JP4161881B2 - 液体吐出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタのプリンタヘッド等に適用される液体吐出ヘッドを用いて液体を吐出する液体吐出方法に関する。詳しくは、液体の吐出時のノズル形成部材の変形を抑える技術に係るものである。
従来より、液体吐出装置の液体吐出ヘッドの一例として、インクジェットプリンタのプリンタヘッドが知られている。図11は、サーマル方式のプリンタヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)1を分解して示す斜視図である。
図11において、ヘッド1の半導体基板15の図11中、上面には、発熱素子(例えば発熱抵抗体)13が設けられている。また、半導体基板15上には、インク液室12を形成するバリア層16が設けられ、さらにその上部に複数のノズル18(中心軸線に沿って切断したときの断面が略台形状をなす貫通穴)が形成されたノズルシート17が積層されている。各ノズル18は、その中心軸線がその真下に位置する発熱素子13の中心を通るように、ノズル18と発熱素子13とが配置されている。
そして、発熱素子13を設けた半導体基板15、バリア層16、ノズル18が形成されたノズルシート17とによって、インク液室12が形成されている。
なお、本明細書において、1つのインク液室12と、この1つのインク液室12内に配置された発熱素子13と、その上部に配置されたノズル18を含むノズルシート17とから構成される部分を、「液体吐出部」と称する。すなわち、ヘッド1は、複数の液体吐出部を並設したものである(後述する本実施形態のヘッド11についても同様である)。
図11において、各ノズル18の中心は、ノズル18の配列方向において一直線上に配置されている。したがって、各発熱素子13の中心もまた、一直線上に位置するように配列されている。このように、ノズル18(及び発熱素子13)を一直線上に配列する理由としては、ノズル18の製作技術から見て、一直線に配列することが特に困難ではなく、また、ノズルシート17の真下に位置する発熱素子13についても、一直線上に配列した方が容易だからと考えられる。
これに対し、ノズル18の配列を、故意にずらす(一直線上に配列させない)方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第4812859号明細書
図12は、ノズル18列と、そのノズル18列により形成されたドットとを示す平面図である。左側及び右側の図において、上側は、ノズル18の配列状態を示しており、下側は、形成されたドットの並びを図示している。
ここで、図12中、左側の図におけるノズルA1〜A4及びB1〜B4は、図11と同様に、一直線上に配列されたものを示し、右側の図におけるノズルA1〜A4及びB1〜B4は、上述の特許文献1のように、一直線上に配列されていない例を示すものである。
図12の例では、4個のノズル18を1ブロックとした例である。何個のノズル18を1ブロックとするかは、インクのリフィル特性(吐出で失われるインクを補充する対時間特性)、発熱、ヘッド寿命、吐出に伴う液面(メニスカス)干渉の度合い、等に基づいて決定され、通常は、16、32又は64個程度を1ブロックとするが、ここでは、説明の便宜上、4個のノズル18を1ブロックとしている。
通常、サーマル方式のプリンタヘッドの場合に、複数のノズル18が一列に配列されて使用されるときは、全てのノズル18から同時にインク液滴が吐出されることはない。さらに、1のノズル18とその隣のノズル18とから同時にインク液滴が吐出されることもない。その第1の理由は、消費電力と、それに伴う発熱問題を避けなければならないからである。
また、第2の理由は、全てのインク液室12にインクを供給するための共通流路が、ノズル18に近い部分に位置しているので、隣接するノズル18から同時にインク液滴を吐出させると、干渉(クロストーク)が多くなり、吐出されるインク液滴量が安定しにくいとともに、インク液滴の飛翔方向のばらつきが大きくなるからである。このため、通常は、ある程度の数のノズル18を1グループとして、そのグループ内では、吐出動作にあるノズル18は、常に1個しか存在しないようにし、各グループを並列に動作させて、同時に吐出動作をするノズル18の距離がグループ数だけ必ず隔てられる方法が採られている。
図12の左側の図では、先ず、Aグループ(ノズルA1〜A4)のノズルA1からインク液滴を吐出すると同時に、Bグループ(ノズルB1〜B4)のノズルB1からインク液滴を吐出する。これにより、ノズルA1により形成されたドットと、ノズルB1により形成されたドットとは、水平方向の直線上に並ぶようになる。
次に、上記吐出から所定時間の経過後に、AグループのノズルA2からインク液滴を吐出すると同時に、BグループのノズルB2からインク液滴を吐出する。このとき、上記時間差により、この時間差の間に記録媒体がヘッドに対して相対的に移動し、その結果、少しずれた位置にドットが形成される。以下同様に吐出命令が出されると、図12の左側の図の例では、ドットが徐々に右下がりに形成されることとなる。
一方、右側の図では、上記時間差の分だけ最初からノズル18の位置を反対方向にずらしているので、形成されるドットは、一直線上に配置される。すなわち、図12の右側の図では、上記時間差によるヘッドと記録媒体との相対移動による位置ずれ量と、予めノズル18の位置をずらしておくときのそのずれ量とを等しく設定しているのである。
以上のように、ノズル18の配列を一直線にしないようにして、形成されたドットが直線になるようにしたものも知られている。
ところで、ノズルシート17は、一般には金属泊や高分子系の薄い材料で形成され、その厚みも近年の高解像度を目的としたインクジェットプリンタ等では、10〜30μm程度の非常に薄いものが使用されている。
しかし、ノズルシート17の厚みを薄くしようとすると、以下のような問題点がある。
図13は、600DPIのノズルピッチで、4.5ピコリットル程度の液滴が吐出されることを想定して設計したときのインクジェットプリンタ用の液体吐出部の断面図である。図13は、図11中、ノズル18の中心軸線に沿って、各ノズル18の中心を結ぶ線で切断した図に相当する図である。
図13における構造は、半導体基板15上に形成されるが、これまでに知られている技術としては、次のどちらかが用いられる。
1)発熱素子13を含む回路部分を、シリコン等の半導体基板15上で写真製版技術を用いて形成し、バリア層16とノズルシート17とは、別処理として後工程で付加する方法。
2)ノズルシート17も含めて、シリコン等の半導体基板15上で写真製版技術を用いて形成する方法。
そして、1)の方法では、材質や加工法の選択肢が広いという自由度がある反面、後工程での誤差と半導体処理(前工程)の誤差が一般的には違うので、製造精度が2)の一体加工法に比べて劣るという短所がある。
いずれの方法でも実用的な液体吐出部を形成することができるが、各部の寸法の設定によって、液体吐出部の吐出特性や製造コストが異なる。
例えば1)の場合では、ノズルシート17をニッケル材料とした電鋳行程(電気分解の逆の行程)で形成するときに、その厚みは、電解液の濃度、流す電気量などに比例するので、厚みが厚くなるほど、時間も(ニッケル)材料の使用量も多くなり、コストが高くなる。
また、本件発明者らは、未開示の先願技術である特願2003−037343、特願2002−360408、及び特願2003−55236等により、ノズルから吐出する液滴の吐出方向を複数の方向に可変とすることで、液滴の着弾位置のばらつきを目立たなくし、高品位な印画を可能とした技術を、既に提案しているが、この技術を用いる場合には、ノズルシート17の厚みが薄い方が、液滴の偏向量を大きく取ることができるという事実がある(特願2003−351550参照)。
そして、インクジェットプリンタ等に代表される液体吐出ヘッドにおいては、ノズルシート17の厚みは、20〜30μm程度の比較的大きな値のものも珍しくないが、用途によっては、図13に示すような薄いノズルシート17で必要な性能を実現したい場合がある。
一方、ノズルシート17は、常に液体(インク)に接しているので、液体との接液性(「接液性」とは、主にノズルシート17と液体とが反応して溶けることや、ノズル18の表面の物理的な特性が変わる問題をいう。)と称される相性の問題があり、液体の組成によっては、使用できるノズルシート17の材料が限定される。
このような事情により、上記1)及び2)の方法のいずれにしても、材料が持つ機械的強度(ヤング率、曲げに対する疲労特性等)の限界があるため、ノズルシート17の厚さを薄くしたときは、液滴の吐出時にインク液室12にかかる圧力変動によって吐出特性が損なわれたり、繰返し疲労等で寿命が短くなったりする。このため、ノズルシート17の厚みをある程度以下に薄くすることができない。
すなわち、ノズルシート17を剛体とみなし、吐出動作によって圧力がかかっても、これら部分の変形量は、小さく無視できると考えることもできるが、実態は、これらの部分には、吐出時に極めて高い圧力が発生し、変形を生じている。
図14は、実際のインク液滴が吐出する瞬間を写真撮影した結果を示す図である。図14に示すノズルシート17は、ニッケル電鋳により形成されたものである。
図14に示すように、液滴は、実際の吐出時には、極めて細長い形状になっていることがわかる。なお、液滴は、実際には下向きに吐出されるが、図14では、上向きに図示している。図14に示すように、吐出の瞬間には、ノズルシート17のうち、ノズル18の周辺領域がたわむことが観測された(図14では、ノズルシート17は、上に凸の方向にたわんでいる)。
そして、通常の液滴の吐出では、比較的きれいな円形のドットが形成されるとともに、サテライト(主液滴の吐出に伴って飛び散る小液滴)が見られるが、図14のようにノズルシート17がたわんで液滴が吐出されると、サテライトが大きいものや、ドットが円形でないものが生じて、ドットの並びが不揃いになりやすくなる。図15は、図14のようにノズルシート17がたわんだときに形成されるドット配列を拡大して写真撮影した結果を示す図である。なお、図15では、ノズル18(ドット)のピッチをPで示している。
以上のように、ノズルシート17の厚みが薄くなると、液滴の吐出時の圧力変動によって、ノズル18の周辺領域がたわみ、安定かつ高品位な液滴吐出ができなくなるおそれがある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、液滴の吐出特性の低下を防止しつつ、ノズル形成部材(ノズル層)の厚みを薄くできる技術を提案することである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明は、吐出すべき液体を収容する液室と、前記液室内に配置され、前記液室内の液体に飛翔力を付与する飛翔力付与手段と、前記飛翔力付与手段により付与された飛翔力により、前記液室内の液体を吐出させるノズルを形成したノズル形成部材とを含む液体吐出部を複数配列するとともに、各前記液体吐出部の前記液室に液体を供給する共通流路を備え、前記液室の前記共通流路との連通部分が前記共通流路に対して同一方向を向くように複数の前記液体吐出部が配置されるとともに、その複数の前記液体吐出部は、一定のピッチPで配列されており、その複数の前記液体吐出部のうち、一端側から数えてM番目(Mは、奇数又は偶数のいずれか一方)に位置する前記液体吐出部の前記ノズルの中心を、前記共通流路に沿った直線L1上に配置するとともに、前記一端側から数えてN番目(前記Mが奇数であるときはNは偶数、前記Mが偶数であるときはNは奇数)に位置する前記液体吐出部の前記ノズルの中心を、前記直線L1と平行な直線であって前記直線L1と間隔X(Xは、0より大きい実数)を隔てた直線L2上に配置し、前記ピッチPと前記間隔Xとが、X=P/2の関係となるように、複数の前記液体吐出部を配置した液体吐出ヘッドを用いて液体を吐出する液体吐出方法であって、前記ノズルから吐出された液体により形成されるドット径を前記Pに設定することで、隣り合う前記液体吐出部により形成されるドット同士が接触しないようにした液体吐出方法である。
(作用)
上記発明においては、液室の共通流路との連通部分が共通流路に対して同一方向を向くように複数の液体吐出部が配置されるとともに、液体吐出部のノズルは、一定のピッチPで配列されている。
また、ノズル配列方向において、一端側から数えて例えば奇数番目(1、3、5、・・番目)の液体吐出部のノズルの中心は、直線L1上に配置されており、一端側から数えて例えば偶数番目(2、4、6、・・番目)の液体吐出部のノズルの中心は、直線L2上に配置されている。そして、直線L1とL2とは、一定の間隔Xを隔てている。これにより、隣り合うノズルの中心間距離は、ピッチPより大きい値である、√(P +X )となる。
さらに、隣り合うノズルにより形成されたドットは、ノズルの配列方向にピッチPだけ離れて形成されるとともに、その垂直な方向において、X=P/2だけ離れて形成される。そして、ドット径をPに設定したので、隣り合うノズルにより形成されたドット間に生じるドットの未形成領域が分散される。
本発明によれば、液滴の吐出に伴う圧力変動によるノズル及びその周辺領域の変形量が少なくなり、液滴の吐出量、及び吐出方向を安定させることができる。
また、ノズル表面のクリーニング時などでノズルの表面に圧力が加えられたときでも、ノズルの周辺領域の接触面積を大きく取ることができるとともに、ノズル及びその周辺領域のノズル形成部材の変形が少ないので、安定した接触圧を得ることができる(クリーニング効果を高めることができる)。
さらに、隣り合うノズルにより形成されたドット間の隙間(ドットの未形成領域)が分散されるので、視覚的に未形成領域が認識されなくなり、画質の向上を図ることができる。
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
先ず、本実施形態を説明するに先立ち、ノズルシート17を薄くしたときのノズルシート17の変形について説明(分析)する。
図1は、図11のヘッド1において、具体的な寸法を示す平面図である。先ず、液体吐出部(ノズル18)のピッチPは、物理的解像度が600DPIとして42.3μmとした。また、ノズルシート17の表面におけるノズル径を17μm、発熱素子13の1辺の長さを20μmとした。さらにまた、バリア層16においてインク液室12側から共通流路側の端部までの全長を60μmとした。
この場合において、隣り合うノズル18の縁間の距離Lnは、
Ln=ノズルピッチP−ノズル径
=42.3−17=25.3(μm)
しか取ることができない。また、バリア層16のインク液室12間の幅Tnにいたっては、発熱素子13に接触しないようにするための誤差(この例では、発熱素子13を囲む3辺にそれぞれ2μmずつ設定)を見込むと、
Tn=42.3−(20+2×2)=18.3(μm)
しか取ることができないこととなる。
さらに、バリア層16に使用される材質は、ノズルシート17との接着性も要求されることから、感光性環化ゴムレジストや露光硬化型のドライフィルムレジストに代表される高分子材料が用いられるが、例えばノズルシート17にニッケル電鋳等が用いられた場合には、強度(主としてヤング率)に大きな差があり、ノズル18の表面に強い力が加わった際には、バリア層16が様々に変形することが考えられる。
図2及び図3は、ノズルシート17の変形を説明する断面図であり、それぞれ並設された3つの液体吐出部を図示している。図2は、中央のインク液室12内の発熱素子13にエネルギーが加えられ、発熱素子13から気泡が発生している状態であって、前述の図14の状況(液滴の吐出時)に至る直前の状態を示すものである。
また、図3は、飛翔した液滴に対して気泡が縮小段階にあり、インク液室12内が急激に(大気に対して)負圧になっている状態を示すものである。
これらの状態においては、インク液室12内で急激な圧力変動が生じる(インク液室12内の圧力が急激に増大又は減少する)ため、厚みの薄いバリア層16やノズルシート17がひずむと考えられる。特に、ノズルシート17及びバリア層16は、半導体基板15に比べて剛性が低いことから、そのような現象が顕著に生じ得る。
この場合において、従来の技術の図11に示したように、ノズル18列が一直線状に並んでいると、隣り合うノズル18間において、各ノズル18の中心を結ぶ線上に最も大きな圧力がかかる。また、この線上は、隣りのノズル18までに最も近い部分でもあり、図2及び図3に示すように、バリア層16を中心として、このノズルシート17が、ほぼシーソー的な動きをしやすいことになる。
以上述べたように、厚みの薄いノズルシート17を用い、隣り合うノズル18を一直線上に並べると、インク液滴の吐出時にノズルシート17やバリア層16に変形が生じ、それが吐出特性(特にドット形状、すなわちインクジェットプリンタでは画質)に影響を与えることが分かった。
ノズルシート17の厚みを変えることなく上記影響を改善する方法の1つは、隣のノズル18の位置を離し、バリア層16の厚み、及びその上層のノズルシート17における隣り合うノズル18の間隔をできる限り長くすることである。
このことを満足させるためには、
1)ノズル18の配列ピッチ(600DPIの場合には、42.3μm)を変えずに、ノズル18の径を小さくする。
2)ノズル18の径を変えず、配列ピッチを大きくする。
の2通りが考えられる。
しかし、上記1)の方法では、吐出特性が変わることになり、またノズル18の径が小さくなるほど、インク液室12内の吐出時の圧力も増大する。ただし、圧力の増大に対しては、発熱素子13の面積を小さくし、発生する気泡の体積を小さくすることで対応が可能である。
また、上記2)の方法では、個々のノズル18の特性を保つ意味では有効であるが、解像度が低下してしまい、性能が低下することになる。
そこで、本発明では、第3の方法として、ノズル18の配列ピッチ(600DPIの場合には、42.3μm)を変えずに、ノズル18を含む液体吐出部を、交互に距離Xだけ隔てた2本の直線(L1及びL2)上に配置した。
図4は、本発明の液体吐出方法で用いられる液体吐出ヘッドを適用したプリンタのヘッド11を示す分解斜視図である。図4において、ノズルシート(本発明におけるノズル形成部材に相当するもの)17は、バリア層16上に貼り合わされるが、このノズルシート17を分解して図示している。
ヘッド11において、基板部材14は、シリコン等から成る半導体基板15と、この半導体基板15の一方の面に析出形成された発熱素子(本発明における飛翔力供給手段に相当するものであって、特に本実施形態では、抵抗によって形成した発熱抵抗体)13とを備えるものである。発熱素子13は、半導体基板15上に形成された導体部(図示せず)を介して、制御回路(図示せず)と電気的に接続されている。
また、バリア層16は、例えば、露光硬化型のドライフィルムレジストからなり、半導体基板15の発熱素子13が形成された面の全体に積層された後、フォトリソプロセスによって不要な部分が除去されることにより形成されている。
さらにまた、ノズルシート17は、複数のノズル18が形成されたものであり、例えば、ニッケルによる電鋳技術により形成され、ノズル18の位置がその下側の発熱素子13の位置と合うように、すなわちノズル18が発熱素子13に対向するようにバリア層16の上に貼り合わされている。
インク液室12は、発熱素子13を囲むように、半導体基板15(及び発熱素子13)とバリア層16とノズルシート17とから構成されたものである。すなわち、半導体基板15(及び発熱素子13)は、インク液室12の底壁を構成し、バリア層16は、インク液室12の側壁を構成し、ノズルシート17は、インク液室12の天壁を構成する。
上記の1個のヘッド11には、通常、100個単位の複数の発熱素子13、及び各発熱素子13を備えたインク液室12を備え、プリンタの制御部からの指令によってこれら発熱素子13のそれぞれを一意に選択して発熱素子13に対応するインク液室12内のインクを、インク液室12に対向するノズル18から吐出させることができる。
すなわち、ヘッド11と結合されたインクタンク(図示せず)から、共通流路(各液体吐出部のインク液室12にインクを供給する流路。図示せず。)を介してインク液室12にインクが満たされる。そして、発熱素子13に短時間、例えば、1〜3μsecの間パルス電流を流すことにより、発熱素子13が急速に加熱され、その結果、発熱素子13と接する部分に気相のインク気泡が発生し、そのインク気泡の膨張によってある体積のインクが押しのけられる(インクが沸騰する)。これによって、ノズル18に接する部分の上記押しのけられたインクとほぼ同等の体積のインクが液滴としてノズル18から吐出され、印画紙等の記録媒体上に着弾される。
また、バリア層16は、平面的に見たときに、略櫛歯状をなしている。これにより、図4中、インク液室12より右側前方において、ノズル18の並び方向に延在する共通流路と、インク液室12とが連通している。
すなわち、全ての液体吐出部のインク液室12の共通流路との連通部分は、その共通流路に対して同一方向を向くように、全ての液体吐出部が配置されている。
図5は、図4において、ノズル18の配列(図中、上側)と、発熱素子13及びインク液室12の配列(図中、下側)とを、より詳細に示す平面図である。
図5において、各液体吐出部のノズル18は、一定のピッチPで配列されている。
また、複数の液体吐出部のうち、一端側から数えてM番目(Mは、奇数又は偶数のいずれか一方)に位置する液体吐出部のノズル18の中心を、共通流路20に沿った直線L1上に配置するとともに、一端側から数えてN番目(Mが奇数であるときはNは偶数、Mが偶数であるときはNは奇数)に位置する液体吐出部のノズル18の中心を、直線L1と平行な直線であって直線L1と間隔X(Xは、0より大きい実数)を隔てた直線L2上に配置している。
特に図5の例では、図中、左側から数えて奇数番目(1番目、3番目、・・)の液体吐出部のノズル18の中心は、直線L1上に配置されており、左側から数えて偶数番目(2番目、4番目、・・)の液体吐出部のノズル18の中心は、直線L2上に配置されている。
また、直線L1と直線L2との間隔Xと、ノズル18の配列ピッチPとの関係は、以下のようになる。
1)X<Pの場合
上述したが、全ての液体吐出部のノズル18から同時にインク液滴を吐出することはせず、また、インクジェットプリンタ等の場合には、一般には連続してヘッド11と記録媒体とが相対移動しているので、いずれにしても、全ての液体吐出部のノズル18から液滴が吐出されて記録媒体上に形成されたドットは、一直線状には並ばない。
図5に示すように、ノズル18を間隔Xだけ隔てた2本の直線L1及びL2上に配列すれば、隣り合う液体吐出部のノズル18により形成されたドット間の位置ずれ(ヘッド11と記録媒体との相対移動方向における位置ずれ)は、その2つの液体吐出部のインク液滴の吐出時間差に加えて、間隔Xのずれが加わることとなる。しかし、液体吐出装置の用途が、インクジェットプリンタの写真印刷等の場合には、X<P程度のドット間の位置ずれは、特別な信号処理を施さなくとも違和感の無い画像を得ることができる(後述の実験結果参照)。
この場合は、画像処理的にはノズル18の配列方向に垂直な方向へのウォブリング(テレビジョン等の走査において、走査線を細かく上下動させて走査線構造を見えにくくすること)を施したと考えることもできる。
2)X≧Pの場合
この式において等号に特別な意味は無く、ある程度、間隔XがノズルピッチPに対して大きくなった場合という意味である。
隣り合うドットの位置ずれが、ノズルピッチP以上に大きくなった場合には、一直線状に並んでいる液体吐出部に対しての信号をそのまま用いると、間隔Xの距離に相当する時間差(間隔Xを、ヘッド11と記録媒体との相対移動速度で割ったもの)が解像度低下という形で、画質劣化となって現れる。これは、本来時間的に同じ位置に記録されなければならないドットが間隔Xだけずれてしまうためである。これを避けるためには、間隔Xの距離に相当する時間差を予め信号に持たせることで解決することができる。
以上より、上記1)と2)との差は、同じ画質を得るためには、形成されるドット位置の距離差によって電気信号処理を若干変える必要があるということであるが、本発明の目的である「液滴の吐出に伴う圧力変動によって液体吐出部が変形しにくくなる構造」の効果に関しては、程度の差はあるが、同じである。
以上のように、間隔XとノズルピッチPとの関係は、いかなる場合でも効果があるが、その中でも特に、X=P/2の関係のときには、写真画像のような滑らかさが求められる場合に適していると考えられる。その理由を図6を用いて説明する。
図6中、(A)は、X=0の場合(図11と同じ構造)であって、全てのノズル18から順次インク液滴が吐出されたときに、形成されたドットが互いに接するとともに、ドットが正方格子状に並ぶように、ドットサイズ、ノズルピッチP、ヘッドと記録媒体との相対移動速度が設定されているときのドット配列を示すものである。これにより、各ドットの中心間距離は、縦横ともにノズルピッチPとなる。なお、図6では、ノズル18の並び方向と、記録媒体との相対移動方向をそれぞれ矢印で図示している。また、図6では、下から3段目のラインの記録が行われた様子を図示している。
なお、実際には、上述のように、1ラインが全て同時に記録されるわけではなく、ある数の液体吐出部をグループとして順次インク液滴が吐出され、かつグループ内でのインク液滴の吐出順序による時間差があるため、厳密には、ドットは、直線上には並ばない。
一方、図6(B)では、本実施形態のヘッド11のように、間隔Xを隔てた直線L1とL2上にそれぞれノズル18の中心が位置するヘッド11によってドットを配列した例を示しており、X=P/2の関係としたものである。なお、ドットサイズや、ノズルピッチPは、図中(A)と同一である。
図6(B)では、ノズル18の並び方向において、ドットの中心が上下に間隔Xだけずれた千鳥状にドットが配列される。このようにドットが配列されると、ドットを縦方向(ヘッド11と記録媒体との相対移動方向)で見たときのドット間隔は、(A)と(B)とで同一であるが、横方向(ノズル18の並び方向)で見ると、(A)の場合には、縦横で同一間隔(ノズルピッチP)でドットが隙間なく配列されているのに対し、(B)では、ドットの中心がX=P/2だけずれているために、ドットの径が(A)と同じであれば、ドットは、隣のドットと接触しなくなる。すなわち、ドットの位置誤差を考慮しても、隣り合うドットは、接触しにくくなる。これにより、ドット密度(単位面積内のドット数)は高いが、隣のドットと接触があまりない領域(中濃度)での滑らかさを改善することができる。
さらに、インクジェットプリンタ等の場合には、原理的にヘッド11と記録媒体との相対移動方向(主走査方向)については、同一環境が常に保たれるのに対して(構造が決まれば、電気信号で何回でも同じノズル18から同じ方向にインク液滴を吐出してドットを形成することができる)、ノズル18の並び方向においては、1つ1つが異なるノズル18から吐出されるインク液滴によってドット列を形成するので、ドットピッチがばらついて、主走査方向のようにドットピッチは一定にはならない。
すなわち、ノズル18ごとのインク液滴の吐出角度に多少のバラツキがあり、しかもそのバラツキがノズル18固有のものであるため、隣のノズル18により形成されたドットと接触してしまう吐出特性を有するノズル18(液体吐出部)が存在すると、縦方向で見れば、その全てにわたってその部分で常に隣同士のドットが重なるという性質がある。前述の図15は、実際の印画結果を拡大して示す図であるが、この図より、一部では、隣同士のドットが重なっていることがわかる。
また、着弾直後の濡れたドット同士が接触すると、理論的な点接触では終わらずに、液体の表面張力によって接触部分の幅が広がり、ドットの形状が変化してしまうという問題がある。このような問題を軽減して画質向上を図る上で、本実施形態のようなノズル18の配列にすれば、図6(B)のようなドット配列にすることができるので、同じ濃度でありながら、ドット配列時の左右方向のバラツキにマージンが取れるという効果がある。
図7は、実際の印画結果(ドット配列)を拡大して写真撮影した結果を示す図である。図中(A)は、従来のヘッド1による結果(図15と同じもの)であり、図中(B)は、本実施形態の液体吐出方法で用いられるヘッド11による結果である。これらのドット配列は、ともに、視覚的に見やすくするため、ヘッドと記録媒体との相対移動方向において1つおきにドットを形成している。
この図から、本実施形態の場合には、隣のドットと重なることがほとんどなくなり、横方向のマージンが増加していることがわかる。
また、本実施形態では、ドットの未形成領域の「分散化」が行われるので、ざらつき感を改善することができる。
図8は、この分散化を説明するための図であり、4個(縦横各2個)のドットに囲まれるドットの「未形成領域」に着目したものである。
図8(A)のように、従来のヘッド1を用いた場合には、4個のドットは、正方格子配列となり、4個のドットの円弧により囲まれたアステリスク型の領域がドットの未形成領域として残り、この場合の未形成領域の対角線の長さは、ドットピッチ(ノズルピッチ)Pに等しい。
一方、本実施形態のヘッド11を用いた場合には、アステリスク形状が垂直に2等分され、その配置も上下にP/2だけずれた形状となるため、水平方向におけるドットの未形成領域の長さは、最長でも図8(B)に示すようにP/2となる。
このように、本実施形態では、ドットの未形成領域が正方格子配列の場合の1/2の面積の小さなものがずれて配列される結果、視覚的には、ドットの未形成領域が分散化され、より認識されにくくなり(空間周波数的により高い周波数に追いやられる)、画質向上を図ることができる。
次に、本実施形態の液体吐出部(ノズルシート17及びバリア層16を含む部分)の剛性について説明する。
図9は、液体吐出部の並び方向における断面図であり、(A)は、図11の構造において、各ノズル18の中心を結ぶ線でノズル18の中心軸線に沿って切断したときの断面図である。また、(B)は、図5中、直線L1で、ノズル18の中心軸線に沿って切断したときの断面図である。さらにまた、(C)は、図5中、直線L2で、ノズル18の中心軸線に沿って切断したときの断面図である。さらに(D)は、ノズル18に対応するインク液室12及び発熱素子13の配置を参考として示す平面図である。
図9中、(A)の構造は、インク液滴の吐出時の圧力変動時に、最もストレスがかかるノズル18の中心部分において、ノズルシート17は、ノズル18間にある1つのバリア層16のみで支えられているだけであり、不安定である。ノズルシート17のノズル18間の部分は、図2及び図3で説明したように、バリア層16を支点として、シーソーのような動作をすると考えられる。また、ノズルシート17に対してバリア層16が別部材であって、ノズルシート17の方がはるかに高い剛性を有する場合(例えば、ノズルシート17をニッケル電鋳で形成し、バリア層16をゴム系やアクリル系の樹脂で形成した場合)には、バリア層16が変形の原因になると考えられる。
これに対し、図9中、(B)に示すノズル18列では、(A)と比較すると、(A)の1つおきにノズル18が形成された状態になっているとともに、(A)に対してノズル18が形成されていない位置では、ノズルシート17の下層がバリア層16に確実に固定(接着)されているため、変形に対して最も強固な構造となっている。
したがって、変形が生じても、その変形量は、(A)の構造に比べれば、きわめて少ないと考えられる。
また、図9中、(C)に示すノズル18列では、(B)と同様に、ノズル18は、(A)と比較すると、1つおきに形成されているので、(A)の構造よりは、はるかに変形しにくい。ただし、ノズル18が形成されていないノズルシート17の下層では、その隣の液体吐出部のインク液室12のために空洞になっている。しかし、(A)の構造に比べれば変形に対する剛性が高く、(A)と(B)との中間の剛性を有するものといえる。
このように、本実施形態では、液体吐出部の剛性を高くすることができるので、厚みの薄いノズルシート17を用いたとしても、インク液滴の吐出に伴う圧力変動(内部変動要因)によるノズル18の変形量が少なくなり、インク液滴の吐出量及び吐出方向を安定させることができる。
また、ノズル18の表面のクリーニング時等に、ノズル18の表面に加えられる圧力(外部変動要因)に対しても、ノズル18の周囲のノズルシート17の表面積を大きく取ることができ、さらに変形が少ないので、安定した接触圧を得ることができる(クリーニング効果を改善することができる)。
次に、他の実施形態について説明する。
上述の説明では、1つの共通流路20に対して同一方向を向くように液体吐出部を並設したが、それを2つ設けることも可能である。
図10は、1つの共通流路20に対して、その両側にノズル18(液体吐出部)列を設けた例を示す平面図である。1つの共通流路20に対して一方側(例えば図中、左側)に、間隔Xでノズル18をその並び方向において交互に配置するとともに、共通流路20に対して他方側(例えば、図中、右側)にも同様に、間隔Xでノズル18をその並び方向において交互に配置する構造としても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、サーマル方式の飛翔力付与手段として発熱素子13を例に挙げたが、発熱素子13に限らず、他の方式の飛翔力付与手段を用いたものでも良い。例えば、静電吐出方式やピエゾ方式の飛翔力付与手段が挙げられる。
静電吐出方式の飛翔力付与手段は、振動板と、この振動板の下側に、空気層を介した2つの電極を設けたものである。そして、両電極間に電圧を印加し、振動板を下側にたわませ、その後、電圧を0Vにして静電気力を開放する。このとき、振動板が元の状態に戻るときの弾性力を利用してインク液滴を吐出するものである。
また、ピエゾ方式の飛翔力付与手段は、両面に電極を有するピエゾ素子と振動板との積層体を設けたものである。そして、ピエゾ素子の両面の電極に電圧を印加すると、圧電効果により振動板に曲げモーメントが発生し、振動板がたわみ、変形する。この変形を利用してインク液滴を吐出するものである。
(2)1つのインク液室12内に設けられる発熱素子13の気泡発生領域(飛翔力付与手段の飛翔力付与領域)の数は、1つに限らず、ノズル18の配列方向に2つ並設したものであっても良い。
そして、2つの気泡発生領域における飛翔力の発生に差異を設けないようにして、インク液滴をノズル18の中心軸線に沿って吐出させる手段(主制御手段)と、2つの気泡発生領域における飛翔力の発生に差異(飛翔力の大きさの差又は飛翔力が発生する時間差)を設け、その差異によって、ノズル18から吐出されるインク液滴の吐出方向を、主制御手段によるインク液滴の吐出方向と異なるように制御する手段(副制御手段)とを設けることも可能である。
この技術は、前述した未開示の先願技術である特願2003−037343、特願2002−360408、及び特願2003−55236等により、ノズルから吐出する液滴の吐出方向を複数の方向に可変とすることで、液滴の着弾位置のばらつきを目立たなくし、高品位な印画を可能とした技術であるが、この技術を用いる場合には、前述のようにノズルシート17の厚みを薄くする方が有利である。その場合に本発明を適用することで、ノズルシート17の厚みを薄くしても、インク液滴の吐出時のノズル18の周辺領域のたわみを抑制し、安定かつ高品位な液滴吐出ができるようになるので、上記技術と本発明とを組み合わせることで、より有利な技術とすることができる。
(3)上記実施形態ではヘッド11をプリンタに適用した例に挙げたが、本発明の液体吐出方法で用いられる液体吐出ヘッドは、プリンタに限ることなく、種々の液体吐出装置に適用することができる。例えば、生体試料を検出するためのDNA含有溶液を吐出するための装置に適用することも可能である。
図11のヘッドにおいて、具体的な寸法を示す平面図である。 ノズルシートの変形を説明する断面図であり、液滴の吐出時に至る直前の状態を示すものである。 ノズルシートの変形を説明する断面図であり、気泡が縮小段階にある状態を示すものである。 本発明の液体吐出方法で用いられる液体吐出ヘッドを適用したプリンタのヘッドを示す分解斜視図である。 図4において、ノズルの配列(図中、上側)と、発熱素子及びインク液室の配列(図中、下側)とを、より詳細に示す平面図である。 (A)は、ドットが正方格子状に並んだ状態を示す図であり、(B)は、間隔Xを隔てた直線L1とL2上にそれぞれノズルの中心が位置するヘッドによってドットを形成した例を示す図である。 従来のヘッドと本実施形態の液体吐出方法で用いられるヘッドとを用いた実際の印画結果(ドット配列)を拡大して写真撮影した結果を示す図である。 ドットの未形成領域の分散化を説明するための図である。 (A)は、図11の構造において、各ノズルの中心を結ぶ線でノズルの中心軸線に沿って切断したときの断面図であり、(B)は、図5中、直線L1でノズルの中心軸線に沿って切断したときの断面図であり、(C)は、図5中、直線L2でノズルの中心軸線に沿って切断したときの断面図であり、(D)は、ノズルに対応するインク液室及び発熱素子の配置を参考として示す平面図である。 1つの共通流路に対して、その両側にノズル(液体吐出部)列を設けた例を示す平面図である。 サーマル方式のヘッドを分解して示す斜視図である。 ヘッドのノズル列と、そのノズル列により形成されたドットとを示す平面図である。 600DPIのノズルピッチで、4.5ピコリットル程度の液滴が吐出されることを想定して設計したときの液体吐出部の断面図である。 実際のインク液滴が吐出する瞬間を写真撮影した結果を示す図である。 図14のようにノズルシートがたわんだときに形成されるドットの配列を拡大して写真撮影した結果を示す図である。
符号の説明
11 ヘッド(液体吐出ヘッド)
12 インク液室(液室)
13 発熱素子(飛翔力付与手段)
14 基板部材
15 半導体基板
16 バリア層
17 ノズルシート(ノズル形成部材)
18 ノズル
20 共通流路
L1 直線
L2 直線
P ノズルピッチ又はドットピッチ
X 直線L1と直線L2との間隔

Claims (1)

  1. 吐出すべき液体を収容する液室と、
    前記液室内に配置され、前記液室内の液体に飛翔力を付与する飛翔力付与手段と、
    前記飛翔力付与手段により付与された飛翔力により、前記液室内の液体を吐出させるノズルを形成したノズル形成部材と
    を含む液体吐出部を複数配列するとともに、
    各前記液体吐出部の前記液室に液体を供給する共通流路を備え、
    前記液室の前記共通流路との連通部分が前記共通流路に対して同一方向を向くように複数の前記液体吐出部が配置されるとともに、その複数の前記液体吐出部は、一定のピッチPで配列されており、
    その複数の前記液体吐出部のうち、一端側から数えてM番目(Mは、奇数又は偶数のいずれか一方)に位置する前記液体吐出部の前記ノズルの中心を、前記共通流路に沿った直線L1上に配置するとともに、前記一端側から数えてN番目(前記Mが奇数であるときはNは偶数、前記Mが偶数であるときはNは奇数)に位置する前記液体吐出部の前記ノズルの中心を、前記直線L1と平行な直線であって前記直線L1と間隔X(Xは、0より大きい実数)を隔てた直線L2上に配置し、
    前記ピッチPと前記間隔Xとが、
    X=P/2
    の関係となるように、複数の前記液体吐出部を配置した液体吐出ヘッドを用いて液体を吐出する液体吐出方法であって、
    前記ノズルから吐出された液体により形成されるドット径を前記Pに設定することで、隣り合う前記液体吐出部により形成されるドット同士が接触しないようにした
    液体吐出方法
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