JP4159644B2 - α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法 - Google Patents
α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法に関する。さらに詳しくは、農薬等として有用な1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法ならびにその中間体であるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、農薬等に使用される1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法としては、(a)出発原料として2−クロロ−3−ニトロ安息香酸を用いる方法(特開昭64−90176号公報)、(b)出発原料として2,3−ジクロロ−ニトロベンゼンを用いる方法(国際公開第96/11906号パンフレット)および(c)出発原料として3−アミノ安息香酸を用いる方法(特開平9−235279号公報)が知られている。
【0003】
しかしながら、前記従来法の中で、前記(a)および(b)の方法には、原料である2−クロロ−3−ニトロ安息香酸および2,3−ジクロロ−ニトロベンゼンがいずれも汎用品ではないのでそれらの入手が困難であるとともに、それらの安価な製法が知られていないのみならず、製造工程が多段階からなり、さらにベンジルメルカプタン等の高価な試剤を製造に用いる必要があるため、時間と製造コストが嵩み、工業的生産性に劣るという欠点がある。
【0004】
また、前記(c)の方法は、製造過程で異性体が生成するとともに、加水分解などの反応の条件が厳しいなどの点から、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を工業的に製造することが困難であった。
【0005】
従って、従来知られているいずれの方法によっても、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を工業的に製造することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、1,2,3−ベンゾチアジアゾール誘導体である1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を高収率で効率よく製造しうる方法および該1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製造に有用な中間体を効率よく製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
〔1〕 式(I):
【0008】
【化9】
【0009】
で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化し、得られた式(II):
【0010】
【化10】
【0011】
で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することを特徴とする式(III) :
【0012】
【化11】
【0013】
で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法、
〔2〕 式(II):
【0014】
【化12】
【0015】
で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸、
〔3〕 式(I):
【0016】
【化13】
【0017】
で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化することを特徴とする式(II):
【0018】
【化14】
【0019】
で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の製法、および
〔4〕 式(II):
【0020】
【化15】
【0021】
で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することを特徴とする式(III) :
【0022】
【化16】
【0023】
で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法
に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の製法によれば、前記したように、式(I):
【0025】
【化17】
【0026】
で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化し、得られた式(II):
【0027】
【化18】
【0028】
で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することにより、式(III):
【0029】
【化19】
【0030】
で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を製造することができる。
【0031】
前記式(I)で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物は、例えば、2−ニトロフェニルチオグリコール酸を環化して得られた7−ニトロベンゾ〔b〕チオフェン−3(2H)−オンを酸化し、得られた7−ニトロベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンを還元することにより、容易に得ることができる。
【0032】
前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物としては、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンおよびその塩があげられる。
【0033】
前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等を挙げることができる。これらの中では、経済性、工業的生産性等の観点から、塩酸塩および硫酸塩が好ましい。
【0034】
前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化することにより、式(II)で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸が得られる。
【0035】
前記亜硝酸化合物としては、特に限定がないが、例えば、亜硝酸、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩、イソアミルニトリット等の有機ニトリット等が挙げられる。これらの中では、工業的生産性の見地から亜硝酸ナトリウムが好ましい。
【0036】
前記亜硝酸化合物の使用量は、特に限定されるものではないが、原料として用いる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物1モルに対して、反応を十分に進める意味から、1モル以上であることが好ましく、また、経済性の観点から、8モル以下、好ましくは3モル以下であることが望ましい。
【0037】
前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物をジアゾ化する際の温度は、通常、反応速度の低下を抑制する観点から約−20℃以上、好ましくは約−10℃以上であることが望ましく、また、副反応の発生を防ぎ、収率の低下を抑制する観点から約30℃以下、好ましくは約20℃以下であることが望ましい。
【0038】
また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化させる際に、酸を用いることが好ましい。
【0039】
前記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、フタル酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、それらの塩等が挙げられる。これらの中では、工業的生産性の見地から、塩酸および硫酸が好ましい。
【0040】
前記酸の使用量は、特に限定がないが、通常、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物1モルに対して、収率向上の観点から、1モル以上、好ましくは3モル以上であることが望ましく、また、経済性の観点から、30モル以下、好ましくは15モル以下であることが望ましい。
【0041】
また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化は、通常、水性溶媒、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物および亜硝酸化合物に対して不活性な溶媒などを使用して行なうことができる。
【0042】
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒等および水とこれらの混合溶媒が挙げられる。これらの中では、経済性、工業的生産性等の観点から、水および水・メタノール混合溶媒が好ましい。
【0043】
前記溶媒の使用量は、特に限定がないが、通常、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物1重量部に対して、反応の操作性向上の観点から、1重量部以上、好ましくは3重量部以上であることが望ましく、また、経済性の観点から、100重量部以下、好ましくは20重量部以下であることが望ましい。
【0044】
また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化に要する時間は、一概には限定することができないが、通常、0.5〜30時間程度であることが望ましい。
【0045】
かくして、式(II)で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を得ることができる。
【0046】
なお、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化の終点は、例えば、高性能液体クロマトグラフィー(以下、HPLCという)、薄層クロマトグラフィー(以下、TLCという)などの分析手段によって確認することができる。
【0047】
前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸は、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製造中間体として有用な化合物である。
【0048】
前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することにより、式(III)で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸が得られる。
【0049】
なお、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化に際しては、前記ジアゾ化した後に得られる反応液をはじめ、前記反応液から晶析等の常法により単離したα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を用いることができる。
【0050】
前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化は、例えば、酸化的分解、加熱等により、あるいはこれらを適宜組み合わせることにより行なうことができる。
【0051】
前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化を加熱しながら行なう場合、かかる加熱の温度は、一概には限定することができないが、通常、反応速度の低下を抑制する観点から、約0℃以上、好ましくは約10℃以上であることが望ましく、また、副反応を防ぎ、収率の低下を抑制する観点から約150℃以下、好ましくは約120℃以下であることが望ましい。
【0052】
なお、本発明においては、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化を、酸の存在下で行なった場合、より穏和な条件で脱カルボニル化を進行させることができる。
【0053】
前記酸としては、特に限定がないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、フタル酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等があげられる。これらの中では、工業的生産性の見地から、塩酸および硫酸が好ましい。
【0054】
なお、前記酸としては、前記ジアゾ化の際に用いた酸をそのまま用いることができる。
【0055】
前記酸の使用量は、特に限定がないが、通常、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸1モルに対して、反応速度を向上させる観点から、1モル以上、好ましくは3モル以上であることが望ましく、また、経済性の観点から、30モル以下、好ましくは15モル以下であることが望ましい。
【0056】
また、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化は、酸化剤の存在下で行なうことが好ましい。
【0057】
前記酸化剤としては、特に限定がなく、例えば、酸素、空気、オゾン、過酸化水素水、過酢酸、アルコールパーオキシド、次亜塩素酸、塩素酸、過ヨウ素酸およびそのアルカリ金属塩、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、重クロム酸ソーダ等の通常知られている酸化剤があげられる。これらの中では、工業的生産性の観点から、過酸化水素水が好ましい。
【0058】
前記酸化剤の使用量は、通常、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸1モルに対して、反応を十分に進行させる観点から、0.1モル以上、好ましくは1モル以上であることが望ましく、また、経済性の観点から、5モル以下、好ましくは3モル以下であることが望ましい。
【0059】
また、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化の際には、溶媒を用いることができる。
【0060】
前記溶媒は、特に限定がないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒等ならびにアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類および水とこれらの混合溶媒があげられる。これらの中では、経済性および工業的生産性の観点から、水、アセトン、水−アセトン混合溶媒が好ましい。
【0061】
また、前記溶媒として、ジアゾ化反応に用いた溶媒をそのまま用いることができる。
【0062】
前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化に要する時間は、一概には限定することができないが、通常0.5〜30時間程度であればよい。
【0063】
かくして式(III)で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸が得られるが、かかる脱カルボニル化の終点は、例えば、HPLC、TLCなどの分析手段によって確認することができる。
【0064】
反応終了後、得られた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸は、常法に従い、晶析等により容易に単離することができる。
【0065】
かくして得られた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸は、農薬等の原料として有用な化合物である。
【0066】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例になんら限定されるものではない。
【0067】
実施例1
撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン17.9g(0.10モル)、濃塩酸120g(1.15モル)および水60gを仕込み、得られた混合液を撹拌しながら0℃で2時間を要して20%亜硝酸ナトリウム水溶液380g(亜硝酸ナトリウム含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時間、さらに20℃で1時間撹拌して反応液を得た。
【0068】
得られた反応液中の一部を取り出し、生成している化合物がα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸であることを以下の物性によって確認した。
【0069】
融点:185〜186℃
元素分析値:C46.2;H1.89;N13.2(計算値 C46.15;H1.94;N13.46)
1H−NMR:δ(DMSO-d6)8.05(1H,t,J8Hz,芳香環),8.70(1H,d,J8Hz, 芳香環) ,9.16(1H,d,J8Hz,芳香環),9.93(1H,broad-s,-COOH)
IR(赤外吸収分光法):2904,1718,1660,1273,1211,1190,1111,1103,930cm -1
【0070】
次に、前記反応液を攪拌しながら20℃で2時間を要して10%過酸化水素水37.4g(過酸化水素含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時間撹拌した。
【0071】
その後、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥し、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸16.4g(0.091モル)を得た。7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンに対する収率は、91%であった。
【0072】
なお、得られた結晶が1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸であることは、以下の物性により確認することができた。
融点:262〜263℃
1H−NMR:δ(DMSO-d6)7.93(1H,t,J8Hz,芳香環),8.41(1H,d,J8Hz, 芳香環) ,9.00(1H,d,J8Hz,芳香環),13.5(1H,broad-s,-COOH)
IR(赤外吸収分光法):2890,1674,1230,1153,759cm -1
【0073】
以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンを亜硝酸ナトリウムの存在下でジアゾ化し、得られたα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を酸化剤の存在下で脱カルボニル化することにより、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を収率よく、効率的に得ることができることがわかる。
【0074】
実施例2
撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン塩酸塩21.6g(0.10モル)、濃塩酸120g(1.15モル)および水60gを仕込み、混合液を攪拌しながら0℃で2時間を要して20%亜硝酸ナトリウム水溶液38g(亜硝酸ナトリウム含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時間、さらに20℃で1時間撹拌して、反応液を得た。
【0075】
得られた反応液の一部を取り出し、生成している化合物の物性を実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であったことから、かかる化合物がα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸であることを確認した。
【0076】
次に、前記反応液に濃硫酸10g(0.1モル)を添加し、100℃で4時間撹拌した。
【0077】
その後、反応液中に析出した結晶を濾過し、水洗し、乾燥して、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸16.0g(0.089モル)を得た。7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンに対する収率は、89%であった。
【0078】
なお、得られた結晶の物性を実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であったことから、得られた結晶が、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸であることを確認できた。
【0079】
以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン塩酸塩を亜硝酸塩の存在下でジアゾ化し、得られたα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を酸の存在下で加熱して脱カルボニル化することにより、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を収率よく、効率的に得ることができることがわかる。
【0080】
実施例3
撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン17.9g(0.10モル)、濃塩酸120g(1.15モル)および水60gを仕込み、0 ℃で2時間を要して20%亜硝酸ナトリウム水溶液38g(亜硝酸ナトリウム含有量:0.11モル)を撹拌しながら滴下し、同温度で1時間、さらに20℃で1時間撹拌した。
【0081】
その後、反応液中に析出した結晶を濾過し、水洗し、乾燥してα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸19.3g(0.093モル)を得た。7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンに対する収率は、93%であった。
【0082】
なお、得られた結晶の物性を、実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であったことから、得られた結晶がα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸であることが確認できた。
【0083】
以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンを亜硝酸ナトリウムの存在下でジアゾ化することにより、α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を収率よく効率的に得ることができることがわかる。
【0084】
実施例4
撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコにα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸20.8g(0.10モル)および水100gを仕込み、混合液を攪拌しながら20℃で2時間を要して10%過酸化水素水37.4g(過酸化水素含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時間撹拌した。
【0085】
その後、反応液中に析出した結晶を濾過し、水洗し、乾燥して1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸17.1g(0.095モル)を得た。α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸に対する収率は、95%であった。
【0086】
なお、得られた結晶の物性を、実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であったことから、得られた結晶が1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸であることが確認できた。
【0087】
実施例4の結果から、α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することにより、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸を高収率で、効率的に得ることができることがわかる。
【0088】
【発明の効果】
本発明の製法によれば、1,2,3−ベンゾチアジアゾール誘導体である1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸および該1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製造に有用な中間体を高収率で効率よく得ることができるという効果が奏される。
Claims (11)
- ジアゾ化を酸の存在下で行なう請求項1記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 酸が塩酸である請求項2記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 亜硝酸化合物が亜硝酸ナトリウムである請求項1〜3いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 脱カルボニル化を加熱しながら行なう請求項1〜4いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 脱カルボニル化を酸の存在下で行なう請求項1〜5いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 脱カルボニル化を酸化剤の存在下で行なう請求項1〜6いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
- 酸化剤が過酸化水素水である請求項7記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01075098A JP4159644B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01075098A JP4159644B2 (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法 |
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