JP4747525B2 - 燃料電池の故障診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の故障診断装置に関する。特に、固体高分子電解質膜を備え、複数の単位セルを積層することにより構成した燃料電池において、反応ガスの漏洩が生じているか否かを診断する故障診断装置に関する。
燃料電池が発電を行うためには、燃料極と酸化剤極にそれぞれ反応ガスが十分に供給されている必要がある。しかしながら、電解質膜等に欠損が発生し、燃料ガスが酸化剤極へ漏洩したり、逆に酸化剤ガスが燃料極に漏洩した場合、燃料ガスと酸化剤ガスが直接反応して消費され、発電のための反応ガスが不足するとともに、反応部分では反応熱が生じて電極触媒層や電解質膜の温度が上昇する。このことは、燃料電池の信頼性へ多大な影響を及ぼすため懸念されている。このような反応ガスの漏洩が生じた場合には、その故障を速やかに検知し、システムとして必要な対処をとることが重要となる。
このような欠損を検知する方法としては、燃料極に燃料ガスを供給するとともに、酸化剤極に酸素含有ガスを供給し、酸化剤含有ガスの供給量変化に伴う電池電圧の変化が急激な場合に電解質の欠損が発生したと判断するものが知られている(例えば、特許文献1、参照。)。
または、酸素含有ガスの流量を通常運転での設定値より少ない良否判別用基準以下にした状態で、燃料ガスの流動状態を変化させ、開回路電圧の変化を判別情報として電解質の欠損を検知するものが知られている(例えば、特許文献2、参照。)。
特開平9−27336号公報 特開平11−67255号公報
上記従来の技術においては、反応ガス流量等を変化させ、比較的簡易に測定できる電池電圧の変化を判別情報として反応ガスの漏洩を検知している。電圧変化は、燃料極と酸化剤極間のガスの移動現象に起因するものである。極間のガス移動は、例えば電解質膜に欠損が生じた場合に極間差圧が駆動力となる対流移動に加えて、欠損が生じていない場合にもガス濃度差が駆動力となる溶解拡散移動がある。この溶解拡散移動量は各電解質膜の温度や含水率などによって大きく変化し、例えば溶解拡散移動量が無視できない程度に大きくなる場合もある。
このように、上記背景技術においては、溶解拡散移動を考慮することなしに故障検知を行っている。そのため、様々な温度や加湿状態で運転される自動車用燃料電池などにおいては、微小な欠損でも精度よく検知できるように故障検知能力を確保することと、誤診断を回避することの両立が困難であるといった問題が発生する。
そこで本発明は、上記問題を鑑みて、故障検知能力および誤診断回避を両立させた燃料電池の故障診断装置を提供することを目的とする。
本発明は、アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を大きく設定する判断値設定手段と、前記燃料電池に供給する反応ガス流量を変化させた際の電圧変化量の検出値、又は前記アノードと前記カソードのガス差圧を変化させた際の電圧変化量の検出値が前記判断値より大きいときに、前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、を備える。
また本発明は、アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定し、前記カソードへの酸化剤ガスの供給を停止してから所定時間経過した後の電池電圧の検出値、又は前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定し、前記カソードへの酸化剤ガスの供給を停止してから、前記電圧検出手段によって検出した電池電圧が前記所定電圧に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、を備える。
さらに本発明は、アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、前記カソードを前記アノードよりも高い圧力値に設定し、前記アノードへの燃料ガスの供給を停止してから所定時間経過した後の電池電圧の検出値、前記カソードを前記アノードよりも高い圧力値に設定し、前記アノードへの燃料ガスの供給を停止してから、前記電圧検出手段によって検出した電池電圧が前記所定電圧に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、を備える。
さらに本発明は、アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、前記燃料電池内の燃料ガス圧力を検出する圧力検出手段と、前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定した状態でアノードを閉塞してから所定時間経過後の前記アノード圧力の検出値、又は前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定した状態でアノードを閉塞してから、前記アノード圧力値が所定の圧力値に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、を備える。
このように、燃料電池温度もしくは電解質膜の含水率に応じて判断値を設定することで、燃料電池もしくは電解質膜の含水率に応じて変化する溶解拡散移動によるアノード、カソード間のガス移動量を考慮して故障を診断することができる。その結果、故障診断能力と誤診断の回避の両方を向上することができる。
第1の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の概略構成を図1に示す。
燃料電池10を、図1(a)に示すような電解質膜2をアノード10aとカソード10cで狭持してなる単位セル1を複数積層することにより構成する。アノード10a、カソード10cの周囲にはそれぞれガスケット3を設け、アノード10a、カソード10c間(以下、極間)の短絡を防止するとともに、それぞれに供給された反応ガスの漏洩を防止する。
また、図1(b)に示すように、複数の単位セル1を積層することにより構成した燃料電池10のアノード10aに燃料ガスを、カソード10cに酸化剤ガスを供給する燃料ガス供給手段11、酸化剤ガス供給手段13を備える。さらに、アノード10aに導入される燃料ガス流量qを制御する燃料ガス流量制御手段12と、カソード10cに導入される酸化剤ガス流量Qを制御する酸化剤ガス流量制御手段14と、を備える。
また、燃料電池10の電池電圧Vを検出する電圧検出手段15を備える。ここでは、電圧検出手段15を、燃料電池10の電池電圧Vを検出する手段としたが、この限りではない。例えば、単位セル1の電圧を検出する複数の電圧センサにより構成してもよいし、所定数の単位セル1を積層した組電池の電圧を検出する複数の電圧センサにより構成してもよい。また、燃料電池10の温度を検出する温度検出手段16を備える。ここでは、温度検出手段16を、電解質膜2の温度を検出可能に構成する。さらに、電圧検出手段15と温度検出手段16の出力より燃料電池10の故障診断を制御する故障診断制御手段21を備える。
通常運転時には、燃料電池10のアノード10aに燃料ガスを供給し、カソード10cに酸化剤ガスを供給することにより発電反応を生じる。このとき、単位セル1内ではアノード10aとカソード10cが電解質膜2により隔離されているため、燃料ガスと酸化剤ガスが直接反応するのではなく、電解質膜2内をプロトンが移動して各電極1a、1cで発電反応を生じる。
ここで、燃料ガスがカソード10cへ漏洩したり、逆に酸化剤ガスがアノード10aに漏洩した場合、燃料ガスと酸化剤ガスが直接反応して消費される。その結果、発電のための反応ガスが不足するとともに、反応部分では反応熱が生じて温度が過度に上昇してしまう。なお、アノード10a、カソード10c間の反応ガスの漏洩は、例えば、電解質膜2の欠損や、アノード10a、カソード10cの周囲に設けられたガスケット3の欠損等により生じる。
そこで、このような燃料電池10の欠損による反応ガスの漏洩が生じているか否かの判断を行うことにより燃料電池10の故障診断を行う。発電停止時に、反応ガス供給量を変化させた際の電圧変化量より、燃料電池10の故障診断を行う。
ここで、電圧変化は、極間の反応ガスの移動現象に起因するものである。反応ガスの移動現象としては、電解質膜2等に欠損が生じた場合に極間差圧が駆動力となって生じる対流移動のみではなく、燃料電池10に欠損が生じていない場合にも、ガス濃度差が駆動力となる溶解拡散移動が生じる場合もある。
ここで、溶解拡散によるガス移動量は、燃料電池温度Tに応じて変化する。例えば、アノード10aとカソード10c間の水素分圧差を一定とし、電解質膜2の含水率を一定とした場合、アノード10aからカソード10cへの燃料ガス移動量は図2に示すようになる。つまり、燃料電池10の温度が高くなるに従って、溶解拡散による燃料ガス移動量が増大する。
そこで、燃料電池10の故障診断時には、溶解拡散によるガス移動によって生じる電圧変化を考慮した判断値Cjaと検出された電圧変化量ΔVaにより診断を行う。ここでは、燃料電池温度Tに応じて判断値Cjaを設定し、この判断値Cjaと反応ガス供給量を変化させた場合の電圧変化量ΔVaを比較することにより、燃料電池10の故障を診断する。
次に、燃料電池10の故障診断の流れについて、図3に示したフローチャートを用いて説明する。本フローは、燃料電池システム開始時から終了まで、所定時間毎に繰り返し行う。
ここでは、故障診断を燃料電池システムの発電停止時に行う。但しこの限りではなく、例えば、燃料電池10が所定の低電流発電を行っている場合に実行してもよい。
ステップS1において、発電停止時であるか否かを判断する。発電停止時でない場合には故障診断を行わず、本フローを終了する。発電停止時であれば、ステップS2に進み、燃料ガス流量制御手段12を調整することにより、燃料ガス流量qを予め設定した所定値q0に制御する。ステップS3において、酸化剤ガス流量制御手段14を調整して、酸化剤ガス供給量Qを所定値Q1に設定する。次に、ステップS4において、電圧検出手段15を用いて電池電圧V1aを検出する。ステップS5において、酸化剤ガス流量制御手段14を調整して、酸化剤ガス供給量Qを所定値Q2に設定する。ここで、所定値Q1とQ2は異なる値とし、例えばQ1>Q2とする。さらに所定値Q1は、アノード10aとカソード10c間の圧力差が0、または微小となるように、所定値q0に対して設定してもよい。ステップS6において、電圧検出手段15を用いて電池電圧V2aを検出する。
このとき、図4に示すように、正常時には、酸化剤ガス流量Qを低減することにより、電池電圧Vも低減する。電解質膜2等に欠損が生じている場合には、酸化剤ガス流量Qを低減することにより、アノード10aからカソード10cへ燃料ガスが漏洩する。それにより、欠損が生じている場合には、正常時の電池電圧低減に加えて、漏洩した反応ガスが直接反応することによる電池電圧の低減も生じるため、正常時に比較して電池電圧Vの変化量ΔVa(=V1a−V2a)は大きくなる。なお、この電圧変化量ΔVaには、前述した溶解拡散移動による圧力変化量も含まれる。
そこで、ステップS7において、温度検出手段16の出力を読み込むことにより、燃料電池温度Tを読み込む。ステップS8において、燃料電池温度Tに応じて、酸化剤ガス流量をQ1からQ2に変化させた際の電圧変化量ΔVaの判断値Cjaを設定する。図2に示した燃料電池温度Tに対するガス移動量の変化に応じて、燃料電池温度Tに対する判断値Cjaを予め求めておき、これを図5に示すようなマップとして記憶しておく。または、予め実験等により、正常時に酸化剤ガス量Qを変化させた場合の変化量ΔVaを、複数の燃料電池温度Tに対して求めておき、これから判断値Cjaを設定して図5に示すようなマップとして記憶しておく。燃料電池温度Tが高いほど、診断時の判断値Cjaを大きく設定する。
ステップS9において、圧力変化量ΔVaと判断値Cjaとを比較することにより、故障診断を行う。変化量ΔVaが判断値Cjaより大きい場合には、故障していると診断してステップS10に進み、故障処理を行う。例えば、欠損を示すライトを点滅する等により運転者に警告するように制御する。一方、ステップS9において、ΔVaが判断値Cja以下の場合には、故障なしと診断して本フローを終了する。
なお、ここでは、所定値Q1 >Q2 として、酸化剤ガス流量を減少させることにより診断を行ったが、Q1 <Q2 としてもよい。この場合には、電池圧力VはV1a <V2a となる。さらには、酸化剤ガス流量Qの替わりに、燃料ガス流量qを変化させてもよい。
このように、酸化剤ガス流量をQ1からQ2に変化させた場合の電圧変化量ΔVaと燃料電池温度Tに応じて設定した判断値Cjaを比較することにより故障診断を行う。これにより、温度依存性を有する溶解拡散移動による電池電圧Vの変化を判断値Cjaに反映することができる。その結果、故障診断能力の向上と誤診断回避の両立が可能となる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
アノード10aとカソード10cで電解質膜2を狭持してなる単位セル1を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池10と、燃料電池10の温度Tを検出する温度検出手段16と、を備える。また、温度検出手段16の出力に応じて燃料電池10の故障診断を行うための閾値である判断値Cjaを設定する判断値設定手段(S8)と、判断値Cjaを用いて燃料電池10の故障診断を行う診断手段(S9)と、を備える。このように、燃料電池温度Tに応じて判断値Cjaを設定することで、温度に応じて変化する溶解拡散移動による電圧変化の影響を考慮して診断を行うことができる。その結果、故障診断能力と誤診断の回避の両方を向上することができる。
ここでは、単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段15を備え、判断値設定手段(S8)は、温度検出手段16の出力に応じて、燃料電池10の電圧状態の判断値Cjaを設定し、診断手段(S9)は、電圧検出手段15より求めた燃料電池10の電圧状態と、判断値Cjaとを比較することにより故障診断を行う。このように、燃料電池10の電圧状態と、燃料電池温度Tに応じて設定した判断値Cjaとを比較することにより、溶解拡散移動による電圧変化の影響を考慮した故障診断を行うことができる。
さらに、単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段15と、燃料電池10に供給する反応ガス流量を調整する反応ガス流量調整手段と、を備える。ここでは反応ガス流量調整手段として、燃料ガス流量調整手段12と、酸化剤ガス流量調整手段14と、を備える。判断値設定手段(S8)は、反応ガスの流量を所定値Q1から所定値Q2に変化させた際の電圧変化量の判断値Cjaを設定する。診断手段(S9)は、反応ガス流量を変化させた際の電圧変化量の検出値ΔVaと、判断値Cjaを比較することにより故障診断を行う。このように、反応ガス流量を所定量変化させた場合の電圧変化の判断値Cjaを燃料電池温度Tに応じて設定し、故障診断を行うことで、溶解拡散移動による電圧変化の影響を考慮した診断を行うことができる。
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を、第1の実施形態と同様に図1で示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
酸化剤ガス流量Qが所定量Q1、Q2に調整された場合でも、単位セル1内のガス組成分布が定常状態となり安定するまでにはある程度の時間が必要となる。そこで、酸化剤ガス供給量Qを所定値Q1、Q2に調整した後、それぞれ所定時間T1a0、T2a0経過してから電池電圧V1a、V2aの検出を行う。これにより、安定した電池電圧Vを検知して電圧変化量ΔVaを算出し、故障診断に用いることにより、更なる故障診断能力の向上と誤診断回避との両立が可能になる。
燃料電池10の故障診断制御を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS21〜S23においては、ステップS1〜S3と同様とする。ステップS24において、酸化剤ガス流量Qを所定値Q1に調整してからの経過時間T1aをカウントする。つまり、T1a→T1a+t1a。次に、ステップS25において、経過時間T1aが所定時間T1a0以上であるか否かを判断する。経過時間T1aが所定時間T1a0に達していない場合には、ステップS24に戻る。なお、t1aはステップS24、S25の制御に要する時間とする。
ステップS25において経過時間T1aが所定時間T1a0に達したと判断されたら、ステップS26に進み、電池電圧V1aを検出する。次に、ステップS27において、酸化剤ガス流量Qを所定値Q2に調整する。ステップS28において、所定値Q2に調整してからの経過時間T2aをカウントする。つまり、T2a→T2a+t2a。次に、ステップS29において、経過時間T2aが所定時間T2a0以上であるか否かを判断する。経過時間T2aが所定時間T2a0に達していない場合には、ステップS28に戻る。なお、t2aはステップS28、S29の制御に要する時間とする。
ステップS29において経過時間T2aが所定時間T2a0に達したと判断されたら、ステップS30に進み、電池電圧V2aを検出する。その後、ステップS31〜S34を、ステップS7〜S10と同様とし、燃料電池温度Tに応じた判断値Cjaを設定して故障診断を行う。さらに、ステップS35において、経過時間T1a、T2aを0にリセットし、本フローを終了する。
このように、酸化剤ガス流量Qを所定量Q1、Q2に調整した後、所定時間T1a0、T2a0が経過してから、電池電圧V1a、V2aを検出する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
酸化剤ガス流量Qを変化させてから、所定時間T1a0、T2a0経過後に、電圧検出手段15により電圧を検出する。これにより、燃料電池10内の反応ガスのガス組成分布が定常状態となり、安定してから電圧V1a、V2aを検出しているので、より正確に故障診断を行うことができる。
次に、第3の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を図7に示す。以下、第1の実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
燃料電池10のアノード10a、カソード10cの下流側に、アノード10a、カソード10c内のそれぞれの圧力を調整する燃料ガス圧力制御手段17、酸化剤ガス圧力制御手段18を備える。ここでは、燃料ガス圧力制御手段17、酸化剤ガス圧力制御手段18をそれぞれ圧力調整弁により構成する。
次に、燃料電池10の故障診断制御を、図8のフローチャートを用いて説明する。
燃料電池温度Tに応じて、アノード10aとカソード10c間の極間ガス差圧Pを変化させた場合の電圧変化量の判断値Cjbを設定し、これと検出値ΔVbとを比較することにより故障診断を行う。
ステップS41において、発電停止時であるか否かを判断し、停止時ではない場合には本フローを終了し、停止時の場合にはステップS42に進む。ステップS42において、燃料ガス圧力調整手段17、酸化剤ガス圧力調整手段18を調整することにより、極間ガス差圧Pを所定値P1に調整する。ステップS43において、電池電圧V1bを検出する。次に、ステップS44において、極間ガス差圧Pを所定値P2に調整する。ステップS45において、極間ガス差圧PをP2に調整した際の電池電圧V2bを検出する。
ここで、所定値P1とP2は異なる値とし、例えばP1<P2とする。これに対して電池電圧Vは、図9に示すようにV1b>V2bとなる。極間ガス差圧Pを変化させた場合、電池電圧Vの変化量ΔVb(=V1b−V2b)は正常値に比較して故障時に大きくなる。
ステップS46〜S49にかけては、ステップS7〜S10と同様に、燃料電池温度Tに応じて判断値Cjbを設定し、故障診断を行う。なお、判断値Cjbは、図2に示した燃料電池温度Tに対するガス移動量の変化に応じて、燃料電池温度Tに対する判断値Cjbを予め求めておき、これを図10に示すようなマップとして記憶しておく。または、予め実験等により、極間ガス差圧PをP1からP2に変化させた際の電圧変化量ΔVbを、複数の燃料電池温度Tに対して求めておき、これにより判断値Cjbを設定して図10に示すようなマップとして記憶しておく。燃料電池温度Tが高いほど、診断時の判断値Cjbを大きく設定する。
なお、ステップS41、S43において、極間ガス差圧Pを所定値P1、P2に設定する際には、図示しない圧力検出手段を用いてアノード10a、カソード10cの圧力を測定してもよいが、例えば、予め実験等により、燃料ガス圧力調整手段17、酸化剤ガス圧力調整手段18として用いる圧力調整弁の開度を設定しておいても良い。
これにより、温度依存性を有する溶解拡散移動の電池電圧変化への影響が判断値Cjbに反映されるため、故障診断能力の向上と誤診断回避との両立が可能となる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段と、アノード10aとカソード10cの極間ガス差圧Pを調整する燃料ガス圧力制御手段17、酸化剤ガス圧力制御手段18と、を備える。判断値設定手段(S47)は、極間ガス差圧Pを所定値P1からP2に変化させた際の電圧変化量の判断値Cjbを設定する。診断手段(S48)は、極間ガス差圧Pを変化させた際の電圧変化量の検出値ΔVbと、判断値Cjbを比較することにより故障診断を行う。このように、燃料電池温度Tに応じて極間ガス差圧Pを所定量変化させた場合の電圧変化の判断値Cjbを設定し故障診断に用いることで、溶解拡散移動による電圧変化の影響を考慮した故障診断を行うことができる。
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を、第3の実施形態と同様に図7に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池10の故障診断制御を図11のフローチャートを用いて説明する。ここでは、燃料電池10の故障診断を、酸化剤ガスの供給を停止した状態で行う。
ステップS51において、発電停止時か否かを判断し、発電停止時ではない場合には本フローを終了し、発電停止時にはステップS52に進む。ステップS52において、酸化剤ガスの供給を停止する。以下、ステップS53〜S60については、ステップS42〜S49と同様とする。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
故障診断時に、カソード10cに導入する酸化剤ガスの供給を停止した状態で、極間ガス差圧Pを変化させる。 このように、燃料電池10の故障診断時に酸化剤ガスの供給を停止すると、カソード10cでの酸素消費に対して新たな酸化剤ガスが供給されない。そのため、アノード10aからカソード10cへの水素移動速度が同じ場合でも、カソード10c内に存在する酸素量の減少速度が大きくなる。その結果、電池電圧Vの変化量が大きくなり、故障診断能力を向上することができる。
次に、第5の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を、第3の実施形態と同様に図7に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
極間ガス差圧Pを所定値P1、P2に調整した場合でも、単位セル1内のガス組成分布が定常状態となり安定するまでにはある程度の時間が必要となる。そこで、極間ガス差圧Pを所定値P1、P2に制御した後、それぞれ所定時間T1b0、T2b0経過してから電池電圧V1b、V2bの検出を行う。
燃料電池10の故障診断制御を図12のフローチャートに示す。
ステップS62、S66それぞれにおいて、極間ガス差圧Pを所定値P1、P2に調整したら、ステップS63、S67において、所定値P1、P2に調整してからの経過時間T1b、T2bをカウントする。次に、ステップS64、S68において、経過時間T1b、T2bがそれぞれ所定時間T1b0、T2b0に達したか否かを判断する。経過時間T1b、T2bが所定時間T1b0、T2b0に達していない場合にはステップS63、S67に戻る。経過時間T1b、T2bが所定時間T1b0、T2b0に達したら、ステップS65、S69に進み、電池電圧V1b、V2bを検出する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第3の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
極間ガス差圧Pを変化させてから、所定時間T1b0、T2b0後に、電圧検出手段15により電圧を検出する。これにより、燃料電池10内の反応ガスのガス組成成分分布が安定してから電圧値V1b、V2bを検出することができる。その結果、安定した電池電圧Vを検知して電圧変化量ΔVbを算出し、故障診断に用いるので、更なる故障診断能力の向上と誤診断回避との両立が可能になる。
次に、第6の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を、第3の実施形態と同様に図7に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池温度Tに応じて、所定量の燃料ガスを供給し、酸化剤ガスの供給を停止した状態から所定時間Tc0が経過した時の電池電圧の判断値Cjcを設定し、これと検出値Vcを比較することにより、燃料電池10の故障診断を行う。
燃料電池10の故障診断制御を、図13のフローチャートに示す。
ステップS80において、発電が停止しているか否かを判断する。停止していない場合には、本フローを終了し、停止している場合には、ステップS81に進む。ステップS81において、燃料ガスを所定圧力Pcに調整する。ここでは所定圧力Pcをカソード10c内より高い圧力に設定する。ステップS82において、酸化剤ガスの供給を停止する。ステップS83において、酸化剤ガスの供給を停止してからの経過時間Tcをカウントする。つまり、Tc→Tc+tc。次に、ステップS84において、経過時間Tcが所定時間Tc0に達したか否かを判断する。達していなかったらステップS83に戻り、達していたらステップS85に進む。ステップS85において、電池電圧Vcを計測する。
次に、ステップS86において燃料電池温度Tを検出し、ステップS87において、診断値Cjcを設定する。ここでは、予め実験等により、燃料電池10の正常時における、燃料ガスを所定圧力Pcに設定し、酸化剤ガス供給を停止してから所定時間Tc0経過後の電圧低下量を、複数の燃料電池温度T毎に求めておき、これより判断値Cjcを設定して図14に示すようなマップとして記憶しておく。図2に示すように、燃料電池温度Tが大きくなるに従って、溶解拡散によるガス移動量は増大するので、所定時間Tc0後に検出される電池電圧Vcは小さくなる。そこで、図14に示すように、判断値Cjcを燃料電池温度Tが高いほど小さく設定する。
ステップS88において、検出された電池電圧Vcと判断値Cjcとを比較する。電池電圧Vcが判断値Cjc以上の場合には故障は生じていないと判断し、未満の場合には、故障が生じていると診断して、ステップS89において故障時の処理を行う。次に、ステップS90において、経過時間Tcを0にリセットして本フローを終了する。
このように、燃料ガスを所定圧力に調整し、酸化剤ガスの供給を停止した場合には、正常時には、極間の反応ガスの移動は溶解拡散によるものとなる。一方、故障時には、溶解拡散移動に加えて対流移動も生じるため、電極間を移動するガスの総量が大きくなる。その結果、故障時には、酸化剤ガスの供給を停止した後の電圧降下量が正常時に比較して大きくなる。そこで、電池電圧Vcが判断値Cjcより小さい場合には、反応ガスの漏洩による電圧降下が生じていると判断する。このとき、燃料電池温度Tに対して正常時の溶解拡散によるガス移動量が変化するため、判断値Cjcを燃料電池温度Tに応じて変化させる。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第3の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段15と、アノード10aの圧力を調整する燃料ガス圧力調整手段17と、を備える。判断値設定手段(S87)は、アノード10aの圧力を所定圧力Pcに設定し、カソード10cへの反応ガスの供給を停止してから、所定時間Tc0後の電池電圧の判断値Cjcを設定する。ここでは、アノード10aがカソード10cより高い圧力値となるように所定圧力値Pcを設定する。診断手段(S88)は、アノード10aを所定圧力Pc0に設定し、カソード10cへの反応ガスの供給を停止してから、所定時間Tc0後の電圧検出手段15の検出値Vcと、判断値Cjcとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第7の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を第3の実施形態と同様に図7に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料ガスを所定圧力Pdに設定し、酸化剤ガスの供給を停止した状態で、電池電圧Vdが所定値Vd0まで低下するまでの時間の判断値Cjdを設定し、これと検出値Tdを比較することにより、燃料電池10の故障診断を行う。燃料電池10の故障診断制御を、図15のフローチャートを用いて説明する。
ステップS91において、発電が行われているか否かを判断し、行われている場合には本フローを終了する。発電が行われていない場合には、ステップS92に進み、燃料ガスを所定圧力Pdに設定し、ステップS93で酸化剤ガスの供給を停止する。ここでは、アノード10aがカソード10cより高い圧力値となるように所定圧力値Pdを設定する。
ステップS94において、酸化剤ガスが停止されてからの経過時間Tdをカウントする。次に、ステップS95において、電池電圧Vdを検出する。ステップS96において、電池電圧Vdが所定値Vd0より小さいか否かを判断する。電池電圧Vdが所定値Vd0以上の場合にはステップS94に戻る。電池電圧Vdが所定値Vd0未満まで低下したら、ステップS97に進む。
ステップS97では、燃料電池温度Tを検出して、ステップS98において、所定値Vdまで低下するまでの時間Tdと比較することにより故障を判断する判断値Cjdを設定する。ここで、燃料電池温度Tが高い場合には、燃料電池10に欠損がない場合にも、溶解拡散によるガス移動量が多く、電池電圧Vdが比較的早い速度で低下する。そこで、燃料電池温度Tが高い場合には、図16に示すように判断値Cjdを小さい値に設定し、これより短時間で電池電圧Vdが所定値Vd0より小さくなった場合に故障と判断する。
なお、実験等により、正常時に燃料ガスを所定圧力Pdに設定し、酸化剤ガスの供給を停止した状態で、電池電圧Vdが所定値Vd0まで低下するのに要する時間Tdを、複数の燃料電池温度T毎に求め、これより診断値Cjdを設定して図16に示すようなマップとして記憶しておく。
次に、ステップS99において、電池電圧Vdが所定値Vd0まで低下するまでに要した時間Tdと判断値Cjdとを比較する。時間Tdが判断値Cjd以上の場合には正常と判断する。時間Tdが判断値Cjd未満の場合には故障が生じていると判断して、ステップS100において故障処理を行う。このような診断をおこなったら、ステップS101において、時間Tdを0にリセットして本フローを終了する。
このように、所定量の燃料ガスを供給し、酸化剤ガスの供給を停止した場合には、正常時には、極間の反応ガスの移動は溶解拡散によるものとなる。一方、故障時には、溶解拡散移動に加えて対流移動が生じるため、電極間を移動するガスの総量が大きくなる。その結果、故障時には、酸化剤ガスの供給を停止した後の電圧降下速度が正常時に比較して大きくなる。そこで、判断値Cjdより短い時間で、電池電圧Vdが所定値Vd0より小さくなった場合には、反応ガスの漏洩が生じていると判断する。このとき、燃料電池温度Tに対して正常時の溶解拡散によるガス移動量が変化するため、判断値Cjcを燃料電池温度Tに応じて変化させる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第3の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段15と、アノード10aの圧力を調整する燃料ガス圧力調整手段17と、を備える。判断値設定手段(S98)は、アノード10aの圧力を所定圧力値Pdに設定し、カソード10cへの反応ガスの供給を停止してから、所定電圧Vd0に低下するまでに要する時間の閾値を判断値Cjdとして設定する。ここでは、アノード10aがカソード10cより高い圧力値となるように所定圧力値Pdを設定する。判断手段(S99)は、アノード10a圧力を所定圧力値Pdに設定し、カソード10cへの反応ガスの供給を停止してから、電圧検出手段15の検出値が所定電圧Vd0に低下するまでの時間Tdと、前記判断値Cjdとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第8の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を、第3の実施形態と同様に図7に示す。以下、第6の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池10の故障診断制御を図17のフローチャートに示す。
ステップS112において、酸化剤ガスを所定圧力Peに設定し、ステップS113において燃料ガスの供給を停止する。ここでは、カソード10cがアノード10aより高い圧力値となるように所定圧力値Peを設定する。また、ステップS114、S115において、燃料ガスの供給を停止してからの経過時間Teを計測し、これが所定時間Te0に達したか否かを判断する。その他の部分は、図13のフローチャートと同様とする。
このように、酸化剤ガスを所定圧力Peに設定し、燃料ガスの供給を停止した場合にも、第6の実施形態と同様に、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能な燃料電池10の故障診断を行うことができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第6の実施形態と異なる効果のみを説明する。
単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段15と、カソード10cの圧力を調整する酸化剤ガス圧力調整手段18と、を備える。判断値設定手段(S118)は、温度検出手段の出力に応じて、カソード10cの圧力を所定力値Peに設定し、アノード10aへの反応ガスの供給を停止してから、所定時間Te0後の電圧検出手段15の判断値Cjeを設定する。ここでは、カソード10cがアノード10aより高い圧力値となるように所定圧力値Peを設定する。診断手段(S119)は、カソード10cの圧力を所定圧力値Peに設定し、アノード10aへの反応ガスの供給を停止してから、所定時間Te0後の電圧検出手段16の検出値Veと、判断値Cjeとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第9の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を図7に示す。以下、第7の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池10の故障診断制御を図18のフローチャートに示す。
ステップS131において発電停止と判断されたら、ステップS132において、酸化剤ガスを所定圧力Pfに設定し、ステップS133において燃料ガスの供給を停止する。ここでは、カソード10cがアノード10aより高い圧力値となるように所定圧力値Pfを設定する。また、ステップS134〜S136において、燃料ガスの供給を停止してから所定電圧Vfまで低下するまでの時間Tfをカウントし、ステップS139において、診断値Cjfと時間Tfとを比較することにより故障診断を行う。その他の部分は、図15のフローチャートと同様とする。
このように、酸化剤ガスを所定圧力Pfに設定し、燃料ガスの供給を停止した場合にも、第7の実施形態と同様に、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能な燃料電池10の故障診断を行うことができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第7の実施形態と異なる効果のみを説明する。
単位セル1毎、または、複数の単位セル1を直列に接続した組電池毎の電池電圧を検出する電圧検出手段15と、カソード10cの圧力を調整する酸化剤ガス圧力調整手段18と、を備える。判断値設定手段(S138)は、カソード10cの圧力を所定圧力値Pfに設定し、アノード10aへの反応ガスの供給を停止してから、所定電圧Vf0に低下するまでに要する時間の判断値Cjfを設定する。ここでは、カソード10cがアノード10aより高い圧力値となるように所定圧力値Pfを設定する。診断手段(S139)は、カソード10cの圧力を所定圧力値Pfに設定し、アノード10aへの反応ガスの供給を停止してから、電圧検出手段16の検出値が所定電圧Vf0に低下するまでの時間Tfと、判断値Cjfとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第10の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を図19に示す。以下、第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
アノード10a、カソード10cの下流側に設けた燃料ガス圧力制御手段17、酸化剤ガス圧力制御手段18に加えて、アノード10a内を選択的に閉塞する燃料極閉塞手段19を備える。ここでは、アノード10aの入口および出口を選択的に閉塞する二つの開閉バルブにより燃料極閉塞手段19を構成する。さらに、電圧検出手段15の替わりに、アノード10a内の燃料ガス圧力を検出する燃料ガス圧力検出手段20を備える。
ここでは、燃料電池10の故障診断時に、酸化剤ガスの供給を停止するとともに、アノード10a内を所定圧力Pg0まで加圧した状態で閉塞する。ここでは、アノード10aがカソード10cより高い圧力値となるように所定圧力値Pg0を設定する。このような状態で所定時間Tgが経過した後のアノード10a内の圧力が判断値Cjgより小さい場合に、故障が生じていると判断する。
燃料電池10の故障診断制御を、図20のフローチャートを用いて説明する。
ステップS151において、発電停止か否かを判断し、停止している場合にステップS152に進み、酸化剤ガスの供給を停止する。次に、ステップS153において、燃料ガス圧力制御手段17を調整することによりアノード10a内を所定値Pg0まで加圧する。次に、ステップS154において、燃料極閉塞手段19により、アノード10a内を閉塞する。
ステップS155、S156において、アノード10a内を閉塞してから所定時間Tg0経過したと判断されたら、ステップS157において、アノード10a内の圧力Pgを検出する。ステップS158において、燃料電池温度Tを計測し、ステップS159において判断値Cjgを設定する。
ここで、燃料電池温度Tが高い場合には、極間の反応ガスの移動が多いため(図2)、正常時にもアノード10a内の圧力低下量が大きくなる。そこで、燃料電池温度Tが大きい場合には、図21に示すように判断値Cjgを小さい値に設定することで、溶解拡散により圧力が低下した場合に故障が生じていると誤診断するのを防ぐことができる。ここでは、予め実験等により、所定値Pg0まで加圧したアノード10aを閉塞した後、所定時間Tg0が経過したときの、正常時におけるアノード10a内の圧力Pgを複数の燃料電池温度T毎に求める。これに応じて、判断値Cjgを設定し、図21に示すようなマップとして記憶しておく。
次に、ステップS160において、検出されたアノード10aの圧力Pgと判断値Cjgとを比較する。圧力Pgが判断値Cjg以上の場合には正常と判断し、未満の場合には故障と判断してステップS161において故障処理を行う。ステップS162において、アノード10aを閉塞してからの経過時間Tgを0にリセットして、本フローを終了する。
このように、加圧後、閉塞されたアノード10a内の圧力変化に応じて、燃料電池10の故障診断を行う。このとき、燃料電池温度Tが高い場合には、溶解拡散により正常時にもアノード10aの圧力Pgが低下し易くなる。そこで、判断値Cjgを燃料電池温度Tに応じて設定する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第3の実施形態と異なる効果のみを説明する。
燃料電池10内の燃料ガス圧力を検出する燃料ガス圧力検出手段20を備え、判断値設定手段(S159)は、温度検出手段16の出力に応じて、燃料電池10の電圧状態または燃料ガス圧力状態の閾値を判断値Cjgとして設定する。診断手段(S160)は、燃料ガス圧力検出手段20より求めた燃料電池10の燃料ガス圧力の状態と、判断値Cjgを比較することにより故障診断を行う。
ここでは、燃料電池10内の燃料ガス圧力を検出する燃料ガス圧力検出手段20と、アノード10aの圧力を調整する燃料ガス圧力調整手段17と、アノード10aを閉塞する燃料極閉塞手段19と、を備える。判断値設定手段(S159)は、温度検出手段16の出力に応じて所定圧力Pg0まで加圧したアノード10aを閉塞してから所定時間Tg0経過後の、アノード10aのガス圧力値の判断値Cjgを設定する。ここでは、アノード10aの圧力がカソード1の圧力よりも高くなるように所定圧力Pg0を設定する。診断手段(160)は、所定圧力Pg0まで加圧したアノード10aを閉塞してから所定時間Tg0経過後の、アノード10aのガス圧力の検出値Pgと判断値Cjgとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第11の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置を図19に示す。以下、第10の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池温度Tに応じて、アノード10aを加圧してから閉塞し、アノード10a内の圧力Phが所定値Ph0まで低下するのに要する時間の診断値を設定し、これと検出値Thとを比較することにより故障診断を行う。ここでは、アノード10aがカソード1よりも高い圧力となるように所定値Ph0を設定する。燃料電池10の故障診断制御を図22に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS171〜S174では、ステップS151〜S154と同様とする。ステップS175において、アノード10aを閉塞してからの経過時間Thをカウントする。ステップS176でアノード10a内の圧力Phを検出し、ステップS177で圧力Phが所定値Ph1まで低下したか否かを判断する。圧力Phが所定値Ph1まで低下したと判断されるまでステップS175〜S177を繰り返し、低下したと判断されたら、ステップS178に進む。
ステップS178で燃料電池温度Tを計測して、ステップS179において、燃料電池温度Tに応じて判断値Cjhを設定する。ここで、燃料電池温度Tが高い場合には、溶解拡散により極間を移動する燃料ガス量も大きくなり、アノード10a内の圧力Phが所定値Ph1まで低下する時間Thが小さくなる。そこで、燃料電池温度Tが高い場合には、図23に示すように判断値Cjhを小さく設定する。
次に、ステップS180において、経過時間Thと判断値Cjhを比較して、時間Thが判断値Cjh以上の場合には正常と判断し、時間Thが判断値Cjh未満の場合には故障が生じていると判断してステップS181において故障処理を行う。次に、ステップS182において、経過時間Thを0にリセットし、本フローを終了する。
このように、加圧し閉塞されたアノード10a内の圧力が所定値Ph1まで低下するのに要する時間Thに応じて燃料電池10の故障診断を行う。このとき、燃料電池温度Tが高い場合には、溶解拡散により正常時にもアノード10a内の圧力が所定値Ph1まで低下する時間が短くなる。そこで、判断値Cjhを燃料電池温度Tに応じて設定する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第10の実施形態と異なる効果のみを説明する。
燃料電池10内の燃料ガス圧力を検出する燃料ガス圧力検出手段20と、アノード10aの圧力を調整する燃料ガス圧力調整手段17と、アノード10aを閉塞する燃料極閉塞手段19と、を備える。判断値設定手段(S179)は、温度検出手段16の出力に応じて、所定圧力Ph0まで加圧したアノード10aを閉塞してから所定電圧に低下するまでの時間の判断値Cjhを設定する。ここでは、アノード10aがカソード10cよりも高い圧力となるように所定値Ph0を設定する。診断手段(S180)は、所定圧力Ph0まで加圧したアノード10aを閉塞してから、燃料ガス圧力検出手段20の出力が所定値Ph1まで低下するのに要した時間Thと、判断値Cjhとを比較することにより故障診断を行う。これにより、故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
次に、第12の実施形態について説明する。燃料電池10の故障診断装置の構成を図24に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
温度検出手段16に加えて、電解質膜2の含水率を推定する電解質膜含水率推定手段22を備える。燃料電池温度Tおよび電解質膜2の含水率εに応じて、判断値Cjiを変化させる。
ここで、溶解拡散によるガス移動量は、電解質膜2の含水率εに応じて変化する。例えば、アノード10aとカソード10c間の水素分圧差を一定とし、燃料電池温度Tを一定とした場合、アノード10aからカソード10cへ燃料ガスの溶解拡散移動量は図25に示すようになる。つまり、電解質膜2の含水率εが増大するに従って、燃料ガスの溶解拡散移動量が増大する。
そこで、燃料電池温度Tに加えて電解質膜2の含水率εに応じて判断値Cjiを設定する。この判断値Cjiと反応ガス供給量Qを変化させた場合の電圧変化量ΔViを比較することにより、燃料電池10の故障を診断する。
燃料電池10の故障診断制御を図26のフローチャートを用いて説明する。
ステップS7−2において、燃料電池温度Tの検出に加えて、電解質膜2の含水率εの推定を行う。ステップS8−2において、判断値Cjiを、燃料電池温度Tおよび含水率εに応じて設定する。その他、第1の実施形態と同様とする。
このように、含水率εに応じて判断値Cjiを変化させることにより、さらに正確に溶解拡散移動を考慮することができるので、故障診断能力の向上と誤診断回避をさらに向上させることができる。
なお、ここでは、燃料電池温度Tおよび含水率εに応じて判断値Cjiを変化させているが、この限りではない。例えば、燃料電池温度Tが一定に維持される場合などには、含水率εのみに応じて判断値Cjiを変化させてもよい。さらには、本実施形態においては、第1の実施形態において、含水率εに応じて判断値Cjiを変化させているが、第2〜11の実施形態においても同様に、含水率εに応じて判断値Cjを変化させることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
アノード10aとカソード10cで電解質膜2を狭持してなる単位セル1を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池10と、燃料電池10の温度を検出する温度検出手段16、もしくは、電解質膜2の含水率を検出または推定するための含水率推定手段22、の少なくとも一方を備える。また、温度検出手段16、もしくは、含水率推定手段22の出力に応じて判断値Cjiを設定する判断値設定手段(S8−2)と、診断値Cjiを用いて燃料電池10の故障診断を行う診断手段(S9)を備える。このように、溶解拡散移動は、燃料電池10の温度Tおよび電解質膜2の含水率εに応じて変化するので、判断値Cjiを燃料電池温度Tおよび含水率εに応じて変化させることで、さらに故障診断能力の向上と、誤診断の回避の両立が可能となる。
なお、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、燃料電池の故障診断装置に適用することができる。特に、固体高分子膜等の欠損による反応ガスの漏洩が生じているか否かを診断する故障診断装置に適用することができる。
第1の実施形態に用いる燃料電池の故障診断装置の概略構成図である。 燃料電池温度に対する溶解拡散移動によるガス移動量を示す図である。 第1の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 酸化剤ガス流量に対する電池電圧を示す図である。 第1の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第2の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第3の実施形態に用いる燃料電池の故障診断装置の概略構成図である。 第3の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 極間ガス差圧に対する電池電圧を示す図である。 第3の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第4の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第5の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第6の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第6、8の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第7の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第7、9の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第8の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第9の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第10の実施形態に用いる燃料電池の故障診断装置の概略構成図である。 第10の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第10の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第11の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。 第11の実施形態における燃料電池温度に対する判断値を示す図である。 第12の実施形態に用いる燃料電池の故障診断装置の概略構成図である。 電解質膜含水率に対する溶解拡散移動によるガス移動量を示す図である。 第12の実施形態における故障診断の制御フローチャートである。
符号の説明
1 単位セル
2 電解質膜
10 燃料電池
10a アノード
10c カソード
12 燃料ガス流量制御手段
14 酸化剤ガス流量制御手段
15 電圧検出手段
16 温度検出手段
17 燃料ガス圧力制御手段
18 酸化剤ガス圧力制御手段
19 燃料極閉塞手段
20 燃料ガス圧力検出手段
21 故障診断制御手段
22 含水率推定手段

Claims (7)

  1. アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、
    前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を大きく設定する判断値設定手段と、
    前記燃料電池に供給する反応ガス流量を変化させた際の電圧変化量の検出値、又は前記アノードと前記カソードのガス差圧を変化させた際の電圧変化量の検出値が前記判断値より大きいときに、前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の故障診断装置。
  2. 前記燃料電池に供給する反応ガス流量を変化させた際の電圧変化量の検出値は、前記反応ガスの流量を所定の第一流量値及び第二流量値に変化させた後、それぞれ所定時間経過した後の電池電圧を前記電圧検出手段によって検出することで算出される、
    請求項1に記載の燃料電池の故障診断装置。
  3. 故障診断時に、前記カソードに導入する酸化剤ガスの供給を停止した状態で、前記ガス差圧を変化させる、
    請求項1に記載の燃料電池の故障診断装置。
  4. 前記アノードとカソードのガス差圧を変化させた際の電圧変化量の検出値は、前記ガス差圧を所定の第一差圧値及び第二差圧値に変化させた後、それぞれ所定時間が経過した後の電池電圧を前記電圧検出手段によって検出することで算出される、
    請求項1に記載の燃料電池の故障診断装置。
  5. アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、
    前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、
    前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定し、前記カソードへの酸化剤ガスの供給を停止してから所定時間経過した後の電池電圧の検出値、又は前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定し、前記カソードへの酸化剤ガスの供給を停止してから、前記電圧検出手段によって検出した電池電圧が前記所定電圧に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の故障診断装置。
  6. アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、
    前記単位電池毎、または、複数の前記単位電池を直列に接続した組電池毎、の電池電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、
    前記カソードを前記アノードよりも高い圧力値に設定し、前記アノードへの燃料ガスの供給を停止してから所定時間経過した後の電池電圧の検出値、前記カソードを前記アノードよりも高い圧力値に設定し、前記アノードへの燃料ガスの供給を停止してから、前記電圧検出手段によって検出した電池電圧が前記所定電圧に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の故障診断装置。
  7. アノードとカソードで電解質膜を狭持してなる単位電池を、少なくとも一つ以上積層してなる燃料電池と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段、もしくは、前記電解質膜の含水率を検出または推定するための含水率検出手段、の少なくとも一方と、
    前記燃料電池内の燃料ガス圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記燃料電池の温度が高いほど、もしくは電解質膜の含水率が増大するほど、前記燃料電池の故障診断を行うための閾値である判断値を小さく設定する判断値設定手段と、
    前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定した状態でアノードを閉塞してから所定時間経過後の前記アノード圧力の検出値、又は前記アノードを前記カソードよりも高い圧力値に設定した状態でアノードを閉塞してから、前記アノード圧力値が所定の圧力値に低下するまでの時間が前記判断値より小さい場合に前記燃料電池が故障していると診断する診断手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池の故障診断装置。
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