JPH09300635A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH09300635A
JPH09300635A JP11768196A JP11768196A JPH09300635A JP H09300635 A JPH09300635 A JP H09300635A JP 11768196 A JP11768196 A JP 11768196A JP 11768196 A JP11768196 A JP 11768196A JP H09300635 A JPH09300635 A JP H09300635A
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JP
Japan
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ink
liquid chamber
diaphragm
ink liquid
electroforming
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JP11768196A
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English (en)
Inventor
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速駆動可能で安価な高信頼性のインクジェ
ットヘッドを提供する。 【解決手段】 SUS基板1にパターン溝2を作り、こ
れを電鋳基板としてPZTと接合する凸形状4bを有す
る振動板3をNi電鋳により形成する。振動板3のイン
ク液室10側には、ノズル孔9aに対向する凹形状4a
にオーバーハング部6aを有する上面が凹形状6bの突
起部6を設け、同時に、オーバーハング部7aを有する
電鋳隔壁7を設けてインク液室10を形成する。突起部
6の凹部6b及びオーバーハング部6aにより振動板3
の駆動時に圧力をノズル孔9aに集中させる。またイン
ク噴射時にオーバーハング部6aが変位することによ
り、該オーバーハング部6aの下側に負圧を作りインク
液室10へのインク導入を早め、高速印写を可能とす
る。また液室構成材料をNiとして結晶格子面をNi
(111)≧Ni(100)としてインク溶出を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、より詳細には、インクジェットヘッドの
インク液室および該インク液室の一部を構成する振動板
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ラインヘッド型インクジェット記録装置
は、高速、高分解度の印字を行うことができる記録装置
で、多数個のノズルが微少ピッチでライン状に配列され
たノズル板と、該ノズル板と対向した振動板を有し、振
動板とノズル板とは該ノズル板の、各々のノズルに対応
し、隔壁で区画された多数個のインク液室を形成してい
る。各々の区画されたインク液室は振動板を部分的に弾
性変形してインク液室に体積変化を与えてノズルよりイ
ンク滴を噴射させる。振動板は、画像情報に基づいて駆
動される振動ユニットにより駆動される。
【0003】図3は、以上の構成を有する従来のインク
ジェットヘッドの詳細構造を説明するための図で、同図
は、ノズル列方向の部分断面を示し、図中、21はノズ
ル板、22,26は隔壁、23はインク液室、24は振
動板、25は突起部、27は基板、28はPZT(チタ
ン酸ジルコン酸鉛の圧電素子)、29はフレーム、30
はインク滴、31は接着剤である。
【0004】図3に示した従来のインクジェットヘッド
は、ノズル板21と振動板24のダイヤフラム部24a
とを隔壁22で区画して、ノズル21aに対応したイン
ク液室23を設けている。なお、インク液室23はイン
ク共通液室(図示せず)に連通しており、インク液室2
3と共通液室との間のインク流路は流体抵抗部となって
いる。
【0005】ダイヤフラム部24aにはノズル21aと
対向した位置に突起部25が設けられ、一方、隔壁22
と対向した位置に突起部25と同一材料の隔壁26が設
けられている。突起部25には、該突起部25を介して
ダイヤフラム部24aに弾性変形を与え、インク室23
に体積変化を生じさせインク滴30を噴射する駆動源で
あるPZT28が接着剤31で接着され、同時に隔壁2
6もフレーム29と接着され、PZT28およびフレー
ム29の他端は基板27に接合されている。なお、振動
板24と突起部25とは、例えば、Ni電鋳による2層
をなして作成され、2層電鋳構成となっている。
【0006】図3に示したインクジェット記録装置は、
画像信号による電圧パルスをPZT28に印加すると該
PZT28が伸長して突起部25を介してインク液室2
3に体積変化を与えノズル21aからインク滴30を噴
射する。
【0007】このように、振動板24は、PZT28の
駆動によりインク液室23に体積変化を与えてインク滴
30を噴射させる要部となるもので、突起部25はPZ
T28の変位を振動板24に効率的に伝達させ、隔壁2
2,26に隣接するインク液室への変位伝達を抑える効
果を与える。従来、突起部を有する振動板の構造に関し
ては多くの提案がなされ、特開昭61−241158号
公報、実開昭62−1942号公報、特開平3−187
755号公報、特開平6−143573号号公報が開示
されている。
【0008】特開昭61−241158号公報に記載さ
れたカンチレバー式オンデマンドインクジェットヘッド
の振動基板には、該振動基板を駆動するカンチレバーの
力伝達部分に段差を有する振動伝達機構を設けており、
該振動伝達機構は振動基板のダイヤフラム部と一体に形
成している。
【0009】実開昭62−1942号公報に記載のイン
クジェットヘッドに用いられる振動板は、該振動板を駆
動する駆動手段の振動伝達部に該振動板と一体に突起を
設けている。
【0010】特開平3−187756号公報に記載の液
滴噴出装置の振動板は、流路ブロックと一体に形成され
ており、流路ブロックの凹溝の底壁部が振動板となって
いる。
【0011】特開平6−143573号公報に記載のイ
ンクジェット記録ヘッドの振動板は、圧電素子が当接す
る領域に、振動板の薄肉部より分離して突出するアイラ
ンド部を設けて圧電素子の先端がアイランド部に固定す
るようにしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図3に示した従来の振
動板24は、圧電素子PZT28の駆動部と接合する部
分のダイヤフラム部24aに突起部25を形成してい
る。突起部25は振動板24にホトリソグラフ法により
形成され、しかも振動板24の肉厚が一定に保持される
ようにしている。振動板24に突起部25を形成する方
法はホトリソグラフ法により行われるが、この工程が冗
長となり、コスト高を招ねいた。このような問題点は、
上述した特許公報に記載された従来技術にも共通したも
のである。
【0013】また、振動板24がPZT28で押圧され
インク液室23に容積変化を与えて該インク液室23内
の圧力を高め、ノズル21aよりインク滴30を噴射さ
せるとき、インクは高圧側のインク液室23から低圧側
の共通液室へ逆流するので、インク液室23内にインク
が充たされるまでの時間、いわゆるインクリフィルが長
くなり高速駆動に不向きである。
【0014】更にまた、インク液室23および該インク
液室23の一部を構成する振動板24は、常にインクと
接しているので、これら液室構成材料がインクに溶出す
ると、ノズル21aの目詰りやインク滴30の噴射方向
が不安定となり、インクジェットヘッドの信頼性が損わ
れるが、従来技術では、液室構成材料の上記信頼性の面
からの解明がなされていなかった。
【0015】本発明は、上述した実情に鑑みなされたも
ので、突起部を有する振動板を電鋳により作成して振動
板製作工程を短縮するとともに、振動板のインク液室側
に、駆動に関する機能パターンを設けて高速記録を可能
とし、信頼性の高いインク液室構成材料とし長期安定に
記録可能とすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
ク液室の一部を構成する振動板と、該振動板が駆動され
たときに、前記インク液室内のインクを加圧して該イン
ク液室よりインクを噴射するノズルを有し、前記振動板
を印写信号に応じて駆動して前記ノズルよりインク滴を
噴射して記録を行うインクジェット記録装置において、
前記振動板を、電鋳にて作成し、かつ、前記インク液室
側を表面として一部を凹形状に形成し、該凹形状に対応
する裏面を凸形状に形成したことを特徴とし、もって、
電鋳基板に設けた凹形状に従った凸形状を有する振動板
を電鋳により簡易かつ安価に形成するようにしたもので
ある。
【0017】請求項2の発明は、請求項1に記載のイン
クジェット記録装置において、振動板裏側の凸形状部
を、前記振動板を駆動する駆動部と接合する接合部とし
たことを特徴とし、もって、従来、2層電鋳構成とした
とき生じた振動板からの突起部の剥離が一切生じない高
信頼性の振動板としたものである。
【0018】請求項3の発明は、請求項1に記載のイン
クジェット記録装置において、前記振動板表面の凹形状
を、インクを噴射するノズル孔の中心位置と整合する位
置となるように配置したことを特徴とし、もって、振動
板の凹形状から生じた圧力波をノズル孔中心部に集中さ
せ高効率のインク噴射を可能としたものである。
【0019】請求項4の発明は、請求項1に記載のイン
クジェット記録装証置において、前記振動板表面の前記
凹形状部に上面が凹形状の突起部材を有し、前記突起部
材および又はインク液室の隔壁にオーバーハング部を有
することを特徴とし、もって、駆動圧力をノズル孔に集
中させること、および前記突起部のオーバハング部より
下方の液圧を負圧にしてインク液室内へのインクリフィ
ルを速やかにして高速駆動を可能としたものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れ
かに記載のインクジェット記録装置において、電鋳材料
をNiとし、Ni結晶体中の結晶格子面Ni(111)
およびNi(100)をNi(111)≧Ni(10
0)にしたことを特徴とし、もって、電鋳部をNi(1
11)の面格子を主成分として酸化膜を形成し特別の保
護膜無でインク不溶性を与え、高信頼性のインクジェッ
ト記録装置にしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明によるインクジェット記録
装置は、インク液室の一部をなす振動板を電鋳により形
成し、該振動板は、インク液室側の表面の一部が凹形状
で、該凹形状に対応する裏面側が駆動部と接する凸形状
で、インク液室側に機能パターンを形成したものであ
る。更には、電鋳材料をNiとしてNi結晶体中の結晶
格子面をNi(111)≧Ni(100)としてインク
不溶性を与えている。まず、機能パターン及び裏面側に
凸形状を有する振動板を、加工工程に従って説明する。
【0022】図1は、本発明によるインクジェット記録
装置および振動板作成の工程を説明するための部分断面
図で、図1(A)は振動板作成の第1工程、図1(B)
は振動板作成の第2工程、図1(C)は振動板作成の第
3工程、図1(D)は振動板作成の第4工程、図1
(E)は本発明によるインクジェット記録装置の構造を
示す断面図で、図中、1はステンレス鋼(SUS)基板
(以下、SUS基板と記す)、2はSUS基板1に設け
たパターン溝、3は電鋳振動板材料(以下、振動板と記
す)、4は振動板3の凹凸形状部(4aは凹形状部、4
bは凸形状部)、5はレジストパターン、6は上面が凹
形状の突起部(以後、突起部と記す)、7は電鋳隔壁
部、8はドライフィルム隔壁部、9はノズル板、10は
インク液室、11は基板、12はPZT、13は接着剤
である。
【0023】以下、図1に示した各工程について説明す
る。 (1)振動板作成の第1工程(SUS基板に、PZT接
合部のパターン溝を有する電鋳板を作成する)…(図1
(A)) SUS基板1に、凹形状のパターン溝2を形成する。こ
のパターン溝2は、振動板のダイヤフラム部がPZTと
接合する凸形状部4bに対応し、SUS基板1をエッチ
ングし或いは切削して作成する。このSUS基板1を電
鋳用基板とする。 (2)振動板作成の第2工程(振動板材料を電鋳する)
…(図(B)) パターン溝2を有するSUS基板1上に、例えば、Ni
電鋳により、厚さ3〜10μmをもったNi金属の振動
板3を形成する。 (3)振動板作成の第3工程(振動板材料上にレジスト
パターンを形成する)…(図1(C)) 振動板3のインク液室側を表面として上面が凹形状6b
の突起部6を形成し、該突起部6の両側に電鋳隔壁部7
を電鋳で形成するためのレジストパターン5を、フォト
レジストや液状レジストあるいはドライフィルムレジス
トによりパターン形成する。 (4)振動板作成の第4工程(機能パターンを形成す
る)…(図1(D)) 工程(3)で形成したレジストパターン5を有する振動
板3の材料上にNi電鋳等により機能パターンを形成す
る。電鋳の厚さをレジストパターン5の高さより高い2
0〜50μmの厚さとすることにより、電鋳がレジスト
パターン5の上面で面方向に拡がりオーバーハング部6
a,7aを形成する。振動板3の上面に形成する機能パ
ターンは、表面の凹形状部4a上に上部面が凹形状6b
でオーバーハング部6aを有する突起部6、および、イ
ンク液室の隔壁部に対応する位置にオーバーハング部7
aを有する電鋳隔壁部7である。その後、SUS基板
1、レジストパターン5を取り除く。
【0024】以上の工程により、振動板3には、駆動部
(PZT)12と接する側に凸形状4bが形成され、イ
ンク液室10側に、オーバーハング部6aを有し上面が
凹形状6bの突起部6と、該突起部6の両側に位置し、
オーバーハング部7aを有する電鋳隔壁部7の機能パタ
ーンが形成される。
【0025】(5)インクジェットヘッド構造…(図1
(E)) ノズル板9と振動板3とは、突起部6がノズル9aと対
向する位置となるように位置が定められ、電鋳隔壁部7
とドライフィルム隔壁部8とで接合される。振動板3の
裏面側の凸形状4bは、基板11上に該基板11と一体
形成されたPZT12と接着剤13で接合される。な
お、基板11はα−AL23、Siウェハー、ステアタ
イト、BaTiO3、セラミック系等で、PZT12
は、例えば、本出願人が先に提案したホトレジストパタ
ーン工法で基板11と一体形成された高密度PZTの圧
電アクチュエータが用いられる。次に、図1(E)のよ
うに組立てられたインクジェットヘッドの構成を図2に
基づいて詳細に説明する。
【0026】図2は、本発明によるインクジェット記録
装置の実施形態を説明するための部分断面図で、図2
(A)は、図1(E)の矢視X−X線断面図、図2
(B)は図2(A)の矢視B−B線断面図であり、図
中、14は共通液室、15は流体抵抗部、16はPZT
12を駆動するICで、図1と同様の作用をする部分に
は図1の場合と同じ参照番号を付してある。
【0027】図2に示すように、本発明によるインクジ
ェット記録装置は、振動板3を電鋳により作成し、従
来、振動板と突起部とが2層電鋳法で形成していたもの
を振動板3自体の凸形状4bとして電鋳形成している。
また、前記振動板形成の第4工程(図1(D))に示す
ように、ノズル孔9aに対向したインク液室10側の凹
形状4aにオーバーハング部6aを有する上面が凹形状
6bの突起部6と、オーバーハング部7aを有する電鋳
隔壁部7を設け、電鋳隔壁部7は突起部6を囲んでイン
ク液室10を形成している。ここで、インク液室10と
共通液室14との間にインク流体抵抗部15を形成して
いる。
【0028】振動板3の裏面に形成された凸形状4aに
は基板11と一体に形成された高密度のPZT12が接
着剤13で接合され、該PZT12はIC16で駆動さ
れる。PZT12は振動板3を駆動し、インク液室10
を加圧し、このとき発生した圧力波を突起部6の上面凹
形状6bでノズル孔9bに集中させ、インク滴10aを
噴射する。
【0029】請求項1の発明では、図1(A)、図1
(B)の第1、第2振動板作成工程に示したように、S
US基板1にパターン溝2を形成し、電鋳により、この
パターン溝2の形状に従った形状の電鋳部品、すなわち
凹形状4aを表面側に凸形状4bを裏面側に有する振動
板3を作成するものであり、凸形状4bはSUS基板1
に形成したパターン溝2の形状に依存する。SUS基板
1のパターン溝2の形状はエッチングにより容易に得ら
れるので、パターン溝2の形状に合致した凹形状4a,
凸形状4bを有する振動板3を簡易、安価に得ることが
できる。
【0030】請求項2の発明では、図1(A)、図2
(B)の第1、第2振動板作成工程においてSUS基板
1等の電鋳用基板のパターン溝2に従って、電鋳で形成
された振動板3の凸形状4bに、図2に示したように、
駆動手段であるPZT12を接合したものである。具体
的にはSUS基板1にエッチング等により徴細加工され
たパターン溝2と対応する高密度の凸形状4bと、前述
したホトレジストパターン工法で基板11と一体に形成
した高密度のPZT12を接合する。すなわち、振動板
3とPZT12とはICプロセスの精度で形成した高密
度駆動素子アレイと同様の整合された精度で接合でき
る。また、振動板3と凸形状4bとは電鋳用基板に従っ
て電鋳により同時に形成したので従来技術のように2層
電鋳による突起部のように剥離することはない。
【0031】請求項3の発明では、振動板3の凸形状4
bはインク液室側からみると凹形状4aであり、該凹形
状4aの形状が振動板3を駆動したときに発生する衝撃
波がインク滴形成するための重要な要素である。振動板
3の凹形状4aの底部中心部から凹形状4aの開口周辺
部に向けての傾斜は、SUS基板1のパターン溝2の形
状と電鋳膜厚に依存するのでパターン溝2の中心をノズ
ル孔9a中心と整合させることで、振動板3の凹形状4
aの底部からの傾斜面に従って発生したインク液圧がノ
ズル孔9a集中させることができ効率よくインク滴10
aを噴射することができる。
【0032】本出願人の実験では、凹形状4a中心とノ
ズル孔9aの中心との位置を整合させることにより、2
〜10μsの立ち上り波動(衝撃波)のインク液圧力を
ノズル孔9aに集中させるという結果が判明した。すな
わち、駆動電圧の立ち上げ波形によりノズル孔9aの径
φ25〜30μmで25〜35pl/Puls(ピコ・
リットル/パルス)の範囲でインク滴10aの大きさを
加減することが可能で、多値化画素の描画が可能となっ
た。
【0033】請求項4の発明では、インク液室10に体
積変化を与えるために振動板3の凹形状4aに設けた、
上面が凹形状6bの突起部6のオーバーハング部6aと
同一面を有するオーバーハング部7aを有する電鋳隔壁
部7を設けるものである。機能パターンを有しない振動
板を備えた従来のインクジェット記録装置では、インク
を噴射するときに生ずる衝撃波により、インク液室10
のインクがインク流体抵抗部15を通り共通液室14に
流れ、インク噴射後のインク液室10へのインクリフィ
ルが遅れ高速な印字ができない。
【0034】これに対し、図2(B)に示すように、オ
ーバーハング部6aを有する突起部6とオーバーハング
部7aを有する電鋳隔壁部7を設けることによりインク
噴射時の衝撃波によるインク液圧がインク流体抵抗部1
5に向かわずにオーバーハング部6aで遮られる。一
方、オーバーハング部6aの下方部分10bのインク圧
が負圧となり、矢印Fで示すように共通液室14からイ
ンク液室10にインクが順流し、インク噴射後のノズル
部のインクリフィルが速やかに行われる。本出願人の実
験によれば、従来、駆動速度が8kHzであったのが、
オーバーハング部を設けることにより安定して12〜1
5kHzの高速駆動が可能となることが確認された。
【0035】請求項5の発明では、上述したインク液室
10等の液室を構成する電鋳部品の材料がNiである場
合、Niの結晶格子は格子面としてNi(111)とN
i(100)で構成されるが、電鋳部品中の結晶格子面
をNi(111)をNi(100)より多くすることに
より液室構成材がインクに溶出することをなくし、イン
クジェットヘッドの信頼性を向上させるものである。
【0036】すなわち、液室構成材料が、インクに溶出
すると、ノズル9aの目詰りやインク滴10aの噴射方
向がづれる等の不安定要因となりインクジェットヘッド
の信頼性が損われる。本出願人の実験の結果、電鋳部品
がNiの場合、これをX線分析したところ、電鋳条件と
熱処理条件とを選ぶことにより結晶格子面の数がNi
(111)≧Ni(100)の多結晶体とすることがで
きることが確認された。この条件では、Niの表面の酸
化皮膜はNi23<NiOとなることが判明した。例え
ば、大気の酸化雰囲気中で250°〜350℃の温度に
おいて1時間以上熱処理することにより200〜350
A°の酸化膜が生成し、これをインクジェット記録装置
用インクに浸した結果5×104MTBF(平均故障時
間間隔)を確保することができた。
【0037】
【発明の効果】
請求項1に対応する効果:インク液室の一部を構成する
振動板と、該振動板が駆動されたときに、前記インク液
室内のインクを加圧して該インク液室よりインクを噴射
するノズルを有し、前記振動板を印写信号に応じて駆動
して前記ノズルよりインク滴を噴射して記録を行うイン
クジェット記録装置において、前記振動板は、電鋳にて
作成され、かつ、前記インク液室側を表面として一部が
凹形状に形成され、該凹形状に対応する裏面が凸形状に
形成されているので、電鋳により振動板と凸形状を同時
に形成することができ、簡易、安価に部品形成が可能と
なる。
【0038】請求項2に対応する効果:請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、振動板裏側の凸形
状部を、前記振動板を駆動する駆動部と接合したので、
従来のように振動板と突起部を2層電鋳構成したときに
発生した突起部の剥離は一切発生せず、信頼度の高いイ
ンクジェットヘッドの構造とすることができる。
【0039】請求項3に対応する効果:請求項1又は2
に記載のインクジェット記録装置において、前記振動板
表側の凹形状は、インクを噴射するノズル孔の中心位置
と整合する位置となるように配置されているので、振動
板を駆動したとき表面の凹形状で生じた圧力をインク液
室のノズル孔中心部に集中させることが可能となり、効
率よく、インク液噴射が可能となった。
【0040】請求項4に対応する効果:請求項1又は2
又は3に記載のインクジェットにおいて、前記振動板表
面の前記凹形状部に上面が凹形状の突起部材を有し、前
記突起部材および又はインク液室の隔壁部にオーバーハ
ング部を有するので、駆動圧力をノズル孔に集中させ、
且つ、上面が凹形状の突起部のオーバーハング面より下
方の圧力を負圧にすることができ、効率よくインク噴射
が可能で、しかも、共通液室からインク液室へのインク
リフィルが速かに行われ、高速駆動が可能となり、イン
ク加圧の効率が高くなることによる多値化画像の作図も
可能となる。
【0041】請求項5に対応する効果:請求項1乃至4
の何れかに記載のインクジェット記録装置において、電
鋳材料をNiとし、Ni結晶体中の結晶格子面Ni(1
11)およびNi(100)をNi(111)≧Ni
(100)にしたので、該電鋳部品のインク中での耐蝕
信頼性が向上し、オーバーコートやアンダーコート等の
保護膜を不要とし、その結果、インクジェットヘッドの
信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるインクジェットヘッド構造およ
び振動板の工程を説明するための部分断面図である。
【図2】 本発明によるインクジェットヘッド構成の実
施形態を説明するための部分断面図である。
【図3】 従来のインクジェッシヘッドの構造を説明す
るためのノズル列方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1…ステンレス鋼(SUS)基板、2…SUS基板1に
設けたパターン溝、3…Ni電鋳振動板(振動板)、4
…振動板3の凹凸形状部(4a…凹形状部、4b…凸形
状部)、5…レジストパターン、6…上面が凹形状の突
起部、7…電鋳隔壁部、8…ドライフィルム隔壁部、9
…ノズル板、10…インク液室、11…基板、12…P
ZT、13…接着剤、14…共通液室、15…流体抵抗
部、16…PZT。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液室の一部を構成する振動板と、
    該振動板が駆動されたときに、前記インク液室内のイン
    クを加圧して該インク液室よりインクを噴射するノズル
    を有し、前記振動板を印写信号に応じて駆動して前記ノ
    ズルよりインク滴を噴射して記録を行うインクジェット
    記録装置において、前記振動板は、電鋳にて作成され、
    かつ、前記インク液室側を表面として一部が凹形状に形
    成され、該凹形状に対応する裏面が凸形状に形成されて
    いることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 振動板裏側の凸形状部は、前記振動板を
    駆動する駆動部と接合する接合部であることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記振動板表面の凹形状は、インクを噴
    射するノズル孔の中心位置と整合する位置となるように
    配置されていることを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記振動板表面の前記凹形状部に上面が
    凹形状の突起部材を有し、該突起部材および又はインク
    液室の隔壁にオーバーハング部を有することを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】 電鋳材料をNiとし、Ni結晶体中の結
    晶格子面(111)および(100)を(111)≧
    (100)にしたことを特徴とする請求項1乃至4項の
    何れかに記載のインクジェット記録装置。
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