JP4162356B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷蔵庫に係わり、詳しくは、野菜室を適温に保持するための制御装置と制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫には例えば図1に示すように、鋼板製の外箱2と合成樹脂製の内箱3間に発泡断熱材4を充填してなる冷蔵庫本体(断熱箱体ともいう)1の内部に複数の断熱仕切体5、6等を設けて上部に冷蔵室7、中央に野菜室8、下部に冷凍室9を形成すると共に同冷凍室9の上部左右に製氷室9Aと、低温の切替室9Bとを区画形成し、野菜室8の背後に設けられた冷気生成室10に冷蔵室7および野菜室8への冷気を生成する第1の冷却器11と冷気強制循環用の送風機12とを設け、冷凍室9(製氷室9Aおよび切替室9B)の背後に設けられたもう一つの冷気生成室に冷凍室9、製氷室9A、切替室9Bへの冷気を生成する第2の冷却器13と冷気強制循環用の送風機14とを設けたものがある。
【0003】
ところで、冷蔵室7の温度は3℃前後、野菜室8の温度は7℃前後に、また、切替室9Bが冷凍室として使用されるときはその温度が−20℃以下となるため断熱仕切体6の上下の温度差は20℃以上にもなり、同断熱仕切体6の厚さにもよるが、その上下間の熱移動により断熱仕切体6の上面近傍はマイナスの温度帯となることがあり、野菜室8に収納されたものが凍結する恐れがあった。
【0004】
そこで、従来の冷蔵庫においては、断熱仕切体6の上部に野菜室ヒータ(シーズヒータ)15を埋設する一方、冷蔵庫本体1の前面の所定位置に、冷蔵庫本体1外の温度を検知する外気温度検知センサ19を設け、検知された外気温度が予め設定されている判定基準値Tr 未満であれば、図5に示すように、野菜室ヒータ15への通電を行うことにより(ステップST3)、野菜室8の冷え過ぎを防止し、外気温度が判定基準値Tr と同等以上であれば、野菜室ヒータ15への通電を停止(ステップST2)するという制御を行うようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の制御方法は、外気温度が高い場合は野菜室8内は冷え過ぎないという仮定に基づいており、野菜室8の現状の温度を検出しているわけではなく、水分が多い野菜等、収納される食品によっては凍結する恐れがあった。したがって、本発明においては、野菜室をより適温に保持できるようにした冷蔵庫を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、野菜室を暖める野菜室ヒータと、冷蔵庫本体外の温度を検知する外気温度検知センサと、外気温度が判定基準値未満の場合には前記野菜室ヒータに通電し、外気温度が前記判定基準値と同等以上の場合には圧縮機の運転率を算出し、同運転率がその判定基準値未満の場合には前記野菜室ヒータに通電し、同運転率がその判定基準値と同等以上の場合には前記野菜室ヒータへの通電を停止するように制御する制御装置とを備えてなる冷蔵庫とする。
【0007】
また、前記野菜室ヒータと直列に、前記制御装置によって制御される開閉器を設けてなる構成とする。
【0008】
また、前記制御装置が前記外気温度の判定基準値を記憶する第1の記憶部と、前記圧縮機の運転率の判定基準値を記憶する第2の記憶部と、前記圧縮機の運転率を演算する演算部と、前記外気温度検知センサで検知された外気温度と前記第1の記憶部が記憶する判定基準値との比較判定および前記演算部で演算された圧縮機の運転率と前記第2の記憶部が記憶する判定基準値との比較判定を行う比較部と、同比較部での判定結果に基づき前記野菜室ヒータの開閉器を駆動制御する制御部等を備えたマイクロコンピュータからなるものとする。
【0009】
また、前記外気温度検知センサを前記野菜室の扉近傍に設けた構成とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は冷蔵庫の内部を側面から示したもので、図において、1は鋼板製の外箱2と、合成樹脂製の内箱3と、発泡断熱材4等からなる冷蔵庫本体(断熱箱体ともいう)で、その内部は上下二つの断熱仕切体5、6により、上部の冷蔵室7と中央の野菜室8と下部の冷凍室9とに区画形成されると共に同冷凍室9の上部左右には製氷室9Aと、低温の切替室9Bとが区画形成され、野菜室8の背後に設けられた冷気生成室10に冷蔵室7および野菜室8に対応する冷却器11と冷気強制循環用の送風機12が配設され、切替室(冷凍室)9Bの背後に設けられたもう一つの冷気生成室に冷凍室9、製氷室9A、切替室9Bに対応する第2の冷却器13と冷気強制循環用の第2の送風機14が配設され、また、冷蔵庫本体1下部後方の機械室15に圧縮機16、凝縮器17等を配設する一方、断熱仕切体6の上部に野菜室8の温度低下を防止する野菜室ヒータ(シーズヒータ)18を埋設し、冷蔵庫本体前面の野菜室8の扉近傍に、冷蔵庫本体1外の温度を検知する外気温度検知センサ19を設けた構成となっている。
【0011】
図2は本発明に係わる制御系を示したもので、図において、20は野菜室ヒータ18の電源、21は野菜室ヒータ18の開閉器、22は開閉器21の他に圧縮機16、送風機12、14等を駆動制御する制御装置であって、この制御装置22は外気温度の判定基準値(Tr)を記憶する第1の記憶部22a、圧縮機16の運転率の判定基準値(D)を記憶する第2の記憶部22b、圧縮機16の運転率を演算する演算部22c、外気温度検知センサ19で検知された外気温度と前記第1の記憶部22aが記憶する判定基準値(Tr)との比較判定および前記演算部22cで演算された圧縮機16の運転率と前記第2の記憶部22bが記憶する判定基準値(D)との比較判定を行う比較部22d、同比較部22dでの判定結果に基づき野菜室ヒータ18の開閉器21を駆動制御する制御部22e等を備えたマイクロコンピュータ(マイコン)である。
【0012】
本発明による冷蔵庫は以上説明したような構成からなり、その制御装置(マイコン)22は、例えば図3に示すように、外気温度検知センサ19で検知された外気温度Tがその判定基準値Tr未満の場合(t1〜t2間)には野菜室ヒータ18のスイッチ21をONにして野菜室ヒータ18に通電し、野菜室8の温度の下がり過ぎを防止し、また、検知された外気温度Tがその判定基準値Trと同等以上の場合には圧縮機16の運転率を算出し、同運転率がその判定基準値D未満の場合(t3〜t4間)には野菜室ヒータ18のスイッチ21をONにして野菜室ヒータ18に通電し、野菜室8の温度の下がり過ぎを防止し、前記運転率がその判定基準値Dと同等以上の場合には野菜室ヒータ18のスイッチ21をOFFにするようになっている。なお、外気温度Tの判定基準値Trは野菜室8が冷え過ぎないと仮定される温度、また、圧縮機16の運転率の判定基準値Dは外気温度Tがその判定基準値Tr未満時の標準運転率である。
【0013】
図4は以上説明した野菜室ヒータ18に関する制御動作をフローチャートで示したものであり、ステップST1で外気温度Tとその判定基準値Trとの比較判定を行い、外気温度Tがその判定基準値Trよりも低ければステップST3に進めて野菜室ヒータ18への通電を行い、外気温度Tがその判定基準値Trと同等以上であればステップST2で圧縮機16の運転率とその判定基準値Dとの比較判定を行い、運転率がその判定基準値Dよりも低ければステップST3に進めて野菜室ヒータ18への通電を行い、運転率がその判定基準値Dと同等以上であればステップST4に進めて野菜室ヒータ18への通電を停止するようになっており、このような制御動作が行われることにより、野菜室8の温度はより安定したものとなる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したような冷蔵庫であれば、野菜室の温度の下がり過ぎ防止に外気温度の変化だけでなく、圧縮機の運転率も利用して野菜室ヒータへの通電を行うかどうかを決めるようになっているので野菜室の温度はより安定したものとなり、品質的に優れた冷蔵庫が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び従来例に係わる冷蔵庫の概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明に係わる制御系のブロック図である。
【図3】本発明に基づく制御動作例を示す図である。
【図4】本発明に基づく制御動作例を示すフローチャートである。
【図5】従来の制御動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体(断熱箱体)
7 冷蔵室
8 野菜室
9 冷凍室
9A 製氷室
9B 切替室
11 第1の冷却器
16 圧縮機
17 凝縮器
18 野菜室ヒータ(シーズヒータ)
19 外気温度検知センサ
20 電源
21 開閉器
22 制御装置(マイコン)

Claims (4)

  1. 野菜室を暖める野菜室ヒータと、冷蔵庫本体外の温度を検知する外気温度検知センサと、外気温度が判定基準値未満の場合には前記野菜室ヒータに通電し、外気温度が前記判定基準値と同等以上の場合には圧縮機の運転率を算出し、同運転率がその判定基準値未満の場合には前記野菜室ヒータに通電し、同運転率がその判定基準値と同等以上の場合には前記野菜室ヒータへの通電を停止するように制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記野菜室ヒータと直列に、前記制御装置によって制御される開閉器を設けてなる請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記制御装置が、前記外気温度の判定基準値を記憶する第1の記憶部と、前記圧縮機の運転率の判定基準値を記憶する第2の記憶部と、前記圧縮機の運転率を演算する演算部と、前記外気温度検知センサで検知された外気温度と前記第1の記憶部が記憶する判定基準値との比較判定および前記演算部で演算された圧縮機の運転率と前記第2の記憶部が記憶する判定基準値との比較判定を行う比較部と、同比較部での判定結果に基づき前記野菜室ヒータの開閉器を駆動制御する制御部等を備えたマイクロコンピュータからなる請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 前記外気温度検知センサを前記野菜室の扉近傍に設けてなる請求項1記載の冷蔵庫。
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