JPH11209359A - α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法 - Google Patents

α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法

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JPH11209359A
JPH11209359A JP10010750A JP1075098A JPH11209359A JP H11209359 A JPH11209359 A JP H11209359A JP 10010750 A JP10010750 A JP 10010750A JP 1075098 A JP1075098 A JP 1075098A JP H11209359 A JPH11209359 A JP H11209359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カル
ボン酸を高収率で効率よく製造しうる方法及び該カルボ
ン酸の製造に有用な中間体を効率よく製造しうる方法を
提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】 で表される7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3
−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化し、
得られたα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−酢酸を脱カルボニル化することを特徴とする
1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の
製法、並びに前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸及びその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−オキソ−1,
2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸およびその製
法ならびにそれを用いた1,2,3−ベンゾチアジアゾ
ール−7−カルボン酸の製法に関する。さらに詳しく
は、農薬等として有用な1,2,3−ベンゾチアジアゾ
ール−7−カルボン酸の製法ならびにその中間体である
α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−
酢酸およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、農薬等に使用される1,
2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法
としては、(a)出発原料として2−クロロ−3−ニト
ロ安息香酸を用いる方法(特開昭64−90176号公
報)、(b)出発原料として2,3−ジクロロ−ニトロ
ベンゼンを用いる方法(国際公開第96/11906号
パンフレット)および(c)出発原料として3−アミノ
安息香酸を用いる方法(特開平9−235279号公
報)が知られている。
【0003】しかしながら、前記従来法の中で、前記
(a)および(b)の方法には、原料である2−クロロ
−3−ニトロ安息香酸および2,3−ジクロロ−ニトロ
ベンゼンがいずれも汎用品ではないのでそれらの入手が
困難であるとともに、それらの安価な製法が知られてい
ないのみならず、製造工程が多段階からなり、さらにベ
ンジルメルカプタン等の高価な試剤を製造に用いる必要
があるため、時間と製造コストが嵩み、工業的生産性に
劣るという欠点がある。
【0004】また、前記(c)の方法は、製造過程で異
性体が生成するとともに、加水分解などの反応の条件が
厳しいなどの点から、1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−カルボン酸を工業的に製造することが困難であ
った。
【0005】従って、従来知られているいずれの方法に
よっても、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カ
ルボン酸を工業的に製造することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、1,2,3−ベンゾチ
アジアゾール誘導体である1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸を高収率で効率よく製造しうる
方法および該1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−
カルボン酸の製造に有用な中間体を効率よく製造するこ
とができる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、〔1〕
式(I):
【0008】
【化9】
【0009】で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオ
フェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下
でジアゾ化し、得られた式(II):
【0010】
【化10】
【0011】で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化するこ
とを特徴とする式(III) :
【0012】
【化11】
【0013】で表わされる1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸の製法、〔2〕 式(II):
【0014】
【化12】
【0015】で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸、〔3〕 式(I):
【0016】
【化13】
【0017】で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオ
フェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下
でジアゾ化することを特徴とする式(II):
【0018】
【化14】
【0019】で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸の製法、および〔4〕
式(II):
【0020】
【化15】
【0021】で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化するこ
とを特徴とする式(III) :
【0022】
【化16】
【0023】で表わされる1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸の製法に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の製法によれば、前記した
ように、式(I):
【0025】
【化17】
【0026】で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオ
フェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下
でジアゾ化し、得られた式(II):
【0027】
【化18】
【0028】で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化するこ
とにより、式(III):
【0029】
【化19】
【0030】で表わされる1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸を製造することができる。
【0031】前記式(I)で表わされる7−アミノベン
ゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物は、例え
ば、2−ニトロフェニルチオグリコール酸を環化して得
られた7−ニトロベンゾ〔b〕チオフェン−3(2H)
−オンを酸化し、得られた7−ニトロベンゾ〔b〕チオ
フェン−2,3−ジオンを還元することにより、容易に
得ることができる。
【0032】前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン化合物としては、7−アミノベンゾ
〔b〕チオフェン−2,3−ジオンおよびその塩があげ
られる。
【0033】前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸
塩、リン酸塩、硝酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、シュウ酸
塩、マロン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有機カル
ボン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩等の有機スルホン酸塩等を挙げることができる。こ
れらの中では、経済性、工業的生産性等の観点から、塩
酸塩および硫酸塩が好ましい。
【0034】前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ
化することにより、式(II)で表わされるα−オキソ−
1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸が得られ
る。
【0035】前記亜硝酸化合物としては、特に限定がな
いが、例えば、亜硝酸、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリ
ウム等の亜硝酸アルカリ金属塩、イソアミルニトリット
等の有機ニトリット等が挙げられる。これらの中では、
工業的生産性の見地から亜硝酸ナトリウムが好ましい。
【0036】前記亜硝酸化合物の使用量は、特に限定さ
れるものではないが、原料として用いる7−アミノベン
ゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオン化合物1モルに対
して、反応を十分に進める意味から、1モル以上である
ことが好ましく、また、経済性の観点から、8モル以
下、好ましくは3モル以下であることが望ましい。
【0037】前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン化合物をジアゾ化する際の温度は、通
常、反応速度の低下を抑制する観点から約−20℃以
上、好ましくは約−10℃以上であることが望ましく、
また、副反応の発生を防ぎ、収率の低下を抑制する観点
から約30℃以下、好ましくは約20℃以下であること
が望ましい。
【0038】また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフ
ェン−2,3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下で
ジアゾ化させる際に、酸を用いることが好ましい。
【0039】前記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リ
ン酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、安息
香酸、フタル酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、それ
らの塩等が挙げられる。これらの中では、工業的生産性
の見地から、塩酸および硫酸が好ましい。
【0040】前記酸の使用量は、特に限定がないが、通
常、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−
ジオン化合物1モルに対して、収率向上の観点から、1
モル以上、好ましくは3モル以上であることが望まし
く、また、経済性の観点から、30モル以下、好ましく
は15モル以下であることが望ましい。
【0041】また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフ
ェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化は、通常、水性
溶媒、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3
−ジオン化合物および亜硝酸化合物に対して不活性な溶
媒などを使用して行なうことができる。
【0042】前記溶媒としては、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DM
SO)等の極性溶媒等および水とこれらの混合溶媒が挙
げられる。これらの中では、経済性、工業的生産性等の
観点から、水および水・メタノール混合溶媒が好まし
い。
【0043】前記溶媒の使用量は、特に限定がないが、
通常、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3
−ジオン化合物1重量部に対して、反応の操作性向上の
観点から、1重量部以上、好ましくは3重量部以上であ
ることが望ましく、また、経済性の観点から、100重
量部以下、好ましくは20重量部以下であることが望ま
しい。
【0044】また、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフ
ェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化に要する時間
は、一概には限定することができないが、通常、0.5
〜30時間程度であることが望ましい。
【0045】かくして、式(II)で表わされるα−オキ
ソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を得
ることができる。
【0046】なお、前記7−アミノベンゾ〔b〕チオフ
ェン−2,3−ジオン化合物のジアゾ化の終点は、例え
ば、高性能液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと
いう)、薄層クロマトグラフィー(以下、TLCとい
う)などの分析手段によって確認することができる。
【0047】前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸は、1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸の製造中間体として有用な化合
物である。
【0048】前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することによ
り、式(III)で表わされる1,2,3−ベンゾチアジア
ゾール−7−カルボン酸が得られる。
【0049】なお、前記α−オキソ−1,2,3−ベン
ゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化に際して
は、前記ジアゾ化した後に得られる反応液をはじめ、前
記反応液から晶析等の常法により単離したα−オキソ−
1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を用いる
ことができる。
【0050】前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化は、例えば、酸
化的分解、加熱等により、あるいはこれらを適宜組み合
わせることにより行なうことができる。
【0051】前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化を加熱しながら
行なう場合、かかる加熱の温度は、一概には限定するこ
とができないが、通常、反応速度の低下を抑制する観点
から、約0℃以上、好ましくは約10℃以上であること
が望ましく、また、副反応を防ぎ、収率の低下を抑制す
る観点から約150℃以下、好ましくは約120℃以下
であることが望ましい。
【0052】なお、本発明においては、前記α−オキソ
−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カ
ルボニル化を、酸の存在下で行なった場合、より穏和な
条件で脱カルボニル化を進行させることができる。
【0053】前記酸としては、特に限定がないが、例え
ば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の鉱酸、酢酸、シュウ
酸、マロン酸、安息香酸、フタル酸等の有機カルボン
酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有
機スルホン酸等があげられる。これらの中では、工業的
生産性の見地から、塩酸および硫酸が好ましい。
【0054】なお、前記酸としては、前記ジアゾ化の際
に用いた酸をそのまま用いることができる。
【0055】前記酸の使用量は、特に限定がないが、通
常、前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−酢酸1モルに対して、反応速度を向上させる観
点から、1モル以上、好ましくは3モル以上であること
が望ましく、また、経済性の観点から、30モル以下、
好ましくは15モル以下であることが望ましい。
【0056】また、前記α−オキソ−1,2,3−ベン
ゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化は、酸化
剤の存在下で行なうことが好ましい。
【0057】前記酸化剤としては、特に限定がなく、例
えば、酸素、空気、オゾン、過酸化水素水、過酢酸、ア
ルコールパーオキシド、次亜塩素酸、塩素酸、過ヨウ素
酸およびそのアルカリ金属塩、過マンガン酸カリウム、
二酸化マンガン、重クロム酸ソーダ等の通常知られてい
る酸化剤があげられる。これらの中では、工業的生産性
の観点から、過酸化水素水が好ましい。
【0058】前記酸化剤の使用量は、通常、前記α−オ
キソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸1
モルに対して、反応を十分に進行させる観点から、0.
1モル以上、好ましくは1モル以上であることが望まし
く、また、経済性の観点から、5モル以下、好ましくは
3モル以下であることが望ましい。
【0059】また、前記α−オキソ−1,2,3−ベン
ゾチアジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化の際に
は、溶媒を用いることができる。
【0060】前記溶媒は、特に限定がないが、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)等の極性溶媒等ならびにアセトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類および水とこれら
の混合溶媒があげられる。これらの中では、経済性およ
び工業的生産性の観点から、水、アセトン、水−アセト
ン混合溶媒が好ましい。
【0061】また、前記溶媒として、ジアゾ化反応に用
いた溶媒をそのまま用いることができる。
【0062】前記α−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸の脱カルボニル化に要する時間
は、一概には限定することができないが、通常0.5〜
30時間程度であればよい。
【0063】かくして式(III)で表わされる1,2,3
−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸が得られる
が、かかる脱カルボニル化の終点は、例えば、HPL
C、TLCなどの分析手段によって確認することができ
る。
【0064】反応終了後、得られた1,2,3−ベンゾ
チアジアゾール−7−カルボン酸は、常法に従い、晶析
等により容易に単離することができる。
【0065】かくして得られた1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−カルボン酸は、農薬等の原料として有
用な化合物である。
【0066】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は、これら実施例になんら限定され
るものではない。
【0067】実施例1 撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四
つ口フラスコに、7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン17.9g(0.10モル)、濃塩酸1
20g(1.15モル)および水60gを仕込み、得ら
れた混合液を撹拌しながら0℃で2時間を要して20%
亜硝酸ナトリウム水溶液380g(亜硝酸ナトリウム含
有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時
間、さらに20℃で1時間撹拌して反応液を得た。
【0068】得られた反応液中の一部を取り出し、生成
している化合物がα−オキソ−1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−酢酸であることを以下の物性によって
確認した。
【0069】融点:185〜186℃ 元素分析値:C46.2;H1.89;N13.2(計算値 C46.15;H1.9
4;N13.46)1 H−NMR:δ(DMSO-d6)8.05(1H,t,J8Hz,芳香環),8.7
0(1H,d,J8Hz, 芳香環),9.16(1H,d,J8Hz,芳香環),9.93
(1H,broad-s,-COOH) IR(赤外吸収分光法):2904,1718,1660,1273,1211,1
190,1111,1103,930cm -1
【0070】次に、前記反応液を攪拌しながら20℃で
2時間を要して10%過酸化水素水37.4g(過酸化
水素含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で
1時間撹拌した。
【0071】その後、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥
し、1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン
酸16.4g(0.091モル)を得た。7−アミノベ
ンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジオンに対する収率
は、91%であった。
【0072】なお、得られた結晶が1,2,3−ベンゾ
チアジアゾール−7−カルボン酸であることは、以下の
物性により確認することができた。 融点:262〜263℃1 H−NMR:δ(DMSO-d6)7.93(1H,t,J8Hz,芳香環),8.4
1(1H,d,J8Hz, 芳香環),9.00(1H,d,J8Hz,芳香環),13.5
(1H,broad-s,-COOH) IR(赤外吸収分光法):2890,1674,1230,1153,759cm
-1
【0073】以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕
チオフェン−2,3−ジオンを亜硝酸ナトリウムの存在
下でジアゾ化し、得られたα−オキソ−1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−酢酸を酸化剤の存在下で脱カ
ルボニル化することにより、1,2,3−ベンゾチアジ
アゾール−7−カルボン酸を収率よく、効率的に得るこ
とができることがわかる。
【0074】実施例2 撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四
つ口フラスコに7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン塩酸塩21.6g(0.10モル)、濃
塩酸120g(1.15モル)および水60gを仕込
み、混合液を攪拌しながら0℃で2時間を要して20%
亜硝酸ナトリウム水溶液38g(亜硝酸ナトリウム含有
量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1時間、
さらに20℃で1時間撹拌して、反応液を得た。
【0075】得られた反応液の一部を取り出し、生成し
ている化合物の物性を実施例1と同様にして測定したと
ころ、実施例1と同様の結果であったことから、かかる
化合物がα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−酢酸であることを確認した。
【0076】次に、前記反応液に濃硫酸10g(0.1
モル)を添加し、100℃で4時間撹拌した。
【0077】その後、反応液中に析出した結晶を濾過
し、水洗し、乾燥して、1,2,3−ベンゾチアジアゾ
ール−7−カルボン酸16.0g(0.089モル)を
得た。7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,3−ジ
オンに対する収率は、89%であった。
【0078】なお、得られた結晶の物性を実施例1と同
様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であっ
たことから、得られた結晶が、1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−カルボン酸であることを確認できた。
【0079】以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕
チオフェン−2,3−ジオン塩酸塩を亜硝酸塩の存在下
でジアゾ化し、得られたα−オキソ−1,2,3−ベン
ゾチアジアゾール−7−酢酸を酸の存在下で加熱して脱
カルボニル化することにより、1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−カルボン酸を収率よく、効率的に得る
ことができることがわかる。
【0080】実施例3 撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四
つ口フラスコに7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−
2,3−ジオン17.9g(0.10モル)、濃塩酸1
20g(1.15モル)および水60gを仕込み、0 ℃
で2時間を要して20%亜硝酸ナトリウム水溶液38g
(亜硝酸ナトリウム含有量:0.11モル)を撹拌しな
がら滴下し、同温度で1時間、さらに20℃で1時間撹
拌した。
【0081】その後、反応液中に析出した結晶を濾過
し、水洗し、乾燥してα−オキソ−1,2,3−ベンゾ
チアジアゾール−7−酢酸19.3g(0.093モ
ル)を得た。7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,
3−ジオンに対する収率は、93%であった。
【0082】なお、得られた結晶の物性を、実施例1と
同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であ
ったことから、得られた結晶がα−オキソ−1,2,3
−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸であることが確認で
きた。
【0083】以上の結果から、7−アミノベンゾ〔b〕
チオフェン−2,3−ジオンを亜硝酸ナトリウムの存在
下でジアゾ化することにより、α−オキソ−1,2,3
−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を収率よく効率的に
得ることができることがわかる。
【0084】実施例4 撹拌機、温度計および冷却管を備えた300mL容の四
つ口フラスコにα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジ
アゾール−7−酢酸20.8g(0.10モル)および
水100gを仕込み、混合液を攪拌しながら20℃で2
時間を要して10%過酸化水素水37.4g(過酸化水
素含有量:0.11モル)を滴下したのち、同温度で1
時間撹拌した。
【0085】その後、反応液中に析出した結晶を濾過
し、水洗し、乾燥して1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−カルボン酸17.1g(0.095モル)を得
た。α−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジアゾール−
7−酢酸に対する収率は、95%であった。
【0086】なお、得られた結晶の物性を、実施例1と
同様にして測定したところ、実施例1と同様の結果であ
ったことから、得られた結晶が1,2,3−ベンゾチア
ジアゾール−7−カルボン酸であることが確認できた。
【0087】実施例4の結果から、α−オキソ−1,
2,3−ベンゾチアジアゾール−7−酢酸を脱カルボニ
ル化することにより、1,2,3−ベンゾチアジアゾー
ル−7−カルボン酸を高収率で、効率的に得ることがで
きることがわかる。
【0088】
【発明の効果】本発明の製法によれば、1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール誘導体である1,2,3−ベンゾチ
アジアゾール−7−カルボン酸および該1,2,3−ベ
ンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製造に有用な中
間体を高収率で効率よく得ることができるという効果が
奏される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,
    3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化
    し、得られた式(II): 【化2】 で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することを特徴とす
    る式(III) : 【化3】 で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−
    カルボン酸の製法。
  2. 【請求項2】 ジアゾ化を酸の存在下で行なう請求項1
    記載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボ
    ン酸の製法。
  3. 【請求項3】 酸が塩酸である請求項2記載の1,2,
    3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン酸の製法。
  4. 【請求項4】 亜硝酸化合物が亜硝酸ナトリウムである
    請求項1〜3いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジ
    アゾール−7−カルボン酸の製法。
  5. 【請求項5】 脱カルボニル化を加熱しながら行なう請
    求項1〜4いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−カルボン酸の製法。
  6. 【請求項6】 脱カルボニル化を酸の存在下で行なう請
    求項1〜5いずれか記載の1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−カルボン酸の製法。
  7. 【請求項7】 脱カルボニル化を酸化剤の存在下で行な
    う請求項1〜6いずれか記載の1,2,3−ベンゾチア
    ジアゾール−7−カルボン酸の製法。
  8. 【請求項8】 酸化剤が過酸化水素水である請求項7記
    載の1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボン
    酸の製法。
  9. 【請求項9】 式(II): 【化4】 で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−酢酸。
  10. 【請求項10】 式(I): 【化5】 で表わされる7−アミノベンゾ〔b〕チオフェン−2,
    3−ジオン化合物を亜硝酸化合物の存在下でジアゾ化す
    ることを特徴とする式(II): 【化6】 で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−酢酸の製法。
  11. 【請求項11】 式(II): 【化7】 で表わされるα−オキソ−1,2,3−ベンゾチアジア
    ゾール−7−酢酸を脱カルボニル化することを特徴とす
    る式(III) : 【化8】 で表わされる1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−
    カルボン酸の製法。
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