等を用いないので分析精度がフィルターの孔
に左右されることがない。また、上記吸着樹脂は再生が
容易であり、繰り返し使用できるので分析コストも低減
できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0035】実施例1 図1に示す本発明の分析システムを用い、銅電解液(硫
酸:1.5M、銅:40g/l、ニッケル:20g/l)のゼラチン(膠)の定量
分析を行なった。タンパク質を吸着する樹脂充填カラム
(21)はチューブ(1mmφ×150mm:容量0.11ml)に疎水性の
無極性吸着樹脂(商品名:SM-2)を充填して形成した。ま
た、試料液は1ml用い、キャリヤー液としては0.1M
濃度の希硫酸を用い、タンパク質の溶離媒としては40
%アセトニトリル水溶液を使用した。一段目のGPCカ
ラム(32)には分子量排除限界2.0×105の親水性ポ
リマーゲルを充填し、二段目のGPCカラム(32)には分
子量排除限界2.5×106の同ゲルを充填したものを用
いた。検出手段(35)としては光路長20mmのフローセル
を装着した紫外・可視分光光度計(測定波長:209n
m)を用いた。先ず希硫酸液および水を樹脂充填カラム
(21)に流して洗浄した後に、試料液をサンプルループ(1
0)に流して一定量(1ml)保持させ、次いで、キャリアの
希硫酸液をループ(10)に導入して試料液を上記カラム(2
1)に送り込み、試料液中のゼラチンを樹脂に吸着させ
た。カラム(21)を通過した液は系外に排出した。次い
で、管路を切り替えてカラム(21)に溶離液を流して、樹
脂に吸着したゼラチンを溶出させ、管路(24)を通じてこ
の溶液を混合部(26)に導いた。また、0.1M濃度のリ
ン酸を緩衝液として用い、これを管路(24)を流れる溶出
液に混合した。この混合液を二段に設置したGPCカラ
ム(32)に導き、液中のゼラチンを分画拡散させた。これ
を検出手段(35)に導いてゼラチンの分解挙動を測定し
た。この結果を図3、図4に示した。
【0036】図3では、ポリエチレンオキシド換算で分
子量10万〜5万前後の範囲でクロマトグラムの立ち上
がりが緩く、ゼラチンの分解が不十分なことを示してい
る。また、分子量200前後にピークが存在し、この範
囲で中間生成物が生じていることを示している。一方、
図4においては、分子量10万〜5万前後のクロマトグ
ラム曲線の立ち上がりがシャープであり、分子量200
前後に大きなピークも無く、ゼラチンの分解が良好であ
ることが判る。
【0037】実施例2 実施例1と同様の銅電解液について、室温下と75℃加
熱下の異なる環境下におけるゼラチンの分解挙動を実施
例1と同様にして測定した。測定は添加直後から144
時間経過時まで継続して行い、その経時変化を調べた。
この結果を図5および図6に示した。図示するように、
測定時間が経過するのに伴いクロマトグラム曲線は低分
子量側に次第に推移しており、測定時間の経過に伴って
ゼラチンの分解が進行している。図5に示すように、室
温下では加熱下よりもゼラチンの分解速度は遅いが、2
4時間以上経過するとゼラチンの分解状態が添加直後か
ら大きく異なる。一方、図6に示すように、加熱下では
添加3時間経過後でも定量曲線は低分子量側に大きく移
動しており、従って、電解液の管理にはできるだけ短時
間での迅速な分析が必要であることが判る。
【0038】実施例3 図1に示す分析装置を用い、銅電解液(硫酸1〜2M、
銅30〜45g/L、ニッケル0〜40g/L)中のゼラチン
(膠)の定量分析を行った。タンパク質を吸着する樹脂カ
ラムは市販のカラムハウジングに疎水性の無極性吸着樹
脂(商品名:SM-2)を充填して形成した。また、試料は2
5ml用い、キャリアー溶液としては20mM濃度の希硫
酸を用い、タンパク質の溶離液としては0.1Mリン酸
緩衝液−20%アセトニトリルを用いた。一段目のGP
Cカラムには分子量排除限界2.5×106の親水性ポリ
マーゲルを充填し、二段目のGPCカラムには分子量排
除限界2×105の親水性ポリマーゲルを充填したもの
を用いた。検出手段としては光路長20mmのフローセル
を装着した紫外・可視吸光光度計(測定波長209n
m)を用いた。まず、希硫酸を樹脂充填カラム(21)に流
して洗浄した後に、試料液をサンプルループ(10)に流し
て一定量(5ml)保持させ、次いで、キャリアの希硫酸液
をループ(10)に導入して試料液を上記カラム(21)に送り
込み、試料中のゼラチン(膠)を樹脂に吸着させた。以上
の動作を5回繰り返した。カラム(21)を通過した液は系
外に排出した。次いで、管路を切り替えてカラム(21)に
溶離液を流して、樹脂に吸着したゼラチン(膠)を溶出さ
せ、管路(24)を通じて、この溶液をデガッサ(27)に導い
た。デガッサ(27)により溶離夜中に含まれる気体成分を
脱気し、管路(28)を通じて、45℃に保持した恒温室(3
4)の二段に設置したGPCカラム(32)に導き、液中のゼ
ラチン(膠)を分子量分画させ、カラムからの流出液を検
出手段(35)に導いてゼラチン(膠)の分子量分布を測定し
た。この結果を図7に示した。図7は製造元の異なるゼ
ラチン(膠)を電解精錬に用いた時の電解液中の分子量分
布を示したものである。この図から製造元によってゼラ
チンの分子量分布状態が異なることが確認できる。
【0039】実施例4 図8に示す装置を用い、電解槽入口および出口での全ゼ
ラチン(膠)濃度を測定した。あわせて、電解製錬によっ
てゼラチンが分解され生成する分子量100前後の分解
生成物の濃度を測定した。図8の装置は、図1の分析装
置に複数の試料を適宜選択できる試料選択部(D)を試料
導入部(A)に付設したものである。さらに、この試料選
択部(D)には試料を採取するための管路が銅電解槽入口
と出口に各々接続されており、この管路と試料選択部
(D)の接続を切り替えることによって電解槽入口または
出口から試料をおのおの採取することができるように構
成されている。なお、一連の操作は各操作部分をコンピ
ュータにより制御させることによって自動的に行うこと
ができる。この測定装置によって電解槽入口と出口から
採取した電解液の全ゼラチン(膠)濃度と分解生成物の濃
度測定を1日4回実施し、電解によって電着銅が生成す
るのに必要とされる約1月間、この測定を連続して行っ
た。最終的に得られた濃度推移を図9に示す。また分析
開始時点ならびに終了時点での分子量分布を図10に示
す。
【0040】図9に示すように、全ゼラチン(膠)濃度の
分析値は、入口側では20〜25ppmの範囲にあり、出
口側では15〜22ppmの範囲で推移しており、入口側
の濃度が出口側の濃度よりも高い傾向がある。通常、電
解製錬工程ではゼラチン(膠)の添加を電解槽入口側で行
い、毎時一定量を添加している。図9の結果から電解製
錬工程においてゼラチンが消費されていることを確認す
ることができる。
【0041】図10に示すように、分解生成物濃度は電
解槽入口側ではほぼ一定値で推移するのに対して、出口
側では経時的に濃度が低下する傾向を有している。これ
は、図11の測定終了時の分子量分布に示すように、分
子量100以下のピークを示すものが確認できることか
ら、電着銅が生成すると、よりゼラチンの分解が進行し
て分子量100前後よりも更に小さな分子量の分解生成
物が生成したためである。このように、本測定装置を用
いれば電解液中の全ゼラチン(膠)濃度、分解生成物濃度
と電解製錬の関係をオンラインでモニタリングすること
が可能であり、操業管理分析装置として利用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る分析装置(システム)の概念図
【図2】 図1の分析システムを簡略化した構成例の概
念図
【図3】 実施例1の分析結果を示すグラフ
【図4】 実施例1の分析結果を示すグラフ
【図5】 実施例2の分析結果を示すグラフ
【図6】 実施例2の分析結果を示すグラフ
【図7】 実施例3の分析結果を示すグラフ
【図8】 本発明に係る分析装置(システム)の概念図
【図9】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【図10】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【図11】 実施例4の分析結果を示すグラフ
【符号の説明】
A−試料導入部、B−調整部、C−測定部、P1,P2,P
3,P4−送液ポンプ、V1,V2−バルブ手段、10−サンプ
ルループ、11−供給管路、12−管路、13−排液用管路、
14−測定系管路、21−樹脂充填カラム、22−溶離液管
路、23−排液用管路、24−測定系管路、25−緩衝液管
路、26−混合部、27−デガッサ、28−測定系管路、31-
ゲル拡散クロマトグラフィ、32−GPCカラム、33−ガ
ードカラム、34−恒温室、35−検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正明 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 竹谷 実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の導入部、調整部、および測定部を
    有する測定系に基づいた流れ分析方法であって、試料を
    キャリア液と共に導入部から測定系に供給する工程、試
    料を調整部に導いて試料中の有機高分子成分を分離する
    工程、分離した有機高分子成分を測定部に導いて分析す
    る工程を含み、有機高分子成分を分離する工程が、試料
    中の有機高分子成分を樹脂に吸着させる工程と、調整部
    に溶離液を導入して樹脂に吸着された有機高分子成分を
    溶離する工程とを含むことを特徴とする有機高分子成分
    の分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の分析方法において、導入部か
    ら調整部に至る試料供給用の管路と調整部から系外に至
    る排液用の管路とを調整部に連通した状態で試料を導入
    部から測定系に供給し、試料を調整部に導いて試料中の
    有機高分子成分を調整部の樹脂に吸着させると共に調整
    部から排出された溶液を系外に導き、次いで、調整部に
    通じる管路を切り替えて、溶離液の供給管路と測定部に
    通じる管路とを調整部に連通し、調整部に溶離液を導入
    して樹脂に吸着されている有機高分子成分を溶離し、こ
    の有機高分子成分を含む溶液を測定部に導いて分析を行
    う方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の分析方法において、有機高分
    子成分の凝集を防止する緩衝液を加えた溶離液を用いる
    か、あるいは調整部を経て測定部に至る間に有機高分子
    成分を含む溶液に緩衝液を添加する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の分析方法において、
    測定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用
    い、試料から分離した有機高分子成分を分画して分析す
    る方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2の分析方法において、
    試料から分離した膠またはゼラチンの量、あるいはその
    分解生成物量を測定する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の分析方法において、
    測定部の分析手段としてゲル拡散クロマトグラフィを用
    い、試料から分離した膠またはゼラチンを分画し、その
    量あるいはその分解生成物量を測定する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2の分析方法において、
    試料中の有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の
    疎水性吸着樹脂を用いる方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2の分析方法において、
    金属電解工程から採取した電解液、またはメッキ工程か
    ら採取したメッキ液を試料液として用いる方法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2の分析方法において、
    分析結果を金属電解工程にフィードバックする工程を有
    し、金属電解工程から採取した電解液を試料液として用
    い、この電解液から分離した膠またはゼラチンの量、あ
    るいはその分解生成物量を測定し、この結果を金属電解
    工程にフィードバックして金属電解工程を管理する方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1または2の分析方法におい
    て、分析結果をメッキ工程にフィードバックする工程を
    有し、メッキ工程から採取したメッキ液を試料液として
    用い、このメッキ液から分離した膠またはゼラチンの
    量、あるいはその分解生成物量を測定し、この結果をメ
    ッキ工程にフィードバックしてメッキ工程を管理する方
    法。
  11. 【請求項11】 試料の導入部、調整部、および測定部
    が管路によって一体に接続された流れ分析装置であっ
    て、調整部には試料中の有機高分子成分を分離する手段
    として有機高分子成分の吸着手段と溶離手段とが設けら
    れており、また測定部には分離した有機高分子成分を分
    画して分析する手段が設けられていることを特徴とする
    有機高分子成分の流れ分析装置。
  12. 【請求項12】 請求項11の分析装置において、調整
    部に試料中の有機高分子成分を吸着する樹脂を充填した
    カラムが設けられており、このカラムに対して導入部か
    ら系外に至る導入用管路と溶離液の供給元から測定部に
    至る溶離用管路とが切替自在に接続されており、これに
    よって有機高分子成分の吸着手段と溶離手段とが形成さ
    れている流れ分析装置。
  13. 【請求項13】 請求項12の分析装置において、試料
    中の有機高分子成分を吸着する樹脂として耐酸性の疎水
    性吸着樹脂を用い、この樹脂を充填したカラムを用いて
    タンパク質の分離を行う流れ分析装置。
  14. 【請求項14】 請求項11、12または13の分析装
    置において、調整部と測定部の間に、有機高分子成分の
    凝集を防止する緩衝液を添加する緩衝部が設けられてい
    る流れ分析装置。
  15. 【請求項15】 請求項11、12または13の分析装
    置において、測定部の有機高分子成分の分析手段として
    ゲル拡散クロマトグラフィが設けられている流れ分析装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項15の分析装置において、ゲル
    拡散クロマトグラフィに、分子量排除限界5×103
    上の親水性ポリマーゲルを充填したカラムが設けられて
    おり、この親水性ポリマーゲルを用いてタンパク質の分
    子量分画を行う流れ分析装置。
  17. 【請求項17】 請求項16の分析装置において、ゲル
    拡散クロマトグラフィに、分子量排除限界の異なる親水
    性ポリマーゲルを充填した複数段のカラムが設けられて
    いる流れ分析装置。
  18. 【請求項18】 請求項11、12または13の分析装
    置において、測定部に恒温室が設けられており、この恒
    温室にゲル拡散クロマトグラフィが設けられている流れ
    分析装置。
  19. 【請求項19】 キャリアー液として、0.1M濃度以
    下の硫酸、塩酸、硝酸、またはこれら酸の混酸溶液を用
    いる請求項11〜18の何れかに記載する流れ分析装
    置。
  20. 【請求項20】 溶離液として、20〜40%以下のメ
    タノール、エタノールなどの低級アルコール、または2
    0〜40%以下のアセトニトリルを用いる請求項11〜
    19の何れかに記載する流れ分析装置。
  21. 【請求項21】 溶離液と有機高分子成分の凝集を防止
    するリン酸緩衝液との混合溶液が測定部の検出手段に導
    入される請求項11〜20の何れかに記載する流れ分析
    装置。
  22. 【請求項22】 測定部の検出手段に導入されるリン酸
    溶液の流量が毎分1ml以下である請求項21の流れ分析
    装置。
  23. 【請求項23】 内径1mm下のステンレス製、テブゼル
    製、またはピーク製のチューブによって管路が形成され
    ている請求項11〜22の何れかに記載する流れ分析装
    置。
  24. 【請求項24】 試料の導入部および調整部の送液と排
    液、測定部の温度調整、検出部の動作を自動制御する手
    段を有し、試料の導入から有機高分子成分の分離を経て
    分画分析に至る操作を連続して自動的に行う請求項11
    〜23の何れかに記載する流れ分析装置。
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