JP4162358B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、作図データを画素データに展開して印刷を行う印刷装置に適用して有用な技術に関し、例えばハードディスクなど大容量の記憶装置に1ページ分の画素データを記憶させて印刷を行う大判印刷用の印刷装置に適用して特に有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばインクジェット方式プリンタにおいては、ホスト装置から送信されてくる印刷データの形式には大きく分けて2種類ある。
【0003】
一つは、ベクタデータと言われるものであり、例えば、1本の線を表現する場合、その始点と終点の座標値と直線を示す描画コードとをホスト装置から送信するものである。この場合、ベクタデータを受信したプリンタは、このベクタデータからドット毎の画素データ(ラスタデータとも云う)を生成してからインクヘッドに送る必要がある。この処理をラスタ展開と云う。
【0004】
もう一つのデータ形式は、予めホスト装置にてラスタ展開した後にプリンタに送信してくるものである。どちらのデータフォーマットで送信する場合も、結果的には同一の画素データとなり、メモリ装置(RAMまたはハードディスク装置)に格納される。
【0005】
一方、インクジェット方式のプリンタは複数のインクノズルをもったインクヘッドを備えており、このインクノズル数分のインクドットを吐出しながら水平方向にスキャンして印刷が行われる。そのためインクへッドに対してはインクの吐出タイミングに同期してインクノズル幅分のドットデータを送信する必要がある。
【0006】
従って、インクヘッドが1回のスキャンを実行するためには、上記データ生成を繰り返し実行し、1スキャン分のスキャンデータ(これを1スキャンラインと呼ぶ)を一旦メモリ装置に格納する必要がある。そして、インクヘッドがこのスキャンデータを読み込みながらスキャンデータに従ってインクの噴出しを行う。
【0007】
ここで、画素データを格納するメモリ装置としては、RAMあるいはハードディスク装置がある。画素データの格納方法は、1画面すなわち1ページ分の画素データを全部メモリ装置に格納する方式と、1スキャン分の画素データのみ格納する方式とがある。
【0008】
1スキャン分の画素データのみ格納する方式では、1スキャンラインの印刷毎に画素データを生成するとともに、メモリ装置内の画素データを新たに生成したものと入れ替えた後に、当該スキャンラインの印刷を繰り返していくといった処理を行う。これをバンドメモリ方式といい、メモリ容量が少なくて済むという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
1画面分の画素データをメモリ装置に格納する方式の場合には、膨大なメモリ量が必要となる。例えば、JISのA0サイズ、解像度720dpi(ドット/インチ)、6色のデータを格納しようとした場合、約600Mbyteのメモリが必要となり、メモリ装置としてRAMを使用すると大幅なコストアップとなる。
【0010】
このコストアップを避けるために、上記のバンドメモリ方式を採用することも可能である。この方式では、1回のスキャンに必要なデータのみ格納すればよいので、必要なメモリ量が大幅に減る。例えば、一度に吹くことのできるインクノズルの数が512ノズル、解像度720dpi、6色の場合、A0用紙の短辺(914mm)を一度に吐出するためには、
24Kbit×6×512=73728Kbit=約7.3Mbyteのメモリがあればよい。しかしこの方式では、▲1▼印刷時に回転処理をすることができない、▲2▼同一データを再度印刷する場合に、もう一度ラスタライズ処理をやり直す必要があり再印刷に時間がかかる、▲3▼印刷途中で紙ジャムが起った場合のリカバリ処理に際してもラスタライズ処理をやり直す必要があり時間がかかるなどの欠点がある。
【0011】
また、1ページ分の画素データを格納するメモリ装置(以下、ページメモリと称する)をハードディスク装置により構築することも可能である。ハードディスク装置は、バイトあたりの単価がRAMと比較して非常に安価であるため、仮に600Mbyteのページメモリをハードディスク装置上に構築したとしてもRAMの場合に比べて、コストの上昇は僅かである。さらに、装着したハードディスク装置の空領域は、他の用途にも使用できるため、コストアップの影響が減る。しかし、ハードディスク装置の場合、記録ヘッドが記録媒体上のデータを探し出して移動する動作(シーク動作という)が必要であるため、RAMに比べてデータの読出しと書込みにかかる時間が非常に遅くなるという欠点がある。
【0012】
ところで、ハードディスク装置からの読出しと書込みは通常512バイトのセクタ毎に行われる。ここで、1ページ分の画素データを1ラインごとに連続するセクタに格納されていくようにページメモリを確保した場合、水平方向の書込み、読出しはシーク動作が入る回数が減るため高速に読み書きができる。一方、ドットデータの書込みはいつも水平方向のみとは限らない。例えばページメモリがA0サイズであっても実際にホスト装置から送信されてくるドットデータは、A0サイズより小さな複数個の矩形領域のデータが送られてくるため、ページメモリ上の任意の矩形領域に画素データを書き込む必要がある。この場合、水平方向のデータについては、シーク動作が入らないので高速動作が可能であるが、垂直方向についてはシーク動作が入るため遅くなるという欠点がある。
【0013】
また、ページメモリをハードディスク装置により構築した従来のプリンタでは、ハードディスク装置から画素データを読み出す際、一旦、メモリバスを介して画素データを読み出してからプリンタエンジンに送るという処理を行うのが一般的である。しかしながら、このような画素データの読出し処理をしていたのでは、画素データの転送にメモリバスが占有され、その他の処理にメモリバスを使用できないという課題があった。上述したように、ハードディスク装置はRAMに比べて低速であるため、画素データの転送にメモリバスが占有されるとその占有時間は無視できないものとなる。メモリバスが使用できないと、ホストから送られてくる印刷データのスプール処理や、印刷データを画素データに展開する処理など、その他の処理がスムーズに進まず、プリンタ全体のパフォーマンスを低下させる原因となっている。
【0014】
たとえば、10Mbyte/秒の性能を持ったハードディスク装置の場合、A0サイズのドットデータ(600Mbyte)を送信する時間は、約60秒であり、印刷装置全体の性能に与える影響が非常に大きい。
【0015】
上述した従来の問題点をまとめると次のようになる。
(1)RAMでページメモリを構築した場合
▲1▼膨大なメモリ素子が必要でコストアップにつながる。
(2)バンドメモリ方式の場合
▲1▼コピー印刷時にラスタライズ処理のやり直し、または上位装置からのデータ再転送が必要であり、時間がかかる。
【0016】
▲2▼印刷時に回転処理できない。
【0017】
▲3▼紙ジャムのリカバリ印刷の際、ラスタライズ処理のやり直し、または上位装置からのデータ再転送が必要であり、時間がかかる。
(3)ハードディスク装置でページメモリを構築した場合
▲1▼ページメモリのドットデータを水平方向に構成した場合、任意の矩形領域のドットデータ書き込みが遅くなる。
【0018】
▲2▼ドットデータの読み出しに時間がかかり、その間データバスを占有してしまう。そのため印刷装置全体の性能を下げる。
【0019】
この発明の目的は、安価にページメモリを構築できるとともに、ページメモリへの画素データの書込みが高速に行え、装置全体のパフォーマンスの向上を図れる印刷装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、印刷内容が示された作図データをドット毎の画素データに展開する展開手段と、円盤状の記憶媒体を有し1ページ分の画素データが記憶される記憶装置とを備え、該記憶装置から画素データを読み出して印刷ヘッド側に供給し該画素データに基づき1スキャンラインの印刷を行うと共に、1スキャンラインごとに印刷用紙を間歇送りして1枚の印刷用紙へ印刷を行っていく印刷装置において、1ページの印刷画像が縦方向と横方向とにそれぞれ複数に分割されてなる各ブロックの画素データを単位データとして、個々の単位データを上記記憶媒体において同心円上に連続的に配列された複数のセクタにまとめて格納する記憶装置入出力制御手段を備えた構成とした。
【0021】
このような手段によれば、円盤状の記憶媒体に1ページ分の画素データを記憶させるので、安価にページメモリを構築できるとともに、ページメモリにより従来より得られる様々な効果を享受することが出来る。それに加えて、印刷画像を縦横に複数に分割したブロック毎の画素データ、即ち単位データを連続するセクタに記憶させるようにしたので、上記ブロック毎の画素データの書込みと読出しが、記憶装置のシーク動作を介さずに連続的に高速に行える。また、作図データを展開して記憶装置に書き込む場合には、印刷画面中の任意の矩形領域に画素データを書き込んでいくという処理が高い頻度で生じるが、このような処理の場合に、画素データを1ライン毎に配列させてページメモリに記憶させた従来方式に比べて、1ページ分の画素データの書込みを高速に行うことが出来る。
【0022】
具体的には、上記記憶装置は、磁気ディスクを記憶媒体とするハードディスク装置である。なお、光磁気ディスクや相変化記録方式の光ディスクなど、大容量で書換え可能な種々の円盤状の記憶媒体を備えた記憶装置を使用することも可能である。
【0023】
望ましくは、上記印刷ヘッドが所定ライン数の画素データを取り込んで所定幅のスキャンライン印刷を行う形式の場合に、上記ブロックの高さは、上記スキャンライン印刷の幅長を自然数で割った長さとなるように構成する。
【0024】
また、上記記憶装置入出力制御手段は、1ページ分の上記単位データを、印刷画像において列ごとに左から右へとブロックが並び、さらに右端のブロックの次に次列左端のブロックが続くような順序に配列して、記憶媒体において連続的に配列されている複数のセクタに格納すると良い。また、その左右を反転させた配列としても良い。
【0025】
上記のように単位データを構成し配列することで、画素データを記憶装置から印刷ヘッド側に読み出す処理も、画素データを1ライン毎に配列させてページメモリに記憶させた従来方式のものと同等に、高速に行うことが出来る。
【0026】
さらに望ましくは、上記記憶装置入出力制御手段は、個々の単位データを、印刷画像において各ラインの画素データが左から右へと並び、さらに右端の画素データの次に次のラインの左端の画素データが続くような順序に配列して、上記記憶装置に格納するように構成すると良い。また、その左右を反転させた配列としても良い。また、上記記憶装置入出力制御手段は、上記記憶装置への画素データの書込みと読出しとを上記単位データの単位で行うように構成する。また、印刷画像の画素データが複数色の画素データの集合として構成されている場合に、各色ごとの画素データをそれぞれ上記単位データにより構成すると良い。このような構成により、ブロックごとの画素データの取り扱いが容易なものとなる。
【0027】
また望ましくは、上記単位画像セルの大きさを決定する上記印刷画像の縦横の分割数を変更可能な設定手段を設ける。また、上記単位データのデータ構成(縦横のデータ幅、データ配列、記憶装置中における各単位データの配列など)を変更可能な設定手段を設ける。
【0028】
このような手段によれば、例えば、印刷用紙のサイズや印刷領域のサイズに合わせて、分割ブロックの大きさや、単位データのデータ構成を適宜設定変更したり、また、作図データとして細かな矩形領域への描画データが多い場合や、大まかな矩形領域への描画データが多い場合など、印刷内容の様々な傾向に合わせて、分割ブロックの大きさや、単位データのデータ構成を適宜設定変更するなど、様々な印刷態様に合わせて単位データの態様も最適化して書込み速度や印刷手段への読出し速度をより高速にすることができる。
【0029】
より望ましくは、少なくとも上記展開手段へ作図データが読み込まれる際および展開した画素データを上記記憶装置に書き込む際にデータ転送が行われる第1データバスと、画素データを上記記憶装置から上記印刷ヘッド側へ転送する際に使用される第2データバスと、上記記憶装置と上記第1データバスまたは第2データバスとの接続を切り換える切替手段と、上記記憶装置から上記印刷ヘッド側に画素データを直接転送する直接転送制御手段とを備え、上記切替手段により記憶装置を第2データバスに接続させることで上記第2データバスを介したデータ転送と並行して上記第1データバスを介した作図データの読み込みが行えるように構成する。
【0030】
このような手段によれば、記憶装置から印刷手段へ画素データが読み出されている間にも第1データバスを使用することが出来るので、印刷装置の総合的なパフォーマンスを大きく向上させることが出来る。
【0031】
望ましくは、上記直接転送制御手段は、上記記憶装置に記憶されている1ページ分の画素データを、一度印刷ヘッド側へ転送した後に所定の指令に基づいて再度印刷ヘッド側へ転送することが可能なように構成する。また、上記記憶装置に記憶されている1ページ分の画素データのうち任意の箇所から上記単位データの単位で上記印刷ヘッド側に転送することが可能なように構成する。また、上記記憶装置に単位データの単位で任意の箇所から画素データの書き込みが可能なように構成する。
【0032】
これらの構成により、作図データの展開処理をやり直さずに、再印刷処理、一部の範囲のみ印刷を行う部分印刷処理、一部の範囲のみ変更する部分変更印刷処理などをすばやく行うことが可能となる。
【0033】
さらに望ましくは、例えば紙ジャム、用紙切れ、インク切れといった印刷処理のトラブルを検出するトラブル検出手段と、トラブルが検出された場合に上記直接転送制御手段による上記単位データの転送を中断させる印刷処理制御手段とを備えると良い。また、トラブルの復旧を検出するトラブル復旧検出手段を備え、上記印刷処理制御手段はトラブルの復旧が検出されたことに基づき上記直接転送制御手段に再度上記単位データの転送を行わせるように構成すると良い。このような手段によれば、トラブル復旧後、作図データの展開処理をやり直す必要なく、自動的に再印刷を行わせることが出来る。
【0034】
また、ユーザーにより操作可能な操作手段(操作パネルなど)を備え、該操作手段を介した操作により上記直接転送制御手段に上記単位データの転送処理を行わせたり、外部信号を入力する外部インターフェースを備え、該外部インターフェースに入力されるコマンドに基づいて上記直接転送制御手段に上記単位データの転送処理を行わせるように構成することで、ユーザーの操作や外部のホストコンピュータなどからの指示により再印刷処理や部分印刷処理を行うことが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施例の印刷装置の全体構成を示すブロック図である。
【0037】
この実施例の印刷装置1は、インクジェット方式の印刷ヘッドを有し、このヘッドを用紙搬送方向と直交する方向(横方向)に往復スキャンさせることで複数ライン(例えば512ライン×6色:以下1スキャンラインと呼ぶ)の印刷を行うと共に、用紙を縦方向に間歇的に送りながら上記のスキャンラインの印刷を繰り返すことでA0サイズやA1サイズの大判用紙に印刷を行うことを可能とする装置である。
【0038】
この印刷装置1は、印刷ヘッドや1スキャンライン分の画素データを蓄えるメモリを備えたプリンタエンジン6、このプリンタエンジン6に画素データを送るためのエンジンインターフェース14、伝送ケーブルを介して接続されるホストコンピュータ2…(以下単にホストと呼ぶ)からデータ受信を行う外部インターフェースとしてのホストインターフェース7、ホストから送られてきた作図データを一時的に蓄えておくスプールメモリ11、印刷装置1の全体的な制御を行うCPU8、このCPU8により実行される制御用プログラムや制御用データが記憶されたプログラムROM9、スプールメモリ11に蓄えられた作図データを展開して得られる1ページ分の画素データが蓄えられる記憶装置としてのページメモリ12、CPU8やホストインターフェース7およびスプールメモリ11が接続されて作図データの転送や該作図データを展開した画素データの転送が行われる第1データバスとしてのメインバス13、ページメモリ12にアクセスするときにバスの切換えを行ったりページメモリ12の画素データを直接転送したりする切替手段と直接転送制御手段とを兼ねたページメモリ制御回路10、並びに、ユーザーによりキー操作可能な入力キーや操作内容を表示する表示部が設けられた操作手段としての操作パネル15等を備えて構成される。
【0039】
この実施例の印刷装置1においては、ホスト2…から送られてくる作図データは、例えば描画コマンドや各種パラメータ(印刷座標、線種、色など)により印刷内容を表したベクタデータである。
【0040】
CPU8は、内部にRAMを備えたプロセッサであり、該RAMを作業スペースとして上記プログラムROM9に記憶された制御用プログラムや制御用データに従って、複数の機能モジュールを実現する。これら複数の機能モジュールとしては、ホストインターフェース7で受信した作図データをスプールメモリ11に格納していくスプール機能モジュールや、ベクタデータをドット毎の画素データに展開する展開手段としてのラスタ展開モジュール、並びに、画素データを単位データである後述のセルデータを単位としてページメモリ12の方へ転送する画素データ転送モジュール、印刷処理を指示する印刷処理制御手段としての印刷処理モジュールなどが含まれる。上記ホスト2…から送られてくる作図データは上記スプール機能モジュールにより一旦スプールメモリ11に蓄えられた後に、上記ラスタ展開モジュールにより画素データに展開され、その後、画素データ転送モジュールによりページメモリ12に転送される。
【0041】
CPU8により実現される機能モジュールには、ハードウェアを動かすために上記の各機能モジュールとハードウェアとの間に階層的に構築される下層の機能モジュールがある。以下、これらの機能モジュールを下層モジュールと呼び、上記のスプール機能モジュール、ラスタ展開モジュール、画素データ転送モジュールおよび印刷処理モジュール等を上層モジュール20と呼ぶ。
【0042】
図5には、上層モジュールがページメモリ12にアクセスするために階層的に構築された下層モジュールを説明する機能ブロック図を示す。
【0043】
ページメモリ12にアクセスするための下層モジュールには、先ず、ページメモリ12を直接的に制御して後述のセクタ毎にデータの読書きを行うハードディスクドライバ23、上層モジュール20からデータ入出力用のコマンドを受けて対応する下層モジュールを呼び出すI/Oシステム21、上層モジュール20とハードディスクドライバ23との間に介在しページメモリ12へ画素データを読書きする際に本発明に係る特徴的なフォーマットに従って画素データを扱う記憶装置入出力制御手段としてのセルユニット・ファイルシステム(以下、CUファイルシステム22と呼ぶ)などがある。
【0044】
このように階層的に構築された機能モジュールによれば、上層モジュール20がページメモリ12にアクセスするコマンドを発した場合には、先ず、I/Oシステム21がドライバテーブルの中から上記コマンドに対応した下層モジュールすなわちCUファイルシステム22を呼び出し、上層モジュール20はこれらCUファイルシステム22とハードディスクドライバ23を介してページメモリ12にアクセスする。上記CUファイルシステム22の詳細については後述する。
【0045】
ページメモリ12は、例えば複数の磁気ディスクを記憶媒体とした大容量(例えば1G〜2Gbyte)のデータを格納可能なハードディスク装置である。A0サイズ、解像度720dpi、6色の画素データ(約600Mbyteのデータ)であれば1ページ又は複数ページ分が格納可能である。磁気ディスクに格納されるデータの構造は一般的なハードディスクのものと同様であり、円盤状の磁気ディスクにトラックと呼ばれる同心円状に区分けされた複数の帯が半径方向に沿って配列され、このトラック上にアドレスを付加されたセクタと呼ばれるブロックが配列されている。そして、このセクタに所定容量(例えば512byte)のデータが格納されるようになっている。また、このセクタがページメモリ12に直接データアクセスを行う場合の最小単位になっている。
【0046】
また、同一トラック(複数の磁気ディスクがある場合は同じ半径のトラックを同一トラックとする)上に配列された複数のセクタは、その配列順に連続的なアドレスが付与され、また、或るトラックの最後のセクタの次は、半径方向に隣接するトラックの先頭のセクタへ続くように連続的にアドレスが付与されるようになっている。
【0047】
従って、磁気ヘッドが磁気ディスクの半径方向に移動(シークと言う)してデータアクセスする記憶装置においては、複数のセクタにデータアクセスする際、連続するアドレスに沿ってデータアクセスする場合に最もシーク時間が少なくなり、高速なデータ書込みやデータの読出しが可能なようになっている。
【0048】
ページメモリ制御回路10は、ページメモリ12の接続をメインバス13とエンジンインターフェース14側のデータ線とで切り替える切替手段としてのバススイッチや、CPU8の制御と独立してページメモリ12からエンジンインターフェース14へ直接データ転送を行わせる直接転送制御手段としてのDMA(Direct Memory Access)制御回路を備えて構成される。そして、画素データをページメモリ12に書き込む場合には、CPU8の指示に基づきページメモリ12を第1のデータバスとしてのメインバス13側に接続させる一方、印刷を行うために画素データをページメモリ12からプリンタエンジン6側に送る場合には、CPU8の指示に基づきページメモリ12の接続をエンジンインターフェース14側の第2データバスとしてのデータ線17に切り換えるとともに、CPU8の印刷範囲の指示に基づきCPU8の制御から独立してページメモリ12の画素データを直接プリンタエンジン6に転送するようになっている。
【0049】
プリンタエンジン6には、いわゆる紙ジャムなどのトラブルやその復旧を検出するトラブル検出手段およびトラブル復旧検出手段としてのセンサが設けられ、このセンサ出力はエンジンインターフェース14やメインバス13を介してCPU8に割込み信号として入力されるようになっている。
【0050】
また、操作パネル15からは、ページメモリ12に蓄えられている1ページ分の画素データに基づき1ページの印刷完了後や印刷途中に同じページの印刷を再度行わせる再印刷処理の実行指示や、上記1ページ分の画素データに基づきその一部分の印刷を行わせる部分印刷処理の実行指示、並びに、部分印刷処理における印刷範囲の入力などがキー操作等により行えるようになっている。また、操作パネル15はCUファイルシステムのフォーマットパラメータを変更可能な設定手段も構成しており、操作パネル15の操作により、セルデータの大きさを決定する1ページの印刷画面の分割数の設定入力、下記のセルデータの縦横のデータ幅、個々のセルデータにおける画素データの配列、1ページの印刷画面におけるセルデータの配列など、セルデータのデータ構造の設定入力が行えるようになっている。また、上記の各実行指示や各設定はホストインターフェース7を介してホスト2…からのデータ入力によっても可能になっている。
【0051】
次に、ページメモリ12へ画素データを書き込む際に用いられる上記CUファイルシステム22について詳細に説明する。
【0052】
図2には、セルデータで構成されている1ページ分の画素データを色別に分割した状態を表した説明図を、図3には、ページメモリ12におけるセルデータの記憶状態を示す説明図を、図4には、各セルの画素データの配列を表した説明図を示す。
【0053】
上記CUファイルシステム22においては、1ページ分の画素データは印刷座標上で縦横複数に分割(例えば縦n分割、横m分割)してなる単位データとしてのセルデータを最小単位として扱う。カラー印刷では、1ページ分の画素データは黒、シアン、マゼンタ、黄、ライトシアン、ライトマゼンタなどの色ごとに画素データが構成され、セルデータも各色毎に分離して扱う。図2において実線で分割されている個々の画素データがセルデータである。
【0054】
この実施例では1個のセルデータは縦256ビット×横128ビットとしている。セルの高さは1スキャンラインのライン数(512ライン)や印刷ヘッドに備わる1色分のノズル数(256個)と同じビット数又はその整数分の1となるように決定するのが望ましい。また、セルの幅はセルデータを90度回転する処理などを考慮すればセルの高さと同じかその整数分の1となるように決定するのが望ましい。また、これらセルデータの縦横のビット数はともに8の倍数などCPU8が扱いやすいデータ長にすることが望ましい。
【0055】
CUファイルシステム22においては、各セルデータに対して、印刷用紙の印刷領域に対応して左上から右下に向かって順次ブロックが連続するようにセルアドレスが付与される。すなわち、列ごとに左側から右側へとのブロックが並び、右端のブロックの次は次列の左端のブロックへと続くようにセルアドレスが連続的に付与される。図中、黒色の画素データに対してセルアドレス「0」〜「m×n−1」をブロック毎に記している。
【0056】
図3に示すように、1つのセルデータはページメモリ12としてのハードディスク上でアドレスが連続する複数のセクタ(この実施例では8個のセクタ)に格納される。さらに、1ページ分の画素データを構成する各セルデータは、連続するセクタアドレスに沿って、上記セルアドレスの順に格納されるように取り扱われる。
【0057】
また、図4(A)に示すように、1つのセルデータにおいて画素データの配列は、印刷座標上で左上から右下にかけて画素データが連続する配列、すなわち、同一ラインの左端から右端へと画素データが続いて右端の次は次ラインの左端へと画素データが続くような配列になっている。図4(B)は従来の画素データ配列を比較のために示したものである。
【0058】
実施例のCUファイルシステム22において、上記セルデータを構成するブロックの分割数や、セルデータの縦横のデータ幅、セルデータ中の画素データの配列順序、および1ページの印刷画面でみたセルデータの配列順序(セルアドレスの付与順序)などは、CUファイルシステム22が保有するデータテーブルの値を書き換えることで変更できるようになっている。そして、この変更は、上記操作パネル15を使用したキー入力、或いはホストからのデータ入力により行うことが可能になっている。
【0059】
ページメモリ12において1ページ分のセルデータが格納される連続的な記憶領域は、受信した作図データをCPU8が解析して印刷図面サイズ(例えばA0又はA1)が認識された際に、該印刷図面サイズに基づきCUファイルシステム22により確保される。そして、受信した作図データを解析して印刷図面サイズの情報が得られた際に、該印刷図面のサイズに応じて上記セルデータを構成するブロックの分割数や上記セルデータの構成を決定または変更するようにしても良い。また、予め大きなサイズの印刷図面に対応可能な大容量の記憶領域をページメモリ12上に確保しておき、小さいサイズの印刷図面を取り扱う場合でも、この記憶領域の一部の領域に1ページ分のセルデータを連続的に格納するように構成しても良い。
【0060】
次に上記のCUファイルシステム22の作用について説明する。
【0061】
CUファイルシステム22は、画素データをページメモリ12に転送する際や、ラスタ展開モジュールにより一旦ページメモリ12に書き込まれた画素データを読み出す際、並びに、部分印刷を行う際に印刷範囲を指定する場合などに作用する。以下、これらの場合についてそれぞれ説明する。
【0062】
先ず、画素データをページメモリ12に転送する処理は、画素データ転送モジュールから転送先のセルアドレスとそれに対応するセルデータがCUファイルシステム22に渡されて開始される。各モジュール間のデータのやり取りはCPU8内のRAMを介して行われる。CUファイルシステム22にセルアドレスとそれに対応するセルデータが渡されると、CUファイルシステム22がそのセルアドレスを上述のフォーマットに従ってページメモリ12のセクタアドレスに変換する。そして、セクタアドレスとセルデータとを対応付けてハードディスクドライバ23に送る。すると、ハードディスクドライバ23は上記セルデータをページメモリ12の上記フォーマットに従った所定領域に書き込んでいく。
【0063】
ラスタ展開モジュールによる画素データの読出し処理は、作図データを展開する際に、先に展開してページメモリ12に書き込んである画素データを読出し、新たな画素データを重ね書きして再度ページメモリ12に書き込む場合に行われる処理である。
【0064】
この画素データの読出し処理は、先ず、ラスタ展開モジュールが読出し元のセルアドレスをCUファイルシステム22に渡すことで実行される。セルアドレスが送られるとCUファイルシステム22がこのセルアドレスを上記のフォーマットに従ったセクタアドレスに変換して、読出しコマンドとともにハードディスクドライバ23に送る。すると、ハードディスクドライバ23は上記のセクタから画素データを読み出してCUファイルシステム22に送り、CUファイルシステム22はこれら画素データを要求されたセルアドレスのセルデータとしてラスタ展開モジュールに渡す。
【0065】
上記印刷範囲の指定は、印刷処理モジュールが印刷範囲を示すセルアドレスをCUファイルシステム22に渡すことで行われる。例えば、矩形領域の指定であれば左上の開始セルアドレスと幅方向のセル数と高さ方向のセル数とがCUファイルシステム22に送られる。CUファイルシステム22ではこれらのデータに基づいて印刷範囲の画素データが格納されているセクタアドレスを所定の形式(例えば先頭のセクタアドレスと連続するデータ幅との組合わせ)で算出し、それをページメモリ制御回路10に送る。
【0066】
ページメモリ制御回路10に印刷範囲を示す上記データが送られると、CPU8の制御と独立してページメモリ制御回路10により所定のタイミングで印刷範囲の画素データがページメモリから読み出されてプリンタエンジン6に転送され部分印刷が行われていく。
【0067】
次に、上記実施例の印刷装置1により行われる幾つかの印刷処理について図6〜図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0068】
図6は、CPU8により実行される通常の印刷処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0069】
通常の印刷処理では、先ず、CPU8のスプール機能モジュールがホストから送られてくる作図データを受信してスプールメモリに格納していく(ステップS101)。格納が済んだら作図データを解析して用紙サイズなどから展開される画素データのサイズを調べ、ページメモリ12に該画素データを格納する領域を確保する(ステップS102)。
【0070】
次いで、CPU8のラスタ展開モジュールにより順次スプールメモリから作図データを取り出してラスタ展開する(ステップS103)。そして、ラスタ展開された画素データをセル単位でページメモリ12の所定領域に書き込んでいく(ステップS104)。次に、1ページ分の展開処理が終了したか否か判別して(ステップS105)、終了するまで上記ステップS103,S104の処理を繰り返す。
【0071】
そして、1ページ分の展開処理が終了したら、CPU8の印刷処理モジュールがページメモリ制御回路10に印刷指示を与える(ステップS106)。すると、ページメモリ制御回路10により画素データがページメモリ12からプリンタエンジン6に直接転送されて1ページの印刷が行われていく。
【0072】
図7は、CPU8とページメモリ制御回路10により実行される複数枚印刷の制御手順を示すフローチャートである。
【0073】
複数枚印刷の処理では、作図データを展開して1ページ分の画素データをページメモリ12に格納した段階で、CPU8の印刷処理モジュールがページメモリ制御回路10に複数枚の印刷指示を与える(ステップS201)。すると、ページメモリ制御回路10により画素データがプリンタエンジン6に直接転送されて1枚の印刷が行われていくと共に、この画素データの直接転送が複数枚分行われて、複数枚の印刷が行われる。
【0074】
図8は、印刷装置により実行されるトラブル処理の制御手順を示すフローチャートで、(a)はCPU8やページメモリ制御回路10側の制御手順、(b)はプリントエンジン6側の制御手順を示している。
【0075】
これらのフローチャートは、CPU8の印刷指示によりページメモリ制御回路10が画素データをプリントエンジン6に直接転送している状態から記している。
【0076】
印刷が開始されると、CPU8側では、CPU8からの指示に基づいてページメモリ制御回路10により画素データの転送が順次行われる一方(ステップS301)、プリントエンジン6側では、順次転送されてくる画素データに従って印刷ヘッドをスキャンさせてスキャンライン印刷が行われる(ステップS305)。
【0077】
この状態で、例えば紙ジャム、用紙切れ、インク切れなどのトラブルが発生すると、プリントエンジン6側のセンサが検出してプリントエンジン6側の制御により印刷動作が停止される(ステップS306)。そして、プリントエンジン6がCPU8に紙ジャム発生の割込み信号を出力してトラブル発生を通知する(ステップS307)。
【0078】
CPU8側では、上記トラブル発生の通知を受けるとページメモリ制御回路10に画素データの転送を中断する指示を出して、該画素データの転送を中断させる(ステップS302)。そして、プリントエンジン6からトラブル復旧の通知が行われるまで待機する(ステップS303)。
【0079】
その後、ユーザーがジャムを起こした用紙を取り除いて正しく用紙をセットし、印刷再開を指令すると、プリントエンジン6からCPU8にトラブル復旧の通知が行われる。
【0080】
CPU8側では、上記トラブル復旧の通知を受けると、ページメモリ制御回路10に転送再開の指示を出して画素データの転送を再開させる(ステップS303)。ここで、画素データ転送の再開位置は、1ページの最初からである。または紙ジャム発生で中断した位置から、或いは紙ジャム発生位置より所定長さ手前からなど、様々な設定が可能である。そして、この画素データに基づきプリントエンジン6で印刷動作が再開される(ステップS308)。
【0081】
図9は、CPU8とページメモリ制御回路10により実行される部分印刷処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0082】
部分印刷処理では、作図データを展開して1ページ分の画素データをページメモリ12に格納した後に、先ず、操作パネル15を介したユーザーからの操作入力、或いは、ホスト2…からのデータ入力により、CPU8に部分印刷の指示と部分印刷の範囲を示すデータが入力される(ステップS401)。
【0083】
外部から部分印刷の指示と印刷範囲のデータ入力が行われると、CPU8はこのデータに基づき印刷範囲に対応するセルアドレスと印刷幅と印刷高さを表すセル数を算出し、これらに基づきページメモリ制御回路10に部分印刷の指示と印刷範囲のデータを出力する(ステップS402)。CPU8において印刷範囲を示すデータは、上述したように、印刷処理モジュールからCUファイルシステム22にはセルアドレスやセル数で表されるが、CUファイルシステム22からハードディスクドライバ23を経てページメモリ制御回路10にはセクタアドレスやデータ幅で表される。
【0084】
そして、ページメモリ制御回路10により、指定された印刷範囲の画素データが所定のタイミングで順次プリンタエンジン6に直接転送されていき部分印刷が行われる(ステップS403)。
【0085】
以上のように、この実施例の印刷装置1によれば、ハードディスク装置に1ページ分の画素データを記憶させるので、安価なページメモリを構築できるとともに、ページメモリにより従来より得られた様々な効果を享受できる。すなわち、複数枚印刷やトラブル復旧時の再印刷処理、部分印刷処理などを行う場合に、再度作図データを画素データに展開する処理を行う必要がなく、すばやい処理が可能である。
【0086】
それに加えて、1ページ分の画素データを印刷座標において縦横に複数に分割したセルデータ毎に連続するセクタに記憶させるようにしたので、印刷画像を縦横に分割したブロック毎の画素データの書込みと読出しが高速に行える。作図データを展開して記憶装置に書き込む場合には、印刷面中の任意の矩形領域に画素データを書き込むという処理を行いたい場合があるが、このような場合でもデータの書き込みを高速に行うことが出来る。
【0087】
また、上記実施例のセルデータの大きさやセルデータの配列により、画素データをページメモリ12からプリンタエンジン6に読み出す際にも、従来の画素データを1ライン毎に配列させてページメモリに記憶させた方式のものと同等に、高速に処理することが出来る。
【0088】
また、セルデータのデータ構造を設定変更可能にしたことにより、例えば、印刷用紙のサイズや印刷領域の大きさに応じてセルを設定したり、作図データとして細かな矩形領域への描画データが多い場合や、大まかな矩形領域への描画データが多い場合など、印刷内容の様々な傾向に合わせて、画素データの書込みや印刷手段への読出しが高速になるように、セルデータのデータ構造を最適化することが出来る。
【0089】
また、ページメモリ制御回路10により、ページメモリ12からプリントエンジン6に画素データを直接転送され、且つ、このデータ転送にメインバス13を使用しないので、印刷処理の実行中でもCPU8によりメインバス13を使用することが出来るので、例えば、印刷処理中に作図データのスプールや作図データの解析や画素データへの展開処理をスムーズに行うことが可能になるなど、印刷装置の総合的なパフォーマンスを大きく向上させることが出来る。
【0090】
以上本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0091】
例えば、上記実施例では本発明をインクジェット方式の印刷装置に適用して説明したが、例えば感光ドラムによりライン方向に連なる印刷を連続的に行う電子写真式の印刷装置に対しても同様に適用可能である。また、画素データもドットが有るか否かの2値データでなく階調印刷するための多値データとして扱うこともできる。また、ページメモリ12としてハードディスクを例示したが、その他、光ディスクや光磁気ディスクなどの円盤状の記憶媒体を使用した大容量の記憶装置を適用することもできる。
【0092】
また、画素データをセルデータごとに扱う記憶装置入出力制御手段として、CPUにより実現されるCUファイルシステムを例示したが、記憶装置入出力制御手段を1個の機能モジュールとして構成するのではなく、上層モジュールないに同様の機能を付加させ、上層モジュールが同様のフォーマットで画素データを扱うようにして構成することも可能である。また、記憶装置入出力制御手段はCPUによりソフト的に実現するのでなく、ページメモリの制御を行う専用の制御回路によりハード的に構成することも可能である。
【0093】
また、1ページの画素データにおけるセルデータの配列や、1つのセルデータにおける画素データの配列などは、上記実施例で示したものと左右逆転したものとしても良いし、また、それ以外の配列としても良い。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従うと、RAMの代わりにハードディスクでページメモリを構築できるなど、安価にページメモリを構築して、ページメモリにより従来より得られた様々な効果を享受できることに加え、1ページ分の画素データを印刷領域に対して縦横に複数に分割したセルデータ毎にハードディスクの連続するセクタに記憶させるようにしたので、作図データを展開して記憶装置に書き込む場合にデータの書き込みを高速に行うことが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の印刷装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】1ページ分の画素データをセルデータ毎に分割した状態を示す説明図である。
【図3】記憶装置中におけるセルデータの状態を示す説明図である。
【図4】セルデータ内の画素データの配列を示す説明図である。
【図5】図1のCPUにより構成されるページメモリにアクセスするための機能モジュールを説明する機能ブロック図である。
【図6】図1のCPUにより実行される印刷処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】図1のCPUとページメモリ制御回路により実行される複数枚印刷の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】印刷装置により実行されるトラブル処理の制御手順を示すフローチャートで、(a)はCPUやページメモリ制御回路側の制御手順、(b)はプリントエンジン側の制御手順を示している。
【図9】図1のCPUとページメモリ制御回路により実行される部分印刷処理の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 印刷装置
2 ホストコンピュータ
6 プリンタエンジン(印刷手段)
7 ホストインターフェース(外部インターフェース)
8 CPU
9 プログラムROM
10 ページメモリ制御回路(切替手段、直接転送制御手段)
12 ページメモリ(記憶装置)
13 メインバス(第1データバス)
15 操作パネル(操作手段、設定手段)
17 データ線(第2データバス)
22 CUファイルシステム(記憶装置入出力制御手段)
23 ハードディスクドライバ

Claims (5)

  1. 印刷内容が示された作図データをドット毎の画素データに展開する展開手段と、円盤状の記憶媒体を有し1ページ分の画素データが記憶される記憶装置とを備え、該記憶装置から画素データを読み出して印刷ヘッド側に供給し該画素データに基づき1スキャンラインの印刷を行うと共に、1スキャンラインごとに印刷用紙を間歇送りして1枚の印刷用紙へ印刷を行っていく印刷装置において、
    1ページの印刷画像が縦方向と横方向とにそれぞれ複数に分割されてなる各ブロックの画素データを単位データとして、個々の単位データを上記記憶媒体において同心円上に連続的に配列された複数のセクタにまとめて格納する記憶装置入出力制御手段と、少なくとも上記展開手段へ前記作図データが読み込まれる際および展開した画素データを上記記憶装置に書き込む際にデータ転送が行われる第1データバスと、画素データを上記記憶装置から上記印刷ヘッド側へ転送する際に使用される第2データバスと、上記記憶装置と上記第1データバスまたは上記第2データバスとの接続を切り換える切替手段と、上記記憶装置から上記印刷ヘッド側に画素データを直接転送する直接転送制御手段とを備え、上記切替手段により上記記憶装置を上記第2データバスに接続させることで上記第2データバスを介したデータ転送と並行して上記第1データバスを介した上記作図データの読み込みが行えるように構成されていることを特徴とする印刷装置。
  2. 上記直接転送制御手段は、上記記憶装置に記憶されている1ページ分の画素データを、一度上記印刷ヘッド側へ転送した後に所定の指令に基づいて再度上記印刷ヘッド側へ転送することが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 上記直接転送制御手段は、上記記憶装置に記憶されている1ページ分の画素データのうち任意の箇所から上記単位データの単位で上記印刷ヘッド側に転送することが可能なように構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  4. 印刷処理のトラブルを検出するトラブル検出手段と、トラブルが検出された場合に上記直接転送制御手段による上記単位データの転送を中断させる印刷処理制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  5. 上記トラブルの復旧を検出するトラブル復旧検出手段を備え、上記印刷処理制御手段は上記トラブルの復旧が検出されたことに基づき上記直接転送制御手段に再度上記単位データの転送を行わせることを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
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