JP2003072125A - サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ

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JP2003072125A
JP2003072125A JP2001261520A JP2001261520A JP2003072125A JP 2003072125 A JP2003072125 A JP 2003072125A JP 2001261520 A JP2001261520 A JP 2001261520A JP 2001261520 A JP2001261520 A JP 2001261520A JP 2003072125 A JP2003072125 A JP 2003072125A
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thermal head
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Yoichi Moto
洋一 元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感熱記録媒体の搬送状態を安定化させて、良好
な印画を形成することが可能な高信頼性のサーマルヘッ
ドを提供する。 【解決手段】基板1の上面に多数の発熱抵抗体3を被着
・配列させるとともに該発熱抵抗体3の配列に沿って発
熱抵抗体3の発熱を制御する複数個のドライバーIC6
を取着させ、多数の発熱抵抗体3を無機質材料から成る
保護膜5で、複数個のドライバーIC6をエポキシ樹脂
を主成分とする封止材7で被覆してなり、感熱記録媒体
を発熱抵抗体3上に搬送しながら発熱抵抗体3を選択的
にジュール発熱させて印画を形成するサーマルヘッドに
おいて、前記封止材7の表面に、フッ素樹脂から成り、
感熱記録媒体が発熱抵抗体3に対し搬送方向上流側で表
面に摺接されるオーバーコート層8を被着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリやビ
デオプリンタ等の印画デバイスとして用いられるサーマ
ルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリやビデオプリン
タ等の印画デバイスとしてサーマルヘッドが用いられて
いる。
【0003】かかる従来のサーマルヘッドは、例えば図
4に示す如く、アルミナセラミックス等から成る基板1
1の上面に、多数の発熱抵抗体13と、これら発熱抵抗
体13の発熱を制御する複数個のドライバーIC16と
を略平行に配列させ、前記発熱抵抗体13を窒化珪素等
から成る保護膜15で、前記ドライバーIC16をエポ
キシ樹脂を主成分とする封止材17で被覆した構造を有
し、外部の搬送手段17を用いて感熱紙やインクフィル
ム等の感熱記録媒体を発熱抵抗体13上に搬送しなが
ら、多数の発熱抵抗体13を画像データに基づいて個々
に選択的にジュール発熱させるとともに、感熱記録媒体
を発熱抵抗体13上の保護膜表面に摺接させ、発熱抵抗
体13の発した熱を保護膜15を介して感熱記録媒体に
伝達させることによって印画を形成するようになってい
る。
【0004】尚、前記封止材17は、ドライバーIC1
6を被覆することでドライバーIC16を大気と遮断す
るとともに、記録動作時、その表面で感熱記録媒体の搬
送を支持することで感熱記録媒体を発熱抵抗体13上へ
案内するガイド部材として機能するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のサーマルヘッドにおいては、印画に際して感熱
記録媒体の走行を支持する封止材17が摩擦係数の比較
的大きなエポキシ樹脂(運動摩擦係数:0.3〜1.
0)により形成されていることから、感熱記録媒体が封
止材17と接触した際に引っ掛かってスティッキングを
起こし易く、感熱記録媒体が折れ曲がって紙詰まりを起
こしたり、“掠れ”等の印画不良を発生する欠点を有し
ていた。特に、高い湿度の使用環境下で印画を行なう場
合には、封止材17や感熱記録媒体に多量の水分が吸着
することでこれらの摩擦係数が増大するため、感熱記録
媒体の搬送状態は更に不安定なものとなる。
【0006】また上述の如く感熱記録媒体と封止材17
との摩擦が大きいと、感熱記録媒体が繰り返し封止材1
7と接触することによって封止材17に破損を生じる恐
れがあり、そのような不具合が生じた場合、ドライバー
IC16を大気と遮断する封止材17としての機能が喪
失されてしまうため、ドライバーIC16の電子回路が
大気中の水分等と接触することにより比較的短期間で腐
食される欠点が誘発される。
【0007】更に上述のサーマルヘッドを用いて印画を
行う場合、発熱抵抗体13上へ搬送される感熱記録媒体
の表面には静電気等の影響によって大気中の“ほこり”
が引き寄せられる。このような感熱記録媒体が封止材1
7の表面に接触すると、前述の“ほこり”が封止材17
の表面に付着することとなり、これによっても封止材1
7と感熱記録媒体との摩擦が増大して感熱記録媒体の走
行が不安定になる欠点を有していた。
【0008】また更に上述のサーマルヘッドにおいて
は、感熱記録媒体の表面に帯電した静電気を除去するた
めの手段を何ら備えていないことから、このような静電
気が保護膜15に印加されると、保護膜15が比較的容
易に絶縁破壊されてしまい、発熱抵抗体13等を保護膜
15で良好に被覆しておくことが不可となる欠点も有し
ていた。
【0009】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、感熱記録媒体の搬送状態を安定化させ
て、良好な印画を形成することが可能な高信頼性のサー
マルヘッド、並びにサーマルプリンタを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルヘッド
は、基板の上面に多数の発熱抵抗体を被着・配列させる
とともに該発熱抵抗体の配列に沿って発熱抵抗体の発熱
を制御する複数個のドライバーICを取着させ、前記多
数の発熱抵抗体を無機質材料から成る保護膜で、前記複
数個のドライバーICをエポキシ樹脂を主成分とする封
止材で被覆してなり、感熱記録媒体を発熱抵抗体上に搬
送しながら発熱抵抗体を選択的にジュール発熱させて印
画を形成するサーマルヘッドにおいて、前記封止材の表
面に、フッ素樹脂から成り、感熱記録媒体が発熱抵抗体
に対し搬送方向上流側で表面に摺接されるオーバーコー
ト層を被着させたことを特徴とするものである。
【0011】また本発明のサーマルプリンタは、上述の
サーマルヘッドと、感熱記録媒体を前記発熱抵抗体上に
搬送する搬送手段とを具備することを特徴とするもので
ある。
【0012】本発明のサーマルヘッドによれば、ドライ
バーICを被覆する封止材の表面にフッ素樹脂から成る
オーバーコート層を被着させるようにしたことから、記
録動作時、感熱記録媒体を発熱抵抗体上に案内するため
に封止材表面のオーバーコート層に接触させても、オー
バーコート層を形成するフッ素樹脂はその摩擦係数が比
較的小さく、感熱記録媒体が引っ掛かってスティッキン
グを生じることは殆どない。従って、感熱記録媒体の搬
送状態は安定化し、高品質の印画を形成することが可能
となる。
【0013】また本発明のサーマルヘッドによれば、上
述した如く感熱記録媒体とオーバーコート層との摩擦が
小さく抑えられることから、感熱記録媒体が繰り返しオ
ーバーコート層と接触しても、オーバーコート層やその
下地となる封止材に破損を生じることは殆どなく、ドラ
イバーICを封止材等で大気と確実に遮断することでド
ライバーICの腐食を有効に防止し、サーマルヘッドの
信頼性を向上させることができる。
【0014】更に本発明のサーマルヘッドによれば、オ
ーバーコート層を形成するフッ素樹脂は優れた防汚作用
を備え、絶縁抵抗も比較的小さい値に設定することがで
きることから、記録動作に際してオーバーコート層に感
熱記録媒体が接触しても、静電気等の影響によって感熱
記録媒体の表面に引き寄せられた“ほこり”がオーバー
コート層に付着するのを有効に防止することができ、こ
れによってもオーバーコート層と感熱記録媒体との摩擦
を小さく抑え、感熱記録媒体の走行を安定化することが
可能となる。
【0015】また更に本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前述した如く、オーバーコート層の絶縁抵抗を比較
的小さい値に設定することができるため、記録動作時、
感熱記録媒体の表面に帯電した静電気は保護膜と接触す
る前にオーバーコート層と接触して、その全体にわたり
拡散されるようになっており、保護膜の静電破壊を有効
に防止することができるようになる。これによってもサ
ーマルヘッドの信頼性が向上される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るサ
ーマルヘッドの斜視図、図2は図1のサーマルヘッドの
断面図であり、1は基板、3は発熱抵抗体、5は保護
膜、6はドライバーIC、7は封止材、8はオーバーコ
ート層である。
【0017】前記基板1は、アルミナセラミックス等の
電気絶縁性材料によって矩形状をなすように形成されて
おり、その上面には部分グレーズ層2や発熱抵抗体3,
ドライバーIC6等が取着され、これらを支持する支持
母材として機能する。
【0018】前記基板1は、例えばアルミナセラミック
スから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等のセ
ラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合
して泥漿状に成すとともにこれを従来周知のドクターブ
レード法等を採用することによってセラミックグリーン
シートを形成し、これを所定形状に打ち抜いた上、高温
で焼成することにより製作される。
【0019】また前記基板1の上面には、ガラス製の部
分グレーズ層2が基板1の長手方向に帯状に被着され、
その頂部付近には多数の発熱抵抗体3が設けられる。
【0020】前記部分グレーズ層2は、例えば曲率半径
1mm〜4mmの断面円弧状をなすように形成されてお
り、その頂部の厚みは20μm〜160μmに設定され
る。
【0021】この部分グレーズ層2は、低熱伝導性(熱
伝導率:0.7W/m・K〜1.0W/m・K)のガラ
スにより形成されているため、その内部で発熱抵抗体3
の発する熱の一部を蓄積してサーマルヘッドの熱応答特
性を良好に維持する作用、具体的には、発熱抵抗体3の
温度を短時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させる
蓄熱層としての作用を為す。
【0022】尚、前記部分グレーズ層2は、ガラス粉末
に適当な有機溶剤を添加・混合して得た所定のガラスペ
ーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板1の
上面に帯状に印刷・塗布し、これを高温で焼き付けるこ
とによって形成される。
【0023】更に前記部分グレーズ層2の頂部付近に設
けられる多数の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列さ
れており、これらの発熱抵抗体3は各々がTaNやTa
SiO,TiSiO等の電気抵抗材料により形成されて
いるため、その両端に電気的に接続される電極パターン
4等を介して電源電力が印加されるとジュール発熱を起
こし、記録媒体に印画を形成するのに必要な温度、例え
ば130℃〜350℃の温度となる。
【0024】また前記発熱抵抗体3に接続される電極パ
ターン4は、発熱抵抗体3等に電力を供給する給電配線
として機能するものであり、アルミニウムや銅等の金属
材料から成り、部分グレーズ層2上から基板1の表面に
かけて被着・導出された上、この導出部で後述するドラ
イバーIC6の対応する端子等に電気的に接続される。
【0025】このような発熱抵抗体3や電極パターン4
は、従来周知の薄膜形成技術、例えばTaN等の電気抵
抗材料とアルミニウム等の金属材料とを部分グレーズ層
2を被着させた基板1の上面に従来周知のスパッタリン
グ等によって順次被着させ、これらのスパッタ膜を従来
周知のフォトリソグラフィー技術やエッチング技術等を
採用し所定パターンに加工することによって形成され
る。
【0026】また上述した多数の発熱抵抗体3や電極パ
ターン4の表面には保護膜5が被着され、このような保
護膜5によって多数の発熱抵抗体3や多数の電極パター
ン4が共通に被覆されている。
【0027】前記保護膜5は、窒化珪素(Si34)や
サイアロン(Si-Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた
無機質材料から成り、発熱抵抗体3や電極パターン4を
感熱記録媒体の摺接による磨耗や大気中に含まれている
水分等の接触による腐食から保護する作用を為す。
【0028】このような保護膜5は、従来周知の薄膜形
成技術、例えばスパッタリングを採用し、上述の無機質
材料を発熱抵抗体3や電極パターン4等の上面に2μm
〜20μmの厚みに被着させることにより形成される。
【0029】また一方、上述した基板1の上面には複数
個のドライバーIC6が発熱抵抗体3の配列に沿って略
平行に配列される。
【0030】前記ドライバーIC6は、各々の回路形成
面(下面)に、シフトレジスタやラッチ回路,スイッチ
ングトランジスタ等の電子回路が高密度に集積されてお
り、多数の発熱抵抗体3を選択的に発熱させる作用、具
体的には、外部より供給される画像データに基づいてス
イッチングトランジスタのオン・オフを切り替え、各発
熱抵抗体3への通電を制御する作用を為す。
【0031】かかるドライバーIC6としては、例え
ば、電子回路や端子を下面に有したフリップチップ型I
Cが用いられ、従来周知のフェースダウンボンディン
グ、即ち、ドライバーIC6の端子を対応する電極パタ
ーン4の導出部に半田接合させることによってドライバ
ーIC6が電極パターン4に電気的に接続される。
【0032】そして上述した複数個のドライバーIC6
は、エポキシ樹脂を主成分とする断面山状の封止材7で
共通に被覆される。
【0033】前記封止材7は、例えばシリカ(Si
2)やアルミナ(Al23)等から成る無機質フィラ
ーを50wt%〜70wt%程度含有させて所定の熱膨
張係数及び硬度に調整したエポキシ樹脂から成り、ドラ
イバーIC6を大気と遮断することでドライバーIC6
の電子回路が大気中の水分等との接触により腐食される
のを有効に防止するとともに、ドライバーIC6を外力
の印加(感熱記録媒体の接触等)より保護する作用を為
す。
【0034】また前記封止材7は、記録動作時、感熱記
録媒体の走行を支持して感熱記録媒体を発熱抵抗体3上
へ案内するガイド部材としても機能するものであり、そ
の一部表面、具体的には、感熱記録媒体が摺接される部
位にフッ素樹脂から成るオーバーコート層8が被着され
ている。
【0035】前記オーバーコート層8は、例えば0.1
μm〜10μmの厚みに形成されており、かかるオーバー
コート層8を形成するフッ素樹脂は運動摩擦係数が0.
05〜0.15と比較的小さいことから、記録動作時、
感熱記録媒体を発熱抵抗体3上に案内するために封止材
表面のオーバーコート層8に接触させても、感熱記録媒
体がオーバーコート層8に引っ掛かってスティッキング
を生じることは殆どなく、感熱記録媒体の搬送状態を安
定化して、高品質の印画を形成することが可能となる。
【0036】またこの場合、感熱記録媒体とオーバーコ
ート層8との摩擦が小さいことから、感熱記録媒体が繰
り返しオーバーコート層8と接触しても、オーバーコー
ト層8や封止材7に大きな外力が印加されることはな
く、オーバーコート層8や封止材7に破損を生じること
は殆どない。従って、ドライバーIC6を封止材7等で
大気と確実に遮断しておくことができ、ドライバーIC
6の電子回路の腐食を有効に防止することが可能とな
る。
【0037】更に前記オーバーコート層8を形成するフ
ッ素樹脂は、優れた防汚作用を備え、しかも絶縁抵抗を
比較的小さい値(絶縁抵抗:1×109Ω・cm〜1×
101 1Ω・cm)に設定することができることから、記
録動作に際してオーバーコート層8に感熱記録媒体が接
触しても、静電気等の影響によって感熱記録媒体の表面
に引き寄せられた“ほこり”がオーバーコート層8に付
着するのを有効に防止することができ、これによっても
オーバーコート層8と感熱記録媒体との摩擦を小さく抑
え、感熱記録媒体の走行を安定化することが可能とな
る。
【0038】また更に前記オーバーコート層8、前述し
た如く、絶縁抵抗を比較的小さい値に設定することがで
きるため、記録動作時、感熱記録媒体の表面に帯電した
静電気は保護膜5と接触する前にオーバーコート層8と
接触して、その全体にわたり拡散されるようになってお
り、保護膜5の静電破壊も有効に防止される。従って、
これによってもサーマルヘッドの信頼性が向上されるこ
ととなる。
【0039】尚、前記封止材7は、例えば無機質フィラ
ーを所定量、添加・混合したエポキシ樹脂の液状前駆体
をディスペンサ等を用いてドライバーIC6の搭載領域
に塗布するとともに、これを80℃〜200℃の温度で
加熱・重合させることによって形成され、また前記オー
バーコート層8は、例えば液状に成したフッ素樹脂の前
駆体をディスペンサー等を用いて封止材7の上面に部分
的に塗布するとともに、これを100℃〜200℃の温
度で硬化・重合させることによって形成される。
【0040】そして、上述のようなサーマルヘッドが組
み込まれるサーマルプリンタには、図3に示す如く、感
熱記録媒体をサーマルヘッドTの発熱抵抗体3上に搬送
する搬送手段として、プラテンローラ9や搬送ローラ1
0a,10b,10c,10d等が配設される。
【0041】前記プラテンローラ9は、SUS等の金属
から成る軸芯の外周にブタジエンゴム等を3mm〜15
mm程度の厚みに巻きつけた円柱状の部材であり、サー
マルヘッドTの発熱抵抗体3上に回転可能に支持され、
感熱記録媒体を発熱抵抗体3上の保護膜表面に押圧しつ
つ感熱記録媒体を発熱抵抗体3の配列と直交する方向
(図中の矢印方向)に搬送する。
【0042】また前記搬送ローラ10a,10b,10
c,10dは、その外周部が金属やゴム等によって形成
されており、サーマルヘッドTに対し感熱記録媒体の搬
送方向上流側(ドライバーIC6側)と下流側(発熱抵
抗体3側)に分かれて配設され、これらの搬送ローラ1
0a,10b,10c,10dと前述のプラテンローラ
9とで感熱記録媒体の走行を支持している。
【0043】これらの搬送手段9,10a,10b,1
0c,10dによって搬送される感熱記録媒体は、前述
したように、発熱抵抗体3に対し搬送方向上流側でオー
バーコート層8の表面に摺接されるようになっており、
これにより感熱記録媒体が封止材7及びオーバーコート
層8でもって発熱抵抗体3上に順次案内され、発熱抵抗
体3上の保護膜表面に摺接されることとなる。
【0044】そして、これと同時に多数の発熱抵抗体3
をドライバーIC6の駆動に伴い選択的にジュール発熱
させ、これらの熱を保護膜5を介し感熱記録媒体に伝達
させることによって所定の印画が形成される。
【0045】このとき、感熱記録媒体が印画の直前に接
触するオーバーコート層8は、前述した如くフッ素樹脂
により形成されており、その摩擦係数、絶縁抵抗は共に
小さく、しかも優れた防汚作用を備えていることから、
感熱記録媒体がオーバーコート層8に引っ掛かってステ
ィッキングを生じたり、オーバーコート層8や封止材7
に破損が生じたり、或いは、保護膜5が感熱記録媒体に
帯電した静電気によって絶縁破壊されるといった不都合
を生じることは殆どなく、感熱記録媒体の走行安定性を
高く保つことが可能な、高信頼性のサーマルプリンタを
構成することができる。
【0046】尚、本発明は上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において
種々の変更、改良等が可能である。
【0047】例えば上述の実施形態において、オーバー
コート層8を形成するフッ素樹脂中にTiO2から成る
フィラーを0.2wt%〜5.0wt%含有させておけ
ば、上述したオーバーコート層8の防汚作用を更に向上
させ、“ほこり”の付着をより確実に防止することがで
きようになる。従って、オーバーコート層8を形成する
フッ素樹脂中にTiO2から成るフィラーを0.2wt
%〜5.0wt%含有させておくことが好ましい。
【0048】また上述の実施形態において、オーバーコ
ート層8を形成するフッ素樹脂中にアルミニウムやニッ
ケル等の金属から成るフィラーを20wt%〜40wt
%含有させておけば、オーバーコート層8の絶縁抵抗を
更に低下させ、上述の帯電防止作用をより有効に発揮さ
せることができるようになる。従って、オーバーコート
層8を形成するフッ素樹脂中にアルミニウムやニッケル
等の金属から成るフィラーを20wt%〜40wt%含
有させておくことが好ましい。
【0049】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、ドラ
イバーICを被覆する封止材の表面にフッ素樹脂から成
るオーバーコート層を被着させるようにしたことから、
記録動作時、感熱記録媒体を発熱抵抗体上に案内するた
めに封止材表面のオーバーコート層に接触させても、オ
ーバーコート層を形成するフッ素樹脂はその摩擦係数が
比較的小さく、感熱記録媒体が引っ掛かってスティッキ
ングを生じることは殆どない。従って、感熱記録媒体の
搬送状態は安定化し、高品質の印画を形成することが可
能となる。
【0050】また本発明のサーマルヘッドによれば、上
述した如く感熱記録媒体とオーバーコート層との摩擦が
小さく抑えられることから、感熱記録媒体が繰り返しオ
ーバーコート層と接触しても、オーバーコート層やその
下地となる封止材に破損を生じることは殆どなく、ドラ
イバーICを封止材等で大気と確実に遮断することでド
ライバーICの腐食を有効に防止し、サーマルヘッドの
信頼性を向上させることができる。
【0051】更に本発明のサーマルヘッドによれば、オ
ーバーコート層を形成するフッ素樹脂は優れた防汚作用
を備え、絶縁抵抗も比較的小さい値に設定することがで
きることから、記録動作に際してオーバーコート層に感
熱記録媒体が接触しても、静電気等の影響によって感熱
記録媒体の表面に引き寄せられた“ほこり”がオーバー
コート層に付着するのを有効に防止することができ、こ
れによってもオーバーコート層と感熱記録媒体との摩擦
を小さく抑え、感熱記録媒体の走行を安定化することが
可能となる。
【0052】また更に本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前述した如く、オーバーコート層の絶縁抵抗を比較
的小さい値に設定することができるため、記録動作時、
感熱記録媒体の表面に帯電した静電気は保護膜と接触す
る前にオーバーコート層と接触して、その全体にわたり
拡散されるようになっており、保護膜の静電破壊を有効
に防止することができるようになる。これによってもサ
ーマルヘッドの信頼性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの斜
視図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】図1のサーマルヘッドを用いたサーマルプリン
タの構成を示す図である。
【図4】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】 1・・・基板、2・・・部分グレーズ層、3・・・発熱
抵抗体、4・・・電極パターン、5・・・保護膜、6・
・・ドライバーIC、7・・・封止材、8・・・オーバ
ーコート層、9・・・プラテンローラ、10a,10
b,10c,10d・・・搬送ローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の上面に多数の発熱抵抗体を被着・配
    列させるとともに該発熱抵抗体の配列に沿って発熱抵抗
    体の発熱を制御する複数個のドライバーICを取着さ
    せ、前記多数の発熱抵抗体を無機質材料から成る保護膜
    で、前記複数個のドライバーICをエポキシ樹脂を主成
    分とする封止材で被覆してなり、感熱記録媒体を発熱抵
    抗体上に搬送しながら発熱抵抗体を選択的にジュール発
    熱させて印画を形成するサーマルヘッドにおいて、前記
    封止材の表面に、フッ素樹脂から成り、感熱記録媒体が
    発熱抵抗体に対し搬送方向上流側で表面に摺接されるオ
    ーバーコート層を被着させたことを特徴とするサーマル
    ヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のサーマルヘッドと、感熱
    記録媒体を前記発熱抵抗体上に搬送する搬送手段とを具
    備するサーマルプリンタ。
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