JP3641328B2 - 立体模様形成用積層板及びその製造法 - Google Patents

立体模様形成用積層板及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体模様形成用積層板及びその製造法に関し、詳しくは、切削や彫刻を施すための天然木材系の材料(以下、木材系材料という)の代替材料として安定供給が可能で、切削や彫刻を施すときに要求される刃物による切削加工性(彫り易さ、彫り跡の滑らかさ、切削の容易性)及び切削時の安全性(刃物の滑りや引っ掛かりの生じ難さ)を有し、しかも、彫り深さを視覚的に把握し得るのみならず木材系材料とは異なる美感を創出できる立体模様形成用積層板及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、教材用版画板、彫刻のような美術工芸用材料、室内の装飾、建具などの用途で用いられてきた木材系材料には、例えばカツラ、シナノキ、ホオノキなどが使用されているが、世界的な木材資源の枯渇及び自然環境保護の観点から、この種の木材価格の高騰は避けられず、しかも近い将来には入手が困難になるものと予測されるなど価格や安定供給面で問題がある。また、木材系材料に不可避的に内在する木目(異方性)や節目に対応するためには、刃物加工に関連する技術や経験を必要とするなど切削や彫刻の困難性がある。また版画板として、木材系材料の表面にカラー塗装を施した材料があるが、これは彫り跡は良く判るが、彫りの深さは把握し難いという欠点がある。
【0003】
一方、このような木材系材料の代替材料として、例えば特開昭54−79730号公報には、異なる色彩の紙片間を樹脂系接着剤で圧着接合して成る造形用板材が提案されている。この造形用板材は、木材系材料より価格、供給安定性及び付与色彩による木材系材料とは異なる美感の創出といった点では優れているが、その製造法に由来して生じる硬度のバラツキのため、刃物による切削加工性及び切削時の安全性などが木材系材料より劣るという問題を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の木材系材料の代替材料として、前述したように安定供給が可能で、切削や彫刻を施すときに要求される刃物による切削加工性や切削時の安全性を有し、しかも、彫り深さを視覚的に把握し得るのみならず、木材系材料とは異なる美感を創出できる立体模様形成用積層板及びその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような事情に鑑み鋭意研究した結果、セルロース系繊維成分として非木材系パルプを必須に使用し、かつ、非着色層と着色層を層状に構成して成る積層板が前記課題の解決に極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は第一に、下記の(1)〜(3)の着色層及び又は非着色層が層状に形成一体化して成ることを特徴とする立体模様形成用積層板を提供するものである。
(1)非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹
脂及び着色剤を含む着色層。
(2)上記着色層(1)とは色調の異なる非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び着色剤を含む着色層。
(3)非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー及び熱硬化性樹脂を含む非着色層。
【0007】
また、本発明は第二に、上記の非木材系パルプが竹パルプ、葦パルプ、藁パルプ、ケナフパルプ及びバガスパルプから選ばれる少なくとも1種である立体模様形成用積層板を提供するものである。
【0008】
さらに、本発明は第三に、前記の立体模様形成用積層板の製造法であって、下記の工程(1)、(2)及び(3)を含む製造法を提供するものである。
(1)着色剤の存在下又は非存在下に、非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び水から成る非着色又は着色したスラリー状態の混合物を調製する工程、
(2)前記非着色又は着色したスラリー状態の混合物を、抄造成形後乾燥させて非着色又は着色の硬化性成形体を調製する工程、
(3)前記着色又は非着色の硬化性成形体を複数枚層状に積層し、これを加熱加圧又は接着接合により硬化一体化させて積層板を調製する工程。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において使用されるセルロース系繊維は、積層板に木質感や切削加工性を付与すべく機能するものであって、このようなセルロース系繊維の例としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材系パルプ及びそのパルプ屑や、新聞紙、雑誌、電話帳、段ボール紙等の古紙再生繊維や、竹パルプ、葦バルプ、藁パルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ、リンターパルプ、麻パルプ等の非木材系パルプなどが挙げられる。中でも、非木材系パルプは、優れた切削性付与機能を有するため、好ましく使用される。とりわけ竹パルプ、葦パルプ、藁パルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ及びこれらの混合物が好ましい。本発明においては、このような理由から、非木材系パルプは、セルロース系繊維の全部又は一部として必須に使用されるが、具体的には、セルロース系繊維成分として20重量%以上の使用が適当であり、好ましくは50重量%以上である。
【0010】
本発明において使用される無機質フィラーは、積層板の切削性向上に機能するものであり、その種類については特に限定されないが、刃物の摩耗軽減や切削性向上効果の観点から、好ましくはモース硬度5以下の無機質フィラー、例えば炭酸カルシウム、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、石膏、タルク、マイカ、ハイドロサルファイト、ワラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、石膏ボード廃材粉砕物などが単独で又は2種以上を組み合せて使用される。中でも、石膏ボード廃材粉砕物は、廃材の再資源化という社会的ニーズにも合致し、コストも安いので特に好ましい。なお、ここでいう「石膏ボード廃材粉砕物」とは、石膏ボードの生産から流通そして工事現場に至る過程で発生する不良品、ロス品及び使用済み品等の石膏ボード廃材を繊維質面材の有無に関係なく、適当な粉砕機で粉砕し必要に応じて分級処理して得られた粉末を意味するが、粗大粒子の混在による強度低下や表面平滑性の悪化を回避するため、一般的には粒子径0.3mm以下に調整して用いられる。
【0011】
本発明において使用される熱硬化性樹脂は、架橋剤の存在下又は非存在下で熱硬化してセルロース系繊維や無機質フィラーを結合保持する働きを果たすものであって、このような熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。中でも、フェノール樹脂は、耐熱性及び剛性の面で優れているから、好ましく使用される。また、熱硬化性樹脂は、通常、粉末状ないし繊維状固体で使用されるが、場合によっては溶液、樹脂液又は固液併用して用いられる。
【0012】
このようなフェノール樹脂の例としては、ノボラック型フェノール樹脂(単独で使用する場合は、ヘキサミンのごとき架橋性硬化剤を併用して熱硬化性を付与する必要がある)、メチロール基含有ノボラック型フェノール樹脂、アルカリレゾール型フェノール樹脂、アンモニアレゾール型フェノール樹脂、ベンジリツクエーテル型フェノール樹脂及びこれらのフェノール樹脂と熱硬化性又は熱可塑性化合物(例えばエポキシ系化合物、キシレン系化合物、メラミン系化合物、尿素系化合物、アクリル系化合物、酢酸ビニール系化合物など)とを混合もしくは反応させて得られる変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。中でも、メチロール基含有ノボラック型、アルカリレゾール型、アンモニアレゾール型及びベンジリックエーテル型フェノール樹脂は、架橋性硬化剤併用ノボラック型フェノール樹脂より、積層板の臭気及び製造簡便さの点で優れているが、特にベンジリツクエーテル型フェノール樹脂は、さらなる優れた熱安定性及び着色安定性を有し、後述の湿潤成形体を乾燥させる際の変質を抑制できることから、本発明において好ましく用いられる。
【0013】
本発明において使用される着色剤は、積層板に彫り深さの把握指標及び美感の創出性を付与する働きをなすものであって、その種類については特に限定はなく、所望の色彩に応じて選択された着色剤、倒えば無機顔料、有機顔料、合成染料、天然染料などが単独で又は2種以上を組合せて使用される。かかる着色剤の例としては、酸化鉄、酸化クロム、クロムイエロー、シアニングリーン、シアニンブル一、レーキレッド、ジアゾ顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。また、着色法については特に制限はないが、スラリー調製時に着色剤を混合する方法が一般的であり、そのほか湿潤成形体へ着色剤を含浸する方法、着色されたパルプを使用する方法などが例示される。
【0014】
本発明の立体模様形成用積層板は、前述したような非木材系パルプを必須に含むセルロース系繊維:15〜80重量%、好ましくは30〜60重量%(なお、非木材系パルプは、セルロース系繊維成分として20重量%以上、好ましくは50重量%以上を使用する)、無機質フィラー:5〜40重量%、好ましくは20〜40重量%及び熱硬化性樹脂:10〜45重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲でそれぞれを調整配合して製造される。
セルロース系繊維の配合量が15重量%未満では木質感に乏しく、脆くて彫り易さに欠ける傾向を有し、逆に80重量%を越えると切削時に引っ掛かりを生じ易くなる傾向がある。また、無機質フィラーの配合量が5重量%未満では切削加工性の改善効果が十分でなく、逆に40重量%を越えると脆くなって切削時に欠け易くなる傾向がある。また、熱硬化性樹脂の配合量が10重量%未満では、強度及び彫り跡の滑らかさに欠ける傾向を有し、逆に45重量%を越えると堅くなり過ぎて切削加工性が悪化する傾向がある。
【0015】
次に、本発明の立体模様形成用積層板の製造法について説明する。先ず、離解叩解機(例えばパルパー、へンシェルミキサー)内に、多量の水と非木材系パルプを含むセルロース系繊維(以下、セルロース系繊維という)を投入し、撹拌混合して繊維を離解する。次いで、無機質フィラーと熱硬化性樹脂、場合によっては着色剤を加えて撹拌混合し、好ましくは、更に適当な定着剤(例えば、ポリアクリルアミド系化合物)を加えて撹拌混合して非着色又は着色したスラリー状態の混合物(以下、スラリーという)を調製する。
【0016】
なお、スラリー濃度(固形分)は後工程での抄造作業性に応じて調整されるが、一般的には0.01〜10重量%である。また、比較的大きな水溶性を有する無機質フィラー(例えば石膏ボード粉砕物)を使用する場合には、該無機質フィラーの飽和水溶液又は過飽和水溶液を用いて、溶出に伴う配合物の歩留まり低下を回避するのが好ましい。また、場合によっては種々の添加物、例えば架橋性硬化剤(倒列えばヘキサミン、水溶性レゾール型フェノール樹脂)、硬化促進剤、水溶性ポリマー等の糊剤、界面活性剤(分散剤や消泡剤)、紙力補強剤などを配合してもよい。また、これらは下記の湿潤成形体にスプレー法などにより含浸定着させてもよい。
【0017】
次に、前記工程で得られた非着色又は着色スラリーを連続式又はバッチ式抄造機(例えば長網型、円筒型など)により所望形状(例えばシート状、薄板状など)に抄造し、脱水(例えば濾過、減圧、圧搾など)して湿潤成形体を得る。引き続いて該湿潤成形体を適当な乾燥機(例えばドラム乾燥機、熱風通気乾燥機、誘電加熱乾燥機、遠赤外線乾燥機、減圧乾燥機など)で乾燥させて末硬化状態の非着色又は着色の硬化性成形体を得る。
【0018】
なお、このような硬化性成形体の調製には、乾式ミキサー内で予め離解処理したセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び必要に応じて着色剤を撹拌混合して調製した乾燥状態の混合物を、適当な賦形機(例えばフリース製造機)でマット状フリースに賦形し、これを焼成機やプレス機等で硬化を抑制しながら所望厚み(例えばシート状、薄板状、マット状など)に成形した非着色又は着色の硬化性成形体を得る乾式法を採用してもよい。
【0019】
次に、前記工程で得られた非着色及び着色の硬化性成形体を所望の配色で層状に積層した後、適当な熱圧式成形機(例えば圧縮成形機、引き抜き成形機、押出機など)により加熱加圧成形して一体化かつ熱硬化させて成る非着色層及び着色層を有する硬化成形体(積層板)を得る。場合によっては、非着色又は着色硬化成形体を所望の配色で層状に積層した後、接着剤で部分及び/又は全面を接合一体化して非着色層及び着色層を有する硬化成形体を得てもよい。このように本発明の積層板は、非着色層と着色層から形成されているため、切削や彫刻を施す教材用版画板、美術工芸用材料、造作材では彫り深さが視覚的に把握できるし、また切削深度や切削角度を変えることによって、従来の木材系材料では得がたい新しい美感を創出することが可能となる。
【0020】
図1は、本発明の立体模様形成用積層板を使用し、これに切削加工を施した態様を模式的に示したものである。図1において1は、それぞれ色調の異なる2、3及び4の3層が一体に積層された積層板を示す。この積層板の中央に円錐状の突起を残して切り込みを施した場合、現れる色調の変化によって、切削深度や傾斜が視覚的に一見して判り、また、色調の段階的な変化により、新鮮な美感が創出されている。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0022】
実施例1
先ず、ヘンシェルミキサー内に水2Kgと晒し竹パルプ5gを投入し、120秒間撹拌混合して晒し竹パルプを離解した。次いで、タルク(モース硬度1)2.5g、ベンジリツクエーテル型フェノール樹脂粉末2.5g及び酸化鉄系赤色顔料0.1gを添加し、60秒間撹拌混合し、更に適量のポリアクリルアミド系定着剤を添加し、撹拌混合して赤色スラリー(1)を得た。また、同様の要領で前記赤色顔料をシアニングリーン系緑色顔料又はシアニンブルー系青色顔料に変更した2種類の着色スラリー(2)と(3)を得た。また、同様の要領で水6Kg、晒し竹パルプ18g、タルク9g及びベンジリツクエーテル型フェノール樹脂粉末9gに変更した非着色スラリー(4)を得た。
【0023】
次に、前記スラリー(1)〜(4)はそれぞれ、その全量を東洋精機製標準角型シートマシン(実験用抄造機、抄造網100メッシュ、縦250mm×横200mm)に投入し、濾過及び吸引圧搾脱水を行って湿潤状態の赤色成形体(1)(1枚)、緑色成形体(2)(1枚)、青色成形体(3)(1枚)及び非着色成形体(4)(1枚)を得た。次いで、80℃に調節した熱風乾燥機内でこれら湿潤成形体を乾燥して着色硬化性成形体(1)〜(3)と非着色硬化性成形体(4)を得た。
【0024】
次に、高さ4.5mmの金枠内に非着色硬化性成形体(4)、赤色硬化性成形体(1)、緑色硬化性成形体(2)及び青色硬化性成形体(3)を順次積層し、温度180℃で10分間加熱加圧成形して非着色層と着色層(赤色層、緑色層、青色層)から形成された密度0.8Kg/m3(JlSZ2117に準拠)の積層板を得た。
得られた積層板について実際に彫刻刀(丸刃)で切削性を評価した結果、深彫り、浅彫り、直線彫り、曲線彫りいずれも円滑に刃が進み滑らかに彫ることができた。また、彫刻刀(三角刃)で彫った跡のエッジの状態は毛羽立ちもなく滑らかであった。また、評価時に刃物の滑りや引っ掛かりもなく安全であった。なお、彫った跡を見ると、浅彫りの部分は緑色、深彫り部分は白色(非着色)、その中間彫り部分は赤色を呈し、各部分の彫りの深さを一目で確認することができた。なお、比較対照のため、市販のシナ合板製版画材料についても同構に彫刻刀(丸刃)で評価したところ、木目の異方性による部分的な引っ掛かりが生じて危険を感じたが、総体的には滑らかに彫ることができた。また、彫刻刀(三角刃)を用いて彫った跡のエッジの状態も毛羽立ちもなく滑らかであった。このように本発明の積層板は、市販材料と遜色なく、むしろ異方性による引っ掛かりを伴わない点では優れたものであり、従来の木材系材料の代替品として十分に使用可能であることが確認された。
【0025】
実施例2
先ず、ヘンシェルミキサー内に石膏飽和水6Kg、晒し葦パルプ15g及び針葉樹パルプ3gを投入し、120秒間撹拌混合してパルプ類を離解した。次いで、石膏ボード廃材粉砕物(モース硬度1)8g、ベンジリツクエーテル型フェノール樹脂粉末10g及び酸化鉄系茶色顔料2.4gを添加し、60秒間撹拌混合し、更に適量のポリアクリルアミド系定着剤を添加し、撹拌混合して茶色スラリー5を得た。また、同様の要領で酸化鉄系茶色顔料の添加量を2.0g、1.6g、1.2g、0.8g、0.6g、0.4g、0.2g、0.1g及び0g(非着色)に変更した着色スラリー(6)〜(13)と未着色スラリー(14)を得た。
【0026】
次に、前記スラリー(6)〜(14)はそれぞれ、その全量を東洋精機製標準角型シートマシンに投入し、濾過及び吸引圧搾脱水を行って湿潤状態の茶色硬化性成形体(6)〜(13)(各1枚)と非着色硬化性成形体(14)(l枚)を得た。次いで、80℃に調節した熱風乾燥機内でこれら湿潤成形体を乾燥して着色硬化性成形体(6)〜(13)と非着色硬化性成形体(14)を得た。
【0027】
次に、高さ10mmの金枠内に茶色硬化性成形体(6)〜(13)と非着色硬化性成形体(14)を順次積層したのち、温度180℃で15分間加熱加圧成形して表面(非着色層)から裏面(茶色層)まで茶色が傾斜的に濃くなるように構成された密度0.8kg/m3の積層板を得た。得られた積層板については、実際に彫刻刀(丸刃)で切削性を評価した結果、深彫り、浅彫り、直線彫り、曲線彫りいずれも円滑に刃が進み滑らかに彫ることができた。また、彫刻刀(三角刃)を用いて彫った跡のエッジの状態は毛羽立ちもなく滑らかであった。また、評価時に刃物の滑りや引っ掛かりもなく安全であった。また、このような傾斜的色彩を有する積層板を用いる場合は、切削深度により従来の木材系材料とは異なる美感を創出できることが確認された。
【0028】
比較例1
実施例1において、晒し竹パルプを針葉樹クラフトパルプに変更した以外は実施例1と同様にして、密度0.8kg/m3の積層板を得た。得られた積層板について彫刻刀(丸刃)で切削性を評価したところ、深彫り、浅彫り、直線彫り、曲線彫りいずれも抵抗がやや大きく、引つ掛かり気味で危険であったし、彫刻刀(三角刃)で彫った跡のエッジの状態は毛羽立ちがやや見えた。このように晒し竹パルプ(非木材系パルプ)を用いない場合は、切削加工性及び切削時の安全性の面で劣ることが判明した。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の立体模様形成用積層板は、切削や彫刻のときに要求される刃物による切削性及び切削時の安全性を有するため、従来の木質系材料より容易にかつ安全に切削や彫刻を行うことができる。しかも、複数の色調の異なる着色層あるいは非着色層から成る積層構造体であるため、従来の木質系材料では困難であった彫り深さの視覚的な把握や、切削深度や切削角度の変化による新しい美感の創出を可能とするなどの利点を有する。
また、本発明方法によれば、木材系材料のように枯渇しつつある木材資源に頼ることなく、従来の版画板、美術工芸用材料、造作材の代替材料としての積層板を、低価格でかつ安定的に供給することができるのみならず、自然環境保護の面でも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体模様形成用積層板を使用し、これに切削加工を施した態様を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 立体模様形成用積層板
2、3、4 それぞれ色調の異なる層

Claims (5)

  1. 下記の着色層(1)、着色層(2)及び非着色層(3)の少なくとも2層が積層一体化してなることを特徴とする立体模様形成用積層板:
    (1)非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び着色剤を含む着色層、
    (2)上記着色層(1)とは色調の異なる非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び着色剤を含む着色層、
    (3)非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー及び熱硬化性樹脂を含む非着色層。
  2. 非木材系パルプがセルロース系繊維全体の20重量%以上を占める請求項1記載の立体模様形成用積層板。
  3. 非木材系パルプが竹パルプ、葦パルプ、藁パルプ、ケナフパルプ及びバガスパルプから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の立体模様形成用積層板。
  4. 非木材系パルプを含むセルロース系繊維:15〜80重量%、無機質フィラー:5〜40重量%及び熱硬化性樹脂:10〜45重量%を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の立体模様形成用積層板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の立体模様形成用積層板の製造法であって、下記の工程(1)、(2)及び(3)を含む製造法:
    (1)着色剤の存在下又は非存在下に、非木材系パルプを含むセルロース系繊維、無機質フィラー、熱硬化性樹脂及び水から成る非着色又は着色したスラリー状態の混合物を調製する工程、
    (2)前記非着色又は着色したスラリー状態の混合物を、抄造成形後乾燥させて非着色又は着色の硬化性成形体を調製する工程、
    (3)前記着色又は非着色の硬化性成形体を複数枚層状に積層し、これを加熱加圧又は接着接合により硬化一体化させて積層板を調製する工程。
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