JP4163969B2 - サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ、並びにサーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ、並びにサーマルヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリやビデオプリンタ等の印画デバイスとして用いられるサーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファクシミリやビデオプリンタ等の印画デバイスとしてサーマルヘッドが用いられている。
【0003】
かかる従来のサーマルヘッドは、例えば図6に示す如く、アルミナセラミックス等から成る基板21の上面に、複数の発熱抵抗体23と、これら発熱抵抗体23の発熱を制御する複数のドライバーIC26とを略平行に配列させるとともに、前記発熱抵抗体23を窒化珪素等から成る保護膜25で、前記ドライバーIC26をエポキシ樹脂を主成分とする封止材27で被覆した構造を有しており、発熱抵抗体23の真上に配置されるプラテンローラを用いて感熱紙やインクフィルム等の記録媒体を保護膜表面に摺接させつつ発熱抵抗体23上に搬送しながら、複数の発熱抵抗体23を画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、その発した熱を保護膜25を介して記録媒体に伝達させることによって印画を形成するようになっている。
【0004】
尚、前記封止材27は、ドライバーIC26を被覆することでドライバーIC26を大気と遮断するとともに、記録動作時、発熱抵抗体23側の表面で記録媒体の搬送を支持することで記録媒体を発熱抵抗体23上へ案内するガイド部材として機能するものであり、エポキシ樹脂等の液状前駆体をディスペンサーやスクリーン印刷法等でドライバーIC26の配列領域にわたり塗布するとともに、これを所定の温度で熱硬化させることによって形成される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−78093号公報
【特許文献2】
特開平8−281990号公報
【特許文献3】
特開平7−186428号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のサーマルヘッドにおいては、封止材27を形成するにあたり、エポキシ樹脂の液状前駆体をドライバーIC26の配列領域に塗布すると、上記前駆体が副走査方向(封止材の長手方向と直交する方向)に広がってしまい、ドライバーIC26の上面角部が封止材27の表面より露出することがある。それ故、記録動作時、記録媒体を封止材の発熱抵抗体側表面に対して摺接させつつ搬送すると、上記露出部に記録媒体が接触して記録媒体に傷がつくおそれがあった。
【0007】
また上記前駆体は、副走査方向への広がり度合いが領域によって異なることから、封止材27の表面の高さが封止材27の長手方向に沿って不均一になることがある。このような場合、記録媒体の封止材27に対する摺接圧が領域によって大きく異なることとなり、記録媒体の搬送状態を不安定にし、スティッキングを生じる原因となっていた。
【0008】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、記録媒体の搬送状態を安定化させて、良好な印画を形成することが可能な高信頼性のサーマルヘッド、その製造方法、並びにサーマルプリンタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーマルヘッドは、基板の上面に複数の発熱抵抗体と該複数の発熱抵抗体の発熱を制御する複数のドライバーICを配列するとともに、該複数のドライバーICの配列領域にこれらのドライバーICの角部が被覆されるようにして帯状の封止材を設けたサーマルヘッドにおいて、前記複数のドライバーICが前記発熱抵抗体の配列方向に沿って配列しており、前記ドライバーICと前記発熱抵抗体との間に前記ドライバーICの配列に沿ってフッ素樹脂からなる帯状のオーバーコート層が設けられており、該オーバーコート層でもって堰き止められた樹脂材料の前駆体を硬化せしめて前記封止材が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明のサーマルヘッドは、前記オーバーコート層が、前記配列方向に直交する方向において、前記ドライバーICの配置領域の両側に設けられることを特徴とするものである。また本発明のサーマルヘッドは、前記封止材が、前記配列方向に沿って前記オーバーコート層と隣接していることを特徴とするものである。
【0011】
更に本発明のサーマルプリンタは、上述のサーマルヘッドと、記録媒体を前記封止材に摺動させつつ前記発熱抵抗体上に搬送する搬送手段とを具備することを特徴とするものである。
【0012】
また更に本発明のサーマルヘッドの製造方法は、基板の上面に複数の発熱抵抗体と、該複数の発熱抵抗体の発熱を制御する複数のドライバーICを配列するとともに、該複数のドライバーICの配列領域にこれらのドライバーICの角部が被覆されるようにして帯状の封止材を設けたサーマルヘッドにおいて、前記封止材の形成に先立って、前記ドライバーICの配列領域と前記発熱抵抗体との間に、前記ドライバーICの配列に沿って配されるフッ素樹脂からなる帯状のオーバーコート層を被着させることを特徴とするものである。
【0013】
本発明のサーマルヘッドによれば、ドライバーICを被覆する封止材よりも発熱抵抗体側に、封止材の長手方向に沿って配されるフッ素樹脂から成るオーバーコート層を設けたことから、封止材を形成する際、ドライバーICの配列領域に塗布された封止材を構成する樹脂材料の前駆体が発熱抵抗体側に広がろうとしても、かかる前駆体の流動が極めて高い撥水性を有するオーバーコート層でもって良好に堰き止められることとなる。それ故、ドライバーICの発熱抵抗体側上面角部を封止材でもって確実に被覆することができ、記録媒体の表面に傷がつくことを有効に防止して、良好な印画の形成に供することが可能となる。
【0014】
しかも、上記前駆体の発熱抵抗体側への広がりがオーバーコート層で良好に堰き止められることから、封止材の発熱抵抗体側表面の高さが略均一に揃うようになり、記録媒体の封止材に対する摺接圧が領域毎にばらつくことを有効に防止することができる。従って、記録媒体の搬送状態を安定化させ、スティッキング等の不具合を有効に防止することが可能となる。
【0015】
また前記オーバーコート層を構成するフッ素樹脂は撥水性が極めて高いことから、オーバーコート層の厚みを0.2μm〜2μmと非常に薄くしたとしても、上述の効果が得られるため、オーバーコート層の形成に必要なコストを小さく抑え、サーマルヘッドの生産性を高く維持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの平面図、図2は図1のサーマルヘッドの断面図であり、1は基板、2は部分グレーズ層、3は発熱抵抗体、4は電極パターン、5は保護膜、6はドライバーIC、7は封止材、8はオーバーコート層である。
【0017】
前記基板1は、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料によって矩形状をなすように形成されており、その上面には部分グレーズ層2や発熱抵抗体3,ドライバーIC6等が取着され、これらを支持する支持母材として機能する。
【0018】
また前記基板1の上面には、ガラス製の部分グレーズ層2が基板1の長手方向に帯状に被着され、その頂部付近には複数の発熱抵抗体3が設けられる。
【0019】
前記部分グレーズ層2は、例えば曲率半径1mm〜4mmの断面円弧状をなすように形成されており、その頂部の厚みは20μm〜160μmに設定される。
【0020】
この部分グレーズ層2は、低熱伝導性(熱伝導率:0.7W/m・K〜1.0W/m・K)のガラスにより形成されているため、その内部で発熱抵抗体3の発する熱の一部を蓄積してサーマルヘッドの熱応答特性を良好に維持する作用、具体的には、発熱抵抗体3の温度を短時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させる蓄熱層としての作用を為す。
【0021】
更に前記部分グレーズ層2の頂部付近に設けられる複数の発熱抵抗体3は、例えば600dpi(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列されており、これらの発熱抵抗体3は各々がTaNやTaSiO,TiSiO等の電気抵抗材料により形成されているため、その両端に電気的に接続される電極パターン4等を介して電源電力が印加されるとジュール発熱を起こし、記録媒体に印画を形成するのに必要な温度、例えば130℃〜350℃の温度となる。
【0022】
また前記発熱抵抗体3に接続される電極パターン4は、発熱抵抗体3等に電力を供給する給電配線として機能するものであり、アルミニウムや銅等の金属材料から成り、部分グレーズ層2上から基板1の表面にかけて被着・導出された上、この導出部で後述するドライバーIC6の対応する端子等に電気的に接続される。
【0023】
また上述した複数の発熱抵抗体3や電極パターン4の表面には保護膜5が被着され、このような保護膜5によって複数の発熱抵抗体3や複数の電極パターン4が共通に被覆されている。
【0024】
前記保護膜5は、窒化珪素(Si34)やサイアロン(Si-Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた無機質材料から成り、発熱抵抗体3や電極パターン4を記録媒体の摺接による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する作用を為す。
【0025】
一方、上述した基板1の上面には複数のドライバーIC6が発熱抵抗体3の配列に沿って略平行に配列される。
【0026】
前記ドライバーIC6は、各々の回路形成面(下面)に、シフトレジスタやラッチ回路,スイッチングトランジスタ等の電子回路が高密度に集積されており、複数の発熱抵抗体3を選択的に発熱させる作用、具体的には、外部より供給される画像データに基づいてスイッチングトランジスタのオン・オフを切り替え、各発熱抵抗体3への通電を制御する作用を為す。
【0027】
かかるドライバーIC6としては、例えば、電子回路や端子を下面に有したフリップチップ型ICが用いられ、従来周知のフェースダウンボンディング、即ち、ドライバーIC6の端子を対応する電極パターン4の導出部に半田接合させることによってドライバーIC6が電極パターン4に電気的に接続される。
【0028】
そして上述した複数のドライバーIC6は、エポキシ樹脂を主成分とする断面山状の封止材7で共通に被覆され、更に、該封止材7よりも発熱抵抗体3側に位置する保護膜5の表面に、フッ素樹脂から成る帯状のオーバーコート層8が被着されている。
【0029】
前記封止材7は、例えばシリカ(SiO2)やアルミナ(Al23)等から成る無機質フィラーを50質量%〜70質量%程度含有させて所定の熱膨張係数及び硬度に調整したエポキシ樹脂により帯状に形成されており、ドライバーIC6を大気と遮断することでドライバーIC6の電子回路が大気中の水分等との接触により腐食されるのを有効に防止するとともに、ドライバーIC6を外力の印加(記録媒体の接触等)より保護する作用を為す。
【0030】
また前記封止材7は、記録動作時、発熱抵抗体3側の表面で記録媒体の走行を支持して記録媒体を発熱抵抗体3上へ案内するガイド部材としても機能するものである。
【0031】
一方、前記オーバーコート層8は、その長手方向が前記封止材7に対して略平行となるように配されており、封止材7に対して発熱抵抗体3側で長手方向にわたり隣接した形に被着されている。
【0032】
このようなオーバーコート層8は、それ自体、高い撥水性を有しているため、封止材7を形成するにあたり、ドライバーIC6の配列領域に塗布された液状前駆体が発熱抵抗体側へ広がるのを良好に堰き止めることができる。
【0033】
このため、ドライバーIC6の発熱抵抗体側上面角部を封止材7でもって確実に被覆することができ、封止材7の発熱抵抗体側表面に摺接される記録媒体が傷つくことを有効に防止して、良好な印画の形成に供することが可能となる。
【0034】
しかも、上記前駆体の発熱抵抗体側への広がりがオーバーコート層8で良好に堰き止められることから、封止材7の発熱抵抗体側表面の高さが長手方向にわたり略均一に揃うこととなり、記録媒体の走行を封止材7の発熱抵抗体側表面で案内する際、記録媒体の封止材7に対する摺接圧が領域毎に大きくばらつくことを有効に防止できる。従って、記録媒体の搬送状態を安定化させ、スティッキング等の不具合を有効に防止することが可能となる。
【0035】
また前記オーバーコート層8を構成するフッ素樹脂は撥水性が極めて高いことから、オーバーコート層8の厚みを0.2μm〜2μmと非常に薄くしたとしても、上述の効果が得られるため、オーバーコート層8の形成に必要なコストを小さく抑え、サーマルヘッドの生産性を高く維持することができる。
【0036】
尚、前記オーバーコート層8を構成するフッ素樹脂は、水に対する接触角が105°〜160°となるように設定されることが好ましく、この場合、オーバーコート層8の厚みを0.2μm〜2μmと非常に薄く設定した場合であっても、オーバーコート層8が封止材7の広がりを有効に防止することができるため、オーバーコート層8の形成に必要なコストを小さく抑え、サーマルヘッドの生産性を高く維持することができる。ここで、フッ素樹脂の接触角を105°よりも小さく設定すると、オーバーコート層8が封止材7の前駆体を弾く力が不足気味になり、オーバーコート層8の厚みを2μm以下に設定した場合、封止材7の広がりを有効に防止することが難しくなる傾向にあり、一方、接触角が160°よりも大きいフッ素樹脂を製造することは難しく、サーマルヘッドの生産性を高く維持することが困難となる傾向にある。従って、前記オーバーコート層8を構成するフッ素樹脂は、水に対する接触角が105°〜160°となるように設定されることが好ましい。
【0037】
そして、上述のようなサーマルヘッドが組み込まれるサーマルプリンタには、図3に示す如く、記録媒体をサーマルヘッドTの発熱抵抗体3上に搬送する搬送手段として、プラテンローラ9や搬送ローラ10a,10b,10c,10d等が配設される。
【0038】
前記プラテンローラ9は、SUS等の金属から成る軸芯の外周にブタジエンゴム等を3mm〜15mm程度の厚みに巻きつけた円柱状の部材であり、サーマルヘッドTの発熱抵抗体3上に回転可能に支持され、記録媒体を発熱抵抗体3上の保護膜表面に押圧しつつ記録媒体を発熱抵抗体3の配列と直交する方向(図中の矢印方向)に搬送する。
【0039】
また前記搬送ローラ10a,10b,10c,10dは、その外周部が金属やゴム等によって形成されており、サーマルヘッドTに対し記録媒体の搬送方向上流側(ドライバーIC6側)と下流側(発熱抵抗体3側)に分かれて配設され、これらの搬送ローラ10a,10b,10c,10dと前述のプラテンローラ9とで記録媒体の走行を支持している。
【0040】
これらの搬送手段9,10a,10b,10c,10dによって搬送される記録媒体は、前述したように、発熱抵抗体3に対し搬送方向上流側で封止材7の発熱抵抗体側表面に摺接されるようになっており、これにより記録媒体が封止材7でもって発熱抵抗体3上に順次案内され、発熱抵抗体3上の保護膜表面に摺接されることとなる。
【0041】
そして、これと同時に複数の発熱抵抗体3をドライバーIC6の駆動に伴い選択的にジュール発熱させ、これらの熱を保護膜5を介し記録媒体に伝達させることによって所定の印画が形成される。
【0042】
次に、上述のサーマルヘッドの製造方法について、図4を用いて詳細に説明する。図4は図1のサーマルヘッドの製造方法を説明するための各工程の断面図である。
(1)まず、上面に先に述べた部分グレーズ層2、発熱抵抗体3、電極パターン4、保護膜5が順次、被着・形成された基板1を準備する(図4(a))。
【0043】
前記基板1は、例えばアルミナセラミックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状に成すとともにこれを従来周知のドクターブレード法等を採用することによってセラミックグリーンシートを形成し、これを所定形状に打ち抜いた上、高温(約1600℃)で焼成することにより製作される。
【0044】
また前記部分グレーズ層2は、ガラス粉末に適当な有機溶剤を添加・混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板1の上面に帯状に印刷・塗布し、これを高温(900℃〜1200℃)で焼き付けることによって形成される。
【0045】
更に前記発熱抵抗体3及び電極パターン4は、部分グレーズ層2の形成後、従来周知の薄膜形成技術を採用することにより所定パターンに形成される。具体的には、発熱抵抗体3がTaSiO、電極パターンがAlから成る場合、従来周知のスパッタリングによってTaSiOからなる抵抗薄膜及びAlからなる金属薄膜を基板1や部分グレーズ層2の上面に順次積層するとともに、該積層体を従来周知のフォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を採用することによって所定パターンに加工することによって発熱抵抗体3及び電極パターン4が同時に形成される。
【0046】
一方、前記発熱抵抗体3及び電極パターン4を被覆する保護膜5は、従来周知の薄膜形成技術、例えばスパッタリングを採用し、上述の無機質材料を発熱抵抗体3や電極パターン4等の上面に2μm〜20μmの厚みに被着させることにより形成される。
(2)次に、封止材7の形成や、ドライバーIC6の搭載に先立って、基板1上にオーバーコート層8をドライバーIC6の配列領域(形成予定領域)よりも発熱抵抗体側に帯状に形成する(図4(b))。
【0047】
前記オーバーコート層8は、例えば液状に成したフッ素樹脂の前駆体を、ディスペンサー等を用いて封止材7よりも発熱抵抗体3側に位置する保護膜5上に塗布するとともに、これを100℃〜200℃の温度で硬化・重合させることによって0.2μm〜2μmの厚みに形成される。
(3)続いて、前記基板上に、発熱抵抗体3の発熱を制御するドライバーIC6を搭載する(図4(c))。
【0048】
前記ドライバーIC6は、例えば、従来周知のチョコラルスキー法(引き上げ法)を採用することにより、単結晶シリコンからなるインゴット(塊)を形成するとともに、これをダイヤモンドカッター等を用いて板状にスライスし、しかる後、該板体の一主面に従来周知の半導体製造技術を採用することにより、シフトレジスタやラッチ回路等の電子回路を高密度に集積させることによって製作される。
【0049】
また前記ドライバーIC6の基板1上への搭載は、ドライバーIC6がフリップチップ型ICから成る場合、従来周知のフェースダウンボンディング、即ち、ドライバーIC6の回路形成面に設けられる端子を、電極パターン4上に設けられる電極に半田接合させることによってドライバーIC6と電極パターン4とを電気的に接続させることによって行われる。
(4)最後に、ドライバーIC6の配列領域を被覆するように封止材7を形成することによってサーマルヘッドが完成する(図4(d)、(e))。
【0050】
前記封止材7は、例えば無機質フィラーを所定量、添加・混合したエポキシ樹脂の液状前駆体を、ディスペンサー等を用いてドライバーIC6の搭載領域に塗布するとともに、これを80℃〜200℃の温度で加熱・重合させることによって0.4mm〜2mmの厚みに形成される。
【0051】
このとき、前記封止材7の基となる液状前駆体が発熱抵抗体側へ流れ出ようとしても、かかる流出がオーバーコート層8の撥水作用によって良好に堰き止められることとなり、それ故、ドライバーIC6の発熱抵抗体側上面角部を封止材7でもって確実に被覆することができ、記録媒体の表面に傷がつくことを有効に防止して良好な印画の形成に供することが可能となる。
【0052】
しかも、封止材7の発熱抵抗体側表面の高さを封止材7の長手方向にわたり略均一に揃えることができるため、記録媒体の走行を封止材7の発熱抵抗体側表面で案内する際、記録媒体の封止材7に対する摺接圧が領域毎に大きくばらつくことを有効に防止できる。従って、記録媒体の搬送状態を安定化させ、スティッキング等の不具合を有効に防止することが可能となる。
【0053】
また前記オーバーコート層8を構成するフッ素樹脂は撥水性が極めて高いことから、オーバーコート層8の厚みを0.2μm〜2μmと非常に薄くしたとしても、上述の効果が得られるため、オーバーコート層8の形成に必要なコストを小さく抑え、サーマルヘッドの生産性を高く維持することができる。
【0054】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0055】
例えば上述の実施形態においては、オーバーコート層8を封止材7の発熱抵抗体3側にのみ形成するようにしたが、これに代えて、オーバーコート層8’を封止材7の両側に形成しても良く、封止材7の副走査方向(封止材7の長手方向と直交する方向)への広がりを防止することができるため、封止材7の形成領域を副走査方向に狭くして、サーマルヘッドの小型化に供することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
本発明のサーマルヘッドによれば、ドライバーICを被覆する封止材よりも発熱抵抗体側に、封止材の長手方向に沿って配されるフッ素樹脂から成るオーバーコート層を設けたことから、封止材を形成する際、ドライバーICの配列領域に塗布された封止材を構成する樹脂材料の前駆体が発熱抵抗体側に広がろうとしても、かかる前駆体の流動が極めて高い撥水性を有するオーバーコート層でもって良好に堰き止められることとなる。それ故、ドライバーICの発熱抵抗体側上面角部を封止材でもって確実に被覆することができ、記録媒体の表面に傷がつくことを有効に防止して、良好な印画の形成に供することが可能となる。
【0057】
しかも、上記前駆体の発熱抵抗体側への広がりがオーバーコート層で良好に堰き止められることから、封止材の発熱抵抗体側表面の高さが略均一に揃うようになり、記録媒体の封止材に対する摺接圧が領域毎にばらつくことを有効に防止することができる。従って、記録媒体の搬送状態を安定化させ、スティッキング等の不具合を有効に防止することが可能となる。
【0058】
また前記オーバーコート層を構成するフッ素樹脂は撥水性が極めて高いことから、オーバーコート層の厚みを0.2μm〜2μmと非常に薄くしたとしても、上述の効果が得られるため、オーバーコート層の形成に必要なコストを小さく抑え、サーマルヘッドの生産性を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの平面図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】図1のサーマルヘッドを用いたサーマルプリンタの構成を示す図である。
【図4】図1のサーマルヘッドの製造方法を説明するための各工程の断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るサーマルヘッドの平面図である。
【図6】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・部分グレーズ層
3・・・発熱抵抗体
4・・・電極パターン
5・・・保護膜
6・・・ドライバーIC
7・・・封止材
8,8’・・・オーバーコート層
9・・・プラテンローラ
10a,10b,10c,10d・・・搬送ローラ

Claims (5)

  1. 基板の上面に複数の発熱抵抗体と該複数の発熱抵抗体の発熱を制御する複数のドライバーICを配列するとともに、該複数のドライバーICの配列領域にこれらのドライバーICの角部が被覆されるようにして帯状の封止材を設けたサーマルヘッドにおいて、
    前記複数のドライバーICが前記発熱抵抗体の配列方向に沿って配列しており、
    前記ドライバーICと前記発熱抵抗体との間に前記ドライバーICの配列に沿ってフッ素樹脂からなる帯状のオーバーコート層が設けられており、
    該オーバーコート層でもって堰き止められた樹脂材料の前駆体を硬化せしめて前記封止材が形成されている、サーマルヘッド。
  2. 前記オーバーコート層は、前記配列方向に直交する方向において、前記ドライバーICの配置領域の両側に設けられる、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記封止材は、前記配列方向に沿って前記オーバーコート層と隣接している、請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッド。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッドと、記録媒体を前記封止材に摺接させつつ前記発熱抵抗体上に搬送する搬送手段とを具備するサーマルプリンタ。
  5. 基板の上面に複数の発熱抵抗体と、該複数の発熱抵抗体の発熱を制御する複数のドライバーICを配列するとともに、該複数のドライバーICの配列領域にこれらのドライバーICの角部が被覆されるようにして帯状の封止材を設けたサーマルヘッドにおいて、
    前記封止材の形成に先立って、前記ドライバーICの配列領域と前記発熱抵抗体との間に、前記ドライバーICの配列に沿って配されるフッ素樹脂からなる帯状のオーバーコート層を被着させるサーマルヘッドの製造方法。
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