JP2003063052A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2003063052A
JP2003063052A JP2001259315A JP2001259315A JP2003063052A JP 2003063052 A JP2003063052 A JP 2003063052A JP 2001259315 A JP2001259315 A JP 2001259315A JP 2001259315 A JP2001259315 A JP 2001259315A JP 2003063052 A JP2003063052 A JP 2003063052A
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thermal head
overcoat layer
fluororesin
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Yoichi Moto
洋一 元
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録媒体の搬送状態を安定化させて、高品質の
印画を形成することが可能な高性能のサーマルヘッドを
提供する。 【解決手段】四角形状を成すベースプレート1の上面
に、その一辺に沿って多数の発熱抵抗体3を被着・配列
するとともに該発熱抵抗体3を前記ベースプレート1の
一辺近傍まで一端を延在させた保護膜5で被覆してなる
サーマルヘッドにおいて、前記ベースプレート1の一辺
近傍に位置する保護膜5の一端部からベースプレート1
の端面にかけて、印画に際して記録媒体が摺接されるフ
ッ素樹脂製のオーバーコート層6を被着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリやビ
デオプリンタ等の記録デバイスとして用いられるサーマ
ルヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリやビデオプリン
タ等の記録デバイスとしてサーマルヘッドが用いられて
いる。
【0003】かかる従来のサーマルヘッドは、例えば図
3に示す如く、四角形状を成すベースプレート11の上
面に、その一辺に沿って多数の発熱抵抗体13を直線状
に取着・配列するとともに該発熱抵抗体13を窒化珪素
等から成る保護膜15で被覆した構造を有しており、例
えばインクフィルムのインクを記録紙に転写して印画を
行う場合は、インクフィルム及び記録紙を重ね合わせた
状態でプラテンローラを用いて発熱抵抗体13上に搬送
しながら、発熱抵抗体13を外部からの印画信号に基づ
いて個々に選択的に発熱させるとともに該発熱した熱を
発熱抵抗体13上のインクフィルムに伝達させてインク
フィルムのインクを加熱・溶融させ、これを記録紙に押
圧・転写させることによって印画が形成される。
【0004】このとき、印画に使用されたインクフィル
ムは、サーマルヘッドのエッジ部、具体的には、保護膜
15等が被着されているベースプレートの上面角部に摺
接しつつ、下方のローラ(図示せず)で巻き取られるよ
うになっており、溶融したインクが冷却されて固まらな
いうちに上記角部を起点として記録紙をインクフィルム
より引き剥がすようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のサーマルヘッドにおいては、ベースプレート1
1を構成するアルミナセラミックスや保護膜15を構成
する窒化珪素は摩擦係数が比較的大きいことから、記録
動作に際してインクフィルムがサーマルヘッドのエッジ
部に摺接されると、インクフィルムがスティッキングを
起こし易く、フィルム詰まりを生じて印画を続行するこ
とが不可となる欠点を有していた。特に、高い湿度の使
用環境下で印画を行う場合には、ベースプレート11や
保護膜15及びインクフィルムに多量の水分が吸着する
ことでこれらの摩擦係数が増大したり、また、ベースプ
レート11の外形加工の際にその外周に生じた“バリ”
を除去すべく、ベースプレート11の角部に面取りを施
した場合には、インクフィルムとサーマルヘッドとの接
触面積が大となって、両者間の摩擦が増大するため、上
述の不都合がより顕著にあらわれていた。
【0006】また、上述した従来のサーマルヘッドを用
いて印画を行う場合、発熱抵抗体13上へ搬送されるイ
ンクフィルムの表面には静電気等の影響によって大気中
の“ほこり”が引き寄せられる。このようなインクフィ
ルムがサーマルヘッドのエッジ部に摺接すると、前述の
“ほこり”が保護膜15やベースプレート11に付着す
ることとなり、これによってもインクフィルムとサーマ
ルヘッドとの摩擦が増大し、インクフィルムの搬送状態
が更に不安定なものになる欠点を有していた。
【0007】本発明は、上記欠点に鑑み案出されたもの
であり、その目的は、記録媒体の搬送状態を安定化させ
て、高品質の印画を形成することが可能な高性能のサー
マルヘッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルヘッド
は、四角形状を成すベースプレートの上面に、その一辺
に沿って多数の発熱抵抗体を被着・配列するとともに該
発熱抵抗体を前記ベースプレートの一辺近傍まで一端を
延在させた保護膜で被覆してなるサーマルヘッドにおい
て、前記ベースプレートの一辺近傍に位置する保護膜の
一端部からベースプレートの端面にかけて、印画に際し
て記録媒体が摺接されるフッ素樹脂製のオーバーコート
層を被着させたことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明のサーマルヘッドは、前記ベ
ースプレートの端面と上面との間の角部に面取りが施さ
れており、該面取り部全体が前記オーバーコート層で被
覆されていることを特徴とするものである。
【0010】更に、本発明のサーマルヘッドは、前記オ
ーバーコート層を形成するフッ素樹脂が、その内部にT
iO2から成る平均粒径40nm〜60nmのフィラー
を0.2重量%〜5.0重量%含有することを特徴とす
るものである。
【0011】また更に、本発明のサーマルヘッドは、前
記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂が、その内部
に金属材料から成る平均粒径0.3μm〜0.5μmの
フィラーを20重量%〜40重量%含有することを特徴
とするものである。
【0012】本発明のサーマルヘッドによれば、四角形
状を成すベースプレートの上面に、その一辺に沿って多
数の発熱抵抗体を被着・配列するとともに該発熱抵抗体
を前記ベースプレートの一辺近傍まで一端を延在させた
保護膜で被覆し、前記ベースプレートの一辺近傍に位置
する保護膜の一端部からベースプレートの端面にかけ
て、摩擦係数の小さなフッ素樹脂製のオーバーコート層
を被着したことから、記録動作時、インクフィルム等の
記録媒体がサーマルヘッドのエッジ部に引っ掛かってス
ティッキングを生じることは殆ど無く、従って、記録媒
体の搬送状態は安定化し、高品質の印画を形成すること
が可能となる。
【0013】また、本発明のサーマルヘッドによれば、
上記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂は優れた防
汚作用を備えていることから、記録動作に際してオーバ
ーコート層に記録媒体が接触しても、静電気等の影響に
よって記録媒体の表面に引き寄せられた“ほこり”がオ
ーバーコート層に付着するのを有効に防止することがで
き、これによってもオーバーコート層と記録媒体との間
の摩擦を小さく保ち、記録媒体の走行を安定化すること
が可能となる。
【0014】更に、本発明のサーマルヘッドによれば、
前記ベースプレートの端面と上面との間の角部に面取り
を施し、面取り部全体を上述のオーバーコート層で被覆
することにより、記録媒体とサーマルヘッドエッジ部と
の接触面積が増大しても、両者間での摩擦が大きく増加
することはなく、しかも“バリ”が良好に除去されるの
で記録媒体が著しく損傷することもない。
【0015】また更に、本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂中に、
TiO2から成る平均粒径40nm〜60nmのフィラ
ーを0.2重量%〜5.0重量%含有させることによ
り、フッ素樹脂の防汚作用が大幅に向上し、記録媒体の
表面に“ほこり”が引き寄せられ易い多湿環境下におい
ても、記録媒体の“ほこり”がオーバーコート層に付着
するのを有効に防止することができ、記録媒体の走行を
常に安定させることが可能となる。
【0016】更にまた、本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂中に、
金属材料からなる平均粒径0.3μm〜0.5μmのフ
ィラーを20重量%〜40重量%含有させることによ
り、フッ素樹脂の導電性が適度に高められるため、記録
媒体の摺接に伴いオーバーコート層に静電気が帯電して
も、これらはオーバーコート層全体にわたり速やかに拡
散され、オーバーコート層そのものに大気中の“ほこ
り”が引き寄せられることも殆どない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0018】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態に係るサーマルヘッドの断面図であり、同図に
示すサーマルヘッドは、ベースプレート1の上面に部分
グレーズ層2や発熱抵抗体3、電極パターン4、保護膜
5等を被着させた構造を有している。
【0019】前記ベースプレート1は、アルミナセラミ
ックスや単結晶シリコン、Fe−Ni合金等により四角
形状を成すように形成されており、その上面には部分グ
レーズ層2や多数の発熱抵抗体3、電極パターン4等が
被着され、これらを支持する支持母材として機能する。
【0020】尚、前記ベースプレート1は、アルミナセ
ラミックスから成る場合、例えばアルミナ、シリカ、マ
グネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤・
溶媒を添加・混合して泥漿状になすとともに、これを従
来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を
採用することによってセラミックグリーンシートを得、
しかる後、このセラミックグリーンシートを四角形状に
打ち抜いた上、高温で焼成することによって製作され
る。
【0021】また、前記ベースプレート1の上面には、
ガラス製の部分グレーズ層2がベースプレート1の一辺
に沿って帯状に被着され、その頂部付近には多数の発熱
抵抗体3が設けられる。
【0022】前記部分グレーズ層2は、例えば曲率半径
1mm〜4mmの断面円弧状を成すように形成されてお
り、その頂部の厚みは20μm〜160μmに設定され
る。
【0023】この部分グレーズ層2は、低熱伝導性(熱
伝導率:0.7W/m・K〜1.0W/m・K)のガラ
スにより形成されているため、その内部で発熱抵抗体3
の熱の一部を蓄積してサーマルヘッドの熱応答性を良好
に維持する作用、具体的には、発熱抵抗体3の温度を短
時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させる蓄熱層と
しての作用を為す。
【0024】尚、前記部分グレーズ層2は、ガラス粉末
に適当な有機溶剤を添加・混合してえた所定のガラスペ
ーストを従来周知のスクリーン印刷等によってベースプ
レート1の上面に帯状に印刷・塗布し、これを高温で焼
き付けることによって形成される。
【0025】更に、前記部分グレーズ層2の頂部付近に
設けられる多数の発熱抵抗体3は、例えば600dpi
(dot per inch)の密度で直線状に配列されており、各々
がTaSiO系、TiSiO系、TiCSiO系等の電
気抵抗材料から成っているため、その両端に接続される
電極パターン4を介して外部からの電力が供給されると
ジュール発熱を起こし、インクフィルムのインクを溶融
させて記録紙に印画を形成するのに必要な温度、例えば
150℃〜400℃の温度に発熱する。
【0026】また、前記各発熱抵抗体3の両端に接続さ
れる電極パターン4は、アルミニウム(Al)や銅(C
u)等の金属材料により所定パターンに形成されてお
り、発熱抵抗体3に所定の電力を供給する給電配線とし
て機能する。
【0027】尚、前記発熱抵抗体3及び前記電極パター
ン4は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッ
タリング、フォトリソグラフィー技術、エッチング技術
等を採用することにより所定パターンを成すようにベー
スプレート1の上面に被着・形成される。
【0028】また上述した発熱抵抗体3及び電極パター
ン4の表面には、一端が前記ベースプレート1の一辺近
傍まで延在された保護膜5が被着され、このような保護
膜5によって多数の発熱抵抗体3や電極パターン4が共
通に被覆されている。
【0029】前記保護膜5は、窒化珪素(Si34)や
サイアロン(Si‐Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた
無機質材料からなり、発熱抵抗体3や電極パターン4を
インクフィルムの摺接による磨耗や大気中に含まれる水
分の接触による腐食から保護する作用を為す。
【0030】このような保護膜5は、従来周知の薄膜形
成技術、例えばスパッタリングによって上述の無機質材
料を発熱抵抗体3や電極パターン4等の上面に2μm〜
20μmの厚みに被着させることにより形成される。
【0031】そして、サーマルヘッドのエッジ部、具体
的には、ベースプレート1の一辺近傍まで延在させた保
護膜5の一端部からベースプレート1の端面にかけて、
フッ素樹脂製のオーバーコート層6が被着されている。
【0032】前記オーバーコート層6には、印画時、そ
の表面にインクフィルムが摺接されるようになってお
り、運動摩擦係数が0.03〜0.15と、ベースプレ
ート1を構成するアルミナセラミックスや保護膜5を構
成する窒化珪素の運動摩擦係数と比べて比較的小さい
(アルミナセラミックスの運動摩擦係数:0.20〜
0.30、窒化珪素の運動摩擦係数:0.20〜0.4
0)ことから、記録動作時、インクフィルムがオーバー
コート層6に引っ掛かってスティッキングを生じること
は殆ど無く、従って、インクフィルムの搬送状態は安定
化し、高品質の印画を形成することが可能となる。
【0033】また、オーバーコート層6を形成するフッ
素樹脂は、優れた防汚作用を備えているため、記録動作
に際してオーバーコート層6にインクフィルムを接触さ
せても、静電気等の影響によってインクフィルムの表面
に引き寄せられた“ほこり”がオーバーコート層6に付
着することを有効に防止することができ、これによって
もオーバーコート層6とインクフィルムとの摩擦を小さ
く抑え、インクフィルムの走行を安定させることができ
る。
【0034】更に、前記オーバーコート層6を形成する
フッ素樹脂中に、TiO2からなる平均粒径40nm〜
60nmのフィラーを0.2重量%〜5.0重量%含有
させておけば、フッ素樹脂の防汚作用が大幅に向上し、
インクフィルムの表面に多くの“ほこり”が引き寄せら
れ易い多湿環境下においても、インクフィルムの“ほこ
り”がオーバーコート層6に付着するのを有効に防止す
ることができ、インクフィルムの走行を常に安定させる
ことが可能となる。
【0035】ここで、TiO2からなるフィラーの含有
量が0.2重量%よりも小さいと、フッ素樹脂の防汚作
用向上に供することができず、多湿環境下においてイン
クフィルムの表面に引き寄せられた“ほこり”がオーバ
ーコート層6に付着するのを防止することは困難であ
り、一方、TiO2からなるフィラーが5.0重量%よ
りも大きいと、オーバーコート層6中のフィラーが表面
に露出してインクフィルムとオーバーコート層6との間
の摩擦が大きくなるおそれがある。従って、オーバーコ
ート層6を形成するフッ素樹脂中に、TiO2からなる
平均粒径40nm〜60nmのフィラーを0.2重量%
〜5.0重量%含有させておくことが好ましい。
【0036】また更に、前記オーバーコート層6を形成
するフッ素樹脂中に、AlやNi等の金属材料からなる
平均粒径0.3μm〜0.5μmのフィラーを20重量
%〜40重量%含有させておけば、フッ素樹脂の導電性
が適度に高められるため、インクフィルムの摺接に伴い
オーバーコート層6に静電気が帯電しても、これらはオ
ーバーコート層全体にわたり速やかに拡散され、オーバ
ーコート層6そのものに“ほこり”が引き寄せられるこ
とも殆どない。
【0037】ここで、フッ素樹脂中に含まれる金属材料
からなるフィラーの含有量が20重量%よりも小さい
と、フッ素樹脂の絶縁抵抗が比較的大きいため導電性が
やや不足し、インクフィルムの摺接による静電気の発生
を有効に防止することが困難になり、一方、金属材料か
らなるフィラーの含有量が40重量%よりも大きいと、
フッ素樹脂の絶縁抵抗が小さくなりすぎて、万一、オー
バーコート層6の下に存在する保護膜5に数多くの膜欠
陥が生じた場合、保護膜5下の電極パターン同士が膜欠
陥の隙間にまで浸透したオーバーコート層6を介して短
絡するおそれがある。従って、前記オーバーコート層6
を形成するフッ素樹脂中に、AlやNi等の金属材料か
らなる平均粒径0.3μm〜0.5μmのフィラーを2
0重量%〜40重量%含有させておくことが好ましい。
【0038】尚、前記オーバーコート層6は、例えば液
状に成した四フッ化エチレン樹脂系フッ素樹脂の前駆体
をディスペンサー等を用いて上述した角部を被覆するよ
うに部分的に塗布するとともに、これを100℃〜20
0℃の温度で硬化・重合させることによって2μm〜2
0μmの厚みに形成される。
【0039】かくして上述したサーマルヘッドは、イン
クフィルム及び記録紙を重ね合わせた状態でプラテンロ
ーラを用いて発熱抵抗体3上に搬送しながら、発熱抵抗
体3を外部からの印画信号に基づいて個々に選択的に発
熱させるとともに該発熱した熱を発熱抵抗体3上のイン
クフィルムに伝達させてインクフィルムのインクを加熱
・溶融させ、これを記録紙に押圧・転写させることによ
ってサーマルヘッドとして機能する。
【0040】尚、印画に使用されたインクフィルムは、
オーバーコート層6の表面に摺接しつつ、サーマルヘッ
ドの下方に配されるローラ(図示せず)で巻き取られる
ようになっており、インクが冷え固まらないうちに上記
摺接部を起点として記録紙がインクフィルムより引き剥
がされる。
【0041】(第2の実施形態)次に本発明の第2の実
施形態について、図2を用いて説明する。尚、上述した
第1の実施形態と同様の構成要素については同一の参照
符号を用いるとともに、重複した説明を省略する。
【0042】図2は、本発明の第2の実施形態に係るサ
ーマルヘッドの断面図である。
【0043】第2の実施形態におけるサーマルヘッド
が、第1の実施形態におけるサーマルヘッドと異なる点
は、ベースプレート1’の角部にC面の面取りを施して
あり、この面取り部1’aの全体をフッ素樹脂から成る
オーバーコート層6’で被覆したことである。
【0044】このような第2の実施形態においても、サ
ーマルヘッドのエッジ部を摩擦係数の小さなフッ素樹脂
から成るオーバーコート層6’でもって良好に被覆して
いるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることがで
きるのに加え、この第2の実施形態においては、前記ベ
ースプレート1’の端面と上面との間の角部に面取りを
施し、面取り部全体を上述のオーバーコート層6’で被
覆したことから、インクフィルムとサーマルヘッドエッ
ジ部との接触面積が増大しても、両者間での摩擦が大き
く増加することはなく、しかも“バリ”が良好に除去さ
れるのでインクフィルムが著しく損傷することもない。
【0045】尚、上述した角部に施されるC面の面取り
部1’aは、ダイヤモンド砥石等を用いてベースプレー
ト1’の角部を研磨することにより、幅が0.01mm
〜1.50mmで、且つC面とベースプレート1’の上
面との間の角度が120°〜150°となるように形成
される。
【0046】本発明は上述した実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々の変更・改良が可能である。
【0047】例えば、上述した第2の実施形態におい
て、前記C面とベースプレート端面との間の角部にR面
の面取り部を形成するようにしても良いし、或いは、C
面の面取り部1’aの代わりにR面の面取り部を形成す
るようにしても良く、この場合、R面の曲率半径を0.
5mm〜3.5mmに設定することが好ましい。
【0048】また、上述した第1及び第2の実施形態に
おいて、ベースプレート1,1’上に発熱抵抗体3の発
熱を制御するためのドライバーIC等を搭載しても良い
ことは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、四角
形状を成すベースプレートの上面に、その一辺に沿って
多数の発熱抵抗体を被着・配列するとともに該発熱抵抗
体を前記ベースプレートの一辺近傍まで一端を延在させ
た保護膜で被覆し、前記ベースプレートの一辺近傍に位
置する保護膜の一端部からベースプレートの端面にかけ
て、摩擦係数の小さなフッ素樹脂製のオーバーコート層
を被着したことから、記録動作時、インクフィルム等の
記録媒体がサーマルヘッドのエッジ部に引っ掛かってス
ティッキングを生じることは殆ど無く、従って、記録媒
体の搬送状態は安定化し、高品質の印画を形成すること
が可能となる。
【0050】また、本発明のサーマルヘッドによれば、
上記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂は優れた防
汚作用を備えていることから、記録動作に際してオーバ
ーコート層に記録媒体が接触しても、静電気等の影響に
よって記録媒体の表面に引き寄せられた“ほこり”がオ
ーバーコート層に付着するのを有効に防止することがで
き、これによってもオーバーコート層と記録媒体との間
の摩擦を小さく保ち、記録媒体の走行を安定化すること
が可能となる。
【0051】更に、本発明のサーマルヘッドによれば、
前記ベースプレートの端面と上面との間の角部に面取り
を施し、面取り部全体を上述のオーバーコート層で被覆
することにより、記録媒体とサーマルヘッドエッジ部と
の接触面積が増大しても、両者間での摩擦が大きく増加
することはなく、しかも“バリ”が良好に除去されるの
で記録媒体が著しく損傷することもない。
【0052】また更に、本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂中に、
TiO2から成る平均粒径40nm〜60nmのフィラ
ーを0.2重量%〜5.0重量%含有させることによ
り、フッ素樹脂の防汚作用が大幅に向上し、記録媒体の
表面に“ほこり”が引き寄せられ易い多湿環境下におい
ても、記録媒体の“ほこり”がオーバーコート層に付着
するのを有効に防止することができ、記録媒体の走行を
常に安定させることが可能となる。
【0053】更にまた、本発明のサーマルヘッドによれ
ば、前記オーバーコート層を形成するフッ素樹脂中に、
金属材料からなる平均粒径0.3μm〜0.5μmのフ
ィラーを20重量%〜40重量%含有させることによ
り、フッ素樹脂の導電性が適度に高められるため、記録
媒体の摺接に伴いオーバーコート層に静電気が帯電して
も、これらはオーバーコート層全体にわたり速やかに拡
散され、オーバーコート層そのものに大気中の“ほこ
り”が引き寄せられることも殆どない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるサーマルヘッ
ドの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかるサーマルヘッ
ドの断面図である。
【図3】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1,1’・・・ベースプレート、1’a・・・面取り
部、2・・・部分グレーズ層、3・・・発熱抵抗体、4
・・・電極パターン、5・・・保護膜、6,6’・・・
オーバーコート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四角形状を成すベースプレートの上面に、
    その一辺に沿って多数の発熱抵抗体を被着・配列すると
    ともに該発熱抵抗体を前記ベースプレートの一辺近傍ま
    で一端を延在させた保護膜で被覆してなるサーマルヘッ
    ドにおいて、 前記ベースプレートの一辺近傍に位置する保護膜の一端
    部からベースプレートの端面にかけて、印画に際して記
    録媒体が摺接されるフッ素樹脂製のオーバーコート層を
    被着させたことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】前記ベースプレートの端面と上面との間の
    角部に面取りが施されており、該面取り部全体が前記オ
    ーバーコート層で被覆されていることを特徴とする請求
    項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】前記オーバーコート層を形成するフッ素樹
    脂が、その内部にTiO2から成る平均粒径40nm〜
    60nmのフィラーを0.2重量%〜5.0重量%含有
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    サーマルヘッド。
  4. 【請求項4】前記オーバーコート層を形成するフッ素樹
    脂が、その内部に金属材料から成る平均粒径0.3μm
    〜0.5μmのフィラーを20重量%〜40重量%含有
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    サーマルヘッド。
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Cited By (2)

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