JPH04341856A - インクジェットヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェットプリンタ
に関し、特にせん断型モードの変形を用いて液滴を噴射
するインクジェットヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に小さくカラー記録がし
やすいという点で最近関心を集めている。その中で、高
速記録が可能であり、しかも普通紙に記録が行える液体
噴射記録法によるインクジェットプリンターは、次々と
新しい高性能の機械が発表されており、中でもドロップ
オンデマンド型のインクジェットプリンターは、必要な
液滴のみを噴射するため、廃液回収装置などの機構が不
要となり、構造が簡単でしかも価格も安くなるため、パ
ーソナルコンピューターの出力装置として多数使用され
始めている。

【０００３】しかしインクジェットプリンターのうち熱
機械変換式（特開昭５４ー５９９３６号公報）の場合は
、液体が含有する成分によりヒーター表面にコゲーショ
ンを生じ、経時的にインクジェットヘッドの効率が低下
し、やがて破壊に至る。このため使用する液体の含有成
分を制限せざるを得ない。一方電気機械変換式（特開昭
４７ー２００６号公報）では、その構造上からオリフィ
スとオリフィスの間に０．３ｍｍの間隔が必要であり熱
機械変換式の約５倍の大きさとなり、高密度で多数のオ
リフィスを設けた実用的なインクジェットプリンターを
構成することは困難である。これらの問題点を解決する
方法として、せん断型モードによる電歪効果を利用して
圧電素子に設けた液体流路の側壁を変形させ液滴を噴射
する方式によるインクジェットヘッドが発表されている
。

【０００４】特開昭６３−２５２７５０に開示されてい
る、この技術によるインクジェットヘッドの斜視図を図
６に、断面図を図７に示す。このヘッドは、図６に示す
ように、液滴１を噴出するオリフィス６を設けたオリフ
ィス板５に隣接して、側壁１１で仕切られた多数の液体
流路２を備えている。液体流路２は液体で充満しており
、液体はジョイント１４から供給される。図７において
、１５、１７、１９、２１、２３で示される側壁はそれ
ぞれ、矢印３３、３５のように互いに逆方向に分極され
た上部壁２９、下部壁３１から構成されている。これら
の側壁は底板２５、天井板２７に挟まれて液体流路２を
構成している。電極３７、３９、４１、４３、４５がそ
れぞれ対応する液体流路２の全内壁を覆っている。ここ
で、例えば側壁１９、２１間の液体流路２の電極４１に
電圧を与え、両側の電極３９、４３をアースすると、側
壁１９と２１に電界が印加される。各側壁の上部壁２９
、下部壁３１が逆方向に分極されているので上部壁２９
、下部壁３１は点線４７、４９で示すようにその間の液
体流路に向かってせん断型モードの変形をする。その結
果側壁１９と２１の間の液体流路２内の液体に圧力が加
えられ、流路長に沿って音響圧力波が伝えられオリフィ
ス６から液滴１を噴射する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】せん断型モードのイン
クジェットヘッドを用いて３６０ｄｐｉの印字密度を実
現する場合流路幅と側壁厚さは各々０．０３５ｍｍとな
り、流路の幅が狭く流路の抵抗が大きくなり過ぎると共
に、側壁の強度上からも非現実的である。本発明の目的
は、高密度の印字をするときに伴う上記問題点を解決し
、高分解能のインクジェットヘッドを提供することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の構成は、一定方向に分極された圧電材料から
成る側壁に仕切られた液体流路が、ピッチＰで一列に配
列された液体流路の列がＮ列あり、各列の液体流路は互
いにＰ／Ｎずつずれて配列されており、各液体流路の内
面には電極が形成されており、各液体流路には液体が充
満し、各液体流路は各列毎に設けられた液室で連通して
おり、前記電極に駆動電圧が印加されて、前記側壁の変
形を引き起こし、各液体流路毎に設けられたオリフィス
から液滴を噴射して記録することを特徴としている。ま
た、全てのオリフィスを一枚のオリフィス板の上に設け
たことも本発明の特徴である。さらに、各液体流路の側
壁に直交する内面電極に対応して電極膜を設け、該内面
電極と電極膜の間にも駆動電圧を印加し、側壁に直交す
る内面の変形と側壁の変形を同時に引き起こし、オリフ
ィスから液滴を噴射することを特徴としている。

【０００７】

【作用】本発明における液滴噴射記録装置は、多層構造
にして液体流路を高密度に配列するようにしたので、各
列の液体流路の幅及び側壁の幅は、各々０．０７ｍｍま
でとることが可能となり、液体流路の抵抗が減少し噴出
エネルギーの減少が改善されると共に、側壁の幅が十分
とれるので側壁強度の点でも改善される。また液体流路
が高密度に集積されているため、一枚のオリフィス板の
上に全てのオリフィスを設けることができ、圧電素子モ
ジュールの積層誤差に係わらずオリフィス板上のオリフ
ィスの位置精度を管理するだけで印字精度の高いインク
ジェットヘッドを作ることができる。更に側壁のせん断
型モード変形と同時に液体流路底面の直接型モード変形
もエネルギー付与手段として利用するため、高密度でし
かも駆動力の高いインクジェットヘッドが可能となる。

【０００８】

【実施例】以下図面により本発明の実施例を詳述する。 図１は本発明によるインクジェットヘッドの第１の実施
例を示す。圧電素子７４は電極膜５０を挟んで反対方向
に電気分極してある。この圧電素子７４の上下に圧電素
子７７が設けられており、上部液体流路８０、下部液体
流路８１が形成されている。各上部液体流路８０の周囲
には電極３９、４１、４３が設けてある。更に圧電素子
７７の背面に副電極５１が設けてある。電極３９、４３
をアースしておき電極４１に駆動電圧を加えると、液体
流路８０の両側の側壁は点線４７、４９、５２、５３の
ように変形しオリフィスから液滴を噴出する。上部液体
流路８０、下部液体流路８１はそれぞれピッチＰで配列
しているが、上部と下部で互いにＰ／２だけずれている
ため、従来の側壁の幅をとっても、従来の倍のドット密
度で印字することができる。液体流路８０、８１は印字
のコラム方向に整列するように配置する。このインクジ
ェットヘッドを用いて印字する際は、液体流路列の直角
方向に印字用紙を走査するので、まず上部液体流路８０
を発射し次に下部液体流路８１が印字位置に到達するま
での一定時間の後に下部液体流路８１を発射するように
駆動する必要がある。また、同一の液体流路列でも、隣
接した液体流路から同時に液滴を噴射することは不可能
なので、最初の液滴の発射の後、その液体流路の振動が
減衰するのに要する数１００μ秒の時間差をおいて駆動
する。

【０００９】図２は本発明によるインクジェットヘッド
の第２の実施例を示す。板厚の中央に電極膜５０を挟み
、両側を互いに逆方向に電気分極し、両面に複数の液体
流路８０、８１、８２、８３を構成するための溝を設け
、溝の内面に導電膜の電極３９、４１、４３を付与した
３枚の圧電素子７４を溝と溝とを合わせて接合し、更に
外側に溝を設けた圧電素子７７を接合して、液体流路８
０、８１、８２、８３を構成してエネルギー付与手段と
した場合の例である。４列の液体流路８０、８１、８２
、８３は各々ピッチＰで設けてあり、各列は各々Ｐ／４
ずつずれているので、従来の構造に対し４倍のドット密
度で印字することができる。

【００１０】図３は本発明によるインクジェットヘッド
の第３の実施例を示す。図１の圧電素子７７に代えて弾
性体７０を接合した場合の例である。圧電素子７４はせ
ん断型モード変形により点線６１、点線６２のように変
形し、底部は直接型モード変形により点線６３のように
変形し液体流路断面積の減少を引き起こし、液体流路８
４内部に充満した液体を加圧してオリフィスと液室に押
し出す。この場合も、上部の液体流路８４、下部の液体
流路８５がピッチＰで配列しており、上部と下部でＰ／
２ずつずれているので、従来の構造で側壁１１が充分な
強度になるような寸法で溝を加工した場合でも２倍のド
ット密度で印字することができる。本実施例は図１の例
に対し、圧電素子７４、７７の枚数が２枚少なくてよい
ため製品価格の点でより現実的である。

【００１１】図４は本発明によるインクジェットヘッド
の第４の実施例を示す。本実施例の階層構造は、図３の
第３の実施例のヘッドを、弾性体７０を共有して２段重
ねた構造である。ただし、各列の液体流路８６、８７、
８８、８９のピッチのずれはＰ／４である。従って、こ
の場合も、従来の構造に対し４倍のドット密度で印字す
ることができる。また、図２の例に対し圧電素子７４、
７７の枚数が３枚少ないので製品価格の点でより現実的
である。

【００１２】図５は第４の実施例のヘッドに対応する、
オリフィス板の構成を示したものである。液体流路に連
なる多数のオリフィス６が一枚のオリフィス板５に設け
られている。図１から図３に示されるヘッドにおいても
同じ様に一枚のオリフィス板にまとめることができる。 すなわち、本発明のヘッド構成により、液体流路の数が
増えても、液体流路の配列密度を高めることができるた
め、インクジェットヘッドを構成する全てのオリフィス
６を一枚のオリフィス板５の上に設けることができる。 また、この構成によれば、各オリフィス間の相対位置は
オリフィス板５の加工精度を管理するだけでよいので、
高精度の印字品質を容易に達成することができる。

【００１３】

【発明の効果】上記のごとく本発明によれば、液体流路
を多段構成にしたので、液体流路の幅、側壁の幅は従来
のままで、液体流路を高密度に配列できる。また、エネ
ルギー付与手段として、液体流路側壁のせん断型モード
変形のみではなく、液体流路の上底及び下底に対応して
電極膜を設けて、液体流路の上底及び下底の直接型モー
ドの変形をも誘起して液体に噴出エネルギーを与えるよ
うにすれば、液体流路の集積密度をさらに高く構成する
ことができる。さらに、多段のオリフィスを一枚のオリ
フィス板の上に構成することにより、高精度にオリフィ
スが配置された高い印字品質のインクジェットヘッドを
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第１の実施例のインクジェットヘ
ッドの断面図である。

【図２】本発明による第２の実施例のインクジェットヘ
ッドの断面図である。

【図３】本発明による第３の実施例のインクジェットヘ
ッドの断面図である。

【図４】本発明による第４の実施例のインクジェットヘ
ッドの断面図である。

【図５】本発明によるオリフィス板を示す図である。

【図６】従来のインクジェットヘッドの外観図である。

【図７】従来のインクジェットヘッドの断面図である。

【符号の説明】

１　　液滴 ２　　液体流路 ５　　オリフィス板 ６　　オリフィス １１　　側壁 ３９　　電極 ４１　　電極 ４３　　電極 ５０　　電極膜 ５１　　副電極 ７０　　弾性体 ７４　　圧電素子 ７７　　圧電素子 ８０　　液体流路 ８１　　液体流路 ８２　　液体流路 ８３　　液体流路 ８４　　液体流路 ８５　　液体流路 ８６　　液体流路 ８７　　液体流路 ８８　　液体流路 ８９　　液体流路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　一定方向に分極された圧電材料から成
   る側壁に仕切られた液体流路が、ピッチＰで一列に配列
   された液体流路の列がＮ列あり、各列の液体流路は互い
   にＰ／Ｎずつずれて配列されており、各液体流路の内面
   には電極が形成されており、各液体流路には液体が充満
   し、各液体流路は各列毎に設けられた液室で連通してお
   り、前記電極に駆動電圧が印加されて、前記側壁の変形
   を引き起こし、前記各液体流路毎に設けられたオリフィ
   スから液滴を噴射して記録することを特徴とするインク
   ジェットヘッド。
2. 【請求項２】　　請求項１に記載のインクジェットヘッ
   ドに於て、全てのオリフィスが一枚のオリフィス板の上
   に設けられていることを特徴とするインクジェットヘッ
   ド
3. 【請求項３】　　請求項１に記載のインクジェットヘ
   ッドに於て、各液体流路の側壁に直交する内面電極に対
   応して電極膜を設け、該内面電極と電極膜の間にも駆動
   電圧を印加し、側壁に直交する内面の変形と側壁の変形
   を同時に引き起こし、オリフィスから液滴を噴射するこ
   とを特徴とするインクジェットヘッド。