JP4163653B2 - 光学部品用硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、透明であり、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対しても着色し難く、変質や劣化を起こし難い光学部品を形成するための硬化性組成物に関する。
透明性プラスチックは、ガラスなどの透明性無機材料に比べて成形加工性が良好であることから、光学部材、照明部材、自動車部材などの各種用途に好ましく用いられている。
機械強度、成形加工性に優れた透明性プラスチックを得る材料として、硬化性(メタ)アクリル系組成物が知られており、エチレンオキシドで変性されたビスフェノールAのジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールのエステルジアクリレートおよびフェノキシ(エトキシ)エチルアクリレートを含む硬化性(メタ)アクリル系組成物によって形成される光学部品が開示されている。(例えば、特許文献1)
しかしながら、開示された硬化性(メタ)アクリル系組成物から形成される透明性プラスチックは、芳香族炭化水素構造を有しているため、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する耐光性のレベルとしては、十分なものではなかった。
このように、硬化性(メタ)アクリル系組成物を硬化させて得られる透明性プラスチックは、その無色透明性、耐光性のレベルとしては、ガラスなどの透明性無機材料に比べると、経時的な変色という点でまだまだ低いものであり、例えば太陽電池や屋外電光掲示板などのように、太陽光に直接暴露される屋外で使用される光学部品や、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源を利用する発光ダイオード、光ケーブル、表示装置などの光学部品に用いようとすると、経時的な変色や変質の点で大きな課題を残している。
また、アルキレン(オキシ)ジ(メタ)アクリレート、特定の光重合開始剤、特定の紫外線吸収剤を特定割合で含有する光硬化性組成物が開示されている。(例えば、特許文献2)
しかしながら、開示された硬化性(メタ)アクリル系組成物は無色透明性、耐光性は比較的良好であるが、(ポリ)オキシアルキレン鎖の短いものについては硬化時の収縮による成形不具合や寸法安定性などの点において十分なものではなく、ポリオキシアルキレン鎖の長いものについては硬化物の耐水性などの点において十分なものではなかった。
したがって、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、寸法安定性、成形性や硬化物の耐水性に優れた透明性プラスチックの開発が非常に望まれている。
特開平6−263831公報 特許第3055068号公報
本発明の課題は、透明であり、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対しても着色、変質や劣化を起こし難く、また、寸法安定性、成形性や硬化物の耐水性に優れた光学部品形成用の硬化性(メタ)アクリル系組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
まず、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含有してなる従来の組成物において、その硬化物の可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する着色、変質や劣化の要因を探求するべく、組成物中に含まれる組成成分の種類、含有量、製造条件等について検討を行った。
その結果、本発明者は、(1)1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物として芳香族炭化水素構造を含有しないものを用いた場合に、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する着色、変質や劣化が抑制されること、(2)1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含有してなる従来の組成物に微量に含まれているスルホン酸および/またはスルホン酸エステルが可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する着色、変質や劣化の要因の一つとなっていること、(3)下記一般式(1);
−(O−CH−CHR− (1)
(式中n=1〜100、Rは水素、メチル基、エチル基から選ばれる1種類または2種類以上)
で表されるエーテル構造を組成物中に含有させることによって可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する着色、変質や劣化が飛躍的に抑制されることを見出した。そして、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含有してなる組成物中のエーテル構造の含有率を5重量%以上とし、かつ、スルホン酸および/またはスルホン酸エステル含有率を硫黄分換算で100ppm以下とすることによって、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有する光学部品用硬化性組成物を得ることができることを見出した。
また、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)として、水酸基に対しβ水素を含有しない化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を用いることによって更に優れた無色透明性、耐光性を有する光学部品用硬化性組成物を得ることができることを見出した。
また、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)として、分子中に一般式(1)で表されるエーテル構造と2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を用いることによって、エーテル構造を導入することによる耐光性の著しい向上、更にエーテル結合が未反応成分としてではなく重合性成分の中に組み込まれることによる硬化物の耐水性の低下や吸水率の増加の抑制が可能となることも見出した。
さらに、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)として、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシドが付加された化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を用いることによって、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対する着色、変質や劣化がより少なく、硬化物の耐水性の低下や吸水率の増加が抑制され、また強度物性が良好な光学部品用硬化性組成物を得ることができる。
なお、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を含有してなる従来の組成物中にスルホン酸および/またはスルホン酸エステルが微量に含まれている理由は、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物を(メタ)アクリレート化する際に、製造コスト等の問題から、触媒としてスルホン酸系触媒(特に、p−トルエンスルホン酸)を用いた脱水縮合法を行うことが一般化、常識化しており、最終的に洗浄工程や蒸留工程を経ても微量のスルホン酸系触媒が不可避的に残存するためである。そして、スルホン酸系触媒を用いた脱水縮合法以外の方法(例えば、金属アルコラート等を触媒とするエステル交換法)によって1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物を製造することは、製造コスト等の問題から、現在、工業的にはほとんど行われていない。
さらに、組成物中に(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)を含有させることによって、耐光性を保持したまま、その硬化時の収縮による成形不具合や寸法安定性などの課題を解決できることを見出した。
また、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)が、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)と重合可能な反応基を有するものにすることによって、より強度物性の良好な光学部品用硬化性組成物を得ることができる。
すなわち、本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を含有してなる組成物であり、該組成物中に含有される一般式(1)で表されるエーテル構造が5重量%以上、かつスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量が硫黄分換算で100ppm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、透明であり、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源からの光に対しても着色、変質や劣化を起こし難く、寸法安定性、成形性や硬化物の耐水性に優れた光学部品を形成するための硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかる芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)は、芳香族炭化水素構造を含有しておらず、かつ1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であれば、特に限定されない。
芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどのアルカンジオールモノまたはジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、β, β, β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノールなどのモノ(メタ)アクリレートまたはジ(メタ)アクリレート、が挙げられる。
さらには、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリンなどのモノ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、水酸基に対してβ水素を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を含有する化合物、例えばネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、β, β, β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのモノ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アクリレートは、光による劣化や変色に対する耐性が特に高く、特に好ましい。
芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)の製造方法としては、特に限定されないが、好ましくは、ポリオールと(メタ)アクリル酸エステルとの脱アルコール反応により製造する方法(エステル交換法)、および、ポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水反応により製造する方法(脱水縮合法)とが挙げられる。
エステル交換法を行う場合、ポリオールと(メタ)アクリル酸エステルとの仕込みモル比(ポリオール中の水酸基:(メタ)アクリル酸エステル)は、1:1〜1:20が好ましく、1:1.5〜1:10がより好ましく、1:2〜1:5がさらに好ましい。
エステル交換法を行う場合、触媒としては、例えば、アルカリ金属アルコラート、マグネシウムアルコラート、アルミニウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズオキシド、陰イオン交換樹脂などが挙げられる。触媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。なお、反応後は、触媒を除去することが好ましい。
エステル交換法を行う場合、溶媒としては、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、10〜30重量部がさらに好ましい。
エステル交換法を行う場合、反応温度は、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、ポリオールと(メタ)アクリル酸との仕込みモル比(ポリオール中の水酸基:(メタ)アクリル酸)は、1:1〜1:5が好ましく、1:1.01〜1:2がより好ましく、1:1.05〜1:1.5がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには、陽イオン交換樹脂が好ましい。陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)などが挙げられる。陽イオン交換樹脂は、使用前に、トルエン、メタノールなどの有機溶媒および水で十分に洗浄し、イオウ成分が留出しないようにしてから用いることが、本発明の効果を十分に発揮させる上で、より好ましい。触媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。なお、反応後は、触媒を除去することが好ましい。
脱水縮合法を行う場合、溶媒としては、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、10〜30重量部がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、反応温度は、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物中の、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)の含有割合は特に限定されないが、光学部品用硬化性組成物全体に対して、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を10〜95重量%の割合で含むことが好ましく、より好ましくは20〜90重量%、さらに好ましくは30〜85重量%である。芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を上記割合で含むことにより、本発明の効果を十分に発揮することができ、特に、耐熱性、寸法安定性、成形性のバランスの取れた硬化物を与えることができる。上記割合を外れる場合には、本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。
本発明にかかる組成物中に含有される一般式(1)で表されるエーテル構造は、組成物中にどのような形で含有されていてもよく、特に限定されない。例えば、非反応性成分として含有されていてもよく、また反応性成分として含有されていても良い。
非反応性成分としてエーテル構造を含有させる場合、エチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、ブチレングリコールジアルキルエーテル、ポリブチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリブチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、ブチルエチルプロパンジオール、水素化ビスフェノールAなど)のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシド付加物;
ポリオール(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリンなど)のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシド付加物;
などの形で含有させることができ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
反応性成分としてエーテル構造を導入することは、エーテル構造による硬化物の耐水性の低下や吸水率の増加を抑制することができるため好ましく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム開環重合体やブロック開環重合体、ポリアルキレングリコールなどのモノ(メタ)アクリレートやジ(メタ)アクリレート;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど;
芳香族炭化水素構造を含有しないグリコール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシド付加物のモノ(メタ)アクリレートまたはジ(メタ)アクリレート;
ポリオール(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリンなど)のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシド付加物のモノ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アクリレートなど;
メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテルなどの単官能ビニルエーテル;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテルを含有させることができ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
中でも、芳香族炭化水素構造を含有せず、かつ水酸基に対してβ水素を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を含有する化合物、例えばネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、β, β, β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオールの、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキシド付加物のモノ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アクリレートは、光による変色、劣化を特に受けにくく、また耐水性にも優れており、最も好ましい。これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)以外の重合性モノマーを含んでいても良い。
重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル、等の単官能(メタ)アクリレート;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等の単官能(メタ)アクリルアミド;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、等の単官能ビニルエーテル;
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、等の単官能N−ビニル化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、等の単官能ビニル化合物;
無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、等の単官能α,β−不飽和化合物;
ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル;
ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)としては、(メタ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリル酸を50モル%以上含む単量体成分を重合して得られる重合体であれば、特に限定されない。
(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)の原料として使用可能な重合性モノマーは、前述の単官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリルアミド、単官能ビニルエーテル、単官能N−ビニル化合物、単官能ビニル化合物、単官能α,β−不飽和化合物などの他、微量の多官能モノマーを使用することも可能である。
(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体は、1種類のみを含んでいても良いし、2種類以上を含んでいてもよい。
また、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)は、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)と重合可能な反応基を有するものであることが、本発明の組成物を硬化させて得られる光学部品の光学的特性上、特に好ましい。
芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)と重合可能な反応基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)の製造方法としては、
(1)カルボキシル基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へグリシジル基を含有する重合性モノマーを反応させる方法、あるいはグリシジル基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へカルボキシル基を含有する重合性モノマーを反応させる方法;
(2)水酸基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へイソシアネート基を含有する重合性モノマーを反応させる方法、あるいはイソシアネート基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へ水酸基を含有する重合性モノマーを反応させる方法;
(3)水酸基および/またはカルボキシル基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へビニルエーテル基と他の重合性基を含有する重合性モノマーを反応させる方法、あるいはビニルエーテル基と他の重合性基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へ水酸基および/またはカルボキシル基を含有する重合性モノマーを反応させる方法;
(4)水酸基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へ酸無水物基を含有する重合性モノマーを反応させる方法、あるいは酸無水物基を含有する重合性モノマーと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体へ水酸基を含有する重合性モノマーを反応させる方法;
(5)多官能モノマーを含む重合性モノマー組成物を部分的に重合させて、二重結合の一部を重合体の側鎖に残存させる方法;
等が挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるわけではない。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物中の、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)の含有割合は特に限定されないが、光学部品用硬化性組成物全体に対して、5〜50重量%の割合で含むことが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)を上記割合で含むことにより、本発明の効果を十分に発揮することができ、特に、硬化時の収縮が抑えられ、良好な成形性が得られる。上記割合を外れる場合には、本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、重合性オリゴマーを含んでいても良い。
重合性オリゴマーとしては、例えば、
飽和または不飽和の多塩基酸またはその無水物酸(例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)と飽和または不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールベンゼン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート;
多官能エポキシ化合物(例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレート;
多官能オキセタン化合物(例えば、4,4’−ビス[(3−エチニル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸のビス[(3−エチニル−3−オキセタニル)メチル]エステル、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレン等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるオキセタン(メタ)アクリレート;
飽和または不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)との反応で得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;
ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;
ポリアミドと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリアミドポリ(メタ)アクリレート;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)以外のその他重合体を含んでいても良い。
その他重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ケイ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、飽和ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、AS樹脂、EVA樹脂などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、重合開始剤を含んでいても良い。重合開始剤としては、特に限定されないが、光重合開始剤(C1)と熱重合開始剤(C2)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、光重合開始剤(C1)を含むことがより好ましい。光重合開始剤を使用することによって、光学部品の製造効率を向上させることが出来る。光重合開始剤(C1)と熱重合開始剤(C2)とを併用することによって、光重合開始剤による耐光性の低下を最小限に抑えて光学部品の製造効率を向上させることができるため、より好ましい。
光重合開始剤(C1)としては、例えば、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、等のベンゾフェノン類;
2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド、等のチオキサントン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、等のアシルフォスフォンオキサイド類;
などが挙げられ、これらの中でも、芳香族炭化水素を含んでいないものが好ましい。光重合開始剤(C1)として、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤(C2)としては、例えば、
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、等の有機過酸化物系開始剤;
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2´−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、等のアゾ系開始剤;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、熱重合開始剤(C2)とともに熱重合促進剤を含んでいても良い。
熱重合促進剤としては、例えば、
コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウム等の金属石鹸;
1級、2級、3級のアミン化合物;
4級アンモニウム塩;チオ尿素化合物;ケトン化合物;
などが挙げられ、好ましくは、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルである。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物が上記重合開始剤を含む場合、組成物中の重合開始剤の含有割合は、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは0.001〜2重量%、最も好ましくは0.01〜2重量%である。上記含有割合が0.001重量%未満であると、重合性が低下するおそれがあり、10重量%を超えると、耐光性が低下するおそれがある。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物において、光重合開始剤(C1)と熱重合開始剤(C2)とを併用する場合、これらの含有量の比(熱重合開始剤/光重合開始剤(重量比))は、1〜100の範囲が好ましく、より好ましくは2〜100の範囲、さらに好ましくは2〜50の範囲、さらに好ましくは2〜30の範囲、特に好ましくは3〜20の範囲、最も好ましくは5〜20の範囲である。上記含有量の比が1未満であると耐候性向上への効果が小さくなるおそれがあり、100を超えると、活性エネルギー線硬化性が低下するおそれがある。
また、必要により本発明の光学部品用硬化性組成物に、無機微粒子(D)を配合することができる。無機微粒子は組成物を硬化させる際の硬化収縮率を低減させ、クラックや部品の精密な形状、寸法を設計通りに再現させたり、耐熱性や熱伝導率の向上を発現させる。本組成物を使用する光学部品によっても異なるが、透明性が重視される用途には、本組成物の硬化物と屈折率が適合したものを、あるいは最大粒子径が50nm以下のいわゆるナノ微粒子を用いることが必須となる。
本組成物に使用できる無機微粒子としては、例えば、ガラス、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルクなどを挙げることができる。なかでも、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカが、各物性のバランス上好ましく、特に表面をポリマーコーティングされたナノシリカ微粒子が、光学的特性と熱的特性の両立という点で特に好ましい。また、白色LEDの封止に用いる場合には、各種の蛍光体が配合できる。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填材、消泡剤、増粘剤、揺変化剤、レベリング剤、離型剤など、その他の成分を含んでいても良い。特に離型剤の選択は精密な光学部品を成形する際には重要となる。
離型剤としては、例えば、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの金属石鹸;
ビストリデシルスルホこはく酸ナトリウム、ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム、ジヘキシルスルホこはく酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホこはく酸ナトリウム、ジアミルスルホこはく酸ナトリウム、ジイソブチルスルホこはく酸ナトリウム、N−オクタデシルスルホこはく酸アミドジナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホこはく酸アミドテトラナトリウムなどのスルホこはく酸エステル系界面活性剤;
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸などの脂肪酸;
ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール;
メチルステアレート、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘネート、ソルビタンモノステアレートなどの脂肪酸エステル;
信越化学工業株式会社の製品であるKF96、KF965、KF410、KF412、KF4701、KF54、KS61、KM244F、KS702、KF725、KS707、KS800Pなどのシリコーン系離型剤;
オムノバ社の製品である商品名ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−651、PF−652、PF−3320などのフッ素系界面活性剤;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも特にスルホこはく酸エステル系界面活性剤、脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、フッ素系界面活性剤が、透明性を保持したまま離型性を発現できるため好ましい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、耐光性を改善する添加剤として、水酸基含有化合物を含んでいても良い。
水酸基含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,4−オクタンジオール、1,5−オクタンジオール、1,6−オクタンジオール、1,7−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,4−ノナンジオール、1,5−ノナンジオール、1,6−ノナンジオール、1,7−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、組成物中のスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量が硫黄原子換算で100ppm以下であり、かつ組成物中のエーテル構造含有率が5重量%以上であることが重要である。
組成物中のスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量は、硫黄原子換算で好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下、特に好ましくは10ppm以下である。
また、組成物中のエーテル構造含有量は、好ましくは7重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。
従来のメタクリル系樹脂組成物中に微量に含まれているスルホン酸および/またはスルホン酸エステル成分が経時的な変色の要因の一つであること、すなわち、スルホン酸および/またはスルホン酸エステル成分の存在が耐光性の低下に影響を与えることは、これまでに全く知られていなかったことである。また、エーテル構造を導入することにより耐光性の低下を抑制することも全く知られていなかった。さらに、これら2つの因子を最適化することにより、耐光性の低下を飛躍的に抑制できることがわかった。そして、本発明者により得られた本知見に基づき、組成物中のスルホン酸および/またはスルホン酸エステル含有量を硫黄原子換算で100ppm以下という極めて低いレベルにまで下げるとともに、組成物中に5重量%以上のエーテル構造を導入することで、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックを与える材料となることが判った。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物の製造方法は、組成物中のスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量が硫黄原子換算で100ppm以下であり、かつ組成物中のエーテル構造含有率が5重量%以上となるように各種製造条件を調整した方法であれば、特に限定されない。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、好ましくは、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)、および、その他の任意成分を、混合することによって得ることができる。また、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)を部分重合することによって(メタ)アクリル系重合体および/または共重合体と(メタ)アクリル系単量体の混合物を製造し、さらに芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)およびその他の任意成分を混合することによっても得ることができる。さらに、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体を部分重合により得、その官能基と反応し得る別の官能基を有するメタクリレートを混合して反応させることによって、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)、および、その他の任意成分の混合物を製造することもできる。
光学部品用硬化性組成物中のスルホン酸および/またはスルホン酸エステル含有量を硫黄原子換算で100ppm以下とするための手段としては、例えば、以下の手段が挙げられる。
(1)光学部品用硬化性組成物が得られるまでの全ての製造工程においてスルホン酸および/またはスルホン酸エステル成分の使用を避ける。
(2)光学部品用硬化性組成物の製造工程の中において、スルホン酸および/またはスルホン酸エステル成分を使用する場合、スルホン酸および/またはスルホン酸エステル成分を十分に除去する工程を行う。
上記の手段(1)としては、例えば、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を製造する際に用いる触媒としてスルホン酸および/またはスルホン酸エステルの使用を避けることが挙げられる。
前述のように、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)の工業的な製造プロセスにおいては、製造コスト等の問題から、触媒としてスルホン酸系触媒(特に、p−トルエンスルホン酸)を用いた脱水縮合法を行うことが一般化、常識化しており、スルホン酸系触媒を用いた脱水縮合法以外の方法(例えば、金属アルコラート等を触媒とするエステル交換法)によって芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を製造することは、製造コスト等の問題から、現在、工業的にはほとんど行われていない。したがって、上記の手段(1)において、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を製造する際に用いる触媒としてスルホン酸誘導体の使用を避けることは製造コスト等の点では従来と比較して不利となるかもしれない。しかしながら、本発明によれば、かかる不利を補えるだけの優れた効果、すなわち、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックを与えるという効果を発現できるのである。
組成物を硬化して硬化物とするための方法としては、従来から知られている硬化性樹脂組成物の硬化方法が適用でき、例えば、加熱や、活性エネルギー線の照射等により行うことができるが、硬化性の(メタ)アクリル系樹脂組成物の特性等から考えて、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線等の活性エネルギー線や、熱を用いることが好ましい。
本発明にかかる光学部品を得るために硬化させる硬化性組成物は、前述と同様の理由により、さらに光重合開始剤(C1)および熱重合開始剤(C2)を含むことが好ましく、この場合の組成物の硬化は活性エネルギー線を照射することによりなされることが好ましい。
紫外線による硬化の場合、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いることが好ましい。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好適である。これらの光源とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
電子線による硬化は、加速電圧の下限として、好ましくは10kV以上、より好ましくは20kV以上、さらに好ましくは30kV以上、加速電圧の上限として、好ましくは500kV以下、より好ましくは300kV以下、さらに好ましくは200kV以下、である電子線を用いればよい。電子線の照射量は、下限として、2kGy以上が好ましく、3kGy以上がより好ましく、5kGy以上がさらに好ましく、上限として、500kGy以下が好ましく、300kGy以下がより好ましく、200kGy以下がさらに好ましい。電子線とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明においては、光学部品用硬化性組成物組成物が、前述の熱重合開始剤および必要に応じて熱重合促進剤を含むことにより、室温でまたは加熱により硬化する熱硬化性の(メタ)アクリル系樹脂組成物となる。
光学部品用硬化性組成物組成物を室温で硬化させる場合は、下限として−20℃以上が好ましく、上限として50℃以下が好ましい。硬化温度が−20℃を下回ると、硬化スピードが著しく低下して生産性が犠牲となったり、不完全硬化となって優れた硬化物物性が犠牲となったりする可能性がある。また、硬化温度が50℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生する可能性がある。下限としては、0℃以上がより好ましく、上限としては、40℃以下がより好ましい。
熱硬化性の(メタ)アクリル系樹脂組成物を加温により硬化させる場合には、下限として40℃以上が好ましく、上限として180℃以下が好ましい。硬化温度が40℃を下回ると、硬化スピードが著しく低下して生産性が犠牲となったり、不完全硬化となって優れた硬化物物性が犠牲となったりする可能性がある。また、硬化温度が180℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生する可能性がある。下限としては、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、上限としては、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)と多官能(メタ)アクリレートとを含む(メタ)アクリル系樹脂組成物を硬化して得られる(メタ)アクリル系樹脂硬化物であるとともに、上記の特性を有するため、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックである。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成例1〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水したネオペンチルグリコール(以下、NPGと略することがある)135g、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略することがある)400g、カリウムt−ブトキシド(以下、t−BuOKと略することがある)1.35gおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(以下、4H−TEMPOと略することがある)13.5mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、4時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液から未反応のMMAを留去した後、水洗によって未反応のネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールモノメタクリレートおよび触媒を除去してネオペンチルグリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−1)とした。
得られた化合物(M−1)に含まれる硫黄原子の含有率を誘導結合プラズマ分析(Inductively Coupled Plasma:以下、ICPと略することがある)によって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例2〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ネオペンチルグリコールのエチレンオキシド4モル付加物(以下、NPG−4EOと略することがある)311g、MMA400g、ジブチルスズオキシド(以下、DBTOと略すことがある)6.22gおよび4H−TEMPO31.1mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ネオペンチルグリコールへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−2)とした。
得られた化合物(M−2)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例3〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、NPG−4EO311g、MMA400g、t−BuOK3.11gおよび4H−TEMPO31.1mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、4時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ネオペンチルグリコールへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−3)とした。
得られた化合物(M−3)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例4〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、NPG−4EO311g、メタクリル酸(以下、MAAと略すことがある)189g、トルエンおよび水で各々3回ずつ洗浄後乾燥させた陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)25g、トルエン50gおよび4H−TEMPO31.1mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陽イオン交換樹脂をろ過により除去し、更に加熱減圧によってトルエンおよび未反応のMAAを除去してネオペンチルグリコールへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−4)とした。
得られた化合物(M−4)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は7ppmであった。
〔合成例5〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、NPG−4EO311g、メタクリル酸(以下、MAAと略すことがある)189g、p−トルエンスルホン酸(以下、PTSと略すことがある)10g、トルエン50gおよび4H−TEMPO31.1mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、水洗、静置し水層部を分離する操作を3回繰り返し、加熱減圧によってトルエンおよび未反応のMAAを除去してネオペンチルグリコールへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−5)とした。
得られた化合物(M−5)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は340ppmであった。
〔合成例6〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、NPG−4EO311g、アクリル酸エチル400g、DBTO6.22gおよび4H−TEMPO31.1mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するエタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からアクリル酸エチルを留去し、ネオペンチルグリコールへのエチレンオキシド付加物のジアクリレートを得た。これを化合物(M−6)とした。
得られた化合物(M−6)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例7〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ネオペンチルグリコールへエチレンオキシド2モルとプロピレンオキシド2モルを付加した化合物339g、MMA400g、DBTO6.78gおよび4H−TEMPO33.9mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ネオペンチルグリコールへのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−7)とした。
得られた化合物(M−7)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例8〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ブチルエチルプロパンジオールのエチレンオキシド4モル付加物336g、MMA400g、DBTO6.72gおよび4H−TEMPO33.6mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ブチルエチルプロパンジオールへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−8)とした。
得られた化合物(M−8)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例9〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド9モル付加物530g、MMA600g、DBTO10.6gおよび4H−TEMPO53.0mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、トリメチロールプロパンへのエチレンオキシド9モル付加物のトリメタクリレートを得た。これを化合物(M−9)とした。
得られた化合物(M−9)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例10〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ポリエチレングリコール(数平均分子量200)200g、MMA400g、DBTO4.0gおよび4H−TEMPO20.0mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ポリエチレングリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−10)とした。
得られた化合物(M−10)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例11〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物228g、MMA400g、DBTO4.56gおよび4H−TEMPO22.8mgを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液からMMAを留去し、ビスフェノールAへのエチレンオキシド付加物のジメタクリレートを得た。これを化合物(M−11)とした。
得られた化合物(M−11)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例12〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、MMA190g、MAA8.6g、トルエン463gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)0.99gをトルエン50gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で3時間反応を行った後、90℃で2時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。
次に、メトキノン0.68g、メタクリル酸グリシジル156g、テトラフェニルホスフォニウムブロミド2.71gを添加して、空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら100℃に昇温し、酸価が5以下になるまで反応を行った。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−1)得た。
得られた化合物(P−1)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は35000、重量平均分子量(Mw)は78000であった。
また、得られた化合物(P−1)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例13〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、MMA85g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(新中村化学株式会社製、商品名NKエステルM−90G)15g、トルエン100gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)1.5gをトルエン50gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で4時間反応を行った後、90℃で1時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−2)得た。
得られた化合物(P−2)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は14000、重量平均分子量(Mw)は25000であった。
また、得られた化合物(P−2)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例14〕
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えたフラスコにテトラメトキシシラン145g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン23.6g、水19g、メタノール30g、トルエンおよび水で各々3回ずつ洗浄後乾燥させたアンバーリスト15(登録商標)(ローム・アンド・ハース・ジャパン製の陽イオン交換樹脂)5.0gを入れ、65℃で2時間攪拌し反応させた。次に、コンデンサーを蒸留塔に代えて90℃に昇温し、メタノールを留去した後、イオン交換樹脂を濾別して重合性ポリシロキサンを得た。
攪拌装置、温度計、コンデンサー、滴下口、ガス導入管を備えたフラスコに、トルエン200gを入れて窒素ガスを導入し、攪拌しながら内温を100℃に上げた。次に、上記重合性ポリシロキサン20g、MMA180g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6gを混合した溶液を滴下口より2時間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後も同温度で4時間反応を行い、有機ポリマー溶液を得た。
次に、攪拌装置、温度計、コンデンサー、2つの滴下口を備えたフラスコに、酢酸ブチル200g、メタノール50gを入れておき、内温を20℃に調整した。フラスコ内を攪拌しながら上記有機ポリマー溶液20g、テトラメトキシシラン30gと酢酸ブチル30gの混合液を1つの滴下口から、25%のアンモニア水20gとメタノール20gの混合液をもう1つの滴下口から1時間かけて滴下した。滴下後、同温度で2時間攪拌を続けて有機ポリマー複合シリカ微粒子分散液(S−1)を得た。
〔実施例1〜18、比較例1〜3〕
表1および表2に示す配合にて、実施例1〜18および比較例1〜6の光学部品用硬化性組成物を調合した。
実施例1〜17および比較例1〜6の硬化性組成物は表1に示すような比率で十分に混合して均一な溶液にした。実施例18の硬化性組成物は表1に示すような比率で十分に混合した後、加熱減圧して溶媒を除去することによって、無機微粒子が分散した硬化性組成物を得た。これらの硬化性組成物について、エーテル構造含有量とスルホン酸および/またはスルホン酸エステル由来の硫黄原子含有量を下記の方法にて測定した。また、下記硬化方法によってシート状の光学部品を成形し、該成形体について、下記促進耐候性試験によるイエローインデックス変化率、下記体積収縮率、および下記吸水率の測定を行った。
これらの結果を表1および表2にまとめた。なお、表1および表2中において略称で記載したものは、それぞれ以下に示す化合物である。
D−1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:ダロキュア1173)
PBO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルO)
PMMA:ポリメタクリル酸メチル(住友化学株式会社製、商品名スミペックスLG−6A)
PEG200:和光純薬工業社製ポリエチレングリコール(平均分子量200)
PF−656:フッ素系界面活性剤(オムノバ社製、商品名ポリフォックス)
OT−100:ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム(サイテック社製)
HSTA:12−ヒドロキシステアリン酸
<エーテル構造含有量測定方法>
硬化性組成物15mgと48%臭化水素酸200mgを5mlのアルミシールバイアルに入れ、テフロン(登録商標)シリコンセプタムを介して封じ、オーブン中で150℃で2時間加熱して臭素酸分解反応を行った。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのエーテル構造が臭素化されて生成するジブロモエタン、1,2−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタンなどをあらかじめ作成しておいた検量線を元にガスクロマトグラフィーによって定量し、硬化性組成物中のエーテル構造含有量を測定した。
<スルホン酸および/またはスルホン酸エステル由来の硫黄含有量測定方法>
硬化性組成物をトルエンに溶解し、水を添加して分液ロートにてスルホン酸および/またはスルホン酸塩を抽出した。スルホン酸および/またはスルホン酸塩を含む水層を分離してエバポレーターにて濃縮し、更に熱風乾燥機中で完全に水分を除去した後にアセトンに再溶解し、ガスクロマトグラフィーによってスルホン酸量を定量した。
次に分液ロートによって分離した硬化性組成物を含むトルエン層に再度水を添加し、100℃で10時間加熱攪拌することによってスルホン酸エステルをスルホン酸に分解した。分液ロートに入れて水層のみを取り出してエバポレーターにて濃縮し、更に熱風乾燥機中で完全に水分を除去した後にアセトンに再溶解し、ガスクロマトグラフィーによってスルホン酸エステル量を定量した。先に求めたスルホン酸量とスルホン酸エステル量の合計から、硬化性組成物中に含まれるスルホン酸および/またはスルホン酸エステル由来の硫黄含有量を測定した。
<硬化方法>
熱硬化:厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを2枚のガラス板で挟んだケースの中に熱重合開始剤を含むメタクリル系樹脂組成物を注入し、60℃の温水中で1時間かけてゆっくり硬化させた。更に110℃の乾燥機中で2時間かけてポストキュアーした後、ガラス板を取り外して厚さ1mmのシート状光学部品(成形体)を得た。
紫外線(UV)硬化:ガラス板上に厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを配置し、スペーサーで囲まれた部分に光重合開始剤を含むメタクリル系樹脂組成物を流し込んだ。その上から厚さ250μmのPETフィルムを被せて250mW超高圧水銀ランプを用いて主波長365nm、照射強度43mJ/cm2・秒の紫外線を93.2秒照射してシート状光学部品(成形体)を得た。
<促進耐候性試験>
超エネルギー照射試験機(スガ試験機株式会社製)を用いて、光照射を6時間(照射強度100mW/cm2、波長295〜450nm、湿度70%Rh、温度60℃)、結露を6時間(湿度90%Rh以上、温度30℃)を1セットとして10サイクル(すなわち、120時間)の試験を行った。
試験前後の試験片の変色を色差計(日本電色株式会社製、シグマ90システム)を用いて透過モードで測定し、イエローインデックス変化率(ΔYI)で表した。
なお、本促進耐候性試験10サイクルにおける変色は、実際の屋外暴露試験2.5年における変色とほぼ同等であった。
<体積収縮率測定方法>
JIS K 6901に準じて、比重計(東洋精機社製、自動比重計D−H−01型)を用い、硬化性組成物の硬化前の密度(a)と硬化後の密度(b)とを測定し、下記式により体積収縮率を求めた。
体積収縮率(%)=[(硬化後の密度(b)−硬化前の密度(a))/硬化後の密度(b)]×100
<吸水率測定方法>
試験片の大きさを40mm×40mm×1mmとする以外はJIS K 6911に準じて、吸水前の試験片の質量(W1)と吸水後の試験片の質量(W2)とを測定し、下記式により吸水率を求めた。
吸水率(%)=[(吸水後の試験片の質量(W2)−吸水前の試験片の質量(W1))/吸水前の試験片の質量(W1)]×100
Figure 0004163653
Figure 0004163653
本発明にかかる光学部品用硬化性組成物は、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、寸法安定性、成形性、硬化物の耐水性にも優れた透明性プラスチックの材料となるため、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性が要求される用途、例えば、例えば太陽電池や屋外電光掲示板などのように、太陽光に直接暴露される屋外で使用される光学部品や、可視光の短波長領域から紫外領域の発光波長分布を有する光源を利用する発光ダイオード、光ケーブル、表示装置などの光学部品などの各種用途に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を含有してなる組成物であり、
    該(メタ)アクリル酸エステル化物(A)が、水酸基に対しβ水素を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選ばれる1種類または2種類以上のアルキレンオキサイドが付加された化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であり、
    該組成物中に含有される下記一般式(1);
    −(O−CH−CHR− (1)
    (式中n=1〜100、Rは水素、メチル基、エチル基から選ばれる1種類または2種類以上)
    で表されるエーテル構造が5重量%以上、かつスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量が硫黄分換算で100ppm以下であることを特徴とする光学部品用硬化性組成物。
  2. 芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)を含有してなる組成物であり、
    該(メタ)アクリル酸エステル化物(A)が、水酸基に対しβ水素を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物であり、
    該組成物中に含有される下記一般式(1);
    −(O−CH −CHR − (1)
    (式中n=1〜100、R は水素、メチル基、エチル基から選ばれる1種類または2種類以上)
    で表されるエーテル構造が5重量%以上、かつスルホン酸および/またはスルホン酸エステル量が硫黄分換算で100ppm以下であることを特徴とする光学部品用硬化性組成物。
  3. さらに、(メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の光学部品用硬化性組成物。
  4. (メタ)アクリル酸エステルの重合体および/または共重合体(B)が、芳香族炭化水素構造を含有しない1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物の(メタ)アクリル酸エステル化物(A)と重合可能な反応基を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品用硬化性組成物。
  5. さらに、光重合開始剤(C1)および熱重合開始剤(C2)を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学部品用硬化性組成物。
  6. さらに、無機微粒子(D)を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学部品用硬化性組成物。
  7. 可視光の短波長領域から紫外線領域にいたる発光波長分布を有する光源に用いられる光学部品を得るためのものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学部品用硬化性組成物。
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