JP2003257606A - 誘導加熱装置の制御方法 - Google Patents

誘導加熱装置の制御方法

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JP2003257606A
JP2003257606A JP2002056100A JP2002056100A JP2003257606A JP 2003257606 A JP2003257606 A JP 2003257606A JP 2002056100 A JP2002056100 A JP 2002056100A JP 2002056100 A JP2002056100 A JP 2002056100A JP 2003257606 A JP2003257606 A JP 2003257606A
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heating coil
induction heating
switching element
series circuit
capacitor
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JP2002056100A
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English (en)
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Michio Tamate
道雄 玉手
Kazuaki Mino
和明 三野
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱コイルへの供給電力を広範囲に制御可能
とし、また、複数台の誘導加熱装置を同時に使用する場
合の干渉音や電磁ノイズ、電力損失の低減を可能にす
る。 【解決手段】 ダイオード21,22の直列回路と、共
振コンデンサ4,5の直列回路と、半導体スイッチング
素子6,7及びダイオード8,9を有するスイッチング
アームの直列回路とを並列接続し、前記ダイオード直列
回路の内部接続点と前記コンデンサ直列回路の内部接続
点との間に単相交流電源1を接続すると共に、前記スイ
ッチングアーム直列回路の内部接続点と前記コンデンサ
直列回路の内部接続点との間に加熱コイル10を接続
し、前記スイッチングアームまたは加熱コイル10に並
列にコンデンサ11または12,13を接続してなる誘
導加熱装置の制御方法において、半導体スイッチング素
子6の導通比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭やレスト
ランなどで使用される誘導加熱調理器や金属溶解、シー
ムレス溶接などに使用される産業用誘導加熱装置の制御
方法に関し、詳しくは、半導体スイッチング素子を用い
て商用周波数等の単相交流電源から高周波交流電力を作
り出す誘導加熱装置において、加熱コイルへの供給電力
の制御範囲を拡大すると共に、複数台の誘導加熱装置を
同時に使用する場合の干渉音や電磁ノイズ、電力損失の
低減を可能にした制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の誘導加熱装置の主回路を
示している。図9において、単相交流電源1にはダイオ
ードブリッジからなる整流回路2が接続され、整流回路
2の直流側には、平滑用のコンデンサ3と、2個の共振
コンデンサ4,5からなるコンデンサ直列回路と、互い
に逆並列接続された半導体スイッチング素子6及びダイ
オード8からなるスイッチングアーム、並びに、半導体
スイッチング素子7及びダイオード9からなるスイッチ
ングアームにより構成されたスイッチングアーム直列回
路とが、各々並列接続されている。また、前記コンデン
サ直列回路の内部接続点と、前記スイッチングアーム直
列回路の内部接続点との間には、加熱コイル10が接続
されている。なお、100は電力変換回路を構成する主
回路である。
【0003】上記構成において、交流電源1の電圧は整
流回路2により整流され、コンデンサ3の電圧は常に正
の直流電圧となる。スイッチング素子6をオンすると、
共振コンデンサ4→スイッチング素子6→加熱コイル1
0→共振コンデンサ4の経路で電流を供給する。次に、
スイッチング素子6をオフさせると、加熱コイル10の
電流は加熱コイル10→共振コンデンサ5→ダイオード
9→加熱コイル10の経路に転流する。このとき、スイ
ッチング素子7をオンさせると、電流はスイッチング素
子7を通る経路に反転し、共振コンデンサ5から加熱コ
イル10に電流が供給される。この状態でスイッチング
素子7をオフさせると、加熱コイル10の電流は加熱コ
イル10→ダイオード8→共振コンデンサ4→加熱コイ
ル10の経路に転流する。このとき、スイッチング素子
6をオンさせると、電流はスイッチング素子6を通る経
路に反転する。このような動作を高周波で繰り返すこと
により、加熱コイル10には高周波の交流電流が供給さ
れる。
【0004】図10に、スイッチング素子6のスイッチ
ング周期に対するオン期間(導通比λ)を変化させたと
きの各部波形を示す。なお、図10において、vg6
はそれぞれスイッチング素子6,7のゲート信号
を、vc4,vc5はそれぞれ共振コンデンサ4,5の
電圧を、is6,is7はそれぞれスイッチング素子
6,7の電流を、iLoは加熱コイル10に供給される
電流である。
【0005】図10(b),(c)から明らかなよう
に、スイッチング素子6の導通比λを0.5より大きく
しても、加熱コイル10に供給される電流iLoの振幅
は大きくならない。これは、スイッチング素子6の導通
比を0.5以上にすると、電源として働く共振コンデン
サ4の電圧vc4の直流成分が共振コンデンサ5の電圧
c5の直流成分より小さくなり、負荷に供給する電流
が増加しないためである。また、図10(a)の導通比
λ=0.3と図10(c)の導通比λ=0.7における
Loの波形は、正負の極性が異なるだけで負荷に供給
する電力は等しくなる。図11は、導通比λに対する負
荷への供給電力の依存性(以下、電力依存性という)を
示すものであり、導通比λ=0.5で供給電力は最大に
なり、導通比λと(1−λ)のときの供給電力は等しく
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】導通比λ=0.5で最
大電力が得られる特性を持つ誘導加熱装置を動作周波数
一定で、導通比を制御して動作させようとすると、加熱
コイル10に載せた被加熱物の形状や材質によって負荷
条件が変わり、予め設定していた動作周波数では定格ま
での電力が得られないという問題がある。また、上記の
特性を持つ誘導加熱装置を交流電源1に対して複数台並
列に接続した例を図12に示す。ここでは2台の誘導加
熱装置を並列接続した例を示し、図12における主回路
100A’,100B’は何れも図9の主回路100と
同様に構成されている。また、10A,10Bは加熱コ
イルであり、そのインダクタンスをそれぞれL01,L
02とする。
【0007】いま、加熱コイル10A,10Bにそれぞ
れ異なる形状や材質の被加熱物を載せると、負荷条件
(インダクタンス値等)が変化し、主回路100A’,
100B’の動作周波数に対する電力依存性(導通比λ
=0.5で一定、動作周波数制御時)は図13(a)に
示すように異なる。各加熱コイル10A,10Bにおい
てそれぞれ最大電力が得られる周波数f,fは、主
回路100A’,100B’内の共振コンデンサと負荷
のインダクタンス成分との共振周波数である。よって、
各主回路100A’,100B’から出力する高周波交
流の周波数が前記共振周波数f,fより高い場合に
は、個々の主回路100A’,100B’から見た負荷
側の力率が遅れ(ソフトスイッチング)領域となる。一
方、各主回路100A,100Bから出力する高周波交
流の周波数が前記共振周波数f,fより低い場合に
は、個々の主回路100A’,100B’から見た負荷
側の力率が進み(ハードスイッチング)領域となる。
【0008】それぞれの誘導加熱装置の力率を遅れ領域
で動作させるために、主回路100A’,100B’に
対する動作周波数を個別に変化させて加熱コイル10
A,10Bへの供給電力を調整する制御方法がある。し
かし、二つの主回路100A’,100B’の動作周波
数が異なると、その差の周波数Δfが干渉音として発生
してしまう問題がある。一方、干渉音をなくすために動
作周波数を等しくして動作させる場合には、動作周波数
を、例えば図13(a)のfやfに設定する方法が
ある。しかしながら、動作周波数をfに設定した場合
には、主回路100B’側の力率が進み領域になるため
に常にハードスイッチングで動作することになり、電力
損失や電磁ノイズが増加してこれらを低減するための冷
却対策やノイズの低減対策が要求されるという問題があ
る。
【0009】次に、動作周波数をfに設定した場合の
導通比に対する電力依存性を図13(b)に示す。定格
電力をPのように設定すると、加熱コイル10A側で
は定格までの電力が得られなくなり、供給電力の制御範
囲が狭くなるという問題がある。
【0010】そこで本発明は、供給電力を広範囲に制御
可能とし、また、複数台の誘導加熱装置を同時に使用す
る場合の干渉音や電磁ノイズ、電力損失の低減を可能に
した誘導加熱装置の制御方法を提供しようとするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
従来技術において導通比λ=0.5で最大電力が得ら
れ、供給電力の制御範囲が狭くなるという課題を解決す
るものである。すなわち、この発明は、2個のダイオー
ドからなるダイオード直列回路と、2個の共振コンデン
サからなるコンデンサ直列回路と、逆並列接続された半
導体スイッチング素子及びダイオードからそれぞれ構成
された2個のスイッチングアームからなるスイッチング
アーム直列回路とを並列接続し、前記ダイオード直列回
路の内部接続点に単相交流電源の一端を接続し、前記コ
ンデンサ直列回路の内部接続点に単相交流電源の他端を
接続すると共に、加熱コイルの一端を前記スイッチング
アーム直列回路の内部接続点に接続し、前記加熱コイル
の他端を前記コンデンサ直列回路の内部接続点に接続
し、更に、前記スイッチングアームまたは前記加熱コイ
ルに並列にコンデンサを接続してなる誘導加熱装置にお
いて、前記半導体スイッチング素子の導通比を制御する
ものである。
【0012】請求項2記載の発明は、複数台の誘導加熱
装置を並列接続して使用する場合に干渉音が発生したり
供給電力の制御範囲が狭いという課題を解決するもので
ある。すなわち、この発明は、請求項1に記載した誘導
加熱装置を複数台、単相交流電源に対して並列に接続
し、各誘導加熱装置の動作周波数を同一に設定すると共
に半導体スイッチング素子の導通比を各誘導加熱装置ご
とに個別に制御するものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2と同様に
複数台の誘導加熱装置を並列接続して使用する場合に干
渉音が発生したり供給電力の制御範囲が狭いという課題
を解決するものであり、共振形の誘導加熱装置全般に適
用可能な制御方法である。すなわち、この発明は、共振
コンデンサと半導体スイッチング素子とを有する主回路
と、加熱コイルとを備え、前記半導体スイッチング素子
をスイッチングして前記共振コンデンサと加熱コイルと
の共振作用により単相交流電源から高周波交流電力を作
り出し、この高周波交流電力を前記加熱コイルに供給す
る誘導加熱装置において、この誘導加熱装置を複数台、
単相交流電源に対して並列に接続すると共に、各加熱コ
イルに直列にリアクトルをそれぞれ接続して各誘導加熱
装置の最大電力が得られる共振周波数を近付けるもので
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る誘導
加熱装置の主回路構成図であり、請求項1の発明に相当
する。図1に示す主回路101において、ダイオード2
1,22からなるダイオード直列回路と、共振コンデン
サ4,5からなるコンデンサ直列回路と、互いに逆並列
接続された半導体スイッチング素子6及びダイオード8
からなるスイッチングアーム、並びに、半導体スイッチ
ング素子7及びダイオード9からなるスイッチングアー
ムにより構成されたスイッチングアーム直列回路とが、
各々並列に接続されている。
【0015】また、前記ダイオード直列回路の内部接続
点とコンデンサ直列回路の内部接続点との間には、単相
交流電源1が接続されている。更に、スイッチングアー
ム直列回路の内部接続点とコンデンサ直列回路の内部接
続点との間には、加熱コイル10が接続され、この加熱
コイル10の両端にはコンデンサ11が接続されてい
る。
【0016】図2は本発明の第2実施形態に係る誘導加
熱装置の主回路構成図であり、この実施形態も請求項1
の発明に相当する。図2に示した主回路102は図1の
主回路101を変形したものであり、図1におけるコン
デンサ11を除去すると共に、各スイッチングアームに
並列にコンデンサ12,13をそれぞれ接続して構成さ
れている。他の構成要素は図1と同一である。
【0017】次に、図1の実施形態の動作を説明する。
交流電源電圧が正(ダイオード21側を正極性とする)
の期間にスイッチング素子6をオンさせると、交流電源
1→ダイオード21→スイッチング素子6→加熱コイル
10→交流電源1の経路で加熱コイル10の電流が増加
する。この時、コンデンサ11はスイッチング素子6側
が正になるように充電されており、この極性を正極性と
する。ここで、交流電源1にはダイオード21を介して
共振コンデンサ4が並列に接続されているので、高周波
的には、共振コンデンサ4から加熱コイル10の電流が
供給される。
【0018】スイッチング素子6をオフさせると、加熱
コイル10の電流はコンデンサ11に流れ込むため、コ
ンデンサ11の電圧は緩やかに低下し、スイッチング素
子6は零電圧ターンオフ動作となる。コンデンサ11の
電圧が低下すると次にダイオード9が自然に導通し、加
熱コイル10を介して共振コンデンサ5を正の極性に充
電する。この時、スイッチング素子7をオンさせると、
共振コンデンサ5と加熱コイル10とは共振回路を構成
しているので、電流はスイッチング素子7を通る経路に
反転し、コンデンサ5は負の方向に充電される。この状
態でスイッチング素子7をオフさせると、加熱コイル1
0の電流はコンデンサ11を放電させる。
【0019】その後、スイッチング素子7の電圧は緩や
かに上昇し、スイッチング素子7は零電圧ターンオフ動
作となる。次にダイオード8が自然に導通し、コンデン
サ4を充電する。この時、スイッチング素子6をオンさ
せるとコンデンサ4と加熱コイル10とは共振回路を構
成しているので、電流はスイッチング素子6を通る経路
に反転する。
【0020】以上のような動作を高周波で繰り返すこと
により、加熱コイル10には高周波の電流が供給され
る。また、交流電源電圧が負の期間には、スイッチング
素子6,7の動作を交流電源電圧が正の期間の動作と逆
にするだけで、全体の動作は同様となる。
【0021】また、図2の実施形態では、交流電源電圧
が正の期間にスイッチング素子6をオンさせると、交流
電源1→ダイオード21→スイッチング素子6→加熱コ
イル10→交流電源1の経路で加熱コイル10の電流が
増加する。この場合も、高周波的には共振コンデンサ4
から加熱コイル10に電流が供給されることになる。
【0022】次に、スイッチング素子6をオフさせる
と、加熱コイル10の電流はコンデンサ12を充電し、
かつコンデンサ13を放電する方向にコンデンサ5に流
れ込み、コンデンサ12の電圧は緩やかに上昇するので
スイッチング素子6は零電圧ターンオフ動作となる。そ
の後、ダイオード9が自然に導通し、加熱コイル10を
流れる電流がコンデンサ5を充電する。この時、スイッ
チング素子7をオンさせると、コンデンサ5と加熱コイ
ル10とは共振回路を構成しているので、電流はスイッ
チング素子7を通る経路に反転する。この状態でスイッ
チング素子7をオフさせると、加熱コイル10の電流は
コンデンサ13を充電し、かつコンデンサ12を放電す
る方向にコンデンサ4に流れ込み、コンデンサ13の電
圧は緩やかに上昇するのでスイッチング素子7は零電圧
ターンオフ動作となる。
【0023】次にダイオード8が自然に導通し、加熱コ
イル10を流れる電流がコンデンサ4を充電する。この
時、スイッチング素子6をオンさせるとコンデンサ4と
加熱コイル10とは共振回路を構成しているので、電流
はスイッチング素子6を通る経路に反転する。このよう
な動作を高周波で繰り返すことにより、加熱コイル10
には高周波の電流が供給される。交流電源電圧が負の期
間には、スイッチング素子6,7の動作を正の期間の動
作と逆にするだけで、全体の動作は同様となる。
【0024】さて、上記各実施形態において、交流電源
電圧が正のときに加熱コイル10に電力を供給する期間
は、スイッチング素子6がオンしている期間である。こ
こで、図3に、スイッチング素子6のスイッチング周期
に対するオン期間(導通比λ)を変化させたときの各部
波形を示す。なお、図3において、vg6,vg7はそ
れぞれスイッチング素子6,7のゲート信号を、
c4,vc5はそれぞれ共振コンデンサ4,5の電圧
を、is6,is7はそれぞれスイッチング素子6,7
の電流を、iLoは加熱コイル10に供給される電流で
ある。
【0025】図3によれば、スイッチング素子6の導通
比λを大きくすると、加熱コイル10を流れる電流i
Loの振幅が大きくなる。ここで、高周波的に電源とし
て働く共振コンデンサ4は、ダイオード21を介して交
流電源1に並列に接続されているため、共振コンデンサ
4の電圧は交流電源1の電圧となる。図3(c)と従来
技術の図10(c)とを比較すると、共振コンデンサ4
の電圧vc4の直流成分が低下しないため、スイッチン
グ素子6の導通比を大きくするほど負荷への供給電力を
増加させることができる。図4はスイッチング素子6の
導通比に対する電力依存性を示しており、導通比を0.
5以上にすることで加熱コイル10への供給電力の制御
範囲を大きくすることができる。
【0026】次に、図5は本発明の第3実施形態を示す
構成図である。この実施形態は請求項2に対応するもの
であり、複数(図示例では2台)の誘導加熱装置を交流
電源1に対して並列に接続した構成となっている。図5
において、100A,100Bは同一構成の主回路であ
り、前記図1または図2に示した主回路101または1
02からなるものである。また、10A,10Bは加熱
コイルであり、そのインダクタンスをL01,L02
する。
【0027】図6(a)は、加熱コイル10A,10B
に異なる形状や材質の被加熱物を載せ、スイッチング素
子6の導通比をλ=0.5一定としたときの周波数に対
する電力依存性を示すものである。ここで、干渉音をな
くすために主回路100A,100Bの動作周波数を等
しくし、何れの主回路100A,100Bに対する負荷
の力率も遅れ(ソフトスイッチング)領域となる周波数
で動作させた場合の主回路100A,100Bのス
イッチング素子6の導通比に対する電力依存性を、図6
(b)に示す。
【0028】図1または図2に示した主回路101また
は102は、スイッチング素子6の導通比を大きくする
ほど供給電力が増加するため、加熱コイル10A(主回
路100A)側の導通比λを0.5よりも大きく設定
し、また、加熱コイル10B(主回路100B)側の導
通比λを0.5よりも小さく設定することで、どちら
も定格電力を得ることができる。よって、各加熱コイル
10A,10Bの負荷条件が異なる場合にも、導通比を
個別に調節することで供給電力を定格まで制御すること
ができ、しかも、同時に力率を遅れ(ソフトスイッチン
グ)領域で動作させることができる。このようにソフト
スイッチングで動作させることで、電力損失の低減に伴
う効率の向上、冷却体の小形化、簡略化も期待される。
【0029】図7は、本発明の第4実施形態を示す構成
図である。この実施形態は請求項3に対応するものであ
り、複数台(図示例では2台)の誘導加熱装置を交流電
源1に対して並列に接続した構成となっている。本実施
形態において、主回路100A,100Bは同一構成で
あるが、図1または図2の主回路101または102を
始めとして全ての共振形の主回路を使用することができ
る。すなわち、本実施形態は、共振コンデンサと半導体
スイッチング素子とを有する主回路100A,100B
と、加熱コイル10A,10Bとを備え、半導体スイッ
チング素子をスイッチングして共振コンデンサと加熱コ
イル10A,10Bとの共振作用により単相交流電源1
から高周波交流電力を作り出し、この高周波交流電力を
加熱コイル10A,10Bに供給する共振形の誘導加熱
装置に適用される。そしてこの実施形態では、主回路1
00A,100Bに接続される加熱コイル10A,10
Bにそれぞれ直列に、リアクトル14A,14B(それ
ぞれのインダクタンスをL,Lとする)を接続した
構成となっている。
【0030】図8(a)は、加熱コイル10A,10B
に異なる形状や材質の被加熱物を載せ、スイッチング素
子6の導通比をλ=0.5一定としたときの動作周波数
に対する電力依存性を示すものである。ここで、最大電
力が得られる周波数f,f は、主回路100A,1
00Bの共振コンデンサ(その容量をCとする)と、
被加熱物を載せたときの加熱コイル10A,10Bのイ
ンダクタンスLo1,Lo2、及び直列に接続されたリ
アクトル14A,14BのインダクタンスL,L
共振周波数であるため、以下の数式1,数式2で求める
ことができる。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】よって、数式1,数式2から、最大電力が
得られる周波数の比は数式3となる。
【0034】
【数3】
【0035】これに対し、前述の図12に示した、リア
クトルを接続しない場合の最大電力が得られる周波数f
,fと周波数比とは、数式4,5,6によって求め
られる。
【0036】
【数4】
【0037】
【数5】
【0038】
【数6】
【0039】数式3と数式6との比較から、図7のよう
にリアクトル14A,14Bを追加した場合には、追加
しない場合に比べて共振周波数の比が1に近付く。すな
わち、最大電力が得られる周波数fとfとが近付く
ことになり(図8(a)のf ’→f)、共振周波数
の差を抑制して干渉音の発生を抑制することができる。
なお、図8(a)における特性線10B’は、図13
(a)における特性線10Bに相当する。例えば、被加
熱物によってLo1がLo2の2倍になるとき(Lo1
=2L )、図12のように加熱コイルにリアクトル
が直列接続されない場合には、数式6により最大電力が
得られる周波数の比は数式7となる。
【0040】
【数7】
【0041】これに対し、例えば、加熱コイル10Aの
インダクタンスLo1の2倍のインダクタンスL,L
(L=L=2Lo1)を持つリアクトル14A,
14Bを追加した場合には、数式3から次の数式8が得
られ、最大電力が得られる周波数f,fの比の差を
約0.77倍に縮めることができる。
【0042】
【数8】
【0043】これにより、干渉音をなくすために動作周
波数を一定とし、何れの主回路100A,100Bに対
しても負荷の力率が遅れ(ソフトスイッチング)領域と
なる周波数で動作させることができる。例えば、定格電
力を図8(a),(b)におけるPとしたとき、動作周
波数をfに設定した場合のスイッチング素子の導通比
に対する電力依存性を図8(b)に示す。動作周波数f
において、主回路100A側は導通比λ=0.5で
動作させ、主回路100B側は導通比λを0.5より
も小さくして動作させることで、何れの側の被加熱物に
対しても定格までの電力を供給することができる。
【0044】上記のように、リアクトル14A,14B
を加熱コイル10A,10Bとそれぞれ直列に接続する
ことで各誘導加熱装置の共振周波数が近付き、複数の加
熱コイルに負荷条件が異なる被加熱物を載せたときも、
定格までの電力が得られると共に、力率を遅れ(ソフト
スイッチング)領域で動作させることができる。ソフト
スイッチングで動作させることで、電磁ノイズの低減や
効率の向上、冷却装置の小形化、簡略化が可能になる。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、一方の半導体スイッチング素子の導通比を大きくす
るほど加熱コイルへの供給電力を増加させることがで
き、これによって供給電力の制御範囲を従来よりも拡大
することが可能である。また、請求項2または3記載の
発明によれば、複数の加熱コイルに異なる形状や材質の
被加熱物を載せて加熱する場合のように異なる負荷条件
で同時に使用する際の干渉音の発生や供給電力の制御範
囲が狭くなる問題を解決することができる。また、複数
の誘導加熱装置を何れも遅れ力率で動作させることで、
ソフトスイッチングによって電磁ノイズの低減、効率の
向上並びに冷却装置の小形化、簡略化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す主回路構成図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態を示す主回路構成図であ
る。
【図3】第1実施形態及び第2実施形態の動作波形図で
ある。
【図4】第1実施形態及び第2実施形態におけるスイッ
チング素子の導通比−電力依存性の特性図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す構成図である。
【図6】第3実施形態における周波数−電力依存性、及
び、スイッチング素子の導通比−電力依存性の特性図で
ある。
【図7】本発明の第4実施形態を示す構成図である。
【図8】第4実施形態における周波数−電力依存性、及
び、スイッチング素子の導通比−電力依存性の特性図で
ある。
【図9】従来技術を示す主回路の構成図である。
【図10】従来技術におけるスイッチング素子の導通比
に対する各部の電圧、電流等の波形図である。
【図11】従来技術におけるスイッチング素子の導通比
−電力依存性の特性図である。
【図12】従来技術の誘導加熱装置を複数台並列に接続
した場合の構成図である。
【図13】図12に示したシステムにおける周波数−電
力依存性、及び、スイッチング素子の導通比−電力依存
性の特性図である。
【符号の説明】
1 単相交流電源 4,5 共振コンデンサ 6,7 半導体スイッチング素子 8,9,21,22 ダイオード 10,10A,10B 加熱コイル 11,12,13 コンデンサ 14A,14B リアクトル 101,102,100A,100B 主回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K051 AA03 AA06 AA07 AA08 AC07 AC12 AC17 AC19 AD03 AD07 AD23 AD32 BD05 CD33 CD36 3K059 AA03 AA06 AA07 AA08 AA15 AC07 AC12 AC17 AC19 AD03 AD07 AD23 AD32 BD05 CD05 CD32 CD36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個のダイオードからなるダイオード直列
    回路と、2個の共振コンデンサからなるコンデンサ直列
    回路と、逆並列接続された半導体スイッチング素子及び
    ダイオードからそれぞれ構成された2個のスイッチング
    アームからなるスイッチングアーム直列回路とを並列接
    続し、 前記ダイオード直列回路の内部接続点に単相交流電源の
    一端を接続し、前記コンデンサ直列回路の内部接続点に
    単相交流電源の他端を接続すると共に、 加熱コイルの一端を前記スイッチングアーム直列回路の
    内部接続点に接続し、前記加熱コイルの他端を前記コン
    デンサ直列回路の内部接続点に接続し、 更に、前記スイッチングアームまたは前記加熱コイルに
    並列にコンデンサを接続してなる誘導加熱装置におい
    て、 前記半導体スイッチング素子の導通比を制御することを
    特徴とする誘導加熱装置の制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した誘導加熱装置を複数
    台、単相交流電源に対して並列に接続し、各誘導加熱装
    置の動作周波数を同一に設定すると共に半導体スイッチ
    ング素子の導通比を各誘導加熱装置ごとに個別に制御す
    ることを特徴とする誘導加熱装置の制御方法。
  3. 【請求項3】共振コンデンサと半導体スイッチング素子
    とを有する主回路と、加熱コイルとを備え、前記半導体
    スイッチング素子をスイッチングして前記共振コンデン
    サと加熱コイルとの共振作用により単相交流電源から高
    周波交流電力を作り出し、この高周波交流電力を前記加
    熱コイルに供給する誘導加熱装置において、 この誘導加熱装置を複数台、単相交流電源に対して並列
    に接続すると共に、各加熱コイルに直列にリアクトルを
    それぞれ接続して各誘導加熱装置の最大電力が得られる
    共振周波数を近付けることを特徴とする誘導加熱装置の
    制御方法。
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