JP4162874B2 - 燃料電池におけるガス漏れ検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池におけるガス漏れを検知する方法に関するものであり、特に、固体高分子電解質膜の損傷・劣化に伴うガス漏れを検知する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車等に搭載される燃料電池には、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込み、さらにその外側を一対のセパレータで挟持して形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、各セルに、燃料ガスとして水素ガスが供給される水素ガス通路と、酸化剤ガスとして酸素を含む空気が供給される空気通路と、冷却液が供給される冷却液通路とを備えたものがある。以下、燃料ガスと酸化剤ガスを総称して反応ガスということもある。この燃料電池においては、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソードまで移動し、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電する。そして、発電の際に発生する熱を冷却液通路の冷却液で奪い、燃料電池を冷却している。
【0003】
この燃料電池において前記固体高分子電解質膜は、電解質として水素イオンを透過させる機能と、水素ガス通路の水素ガスと空気通路の酸化剤ガス(空気)とを分離する隔壁としての機能を有している。したがって、これら固体高分子電解質膜に孔などが開いていると、水素ガス通路の水素ガスが空気通路に漏洩してしまう。
また、水素は透過性が高いため、固体高分子電解質膜に孔が開いていなくても極微量ながら水素分子の形で固体高分子電解質膜を透過(いわゆるクロスリーク)するが、固体高分子電解質膜の厚さが経時変化により薄肉化してくると、水素の透過量が増大する。
ここで、固体高分子電解質膜の薄肉化や破損等の原因としては、燃料電池の運転状態、例えば、低湿度、高温、高負荷での発電による損傷、あるいは、アノードとカソード間の差圧等の力学的な作用による損傷がある。
【0004】
このように燃料電池内において水素が空気通路に漏洩すると、水素は可燃性ガスであるため空気通路内の空気中の酸素と反応して発熱し、燃料電池に悪影響を及ぼす虞がある。そのため、燃料電池では、膜破損や薄肉化による水素漏れが生じているときには早期にこれを発見し、固体高分子電解質膜の交換等の必要な措置を施さなければならない。
従来から、燃料電池におけるガス漏れ検知方法として次のような方法が提案されている。
【0005】
特表2000−513134号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、燃料電池のアノードとカソードを窒素ガスでパージした後、窒素ガスを排出し、さらに、アノードに水素を供給するとともにカソードに酸素を供給しカソードのガス圧をアノードのガス圧よりも大きくして反応ガス流路を密閉し、この状態において、電流が流れない状態での出力電圧(いわゆる開回路電圧、略して「OCV」)を測定し、ガス漏れが存在するときにはOCVの値が急激に低下することを検出原理として、ガス漏れの存否を検知している。
また、特開平5−205762号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、燃料電池の反応ガス流路を密閉した後、この閉流路のアノード側に窒素ガスを供給してアノードとカソードの間に所定の差圧を生じさせ、カソード側に漏洩した窒素ガス量を計量することにより、ガス漏れの存否および漏れ量を検知している。
【0006】
また、特開平9−27336号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、燃料電池のアノードとカソードを窒素ガスでパージした後、燃料電池に電流が流れないようにして、アノードに水素を供給するとともにカソードに酸素含有ガスを供給し、その後、カソードへの酸素含有ガスの供給量を徐々に減少させていきながら、燃料電池の出力電圧を測定し、ガス漏れが存在するときには前記出力電圧が急激に低下することを検出原理として、ガス漏れの存否を検知している。
【0007】
さらに、国際公開第00/39870号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、燃料電池に供給する一方の反応ガス中にヘリウム,アルゴン,二酸化炭素,窒素等の不活性ガスからなるトレーサーガスを供給し、他方の反応ガス中のトレーサーガス濃度を検知することにより燃料電池内のガス漏れや電解質膜からのガス漏れの存否を検知している。
また、国際公開第98/13890号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、ガス漏れにより酸素と水素が反応した際の発熱を赤外線カメラで検知して、ガス漏れを検知している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特表2000−513134号公報に開示されているガス漏れ検知方法では、カソードのガス圧をアノードのガス圧よりも大きくし、カソードの酸素が固体高分子電解質膜を透過してアノードに抜けたときのOCVの変化に基づいてガス漏れを検知しているが、酸素分子は大きいので固体高分子電解質膜を透過しにくく、したがって、OCVの変化が小さく、検出精度が低いという欠点があった。また、この検知方法の場合、反応ガス流路を密閉してOCVの変化を検出しているが、スタック内では各セルに反応ガスを均一に分配するのが難しいことから、OCVのばらつきが大きく、これによってさらにガス漏れの検出精度が低くなるという欠点があった。
【0009】
また、特開平5−205762号公報に開示されているガス漏れ検知方法では、窒素ガスを検出するセンサが必要になるなど、システムが複雑になるという問題があった。しかも、この検知方法は、固体高分子電解質膜に孔が開いている場合のガス漏れは検知することができても、膜の薄肉化に伴うガス透過量の増大(ガス漏れ)を検知するのは困難であった。
また、特開平9−27336号公報に開示されているガス漏れ検知方法では、カソードへの酸素含有ガスの供給量を徐々に減少させながら燃料電池の出力電圧を測定しているが、前記供給量の変化に基づく出力電圧の変化は小さいため、検出精度が低いという欠点があった。
【0010】
国際公開第00/39870号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、トレーサガスの供給手段が必要になるとともに、トレーサガス濃度を検出するセンサも必要になり、したがって、システムが複雑になるという問題があった。また、この検知方法は、固体高分子電解質膜に孔が開いている場合のガス漏れは検知することができても、膜の薄肉化に伴うガス透過量の増大(ガス漏れ)を検知するのは困難であった。
また、国際公開第98/13890号公報に開示されているガス漏れ検知方法は、固体高分子電解質膜の表面での発熱を直接検知する必要があるため、燃料電池をスタックとして組み込んだ状態でのガス漏れ検知には不向きであるという問題があった。
そこで、この発明は、簡単に且つ高精度に燃料電池におけるガス漏れを検知することができるガス漏れ検知方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施の形態における固体高分子電解質膜51)をアノード(例えば、後述する実施の形態におけるアノード52)とカソード(例えば、後述する実施の形態におけるカソード53)で挟持してなる燃料電池(例えば、後述する実施の形態におけるセル55あるいは燃料電池1)におけるガス漏れ検知方法において、アノードに供給する燃料ガス(例えば、後述する実施の形態における水素ガス)の圧力をカソードに供給するガス(例えば、後述する実施の形態における空気)の圧力よりも高く維持した状態で、活性化過電圧領域で出力電圧を測定し、前記出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、固体高分子電解質膜に孔が開いていたり薄肉化していると、アノード側の圧力をカソード側の圧力よりも高くしたときに、アノード側からカソード側へ固体高分子電解質膜を透過する燃料ガスの透過量が増大し、その結果、カソード側の電極付近に燃料ガスの分子が存在することにより、活性化過電圧領域における出力電圧が低下する。ここで、活性化過電圧領域では燃料ガスの透過量の増大に対する電圧低下の割合が大きいので、出力電圧の低下量は極めて大きく、高感度にガス漏れを検知することができる。したがって、この出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することができる。
【0013】
請求項2に記載した発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施の形態における固体高分子電解質膜51)をアノード(例えば、後述する実施の形態におけるアノード52)とカソード(例えば、後述する実施の形態におけるカソード53)で挟持してなる燃料電池(例えば、後述する実施の形態におけるセル55あるいは燃料電池1)におけるガス漏れ検知方法において、アノードに供給する燃料ガス(例えば、後述する実施の形態における水素ガス)の圧力とカソードに供給するガス(例えば、後述する実施の形態における空気)の圧力の少なくともいずれか一方のガスの圧力をパルス的に変化させることによってアノードに供給する燃料ガスの圧力をカソードに供給するガスの圧力よりも相対的に高くし、この時に活性化過電圧領域で出力電圧を測定し、前記出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、固体高分子電解質膜に孔が開いていたり薄肉化していると、アノード側の圧力をパルス的にカソード側の圧力よりも高くしたときに、アノード側からカソード側へ固体高分子電解質膜を透過する燃料ガスの透過量が増大し、その結果、カソード側の電極付近に燃料ガスの分子が存在することにより、活性化過電圧領域における出力電圧が前記圧力変化に追従してパルス的に低下する。ここで、活性化過電圧領域では燃料ガスの透過量の増大に対する電圧低下の割合が大きいので、出力電圧の低下量は極めて大きく、高感度にガス漏れを検知することができる。したがって、この出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することができる。
【0015】
請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記アノードとカソードにそれぞれ前記ガスを流通させながら実行することを特徴とする。
このように構成することにより、アノードとカソードにガスを安定供給しながらガス漏れ検知を実行することができ、出力電圧が安定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池のガス漏れ検知方法の実施の形態を図1から図5の図面を参照して説明する。
【0017】
図1は燃料電池のガス漏れ検知システムの概略構成図であり、図2は燃料電池1の一部を断面にして示した図である。初めに、図2を参照して燃料電池1について説明する。燃料電池1は固体高分子電解質膜型の燃料電池であり、単位燃料電池としてのセル55を複数積層して構成されるスタックからなる。セル55は、例えばペルフルオロスルホン酸ポリマー(登録商標「ナフィオン」)などの固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜51をアノード52とカソード53とで両側から挟み込み、さらにその外側を一対のセパレータ54,54で挟持して形成される。また、各セル55は、燃料ガスとして水素ガス(反応ガス)が供給される水素ガス通路56と、酸化剤ガスとして酸素を含む空気(反応ガス)が供給される空気通路57と、冷却液が供給される冷却液通路58とを備えている。そして、アノード52で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜51を透過してカソード53まで移動し、カソード53で酸素と電気化学反応を起こして発電する。この発電に伴う発熱により燃料電池1が所定温度を越えないように、前記冷却液通路58を流れる冷却液で熱を奪い冷却するようになっている。
【0018】
また、この燃料電池1においては、各セル55の出力電圧を検出するための電圧センサ(V)21が各セル55のセパレータ54,54に接続されており、電圧センサ21の出力信号はECU20に入力されるようになっている。なお、図1では、図示の都合上、一つの電圧センサ21を図示するに留めている。
【0019】
次に、図1を参照して、ガス漏れ検知システムについて説明する。外気はエアコンプレッサ2によって加圧され、カソード加湿器3で加湿されて燃料電池1に供給され、スタック内で各セル55の空気通路57に分配され、この空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、空気はスタック内で再び集合させられて燃料電池1から空気オフガスとして排出され、圧力制御弁4を介して大気に放出される。エアコンプレッサ2は、ガス漏れ検知に必要な質量の空気が燃料電池1に供給されるようにECU20によって回転数制御され、また、圧力制御弁4は、燃料電池1への空気の供給圧がガス漏れ検知に必要な圧力値となるようにECU20によって開度制御される。
【0020】
一方、図示しない高圧水素タンクまたは燃料改質器から放出された水素ガスは一次圧力調整弁5により所定圧力に減圧された後、流量制御弁6により所定流量に調整され、さらにアノード加湿器7で加湿されて燃料電池1に供給され、スタック内で各セル55の水素ガス通路56に分配される。この水素ガスは発電に供された後、未反応の水素ガスはスタック内で再び集合させられて燃料電池1から水素オフガスとして水素オフガス排出路8に排出され、圧力制御弁9を介して外部に排出される。なお、一次圧力調整弁5と圧力制御弁9は、燃料電池1への水素の供給圧がガス漏れ検知に必要な圧力値となるようにECU20によって開度制御される。
【0021】
なお、カソード加湿器3で加湿された空気が燃料電池1のカソード53に供給され、アノード加湿器7で加湿された水素ガスが燃料電池1のアノード52に供給されることにより、燃料電池1の固体高分子電解質膜51の含水率が適度に維持され、イオン導電性が所定の状態に確保される。
【0022】
また、燃料電池1を冷却するための冷却液は、ウォーターポンプ(WP)1
1によって昇圧されてラジエータ12に供給され、ラジエータ11において外部に放熱することにより冷却液は冷却され、その後、燃料電池1に供給され、燃料電池1内の冷却液通路58を通る際に燃料電池1から熱を奪って燃料電池1を冷却し、これにより熱せられた冷却液はウォーターポンプ11を介して再びラジエータ12に戻り冷却されるようになっている。
【0023】
また、水素ガス供給流路における燃料電池1の直ぐ上流、水素オフガス流路における燃料電池1の直ぐ下流、空気供給流路における燃料電池1の直ぐ上流、空気オフガス流路における燃料電池1の直ぐ下流には、それぞれ、温度センサT1,T2,T3,T4、圧力センサP1,P2,P3,P4、露点センサTd1,Td2,Td3,Td4が取り付けられており、これらセンサの出力信号はECU20に入力されるようになっている。
【0024】
次に、本発明における燃料電池のガス漏れ検知方法の原理を単一のセルで説明する。
単位燃料電池としてのセルには、出力電圧と出力電流との間に図3に示すような出力特性がある。これについて説明すると、出力電圧は、電流が流れない状態における電圧、すなわち開回路電圧(OCV)で最大となる。ここで、OCVは、正常なセルに供給される反応ガスの状態(温度、圧力、流量、湿度等)と、該セルに使用されている固体高分子電解質膜の物性(水素透過性)に基づいて実験的に求める。
【0025】
セルを開回路状態から閉回路状態にして回路に流れる電流を徐々に大きくしていくと、セルは次のような出力特性を示す。
まず、電流が流れない状態から微少な電流が流れる状態になる間、出力電圧は急激に低下していく。このときの電圧は、反応が活性化されるのに必要な電圧ということから一般に活性化過電圧と称されており、以下の説明ではこの電圧領域を活性化過電圧領域という。なお、この発明においては、実測されるOCVは微少な電流が流れており、活性化過電圧領域に含まれるものとする。
活性化過電圧領域を過ぎると、電流の増大に対して電圧が低下する割合が緩やかになる。このときの電圧はセルの内部抵抗によって生じるもので、一般に抵抗過電圧と称されており、この電圧領域を抵抗過電圧領域という。
抵抗過電圧領域を過ぎると、電流の増大に対して電圧の低下する割合が再び増大する。このときの電圧は物質移動の遅れ等に伴って生じるもので、一般に濃度過電圧と称されており、この電圧領域を濃度過電圧領域という。
以上のように、セルの出力特性は、大きく3つの電圧領域に区分される。
【0026】
一方、固体高分子電解質膜を水素分子が透過し、カソード側の電極付近に燃料ガスの分子が存在することにより、活性化過電圧領域における出力電圧が低下する。このことは、見かけ上、電流が流れて出力電圧が低下したのと同じ状態になる。ここで、固体高分子電解質膜が劣化して膜厚が薄くなったり孔が開いたりしていると、固体高分子電解質膜を透過する水素分子の量が増大する。したがって、反応ガスの供給状態が同じであっても、劣化した固体高分子電解質膜を備えたセル(以下、不調セルという)には、正常な固体高分子電解質膜を備えたセル(以下、正常セルという)よりも多くの水素分子が固体高分子電解質膜を透過して、見かけ上、多くの電流が流れたのと同じ状態となり、不調セルの電圧は正常セルの電圧よりも低くなる。このことから、セル電圧を測定することにより正常セルか不調セルかを判定することができ、すなわち、セルのガス漏れを検知することが可能となる。
【0027】
ところで、前述の如くセルの出力特性から、活性化過電圧領域においては電流の変化に対して電圧の変化が極めて大きいが、抵抗過電圧領域においては電流の変化に対する電圧の変化が小さい。したがって、セルのガス漏れを検知するためにセル電圧を測定する場合には、抵抗過電圧領域で測定するよりも活性化過電圧領域で測定した方が、小さな電流の変化でも大きな電圧変化として現れるので、検知精度が高くなる。そこで、本発明では、活性化過電圧領域においてセルのガス漏れ検知を行うこととした。
【0028】
図4は、不調セルを有するn個のセルを積層してなるスタックに対して、同一実験条件下で反応ガスを供給しながら各セルの電圧を測定した実験結果の一例を示すものである。実験条件を以下に示す。
アノード側の露点は55゜Cとし、カソード側の露点は65゜Cに設定した。アノードおよびカソードへの反応ガスの供給温度はいずれも70゜Cとした。アノードへの反応ガスの供給圧力は40kPaとし、カソードへの反応ガスの供給圧力は10kPaとした。アノードおよびカソードへの反応ガスの供給量は電流50Aで利用率50%相当の流量とした。
図4(A)は各セルのOCVの測定結果であり、図4(B)は抵抗過電圧領域における各セル電圧の測定結果である。図4(A)ではガス漏れによる不調セルを明らかに判別することができるが、図4(B)では不調セルを判別することが困難である。したがって、活性化過電圧領域においてセル電圧を測定することにより高い精度でガス漏れによる不調セルを検知することができる。
【0029】
ところで、セルにおける通常の発電状態では、固体高分子電解質膜の保護という観点から、アノードとカソードの圧力差を発電可能な範囲において最小限に抑えている。そのため、活性化過電圧領域でセル電圧を測定すると検知精度が高いとは言え、通常の発電状態における前記圧力差状態でガス漏れ検知を実行したのでは、固体高分子電解質膜に大きな孔が開いていて微少の差圧でも多くの水素分子が透過する場合は別として、固体高分子電解質膜に極めて微細な孔が開いている場合や膜劣化による薄肉化の場合には、水素分子の透過量の増大が小さく、したがって正常セルと不調セルの電圧差が小さくて、満足できる検知精度を確保するのが難しい。
【0030】
そこで、本発明のガス漏れ検知方法では、通常の発電状態のときよりもアノードとカソードの差圧を大きくし、しかも、アノード入口圧力をカソード入口圧力に対して相対的に高く維持した状態にして、活性化過電圧領域でセル電圧を測定することとし、該セル電圧が所定の電圧値以下であった場合に、該セルにガス漏れが存在すると判定することとした。このようにアノード側の圧力をカソード側の圧力よりも高くすると、不調セルにおいてアノードの水素分子が固体高分子電解質膜の孔あるいは薄肉部を透過し易くなり、水素分子の透過量が通常差圧状態の時よりも増大し、電圧低下が大きく現れるので、検出精度を高めることができる。
【0031】
また、本発明では、アノード側の圧力をカソード側の圧力よりも高めて水素分子を固体高分子電解質膜を透過するさせるようにしているが、これは水素分子の方が酸素分子よりも小さく、固体高分子電解質膜を透過し易く、検知精度を向上させることができるからである。これに対して、カソード側の圧力をアノード側の圧力よりも高めた場合には、酸素分子が固体高分子電解質膜を透過するようになるが、酸素分子は大きくて透過しにくいため、検知精度が低くなる。
【0032】
さらに、本発明のガス漏れ検知方法においては、反応ガスを流しながら実行することとした。これは、セル電圧、特にOCVは、反応ガスを流しているときの方が、反応ガスを流さないときよりも安定するからである。特に、多数のセルを積層してなるスタックに対してガス漏れ検知を行う場合には、反応ガスを流しながら行う方が、各セルにほぼ均一に分配して反応ガスを流すことができる。その結果、セル間における反応ガスの不均一な流れに起因するセル電圧のばらつきを防止することができ、ガス漏れが生じている不調セルを特定する精度が向上する。
【0033】
次に、スタックからなる燃料電池1に対して、本発明のガス漏れ検知方法を実施した実験例を、図5に示すセル電圧測定結果を参照しながら説明する。
まず、ガス漏れ検知の実行に際し、燃料電池1への反応ガス(水素ガスおよび空気)の供給を維持しつつ、燃料電池1を開回路状態にする。ここで開回路状態にするのは、スタックを構成する各セル55のOCVを測定するためである。
この時の反応ガスの供給条件は以下の通りとした。アノード側の露点は55゜Cとし、カソード側の露点は65゜Cに設定した。アノードおよびカソードへの反応ガスの供給温度はいずれも70゜Cとし、アノードへおよびカソードへの反応ガスの供給圧力はいずれも10kPaとした。アノードおよびカソードへの反応ガスの供給量は電流50Aで利用率50%相当の流量とした。
【0034】
次に、ガス漏れ検知の準備として、カソード入口圧力をアノード入口圧力よりも極わずか高くしておく(図5においてA部)。これにより、検知前においてアノード側からカソード側への水素の透過が抑制され、この時点では不調セルと正常セルとの間にセル電圧の差は現れない。また、この検知準備により、このあとアノード側の圧力を高めた時の不調セルの水素透過量増大によるセル電圧の低下を顕著なものとすることができる
【0035】
次に、反応ガスの流れを維持しつつ、アノード入口圧力をパルス的に変化させ、アノード入口圧力をカソード入口圧力よりも瞬時に所定圧力だけ高くし、その圧力状態を所定時間維持する(図5においてB部)。なお、この実験では、昇圧後のアノード入口圧力を40kPaとし、その他の条件は昇圧前と同じとした。すると、アノード側の圧力がカソード側の圧力よりも高くなるため、不調セルにおいては固体高分子電解質膜を透過する水素分子の透過量が急激に増大し、不調セルのセル電圧(OCV)だけが急激に低下する。そして、不調セルのセル電圧(OCV)の変化はアノード入口圧力の変化に殆ど時間遅れを生じることなく追従して変化する。すなわち、アノード入口圧力のパルス的な変化に追従してセル電圧(OCV)がパルス的に変化する。これに対して、正常なセルについてはアノード側の圧力が高くなっても固体高分子電解質膜を透過する水素分子の量は殆ど変わらないので、セル電圧(OCV)に変化は殆ど現れない。
【0036】
したがって、このときのセル電圧(OCV)が所定電圧値以下であるセルはガス漏れが生じていると判定することができ、該セルは固体高分子電解質膜に孔が開いているかあるいは固体高分子電解質膜が薄肉化している不調セルであると判定することができる。
なお、ガス漏れが生じているか否かの判定は、全セルのセル電圧(OCV)の平均値と各セル電圧との比較により行ってもよいし、全セルの標準偏差と各セルの偏差との比較により行ってもよい。但し、より好ましくは、固体高分子電解質膜の物性、供給される反応ガスの温度、湿度、圧力から実験で求めた基準電圧のマップとの比較から判定するのがよい。また、前述の如くアノードとカソードに圧力差を与えて測定したセル電圧(OCV)と、アノードとカソードに圧力差を与えずに測定したセル電圧(OCV)とを比較し、前者から後者を引いた差が所定値以下であるときは該セルが正常セルであり、所定値以上であるときは不調セルであると判定してもよい。
【0037】
そして、前記所定時間が経過した後、昇圧前と同様にアノード入口圧力をカソード入口圧力とほぼ同圧にし(いずれも10kPa)、通常の発電状態の圧力状態、すなわち、アノード側の圧力をカソード側の圧力よりも極わずか高い状態に戻す(図5においてC部)。このようにすると、アノード側の圧力がカソード側の圧力よりも高いもののその差圧は微少であるので、正常セルと不調セルでセル電圧(OCV)に殆ど差が生じない。
【0038】
なお、アノード入口圧力の変化の形態はパルス的に変化させるのが好ましく、瞬時に圧力上昇させ、この圧力状態を維持する前記所定時間はセル電圧(OCV)の変化を測定できる限りにおいて短時間に設定し、その直後瞬時に圧力低下させるのが好ましい。前記所定時間を短時間にするのは、不調セルが存在して水素が漏れている場合に、水素が酸化反応を起こして温度上昇し、固体高分子電解質膜や触媒に損傷を与えるのを最小限に抑えるためである。
【0039】
ここで、ガス漏れ検知の実行条件について補足説明をする。
アノード入口圧力の昇圧前(図5においてA部)およびアノード入口圧力の減圧後(図5においてC部)におけるアノード入口圧力、カソード入口圧力を10kPaとしたのは、スタック保護の観点からである。
アノード入口圧力の昇圧後(図5のB部においてアノード圧力の最大値)の圧力は約30〜50kPaとするのが好ましく、アノードとカソードの差圧は20〜40kPaとするのが好ましい。差圧が10kPaより低いと検知精度が低くなり、差圧が40kPaより高いと固体高分子電解質膜を損傷させる虞があるからである。
【0040】
反応ガスの流量は、正常なセルに正常な電圧が生じる程度とし、通常の定電流運転が可能な程度とした。スタック内のセルのガス漏れ検知を行う場合は、セル間のガスの分配が均等に行われる程度に所定流量以上流す必要があるが、流量を大きくし過ぎると、固体高分子電解質膜を透過した燃料ガスが瞬時に希釈されて検知精度が悪化するので、最も高い検知精度が得られるように流量調整をする必要がある。
【0041】
反応ガスに対する湿度は低い方が測定されるOCVの値が高くなり検知精度が上がるので好ましいが、湿度を過度に低下させると固体高分子電解質膜に損傷を与える虞があるので、固体高分子電解質膜に損傷を与えない程度の低い湿度とするのが好ましい。
燃料電池1の温度は、測定されるOCVの値が高く検知精度が高い方が好ましいので、燃料電池1の作動温度範囲内における温度とし、冷却水による燃料電池1の冷却は、固体高分子電解質膜に損傷を与えない程度に最小限に抑える。
固体高分子電解質膜はペルフルオロスルホン酸ポリマー製とした。
【0042】
なお、測定されるOCVに影響を与える因子としては、前記した温度、湿度のほかに、反応ガスの圧力、固体高分子電解質膜の膜厚、固体高分子電解質膜の材質がある。供給する反応ガスの圧力が高いほど測定されるOCVは高くなり、固体高分子電解質膜の膜厚が厚いほど測定されるOCVは高くなる。
また、前述したガス漏れ検知を実行する前後に、燃料電池1のアノードとカソードを窒素等の不活性ガスでパージするのが好ましい。カソード側またはアノード側に残留した水素と酸素が反応して発熱し、固体高分子電解質膜や触媒に過度の熱負荷を加えないようにするためである。
【0043】
このように、このガス漏れ検知方法によれば、燃料電池1を発電状態に維持したままガス漏れ検知を実行することが可能であり、ガス漏れが生じている不良セルを特定することができる。また、固体高分子電解質膜に孔が開いている不調セルだけでなく、劣化により固体高分子電解質膜が薄肉化した不調セルをも検知することができる。
このガス漏れ検知方法は、スタックとして組み立てられた燃料電池の状態においても、あるいは、単位燃料電池である単一のセルの状態においても実施することができる。また、出荷前の品質チェックとして実施することもできるし、発電に供されている燃料電池に対する故障診断として実施することも可能である。
【0044】
〔他の実施の形態〕
尚、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。例えば、この実施の形態では、ガス漏れ検知を実行する際に燃料電池1に反応ガスである水素ガスと空気を供給したが、カソードに空気を供給する代わりに窒素などの不活性ガスを供給してもガス漏れ検知を実行することが可能である。このようにすると、不調セルにおいて水素が固体高分子電解質膜を透過しても水素の酸化反応が生じないので、ガス漏れ検知の実行によって固体高分子電解質膜に新たに損傷が生じたり、あるいは、既存の損傷をさらに進行させたりするのを防止することができる。
【0045】
また、前述した実施の形態ではガス漏れ検知を開回路電圧(OCV)において実行したが、本発明のガス漏れ検知方法は必ずしもOCVに限定されるものではなく、電流の微量変化に対して電圧変化量が大きい活性化過電圧領域において実行可能である。
さらに、本発明の燃料電池のガス漏れ検知方法は、燃料電池自動車に搭載された燃料電池に対しても適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に記載の発明によれば、アノードに供給する燃料ガスの圧力をカソードに供給するガスの圧力よりも高く維持した状態において測定した活性化過電圧領域における出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することができるので、容易にガス漏れを検知することができ、且つ、検知精度が向上するという優れた効果が奏される。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、アノードに供給する燃料ガスの圧力をカソードに供給するガスの圧力よりも相対的に高くしたときに測定した活性化過電圧領域における出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することができるので、容易にガス漏れを検知することができ、且つ、検知精度が向上するという優れた効果が奏される。また、アノードのガスの圧力をカソードのガスの圧力に対してパルス的に高くすると出力電圧も圧力変化に追従してパルス的に急激に低下するので、検知精度がさらに向上するという効果がある。
【0048】
請求項3に記載の発明によれば、アノードとカソードにガスを安定供給しながらガス漏れ検知を実行することができ、出力電圧が安定するので、検知精度がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るガス漏れ検知システムの構成図である。
【図2】 前記燃料電池の断面図である。
【図3】 単位燃料電池としてのセルの出力特性図である。
【図4】 セル電圧分布の一例であり、(A)はOCVにおけるセル電圧分布であり、(B)は抵抗過電圧領域におけるセル電圧分布である。
【図5】 本発明のガス漏れ検知方法を実施した一実験例におけるセル電圧測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
51 固体高分子電解質膜
52 アノード
53 カソード
55 セル(燃料電池)
Claims (3)
- 固体高分子電解質膜をアノードとカソードで挟持してなる燃料電池におけるガス漏れ検知方法において、
アノードに供給する燃料ガスの圧力をカソードに供給するガスの圧力よりも高く維持した状態で、活性化過電圧領域で出力電圧を測定し、前記出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することを特徴とする燃料電池におけるガス漏れ検知方法。 - 固体高分子電解質膜をアノードとカソードで挟持してなる燃料電池におけるガス漏れ検知方法において、
アノードに供給する燃料ガスの圧力とカソードに供給するガスの圧力の少なくともいずれか一方のガスの圧力をパルス的に変化させることによってアノードに供給する燃料ガスの圧力をカソードに供給するガスの圧力よりも相対的に高くし、この時に活性化過電圧領域で出力電圧を測定し、前記出力電圧が所定の電圧値以下であった場合にガスが漏れていると判定することを特徴とする燃料電池におけるガス漏れ検知方法。 - 前記アノードとカソードにそれぞれ前記ガスを流通させながら実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池におけるガス漏れ検知方法。
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