JP4160211B2 - 手動式ベルトロック機構を設けた緊急ロック式リトラクタ及び該リトラクタを備えたチャイルドシート - Google Patents

手動式ベルトロック機構を設けた緊急ロック式リトラクタ及び該リトラクタを備えたチャイルドシート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の座席に固定して幼児を座らせるチャイルドシートに関するもので、特に緊急ロック式リトラクタを備えたチャイルドシートの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に幼児を乗せる場合、幼児の安全を図るためにチャイルドシートが使用されている。チャイルドシートの構成は種々存在しているが、図44及び図45を参照して従来のチャイルドシートの一例を説明する。
図示のチャイルドシート101は、幼児の座席と背もたれとを一体にした座席部102と、自動車の座席にベルト103によって固着される基部104とを備えている。座席部102の前面中央には腹当て部材105が設けられ、この腹当て部材105には座席部102の背面側から引き出されるベルト106a,106bとチャイルドシートに固定のシートベルト106c,106dとがそれぞれ着脱金具106e,106fによって着脱自在に固定されるようになっている。そして、ベルト106a,106bは、座席部102の背面側で板状のベルト調整金具110の一端に固定され、ベルト調整金具110の他端にはリトラクタ(後述、図1の1)から引き出された長さ調整ベルト311が固定されている。リトラクタは、座席部102の下部に内装され、長さ調整ベルト311が引出し口312から引き出されている。
【0003】
前記チャイルドシート101を使用する場合は、図45に示したように基部104を車輌シートベルト103によって自動車の座席に固定し、座席部102に幼児を腰掛けさせる。この際、幼児の頭部はベルト106a,106bの間に位置し、ベルト106a,106bは肩を押さえるようにして腹当て部材105に固定される。そして、腹当て部材105は幼児の腹部から胸部を覆うようになり、両足が腹当て部材の両脇から前方に出される。
【0004】
自動車が正常な走行状態ではベルト106a,106bは幼児に若干のテンションをかけながらも幼児の動きに追随して引き出されたり引き戻されたりするようになっており、したがって幼児が動いてベルト106a,106bを引いた場合はベルト106a,106bがチャイルドシート101から引き出され、ベルト106a,106bが緩んだ場合は自動的に引き戻される。このように、幼児はチャイルドシート101に緩く拘束された状態で座っていることになる。
【0005】
一方、急ブレーキ等を掛けた場合は、緊急ロック式リトラクタが緊急作動する。すなわち、急ブレーキで幼児が急に前方向に体を乗り出すようになるので、ベルト106a,106bが急に引かれ、長さ調整ベルト311も急に引かれようとする。ところが、このような事態では緊急ロック式リトラクタがこの加速度作用によって長さ調整ベルト311を引き出さないように係止して緊急ロックする。この結果、ベルト106a,106bの引出しが規制され、幼児は腹当て部材105及びベルト106a,106bにより身体全体が押さえられて安全が確保
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記チャイルドシート101の構成では、下記のような問題があった。例えば、親が運転をして幼児をチャイルドシート101に座らせている場合、幼児がゆっくり動いたときはこの緊急ロック式リトラクタは作動しないので、ベルト106a,106bがずるずる引き出され、幼児がベルト106a,106bから抜け出てしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、その目的はチャイルドシートに座っている幼児を押さえるベルトを親が任意にロックすることもできるような緊急ロック式リトラクタと該リトラクタを適用したチャイルドシートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の緊急ロック式リトラクタの発明は、ドラムに巻回されたベルトが正常な走行状態ではベルト装着者に若干のテンションをかけながらも装着者の動きに追従して引き出されたり引き戻されたりしかつ前記ベルトが所定速度以上で急激に引かれた時には前記ドラムと一体に回転する歯車に係止爪を係止させることにより前記ドラムを回転停止して前記ベルトがそれ以上引き出されないようにする緊急ロック式リトラクタ機能を備えた緊急ロック部と、前記ドラムを手動により回転停止できる手動ロック部とを備えた緊急ロック式リトラクタであって前記手動ロック部が、手動操作で前記係止爪を前記歯車に係止させることにより前記ドラムを回転停止にして前記ベルトの引出し収納を規制するとともに、手動操作で前記係止爪と前記歯車との係止を解除するものである緊急ロック式リトラクタにおいて、前記手動ロック部が操作摘みを備え、前記操作摘みを第1の操作位置に固定した時前記手動ロック部による前記係止爪と前記歯車との係止が行われ、前記操作摘みを第2の操作位置に固定した時前記手動ロック部による前記係止爪と前記歯車との係止が解除される操作部を設けバネにより付勢されるロック摘みを前記操作摘みに設け、前記ロック摘みの一端を前記バネの付勢により所定位置に形成された係止孔に係止させ、前記操作摘みの前記第1及び第2の操作位置の固定を行ない、かつ、前記係止爪の手動操作を、前記操作部と前記手動ロック部との間を連結する可撓性を有するワイヤーにより行なうことを特徴とする。
この構成によれば、操作部材によってベルトを予め所定の長さに設定して装着者を固定できるので、使い勝手が向上する。
しかも、ベルトの緊急ロック用として設けた従来の係止爪を援用して、手動によりベルトの長さを所望長さに設定することができる。
さらに、操作摘みの固定位置によって手動ロック及びロック解除を行うことができるので操作し易い。
そして、操作摘みを操作することにより、ロック摘みが自動的に係止孔に係止し、ロック及びロック解除を簡便かつ確実に行うことができる。
しかも、操作部と手動ロック部との間を連結する可撓性を有するワイヤーにより操作部による係止爪の手動操作を行うようにしているので、手動ロック部の操作をリトラクタ本体から離れた最も操作しやすい任意の位置で行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る手動ロック機構を設けたリトラクタと該リトラクタを備えたチャイルドシートの各実施形態を説明する。
なお、図1〜図6はリトラクタの第1の実施の形態を示すものであり、実施の形態の説明にあたっては、図44及び図45に示したチャイルドシートを適宜援用する。
【0015】
本発明に係る手動ロック機構を設けたリトラクタ1は、緊急ロック機構を備えた従来のリトラクタにさらに手動ロック機構を付加した構成になっている。本発明の第1の実施の形態のリトラクタ1は、緊急ロック部Aと手動ロック部B(いずれも図1)と操作部C(図2)に大別される。このうち、緊急ロック部Aと手動ロック部Bとは図1において断面コ字状に形成された枠体2内に設けられており、ここからワイヤー15が引き出されて、このワイヤー15を操作部Cが図2に示すように緊急ロック部Aと手動ロック部Bから離れた位置にて操作するものである。
そこで先ず、緊急ロック部Aについて説明する。図1において、緊急ロック部Aは、長さ調整ベルト3と、この長さ調整ベルト3を巻き取り且つ繰り出すドラム(但しドラムには長さ調整ベルト3が巻かれているので図1では見えない)と、このドラムと一体に回転する歯車4と、この歯車4を係止する係止爪5とを備えている。
なお、緊急ロック部Aは自体は従来装置に相当するものであり、したがって長さ調整ベルト3も従来例で説明した長さ調整ベルト311(図45)に相当するものであり、その先端に固定されているベルト調整金具7も従来例で説明したベルト調整金具110(図45)に相当するものである。
衝突や急ブレーキ等で長さ調整ベルト3が急激に引かれた時、この加速度によって緊急ロック部Aの係止爪5が歯車4に係止し、長さ調整ベルト3の引出しを緊急にロックするようになっている。この緊急ロック部の構成自体は種々のものがあり、すでに周知の技術でもあるので、これ以上の説明は割愛する。
【0016】
手動ロック部Bが本発明によって設けられたものである。
この手動ロック部Bは、軸11を中心に回動自在に設けられた回動板12と、軸13に一端を固定されて回動板12を常に引っ張るバネ14と、回動板12をバネ14に抗して引くワイヤー15と、歯車4に係止する係止爪5と一体に形成されるとともに、回転板12によって回動する駆動板6とにより構成されている。
そこで、今、ワイヤー15が引っ張られると、回動板12が軸11を中心に回動するので駆動板6を押し、この駆動板6と一体に回動する係止爪5が歯車4の方向へ回動して歯車4に係止する。その結果、ドラムの回転がロックされ、ひいては長さ調整ベルト3の引出しが規制される。
【0017】
図2の操作部Cは、これも本発明によって設けられたもので、図1のワイヤー15を引っ張るためのものである。
図2において、操作部Cは、コ字状の枠体21と、枠体21に回動自在に取り付けられた回動板22と、軸23に一端が固定されて回動板22の一端を常に一方向に引くバネ24と、ワイヤー15と回動板22との間に接続されたバネ25と、操作摘み26とにより構成されている。
操作摘み26は、回動板22を回動操作する摘み26aと円板部26bを備え、摘み26aと円板部26bとの角部に設けた軸受け部27にはロック摘み28が回動自在に取り付けられている。ロック摘み28は、操作摘み26をロックして回動不可にするとともに、ロックを解除して回動可能にするものである。
ロック摘み28は、図2及び図3に示すように板状体を鉤(かぎ)型に形成したものであり、曲げ部の両端が摘み26aに設けた軸受け部27に回動自在に取り付けられている。ロック摘み28の一端と摘み26aとの間にはバネ29が設けられ、ロック摘み28全体を図3で時計方向に常に付勢している。また、ロック摘み28の他端には係止突起31が設けられている。
【0018】
一方、図2においては図示されていないが、円板部26bには係止孔32が形成され、枠体21の手前側の壁部21aにも係止孔33が形成されている。但し、係止孔33は係止突起31が回動する軌跡上に、所定間隔で2ケ所に形成されている。これは、回動板22の回動位置を2種の角度にロックするための構成であり、後に手動ロック機能として詳細に説明する。
図4は、図2のバネ25とワイヤー15との接続構造の1具体例を拡大して示したものである。両図とも操作摘み26を回動することによってワイヤー15が引かれることを示している。ワイヤー15は自転車等のブレーキに使用されるものと同種であってよい。すなわち、可撓性を有するカバー15a内に鋼線15bを挿通させた構成であり、撓み変形した状態でも鋼線15bを引くことができる。そして、図1に示した回動板12の一端と操作部Cとがワイヤー15により連結されているので、操作部Cが手動ロック部Bから離れていても、操作部Cにおいて手動ロック部Bを操作することができる。
【0019】
次に、本発明のリトラクタ1の全体の作用を説明する。
なお、リトラクタ1は、チヤイルドシートに適用されものであるから、従来例で示したチヤイルドシート101を適宜援用する。リトラクタ1のうちの図1に示した部分、即ち緊急ロック部Aと手動ロック部Bはチャイルドシート101の座席部102内に埋設され、長さ調整ベルト3が引出し口312から引き出される。そして、操作部Cも座席102内に取り付けられるのであるが、前記のようにワイヤー15が可撓性を有しているので、操作摘み26を外部から操作しやすい位置、例えば座席部102の側面a等に取り付ける。
【0020】
チャイルドシート101には前記のように幼児が座り、ベルト106a,106bが掛けられたとする。この状態で、例えば親が幼児の身体とベルト106a,106bとの間に手先等を差し込み、幼児がある程度は動けるが、抜け出ない程度にベルト106a,106bの引出し加減を調整する。そして、操作摘み26に設けたロック摘み28をバネ29に抗して摘み26a側に引き寄せ、係止突起31を係止孔33から外す。即ち、図3に実線で示した状態から想像線で示した状態に操作し、操作摘み26のロックを解除する。
次に、ロック摘み28を手指から離して操作摘み26を所定方向に回動すると、ロック摘み28はバネ29により常に付勢されているので、他の係止孔33が形成された位置で係止突起31が係止孔33に自動的に嵌合しロックされることになる。このように摘み26を回動させると、回動板22もバネ24に抗して一体に回動する。この回動板22の回動により、バネ25を介してワイヤー15が引かれることとなる。ここで、このバネ25はロック状態時には常時ワイヤを引く方向に付勢しているので、回動板12を駆動板6に押圧し、ひいては係止爪5が歯車4に押圧した状態で保持することができる。
【0021】
一方、操作部Cにおいてワイヤー15が引かれると、図1に示した回動板12がバネ14の付勢力に抗して回動する。そして、上端に形成した突起12aで駆動板6の上端を押し、駆動板6を回動させる。
駆動板6と係止爪5とは一体であるから、駆動板6が回動すると係止爪5も同方向に、換言すれば歯車4方向に回動して歯車4に噛み合う。このとき、操作部Cのバネ25の作用により係止爪5が常時歯車4に押圧された状態が保持される。従って、歯車4及び歯車4と一体のドラムは回転規制され、長さ調整ベルト3の引出しおよび巻き取りが規制される。
この状態を幼児について見ると、幼児を拘束しているベルト106a,106bの締め付け程度、言い換えれば弛み程度が一定に設定されたことになる。故に、幼児は親が調整した範囲で動くことはできるが、抜け出るような大きな動きはできず、親は安心して運転することができる。
【0022】
また、この状態で急ブレーキを掛けたり、衝突事故で急停車した場合を想定すると、本来であればベルト106a,106bを介して長さ調整ベルト3が急激に引かれるので加速度センサが働いて緊急ロック部Aが動作して長さ調整ベルト3が引き出されないようになるところであるが、本実施形態のリトラクタ1を用いて幼児をすでに拘束しているので、係止爪5が歯車4に噛み合っており、緊急ロック部Aが動作している状態になっている。そのため、緊急ロック部Aとしては機能しないものの、長さ調整ベルト3の引出しが規制されていることから、幼児は同様に保護され、何ら問題はない。
このように、本発明によれば、緊急ロック機構を有するリトラクタに手動ロック機構を付加することによって、正常状態での幼児の抜け出しを防止できるうえに、緊急時においても幼児の安全を同様に図ることができる。
また、手動ロック部Bを操作していない場合は、急ブレーキを掛けたり衝突事故で急停車したとき、緊急ロック部Aが本来の緊急ロック作動をすることとなる。このように、本発明によれば、親は所望に応じて2種の使い分けを行うことができる。
さらに、本実施の形態における手動式ロック状態は、ロック摘み28をバネ29に抗して再度引かない限り、解除されることはなく、幼児の抜け出しを運転者が気にすることなく運転することができる。
【0023】
次に、図5及び図6を参照して操作部Cの他の構成例を説明する。
この構成例における操作部35は、枠体36と、枠体36の長手方向に沿って横行自在に設けられた操作摘み37と、操作摘み37に設けられたロック摘み38等により構成され、操作摘み37の一端にバネ39を介してワイヤー15が接続されている。
操作摘み37の両端にはガイド突起37a(但し、図5では一方のみを図示した)が形成され、ガイド突起37aは枠体36の両側壁部36aに形成された長手状のガイド孔36bに挿通されている。そして、壁部36aに設けられたピン41にはバネ42の一端が固定され、バネ42の他端はガイド突起37aの先端に係止している。従って、操作摘み37は、バネ42によって常に図5の右方向に付勢されていることになる。
【0024】
ロック摘み38は、側面から見てL字状に形成され、操作摘み37の角部に回動自在に取り付けられている。そして、操作摘み37との間に設けられたバネ43によって、常に図5及び図6で反時計方向に付勢されている。ロック摘み38の先端下部には係止突起38aが設けられ、一方、枠体36の底部には所定間隔で係止孔44a,44bが設けられ、この係止孔44a,44bに係止突起38aが係止するようになる。
【0025】
次に、この操作部35の作用を説明する。
図6に示すように係止突起38aが右側の係止孔44bに係止している場合は、ワイヤー15は引かれず図1に示した回動板12も回動しない。従って、係止爪5は歯車4に係止せず、この場合は本来の緊急ロック部Aが作動可能な状態となっている。
これに対し、ロック摘み38をバネ43に抗して操作摘み37方向へ押さえ付けると係止突起38aが係止孔44bから外れ、操作摘み37全体が移動可能となる。そこで、操作摘み37を図5及び図6の矢印方向(図で左方向)に移動させると、係止突起38aがバネ43により付勢されているので係止孔44aの位置で係止突起38aが自動的に係止孔44aに嵌合する。
【0026】
このように操作摘み37を移動させることによって、ワイヤー15がバネ39を介して引かれ、前記同様に図1に示した回動板12の下端が引かれ、係止爪5が歯車4に係止する。そして、係止突起38aが係止孔44aに係止することによって、回動板12は引かれ前記同様に駆動板6の上端を押し続け、これにともなって係止爪5が歯車4に噛み合い続ける。
従って、前記同様に親が予め設定した状態で幼児を拘束することができるので、平常時における幼児の抜け出しを防止できると共に、急停車時の事故も従来同様に未然に防止することができる。
【0027】
次に、図7及び図8を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
なお、本実施形態と前記第1実施形態との相違点は、第1実施形態では別々に配置されていた緊急ロック部A・手動ロックBと、操作部Cとを一体化したことにある。従って、前記第1実施形態と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるリトラクタ1では、枠体2の外側に操作部Cを構成する枠体21が一体に設けられている。そして、操作部Cに設けた回動板22と一体に回動する軸22aの先端に回動板12が固定されている。第1実施形態で回動板12に接続されていたワイヤー15は削除され、操作摘み26を回動操作することによって、回動板12を直接に回動する構造になっている。
なお、操作部Cにおける操作摘み26やロック摘み28の構成等は、前記第1実施形態と同様であってよい。
【0028】
本実施形態のリトラクタ1によれば、操作摘み26を回動操作し、前記同様にロックすることによって、直接、回動板12が駆動板6の上端を押し、係止爪5を歯車4に噛み合わせて長さ調整ベルト3の引出し収納が規制されるので、ワイヤー15等の部品を削減することができる。
また、本実施形態においても、前記同様に親が幼児を拘束するベルト106a,106bを調整し、操作摘み26を操作して長さ調整ベルト3をロックすることにより、平常時における幼児の抜け出しを防止できると共に、急停車時の事故も従来同様に未然に防止することができる。また、ロック摘み28を操作して操作摘み26を回動操作しない限り、幼児の抜け出しが規制され、運転者が気にすることなく、運転することができる。
【0029】
次に、図9及び図10を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態は、操作部Cを操作して係止爪5を歯車4に直接噛み合わせるように構成したものであり、前記各実施形態と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
即ち、本実施形態におけるリトラクタ1は、図1や図7における駆動板6や回動板12、バネ14、ワイヤー15等を使用せず、第2実施形態と同様に枠体2と操作部Cを構成する枠体21とが一体化されている。そして、操作部Cを構成する回動板22と一体に回動する軸22aの先端に、押し部材47が設けられている。押し部材47は、係止爪5の二側面に当接するように断面でL字形に形成されている。この押し部材47の回転により、押し部材47が係止爪5を押圧し、この係止爪5が歯車4に噛み合わせるようになっている。従って、押し部材47を手動ロック部Bと見なすこともできる。
なお、操作部Cにおける操作摘み26、ロック摘み28等の構成と作用は、前記各実施形態で説明した通りである。
【0030】
このリトラクタ1はチャイルドシートの座席内に埋設され、操作摘みが外部に設けられて外部で操作可能にしておく。そして、親が幼児の身体とベルトとの隙間を適宜設定した後、前記同様に操作部Cを操作すると、押し部材47が係止爪5を歯車4方向に押し、その係止爪5が歯車4と噛み合う。この結果、歯車4ひいてはドラムが回転停止となり、長さ調整ベルト3のこれ以上の引出し収納ができなくなり、親が設定したベルトの調整具合が保持されて幼児の抜け出しを防止できる。また、この状態で急停車したり、事故が発生した場合も、前記同様にすでにロックがかかった状態になっているので幼児は保護された状態にある。更に、手動式ロックを行わない場合は、本来の緊急ロックが可能となるので、リトラクタ1を多機能化でき、チャイルドシートの使い勝手の向上を図ることができる。
【0031】
次に、図11及び図12を参照して本発明の第4実施形態を説明する。
本実施形態は、操作部Cを構成する操作摘みを緊急ロック部Aを構成する枠体2に一体に設けたものであり、前記各実施形態と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
図11及び図12に示すように、枠体2を構成する一方の壁部2aには、横方向に長手状のガイド孔51が形成されている。そして、ガイド孔51には、側面から見てL字状の操作部材52のうちのガイド部52aが挿通され、幅広に形成された摘み部52bの側面にはロック摘み53が軸受け部54によって回動自在に取り付けられている。ロック摘み53は、バネ55によって常に一方向に付勢され、他端に設けた係止突起56を壁部2aに所定間隔で形成した係止孔57a,57bに係止させるようになっている。
【0032】
一方、摘み部52bの側面には、パイプ状のガイド部材58が植立状に固定され、その内部には往復動自在にガイド棒59が設けられている。ガイド棒59はバネ61の内部を挿通し、その先端には係止爪5を付勢する押し部材62が固定されている。
そして、壁部2aの後端部の一部は折り曲げられてバネ支持部2cを構成し、バネ支持部2cに一端を固定されたバネ63の他端がガイド部52aの一端に係止され、操作部材52全体を常に後方、即ち図11で歯車4から遠ざける方向に引くように構成されている。
【0033】
前記リトラクタ1において、手動ロックを行わない場合は、バネ63によって操作部材52全体が図11に示すようにガイド孔51の後端側に引き寄せられ、係止突起56は図12に示したように係止孔57aに係止する。この状態では、手動式長さ調整ベルト3のロックは行われず、緊急ロック部Aが急停車時等に従来同様の動作を行う。
これに対し、手動ロックを行う場合は、ロック摘み53をバネ55に抗して引き、係止突起56と係止孔57aとの係止を解除し、更にバネ63に抗して操作部材52全体を歯車4方向に押動する。この際、操作部材52は、ガイド部52aがガイド孔51によりガイドされるので、上下に振れることなく前方に進行する。そして、係止突起56が係止孔57bに対応する位置の近傍まで押動されると、押し部材62が係止爪5を押すようになり、係止突起56が係止孔57に係止する位置では係止爪5が歯車4に噛み合う。
【0034】
そして、係止突起56は係止孔57bに係止して、歯車4の回動、即ち長さ調整ベルト3の引出し収納が規制され、親が予め設定したベルトの調整具合が維持されることになる。この手動式ロック状態は、ロック摘み53をバネ55に抗して再度引かない限り継続し、幼児が抜け出ない状態を継続したまま運転を行うことができる。
【0035】
次に、図13を参照して本発明の第5実施形態を説明する。
本実施例は、従来の緊急ロック用の係止爪5を利用することなく手動ロックを掛けられるように構成したものである。前記各実施形態と同様の作用をなす部材には同様の符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施形態におけるリトラクタ1は、枠体2と操作部Cを構成する枠体21を一体化し、操作部Cを構成する軸22aの先端に手動ロック用の係止爪65を新たに設けたものである。操作部Cにおける操作摘み26やロック摘み28の構成や作用は前記同様であってよい。
この構成によれば、親がチャイルドシートに座った幼児が動き得るように、しかし抜け出ないようにベルトの長さを設定した後、操作摘み26を前記同様に操作する。そして、軸22aが回動すると係止爪65が歯車4に噛み合い、係止爪5とは関わりなく、歯車4の回動を規制して長さ調整ベルト3をロックすることができる。
本実施形態にあっても、前記各実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
次に、図14及び図15を参照して本発明の第6実施形態を説明する。
なお、本実施形態は、係止爪等に係わりなく長さ調整ベルト3を直接ロックするものであり、前記係止爪や歯車の図示を省略するとともに、前記同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるリトラクタ1では、対向した壁部2a,2b間に押圧部材66を回動自在に設ける。この押圧部材66は、側面形状がほぼ三角形に形成され、基部が軸67によって壁部2a,2bに回動自在に取り付けられている。また、押圧部材66の先端側と後述するねじ軸73との間にはバネ78が介在されており、押圧部材66を常時図15(b)中軸67を中心として時計方向に付勢している。すなわち、押圧部材66の下側の湾曲した側面はドラムに巻回された長さ調整ベルト3との間に隙間が形成されることとなる。
【0037】
また、押圧部材66の側方、即ち長さ調整ベルト3の引出し方向には、押圧部材66を長さ調整ベルト3の側面に押圧するための押圧機構71が設けられている。押圧機構71は、壁部2a,2bの前後に架設された基板72a,72bと、基板72a,72b間に回転可能に設けられたねじ軸73と、ねじ軸73を回転操作する操作部73aと、ねじ軸73の回転によって移動し押圧部材66を長さ調整ベルト3の側面に当て付けるナットブロック74等を備えている。
なお、前記各実施形態で説明した歯車4や係止爪5は、壁部2aの外側に設けたカバー75内によって覆われている。
【0038】
前記リトラクタ1は、手動ロック機構を作動させていない時には緊急ロックは前記同様に行われる。一方、手動ロックを行う場合は、親が前記同様に幼児が動ける程度にベルトの長さ具合を調整し、操作部73aを操作してねじ軸73を例えば図14に矢印で示すように時計方向に回転させる。その結果、ナットブロック74が図15で基板72b方向に移動し、押圧部材66の斜面の角度に対応して押圧部材66を長さ調整ベルト3方向に強く押し付ける。故に、長さ調整ベルト3にブレーキが掛かり、引出し収納が規制された状態となる。
本実施形態にあっても、前記同様の効果が得られる。
【0039】
次に、図16及び図17を参照して本発明の第7実施形態を説明する。
なお、本実施形態も前記第6実施形態同様に、係止爪等に係わりなく長さ調整ベルト3を直接ロックするものであり、前記係止爪や歯車の図示を省略するとともに、前記同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のリトラクタ1は、引き出された長さ調整ベルト3を挟み付けて、手動ロックを行うように構成されている。即ち、長さ調整ベルト3の引出し口において、手動ロック部Bに相当する挟み付け機構81が設けられている。挟み付け機構81は、壁部2a,2bに上下方向に長手状に形成されたガイド孔82a,82bにガイドされて上下動するガイド板83と、このガイド板83に穿設された孔(図示せず)に挿通されたピン88の先端に取り付けられた押圧板85と、この押圧板85とガイド板83との間に介在されたバネ84a,84b等を主な部材として構成されている。そして、壁部2a,2bの内側面には、係止ピン86a,86bが植立状に設けられ、バネ87a,87bによってガイド板83を上方に引き上げるようになっている。
【0040】
手動ロックを行う場合、前記第1実施形態で説明した操作部Cによってワイヤー15を引く。ワイヤー15はガイド板83の端部に固定されており、ワイヤー15を引くと、ガイドピン89a,89bによって引っ張り方向が変わり、バネ87a,87bに抗してガイド板83が下方に移動する。これと同時に、押圧板85も下方に移動し、当初はバネ84a,84bにより長さ調整ベルト3を緩く押圧し、次いで押圧板85の下降によりバネ84a,84bで強く押圧する。
【0041】
このように、長さ調整ベルト3の挟み付けによって、しかも分離された操作部Cを利用して手動ロックを行うことができる。従って、本実施形態においても、前記同様の各種効果が得られるうえに、操作部Cの位置が特定されないので、チャイルドシートの使い勝手を向上させ得る等の新たな効果がある。
なお、上述実施の形態において、バネ84a,84bは必ずしも必要とせず、押圧板85をバネを介さずに直接ガイド板83に取付けるようにしても良い。
【0042】
次に、図18〜図20を参照して本発明の第8実施形態を説明する。
なお、本実施形態も長さ調整ベルト3を挟み付けて手動ロックを行うものであるが、挟み付け機構が枠体2とは分離されている。
即ち、挟み付け機構91は長さ調整ベルト3を挿通させる開口部を形成したカバー92と、長さ調整ベルト3を押圧するバー93と、バー93を下側に付勢するバネ94(開きバネ)と、カバー92の外側に設けられた操作部Cとを備えている。バネ94は、一端がカバー92の中側に係止され、他端はバー93の一端に形成した張出状の係止部93aに係止されている。
操作部Cは、各実施形態で説明したように、操作摘みの回動操作によりロック及びフリーに動作する構成になっている。
【0043】
操作部Cをロック操作する際には、図20の実線で示すようにバネ94の付勢力によりバー93が矢印で示すように下降される。このバー93の下降によりバー93が長さ調整ベルト3を挟み付ける。従って、手動ロックが行われて長さ調整ベルト3の引出し収納が規制される。一方、操作部Cをフリーに操作する際には、バネ94の付勢力に抗して操作部Cを操作し、バー93を図20中想像線で示したように調整ベルト3から離間させる。この結果、長さ調整ベルト3は、引出し収納自在な状態となるが、緊急ロック部は前記同様に作用可能な状態となる。
なお、カバー92の下端部で長さ調整ベルト3に接する面側において、バー93が押圧される付近に突起Tを複数個形成することにより長さ調整ベルト3との接触抵抗が大きくなり、ロック効果がいっそう向上する。
このように、本実施形態のリトラクタ1は、長さ調整ベルト3の引出し経路において手動ロックを掛けることができるので、チャイルドシートに適用した場合に設計の自由度が向上する上に、前記各実施形態同様の効果が得られる。
【0044】
次に、図21〜図23を参照して本発明の第9実施形態を説明する。
本実施形態は、チャイルドシートの背面側で長さ調整ベルト3に手動ロックを掛けるように構成したものである。
チャイルドシート111の背面側に、図21に示すように手動ロック機構121が設けられている。チャイルドシート111は、自動車のシートに安全ベルト112を利用して固定される基部113と、幼児を座らせる座席部114とにより構成され、座席部114の背面側に手動ロック機構121が設けられ、座席部114の側面に操作部Cが設けられている。
座席部114には、図22に示すように長さ調整ベルト3の幅よりやや広い程度の間隔で一対の貫通孔115a,115bが開孔され、この貫通孔115a,115bには手動ロック機構121を構成する往復動部材122a,122bが挿通している。往復動部材122a,122bの先端は押圧部材123に固定され、往復動部材122a,122bが図22中上方に引かれた時、押圧部材123によって長さ調整ベルト3を座席部114の背面に押し付け、手動ロックを行うようになっている。
【0045】
往復動部材122a,122bは、座席部114の内部において駆動シャフト124に固定されるとともに、バネ125によって常に座席部114の背面側に付勢されている。従って、駆動シャフト124によってバネ125に抗する方向、図22では上方に引かれない限り往復動部材122a,122bは座席部114の背面側に突出し、座席部114の表面との間に隙間が形成されて、長さ調整ベルト3は自在に引出し、巻き込み自在になる。
駆動シャフト124の左端は、図23に示すように操作部Cに連結されている。操作部Cの構成は、基本的に図12で示した構成になっている。即ち、座席部114の側面には横方向に長手状のガイド孔115が形成され、駆動シャフト124の端部がガイド孔115を挿通し、その先端に操作摘み125が固定されている。操作摘み125には、ロック摘み126が回動自在に取り付けられ、バネ127によって図23に想像線で示した状態から実線で示すように駆動されるようになっている。
座席部114の側面には、図21に示すようにガイド孔115の下側(この位置は上側でもよい)に、図23に示すように所定間隔で2個の係止孔116a,116bが形成されている。
【0046】
前記構成の手動ロック機構121によれば、ロック摘み126が図23に示すように係止孔116bに係止している場合は、往復動部材122a,122bが図22に示すように位置決めされ、長さ調整ベルト3は引出し及び巻き込みを自在に行うことができる。但し、長さ調整ベルト3が巻回されているリトラクタは本来の緊急ロックが作動可能な状態となっている。
これに対し、操作摘み125を操作してロック摘み126を係止孔116aに係止させた場合は、操作部Cや駆動シャフト124が図22に示す矢印方向に引かれ、且つ位置決めされるので、往復動部材122a,122bがバネ125に抗して引かれ、押圧部材123によって長さ調整ベルト3が座席部114の背面に押し付けられる。この結果、長さ調整ベルト3は引出し及び巻き込みのいずれも行われず、手動ロックが掛けられたことになる。
【0047】
次に、図24〜図26を参照して本発明の第10実施形態を説明する。
本実施形態は、座席部の背面でベルト調整金具を利用して手動ロックを掛けるように構成したものであり、前記各実施形態と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
座席部114の背面であって、ベルト調整金具131が位置決めされる位置の近傍に、縦方向にガイド溝132が形成されている。そして、ベルト調整金具131の背面には、T字型に挟み板133が設けられ、挟み板133には抜け止め部材134が設けられている。
【0048】
一方、ガイド溝132に直交するようにしてガイド溝135が形成され、このガイド溝135には操作部Cが横行自在に設けられている。本実施例における操作部Cは、基本的には図12を参照して説明した構成と同様であってよく、操作摘み136はガイド溝135を挿通してガイド部材としても作用する。操作摘み136の一端にはバネ137が係止され、バネ137は操作摘み136を常に図25で左方に引いている。そして、操作摘み136の端部には、バネ138により付勢される押し部材139が設けられている。
座席部114の内部には、挟み板133を両側から挟み付けるための挟み機構141が設けられている。挟み機構141は、支軸142a,142bを中心に回動する対象構造の回動部材143a,143bと、一対の圧接部材144a,144bとにより構成され、回動部材143a,143bの基部にはそれぞれ歯車145a,145bが形成されている。
【0049】
手動ロックを行う場合は、ロック摘み136aを前記同様に操作し、操作摘み136をガイド溝135に沿って図25で右方に移動させる。この移動に対応して押し部材139も右方に移動し、回動部材143aが回動するようになる。回動部材143aが回動すると、歯車145a,145bの作用によって回動部材144bが反対方向に回動し、操作摘み136がロック位置に係止した時点では図26に示すように圧接部材144a,144bで挟み板133を両側から挟むようになる。
この結果、ベルト調整金具131が上下方向に移動不可になり、長さ調整ベルト3の引出し及び巻き込みが行われず、手動ロックが掛かることになる。
【0050】
なお、本実施形態では、挟み板133を両側から回動部材143a,143bで挟み込んでいるが、この構成に限定されない。例えば、回動部材143bに代えて挟み板133に沿うように板材を配接し、回動部材143aによって板材に押しつけるように構成してもよい。
【0051】
次に、図27及び図28を参照して本発明の第11実施形態を説明する。
本実施形態は、座席部の背面でベルト調整金具を利用して手動ロックを掛けるように構成したものであり、前記各実施形態と同様の作用をなす部材には同一の符号を付して説明を省略する。
座席部114の背面であって、ベルト調整金具131が位置決めされる位置の近傍に、縦方向にガイド溝132が形成されている。そして、ベルト調整金具131には、ネジ挿通孔131aが形成され、座席114の内側からガイド溝132を挿通したネジ151が挿通している。ネジ151の頭部には、ガイド溝132への通り抜けを防止するワッシャ152が掛けられ、端部には蝶ナット153が螺合されている。
【0052】
前記構成によれば、蝶ナット153を緩めることにより、ベルト調整金具131がガイド溝132に沿って自在に移動できるようになり、蝶ナット153を締め付けることによってベルト調整金具131を任意の位置に固定することができる。従って、親は蝶ネジ153の操作により簡単にベルトの長さ調整を行うことができ、調整した後はベルト3の引出しや巻き込みを規制することができる。
このため、幼児がベルトから抜け出す等の不都合がなく、急停車等の場合も安全性が保たれる。
なお、上述した各実施の形態を適宜組み合わせるようにすることもできる。すなわち、ドラムの回転を規制するとともに、ベルトを挟持する等の構造を取ることにより、より確実なロックが実現される。
【0053】
次に、前記第1実施の形態の操作部Cについて、種々の変形例を示す。
以下の9つの変形例のうち、最初の第1〜第7変形例は操作摘まみを回転させることにより、ワイヤーの牽引を行っているタイプのものであり、図2の範疇に入るものである。ただし、図2が回動板22を用いているのに対して、以下のものはシャフトを用いている点が異なる。
また、第8および第9変形例は操作摘まみをスライドさせることにより、ワイヤーの牽引を行っているタイプのものであり、図5の範疇に入るものである。
そこで、まず、前者のタイプのものから説明する。
図29から図32は、第1実施の形態の操作部Cの第1変形例を示す。
図29(a)において、ベース201にはシャフト202を支持するための一方の支持板203と他方の支持板204とが固定されている。両支持板203、204の上には、図29(b)に示す様に、シャフト押さえ205が固定されてシャフト202を回動可能に軸支持している。シャフト押さえの固定手段は、溶接・ボルト・ナット締めつけ等の任意の方法が用いられる。
かくして軸支持されたシャフト202は、その一端がベース201の一方の側壁206より突き出しており、そこに操作摘まみ207が固定されている。
また、シャフト202の他端にはアーム208が固定されている。アーム208の先端に設けたピン209には、コイルバネ210の一端が取り付けられ、コイルバネ210の他端にはワイヤー211の一端が取り付けられている。ワイヤー211はベース201の他方の側壁212にカバー213によって取り付けられた案内口金214を通して外部に導かれ、図1の手動ロック部Bを操作することとなる。
一方の側壁206に取り付けられた操作摘まみ207の回動域には操作位置保持用のボタン215が突出して設けてある。このボタン215は、図30(a)に最も良く示される様に、一方の側壁206に作り付けのケース216内に収めたコイルバネ217に押圧されて一方の側壁の外に頭部を突出させている。
ここで、ボタン215を押し込まなければ、操作摘まみ207が回動しないように構成されており、誤操作を防止している。
なお、シャフト202の一方の支持板203との対面部には、爪218が設けてあり、この爪218は、図30(b)に最も良く示される様に、一方の支持板203に設けた回動範囲規制用の円弧状の切り欠き溝219内に収められ、シャフト202の回動範囲が予め定められている。すなわち、切り欠き溝219の右端はベルトドラムの解除域である第二の操作位置Xであり、切り欠き溝219の左端はベルトドラムのロック域である第一の操作位置Yであり、爪218はこの範囲で移動可能である。
【0054】
この様な構造のワイヤー式操作部において、ワイヤー211の弛んだ解除状態では図31に示すように、アーム208は第二の操作位置Xにあり、コイルバネ10は収縮した状態にある。この場合、操作摘まみ207は、図29(a)に示す状態にある。この第二の操作位置Xから第一の操作位置Yに移行させるためには、ボタン215をP方向すなわち側壁206内のケース216内に押し込んで操作摘まみ207をQ矢方向に回せばよい。このように、ボタン215をいったん押し込まなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。操作摘まみ207をQ矢方向に回すと、この操作摘まみ207と一体にシャフト202に固定されたアーム208は、R矢方向に回転する。アーム208の回転に伴い、アーム208に設けたピン209がコイルバネ210をS矢方向〔図29(a〕に引っ張る。それにより、コイルバネ210はワイヤー211をT矢方向〔(図29(a)〕に引っ張り、ワイヤー211を引き締める。
ワイヤー211は図1のワイヤー15と同じであり、ワイヤー211が引き締められることは、図1のワイヤー15が引き締められることであり、これにより図1の手動ロック部Bが操作されることとなる。手動ロック部Bの操作は図1と同じであり、これの説明は省略する。
【0055】
この動作の過程で、操作摘まみ207はボタン215を押圧しながら乗り越えて、第一の操作位置Yに至り、再びボタン215がコイルバネ217に押圧されて側壁206の外に頭部を突出させることによって操作摘まみ207は係止される〔図32(a)参照〕。
これらの経過において、図31に示すように、アーム208は第二の操作位置Xから第一の操作位置Yに回転するが、ベース201の他方の側壁212に固定した案内口金214のワイヤ出口とシャフト202の軸心を結ぶ仮想線CLを通過する。
アーム208に設けたピン209がX−CLの間に在るとき、コイルバネ210の引っ張り力により、アーム208にはf1 (R矢方向の逆方向)の回転力が加わるが、CL線上にアーム208のピン209が在る場合は回転力は加わらない。
また、アーム208のピン209がCL−Yの間に在るときは、コイルバネ210によりアーム208にはf2 (R矢の方向)の回転力が加わる。このとき、図32(a)に最も良く示されるように、ボタン215がコイルバネ217によるf3 方向の力によって突き出ようとしており、ボタン215と操作摘まみ207がy点で接触し、操作摘まみ207はf4 の方向(R矢方向と同じ)の回転力を受けることになる。
しかしながら、ボタン215の形状及びボタンと操作摘まみの位置関係によってはf4 と逆向きの力を加えることもできる。
【0056】
このように、シャフト202に設けた爪218と切り欠き溝219による回動方向の規制と、仮想線CLを離れたアーム208の位置設定、並びに操作摘まみ207とボタン215の相互動作により、操作摘まみ207から手を放して操作外力を無くしても、操作摘まみ207を図32(b)に示すように第二の操作位置Xか第一の操作位置Yに保持でき、誤使用の位置である中間位置で保持されることがない。
ワイヤー211の緊張状態に在る第一の操作位置Yから第二の操作位置Xに移行するためには、ボタン215を図29(a)に示すP矢方向に押し込みながら操作摘まみ207を図32(b)に示すU矢方向に回転させる。
こうすることにより、操作摘まみ207第一の操作位置Yから第二の操作位置Xに移行させると、アーム208はR矢方向と逆の方向に回転して、コイルバネ210が伸長状態から収縮状態になり、ワイヤー211は弛んだ状態になり、ベルトドラムのロックが解除される。
なお、図31において、説明を分かりやすくするため操作位置XとYの位置関係を誇張して描いてあるが、実際の周方向間隔はもっと狭い。但し、その角度は設計上任意に設定することができる。
【0057】
図33および図34は第1実施の形態の操作部Cの第2および第3変形例である。第1実施の形態の操作部Cの第1変形例である図29〜図32は、ボタン215を用いてシャフトの回動を固定するものであったのに対して、図33および図34はともにボタン215を必要としないタイプのものである。すなわち、図33および図34は、共に操作摘まみ(図33の223、図34の234)を図で水平方向に若干移動させて、Q方向に若干回転させた後、先と逆向きの水平方向に戻して、操作摘まみの回転を固定するタイプで共通している。
前者は操作摘まみ223を押し込むタイプであり、後者は操作摘まみ234を引き出すタイプである点が異なる。
図33は第1実施の形態の操作部Cの操作摘まみ223を押し込むタイプであり、図33(a)は操作摘まみ223が非ロックの状態、図33(b)は操作摘まみ223を押し込んだ状態、図33(c)は図33(a)の状態の操作部Cの一部断面斜視図であり、さらに図33(a)および(b)の各(1)は操作摘まみ223の軸方向断面図であり、各(2)は操作部Cの一部断面図である。
まず、図33において、ベース201に固定された支持板221に軸支持されたシャフト222の左端には操作摘まみ223が固定され、操作摘まみ223と支持板221との間にはシャフト222と同心配置のコイルバネ224が設けられ、操作摘まみ223は常時は図33(a)(1)に示すように左の位置にあるように設定されている。同図において、操作摘まみ223は全体がほぼシリンダ状でかつ中空となっているが、しかしその下端部(図で右側)は操作摘まみ223飛び出し防止用のストップリング223aが形成されており、また、その上端部(図で左側)は操作摘まみ223を回しやすいように凸部223bが形成されている。操作摘まみ223の底部には、シャフト222の矩形部222b(後述)が挿入される矩形断面穴が開けられている。また、操作摘まみ223の右端の一部には爪225が軸方向に設けられている。
ベース201の側壁226には、操作摘まみ223が挿入される円周状の貫通穴227が設けられ、この貫通穴227の円周上に、第一の操作位置Y用の切り欠き溝228と第二の操作位置X用の切り欠き溝229とが設けられる〔図33(c)〕。操作摘まみ223の右端に設けた爪225は、使用者の必要に応じて切り欠き溝228または229の何れかに係合せしめられる。
シャフト222は全体が円柱状をしているが、左側だけは、左端部から所定長(すなわち、操作摘まみ223の軸方向移動距離より少し長い距離)だけ図(a)(1)に図示のように断面矩形部222bに形成され、この断面矩形部222bが前述の操作摘まみ223の底部の矩形断面穴に緩く嵌合することによって、操作摘まみ223の押し込み動作ではシャフト222の上を右方向に水平移動(スライド)し、また操作摘まみ223の回転動作ではシャフト222も従動し回転動作することとなる。なお、シャフト222の左端部には操作摘まみ223の抜け防止のために、ストッパ222cが設けられている。
なお、シャフト222の一方の支持板204との対面部には、爪218が設けてあり、この爪218は、図30(b)に最も良く示される様に、一方の支持板204に設けた回動範囲規制用の円弧状の切り欠き溝219内に収められ、シャフト222の回動範囲が予め定められている。すなわち、切り欠き溝219の右端はベルトドラムの解除域である第二の操作位置Xであり、切り欠き溝219の左端はベルトドラムのロック域である第一の操作位置Yであり、爪218はこの範囲で移動可能である。
一方、シャフト222の右側にはアーム208が設けられ、アーム208にはコイルバネ210が係止され、コイルバネ210にはワイヤー211が係止されている。ワイヤー211は図1のワイヤー15と同じであり、ワイヤー211が引き締められることは、図1のワイヤー15が引き締められることであり、これにより図1の手動ロック部Bが操作されることとなる。手動ロック部Bの操作は図1と同じであり、これの説明は省略する。
この変形例において、操作摘まみ223を図33(c)に示す第二の操作位置Xから第一の操作位置YへQ矢方向に移行させるためには、先ず、操作摘まみ223をP矢方向に押し込む。すると、操作摘まみ223はシャフト222の上を右方向に水平移動し、したがって図33(b)に示すようにコイルバネ224は圧縮し、操作摘まみ223に設けた爪225は側壁226に設けた切り欠き溝229からはずれる。この押し込み状態で操作摘まみ223をQ矢方向に回転させ、操作摘まみ223に設けた爪225を切り欠き溝228に係合させて手を放すと、コイルバネ224が操作摘まみ223を左側に押して第一の操作位置Yの保持が完了する。
逆に、第一の操作位置Yから第二の操作位置Xに移行する場合は、操作摘まみ223をP矢方向に押し込んで、爪225を切り欠き溝228から外し、操作摘まみ223をQ矢方向と逆方向に回転させ、爪225を切り欠き溝229に係合させればよい。このように、操作摘まみ223をP方向にいったん押し込まなければ操作摘まみ223は回動しない構成にして、誤動作防止をしている。
【0058】
次に、図34について説明する。
図33がシャフト222を押し込むタイプであったのに対して、図34はシャフト232を引き出すタイプである。図34(a)は操作摘まみ232が非ロックの状態、図34(b)は操作摘まみ232を押し込んだ状態、図34(c)は図34(a)の状態の操作部Cの一部断面斜視図であり、さらに図34(a)および(b)の各(1)の(ロ)は操作摘まみ232の軸方向断面図であり、各(1)の(イ)はそれぞれ各(ロ)のD−D断面図、E−E断面図を示している。また、図34(a)および(b)の各(2)は共に操作部Cの一部断面図である。
図34のシャフトは右シャフト232と左シャフト232’から構成されている。右シャフト232は全体が円柱状をしているが、左側だけは、左端部から所定長(すなわち、操作摘まみ232の軸方向移動距離より少し長い距離)だけ図(a)(1)に図示のように断面矩形部232bに形成されている。また、シャフト232の左端部には左シャフト232’の抜け防止のために、ストッパ232cが設けられている。
左シャフト232’は全体がほぼシリンダ状でかつ中空となっており、その右端側には右シャフト232の矩形部232bが挿入される矩形断面穴が開けられている。左シャフト232’はベース201に固定された支持板231に軸支持され、左端部がベース201の側壁233よりも左側に突出し、この突出部に一直線状の操作摘まみ234が取り付けられている。操作摘まみ234は左シャフト232’を引き出しすときや回転させるときに有効である。
この左シャフト232’の底部の矩形断面穴に右シャフト232の前述の断面矩形部232bが緩く嵌合しており、左シャフト232’が軸方向に移動しても右シャフト232は追従しないが、左シャフト232’が回転すると右シャフト232も回転するようになる。
操作摘まみ234は常時は図34(a)(1)の(イ)および(ロ)に示すように右の位置にあるが、操作摘まみ234の引き出し動作で(図34(b)を参照)、左シャフト232’はシャフト232の上を左方向に水平移動(スライド)し、また操作摘まみ234の回転動作で左シャフト232’が回転し右シャフト232も従動し回転動作することとなる。
また、側壁233近傍の左シャフト232’には、押さえ板235が固定され、この押さえ板235と側壁233の間にはコイルバネ236が係止され、左シャフト232’を右側に移動させる力が付勢されている。
これに対し、シャフト232の操作摘まみ234近傍にはストップリング237が設けられ、シャフト232の左右の可動範囲が規制されている。押さえ板235の右隣には選択板238が左シャフト232’に固定して取り付けられている。この選択板238の右側面には、爪239が突出しており、図34(c)に示されるように、支持板231に貫通して設けた第二の操作位置用切り欠き溝240または、第一の操作位置用切り欠き溝241に嵌まり合う構造となっている。
なお、右シャフト232の一方の支持板204との対面部には、爪218が設けてあり、この爪218は、図30(b)に最も良く示される様に、一方の支持板204に設けた回動範囲規制用の円弧状の切り欠き溝219内に収められ、シャフト232の回動範囲が予め定められている。すなわち、切り欠き溝219の右端はベルトドラムの解除域である第二の操作位置Xであり、切り欠き溝219の左端はベルトドラムのロック域である第一の操作位置Yであり、爪218はこの範囲で移動可能である。
右シャフト232の右側にはアーム208が設けられ、アーム208にはコイルバネ210が係止され、コイルバネ210にはワイヤー211が係止されている。ワイヤー211は図1のワイヤー15と同じであり、ワイヤー211が引き締められることは、図1のワイヤー15が引き締められることであり、これにより図1の手動ロック部Bが操作されることとなる。手動ロック部Bの操作は図1と同じであり、これの説明は省略する。
図34(a)は、コイルバネ236が伸長して、選択板238に設けた爪239が支持板231に設けた第二の操作位置用切り欠き溝240に係止された状態を示している。この状態から、第一の操作位置に移行させるためには、操作摘まみ234をV矢方向に引き出して爪239を第二の操作位置用切り欠き溝240から引き出して相互の係合を解き、次いで図34(b)に示すように、操作摘まみ234をQ矢方向に回転させ、爪239を第一の操作位置用の切り欠き溝241に係合させてから操作摘まみ234から手を放す。
すると、コイルバネ236が伸長して、爪239を第一の操作位置用の切り欠き溝241に係止する。このとき、操作摘まみ234は、第二の操作位置X方向から第一の操作位置Y方向に移動する〔図34(c)参照〕。
第一の操作位置から第二の操作位置に移行させる場合は、操作摘まみ234をV矢方向に引き出し、前記と逆の操作を行えばよい。
このように、操作摘まみ234はいったん引き出さなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。
【0059】
図35は第1実施の形態の操作部Cの第4変形例を示す。
図35はシャフトの回転阻止にボタン248を用いるタイプのものであり、第1変形例である図30と同じ範疇に属するが、図30と異なるのは、図35ではバネ支持ケース249を用いて、支持板203を省略している点である。
図35(a)において、シャフト242の操作摘まみ243を取り付けている取り付け部に爪244が設けられ、この爪244が、ベース201の側壁246に設けた円弧状の切り欠き溝247〔図35(b)参照〕内で回動する構造となっている。この切り欠き溝247内での爪244の位置すなわち操作摘まみ243の位置は、操作摘まみ243の回転域内に突出して設けたボタン248によって規制される。
ボタン248は操作摘まみ243の下方に側壁246を貫通して突出しており、側壁246に固定されたバネ支持ケース249に係止されたコイルバネ250によって底部を押圧されている。
シャフト242の右側にはアーム208が設けられ、アーム208にはコイルバネ210が係止され、コイルバネ210にはワイヤー211が係止されている。ワイヤー211は図1のワイヤー15と同じであり、ワイヤー211が引き締められることは、図1のワイヤー15が引き締められることであり、これにより図1の手動ロック部Bが操作されることとなる。手動ロック部Bの操作は図1と同じであり、これの説明は省略する。
図35(b)に示す第二の操作位置X(爪244は切り欠き溝247の第二の操作位置Xに在る。)から第一の操作位置Yに移行させるためには、先ず図35(c)のボタン248をP矢方向に押し込んで、操作摘まみ243をQ矢方向に回転させ、操作摘まみ243がボタン248を通過した後にボタン248を解放するとコイルバネ250の付勢力によってボタン248が元の位置に復帰して、操作摘まみ243は第一の操作位置Yに保持される。このとき爪244は切り欠き溝247の第一の操作位置Yに在る。
第一の操作位置Yから第二の操作位置Xへの移行の際は、ボタン248をP矢方向に押し込み、操作摘まみ243をQ矢方向と逆方向に回転すればよい。
このように、ボタン248をいったん押し込まなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。
【0060】
図36及び図37は、第1実施の形態の操作部Cの第5変形例を示す。
第5変形例はボタンが操作摘まみの軸中心に設けられているタイプのもので、図36は分解組立図、図37(a)は部分縦断説明図、図37(b)は切り欠き溝の説明図、図37(c)は斜視図である。
図36において、中空操作摘まみ251は軸方向中央に穴252が開いていて、ここにコイルバネ253で付勢されたボタン254が嵌まる。ボタン254の上部には、中空操作摘まみ251から飛び出さないように二個のストッパー255が設けられ、下部には二個の爪256が設けてある。ボタン254の下部は中空シャフト繋ぎ257内に収められ、この中空シャフト繋ぎ257は、ビス258等によって中空操作摘まみ251に固定される。
中空シャフト繋ぎ257の右端にはシャフト259が形成されている。シャフト259には、アーム260がボルト261によって固定される。シャフト259は、支持板262に支持される。シャフト259に固定されたアーム260の下端の孔263と支持板262との間には復帰スプリング264が取り付けられ、アーム260の上端の孔265にはコイルバネ266の一端が取り付けられる。コイルバネ266の他端はワイヤー211にビス267で固定される。
支持板262は、図37(a)に示すように、ベース268に固定される。
組み立て状態は図37(a)または(c)に示す通りであり、ボタン254に設けた爪256は、中空シャフト繋ぎ257の外径よりも外側に突出している。
ベース268の側壁269には、第二の操作位置用の切り欠き溝270および第一の操作位置用切り欠き溝271が穿たれており、ボタン254に設けた爪256が第二の操作位置用の切り欠き溝270または第一の操作位置用切り欠き溝271に係止されるようになっている〔図37(b)〕。
なお、シャフト259の一方の支持板262との対面部には、爪218が設けてあり、この爪218は、図30(b)に最も良く示される様に、一方の支持板262に設けた回動範囲規制用の円弧状の切り欠き溝219内に収められ、シャフト262の回動範囲が予め定められている。すなわち、切り欠き溝219の右端はベルトドラムの解除域である第二の操作位置Xであり、切り欠き溝219の左端はベルトドラムのロック域である第一の操作位置Yであり、爪218はこの範囲で移動可能である。
【0061】
かかる構造の操作部において、第二の操作位置Xから第一の操作位置Yに移行するためには、ボタン254をP矢方向に押し込む。すると、コイルバネ253は圧縮されて、爪256が第二の操作位置用切り欠き溝270から外れる。この状態のまま中空操作摘まみ251をQ矢方向に回転させ、爪256を第一の操作位置用切り欠き溝271に係合させてボタン254から手を放す。この動作により、アーム260は回転し、ワイヤー211が緊張したロック状態で保持される。第二の操作位置Xに戻すためには、ボタン254を押し込んで、爪256を第一の操作位置用切り欠き溝271から外してやり、中空操作摘まみ251をQ矢方向とは逆向きに回転させて、爪256を第二の操作位置用切り欠き溝270に導く動作を行う。
このように、ボタン254をいったん押し込まなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。
【0062】
図38〜図40は第1実施の形態の操作部Cの第6変形例を示す。
第6変形例は操作摘まみ278の側面にボタン280が設けられているタイプのもので、図38は操作部の組み立て図、図39は操作摘まみの説明図、図40は動作説明図である。
図38において、ベース272に立設した一方の支持板273の上には中空シャフト繋ぎ275が、また、他方の支持板274の上にはこの中空シャフト繋ぎ275と一体のシャフト276が支持され、上方からシャフト押さえ277によって押さえこまれている。また、中空シャフト繋ぎ275の左端部には、後述する係止板279を突出させるための開口部275’が形成され、この中空シャフト繋ぎ275の左端にて操作摘まみ278が固定される。
なお、シャフト276の一方の支持板274との対面部には、爪218が設けてあり、この爪218は、図30(b)に最も良く示される様に、一方の支持板274に設けた回動範囲規制用の円弧状の切り欠き溝219内に収められ、シャフト262の回動範囲が予め定められている。すなわち、切り欠き溝219の右端はベルトドラムの解除域である第二の操作位置Xであり、切り欠き溝219の左端はベルトドラムのロック域である第一の操作位置Yであり、爪218はこの範囲で移動可能である。
操作摘まみ278には上部に開口部278’があり、この開口部278’にボタン280が操作摘まみ278の内側から外側に向けて嵌め込まれ、ボタン280が操作摘まみ278の内側から外れないようにボタン280の底辺部にフランジ280’〔図39(a)〕が形成されている。このボタン280と一体に係止板279が形成されている。そこで、このボタン280を操作摘まみ278の内側から外側に向けて嵌め込むと、係止板279が中空シャフト繋ぎ275の左端の開口部275’から突出するようになる。後述するように、ボタン280と係止板279とはコイルバネ286(図39(a))により上方に押上られているのでボタン280と係止板279とは常時開口部278’と275’から突出しており、ボタン280を押すと係止板279は275’内へ没入する。
また、シャフト押さえ277の左端壁281には第一の操作位置用切り欠き溝282と第二の操作位置用切り欠き溝283が穿たれ、係止板279はこれらの第一の操作位置用切り欠き溝282か第二の操作位置用切り欠き溝283の何れかに係合できる構造となっている。シャフト276の右端にはアーム284がねじ285により固定される。アーム284の先端に設けたピン209には、コイルバネ210の一端が取り付けられ、コイルバネ210の他端にはワイヤー211の一端が取り付けられている。ワイヤー211はシャフト押さえ277の側壁212と212の間に嵌めこまれた案内口金214を通して外部に導かれる。この案内口金214はカバー213によって覆われ固定される。
【0063】
図39(a)は操作摘まみ278の内部構造を示している。
図示の通り、ボタン280およびこのボタン280と一体の係止板279とは、コイルバネ286により上方に押上られている。この操作摘まみ278の裏面を覆うように、図39(b)に縮小して示す中空シヤフト繋ぎ275がネジ止めされる。
図39(c)には操作摘まみ278とボタン280と係止板279との連結状態、並びに、これらとシャフト押さえ277の左端壁281に設けられた第一の操作位置用切り欠き溝282と第二の操作位置用切り欠き溝283と支持板273との相関が示されている。
次に操作動作について説明する。
第二の操作位置Xから第一の操作位置Y〔図40(c)参照〕に移行させるためには、先ずボタン280を押し込む。すると、図40(a)に示すように、係止板279が第二の切り欠き溝283から外れるので、そのまま操作摘まみ278をQ矢方向に回転させ、係止板279が第一の切り欠き溝282まで到来した時点でボタン280から手を放すと、係止板279は第一の切り欠き溝282と係合して第一の操作位置Yに移行し、図示しないワイヤーを引き締めてベルトドラムを回転停止する。
第二の操作位置Xに移行してドラムの回転停止を解除する場合は、前記と逆の動作を行う。このように、ボタン280をいったん押し込まなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。
図40(d)は操作摘まみ278の側部に係止解除用のボタンを設けた例、図40(e)は操作摘まみ278の形状を変えた例をそれぞれ示している。
【0064】
図41は第1実施の形態の操作部Cの第7変形例を示す。
以上の変形例は、ボタンが操作摘まみ内に(ボタンの取り付け位置が中央か側面かの差異があるが)設けられているタイプのものであったのに対して、第7変形例はボタン291が操作摘まみ288とは別体に設けられているタイプのものである点が異なる。
図38は操作部の組み立て図、図39は操作摘まみの説明図、図40は動作説明図である。
この例の場合、シャフト287の操作摘まみ288の連結端近傍に第一の操作位置用切り欠き溝289と第二の操作位置用切り欠き溝290を設け、この切り欠き溝289、290にボタン291で操作される係止板292が係合してシャフト287の回転を制限する構造である。
係止板292は、常時コイルバネ293に押圧されて何れかの切り欠き溝289、290に係合している。係合を解く場合は、ボタン291を操作して係止板を移動させる。このときコイルバネ293は圧縮されて蓄勢される。
図41(a)、図41(b)および図41(c)は、係止板292が第二の操作位置用切り欠き溝290と係合した第二の操作位置Xが示されている。
この第二の操作位置Xから第一の操作位置Yに移行させるためには、図41(b)に示すようにボタン291を右側に押す。
すると、図41(c)に示すように係止板292が第二の操作位置用切り込み溝290から外れるので、その状態で操作摘まみ288をQ矢方向に回転させることによりシャフト287を回転させて第一の操作位置Yまで導く。
この状態でボタン291から手を放すと、図41(d)に示すように、係止板292が第一の操作位置用切り欠き溝289に嵌まり、図示しないワイヤーが緊張してベルトドラムをロックした状態でシャフト287を保持する。
ベルトドラムのロックを解除した第二の操作位置Xに戻すためには、ボタン291を右側に押したまま操作摘まみ288をQ矢方向とは逆の方向に回転させ、第二の操作位置Xに停止させて係止板292を第二の操作位置用切り込み溝290に係合させる。このように、ボタン291をいったん押し込まなければ回動しない構成にして、誤操作を防止している。
シャフト287の右側の図示を省略したがシャフト287の右端にはアームが設けられ、そのアームにはコイルバネが係止され、そのコイルバネには図1の手動ロック部Bを操作するワイヤーが係止されていることは図1と同じである。
【0065】
図42は第1実施の形態の操作部Cの第8変形例を示す。
上記第1〜第7変形例はすべてシャフトを用いてそのシャフトを回転させることによりワイヤーの牽引を行っていたのに対して、この第8変形例は回転させてワイヤーを緊張させるものではなく、ワイヤーを直接引っ張って第一から第二の操作位置にまたはその逆にスライドさせて第一または第二の操作位置に保持するものであり、原理的には図5(および図6)の範疇に入るものである。
ただし、図42のものが図5のものと異なるのは、係止機構が図5はロック摘まみ38に係止突起38aを設けたカギ型であるのに対して、図42は操作摘まみ296を貫通溝295に引っかけるミゾ型である点である。
図42(a)は操作部の前面斜視図である。枠体294の前面にはU字状の貫通溝295が設けられ、右端が第二の操作位置X、左端が第一の操作位置Yである。貫通溝295には棒状の操作摘まみ296が突き出している。
操作摘まみ296の基部は移動体297に固定されている。
移動体297は、枠体294に保持されたコイルバネ298の上に設けた滑り間座299の上に乗せられており、常時上方に付勢されている。移動体297には、ワイヤー211に一端を固定したコイルバネ210の他端が取り付けられている。
図42(b)は縦断面図、図42(c)は裏面斜視図である。
操作摘まみ296を第二の操作位置Xから第一の操作位置Yに移行するには、操作摘まみ296を下方に押し下げたまま左に移動させ、貫通溝295の左端で手を放すと、操作摘まみ296はコイルバネ298の圧力によって上方に押し上げられワイヤー211を左側に引っ張って緊張させ、ベルトドラムをロックした状態で保持する。
第一の操作位置Yから第二の操作位置Xに移行させるためには、上記と逆の操作をする。
【0066】
図43は第1実施の形態の操作部Cの第9変形例を示している。
この変形例も、図43と同じ範疇に属するものであり、ワイヤー211を直接引っ張ってスライドさせるものである。
図43(a)、(b)、(c)において、枠体300の上には左右に移動可能な移動体301が設けられている。この移動体301は、左端に操作摘まみ302が立設され、右端部には支持板303が立設され、中央部には貫通穴304が設けられている。枠体300の左端近傍には貫通穴305が設けられ、バネ圧支持された係止板306が突出している。移動体301の右端部に設けた支持孔307には復帰スプリング308の一端が取り付けられ、復帰スプリング308の他端は枠体300の右端に設けた支持孔309に取り付けられ、移動体301は常時枠体300の右端側に引かれている。
図43(a)及び図43(b)は、操作摘まみ302は第二の操作位置にあり、ベルトドラムのロックを解除した状態を示している。
この状態から第一の操作位置に移行する場合は、まず図43(b)に示すように係止板306を下方に押し込み、操作摘まみ302を操作してその上を移動体301を左側に移動させると、貫通穴304が係止板306の上に到来し、係止板306が貫通穴304内を上方に突出して移動体301を係止する。
すると、ワイヤー211は左に引っ張られてベルトドラムをロックした状態で保持される。
第二の操作位置に移行する場合は、図43(c)の状態の係止板306を下方に押し込み移動体301を右側にずらすと、復帰スプリング308に引かれて移動体301は右側に移動し、係止板306は操作摘まみ302の左側に突出して第二の操作位置に保持する。
【0067】
【発明の効果】
以上に説明したリトラクタとこのリトラクタを適用したチャイルドシートは、下記のような種々の効果を奏する。
(1)チャイルドシートに座っている幼児を押さえるベルトを、予め所望の長さに設定し且つロックできるので、幼児のベルトからの抜け出しを防止できる。
(2)緊急時においても、手動により設定したベルトの長さ以上に引き出されないので、幼児の安全性が向上する。
(3)緊急ロックと手動式ベルトのロックを行い得るので、多機能化が可能になり、このリトラクタを適用したチャイルドシートの使い勝手が向上する。
(4)リトラクタを構成する緊急ロック部や手動ロック部と、手動ロック部を操作する操作部とを離すことができるので、チャイルドシートの設計自由度の向上と使い勝手の向上とを図ることができる。
(5)ベルトのロックは、ベルトの引出し経路においても行い得るので、チャイルドシートの使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリトラクタの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】操作部の構成を示す斜視図である。
【図3】操作の構成を示す要部の断面図である。
【図4】操作部の構成を示す要部の斜視図である。
【図5】操作部の他の構成例を示す斜視図である。
【図6】操作部の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図8】操作部の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図10】操作部の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図12】操作部の構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の第5実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図14】本発明の第6実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図15】リトラクタの構成を示す断面図である。
【図16】本発明の第7実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図17】リトラクタの構成を示す断面図である。
【図18】本発明の第8実施形態を示すリトラクタの斜視図である。
【図19】ロック機構の構成を示す斜視図である。
【図20】ロック機構の構成を示す断面図である。
【図21】本発明の第9実施形態を示すチャイルドシートの斜視図である。
【図22】チヤイルドシートの構成を示す断面図である。
【図23】チヤイルドシートの構成を示す断面図である。
【図24】本発明の第10実施形態を示すチャイルドシートの斜視図である。
【図25】チャイルドシートの構成を示す断面図である。
【図26】チャイルドシートの構成を示す斜視図である。
【図27】本発明の第11実施形態を示すベルト調整金具の斜視図である。
【図28】ベルトの長さ調整を示す要部の断面図である。
【図29】第1実施の形態の操作部Cの第1変形例の説明図である。
【図30】図29に示す操作部の説明図である。(a)は縦断説明図、(b)は切り欠き溝の例を示す説明図である。
【図31】回転アーム付きワイヤー式操作部の動作説明図である。
【図32】第1実施の形態の操作部Cの第1変形例の操作摘まみとボタンの関係を示す説明図である。(a)は第一の操作位置にある操作摘まみボタンの作用関係の説明図、(b)は第一、第二の操作位置関係の説明図である。
【図33】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第2変形例の説明図である。(a)は第二の操作位置にある状態を示す一部縦断説明図、(b)は第一の操作位置に移行する過程を示す一部縦断説明図、(c)は第一、第二の操作位置関係を示す説明図である。
【図34】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第3変形例を示す説明図である。(a)は第二の操作位置にある状態を示す一部縦断説明図、(b)は第一の操作位置に移行する過程を示す一部縦断説明図、(c)は第一、第二の操作位置関係を示す説明図である。
【図35】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第4変形例を示す説明図である。(a)は第二の操作位置にある状態を示す一部縦断説明図、(b)は切り欠き溝の例を示す説明図、(c)は第一、第二の操作位置関係を示す説明図である。
【図36】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第5変形例を示す分解組立図である。
【図37】図36に示す変形例の説明図である。(a)は第二の操作位置にある状態を示す一部縦断説明図、(b)は切り欠き溝の例を示す説明図、(c)は第一、第二の操作位置関係を示す斜視図である。
【図38】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第6変形例を示す分解組立図である。
【図39】図38に示す変形例の説明図である。(a)は操作摘まみの内部構造図、(b)は中空シャフト繋ぎの例を示す斜視図、(c)は係止板と両切り欠き溝の相関を示す説明図である。
【図40】図38に示す変形例の説明図である。(a)は第二の操作位置から第一の操作位置への移行過程の説明図、(b)は第一の操作位置に移行した状態を示す説明図、(c)は第一、第二の操作位置関係を示す説明図、(d)側部にホタンを設けた操作摘まみの例を示す説明図、(e)は操作摘まみの形状を変形させた例を示す説明図である。
【図41】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第7変形例を示す説明図である。(a)は第二の操作位置にある状態を示す斜視図、(b)は第一、第二の操作位置関係を示す説明図、(c)はシャフトが第二の操作位置にある場合の説明図、(d)はシャフトが第一の操作位置にある場合の説明図である。
【図42】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第8変形例を示す説明図である。(a)は前面斜視図、(b)は一部縦断説明図、(c)は背面斜視図である。
【図43】ワイヤー式操作部の第1実施の形態の操作部Cの第9変形例を示す説明図である。(a)は斜視図、(b)は第二の操作位置から第一の操作位置への移行過程を示す一部縦断説明図、(c)は第一の操作状態に移行した状態を示す一部縦断説明図である。
【図44】従来のチャイルドシートを示す前面側の斜視図である。
【図45】従来のチャイルドシートを示す背面側の斜視図である。
【符号の説明】
1 リトラクタ
2、21 枠体
3 長さ調整ベルト
4 歯車
5 係止爪
6 駆動板
7 ベルト調整金具
11、13、23 軸
12、22 回動板
14、24、25、29、39、42、43 バネ
15 ワイヤー
26、37 操作摘み
28、38 ロック摘み
31 係止突起
32 係止孔
201、220、230、245、268、272 ベース
202、222、232、242、259、276、287 シャフト
205、277 シャフト押さえ
207、223、234,243,278、288、296、302 操作摘まみ
208、260、284 アーム
210 コイルバネ
211 ワイヤー
215、248、254、280、291 ボタン
217、224、236、250,253、266、286、293、298 コイルバネ
218、225、239、244、256 爪
219、228、229、240、241、247、270、271、282、283、289、290 切り欠き溝
235 押さえ板
236 コイルバネ
237 ストツプリング
238 選択板
255 ストッパー
257、275 中空シャフト繋ぎ
264、308 復帰スプリング
279、292、306 係止板
294、300 枠体
297、301 移動体
299 滑り間座
A 緊急ロック部
B 手動ロック部
C 操作部

Claims (1)

  1. ドラムに巻回されたベルトが正常な走行状態ではベルト装着者に若干のテンションをかけながらも装着者の動きに追従して引き出されたり引き戻されたりしかつ前記ベルトが所定速度以上で急激に引かれた時には前記ドラムと一体に回転する歯車に係止爪を係止させることにより前記ドラムを回転停止して前記ベルトがそれ以上引き出されないようにする緊急ロック式リトラクタ機能を備えた緊急ロック部と、前記ドラムを手動により回転停止できる手動ロック部とを備えた緊急ロック式リトラクタであって前記手動ロック部が、手動操作で前記係止爪を前記歯車に係止させることにより前記ドラムを回転停止にして前記ベルトの引出し収納を規制するとともに、手動操作で前記係止爪と前記歯車との係止を解除するものである緊急ロック式リトラクタにおいて、
    前記手動ロック部が操作摘みを備え、前記操作摘みを第1の操作位置に固定した時前記手動ロック部による前記係止爪と前記歯車との係止が行われ、前記操作摘みを第2の操作位置に固定した時前記手動ロック部による前記係止爪と前記歯車との係止が解除される操作部を設け
    バネにより付勢されるロック摘みを前記操作摘みに設け、前記ロック摘みの一端を前記バネの付勢により所定位置に形成された係止孔に係止させ、前記操作摘みの前記第1及び第2の操作位置の固定を行ない
    かつ、前記係止爪の手動操作を、前記操作部と前記手動ロック部との間を連結する可撓性を有するワイヤーにより行うことを特徴とする緊急ロック式リトラクタ。
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