JP4550522B2 - 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 - Google Patents
6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4550522B2 JP4550522B2 JP2004239366A JP2004239366A JP4550522B2 JP 4550522 B2 JP4550522 B2 JP 4550522B2 JP 2004239366 A JP2004239366 A JP 2004239366A JP 2004239366 A JP2004239366 A JP 2004239366A JP 4550522 B2 JP4550522 B2 JP 4550522B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chloro
- naphthalenesulfonic acid
- chloride
- reaction
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
当該化合物の公知の製造法としては、2−クロロナフタレンをスルホン化し、次いでスルホン基をクロル化する方法が知られているが、異性体の副生により、高純度の製品を得ることが困難である。
一方、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸若しくはその塩を、ジアゾ化反応及びザンドマイヤー反応により6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸とし、次いで五塩化リン、オキシ塩化リン、塩化チオニルなどの塩素化剤により塩素化する方法も知られている。
また、塩素化反応においても塩化チオニルと共にDMFを大量に使用するため廃液量が大きく、環境負荷が高い方法といえる。塩素化反応に五塩化リンやオキシ塩化リンを使用した場合にはリン廃液の環境負荷が高くなるという問題がある。
このように、従来の製造方法には種々の問題があり、6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリドの工業的に確立された製造方法は知られていない。
また、本発明の6−クロロナフタレンスルホニルクロリドの製造方法では、上記の方法で得られた6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を、非極性溶媒と極性溶媒を併用して塩素化しており、塩素化効率を高めることができる。
従って、本発明を利用することにより、医薬等の中間物として有用な6−クロロナフタレンスルホニルクロリドを高収率にて製造することができるという効果を奏する。
更に6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を極性溶剤の存在下、塩化チオニルと反応させることからなる6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリドの製造方法である。
即ち、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸を原料とし、ジアゾ化〜ザンドマイヤー反応工程と塩素化工程の2工程により、6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリドを製造するものである。
ジアゾ化反応は、常法に準じ、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸を、水溶媒中、塩酸酸性下において亜硝酸又はその塩によりジアゾ化することにより行うことができる。なお、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸は塩の形態で使用してもよい。
亜硝酸塩としては、通常、亜硝酸ナトリウムが使用されるが、それに限定されるものではない。
無機塩としては、反応に悪影響を及ぼすことがなく、塩析効果を生ずることのできる塩であれば特に限定はされない。係る塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、硫酸ナトリウム等)、アルカリ土類塩(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等)などを挙げることができる。
また、使用する塩化銅(I)については、ジアゾ化物に対して1.0-10モル比程度が好ましく、より好ましくは1.0-2.0モル比程度が望ましい。
反応温度は室温から100℃の間の任意の範囲にて反応可能である。
上述のザンドマイヤー反応は塩酸の存在下に行うのが好ましく、塩酸の添加量は、ジアゾ化物に対して1-30モル比程度が好ましく、より好ましくは5-20モル比が望ましい。
係る工程により、通常、6−クロロナフタレン−2−スルホン酸は反応系から析出するので、析出物を濾取し、必要に応じて精製を行い、または精製することなく次工程に使用する。
係る塩素化工程は、極性溶剤と他の溶剤との混合溶剤中で行われる。他の溶剤としては、反応に悪影響を与えない溶剤であれば種々の溶剤を使用することができるが、回収使用が容易に実施しうるベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等の非極性溶媒が好適に使用される。
係る溶媒の使用量は、6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸が溶解する範囲であれば任意に設定しうるが、経済性を考慮すると6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸に対して1重量部から50重量部の範囲が望ましい。
反応試剤である塩化チオニルは、6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸に対し1.0〜2.0モル比の範囲であればよいが、経済性を考慮すると1.05~1.20モル比の範囲が好ましい。
反応温度は室温から還流下の任意の範囲で実施可能である。
反応終了後、常法に準じて後処理することにより、6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリドを得ることができる。
ジアゾ化〜ザンドマイヤー工程
水449.6gに、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸84.4g(0.2997mol)及び濃塩酸236.9gを加え、混合し冷却した。ここへ、NaNO222.4gを水45.0gに溶解させた溶液を氷冷下で滴下した後1.5hr反応した。それに尿素2.0gを添加しジアゾ化液を得た。
水191.8g、濃塩酸212.2g、塩化銅44.0g、食塩101gを仕込み氷冷した後、前述のジアゾ化物を氷冷下で滴下し、2時間反応させた。次いで生成した結晶を濾取し、6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸71.2g(収率91%)が得られた。
6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸71.2g(0.2691mol)、トルエン350.3g及びDMF33.3gを混合し、ここにSOCl238.3gを滴下ロートから徐々に加えた後、98℃まで昇温した。100℃で4hr保温後、常温まで冷却した。反応物を水1467.1gに40℃以下で加え、25℃で1時間攪拌後有機層を分取した。得られた有機層を洗浄後、減圧濃縮し、残渣にヘプタン159gを43〜56℃で滴下し、生成した結晶を濾取、乾燥することにより6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリド63.6gを得た(0.2435モル、収率90.5%)。
実施例1のザンドマイヤー反応において、食塩を使用せずにザンドマイヤー反応を行った結果、得られた6‐クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の収量は38.3g(収率49%)であった。
実施例1のザンドマイヤー反応において、食塩の代わりに塩化カリウムを使用する以外は同様に行い、ほぼ同様な収率で6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を得た。
実施例1のザンドマイヤー反応において、食塩の代わりに硫酸ナトリウムを使用する以外は同様に行い、ほぼ同様な収率で6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を得た。
実施例1のスルホニルクロリド化工程において、DMFの代わりにN−メチルピロリドンを使用する以外は同様に行い、ほぼ同様な収率で6−クロロ−2−ナフタレンスルホニルクロリドを得た。
亜硝酸ナトリウム(2.7g)の水(5ml)溶液を0℃ まで冷却した、6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(8.8 g)、希塩酸水溶液(2.8%重量/体積,20ml)および水(15ml)の撹拌混合物に2時間かけて加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、ついで、塩化第1銅(3.96g)の希塩酸水溶液(2.8%,20ml)撹拌懸濁液に注いだ。混合物を周囲温度で18時間貯蔵した。混合物を蒸発させると、6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を与え、これは、さらに精製することなく使用した。
上記物質をDMF(40ml)に懸濁させ、5℃ まで冷却した。チオニルクロライド(8.6m l)を滴下し、混合物を5℃で3時間撹拌した。混合物を氷に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機溶液を(MgSO4で)乾燥し、蒸発させた。ヘキサンと酢酸エチルとの20:1混合物を溶離液として使用し、カラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。かくして、6−クロロ−2−ナフチルスルホニルクロライド(2.49g)が得られた。
Claims (2)
- 6−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸をジアゾ化反応に付してジアゾ化物とし、次いでアルカリ金属塩の存在下で塩化銅と反応させることにより6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸を得ることを特徴とする6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法。
- アルカリ金属塩が、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム又は硫酸ナトリウムである請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004239366A JP4550522B2 (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004239366A JP4550522B2 (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006056815A JP2006056815A (ja) | 2006-03-02 |
JP4550522B2 true JP4550522B2 (ja) | 2010-09-22 |
Family
ID=36104589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004239366A Expired - Fee Related JP4550522B2 (ja) | 2004-08-19 | 2004-08-19 | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4550522B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11511161A (ja) * | 1995-08-15 | 1999-09-28 | ゼネカ・リミテッド | オキシド−スクアレンサイクラーゼ阻害剤の血中コレステロールを低下させるための使用 |
JP2000504337A (ja) * | 1996-02-02 | 2000-04-11 | ゼネカ リミテッド | 抗血栓剤または抗凝固剤としてのアミノヘテロ環状誘導体 |
JP2004059514A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-26 | Nissan Chem Ind Ltd | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造法 |
-
2004
- 2004-08-19 JP JP2004239366A patent/JP4550522B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11511161A (ja) * | 1995-08-15 | 1999-09-28 | ゼネカ・リミテッド | オキシド−スクアレンサイクラーゼ阻害剤の血中コレステロールを低下させるための使用 |
JP2000504337A (ja) * | 1996-02-02 | 2000-04-11 | ゼネカ リミテッド | 抗血栓剤または抗凝固剤としてのアミノヘテロ環状誘導体 |
JP2004059514A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-26 | Nissan Chem Ind Ltd | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006056815A (ja) | 2006-03-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2542531B1 (en) | Process for synthesis of fipronil | |
US20070161797A1 (en) | Process for the manufacture of 2,3-dichloropyridine | |
JPH0314025B2 (ja) | ||
EP1852421B1 (en) | Process for production of 4-fluoroisoquinoline-5-sulfonyl halide or salt thereof | |
EP0770599B1 (en) | Process for the preparation of aromatic or heteroaromatic sulfonyl halides | |
US10633352B2 (en) | Process for preparing 1,1,3-trioxo-1,2-benzothiazole-6-carboxamide | |
JP4550522B2 (ja) | 6−クロロ−2−ナフタレンスルホン酸の製造方法 | |
US20060142595A1 (en) | Process for preparing 5,6-dihydro-4-(S)-(ethylamino)-6-(S) methyl-4H-thieno[2,3b]thiopyran-2-sulphonamide-7,7-dioxide HCI | |
JP2000143649A (ja) | 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法 | |
JP2003534335A (ja) | 2‐クロル‐5‐クロルメチル‐1,3‐チアゾールの製法 | |
JP3882547B2 (ja) | 4−フタロニトリル誘導体の製造方法 | |
US5290943A (en) | Method of producing 2-acyl amino 5-halogenopyridine compounds | |
JP4159022B2 (ja) | ジホスゲン及びトリホスゲンを使用したジアゾナフトキノンスルホニルクロリドの調製法 | |
KR101605185B1 (ko) | 2-(2-프탈이미도에톡시)아세트산의 제조방법 | |
JP3959994B2 (ja) | 4−フタロニトリル誘導体の製造方法 | |
JPH04984B2 (ja) | ||
CN113582926A (zh) | 4-氟异喹啉-5-磺酰氯或其药学上可接受的盐的合成方法 | |
JP4321800B2 (ja) | 2−ブロモチオフェン−5−スルホニルクロライドの製造方法 | |
JPH02169564A (ja) | 2―クロロ―4―メチルスルホニル―m―キシレン及びその製法 | |
JP3965787B2 (ja) | 2−クロロ−5−ヒドロキシピリジンの製造方法 | |
JPH08143530A (ja) | シアノベンゼンスルホニルクロリドの製造方法 | |
JPH05140134A (ja) | 3−クロロ−4−ヒドロキシ−1,2,5−チアジアゾールを製造する方法 | |
JP2003026646A (ja) | 4−ブロモフタロニトリルの製造方法 | |
JPS60193936A (ja) | 2,6−ジクロロトルエン誘導体及びその製法 | |
JPH05140133A (ja) | 3−クロロ−4−ヒドロキシ−1,2,5−チアジアゾールの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070801 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100409 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100531 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100625 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100708 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4550522 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |