JP2001010044A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2001010044A
JP2001010044A JP18027699A JP18027699A JP2001010044A JP 2001010044 A JP2001010044 A JP 2001010044A JP 18027699 A JP18027699 A JP 18027699A JP 18027699 A JP18027699 A JP 18027699A JP 2001010044 A JP2001010044 A JP 2001010044A
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ink
ink chamber
substrate
fluid resistance
chamber
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Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度配置ができない。 【解決手段】 インク室6の長手方向に対して流体抵抗
部7の配列方向を斜め方向とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の
画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェ
ット記録装置において使用するインクジェットヘッド
は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通す
るインク室(圧力室、加圧液室、液室、吐出室、インク
流路等とも称される。)と、このインク室内のインクを
加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段とを
備えて、エネルギー発生手段を駆動することでインク室
内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させるも
のであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出する
インク・オン・デマンド方式のものが主流である。
【0003】ところで、インク室を形成する部材として
は、従前、プラスチック、セラミック、ガラス等の材料
が用いられていたが、これらの材料では高精細、高精度
化の要求に十分に応えることができなくなっている。
【0004】そこで、シリコンウェハをエッチングして
インクジェットヘッドの構成部品として使用する技術が
種々開示されている。例えば、特公昭58−40509
号公報には、図14に示すように結晶面方位(100)
のシリコン基板を流路基板101に用いて、この流路基
板101に複数のインク室102を形成したものが開示
されている。
【0005】また、特開平8−85207号公報には、
図15に示すように、結晶面方位(110)のシリコン
基板を流路基板104に用いて、この流路基板104に
インク室105を形成し、流体抵抗部107をインク室
105に対して54.7°傾いた方向に形成したものが
開示されており、この場合には表面の(110)面に
(111)面が垂直となっているので、インク室を垂直
壁で形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た結晶面方位(100)のシリコン基板を用いたものに
あっては、エッチングの結果現れる(111)面は(1
00)面に対して約54.7°で傾斜するため、パター
ン幅に対して深さが一定の比以上は取れないので、台形
若しくは三角形の断面形状になる。
【0007】例えば、(100)面のシリコン基材を用
いてインク室を配列しようとすると、図14に示すよう
にインク室102の壁102aが基材の表面に対し略5
4.7°で傾斜するために、薄いシリコン基材でしか高
密度化することができない。例えば、インク室102の
底面の短辺長の幅を100μm、基材表面上でのインク
室102間の間隔を20μm、これらを150dpi(1
69μmピッチ)で配列した場合、傾斜した壁102a
のためにシリコン基材の厚さは35μmとなる。さらに
高密度に配列した場合、さらにシリコン基材の厚さは薄
くなる。
【0008】このように薄くなると、インク室102内
でインクがスムーズに流れなくなり、インク吐出が不能
になる。そのため、高密度化が困難であるという課題が
ある。また、シリコン基材の全体の剛性がなく、シリコ
ン基材全体が撓るため、イへの組立時にハンドリングが
困難であり、歩留まりが低下するという課題もある。
【0009】これに対し、上述した結晶面方位(11
0)のシリコン基板による異方性エッチングでは、表面
の(110)面に垂直な(111)面でインク室を構成
できるので、高密度にインク室を配列することが可能に
なる。
【0010】しかしながら、上述した図15のヘッドに
おけるインク室構造では、流体抵抗部107はインク室
105に対して54.7°傾いた方向に形成され、且
つ、インク室105の長手方向に対して複数の流体抵抗
部107の配列方向が直交する方向にしているので、相
隣り合う流体抵抗部107の間隔がインク室105の間
隔よりも小さくなり、さらに、高密度印字のために高密
度でインク室105を配列しようとすると、隣り合う流
体抵抗部107が接してしまうことになる。このように
図15に示すインク室構造では、流体抵抗部が原因で高
密度化が困難であるという課題がある。
【0011】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、インク室及び流体抵抗部を高密度に効率良く配
置できるインクジェットヘッドを提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェットヘッドは、インク室と
流体抵抗部を結晶面方位(110)のシリコン基板にで
形成し、インク室の長手方向に対して複数の流体抵抗部
の配列方向を斜めにした構成としたものである。
【0013】ここで、流体抵抗部の配列方向はシリコン
基板の<110>方向又は<112>方向に一致させること
が好ましい。
【0014】また、複数のインク室が並ぶインク室列を
複数列配置し、ノズルピッチをA、ノズル列間隔をB、
ノズル列の数をm、インク室長手方向とインク室列方向
とのなす角度をθとしたとき、インク室列を互いに、次
の(1)式で算出される値xだけずらして配置すること
が好ましい。
【0015】
【数2】
【0016】さらに、本発明に係るインクジェットヘッ
ドは、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルが
連通する複数のインク室と、各インク室に流体抵抗部を
介して連通する共通インク室とを有し、複数のインク室
が並ぶインク室列を複数列配置したヘッドチップを複数
備えたインクジェットヘッドであって、ヘッドチップは
インク室列方向に対して斜めに切り出されている構成と
したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係るインクジェットヘッドのノズルプレートを除いた
状態の上面図、図2は図1のA−A線に相当する断面説
明図、図3は図1のB−B線に相当する断面説明図であ
る。
【0018】このインクジェットヘッドは、シリコン基
板からなる液室基板1と、この液室基板1の下側に設け
たパイレックスガラス基板等からなる電極基板2と、液
室基板41の上側に設けたノズルプレート4とを備え、
複数のノズル5、各ノズル5が連通するインク室(吐出
室)6、各インク室6に流体抵抗部7を介して連通する
共通インク室8などを形成している。
【0019】液室基板1には、インク室6及びこのイン
ク室6の壁面の一部である底部をなす振動板10を形成
する凹部と、流体抵抗部7を形成する溝部と、共通イン
ク室8を形成する凹部とを形成している。また、電極基
板2には凹部11を形成して、この凹部11に振動板1
0にギャップ13を置いて対向する電極12を設け、こ
の電極12と振動板10によってアクチュエータ部を構
成している。電極12表面にはパッシベーション膜14
を成膜して電極保護膜としている。
【0020】このインクジェットヘッドにおいては、振
動板10と電極12との間に(いずれか一方を共通電
極、他方を個別電極とする)駆動電圧を印加することに
よって静電気力によって振動板10が変形変位して、そ
の後駆動電圧の印加を停止することで振動板10が復帰
変位してインク室6の内容積が変化することによってノ
ズル5からインク滴が吐出される。
【0021】ここで、液室基板1に形成したインク室6
と流体抵抗部7について説明すると、この液室基板1に
は結晶面方位(110)のシリコン基板を用いている。
この結晶面方位(110)のシリコン基板においては、
周知のように(111)面が(110)面の基板表面、
特に<112>方向で直交に交わっているので、アリカリ
液を用いた異方性エッチングによって基板表面に対して
垂直な壁構造を形成することができる。
【0022】そして、<112>方向には、基板表面に垂
直な(111)面の垂直壁が、<110>方向には、基板
表面と35.3°をなす(111)面のテーパ面が現れ
る。したがって、インク室6の長手方向(<112>方
向)と流体抵抗部7の方向(<110>方向)は54.7
°の角度をなすことになる。
【0023】そこで、図1に示すように、インク室6の
長手方向に対して複数の流体抵抗部7の配列方向を斜め
にすることによって、流体抵抗部7,7間の隔壁幅を確
保することができて、隣り合う流体抵抗部7,7が接触
することがなくなり、複数のインク室6及び流体抵抗部
7を高密度に配列することができる。
【0024】このインクジェットヘッドの製造工程につ
いて図4を参照して説明する。先ず、同図(a)に示す
ように、結晶面方位(110)のシリコン基板を両面研
磨して、厚さ200μmのシリコン基板21を作製し、
このシリコン基板21に酸素及び水蒸気雰囲気中で熱酸
化処理を施し、シリコン基板21両面に酸化膜22a、
22bを厚さ1.5μmで形成する。
【0025】次いで、同図(b)に示すように、酸化膜
22a上に、インク室6等の流路に対応するフォトレジ
ストパターンを形成し、フッ酸系エッチング液によって
酸化膜22aの露出部分を除去する。このとき、裏面の
酸化膜22bは全面フォトレジストで保護しておく。そ
の後、フォトレジストパターンを除去し、酸化膜22a
によるマスク層を形成する。
【0026】次に、同図(c)に示すように、酸化膜2
2aのパターンの開口部23を水酸化カリウム水溶液な
どのアルカリ液によって、深さ195μmまで異方性エ
ッチングし、インク室6及び厚さ5μmの振動板10、
流体抵抗部107、共通インク室8を形成して、液室基
板1を得る。なお、シリコンの異方性エッチングには水
酸化カリウム水溶液以外にも、EDP、TMAH、ヒド
ラジンなども用いることができる。
【0027】その後、液室基板1の酸化膜22a、22
bを上述したエッチング方法により除去し、同図(d)
に示すように、凹部11、電極12、パッシベーション
膜14を形成した電極基板2をシリコン基板である液室
基板1の裏面に陽極接合する。
【0028】ここで、電極基板2にはパイレックスガラ
ス(ホウ珪酸ガラス)を用いており、電極12を設ける
ための凹部11を0.5μm深さにエッチングして、液
室基板1と電極基板2の接合後、振動板10と電極基板
2上の電極12とのギャップ13を形成する。この凹部
11はその内部に電極12及び電極パッド部16を装着
できるように電極部形状に類似したやや大きめの形状に
パターン形成することで作製する。
【0029】また、電極12は凹部11内に金を0.1
μm厚さでスパッタして形成している。さらに、電極パ
ッド部16にもボンディングのための金をスパッタして
いる。液室基板1と電極基板2を接合することによっ
て、振動板10と電極12との間に微小ギャップ13が
0.4μm形成される。
【0030】このインクジェットヘッドにおいては、流
体抵抗部7は、<110>方向に形成するので、35.3
°の角度で(111)面のテーパー面が現れ、両側のテ
ーパー面がぶつかったところでエッチングは停止し、V
型の溝形状となる。エッチングされ難い二つの(11
1)面がぶつかった所でエッチングが停止するので、エ
ッチング時間のバラツキによらず、インク供給路(流体
抵抗部)深さの管理が容易となる、
【0031】また、上述したように、インク室6、流体
抵抗部7、共通インク室8を異方性エッチングで形成す
る場合、共通インク室8の鋸状パターンで横方向のエッ
チングが進んでしまう。
【0032】そこで、図5に示すように、エッチングマ
スク30として、インク室6に対応するマスク開口3
1、これに連続する流体抵抗部7に対応するマスク開口
32、およびク共通インク室8を分割したマスク開口3
3を有するマスクを用いるようにする。
【0033】このエッチングマスク30を用いてエッチ
ングを行った場合、鋸状パターンが細いパターン34で
複数のマスク開口33に分割されているため、横方向の
エッチングが生じないで図1に示すような液室基板1が
得られる。このとき、マスク開口33、33間の細いパ
ターン34により、(111)面による垂直柱が形成さ
れるが、(111)面も若干エッチングされることを利
用して、エッチング終了時には垂直柱がなくなるような
パターン34の幅を設定すれば良い。
【0034】また、インク室6と流体抵抗部7、或いは
流体抵抗部7と共通インク室8のつなぎの部分で、エッ
チングが横方向に進行することがある。そこで、このよ
うな場合には、図6に示すように、エッチングマスク3
5として、インク室6のマスク開口31と流体抵抗部7
のマスク開口32或いは流体抵抗部7のマスク開口32
と共通インク室8のマスク開口33とを分離したマスク
を用いることによって、横方向のエッチングを防ぐこと
ができる。
【0035】この場合、同図に示すように、共通インク
室8を分割するパターンを途中で途切れたパターン36
として個々のマスク開口33が一部で連続するようにし
ても良い。なお、このときもパターン36に対応する垂
直柱が(111)面のエッチングでなくなるようにパタ
ーン幅を設定する。また、この場合、図5に示したよう
に途切れないパターン34として個々のマスク開口33
を分離しても良い。
【0036】また、上記の説明では、電極基板2にガラ
ス基板を用い、液室基板1にシリコン基板を用いて陽極
接合したが、電極基板2にシリコン基板を用いてシリコ
ン−シリコンの直接接合により接合することなどもでき
る。
【0037】次に、本発明の第2実施形態について図7
を参照して説明する。本実施形態では、インク室6及び
流体抵抗部7を<112>方向に配列し、共通インク室8
を2つの<112>方向からなる平行四辺形によって形成
したものである。この場合の共通インク室8の平行四辺
形の鋭角の角度は70.5°となる。
【0038】このように流体抵抗部7をシリコン基板の
<112>方向に一致させることにより、共通インク室8
をシリコン基板の結晶軸に一致した方向で平行四辺形に
形成することができ、共通インク室8を異方性エッチン
グで形成する場合に鋸状のパターンがないので横方向の
エッチングが生ぜず、補償パターンも不要になり、容易
に設計でき、設計通りに作製することができる。また、
共通インク室8内での鋸状パターンによる気泡の停滞を
低減することができる。
【0039】なお、ここでも、インク室6と流体抵抗部
7、流体抵抗部7と共通インク室8のつなぎの部分で横
方向のエッチングが進行することがあるので、前述した
図6に示すエッチングマスク35のように、インク室6
のマスク開口31と流体抵抗部7のマスク開口32、或
いは、流体抵抗部7のマスク開口32と共通インク室8
のマスク開口33とを分離することで、横方向のエッチ
ングを防ぐことができる。
【0040】次に、本発明の第3実施形態について図8
及び図9を参照して説明する。なお、図8は同実施形態
の一例を示す液室基板の上面図、図9は同実施形態の他
の例を示す液室基板の上面図である。本実施形態では、
インク室6及び流体抵抗部7を<110>方向に配列し、
共通インク室8を<112>方向と<110>方向からなる
平行四辺形によって形成したものである。この場合には
共通インク室8となる平行四辺形の鋭角の角度は54.
7°となる。なお、図8の例と図9の例では流体抵抗部
7を形成する<112>方向が別の方向である点で異な
る。
【0041】このような配列にした場合、流体抵抗部7
は<110>方向には形成できないので、<112>方向に
形成する。<112>方向に形成すると、(111)面が
垂直に現れ、垂直に深くエッチングされるので、流体抵
抗部7とするためには、パターンを細くする必要があ
る。
【0042】ここで、この<112>方向の流体抵抗部7
は、V型溝で開口部幅で決まる深さでエッチングは停止
し、また、その幅はインク室6の幅で決まる幅以上には
設定できないので、流体抵抗のパラメータである断面積
の設計の範囲が小さくなる。他方、<112>方向の流体
抵抗部7は、深さはインク室6の深さと同じであるの
で、断面積の設計の範囲を大きく取ることができる。
【0043】このように流体抵抗部7の配列をシリコン
基板の<112>方向に一致させることにより、前述した
と同様に、共通インク室8を異方性エッチングで形成す
る場合の補償パターンが不要になり、容易に設計でき、
設計とおりに製作することができる。
【0044】次に、本発明の第4実施形態について図1
0及び図11を参照して説明する。なお、図10は同実
施形態に係るインクジェットヘッドの上面図、図11は
同ヘッドの液室部の拡大上面図である。このインクジェ
ットヘッドにおいては、複数のインク室6及びこれに連
通する流体抵抗部7を並べたインク室列41、41を共
通インク室8を挟んで両側に2列配置したものである。
【0045】この場合、図10に矢印で示すインクジェ
ットヘッドに対する用紙の相対的な移動方向に対してイ
ンク室6の長手方向が傾いているので、一方のインク室
列41のノズル5で印字したドットD1の間に他方のイ
ンク室列41のノズルで印字したドットD2が位置する
ように、インク室6及び流体抵抗部7を配置する。
【0046】このとき、ノズルピッチをA、ノズル列間
隔をB、ノズル列の数をm、インク室長手方向とインク
室列方向とのなす角度をθとしたとき、インク室列を互
いに、次の(1)式で算出される値xだけずらして配置
することによって、斜め配列による印字ドットの位相ず
れがなくなる。
【0047】
【数3】
【0048】次に、本発明の第5実施形態について図1
2及び図13を参照して説明する。なお、図12は同実
施形態に係るインクジェットヘッドの説明図、図13は
比較例のインクジェットヘッドの説明図である。このイ
ンクジェットヘッドは、複数のヘッドチップ51を並べ
て配置したものであって、各ヘッドチップ51はインク
室列方向に対して斜めに切り出されたものである。
【0049】このヘッドチップ51は、前記実施形態と
同様にインク滴を吐出する複数のノズル5と、各ノズル
5が連通する複数のインク室6と、各インク室6に流体
抵抗部7を介して連通する共通インク室8とを有し、イ
ンク室6を複数並べてインク室列41とし、このインク
室列41を複数列(ここでは2列)配置したものであ
り、平面形状として平行四辺形状をなしている。
【0050】インクジェットヘッドにおいて、印字速度
を上げるためには、インク滴吐出の駆動周波数を高くす
る方法と、ノズルの数を増やす方法が用いられる。ここ
で、ノズル数を増やすにはヘッドを長尺化すればよいの
であるが、長尺のヘッドを歩留まり良く作製することは
困難である。そこで、一般に、短尺のヘッドチップを並
べることによって長尺なヘッドを得るようにしている。
【0051】この場合、隣り合うヘッドチップのノズル
ピッチと同じ間隔で同一線上に配置することは困難であ
ることから、ヘッドチップのつなぎ目なく印字ドットを
形成するためにはヘッドチップをノズル列方向と直交す
る方向にずらして配置しなければならない。例えば、図
13に示すように高密度化のためにノズルを2列千鳥状
に配列した平面矩形状のチップ110を並べる場合、隣
り合うチップ110、110でつなぎ目なく印字ドット
Dを形成するためには上下にずらして並べなければなら
ず、インクジェットヘッド全体の高さW2はヘッドチッ
プ110の高さwを2倍したもの(W2=2*w)にな
る。
【0052】これに対し、本実施形態のインクジェット
ヘッドにおいては、ヘッドチップ51が平行四辺形状を
なすので、図12に示すように2つのヘッドチップ5
1、51を高さ方向(ノズル列方向と直交する方向)で
一部を重ねることができ、隣り合うヘッドチップ51、
51でつなぎ目なく印字ドットDを形成する場合、イン
クジェットヘッド全体の高さW1は少なくともヘッドチ
ップ51の高さwの2倍より小さくなる(W1<2*
w)。これによって、例えばラインヘッドを構成する場
合にヘッドの小型化を図れ、インクジェット記録装置の
小型化を実現することが可能になる。
【0053】この場合、前述した実施形態で説明したよ
うに本発明に係るインクジェットヘッドはインク室6及
び流体抵抗部7が斜めに配列されているので、ヘッドチ
ップ51を平行四辺形に形成することは容易である。
【0054】なお、上記各実施形態においては、本発明
を静電型インクジェットヘッド及びこれを搭載するイン
クジェット記録装置に適用した例で説明したが、静電型
インクジェットヘッド以外に、ピエゾ素子などの電気機
械変換素子を用いるインクジェットヘッド、あるいはヒ
ータなどの電気熱変換素子を用いてインクを沸騰させて
インク滴を吐出させるインクジェットヘッド、並びにこ
れらのヘッドを搭載するシリアル型及びライン型のイン
クジェット記録装置にも適用できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットヘッドによれば、インク室と流体抵抗部を結
晶面方位(110)のシリコン基板で形成し、インク室
の長手方向に対して複数の流体抵抗部の配列方向を斜め
にした構成としたので、高密度にインク室流体抵抗部を
配置することができ、高密度印字が可能になる。
【0056】ここで、流体抵抗部の配列方向をシリコン
基板の<110>方向と一致させ、或いは<112>方向と
一致させることで、共通インク室をシリコン基板の結晶
軸に一致した方向に形成することでき、所望の共通イン
ク室形状を容易に得ることができる。
【0057】また、複数のインク室が並ぶインク室列を
複数列配置して、インク室列を所定距離互いにずらした
ので、斜めに配列したインク室でも斜め配列による印字
ドットの位相ずれがなく、高精細印字が可能になる。
【0058】さらに、本発明に係るインクジェットヘッ
ドによれば、ノズル、インク室、流体抵抗部、共通イン
ク室を有するヘッドチップをインク室列方向に対して斜
めに切り出されている構成としたので、インクジェット
ヘッドの大きさ小さくした長尺ヘッドを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのノズルプレートを除いた状態の上面図
【図2】図1のA−A線に相当する断面説明図
【図3】図1のB−B線に相当する断面説明図
【図4】同実施形態のインクジェットヘッドの製造工程
を説明する説明図
【図5】同実施形態のインクジェットヘッドの製造に用
いるエッチングマスクの一例を説明する説明図
【図6】同実施形態のインクジェットヘッドの製造に用
いるエッチングマスクの他の例を説明する説明図
【図7】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの液室基板の上面図
【図8】本発明の第3実施形態の一例に係るインクジェ
ットヘッドの液室基板の上面図
【図9】同実施形態の他の例に係るインクジェットヘッ
ドの液室基板の上面図
【図10】本発明の第4実施形態に係るインクジェット
ヘッドの上面図
【図11】同ヘッドの液室部の拡大上面図
【図12】本発明の第5実施形態に係るインクジェット
ヘッドの説明図
【図13】比較例のインクジェットヘッドの説明図
【図14】従来のインクジェットヘッドの一例を示す斜
視説明図
【図15】従来のインクジェットヘッドの他の例を示す
液室基板の上面図
【符号の説明】
1…液室基板、2…電極基板、4…ノズルプレート、5
…ノズル、6…インク室、7…流体抵抗部、8…共通イ
ンク室、10…振動板、12…電極。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出する複数のノズルと、各
    ノズルが連通する複数のインク室と、各インク室に流体
    抵抗部を介して連通する共通インク室とを備えたインク
    ジェットヘッドにおいて、前記インク室と流体抵抗部を
    結晶面方位(110)のシリコン基板に形成し、前記イ
    ンク室の長手方向に対して複数の流体抵抗部の配列方向
    を斜めにしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記流体抵抗部の配列方向を前記シリコン基
    板の<110>方向に一致させたことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記流体抵抗部の配列方向を前記シリコン基
    板の<112>方向に一致させたことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記複数のインク室が並ぶ
    インク室列を複数列配置し、ノズルピッチをA、ノズル
    列間隔をB、ノズル列の数をm、インク室長手方向とイ
    ンク室列方向とのなす角度をθとしたとき、インク室列
    を互いに、次の(1)式で算出される値xだけずらした
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。 【数1】
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出する複数のノズルと、各
    ノズルが連通する複数のインク室と、各インク室に流体
    抵抗部を介して連通する共通インク室とを有し、前記複
    数のインク室が並ぶインク室列を複数列配置したヘッド
    チップを複数備えたインクジェットヘッドであって、前
    記ヘッドチップは前記インク室列方向に対して斜めに切
    り出されていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003072090A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、マイクロデバイス、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置
US7731861B2 (en) 2001-09-06 2010-06-08 Ricoh Company, Ltd. Liquid drop discharge head and manufacture method thereof, micro device, ink-jet head, ink cartridge, and ink-jet printing device

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