JP3741405B2 - メラミン樹脂化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メラミン樹脂化粧板の製造方法に関し、メラミン樹脂化粧板の廃材を効率的にマテリアルリサイクルすることにより、近年、社会的要求が高まっている環境保全、産業廃棄物対策として有用な方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
メラミン樹脂化粧板は、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性にも優れ、かつ意匠性でも豊富な色柄が選択出来るとから、従来よりテーブルトップ、流し台、会議用テーブル、デスク天板等の表面化粧材として広く使用されている。
メラミン樹脂化粧板の製造工程においては、成形後に行う4辺の耳裁断や顧客要求サイズにカットした際に発生する端材或いは外観不良品等の種々の廃材が発生する。これらの廃材処理については、化粧板がプラスチック製品でも熱硬化性樹脂製品であるため、その利用方法が困難であり大半が廃棄物として処理されて来た。
【0003】
近年、商品ライフサイクルから生じる廃材の回収処理に対する社会的要求が急速に高まっている。現在メラミン樹脂化粧板のリサイクルが不十分な中で、従来から実施されている活用方法としては、燃焼時の高発熱特性(約 5,000kcal/kg)を活かした燃焼補助材や微粉化した上でフェノール樹脂成形材料の充填材としての利用がある。しかしながら、ダイオキシン類の発生問題等から廃棄物の焼却処理の規制が厳しくなり化粧板の焼却量も減少しており、成形材料の充填材についても、成形材料の生産量、充填材の充填率の制約があり、化粧板廃材全量をリサイクル活用する事は困難であり、今後増大する商品循環から発生する廃材の回収を考慮すると、到底不可能となる。
従って化粧板廃材のリサイクル活用は、化粧板の製造に再利用するマテリアルリサイクルが理想的方法といえる。
【0004】
意匠性が問われるメラミン樹脂化粧板のリサイクル化を考えた場合、微粉化した化粧板粉には、多くのフェノール樹脂硬化物や各色化粧紙分が含まれるため、表面メラミン化粧層に添加することは不可能であることから、フェノール樹脂コア層への適用が有効であると考えられる。
しかし、化粧板の製造工程を考慮した場合、コア層であっても多くの制約を受ける。大別すると、塗布工程における原紙基材への樹脂含浸性の低下と高圧下の積層成形における平滑性不良(異物混入時に生じる凹凸欠点に似た外観になる)があり、これらに対する対策が不可欠である。また、リサイクル化技術は、コスト上昇への対策が重要となる。化粧板廃材を上記制約の中で使用可能な状態に加工するには、加工コストが掛かる上、通常の塗布紙を使用した場合よりも生産性が低下することが多い。従来、これらの諸課題を克服するマテリアルリサイクル化技術の開発は困難であった。
【0005】
こうした状況において、本発明者は鋭意検討を重ね、2段階含浸塗布方式を採用し、化粧板廃材から得た微粉末を高配合率でフェノール樹脂に混合したワニスを調製し、フェノール樹脂を含浸した基材に、このワニスを塗工してコア層用フェノール樹脂含浸塗布基材を得、これをメラミン樹脂化粧板に適用する方法を開発した(特願平11−113307号明細書)。この技術は、通常コスト上昇となり易い産業廃棄物を経済的にリサイクルすることを可能とする上で有効な手段である。ただし、化粧板重量当りのリサイクル率(重量比率)は通常2〜4%程度であり、コア用基材の米坪(g/m2 )を小さくした場合でも6%程度が限界である。この程度では、将来廃棄物量が増加した場合にリサイクル処理能力の不足が懸念される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記のように、化粧板廃材から得た微粉末のリサイクル率を向上させるため、化粧板廃材微粉末の持つ高い吸油性を低下させる方法について種々検討し、実用化を目指した。即ち、本発明は、メラミン樹脂化粧板の廃材を粉砕して微粉末とした後、2次処理することにより、この微粉末の持つ高い吸油特性を大幅に低下させた2次処理微粉末を作製し、メラミン樹脂化粧板の製造において原材料の一部として効率的にマテリアルリサイクルする方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メラミン樹脂化粧板の製造方法において、メラミン樹脂化粧板廃材の微粉末をバインダー樹脂で固形化し再び粉砕して微粉末(2次処理微粉末)とし、この微粉末をフェノール樹脂液に混合して混合液を調製し、得られた微粉末混合フェノール樹脂液を、予めフェノール樹脂を含浸した紙基材の片面又は両面に塗工して、コア層用フェノール樹脂塗工紙を得、このフェノール樹脂塗工紙をコア層に使用して成形することを特徴とするメラミン樹脂化粧板の製造方法に関するものである。
本発明において、表面化粧層については特に制限されるものでなく、通常のメラミン樹脂化粧板製造に使用されるメラミン樹脂を使用することができる。
【0008】
コア層について詳細にする。
本発明において、コア層用フェノール樹脂塗工紙は、予めフェノール樹脂を含浸した紙基材の片面又は両面に、以下の方法にて得られたメラミン樹脂化粧板の2次処理微粉末を混合したフェノール樹脂液を塗工して得られる。2次処理微粉末は、メラミン樹脂化粧板を微粉末化した後、バインダー樹脂で固形化し再び微粉砕して得られる。
【0009】
コア層に使用されるフェノール樹脂については、通常メラミン樹脂化粧板製造に使用されるレゾールタイプの樹脂であり、初めに紙基材に含浸するフェノール樹脂と後の2次処理微粉末を混合し塗工するフェノール樹脂(2次フェノール樹脂)は、基本的に同じものが使用できる。これらのフェノール樹脂は、含浸性等を考慮すれば、水溶性であり比較的低分子量タイプのものが好ましい。
【0010】
本発明において、化粧板廃材のリサイクル率の向上を図る上で着目したのが化粧板の微粉末がもつ吸油特性である。すなわち、フェノール樹脂液への混合率を制限する最大要因は、化粧板微粉末が持つ高い吸油量であり、この微粉末を高混合率で配合した樹脂液をコーターにて塗工するとしても、樹脂液が高粘度であることが前提となる。化粧板自体が35〜45%のバインダー樹脂を含有した紙基材を成形した積層体であり、約60%に及ぶ高いパルプ繊維比率を持つ。そのため、一般の無機充填材と異なり高い吸油性をもち、化粧板微粉末の混合液を適当な粘度に保つ上でフェノール樹脂との混合率を制限するものとなっている。
【0011】
ちなみに、無機充填材である水酸化アルミニウムの吸油量(単位:ml/100g)は、20〜30ml/100gであり、炭酸カルシウムもほぼ同じ範囲にあるのに対し、化粧板微粉末(平均粒径が80〜150μm)では、150〜350ml/100gと数倍から10数倍である。このことは、フェノール樹脂との混合液を適切な液状状態に保持するための化粧板廃材の配合率の範囲を狭くし、泥状固形化への移行を促進させやすい弊害を生じる。コーターによる塗工でもその混合率が制限させるため、リサイクル率向上を妨げる原因となっている。
【0012】
本発明では、化粧板微粉末の高い吸油性を低減化するためにバインダー樹脂を使い、予め吸油させ、加熱硬化等により固形化した後に再び微粉化する2次処理を採用する。即ち、樹脂比率を高くする(紙繊維比率を低くする)ことにより、微粉化した後の吸油性を下げることを目指したものである。
メラミン樹脂化粧板を微粉末化した後、バインダー樹脂で固形化し再び微粉砕する再微粉化処理の手順について説明する。
【0013】
初めに、化粧板廃材を平均粒径30〜1000μmの範囲に粉砕する(以下、1次粉砕物という)。この1次粉砕物をそのままフェノール樹脂液と混合しコア層用樹脂液として使用する場合は30〜250μmまで微粉化する必要があるが、以下に示す2次処理を行うので、粉砕コストの軽減、バインダー樹脂への混合率向上を図る上から下限を150μm以上とすることが好ましい。
化粧板廃材を微粉末化する方法は種々考えられ、例えば粗砕には2軸粉砕機や衝撃型カッターミル、微粉砕にはターボミル、ロールミル、ジェットミル等があり、2段階又はそれ以上の段階に分けて徐々に細かく粉砕される。
【0014】
この1次粉砕物をバインダー樹脂液に混合し、液状から粘土状固形物に変化する限界点まで混合する。この混合限界点は、吸油量測定における吸油限界点判定を参照する(吸油量測定は、通常アマニ油を使用するが、この場合はアマニ油の代わりにバインダー樹脂を使用する)。バインダー樹脂としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用するが、加熱硬化特性や価格面を考慮した場合メラミン樹脂かフェノール樹脂が好適である。また熱可塑性樹脂の利用も考えられるが、混合の容易さ、価格、耐熱性や耐水性の点で、適当とは言えない。バインダー樹脂は、化粧板微粉末に吸油され易く、またこの微粉末の高い混合割合を可能にするために、低粘度の水溶性タイプで、弱アルカリ性樹脂液が好ましい。また樹脂液が弱アルカリであると、樹脂液の経時変化が少なく、微粉末中の繊維との親和性が高く、混合が均一に行える利点がある。
【0015】
1次粉砕物とバインダー樹脂との混合は、1次粉砕物の吸油性を低下させるために行われるものである。今回検討にて確認された化粧板廃材微粉末(1次粉砕物)の吸油量は、ボールミル粉砕による平均粒径80μmのもので147ml/100gで、比較のため行った化粧板スクラッチ粉(100メッシュパス篩分の平均粒径が30〜150μmの混在品)で320ml/100gとなり、微粉粒子形状、粒度分布等で格差が大きい。混合は相当な粘度上昇を経て、粘土状態まで混練していくため、攪拌混合だけでなく混練装置を併用する必要がある。混合の目安は、予め得られる1次粉砕物の吸油量から最終混合範囲を求め、混練状態を見て加減すると良い。混合率が高い程リサイクル率の向上が図れるが、樹脂液固形分と化粧板微粉末の重量比は、56:44〜52:48付近が混合限界点であった。
【0016】
次に、固形化のために通常加熱硬化処理される。硬化条件は、加熱温度と加熱時間及びバインダー樹脂に応じた硬化触媒等であるが、バインダー樹脂液の揮発分比率や樹脂縮合度によって決定される。バインダー樹脂固形分が40%以下になると加熱温度を高温にするか加熱時間を長くする必要が有り、コスト上昇になるので、固形分50%以上の樹脂液が好ましい。加熱温度は、熱硬化性樹脂における縮合水の乾燥を考慮すると、105℃以上が必要であり、処理量、乾燥設備能力、安全性、処理時間等を考慮して上限温度を決める。メラミン樹脂をバインダー樹脂とする場合は、酸性触媒の併用も短縮化に効果的であり、フェノール樹脂を使用する場合では、発熱を考慮した安全性から加熱温度を押さえる方が望ましい。化粧板製造に使用される熱硬化性樹脂(メラミン樹脂、フェノール樹脂)ならば、105〜130℃で90〜150分の熱風加熱条件でよい。
【0017】
この処理では、大量の揮発分を除去するので、廃ガス処理に注意が必要である。粘土状に固形化した混合物を加熱硬化処理する際、次工程の粉砕効率を考慮して、予め出来る限り小さく分散させ、硬化物を小径の粗砕物で回収することが大切なポイントになる。これは、次の粉砕効率に強く影響するためである。
【0018】
最後に加熱硬化物を粉砕して微粉末(2次処理微粉末)を得る。ここで得られる2次処理微粉末は、フェノール樹脂含浸基材に塗工してコア材に供する樹脂液に配合するためのものであるので、平均粒径を30〜250μmにする必要がある。粉砕は、1次の化粧板廃材の粉砕と概ね共通し、ボールミルやジェットミルといった一般的粉砕機を使用するが、上記のように、固化段階で工夫しておけば、微粉化処理のみの粉砕でよく、微粉末単価が高くならないので好適となる。粒径については、以下に説明するように、250μm以上のものは、リサイクルされた化粧板外観(特に表面平滑性)に不具合を生じるおそれがあり、除去するのが好ましい。
【0019】
以上の処理工程を経て得られる2次処理微粉末の管理特性は吸油量であり、本発明の最重要項目のひとつである。吸油量は75ml/100g以下であることが特に好ましく、これを満たさない場合は、リサイクル率の向上効果が低下するため、バインダー樹脂タイプ、混合方法等を見直し、吸油量を低下させることが好ましい。
【0020】
化粧板へのマテリアルリサイクルを前提にすると、化粧板に要求される表面仕上げは多岐に及ぶ。鏡面仕上げのものは、表面凹凸などの欠点が目立ち易く、化粧板へのリサイクル材料の適用を制限する。化粧板廃材微粉末のみの添加では、平均粒径が80μm以上になると地合いムラの欠点が生じるようになる。艶消し仕上げの場合では平均粒径150μm程度まで問題ない。粉砕コストは、微粉末の粒径の大小に大きく左右されるため、後述するように無機充填材微粉末を組み合わせて、2次処理微粉末の平均粒径を許容される最大平均粒径にすることがコスト対策面で極めて有利である。微粉末の粒度分布で最大粒径と含有比率について注意する必要がある。最大粒径が250μmを越えてくると無機充填材微粉末の目止め効果を加えても十分な表面平滑性が得られにくく、ミカン肌状の凹凸ムラが生じてくる。従って、最大粒径は250μm以下が好ましく、更には200μm以下が好ましい。
【0021】
コスト対策について述べる。化粧板廃材微粉末(1次微粉末)を得るための粉砕に要する費用は、平均粒径によって大幅に変動する。1次微粉末を塗工用混合樹脂液に使用するには、平均粒径を250μm以下に粉砕する必要があるが、2次処理に供する上では500μm程度でも良い。また、バインダー樹脂による混合・固形化・粉砕処理を経るため、例えば化粧板製造工程中に発生する裁断粉やスクラッチ粉といった通常は廃棄物として処理されているものを併用することでコストをさらに抑えることが可能となる。また、バインダー樹脂についても硬化させることから、本来の化粧板の結合作用ではなく、充填材的捉え方が出来、化粧板製造時の残存ワニス(これらも通常は廃棄処分される事が多い)を併用することも可能である。
【0022】
次の段階で、フェノール樹脂含浸紙基材に塗工するために使用する微粉末混合樹脂液の調製において、2次処理微粉末とともに無機充填材微粉末を使用することが好ましい。無機充填材微粉末を添加することによる効果は、第1に化粧板の微粉末化の程度を軽度に押さえる際の目止め機能である。当然ながら、化粧板廃材の微粉末化には、加工コストがかかり、粒径を小さくする程に加工コストは上昇する。既に微粉末化された市販の無機充填材は比較的低価格で、かつ多種の素材があり選択肢が極めて広い。従って、化粧板廃材の微粉末化コストに比較し安価であり、化粧板の低コスト化に有効である。また、2次処理微粉末を超微粉末化しなくても無機充填材の併用で化粧板表面の良好な平滑面を形成することが可能となる効果がある。
【0023】
適用されうる無機充填材としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ等の微粉末があり、粒径範囲は無機充填材の添加目的の第1として述べた目止め効果から、平均粒径で1〜50μmが適当であり、1〜20μmがより好ましい。50μmを越えるようになると目止め効果が減少し、混合樹脂液中の分散性が低下し、低粘度では沈降が生じ易い欠点がある。また、混合割合を高くする場合は、無機充填材の吸油性に注意を要する場合がある。
【0024】
次に、2次処理微粉末はフェノール樹脂液(2次フェノール樹脂)と混合され、フェノール樹脂含浸紙基材に塗工される。2次フェノール樹脂において、樹脂粘度(縮合度)、水溶性、樹脂液のPH値等は、2次処理微粉末の混合率を高め、かつ経時安定性を持たせる上で大切な要因となる。
特に、後述するリサイクル率(化粧板重量当りの化粧板微粉末使用重量の比率)を考慮した場合、樹脂粘度が重要な要因である。フェノール樹脂に2次処理微粉末を混合すると樹脂液粘度が大きくなるが、ある混合割合以上ではペースト状態から凝集し泥土状固形物になる。フェノール樹脂が高分子量で高粘度タイプの場合は低い混合割合でもペースト状態ないし泥土状固形物になり、その結果、リサイクル率が低下する傾向となる。
【0025】
2次処理微粉末を用いた塗工用混合樹脂液の混合割合は、固形分比でフェノール樹脂:2次処理微粉末が70:30〜50:50の範囲であり、フェノール樹脂:無機フィラーが80:20〜65:35の範囲が好ましい。この割合はフェノール樹脂の性状によって、増減し調整されるものである。溶剤は、塗布状態に合わせて、粘度調整程度に使用することが有効であり、樹脂固形分の維持、乾燥負荷の軽減を考えると最小限に止めることが好ましい。こうして得られた混合樹脂の粘度は、経時安定性、基材への均一付着性、レベリング性、塗布基材外観等を考慮して決定する必要があるが、通常300〜1500mPa・S/20℃であり、350〜700mPa・S/20℃が好ましい範囲である。300mPa・S/20℃未満にするには、2次処理微粉末混合率を下げる必要があり、リサイクル率の低下となる。また、1,500mPa・S/20℃を越えると経時安定性、塗工面のレベリングが低下し塗布ムラになり易い。
【0026】
この塗工工程では、3つの技術的ポイントが挙げられる。第1は、フェノール樹脂液に2次処理微粉末を混合していくと混合割合の増加につれて増粘するため、本来基材層間接着強度に不可欠な基材中への樹脂含浸性が損なわてくる問題にどう対応するかである。第2は、リサイクル率を高めるための2次処理微粉末混合樹脂液を基材にいかに均一かつ安定して高い塗布量に塗布するかであり、樹脂液粘度の経時安定性が基本技術として重要である。第3は、含浸コア材の塗布紙特性値設定(樹脂量及び揮発分率等)をいかに適切に行い制御するかである。得られた化粧板として具備すべき意匠性や要求基本特性等は、本発明にようにリサイクルされた材料を使用する場合も変わりなく、同等の商品価値を有するものであることは当然である。これらのポイント技術の対応については、前述した特願平11−113307号明細書と同様の方法を取ることにより対応することができる。
【0027】
化粧板廃材のリサイクル率を高める上で、紙基材の米坪(g/m2 )も注意して選択する必要がある。化粧板廃材は一旦成形された樹脂硬化物と紙の一体化物であり、含浸用樹脂の代替として使用することは不可能である。従って、基材の代替としてどの程度使用できるかがリサイクル率を決める要因である。化粧板の所定厚みを形成するために、基材の総重量(米坪と枚数)を、いかに経済的に、どれだけ化粧板微粉末に代替できるかがリサイクル率の向上に強く影響してくるからである。
【0028】
本発明の説明では、特に限定するものではないが、コア層の枚数を少なくする方法について説明する。この場合、基材重量の減少分(即ち、製品厚みの減少)を化粧板微粉末(2次処理微粉末)の重量増にてカバーすることになる。通常、コア層のフェノール樹脂含浸紙基材は、汎用化粧板では、2〜10枚程度を積層する。また厚物化粧板においては、14〜130枚もの積層に及ぶことがある。汎用化粧板の場合、通常の樹脂含浸基材2枚を本発明における微粉末含有樹脂を塗布した含浸基材1枚とするか、前者3枚を後者2枚とするか、或いは更に枚数を大きく減少させるかは、化粧板特性や経済性を考慮して決定する必要がある。
【0029】
ここでフェノール樹脂含浸基材の枚数減少率を大きくする場合、問題となるのが基材へ塗布含浸されたフェノール樹脂の樹脂量と揮発分の調整である。基材減少分を微粉末混合樹脂で代替するとリサイクル率の上昇と共にフェノール樹脂も増加するため、化粧層の色調あるいは図柄にフェノール樹脂の色(茶褐色)が影響する恐れが出てくる。さらに揮発分が多くなることにより、樹脂のシミ出しによる表面色調不良や周辺部への樹脂流出が増大することがある。含浸基材総重量に占める樹脂比率が40〜45%(2次処理微粉末又はこれと無機充填材微粉末を含めた総不揮発分率では、58〜60%)では、揮発分率は5%以下にする必要があり、樹脂比率が34〜40%程度になれば、揮発分は5〜8%の範囲で選択すれば良く、塗布紙乾燥負荷が大きく軽減できる。34%未満では樹脂が少なく板厚が薄くなり化粧層の厚み変動によってはJIS規格値下限を下回る恐れがあるため枚数減を実施出来ない等化粧板特性が不十分となり、更に、コア層への化粧板廃材リサイクルが極く少量になり実用性が小さくなる。45%を上回る樹脂量や8%を上回る揮発分率とした場合は、上記のように、色調不良、化粧板周辺の板厚不良や樹脂バリ混入による不良の原因となり、生産歩留を大きく低下させる原因となり、作業性も低下させることがあり、注意を要する。
【0030】
【実施例】
以下、本発明について実施例にて具体的に説明する。ここで、「%」は「重量%」を示す。
【0031】
実施例1
コア層用フェノール樹脂塗工紙は図1に概略図を示す含浸塗布機により製造した。まず第1段階の含浸用のフェノール樹脂として汎用タイプの水溶性レゾールフェノール樹脂(不揮発分64%、粘度 45mPa・S/20℃)を溶剤調整・温度調節して、粘度22mPa・S/35℃として含浸槽2に入れ、コア用原紙1をディップ含浸し、スクイズロールにて、樹脂量30%になる様に調整し、加熱装置3にて乾燥した。原紙は米坪190g/m2 の未晒クラフト紙を使用した。第1段階の含浸後、第2段階の塗布をロールコータ4にて行い、加熱装置5にて乾燥した。
この塗布は片面塗布とし、総不揮発分率(塗工紙全体に対する樹脂、2次処理微粉末及び無機充填材の合計量の割合)が52%、揮発分比率が8%になる様にロールコータ間隙、塗布速度及び加熱温度と時間を調整して、コア層用フェノール樹脂塗工紙6を得た。得られたコア層用塗工紙6はカッター7により所定長さに切断した。
【0032】
第2含浸で使用した混合樹脂液の配合割合は、水溶性フェノール樹脂(第1段階で使用したものと同じ):2次処理微粉末:無機充填材(炭酸カルシウム)の固形分比が、53:35:12とし、粘度520mPa・S/20℃であった。2次処理微粉末は以下の工程にて作製し、平均粒径110μm、最大粒径180μmのものを得た。化粧板廃材をまず2軸破砕機で粗砕し、衝撃型粉砕機にて更に中粉砕した後、ターボミルにて微粉砕し平均粒径180μm、最大300μmの1次粉砕粉を得た。この1次粉砕粉を不揮発分62%の水溶性レゾールワニスと固形分比で55:45まで混合して粘土状固形物を得た。これを熱風循環乾燥機内の網目板上に散布しながら広げた後、130℃雰囲気中で120分放置して樹脂硬化物を得た。この硬化物を回収し、1次粉砕処理の中粉砕工程から投入し、2次処理微粉末を得た。炭酸カルシウムは平均粒径3μm、最大粒径35μmのものを使用した。
【0033】
一方、表面化粧層として、水溶性メラミン樹脂に触媒、フィラー等の添加剤を混合した調合樹脂液を、米坪80g/m2 の木目グラビア印刷紙に含浸し、乾燥して樹脂量55%,揮発分 6.7%のメラミン樹脂含浸紙を得た。
図2の構成にて表面層用メラミン樹脂含浸紙11、コア用塗工紙12及びバック用フェノール樹脂含浸紙14を重ね合わせ、常法により加熱・加圧成形し、厚さ1.2mmのメラミン樹脂化粧板を得た。通常法では、コア用塗工紙4枚を使用して厚さ1.2mmを得るが、本実施例では、コア用塗工紙12は3枚とした。なお、塗工紙の重ね合わせの際、コア層用塗工紙12の向きは、化粧板微粉末混合樹脂液塗布面を化粧面とは反対側に向けた。
【0034】
実施例2
実施例1において、コア層用原紙は米坪146g/m2 の未晒クラフト紙を使用し、第2段階の塗布で用いる混合樹脂液は水溶性フェノール樹脂(実施例1で使用のもの):2次処理微粉末の固形分比を58:42とし、粘度380mPa・S/20℃に調合したものを使用した。2次処理微粉末は実施例1の場合と同様に固形化し、粉砕条件を変更して、平均粒径90μm、最大粒径180μmのものを作製した。コア層用フェノール樹脂塗工紙は、総不揮発分量(実施例1と同じ)が62%、揮発分比率が5%になるようにロールコータ間隙、塗布速度及び加熱条件を調整して作製した。
図3の構成にて表面層用メラミン樹脂含浸紙11、コア層用塗工紙13(4枚)及びバック用フェノール樹脂含浸紙14を重ね合わせ、加熱・加圧成形した。使用した表面層用含浸紙、バック用含浸紙、成形条件等は実施例1と同様に実施した。
【0035】
比較例1
従来の方法にて化粧板を製造した。実施例と異なるのは使用するコア層用含浸紙13である。図1に示す塗布乾燥機において、第1段階のディップ含浸槽を使用し、実施例1のものと同程度に粘度調整にした水溶性フェノール樹脂を米坪190g/m2 の未晒クラフト紙に含浸し乾燥して、樹脂量28%、揮発分8%の特性の含浸紙を得た。次いで、図3に示すように、コア層用含浸紙は4枚構成として加熱加圧成形した。それ以外は実施例1と同様に行った。
【0036】
実施例及び比較例にて得られた各化粧板について特性を測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003741405
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のメラミン樹脂化粧板の製造方法は、メラミン樹脂化粧板の廃材をリサイクルして再使用して新たなメラミン樹脂化粧板を製造することができ、得られた化粧板は従来のものと同等である。従って、社会的要求が高まっている環境保全、産業廃棄物対策として有用な方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧板の製造において、塗工紙を製造する工程を示す概略図。
【図2】 実施例1にて得られた化粧板の構成を示す断面図。
【図3】 実施例2及び比較例にて得られた化粧板の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 原紙
2 第1含浸槽
3 第1加熱装置
4 第2含浸槽
5 第2加熱装置
6 フェノール樹脂塗工紙
7 カッター
11 表面層用メラミン樹脂含浸紙
12 フェノール樹脂塗工紙
13 フェノール樹脂塗工紙又は含浸紙
14 バック用フェノール樹脂含浸紙

Claims (5)

  1. メラミン樹脂化粧板の製造方法において、メラミン樹脂化粧板廃材の微粉末をバインダー樹脂で固形化し再び粉砕して微粉末(以下、2次処理微粉末という)とし、この微粉末をフェノール樹脂液に混合して混合液を調製し、得られた微粉末混合フェノール樹脂液を、予めフェノール樹脂を含浸した紙基材の片面又は両面に塗工して、コア層用フェノール樹脂塗工紙を得、このフェノール樹脂塗工紙をコア層に使用して成形することを特徴とするメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  2. 2次処理微粉末の吸油量が75ml/100g以下である請求項1記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  3. 微粉末混合フェノール樹脂液において、フェノール樹脂(不揮発分)と2次処理微粉末の比率が80:20〜50:50(重量比)の範囲である請求項1又は2記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  4. 2次処理微粉末は、使用するバインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂(不揮発分)と化粧板微粉末との比率が、75:25〜52:48(重量比)の範囲であり、これらの混合物を加熱硬化して固形化し再粉砕したものである請求項1,2又は3記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
  5. メラミン樹脂化粧板廃材の微粉末は平均粒径が50〜1000μmであり、2次処理微粉末は平均粒径が30〜250μmである請求項1,2又は3記載のメラミン樹脂化粧板の製造方法。
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