JP4163662B2 - 電磁誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施形態による電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図1において、交流電源1から、ダイオード2,3の直列回路からなる整流回路を通して、電源側の高調波抑制用のフィルタ20に接続されている。このフィルタ20の両端電圧は、高周波インバータ50に供給される。このインバータ50は、直列接続した共振コンデンサ4、5からなる第1のコンデンサ直列回路と、直列接続したスイッチング素子6、7からなる第1のスイッチング回路とが並列に接続されている。これらのスイッチング素子6、7にはそれぞれダイオード8、9が逆並列に接続されている。更に、第1のコンデンサ直列回路の直列接続点と、第1のスイッチング回路の直列接続点との間には、加熱コイル11が接続され、この加熱コイル11の両端にはスナバコンデンサ10が接続されている。前記フィルタ20は、直列接続したコンデンサ22、23からなる第2のコンデンサ直列回路と、その直列接続点と電源1との間に電源フィルタ用のリアクトル21を接続している。また、フィルタ用(第2の)コンデンサ直列回路の直列接続点と、インバータ50内の共振用(第1の)コンデンサ直列回路の直列接続点との間に、両コンデンサを高周波的に絶縁するリアクトル24を接続している。
交流電源1の電圧が正の期間に、上アームスイッチング素子6のゲート信号Vg6がオンになり、加熱コイル11の蓄積エネルギーがゼロになると、電流ILcの極性が負から正に変わる。電流ILcは、コンデンサ23→コンデンサ22→スイッチング素子6→加熱コイル11→共振コンデンサ5→コンデンサ23の経路と、コンデンサ4→スイッチング素子6→加熱コイル11→コンデンサ4の経路で流れ、加熱コイル11の電流が増加する。この期間、コンデンサ22,23及び共振コンデンサ4は放電状態となり、それらの電圧Vc22,Vc23及びVc4は徐々に減少する。一方、共振コンデンサ5は電流ILcによって充電されるため、その電圧Vc5は徐々に増加する。
次に、スイッチング素子6のゲート信号がオフになると、電流ILcは正の極性を有しており、この電流はスナバコンデンサ10に流れ、スイッチング回路の出力電圧Voは徐々に減少する。その後、下アームのダイオード9に順方向の電圧が印加されると、次の2径路で、電流ILcは環流電流として流れ続ける。すなわち、加熱コイル11→共振コンデンサ4→コンデンサ22→コンデンサ23→ダイオード9→加熱コイル11の経路と、加熱コイル11→共振コンデンサ5→ダイオード9→加熱コイル11の経路である。共振コンデンサ5及びコンデンサ22、23は環流電流によって充電されるため、Vc5及びVc22、Vc23は徐々に増加する。一方、共振コンデンサ4は放電状態となりVc4は徐々に減少する。この期間、下アームスイッチング素子7のゲート信号はオンになるが、電流ILcの極性が反転しない限り、ダイオード9を流れ続ける。
次に、加熱コイル11の蓄積エネルギーがゼロになり、共振により電流ILcの極性が正から負に変わると、既にスイッチング素子7はオンしている為、電流ILcは、共振コンデンサ5→加熱コイル11→スイッチング素子7→共振コンデンサ5の経路で流れる。この期間、共振コンデンサ5は放電状態となりVc5は徐々に減少する。
次に、スイッチング素子7のゲート信号がオフになると、電流ILcは負の極性を有しており、この電流はスナバコンデンサ10に流れ、スイッチング回路の出力電圧Voは徐々に増加する。その後、上アームのダイオード8に順方向の電圧が印加されると、次の2径路で、電流ILcは環流電流として流れ続ける。すなわち、加熱コイル11→ダイオード8→コンデンサ22→コンデンサ23→共振コンデンサ5→加熱コイル11の経路と、加熱コイル11→ダイオード8→共振コンデンサ4→加熱コイル11の経路である。共振コンデンサ4及びコンデンサ22、23は環流電流によって充電されるため、Vc4及びVc22、Vc23は徐々に増加する。一方、共振コンデンサ5は放電状態となりVc5は徐々に減少する。この期間、上アームスイッチング素子6のゲート信号はオンになるが、電流の極性が反転しない限り、ダイオード8を流れ続ける。
図8は、本発明の第2の実施形態による電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付し、説明は省略する。図8において実施形態1と異なる点は、図1におけるスナバコンデンサ10の代わりに、各上下アームに並列にスナバコンデンサ12、13をそれぞれ接続している点である。実施形態1のスナバコンデンサ10には、加熱コイル11の電圧が印加されるが、本実施形態では、インバータの電源電圧が印加されることになるため、スナバコンデンサの耐圧を低減することができる。
前記実施形態と全く同一であるので、重複説明を避ける。
スイッチング素子6のゲート信号がオフになると、電流ILcは正の極性を有しており、この電流は、次の2つの径路を流れ続け、上アームのスナバコンデンサ12は充電、下アームのスナバコンデンサ13は放電される。すなわち、加熱コイル11→共振コンデンサ4→スナバコンデンサ12→加熱コイル11の経路と、加熱コイル11→共振コンデンサ5→スナバコンデンサ13→加熱コイル11の経路である。スイッチング回路の出力電圧Voが徐々に減少し、下アームのダイオード9に順方向の電圧が印加されると、電流ILcは環流電流として、次の2つの径路を流れ続ける。すなわち、加熱コイル11→共振コンデンサ4→コンデンサ22→コンデンサ23→ダイオード9→加熱コイル11の経路と、加熱コイル11→共振コンデンサ5→ダイオード9→加熱コイル11の経路である。共振コンデンサ5及びコンデンサ22,23は環流電流によって充電されるため、Vc5及びVc22,Vc23は徐々に増加する。一方、共振コンデンサ4は放電状態となり、Vc4は徐々に減少する。この期間、下アームスイッチング素子7のゲート信号はオンになるが、電流の極性が変わらない限り、ダイオード9を流れ続ける。
前記実施形態と全く同一であるので、重複説明を避ける。
次に、スイッチング素子7のゲート信号がオフになると、電流ILcは負の極性を有しており、この電流は、次の2つの径路で流れ続け、上アームのスナバコンデンサ12は放電、下アームのスナバコンデンサ13は充電される。すなわち、加熱コイル11→スナバコンデンサ12→共振コンデンサ4→加熱コイル11の経路と、加熱コイル11→スナバコンデンサ13→共振コンデンサ5→加熱コイル11である。以下、スイッチング回路の出力電圧Voが徐々に増加し、上アームのダイオード8に順方向の電圧が印加され、電流ILcが環流電流として流れ続け、その後の動作は前述実施形態と同じである。
図10は、本発明の第3の実施形態による電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付しており説明は省略する。図1と異なる点は、整流ダイオード14,15の第2のダイオード直列回路とスイッチング素子30が追加された点である。第2のダイオード直列回路と、第1のダイオード直列回路とが並列に接続されており、第1,第2のダイオード直列回路の各直列接続点間に、商用交流電源1とリアクトル21が直列に接続されている。また、第2のダイオード直列回路と第2のコンデンサ直列回路の各直列接続点間に、スイッチング素子30が接続されている。
図11は、本発明の第4の実施形態である電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付し、重複説明は避ける。図1の実施形態では、直流電圧が非平滑のため、加熱コイルに流れる電流は商用周波数で脈動した波形になる。しかしながら、銅又はアルミ製等の被加熱物を加熱した場合、脈動した電流で誘導加熱を行うと商用周波数に起因したうなり音が被加熱物から発生する。
図13は、本発明の第5の実施形態による電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付し、重複説明は避ける。本実施形態では、直流電圧を平滑するために、コンデンサ22,23の容量を十分に大きくする。従って、前述したようにコンデンサインプット型の平滑回路となるため、入力電流に多くの高調波を含むことになり、高調波を抑制する回路が必要となる。そこで、本実施形態では、交流電源1に対しリアクトル21を負荷とする短絡回路40を設け、商用周波数の半周期毎に短絡回路40を動作させることにより入力電流の高調波を低減する。短絡回路40は、ダイオード整流回路42と、スイッチング素子41から構成されている。
図15は、本発明の第6の実施形態による電磁誘導加熱装置の回路構成図である。図11と同一部分については同一符号を付し、説明は省略する。図11の実施形態においては、チョッパ回路60は昇圧形であるため、コンデンサ22及びコンデンサ23の電圧は交流電源1の電圧より高くなる。本実施形態では、チョッパ回路601は、リアクトル21、スイッチング素子46、ダイオード48から構成される第1の降圧チョッパ回路と、リアクトル21、スイッチング素子47、ダイオード49から構成される第2の降圧チョッパ回路を設けている。これにより、コンデンサ22及びコンデンサ23の電圧を交流電源1の電圧より低く、即ち降圧制御を行いながら、入力電流の高調波を抑制することができる。
図19は、本発明の第7の実施形態による電磁誘導加熱装置の要部回路構成図である。図1と同一部分については同一符号を付し、説明は省略する。図19において、図1の実施形態と異なる点は、各共振コンデンサ4,5に、それぞれ共振コンデンサ25,26とスイッチング素子31,32の直列回路を並列に接続した点である。通常、加熱コイル11側からみたコイル及び磁気結合している被加熱物の等価インピーダンスは、被加熱物の材質によって大きく異なる。一般に材質が磁性の場合は、等価インダクタンス及び等価抵抗は大きく、非磁性の場合は共に小さくなる。従って、材質によって共振周波数が大きく異なるため、共振コンデンサの容量を切替え、ほぼ同一の共振周波数にすることが望ましい。これまでの実施形態では、共振コンデンサの容量は固定であった。本実施形態では、負荷となる被加熱物の材質、形状や電力に応じて、スイッチング素子31,32をオンオフ制御し、等価的に共振コンデンサ4,5の容量を変え、被加熱物を最適な条件で加熱することができる。
図20は、本発明の第8の実施形態による電磁誘導加熱装置の要部回路構成図である。図8と同一部分については同一符号を付し、説明は省略する。図20において、図8の第2の実施形態と異なる点は、加熱コイル11,16及び直列接続した共振コンデンサ4,5及び27,28からなるコンデンサ直列回路をそれぞれ2組設けている点である。図20において、直列接続された共振コンデンサ4,5からなるコンデンサ直列回路と、直列接続された共振コンデンサ27,28からなるコンデンサ直列回路とが並列に接続されて第1の(共振用の)コンデンサ直列回路を構成している。前記コンデンサ4,5の直列接続点と第1のスイッチング回路の直列接続点間には、スイッチング素子33を介して加熱コイル11が接続されている。他方、前記コンデンサ27,28の直列接続点と第1のスイッチング回路の直列接続点間には、スイッチング素子34を介して加熱コイル61が接続されている。又、第2のコンデンサ直列回路(22,23)の直列接続点と前記コンデンサ27,28の直列接続点間には、リアクトル29が接続されている。
図21は、本発明の第9の実施形態による電磁誘導加熱装置の要部回路構成図である。図20と同一部分については同一符号を付し、説明は省略する。図21において、図20と異なる点は、直列に接続した加熱コイル11,62と、直列接続した共振コンデンサ4,5及び27,28からなるコンデンサ直列回路を2組設けている点である。図21において、加熱コイル11とスイッチング素子33の直列接続点と、コンデンサ27,28の直列接続点間には、スイッチング素子35を介して加熱コイル62が接続されている。
Claims (10)
- 交流電源と、この交流電源の電圧を整流する整流器と、この整流器の出力を入力して加熱コイルに高周波電力を供給するインバータを備え、このインバータは、直列接続した共振コンデンサからなる第1のコンデンサ直列回路と、直列接続した2つのスイッチング素子からなるスイッチング回路とを並列に接続し、2つの前記スイッチング素子はそれぞれ逆並列にダイオードを備え、前記第1のコンデンサ直列回路と前記スイッチング回路の各直列接続点間に前記加熱コイルを接続した電磁誘導加熱装置において、電源側の高調波抑制フィルタ用として2つのコンデンサを直列接続した第2のコンデンサ直列回路を、共振用の前記第1のコンデンサ直列回路と並列接続するとともに、これら第1のコンデンサ直列回路と第2のコンデンサ直列回路の各直列接続点間に、商用周波数の低周波では低インピーダンス、駆動周波数の高周波では高インピーダンスであるリアクトルを接続したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 交流電源と、この交流電源の電圧を整流する整流器と、この整流器の出力を入力して加熱コイルに高周波電力を供給するインバータを備え、このインバータは、直列接続した共振コンデンサからなる第1のコンデンサ直列回路と、直列接続した2つのスイッチング素子からなるスイッチング回路とを並列に接続し、2つの前記スイッチング素子はそれぞれ逆並列にダイオードを備え、前記第1のコンデンサ直列回路と前記スイッチング回路の各直列接続点間に前記加熱コイルを接続した電磁誘導加熱装置において、前記第1のコンデンサ直列回路と並列に接続され、2つのコンデンサを直列接続した第2のコンデンサ直列回路と、前記第1、第2のコンデンサ直列回路の各直列接続点間に接続したリアクトルを備えたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1または2において、前記整流器を構成するために2つのダイオードを直列接続したダイオード直列回路と、このダイオード直列回路と前記第2のコンデンサ直列回路の各直列接続点間に前記交流電源と第2のリアクトルの直列回路を接続したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1または2において、前記整流器を構成するためにそれぞれが2つのダイオードを直列接続した2組のダイオード直列回路と、これら2組のダイオード直列回路の各直列接続点間に前記交流電源と第2のリアクトルの直列回路を接続したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記第2のコンデンサ直列回路と、直列接続したダイオードからなる第1の整流回路と、直列接続したダイオードからなる第2の整流回路とを並列に接続し、前記第1、第2の整流回路の各直列接続点間に交流電源と第2のリアクトルを直列に接続し、前記第1、第2の整流回路のいずれか一方の直列接続点と前記第2のコンデンサ直列回路の直列接続点間にスイッチング素子を接続したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記整流器の出力側から前記第2のコンデンサ直列回路へ向って接続された昇圧チョッパを備えたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記整流器の出力側から前記第2のコンデンサ直列回路へ向って接続された昇降圧チョッパを備えたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記交流電源を、第2のリアクトルを介して短絡する短絡回路を備えたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記第1のコンデンサ直列回路のそれぞれのコンデンサに並列に挿脱可能に付加コンデンサを備えたことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
- 請求項1〜9のいずれかにおいて、前記インバータは、前記第1のコンデンサ直列回路を複数備え、前記第1のスイッチング回路の直列接続点と複数の前記第1のコンデンサ直列回路のそれぞれの直列接続点との間に、それぞれ加熱コイルを接続したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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