JP4162799B2 - メラミン樹脂化粧板の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラミン樹脂化粧板の製造方法に関し、メラミン樹脂化粧板の廃材をマテリアルリサイクルすることにより、近年、社会的要請が高まっている環境保全、産業廃棄物対策として有用な方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
メラミン樹脂化粧板は、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性にも優れ、かつ意匠性でも豊富な色柄が選択出来るとから、従来よりテーブルトップ、流し台、会議用テーブル、デスク天板等の表面化粧材として広く使用されている。
メラミン樹脂化粧板の製造工程においては、成形後に行う4辺の耳裁断や顧客要求サイズにカットした際に発生する端材或いは外観不良品等の種々の廃材が発生する。これらの廃材処理については、化粧板がプラスチック製品でも熱硬化性樹脂製品であるため、その利用方法が困難であり大半が廃棄物として処理されて来た。
【0003】
近年、商品ライフサイクルから生じる廃材の回収処理に対する社会的要求が急速に高まっている。メラミン樹脂化粧板のリサイクル化が制限される中で、従来から実施されている活用方法としては、燃焼時の高発熱特性(約 5,000kcal/kg)を活かした燃焼補助材や微粉化した上でフェノール樹脂成形材料の充填材としての利用がある。しかしながら、ダイオキシン類の発生問題等から廃棄物の焼却処理の規制が厳しくなり化粧板の焼却量も減少しており、成形材料の充填材についても、成形材料の生産量、充填材の充填率の制約があり、化粧板廃材全量をリサイクル活用する事は困難であり、今後増大する商品循環から発生する廃材の回収を考慮すると、到底不可能となる。
従って化粧板廃材のリサイクル活用は、化粧板の製造に再利用するマテリアルリサイクルが理想的方法といえる。
【0004】
意匠性が問われるメラミン樹脂化粧板のリサイクル化を考えた場合、微粉化した化粧板粉には、多くのフェノール樹脂硬化物や各色化粧紙分が含まれるため、表面メラミン化粧層に添加することは不可能であることから、フェノール樹脂コア層への適用が有効であると考えられる。
しかし、化粧板の製造工程を考慮した場合、コア層であっても多くの制約を受ける。大別すると、塗布工程における原紙基材への樹脂含浸性の低下と高圧下の積層成形における平滑性不良(異物混入により生じる凹凸不良に似た外観不良)があり、これらに対する対策が不可欠である。また、リサイクル化技術は、コスト上昇への対策が重要となる。化粧板廃材を上記制約の中で使用可能な状態に加工するには、加工コストが掛かる上、通常の塗布紙を使用した場合よりも生産性が低下することが多い。従来、これらの諸課題を克服するマテリアルリサイクル化技術の開発は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メラミン樹脂化粧板の廃材を粉砕して微粉末とし、化粧板製造時の原材料の一部としてマテリアルリサイクルする方法であり、メラミン樹脂化粧板を安価に生産するリサイクル方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面化粧層にメラミン樹脂含浸紙、コア層にフェノール樹脂含浸紙を使用し、積層一体成形するメラミン樹脂化粧板の製造において、紙基材にフェノール樹脂を含浸塗布し、次いでその片面又は両面に、メラミン樹脂化粧板の廃材の微粉末をフェノール樹脂液に混合した混合液を塗工して、フェノール樹脂含浸紙を得、このフェノール樹脂含浸紙をコア材として積層成形することを特徴とするメラミン樹脂化粧板の製造方法に関するものである。
本発明において、表面化粧層については特に制限されるものでなく、通常の化粧板製造に使用されるメラミン樹脂縮合物を使用することができる。ただし、コア層が異なっても化粧板として要求される表面性能は、当然ながら維持されなければならない。
【0007】
コア層について詳細にする。
コア層に使用されるフェノール樹脂については、通常メラミン樹脂化粧板製造に使用されるレゾールタイプの樹脂であるが、後述するリサイクル率(化粧板重量当りの化粧板微粉末使用重量の比率)を考慮した場合、水溶性であり比較的低分子量タイプのものが好ましい。フェノール樹脂に化粧板微粉末を混合分散すると樹脂液粘度が大きくなるが、ある混合割合以上ではペースト状態から凝集し泥土状固形物になるが、フェノール樹脂が高分子量タイプの場合は低い混合割合でもペースト状態ないし泥土状固形物になり、その結果、リサイクル率が低下する傾向となるからである。
リサイクル率を高めるためには、基材特性も重要であり、特に米坪( g/m2)の選択には注意する必要がある。化粧板廃材は一旦成形された樹脂硬化物と紙の一体化物であり、含浸用樹脂の代替として使用することは不可能である。従って、基材の代替としてどの程度使用できるかがリサイクル率を決める要因である。化粧板の所定厚みを形成するために、基材の総重量(米坪と枚数)を、いかに経済的に、どれだけ化粧板微粉末に代替できるかがリサイクル率の向上に大きく影響してくるからである。
【0008】
コア層用基材の含浸工程では、3つの技術的ポイントが挙げられる。第1は、フェノール樹脂液に化粧板微粉末を混合していくと混合割合の増加につれて増粘するため、本来基材層間接着強度に不可欠な基材中への樹脂含浸性が損なわてくる問題にどう対応するかである。第2は、リサイクル率を高めるための化粧板微粉末混合樹脂液を基材にいかに均一かつ安定して高い塗布量に塗布するかであり、第3は、樹脂含浸基材の特性値設定(樹脂量及び揮発分率等)をいかに適切に制御するかである。得られた化粧板として具備すべき意匠性や要求基本特性等は、本発明にようにリサイクルされた素材を使用する場合も変わりなく、同等の商品価値を有するものであることは当然である。
【0009】
本発明では、第1の問題を解決するため2段階含浸方式を採用した。即ち、基材への樹脂含浸に基づく層間接着性の形成を第1段階で行い、第2段階においてフェノール樹脂液に、化粧板微粉末又はこれと無機充填材微粉末を一定の比率で配合した混合樹脂液を、基材の片面若しくは両面にコーティングし乾燥させることでコア用樹脂含浸基材を得るものである。第1段階で一旦、ロール状に巻き取ることも考えられるが、生産性の低下や巻き取り設備が必要となり、また、巻き取るのに適した状態に乾燥する必要があるが、これでは、第2段階の化粧板微粉末を含む混合液のコーティングに対しては過乾燥であるため、樹脂付着性(=含浸性)が低下し安定した高塗布量の維持が困難となる。従って、連続方式にて2段含浸する方法をとることとした。この方式により大幅な設備改造をしないで既存の設備の活用が図られ、かつ高生産性を実現することが可能となった。
【0010】
第2の問題については、第2段階のコーティング方式としてロールコーターを採用した。混合樹脂液は、化粧板微粉末混合割合を高くする程に増粘する。リサイクル率を高くするために、高粘度樹脂液の塗工には、接着剤塗工等で実績のあるロールコーター方式が有効である。しかし、基材中への含浸は期待出来ないので、第1段階の含浸が重要な工程となる。ロールコーターでは、高粘度樹脂液を使用しても巾方向塗布量分布の均一化及び塗布量の調整が安定して出来ることは、種々の例があり既知の技術である。
【0011】
コスト面からみた場合、従来のコア用樹脂含浸基材に微粉末混合フェノール樹脂液を塗布するのみでは、全化粧板厚みが厚くなりコスト上昇になる。前述の考え方から、樹脂を化粧板微粉末に代替することは不可能で、あくまで基材の一部代替が基本となる。従って、基材の使用比率を下げ、この代替として化粧板微粉末を有効に活用することが必要となる。この対策として2つの選択肢があった。1つは、基材の米坪を小さくする方法で、もう1つは、コア層の枚数の減少である。何れの方法でもコスト上昇を抑え、高塗工量を可能にする方法であり、使用原材料事情や設備能力等により決定されるものである。両方法で共通するのは、第3の問題点である樹脂含浸基材の特性値の設定を適切に行うことが重要である。
【0012】
本発明において、特に限定するものではないが、コア層の枚数を少なくする方法について説明する。この場合、化粧板重量の減少分(即ち、製品厚みの減少)を含浸基材の重量増にてカバーすることになる。通常、汎用化粧板の成形には、2〜10枚程度を積層する。また厚物化粧板においては、14〜130枚もの積層に及ぶ。汎用化粧板の場合、通常の含浸基材2枚分を高塗布量含浸基材1枚とするか、3枚分を2枚とするか、或いは更に枚数を大きく減少させるかは、化粧板特性や経済性を考慮して決定する必要がある。
【0013】
ここで枚数減少率を大きくする場合、問題となるのが基材へ塗布含浸されたフェノール樹脂の樹脂量と揮発分の調整である。基材減少分を微粉末混合樹脂で代替するとリサイクル率の上昇と共にフェノール樹脂も増加するため、化粧層の色調あるいは図柄にフェノール樹脂の色(茶褐色)が影響する恐れが出てくる。さらに揮発分が多くなることにより、樹脂のシミ出しによる表面色調不良や周辺部への樹脂流出が増大することがある。含浸基材総重量に占める樹脂比率が40〜45%(化粧板微粉末又はこれと無機充填材微粉末を含めた総不揮発分率では、58〜60%)では、揮発分率は5%以下にする必要があり、34〜40%程度になれば、揮発分は5〜8%の範囲で選択すれば良く、塗布紙乾燥負荷が大きく軽減できる。34%未満では樹脂が少なく板厚が薄くなり化粧層の厚み変動によってはJIS規格規格値下限を下回る恐れがあるため枚数減を実施出来ない等化粧板特性が不十分となる。更に30%未満では、コア層への化粧板廃材リサイクルが極く少量になり実用性がなくなる。45%を上回る樹脂量や8%を上回る揮発分率とした場合は、上記のように、色調不良、化粧板周辺の板厚不良や樹脂バリ混入による不良の原因となり生産歩留を大きく低下させる原因となり、作業性も低下させることとなる傾向があり、注意を要する。
【0014】
化粧板廃材を微粉末化する方法は種々考えられ、例えば粗砕には2軸粉砕機や衝撃型カッターミル、微粉砕にはターボミル、ロールミル、ジェットミル等があり、2段階又はそれ以上の段階に分けて徐々に細かく粉砕される。本発明で重要なのは、化粧板微粉末の平均粒径と粒度分布である。
化粧板へのマテリアルリサイクルを前提にすると、化粧板に要求される表面仕上げは多岐に及び、中でも鏡面仕上げは、表面凹凸などの欠点が目立ち易く、リサイクル化粧板の適用を制限する。化粧板廃材の微粉末のみの添加では、平均粒径が80μm以上になると地合いムラの欠点が生じるようになる。ただし、艶消し仕上げの場合では平均粒径150μm程度まで問題ない。
粉砕コストは、微粉末の粒径の大小に大きく左右されるため、無機充填材微粉末を組み合わせて、化粧板微粉末の平均粒径を許容されうる最大の粒径にすることがコスト対策面で極めて有利である。化粧板微粉末の粒度分布において、最大粒径部分とその含有比率について注意する必要がある。最大粒径が250μmを越えてくると無機充填材微粉末の目止め効果を加えても十分な表面平滑性が得られなくなり、ミカン肌状の凹凸ムラが生じてくる。含有比率が3%以上を占める最大粒径は250μm以下が好ましく、さらに好ましくは、200μm未満である。
【0015】
第2段階で使用する混合樹脂液の調合において使用する無機充填材微粉末の添加目的について説明する。大きく分けると、3つの機能が考えられる。1つは、化粧板の微粉末化を軽度に押さえる際の目止め機能である。当然ながら、化粧板廃材の微粉末化には、加工コストがかかり、粒径を小さくする程に加工コストは上昇する。既に微粉末化された市販の無機充填材は比較的低価格で、かつ多種の素材があり選択肢が極めて広い。したがって、化粧板廃材の微粉末化コストに比較し安価であり、化粧板微粉末を超微粉末化しなくても無機充填材の併用で化粧板表面の良好な平滑面を形成することが可能となる効果がある。
【0016】
次に、混合樹脂液の高固形分の達成である。化粧板廃材の微粉末物は、特徴的性状として極めて高い吸油性を持つため、前述したように混合割合の上昇と共に泥土状固形物化に至り、混合限界量が低い。つまり、フェノール樹脂への混合量が制限される。本発明者らの検討では、混合量の限界はフェノール樹脂固形分比で20〜22重量%程度であった。安定な生産性を考慮した場合、好ましくは16〜19重量%となるが、これでは高塗布量を実施した場合、樹脂液中の揮発分のために乾燥負荷が高く塗布速度が低下する。無機充填材の添加は、固形付着量を上げ、生産性を上げる上で有効である。ただし、適用充填材の種類、平均粒径、混合比率、コスト等は化粧板の用途、必要特性等を勘案し選択されるべきものである。
適用されうる無機充填材としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ等の微粉末があり、粒径範囲は無機充填材の添加目的の第1として述べた目止め効果から、平均粒径で1〜50μmが適当であり、1〜20μmがより好ましい。50μmを越えるようになると目止め効果が減少し、混合樹脂液中の分散性が低下し、低粘度では沈降が生じ易い欠点がある。また、混合割合を高くする場合は、充填材の吸油性に注意する必要がある。
【0017】
第2段階の塗布用混合樹脂液の好ましい混合割合は、固形分比でフェノール樹脂:化粧板微粉末が90:10〜80:20の範囲であり、フェノール樹脂:無機フィラーが80:20〜60:40の範囲が好ましい。この割合はフェノール樹脂の性状によって、増減し調整されるものである。溶剤は、塗布状態に合わせて、粘度調整程度に使用することが有効であり、樹脂固形分維持、乾燥負荷を考えると最小限に止めることが好ましい。こうして得られた混合樹脂粘度の適用範囲は、経時安定性、基材への均一付着性、レベリング性、塗布基材外観等を考慮して決定する必要があるが、通常300〜3,000mPa・S/20℃であり、500〜1,500mPa・S/20℃が好ましい範囲である。300mPa・S/20℃未満にするには、化粧板微粉末混合率を下げる必要があり、リサイクル率の低下となる。また、3,000mPa・S/20℃を越えると経時安定性、塗工面のレベリングが低下し塗布ムラになり易い。
【0018】
【実施例】
以下、本発明について実施例にて具体的に説明する。ここで、「%」は「重量%」を示す。
【0019】
実施例1
コア用含浸紙は図1に概略図を示す含浸塗布機により製造した。まず第1段階のディップ含浸用の調合樹脂として汎用タイプの水溶性レゾールフェノール樹脂(不揮発分64%、粘度 45mPa・S/20℃)を溶剤調整・温度調節して、粘度22mPa・S/35℃として含浸槽2に入れ、コア用原紙1をディップ含浸し、スクイズロールにて、樹脂量30%になる様に調整し、加熱乾燥装置3にて加熱乾燥した。原紙1は米坪190g/m2 の未晒クラフト紙を使用した。第1段階の含浸・乾燥後、第2段階の塗布含浸・乾燥を行った。総不揮発分率(含浸紙全体に対する樹脂、化粧板微粉末及び無機充填材の合計量の割合)が52%、揮発分比率が8%になる様に含浸装置4のロールコータ間隙、ロール周速及び塗布速度を調整し、次いで加熱乾燥装置5により加熱乾燥してコア用含浸紙を得た。塗布は片面コーティングとした。第2の含浸で使用した混合樹脂液の配合割合は、水溶性フェノール樹脂(第1段階で使用したもの):化粧板微粉末:無機充填材(水酸化アルミニウム)の固形分比が、60:10:30とし、粘度520mPa・S/20℃であった。化粧板微粉末は平均粒径75μm、最大粒径180μmのものを使用し、水酸化アルミニウムは平均粒径8μm、最大粒径40μmのものを使用した。得られたコア用含浸紙6はカッター7により所定長さに切断した。
【0020】
一方、表面化粧層として、水溶性メラミン樹脂に触媒、フィラー等の添加剤を混合した調合樹脂液を、米坪80g/m2 の木目グラビア印刷紙に含浸し、乾燥して樹脂量55%,揮発分 6.7%のメラミン樹脂含浸紙を得た。
図2の構成にて表面層用メラミン樹脂含浸紙11、コア用含浸紙12及びバック用フェノール樹脂含浸紙14を重ね合わせ、常法により加熱・加圧成形し、厚さ1.2mmのメラミン樹脂化粧板を得た。通常法では、コア用含浸紙4枚を使用して厚さ1.2mmを得るが、本実施例では、コア用含浸紙12は3枚とした。なお、含浸紙の重ね合わせの際、コア用含浸紙12の向きは、化粧板微粉末混合樹脂液塗布面を化粧面とは反対側に向けた。
【0021】
実施例2
実施例1において、コア用原紙は米坪180g/m2 の未晒クラフト紙を使用し、第2段階の塗布で用いる混合樹脂液は水溶性フェノール樹脂(実施例1で使用のもの):化粧板微粉末:無機充填材(炭酸カルシウム)の固形分比を53:12:35とし、粘度2,800mPa・S/20℃ に調合したものを使用した。化粧板微粉末は平均粒径90μm、最大粒径180μmのものを使用し、炭酸カルシウムは平均粒径3μm、最大粒径35μmのものを使用した。
また、コア用含浸紙は、総不揮発分量(実施例1と同じ)が54%、揮発分比率が7%になるようにロールコータ間隙、ロール周速及び塗布速度を調整して作製した。図2の構成にて表面層用メラミン樹脂含浸紙11、コア用含浸紙12(3枚)及びバック用フェノール樹脂含浸紙14を重ね合わせ、常法により加熱・加圧成形した。使用した表面層用含浸紙、バック用含浸紙、成形条件等は実施例1と同様に実施した。
【0022】
実施例3
実施例1において、コア用原紙は実施例1と同じ米坪190g/m2 の未晒クラフト紙を使用し、第2段階の塗布で用いる混合樹脂液は、無機充填材を使用せず、水溶性フェノール樹脂(実施例1で使用のもの):化粧板微粉末の固形分比を80:20とし、粘度1350mPa・S/20℃に調合したものを使用した。化粧板微粉末は、平均粒径51μm、最大粒径102μmのものを使用した。
また、コア用含浸紙12は、総不揮発分量(実施例1と同じ)が53%、揮発分比率が8%になるように塗布条件、塗布速度を調整して作製し、図2に示すコア層3枚の構成にて加熱加圧成形した。その他の条件は、実施例1同様に実施した。
【0023】
比較例1
従来の方法にて化粧板を製造した。実施例と異なるのは使用するコア用含浸紙13である。図1に示す塗布乾燥機において、第1段階のディップ含浸槽を使用し、実施例1のものと同程度に粘度調整にした水溶性フェノール樹脂を米坪190g/m2 の未晒クラフト紙に含浸し乾燥して、樹脂量28%、揮発分8%の特性の含浸紙を得た。次いで、図3に示すように、コア用含浸紙は4枚構成として加熱加圧成形した。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0024】
実施例及び比較例にて得られた各化粧板について特性を測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004162799
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の化粧板の製造方法は、メラミン樹脂化粧板の廃材の微粉末をリサイクルして再使用して新たなメラミン樹脂化粧板を製造することができ、得られた化粧板は従来のものと同等である。従って、社会的要求が高まっている環境保全、産業廃棄物対策として有用な方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧板の製造において、含浸紙を製造する工程を示す概略図。
【図2】 実施例の化粧板の層構成を示す断面図。
【図3】 比較例の化粧板の層構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 原紙
2 第1含浸槽
3 第1加熱乾燥装置
4 第2含浸槽
5 第2加熱乾燥装置
6 カッター
7 含浸紙
11 表面層用メラミン樹脂含浸紙
12 実施例におけるフェノール樹脂含浸紙
13 比較例におけるフェノール樹脂含浸紙
14 バック用フェノール樹脂含浸紙

Claims (4)

  1. 表面化粧層にメラミン樹脂含浸紙、コア層にフェノール樹脂含浸紙を使用し、加熱加圧成形するメラミン樹脂化粧板の製造方法において、紙基材にフェノール樹脂を含浸塗布し、次いでその片面又は両面に、メラミン樹脂化粧板の廃材の微粉末をフェノール樹脂液に混合した混合液を塗工して、フェノール樹脂含浸紙を得、このフェノール樹脂含浸紙をコア材として成形することを特徴とするメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  2. メラミン樹脂化粧板の廃材の微粉末とともに無機充填材微粉末を併用し、フェノール樹脂液に混合する請求項1記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  3. 上記混合液において、フェノール樹脂(不揮発分)と化粧板微粉末の比率が90:10〜70:30(重量比)の範囲であり、フェノール樹脂(不揮発分):無機充填材微粉末の比率が100:0〜50:50(重量比)の範囲である請求項1又は2記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  4. 化粧板微粉末の平均粒径が30〜250μmであり、無機充填材微粉末の平均粒径が1〜50μmである請求項1,2又は3記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
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