JP4163275B2 - 加工装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば、工作機械により加工された均質な工業部品(以下、ワークという)、ダイキャスト、射出成形、プレス打抜、ロストワックス鋳造、型鍛造等の方法により製造されたワークであって内周側に被加工部を備えたものに対して、例えば、内周側から面取加工を施すことができるように工夫した加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、工作機械による加工、ダイキャスト、射出成形、プレス打抜、ロストワックス鋳造、型鍛造等の方法により製造されたワークとしては、例えば、図8に示すようなものがある。図8に示すワーク201は、その二次元輪郭が直線と曲線との接続により比較的複雑な形状になっている。又、上記ワーク201はフランジ状をなしていて、中心部に図示しないシャフトが貫通する貫通孔203が形成されていると共に、四隅には図示しない締結ボルトが貫通する貫通孔205が形成されている。又、上記貫通孔205の外周部には、環状凹部207が形成されている。この環状凹部207には凸部209が複数箇所にわたって突設されている。このような構成をなすワーク201は、図示しない別のワークと共に締結・固定されて所定の機器として完成される。
【0003】
ところで、図8に示したようなワーク201の場合には、貫通孔205、205間のピッチ(P1 )、(P2 )等については高い寸法精度が要求されるが、その輪郭形状の絶対的寸法精度はそれ程重要ではない。一方、製造過程において、その外周縁部に生じるいわゆる「バリ」と称される部分を除去する必要がある。又、輪郭形状に応じて面取加工を施したり、端面を一定の加工面精度に仕上げる必要がある。その際、単なるバリ取りだけを行う場合には、ブラッシングホイール、ワイヤーホイール等の可撓性工具を使用して行えばよいが、輪郭形状に応じて面取を施したり、端面を一定の加工面精度に仕上げる場合には、エンドミル、ロータリーバ、チャンファーカッタ等の切削工具を使用することになる。
【0004】
上記切削工具を使用して仕上加工を施す切削装置としては様々なものがある。しかしながら、従来のこの種の装置は、何れもモデルワーク等に基づいて予め設定された軌道情報に基づいて切削工具を移動させていくものであって、全てのワークに対して画一的な切削を施す構成になっており、よって、ワークの輪郭形状にバラツキが有った場合には(モデルワークの輪郭形状に対してバラツキを持っている)、切削の深さにバラツキが発生してしまい、そのため、場所によっては、切削の深さが深過ぎて面取幅が大きくなってしまったり、場所によっては工具が破損してしまうという問題があった。
又、別の問題として、予め軌道情報を入力・記憶させておく作業が困難であるという問題があった。すなわち、軌道情報を入力する場合には、まず、モデルワークの輪郭形状に沿って多数のプログラミングポイントを設定し、それらプログラミングポイントの座標値を設定する必要があり、そのようにして得られた座標値をティーチングボックスを使用して入力・記憶させるものである。これらの作業は決して容易なものではなく、多くの労力と長い作業時間を要してしまうことになる。
【0005】
そこで、本件特許出願人は、「追従加工装置」なる発明を提案している。その詳細は、特開平5−200655号公報に記されている。
しかしながら、特開平5−200655号公報に記されている追従加工装置においては、加工工具をワークに圧接させるときの押圧力をロードセンサによって検出する構成になっていて、全体としては構成も簡略化され作業も容易になってはいるものの、該ロードセンサの検出値に基づくサーボモータによるプログラム制御のための構成が複雑であり、それが原因して装置が高価になってしまうという問題があった。
そこで、本件特許出願人は、そのような高価な装置や複雑な制御を要することなく、所望の加工を行う「加工装置」を提案している(特願平9−13415号の願書に添付した明細書等、特願平9−69090号の願書に添付した明細書等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、特願平9−13415号の願書に添付した明細書等、特願平9−69090号の願書に添付した明細書等に記されている加工装置は、主にワークの外周側に対して所望の加工を施すことを前提としたものである。これに対して、例えば、図9に示すようなワーク301がある。このワーク301は、図8に示したワーク201と同様に、フランジ状をなしていて、内周側に大きな貫通孔303を備えている。又、四隅には図示しない締結ボルトが貫通する貫通孔305が形成されている。このような構成をなすワーク301は、図示しない別のワークと共に締結・固定されて所定の機器として完成されることになる。
そして、図9に示すようなワーク301の場合には、その内周側の貫通孔303の上下の縁部に対しても所定の面取幅で面取加工を施す必要がある。ところが、上記したように、特願平9−13415号の願書に添付した明細書等、特願平9−69090号の願書に添付した明細書等に記されている加工装置は、主にワークの外周側に対して所望の加工を施すことを前提としたものであり、図9に示すようなワーク301の内周側縁部に面取加工を施すことについてはそれ程考慮されていなかった。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、比較的簡単な構成でかつ複雑な制御を要することなく、例えば、ワークの内周側に対して面取加工等の所望の加工を施すことができる加工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による加工装置は、基台と、上記基台に設けられ内周側に被加工部を備えたワークを保持して回転させるワーク保持・回転手段と、上記基台に設けられスライダ機構を介して上記ワークの内周側に向かう方向に進退自在に構成されたヘッド部と、上記ヘッド部の前面に上下動可能に取り付けられ加工用工具を備えた工具基台と、上記工具基台に設けられ上記ワークの内周側に当接することによりワークの内周側の形状に倣って進退しそれによって上記ヘッド部及び工具基台を進退させる倣い手段と、上記ヘッド部及び工具基台を介して上記加工用工具及び倣い手段をワークの内周側に向かう方向に引き寄せて常時一定の押圧力で押圧する押圧手段と、上記押圧手段による押圧力に抗して上記ヘッド部及び工具基台を介して上記加工用工具及び倣い手段をワークの内周側から離間する方向に押し出して退避させる移動手段と、上記工具基台を上記ヘッド部に対して上昇させる上昇駆動手段と、上記上昇駆動手段によって上記工具基台を上記ヘッド部に対して上昇させた時の上昇位置を調整する上昇位置調整機構と、を具備し、上記工具基台は機能時には自重により機能位置に下降して上記加工用工具と上記倣い手段を上記ワークに対する所定位置に位置させ、非機能時には上記上昇駆動手段によって上昇待機位置に上昇せられ、該上昇待機位置は上記上昇位置調整機構によって調整され、それによって、機能時に自重により下降した時の機能位置を調整されて上記加工工具の上記ワークに対する所定位置ひいては面取幅を調整されるものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による加工装置は、請求項1記載の加工装置において、上記移動手段による上記ヘッド部の退避位置を調整可能にしたことを特徴とするものである。
又、請求項3による加工装置は、請求項1又は請求項2記載の加工装置において、上記ヘッド部の進退位置を検出するヘッド部位置検出手段が設けられていて、このヘッド部位置検出手段から信号に基づいて上記ワーク保持・回転手段によるワークの回転速度を調整し、ワークの切削送り速度を一定に保持するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
すなわち、本願発明の請求項1による加工装置の場合には、押圧手段によって加工工具ユニットをワークの内周側に常時付勢するようにしている。それによって、加工工具ユニットに取り付けられた加工用工具と倣い手段がワークの内周側に押圧されることになる。その状態で、ワーク保持・回転手段によってワークを回転させると、ワークの内周側の形状変化によって倣い手段が適宜進退することになり、該倣い手段の進退によって加工工具ユニット全体が進退し、結局、加工用工具も進退することになる。それによって、ワークの内周側の形状を基準にして所定幅の加工を施すことができるものである。
又、請求項2による加工装置の場合には、移動手段によって加工工具ユニットを押圧手段の付勢力に抗して退避させる場合に、その退避位置を調整可能にしたものである。通常、退避位置としては、最も安全な位置、すなわち、軸心位置が考えられるが、加工位置が軸心位置より大きく離間している場合には、軸心位置まで退避させることにより加工に要する時間が長引いてしまう。そこで、その退避位置を調整するようにすれば、加工位置に接近した位置を退避位置とすることができ、それによって、加工に要する時間を大幅に短縮させることができる。
又、請求項3による加工装置の場合には、ワークの内周側の形状によって加工工具ユニットが進退した場合、切削速度が変動することが予想される。そこで、加工工具ユニットの進退によって、ワーク保持・回転手段による回転速度を制御して、加工送り速度を一定にせんとするものである。
又、請求項4による加工装置の場合には、押圧手段として発条式弾性部材を使用する例を示したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。この実施の形態は、本願発明をワークの内周上端縁部に面取加工を施す面取装置に適用したものである。図1に示すように、まず、基台1があり、この基台1は図示しない底面側に、複数個(例えば、4個)の移動用キャスタ(図示せず)と複数個(例えば、4個)の固定機構(図示せず)を備えている。そして、上記移動用キャスタを介して任意の場所まで移動し、上記固定機構によって該位置に固定されるようになっている。
【0011】
上記基台1上には、ワーク3(図1中仮想線で示す)を保持するワーク保持・回転手段としてのワークチャックユニット5が設置されている。このワークチャックユニット5は、図示しない駆動用モータを備えていて、複数個のチャック爪6によってワーク3を把持した状態で、上記駆動用モータによってこれを360°だけ回転させるものである。
尚、上記ワーク3は図示するようにリング状をなしていて、内周側に比較的大きな貫通孔3aを備えた形状になっている。この貫通孔3aの上端縁部に面取加工を施すものである。
【0012】
上記基台1上であって上記ワークチャックユニット5の図1中右側にはベース部7が設置されている。上記ベース部7上にはヘッド部9が、ワーク3に向かう方向(図1中左右方向)に移動可能に設置されている。すなわち、図1〜図3に示すように、ベース部7の上面には一対のレール11、11’が敷設されている。一方、上記ヘッド部9の片側には、上記一方のレール11に移動可能に係合するガイド部13、13が取り付けられている。同様に、上記ヘッド部9の反対側には、上記一方のレール11’に移動可能に係合するガイド部13’、13’が取り付けられている。よって、ヘッド部9は上記ガイド部13、13、13’、13’とレール11、11’を介して、ベース部7に対して図1中左右方向に移動可能になっている。
【0013】
又、上記ヘッド部9とベース部7との間には、弾性手段としての発条式弾性部材15が取り付けられている。上記発条式弾性部材15の先端15aはヘッド部9に連結されている。そして、ヘッド部9はこの発条式弾性部材15によって、図1中右側に常時一定の力で付勢された状態になっている。
又、ヘッド部9とベース部7との間にはシリンダー機構17が取り付けられている。上記シリンダー機構17は、シリンダ17aと該シリンダ17aに対して出没可能に取り付けられたピストンロッド17bとから構成されている。そして、上記シリンダ17aがベース部7側に固定されていて、ピストンロッド17bの先端がヘッド部9に当接されている。上記シリンダー機構17を駆動してピストンロッド17bを突出させることにより、ヘッド部9を発条式弾性部材15の付勢力に抗して、ワーク3方向に移動させることができる。又、シリンダー機構17のピストンロッド17bを戻すことにより、ヘッド部9は発条式弾性部材15の付勢力によって、反ワーク3方向に移動することになる。そして、ピストンロッド17bが戻されることにより、後述する加工用工具27がワーク3に接したことになり、それを検出してワーク3の回転が開始される。
【0014】
又、上記ヘッド部9の進退位置は位置検出手段18によって検出されるようになっている。この位置検出手段18は、ベース部7側に取り付けられたピニオンギヤ18aと、ヘッド部9側に取り付けられ上記ピニオンギヤ18aに噛合する図示しないラックギヤと、上記ピニオンギヤ18aに取り付けられたボリューム(ポテンショメータ)18bとから構成されている。そして、ヘッド部9が進退することによりラックギヤが移動し、それによって、ピニオンギヤ18aが適宜の方向に回転する。このピニオンギヤ18aの回転方向と回転量によってヘッド部9の進退位置を検知するものである。
又、上記ヘッド部9の進退位置に基づいて上記ボリューム18bよりワーク保持・回転手段5に制御信号が出力され、それによって、ヘッド部9の進退位置によってワーク保持・回転手段5の回転速度を制御するものである。
【0015】
上記ヘッド部9の前面側(図1中左側)には、工具基台21が取り付けられている。この工具基台21の前面側(図1中左側)には、駆動モータ23が設置されていて、又、この駆動モータ23によって回転するスピンドル25が取り付けられている。上記スピンドル25の先端には加工用工具27が着脱可能に把持されている。上記加工用工具27を、ワーク3の内周上端縁に圧接させることにより、所望幅の面取加工を施すものでる。
又、工具基台21には倣い手段としての倣いローラ28が取り付けられている。この倣いローラ28は上記加工用工具27の先端側に同軸であって回転可能に取り付けられている。この倣いローラ28をワーク3の内周側面に圧接してワーク3の内周側面形状を倣うものである。
【0016】
又、上記工具基台21は、ヘッド部9の前面側において、図1中上下動可能に取り付けられている。すなわち、ヘッド部9の前面側には、鉛直方向に延長された一対のレール31、31’が敷設されている。一方、工具基台21側には、上記レール31に移動可能に係合するガイド部材33、33が取り付けられていると共に、上記レール31’に移動可能に係合するガイド部材33’、33’が取り付けられている。よって、工具基台21は、上記ガイド部材33、33、33’、33’とレール31、31’を介して、ヘッド部9の前面側において上下方向に移動可能になっている。
又、ヘッド部9と工具基台21との間にはシリンダー機構35が取り付けられている。このシリンダー機構35は、ヘッド部9に固定されたシリンダ35aと、このシリンダ35aに対して出没可能に取り付けられたピストンロッド35bとから構成されていて、上記ピストンロッド35bの先端が工具基台21側に作用してこれを上下動させるものである。
【0017】
工具基台21側の構成をさらに説明すると、工具基台21の上端には梁部材37が横方向に突設されていて、この梁部材37にはねじ部材39が螺合している。上記ねじ部材39の上端には操作ハンドル41が取り付けられていて、この操作ハンドル41を適宜の方向に回転操作することにより、ねじ部材39を同方向に回転させる。それによって、ねじ部材39の梁部材37からの突出量が調整されることになる。
そして、上記ねじ部材39の梁部材37からの突出量を大きくすることにより、工具基台21の上昇位置(シリンダー機構35による上昇駆動時の上昇位置)がより高くなる。逆に、上記ねじ部材39の梁部材37からの突出量を小さくすることにより、工具基台21の上昇位置(シリンダー機構35による上昇駆動時の上昇位置)がより低くなる。
【0018】
上記梁部材37の位置にはロック機構43が設けられている。すなわち、ロック機構43を操作することにより、梁部材37の位置において締め付け状態を構成し、それによって、ねじ部材39ひいては操作ハンドル41の回転を規制するものである。
【0019】
以上の構成を基にその作用を説明する。
この場合には、例えば、図1に示すように、リング状をなしていて、内周側に面取加工の対象となっている部分を備えたワーク3に対して、その内周上端縁部に所定幅の面取加工を施す場合を例に挙げて説明する。
まず、加工開始前において、工具基台21の高さ調整を行う。すなわち、操作ハンドル41を適宜の方向に回転操作することによりねじ部材39を同方向に所定量だけ回転させて、ねじ部材39の梁部材37から下方への突出量を調整する。
尚、この時点ではシリンダー機構35のピストンロッド35bは上方に突出している。
【0020】
上記ねじ部材39の突出量を大きくすればそれだけ工具基台21は上方に移動することになり、逆に、ねじ部材39の突出量を小さくすればそれだけ工具基台21は下方に移動することになる。このような調整作業を行うことにより、任意の厚みを持ったワーク3に対して所望の幅で面取加工を施せるような状態にセットするものである。
又、この種の調整作業を行っているときには、ヘッド部9は実際の加工位置に前進・配置されている。
【0021】
調整作業終了後加工を開始する。
まず、ワーク3をワークチャックユニット5上に載置して爪部材6によってこれを把持する。その状態を図1に示す。次に、シリンダー機構17を駆動して、ヘッド部9をワーク3に向かう方向に前進させる。この前進位置であるが、ワーク3の軸心位置とする。次に、シリンダー機構35を作動させて、ピストンロッド35bを引っ込める。これによって、工具基台21はその自重によって下降する。その下降位置は、既に説明した調整作業によって調整されているので、ワーク3の内周上端縁部に所定の幅で面取加工を施すことができる位置ということになる。
【0022】
次に、シリンダー機構17を作動させて、ピストンロッド17bを引っ込める。それによって、ヘッド部9は発条式弾性部材15によって、図1中右方向に移動することになり、加工用工具27及び倣いローラ28が所定の圧力でワーク3の内周上端縁部に圧接されることになる。その状態でワークチャックユニット5によりワーク3を360°だけ回転させる。それによって、倣いローラ28がワーク3の内周側形状を倣うことになり形状変化に基づいて進退する。この倣いローラ28の進退によりヘッド部9全体が進退し、結局、加工用工具27も進退する。それによって、ワーク3の内周上端縁部にワーク3の内周形状を基準にして所定幅の面取加工が施される。ワーク3が360°回転して所定の面取加工が終了したところで、シリンダー機構17を駆動してピストンロッド17bを突出させる。それによって、ヘッド部9が発条式弾性部材15の付勢力に抗してワーク3の軸心位置まで戻る。次いで、シリンダー機構35が駆動してピストンロッド35bを上方に突出させる。それによって、工具基台21が上方に移動する。次いで、シリンダー機構17を作動させてピストンロッド17bを引っ込める。それによって、ヘッド部9が発条式弾性部材15の付勢力によって反ワーク3方向に後退する。これで、1サイクルの動作が完了する。
後は、加工が終了したワーク3をワークチャックユニット5から外し、別のワーク3をセットして同じ動作を繰り返す。
【0023】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、高価な装置や複雑な構成、制御を要することなく、所望の面取加工を施すことができるようになった。特に、ワーク3の内周側に対して所望の面取加工を施すことができるようになった。これは、ヘッド部9を発条式弾性部材15の付勢力によって常時反ワーク3方向に付勢するような構成を採用したからである。又、ワーク3の内周側の形状にバラツキが有っても、基本的に倣いローラ28によってワーク3の内周形状を倣いながら該内周形状を基準にして面取加工を施すように構成しているので、一定幅の面取加工を確実に施すことができる。
又、面取の幅に関しては、操作ハンドル41を適宜の方向に回転操作して、工具基台21の上下方向位置を調整することにより容易に調整可能である。
又、ワーク保持・回転手段5による回転速度は、ボリューム18bからの信号に基づいて制御しているので、ワーク3の形状が変化しても常に一定の加工送り速度を提供することができ、それによって、高い加工精度を提供することができる。
【0024】
次に、図6及び図7を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
すなわち、前記第1の実施の形態においては、ワーク3に対する面取加工が終了した時点で、加工用工具27をワーク3の軸心位置まで戻す動作を行わせている。又、面取加工を開始する時点においても、まず、加工用工具27をワーク3の軸心位置まで移動させてから行うようにしている。
しかしながら、ワーク3の軸心位置に対して、実際の加工位置が大きく離れている場合には、上記動作によって無駄な時間を要してしまうことになり、それだけ加工に要する時間が長くなってしまう。
【0025】
そこで、この第2の実施の形態の場合には、加工用工具27の前進位置(ワーク3方向への前進位置)を適宜調整するための構成を付加しているものである。以下、説明する。まず、ヘッド部9とベース部7との間にはシリンダ機構51が設けられていて、このシリンダー機構51はベース部7側に固定されたシリンダ51aと、このシリンダ51aに対して出没可能に取り付けられたピストンロッド51bとから構成されていて、このピストンロッド51bの先端がヘッド部9側に当接している。そして、シリンダー機構51を駆動して、ピストンロッド51bを引っ込めることにより、錘15の付勢力に抗してヘッド部9をワーク3方向に移動させるものである。
尚、この実施の形態の場合には、押圧手段として、錘15を採用しているものである。
【0026】
又、この実施の形態の場合には、上記ピストンロッド51bが部材53に連絡されていて、この部材53に錘15の先端15aが連結されている。又、ヘッド部9にはねじ部材61が回転可能に連結されていて、このねじ部材61は上記部材53に螺合している。そして、上記ねじ部材61を適宜の方向に回転することにより、ヘッド部9が移動することになり、それによって、上記部材53に対するヘッド部9の位置を調整するものである。よって、シリンダー機構51を駆動してピストンロッド51bを引っ込めたときのヘッド部9の位置、ひいては、加工用工具27の位置を調整することができる。したがって、ワーク3の軸心位置から加工位置まで大きく離間している場合には、できるだけ加工位置に近い位置において、加工用工具27を上下動させるようにすることができ、それによって、加工に要する時間を大幅に短縮させることができる。
【0027】
尚、本発明は前記第1及び第2の実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記第1及び第2の実施の形態においては、面取装置を例に挙げて説明したが、その他の加工装置にも適用可能である。
又、倣い手段の構成としては、説明したものに限定されず、様々な構成のものが考えられる。
その他、各部の構成は図示したものに限定されないものである。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明による加工装置によると、ワークの内周側に対しても、例えば、所定幅の面取加工を施す等、所望の加工を施すことができ、その際、高価な装置を使用したり複雑な制御を要することもない。そして、基本的に、ワークの内周側の形状を倣いながら加工を行う構成であるので、ワークの内周側の形状を基準にして所定幅の加工を正確に施すことができ、ワークのバラツキにも左右されないものである。
又、移動手段によって加工工具ユニットを押圧手段の付勢力に抗して退避させる場合に、その退避位置を調整可能にした場合には、加工位置に接近した位置を退避位置とすることができ、それによって、加工に要する時間を大幅に短縮させることができる。
又、加工工具ユニットの進退位置を検出する加工工具ユニット位置検出手段を設けて、この加工工具ユニット位置検出手段から信号に基づいて上記ワーク保持・回転手段によるワークの回転速度を調整し、ワークの加工送り速度を一定に保持するようにした場合には、常に一定の切削送り速度を補償することができ、加工精度を大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、面取装置の全体の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のII−II矢視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のIII −III 矢視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のIV−IV矢視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1のV−V矢視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、面取装置の全体の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図6のVII −VII 矢視図である。
【図8】従来例の説明に使用した図で、ワークの形状を示す平面図である
【図9】従来例の説明に使用した図で、ワークの形状を示す平面図である
【符号の説明】
1 基台
3 ワーク
5 ワークチャックユニット(ワーク保持・回転手段)
7 ベース部
9 ヘッド部
15 発条式弾性部材(押圧手段),錘(押圧手段)
17 シリンダ機構(移動手段)
18 位置検出手段
21 工具基台
27 加工用工具
28 倣いローラ(倣い手段)
61 ねじ部材(調整手段の一部)
Claims (3)
- 基台と、
上記基台に設けられ内周側に被加工部を備えたワークを保持して回転させるワーク保持・回転手段と、
上記基台に設けられスライダ機構を介して上記ワークの内周側に向かう方向に進退自在に構成されたヘッド部と、
上記ヘッド部の前面に上下動可能に取り付けられ加工用工具を備えた工具基台と、
上記工具基台に設けられ上記ワークの内周側に当接することによりワークの内周側の形状に倣って進退しそれによって上記ヘッド部及び工具基台を進退させる倣い手段と、
上記ヘッド部及び工具基台を介して上記加工用工具及び倣い手段をワークの内周側に向かう方向に引き寄せて常時一定の押圧力で押圧する押圧手段と、
上記押圧手段による押圧力に抗して上記ヘッド部及び工具基台を介して上記加工用工具及び倣い手段をワークの内周側から離間する方向に押し出して退避させる移動手段と、
上記工具基台を上記ヘッド部に対して上昇させる上昇駆動手段と、
上記上昇駆動手段によって上記工具基台を上記ヘッド部に対して上昇させた時の上昇位置を調整する上昇位置調整機構と、
を具備し、
上記工具基台は機能時には自重により機能位置に下降して上記加工用工具と上記倣い手段を上記ワークに対する所定位置に位置させ、非機能時には上記上昇駆動手段によって上昇待機位置に上昇せられ、該上昇待機位置は上記上昇位置調整機構によって調整され、それによって、機能時に自重により下降した時の機能位置を調整されて上記加工工具の上記ワークに対する所定位置ひいては面取幅を調整されるものであることを特徴とする加工装置。 - 請求項1記載の加工装置において、
上記移動手段による上記ヘッド部の退避位置を調整可能にしたことを特徴とする加工装置。 - 請求項1又は請求項2記載の加工装置において、
上記ヘッド部の進退位置を検出するヘッド部位置検出手段が設けられていて、このヘッド部位置検出手段から信号に基づいて上記ワーク保持・回転手段によるワークの回転速度を調整し、ワークの切削送り速度を一定に保持するようにしたことを特徴とする加工装置。
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