JP2005096274A - サーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタ Download PDF

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Abstract

【課題】基板内の熱を良好に放熱板に伝達させることが可能な高性能のサーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタを提供すること。
【解決手段】一対の溝7a,7bを有する放熱板7上に、発熱素子列4を有するヘッド基板1を、該発熱素子列4の直下領域が前記一対の溝間7a‐7bに位置するように載置させるとともに、前記ヘッド基板1と前記放熱板7との間のうち、前記発熱素子列4の直下領域に樹脂材8を、他の領域に両面テープ9a,9bをそれぞれ介在させたサーマルヘッドにおいて、前記発熱素子列4の直下に位置する放熱板上面の両側に配される一対の溝の内壁面に、溝7a,7bの長手方向に沿った複数のスリット7cを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は発熱素子の発する熱を利用して印画等を行うサーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタに関するものである。
従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機構として組み込まれるサーマルヘッドは、図4に示す如く、発熱素子列14を有する長方形状の基板11を、アルミニウム等の金属から成る放熱板17上に載置させた構造を有しており、発熱素子列14を構成する複数の発熱素子を外部からの画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した熱を感熱紙等の記録媒体に伝導させ、記録媒体に所定の印画を形成することによってサーマルヘッドとして機能する。
放熱板17は基板11中の熱を吸収して、これを大気中に放散することにより基板11の温度が過度に高温となるのを防止するためのものであり、その上面には一対の溝17a,17bが発熱素子列14の直下領域の両側に形成されている。
そして放熱板17‐基板11間のうち、一対の溝間17a‐17bの領域には比較的放熱性の高い樹脂材18が、他の領域には両面テープ19a,19bがそれぞれ介在されている。
樹脂材18は基板11と放熱板17とを接着するとともに、基板11中の熱を放熱板17側に良好に伝導させる作用を為し、また両面テープ19a,19bは基板11と放熱板17とを接着する作用を為す。
尚、基板11を放熱板17上に載置・固定させるには、まず、一対の溝17a,17bを有する放熱板17を準備し(図5(a))、次に一対の溝間17a‐17bに、樹脂18’(例えばシリコーン樹脂やアクリル樹脂)を塗布するとともに、溝17a,17bと放熱板13の端部との間の領域に両面テープ19a,19bを貼着し(図5(b))、しかる後、基板11を放熱板17上の所定箇所に載置させた上、樹脂18’を70℃〜120℃の温度で熱硬化させることで完了する(図5(c))。
特開2001−96780号公報
ところで、放熱板17上に塗布される樹脂18’は、その粘性が比較的小さいため、放熱板17上に塗布された樹脂18’が流動して一対の溝17a,17bの内部に流入した場合、そのまま溝17a,17bの底面まで容易に流れてしまう。このため、放熱板17上に残留する樹脂18’が少なくなって樹脂18’の高さが低くなり、基板11を放熱板17上に載置させると、樹脂18’と基板11との間に隙間が出来るか、あるいは、多量の気泡が混入してしまい、基板11の熱が樹脂材18を介して放熱板17に伝達しにくくなる領域が出来てしまう。その結果、基板11内に篭る熱量が領域によって異なり、画像の濃度ムラの原因となる問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、基板内の熱を良好に放熱板に伝達させることが可能な高性能のサーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタを提供することにある。
本発明のサーマルヘッドは、一対の溝を有する放熱板上に、発熱素子列を有するヘッド基板を、該発熱素子列の直下領域が前記一対の溝間に位置するように載置させるとともに、前記ヘッド基板と前記放熱板との間のうち、前記発熱素子列の直下領域に樹脂材を、他の領域に両面テープをそれぞれ介在させたサーマルヘッドにおいて、前記発熱素子列直下の前記放熱板上面の両側に配される前記溝の内壁面に、該溝の長手方向に沿った複数のスリットを設けたことを特徴とする。
また本発明のサーマルヘッドは、上述のサーマルヘッドにおいて、前記スリットが放熱板の厚み方向に1本/mm〜70本/mmの密度で配列されていることを特徴とする。
一方、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、上面に一対の溝を有し、且つ、該溝の内壁面のうち、溝間の上面の両側に配される内壁面に前記溝の長手方向に沿って配される複数のスリットを形成した放熱板と、発熱素子列を有するヘッド基板と、を準備する第1の工程と、前記放熱板の上面のうち、前記一対の溝間の領域に樹脂を塗布するとともに、他の領域に両面テープを被着させる第2の工程と、前記発熱素子列が前記一対の溝間の領域に位置するように前記ヘッド基板を前記放熱板上に載置させる第3の工程と、前記樹脂を硬化させる第4の工程と、を経て製作されることを特徴とする。
また本発明のサーマルヘッドの製造方法は、上述の製造方法において、前記スリットが放熱板の厚み方向に1本/mm〜70本/mmの密度で形成されていることを特徴とする。
そして本発明のサーマルプリンタは、上述のサーマルヘッドと、該サーマルヘッド上に記録媒体を搬送する搬送手段と、前記サーマルヘッドを駆動する駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、一対の溝を有する放熱板上に、発熱素子列を有するヘッド基板を、該発熱素子列の直下領域が前記一対の溝間に位置するように載置させるとともに、前記ヘッド基板と前記放熱板との間のうち、前記発熱素子列の直下領域に樹脂材を、他の領域に両面テープをそれぞれ介在させたサーマルヘッドにおいて、前記発熱素子列直下の放熱板上面の両側に配される一対の溝の内壁面に、溝の長手方向に沿った複数のスリットを設けたことから、前記一対の溝間に位置する放熱板上に塗布された樹脂が溝の内部に流入しても、その流れがスリットによって良好に食い止められることとなり、放熱板上に比較的多くの樹脂を残留させ、該樹脂の高さを高く保持できる。従って、ヘッド基板を放熱板上に載置させた場合、ヘッド基板と樹脂材との間に隙間が出来たり、あるいは、多量の気泡が混入したりすることが防止され、ヘッド基板内に蓄積した熱が樹脂材を介して放熱板に良好に伝達することとなり、画像を所望の濃度で記録することが可能となる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るサーマルヘッドの断面図であり、同図に示すサーマルヘッドは、大略的に、ヘッド基板1を樹脂材8、両面テープ9a,9bを介して放熱板7上に載置させた構造を有している。
ヘッド基板1は、アルミナセラミックスや単結晶シリコン、Fe−Ni合金等の種々の材料により長方形状を成すように形成されたベースプレート2の上面に、部分グレーズ層3や発熱素子列4、電極パターン5等を被着させた構成となっている。
ベースプレート2は、その上面で部分グレーズ層3や発熱素子列4、電極パターン5等を支持する支持母材として機能するものであり、例えばアルミナセラミックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加・混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用することによってセラミックグリーンシートを形成し、しかる後、前記セラミックグリーンシートを長方形状に打ち抜いた上、高温で焼成することによって製作される。
またベースプレート2の上面にはガラス等から成る部分グレーズ層3を介して発熱素子列4が配設される。
部分グレーズ層3は、例えば曲率半径1mm〜4mmの断面円弧状を成すように形成されており、その頂部の厚みは20μm〜80μmに設定される。
この部分グレーズ層3は、例えば、熱伝導率が0.7W/m・K〜1.0W/m・Kのガラスにより形成されているため、その内部で発熱素子列4を構成する発熱素子の熱の一部を蓄積してサーマルヘッドの熱応答性を良好に維持する作用、具体的には、発熱素子の温度を短時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させる蓄熱層としての作用を為す。
尚、部分グレーズ層3は、ガラス粉末に適当な有機溶剤を添加・混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によってベースプレート2の上面に帯状に印刷・塗布し、これを高温で焼き付けることによって形成される。
部分グレーズ層3の頂部付近に設けられる発熱素子列4は、複数の発熱素子を例えば300dpiのドット密度で直線状に配列して成り、これら発熱素子は窒化タンタル等の電気抵抗材料から成っているため、図示しない回路導体やドライバーICを介して所定の電力が印加されると感熱紙等の記録媒体に印画を形成するのに必要な所定の温度(150℃〜400℃)となる。
また各発熱素子の両端に接続される電極パターン5は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属材料により所定パターンに形成されており、発熱素子に所定の電力を供給する給電配線として機能する。
尚、発熱素子列4及び電極パターン5は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッタリング、フォトリソグラフィー技術、エッチング技術等を採用することにより所定パターンを成すようにベースプレート2の上面に被着・形成される。
一方、発熱素子列4及び電極パターン5の上面には保護膜6が被着されており、該保護膜6によって発熱素子列4や電極パターン5が共通に被覆されている。
保護膜6は、窒化珪素や酸化珪素、サイアロン(Si-Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた無機質材料から成り、発熱素子列や電極パターン5等を記録媒体の摺接による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する作用を為す。
尚、上述した保護膜6は、従来周知の薄膜形成技術、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタリング等を採用し、窒化珪素や酸化珪素、サイアロン(Si-Al-O-N)等の無機質材料を発熱素子列4や電極パターン5等の上面に5μm〜10μmの厚みに被着させることにより形成される。
そして上述したヘッド基板1は、上面に一対の溝7a,7bを有する放熱板7上に、発熱素子列4の直下領域が一対の溝間7a-7bに位置するようにして載置される。また放熱板7‐ヘッド基板1間の領域のうち、一対の溝間7a-7bには樹脂材8が介在され、溝7aと放熱板7の端部との間、並びに溝7bと放熱板7の端部との間には両面テープ9a,9bが介在されている。
放熱板7はアルミニウムやSUS等の金属によって長方形状をなすように形成されており、その上面でヘッド基板1を支持するとともに、ヘッド基板1中の熱を後述する樹脂材8を介して吸収し、これを大気中に放散することでヘッド基板1が過度に高温となるのを防止する作用を為す。
また放熱板7上に設けられる一対の溝7a,7bは、放熱板7の長手方向に沿って略平行に形成されており、サーマルヘッドの組み立て工程においてヘッド基板1を、樹脂材8を介して放熱板7上に載置する際、その内部で樹脂材8の余剰分を収容し、ヘッド基板1−放熱板7間に介在される樹脂材8の幅を略一定とする作用を為す。
かかる一対の溝7a,7bの内壁面、具体的には、発熱素子列4の直下に位置する放熱板上面の両側に配される内壁面には複数のスリット7cが溝7a,7bの長手方向に沿って設けられている。
複数のスリット7cは放熱板7の深さ方向に1本/mm〜70本/mmの密度で配列されており、各々が例えば深さ5μm〜200μm、幅5μm〜100μmにそれぞれ設定されている。かかる複数のスリット7cは、樹脂材8の余剰分が溝7a,7bの底面まで多量に流れ込むことを良好に食い止めることにより、放熱板7上に樹脂材8を残留させる作用を為す。尚、放熱板7は、従来周知の引抜き法(押出し法)、具体的には、アルミニウム等から成るインゴット(塊)を一対に溝7a,7bやスリット7cを含む放熱板7の外形を有する型に押し込むことによって一対の溝7a,7bやスリット7cと共に一体的に製作される。
一方、ヘッド基板1‐放熱板7間で、且つ一対の溝間7a‐7bに介在される樹脂材8は、例えば熱伝導率が25℃における0.7W/(m・K)以上のシリコーン樹脂やアクリル樹脂から成る放熱性の良好な樹脂、あるいは、これらの樹脂中にAl23やSi等の良熱伝導性(Al23の熱伝導率:25℃において20W/(m・K))の無機物粒子(粒径:3μm〜30μm)を20重量%〜80重量%の割合で添加・混合して成る樹脂等が好適に使用される。この樹脂材8は、放熱板7上に塗布した上述の樹脂を70℃〜120℃の温度で熱硬化させることによって形成される。ここで、樹脂は粘度が比較的低く(25℃の温度条件の下、山一電気株式会社製振動式粘度計VM−1Gで粘度を測定した場合、20〜70Pa・s)、流動性を有しているため、放熱板7上に塗布された樹脂の一部が溝7a,7b内に流れ込む傾向にある。この場合、上述した如く、溝7a,7bの内壁面には複数のスリット7cが設けられていることから、樹脂の流れ込みが良好に食い止められることとなり、放熱板7上に多くの樹脂を残留させ、該樹脂の高さを高く保持できる。従って、ヘッド基板1と樹脂材8との間に隙間が出来たり、多量の気泡が混入したりすることが抑制され、ヘッド基板1内の熱を、樹脂材8を介して放熱板7に良好に放散させることができる。
なお、スリット7cの形成密度は20本/mm〜50本/mmに設定することが好ましい。その理由は、スリット7cの形成密度が20本/mmよりも小さいと、放熱板上に塗布された樹脂を高く保持する効果をそれほど高めることができないからであり、一方、スリット7cの形成密度が50本/mmよりも大きいと、パターンが細かすぎて、放熱板7の生産性が低下するおそれがあるからである。
一方、樹脂材8と共にヘッド基板1‐放熱板7間に介在される両面テープ9a,9bは、アクリル樹脂系を母材とした両面テープが好適に使用され、ヘッド基板下面と放熱板上面とを略平行に位置させるべく略等しい厚み(50μm〜125μm)を有している。この両面テープ9a,9bはヘッド基板1を放熱板7に対して強固に接着する作用を為す。
次に、上述した放熱板7上にヘッド基板1を載置・固定する方法を、図2を用いて詳細に説明する。
まず一対の溝7a,7b及びスリット7cが形成された放熱板7を準備し(図2(a))、次に放熱板7の上面所定領域に両面テープ9a,9bを貼着するとともに、一対の溝間7a‐7bの領域にディスペンサ等を用いて樹脂8’を塗布する(図2(b))。
このとき、先に述べたように、塗布した樹脂8’が一対の溝7a,7b内に多量に流れ込もうとしても、溝7a,7bの内壁面に設けられたスリット7cによって樹脂8’の流れが良好に食い止められることから、溝7a,7bの底面まで多量の樹脂8’が到達することを有効に防止し、一対の溝間7a‐7bに残留する樹脂8’の高さを高く保持することができる。
続いて、上述のヘッド基板1を、発熱素子列4の直下領域が一対の溝間7a‐7bに位置するように載置させる(図2(c))。
その際、上述のスリット7cによって放熱板7上の樹脂8’が十分な高さを有しているため、ヘッド基板1を樹脂8’に対して良好に接触させることができ、樹脂8’とヘッド基板1との間に隙間が出来たり、あるいは、多量の気泡が混入したりすることを抑制できる。
最後に、樹脂8’を熱硬化させて樹脂材8を形成することによってヘッド基板1と放熱板7とが強固に接着・固定される(図2(d))。
このようにして形成された樹脂材8とヘッド基板1との間には、隙間や多量の気泡が存在しないため、ヘッド基板1内に蓄積した熱が樹脂材8を介して放熱板7に良好に伝達するようになり、画像を所望の濃度で記録することが可能なサーマルヘッドとなる。
かくして本発明のサーマルヘッドは、発熱素子列4を構成する複数の発熱素子を外部からの画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、該発熱した熱を感熱紙等の記録媒体に伝導させ、記録媒体に所定の印画を形成することによってサーマルヘッドとして機能する。
そして、上述のようなサーマルヘッドが組み込まれるサーマルプリンタには、図3に示す如く、サーマルヘッドTを駆動する駆動手段Cと、記録媒体をサーマルヘッドTの発熱素子列4上に搬送する搬送手段としてのプラテンローラ10や搬送ローラ11等が配設される。
駆動手段Cは、シフトレジスタやラッチ、スイッチングトランジスタ等を高密度に集積したドライバーICや該ドライバーICにストローブ信号やラッチ信号等の制御信号を供給する制御回路等を備えており、制御回路からの制御信号に基づいてドライバーIC内のスイッチングトランジスタのオン・オフを切り換えることにより、発熱素子列4の発熱を制御するようにしている。
一方、搬送手段としてのプラテンローラ10は、SUS等の金属から成る軸芯の外周にブタジエンゴム等を3mm〜15mm程度の厚みに巻きつけた円柱状の部材であり、サーマルヘッドTの発熱素子列4上に回転可能に支持され、記録媒体を発熱素子列4に対して押圧しつつ記録媒体を発熱素子列4の配列と直交する方向(図中の矢印方向)に搬送する。
また搬送ローラ11は、その外周部が金属やゴム等によって形成されており、サーマルヘッドTに対し記録媒体の搬送方向上流側と下流側に分かれて配設され、これらの搬送ローラ11と前述のプラテンローラ10とで記録媒体の走行を支持している。
そして、これと同時に複数の発熱素子列4を駆動手段Cの駆動に伴い選択的にジュール発熱させ、これらの熱を記録媒体に伝導させることによって所定の印画が形成される。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば上述の実施形態において、一対の溝7a,7bに設けられるスリット7cの形成密度を記録媒体搬送方向上流側の溝7bよりも下流側の溝7aで大きく設定すれば、搬送方向下流側の溝7aの方が樹脂を堰き止める作用が大きくなるため、樹脂材8とベースプレート2との接触面積を搬送方向上流側よりも下流側で大きくすることができる。従って、放熱性が発熱素子列4よりも搬送方向下流側の領域で高められ、該下流側でサーマルヘッドが過度に高温となることが防止される。その結果、記録媒体として例えば感熱紙を用いて記録動作を行う場合、発熱素子列4上を通過した感熱紙がサーマルヘッドに蓄積した熱の作用によって保護膜6に対して強く密着することが抑制され、保護膜6に対して接触した感熱紙を保護膜6から引き剥がす際に大きな騒音が生じることを良好に防止でき、記録動作時における騒音を小さくすることが可能となる。
実験例
(第1実験例)
次に本発明の作用効果を第1実験例に基づき説明する。
この第1実験は、一対の溝の内壁面にスリットを設けた放熱板サンプル(サンプルNo.4〜No.21)と、一対の溝の内壁面にスリットを設けない放熱板サンプル(サンプルNo.1〜No.3)とを表1の条件に基づいて作成し、これらのサンプルに対して一対の溝間の領域に所定量(1mm当たり約1mm)の樹脂を塗布し、一対の溝間に位置する放熱板上に残留した樹脂の高さを測定するというものである。なお、樹脂としては、東芝シリコーン社製のTSEシリーズを用い、その粘度は山一電気株式会社製振動式粘度計VM−1Gで測定した時に25℃で30Pa・s,50Pa・s,60Pa・sの3種類を用いた。また一対の溝間の距離は4mm、一対の溝の幅、深さは共に1mm、スリットの幅、深さは共に10μmとした。以上説明した第1実験の結果を表1に示す。
Figure 2005096274
表1によれば、スリットを設けたサンプルNo.4〜21はスリットを設けないサンプルNo.1〜No.3に比べて放熱板上の樹脂の高さを高くすることができた。特にスリットの形成密度(放熱板の厚み方向に対する形成密度)が20本/μm以上のサンプルNo.10〜No.21においては樹脂の粘度が30Pa・sと非常に低い場合であっても、樹脂の高さを高くすることができた。
(第2実験例)
次に本発明の作用効果を第2実験例に基づき説明する。
第2実験は、第1実験で用いた放熱板サンプルNo.1〜21に対してヘッド基板を載置させ、樹脂を熱硬化させて樹脂材を形成したサーマルヘッドサンプル(No.1〜21、番号は第1実験例のサンプルに合わせてある)に関して、これらのサンプルを用いてテストパターンの印画を伴う走行試験(A4用紙25枚に対する印画)を行い、記録画像の濃度ムラを測定したものである。なお、使用する両面テープとしては80μmとした。以上の実験結果を表2に示す。
Figure 2005096274
表2によれば、スリットを設けたサンプルNo.4〜21はスリットを設けないサンプルNo.1〜No.3に比べて濃度ムラが少なかった。これは塗布した樹脂の高さが高いため、ヘッド基板を放熱板上に載置する際に、樹脂がヘッド基板に接触しやすく、それ故、ヘッド基板と樹脂材との間に気泡が混入しにくいことが原因と考えられる。またスリットの形成密度(放熱板の厚み方向に対する形成密度)が20本/μm以上のサンプルNo.10〜No.21においては樹脂の粘度が30Pa・sと非常に低い場合であっても、濃度ムラが少なかった。
以上、第1及び第2実験例より、溝の内壁面にスリットを設けることにより、放熱板上に残留した樹脂の高さを高く保持できることが判る。従って、ヘッド基板を放熱板上に載置させた場合、ヘッド基板と樹脂材との間に隙間が出来たり、あるいは、気泡が混入したりすることが防止され、ヘッド基板内に蓄積した熱が樹脂材を介して放熱板に良好に伝達し、濃度ムラの少ない画像が得られることが判る。
本発明の一形態に係るサーマルヘッドの断面図である。 (a)〜(d)は図1のサーマルヘッドの製造方法において、放熱板上にヘッド基板を載置・固定させる方法を説明するための断面図である。 図1のサーマルヘッドを組み込んで構成したサーマルプリンタの概略図である。 従来のサーマルヘッドの断面図である。 (a)〜(c)は従来のサーマルヘッドの製造方法において、放熱板上に基板を載置・固定させる方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1・・・ヘッド基板
2・・・ベースプレート
3・・・部分グレーズ層
4・・・発熱素子列
5・・・電極パターン
6・・・保護膜
7・・・放熱板
7a,7b・・・一対の溝
7c・・・スリット
8・・・樹脂材
9a,9b・・・両面テープ
10・・・プラテンローラ
11・・・搬送ローラ
T・・・サーマルヘッド
C・・・駆動手段

Claims (5)

  1. 一対の溝を有する放熱板上に、発熱素子列を有するヘッド基板を、該発熱素子列の直下領域が前記一対の溝間に位置するように載置させるとともに、前記ヘッド基板と前記放熱板との間のうち、前記発熱素子列の直下領域に樹脂材を、他の領域に両面テープをそれぞれ介在させたサーマルヘッドにおいて、
    前記発熱素子列直下の前記放熱板上面の両側に配される前記溝の内壁面に、該溝の長手方向に沿った複数のスリットを設けたことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記スリットが放熱板の厚み方向に1本/mm〜70本/mmの密度で配列されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 上面に一対の溝を有し、且つ、該溝の内壁面のうち、溝間の上面の両側に配される内壁面に前記溝の長手方向に沿って配される複数のスリットを形成した放熱板と、発熱素子列を有するヘッド基板と、を準備する第1の工程と、
    前記放熱板の上面のうち、前記一対の溝間の領域に樹脂を塗布するとともに、他の領域に両面テープを被着させる第2の工程と、
    前記発熱素子列が前記一対の溝間の領域に位置するように前記ヘッド基板を前記放熱板上に載置させる第3の工程と、
    前記樹脂を硬化させる第4の工程と、を経て製作されることを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  4. 前記スリットが放熱板の厚み方向に1本/mm〜70本/mmの密度で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のサーマルヘッドの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッドと、該サーマルヘッド上に記録媒体を搬送する搬送手段と、前記サーマルヘッドを駆動する駆動手段と、を備えたサーマルプリンタ。
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