JP4159131B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部の先端部に設けた対物レンズ部を構成する対物レンズが曇ることによる視野不良を防止する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる医療用の内視鏡が広く利用されている。
【0003】
内視鏡の先端部には複数の光学レンズを配設した対物レンズ部が設けられており、内視鏡検査の際、内視鏡の挿入部を患者の体腔内に挿入すると、挿入部が体温により加温されるにつれて対物レンズ部内の温度も上昇する。このように温度が上昇した状態のとき、挿入部先端に設けられているレンズカバーの表面に向けて、付着している汚物や粘液等を除去するために、送気・送水用ノズルから送水を行った場合、先端に配置されている対物レンズが送水された水によって冷却される。このことにより、この対物レンズ部内の温度が急激に下がって、前記対物レンズ部内に配設されている対物レンズ間に存在する空気層に含まれている水分がレンズ表面に結露して視野曇りが発生することにより、内視鏡観察や写真撮影の妨げになる。
【0004】
また、対物レンズ部を構成する複数の対物レンズは、この対物レンズとは熱膨張係数の異なる対物レンズ枠内に嵌挿されて接着剤によって接着固定されている。このため、対物レンズ及び対物レンズ枠が熱応力を受けて収縮若しくは膨張すると、2つの部材の熱膨張係数が異なることによって、対物レンズと対物レンズ枠とを固定している接着部分に剥離が生じ、この剥離した部分から湿気が侵入して視野曇りが発生していた。
【0005】
つまり、前記対物レンズ枠内に、対物レンズの厚み寸法がこの対物レンズの外径寸法に比べて小さな厚みで薄いものが嵌挿されて接着固定されていた場合、対物レンズの側周面積が小さいことにより十分な接着状態で固定されないため、対物レンズ若しくは対物レンズ枠が熱応力によって膨張又は収縮して変形したとき、接着部分が容易に剥離し易い構造であった。
【0006】
加えて、前記対物レンズ枠から対物レンズに働く熱応力は、まず対物レンズの側面に対してかかるので、この対物レンズの側周面の変形量は、他の部位、例えば対物レンズ光軸近傍に比べて大きくなるため剥離が生じ易くなる。更に、対物レンズ枠から対物レンズに働く熱応力は、対物レンズの厚さが薄ければ薄いほど、対物レンズの側周面が受ける単位面積当たりの熱応力が大きくなり、対物レンズの側周面の変形量が対物レンズ光軸近傍に比べて大きくなって、より剥離が生じ易い構造になる。
【0007】
内視鏡の挿入部を腹腔内に挿入したとき、レンズ間の空間部内に存在する水分がレンズ表面に結露して曇りが発生する問題を解決するため、例えば実開昭63−54117号公報には挿入部の先端部に配設される対物レンズ部を構成する光学系の一部に透明なゲル状物質を導光路として設け、水分の含み得る空気層の領域を少なくして水分の結露による曇りの発生を防止するようにした内視鏡が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実開昭63−54117号公報の内視鏡では、対物レンズ部組立て時に気泡を混在させることなくゲル状物質を導光路として設けることが非常に困難であるとともに、気泡の混在やゲル状物質の硬化ムラなどによって均一な屈折率を確保することが難しく、十分な光学特性を得られないとう問題があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の挿入部の先端部に配設される対物レンズ部を構成する対物レンズに発生する曇りを防止する内視鏡を提供することを目的にしている。
【0010】
本発明の内視鏡は、体腔内に挿入可能な挿入部の先端部に複数の対物レンズを有する対物レンズ部を備える内視鏡において、前記対物レンズ部は、少なくとも1つの対物レンズが接着固定された第1対物レンズ枠と、少なくとも1つの対物レンズが接着固定された第2対物レンズ枠と、前記第1対物レンズ枠および前記第2対物レンズ枠間に嵌着され、少なくとも1つの対物レンズが内部に接着固定された筒状の絶縁枠とを具備している。
また、前記第1対物レンズ枠に、第1対物レンズ及び第2対物レンズを接着固定する構成において、前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとを光学絞りを介在させた状態で接合している。
さらに、前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとは熱膨張係数が同じで、前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとを接合したときの厚み寸法は、第1対物レンズ及び第2対物レンズの外径寸法と略同じ寸法に設定している。
【0011】
この構成によれば、2つの対物レンズを接合したことによって、2つの対物レンズの間に存在する空気層が極めて少なくするとともに、レンズの熱容量が大きくなって外表面の温度変化が対物レンズ枠内の空気層に伝導し難くなる。また、対物レンズの厚み寸法が対物レンズの外径寸法と略同じ若しくは大きいので対物レンズ外表面からの熱応力と側面からの熱応力を接合して形成された対物レンズ全体で均等に分散させれるとともに、レンズとレンズ枠との接着部の範囲が大きくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図6は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡装置の概略構成を示す説明図、図2は挿入部の先端部の構成を説明する長手方向断面図、図3は信号ケーブルの構成を説明する断面図、図4は同軸線の構成を示す斜視図、図5は単純線の構成を示す斜視図、図6は対物レンズ部の構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置は、先端部にCCDなどの撮像素子を備えた電子内視鏡(以下内視鏡と略記する)1と、この内視鏡1に観察用の照明光を供給するための光源装置2と、前記撮像素子に結像して光電変換された電気信号を画像信号に生成する映像信号処理回路や駆動回路を内蔵したビデオプロセッサ3と、このビデオプロセッサ3で生成した画像信号が伝達されて内視鏡画像を表示するモニタ4と、このモニタ4に映し出される内視鏡画像を記録するVTRデッキ5と、術者の希望する内視鏡画像をプリントアウトするビデオプリンタ6と、前記内視鏡画像を記録するビデオディスク7等の周辺機器等とで主に構成されている。
【0014】
前記電子内視鏡1の挿入部8は、体腔内に挿入することが可能な細長で可撓性を有する可撓管9と、この可撓管9の基端側に連設された操作部10とを有している。前記可撓管9の先端部には、複数の湾曲駒を連接させて例えば上下・左右方向に湾曲自在に構成した湾曲部11を介して硬質の先端部12が設けられており、前記操作部10に配設されている図示しない上下、左右湾曲操作ノブを操作することによって湾曲部11を所望の方向に湾曲させて、前記先端部12に設けられている図示しない観察窓を被観察部位に対向させることができるようになっている。
【0015】
前記操作部10の側部からは、先端にコネクタ装置13を備えたユニバーサルコード14が延出しており、このコネクタ装置13が前記光源装置2のコネクタ受け15に着脱自在に接続されるようになっている。前記コネクタ装置13とコネクタ受け15とを接続することによって光源装置2の光源ランプ2aにて発生した照明光がユニバーサルコード14内に配設されているライトガイドファイバー(不図示)を介して電子内視鏡1の先端部12に設けられている照明窓から出射されて被観察部位を照明するようになっている。
【0016】
図2に示すように内視鏡1の先端部12は、略円柱状で金属製の先端構成部材16を備えており、この先端構成部材16の先端部分には先端カバー17が被嵌され接着剤により一体固定されている。
【0017】
前記先端構成部材16には照明用透孔18が形成されており、この照明用透孔18に挿入固定された照明レンズ枠19には前記光源装置2から伝送された照明光を被観察部位へ照射するための複数の照明レンズ20が配設されている。この照明レンズ20の後端面にはライトガイドファイバー21の先端面が臨まれている。
【0018】
また、前記先端構成部材16には鉗子用透孔22が形成されている。この鉗子用透孔22には鉗子用パイプ23が挿入固定されており、挿入部8内を挿通する鉗子チャンネル24を介して前記操作部10に設けられている鉗子挿入口25に連通している。この鉗子挿入口25より挿入される鉗子等は、前記鉗子チャンネル24、鉗子用パイプ23を通過して先端開口23aより突出するようになっている。
【0019】
また、この先端構成部材16には略パイプ形状で例えばステンレス材などの金属部材で形成された第1対物レンズ枠26が挿入固定される観察用透孔29が形成されており、前記第1対物レンズ枠26内には先端側から順に外径寸法が略同一寸法の第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28が配設されるようになっている。前記第1対物レンズ枠26に配設される第1対物レンズ27と第2対物レンズ28との間には円板状で中心部に所定の内径の開口を形成した光学絞り65が介在されており、この状態で前記第1対物レンズ27と第2対物レンズ28とを接合状態にして第1対物レンズ群35を形成している。そして、前記光学絞り65を介在させて接合状態になっている第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28の側周面に接着剤を塗布して、この前記第1対物レンズ枠26の内周面に嵌挿させた状態で接着固定されている。
【0020】
また、前記先端部12には前記第1対物レンズ27に対して先端開口が指向する送気・送水用ノズル(不図示)が設けられていて、前記操作部10に設けられている送気・送水スイッチ30を操作することによってこの送気・送水ノズルを介して第1対物レンズ27に向かって送気・送水を行って、前記第1対物レンズ27の表面に付着した汚物等を除去することができるようになっている。なお、前記送気・送水スイッチ30に並設された吸引スイッチ31を操作することによって、前記鉗子チャンネル24を介して体腔内の粘液や送水した水等を吸引することができるようになっている。
【0021】
前記第1対物レンズ枠26は、図示しない固定ネジによって観察用透孔29の所定位置に固定されており、この観察用透孔29と前記第1対物レンズ枠26との間には観察用透孔29内の水密状態を保持するためのOリング32が介装されている。
【0022】
また、前記第1対物レンズ枠26の第1対物レンズ27とは反対側、つまり基端側には絶縁枠33を介して第2対物レンズ枠34が接着剤により嵌着した状態で接着固定されるようになっている。この絶縁枠33及び第2対物レンズ枠34内には、観察用透孔29の中心軸及び前記第1対物レンズ群35の光軸に一致する光軸を有する複数のレンズで構成された第2対物レンズ群36が接着剤によって接着固定されている。
【0023】
すなわち、前記第1対物レンズ群35が接着固定されている第1対物レンズ枠26と前記第2対物レンズ群36が接着固定されている絶縁枠33及び第2対物レンズ枠34とで対物レンズ部39を構成している。前記絶縁枠33と、この絶縁枠33の外周面に外嵌する第2対物レンズ枠34とは、長手方向の位置関係を調整してピント出しを行った後接着固定されている。なお、前記第1対物レンズ枠26と絶縁枠33との位置関係を調整してピント出しを行う構成であってもよい。
【0024】
そして、前記対物レンズ部39の第1対物レンズ枠26とは反対側になる基端側には固体撮像装置38が前記対物レンズ部39の光軸に直交して接着剤にて接着固定されている。この固体撮像装置38は、前記対物レンズ部39側に配設されたカバーガラス38aと、このカバーガラス38aの前記対物レンズ部39とは反対側に設けられた素子基板38bの内部配線を介して複数の外部リード38cに導通された素子チップ38dとで構成されている。
【0025】
前記第2対物レンズ枠34の基端側外周には管状に形成されて外周を絶縁カバー41にて覆われるシールド枠42の先端部が外嵌固定されて撮像ユニット40を構成している。このシールド枠42の基端部は、前記第2対物レンズ枠34の反対側に延出しており、この細長なシールド枠42内にはセラミック製の回路基板43が前記対物レンズ部39の光軸と略平行に保持されている。なお、前記絶縁カバー41の後端部は、シールド枠42の基端よりはみ出すように形成されており、信号ケーブル44の外皮を覆うケーブル保護部材64を保持・固定するようになっている。
【0026】
前記回路基板43は、例えば一平面が実装面49であり、この実装面49にはコンデンサ等の電子部品50が半田等により電気的に実装されている。この回路基板43の先端面側には外部リード用ランド(不図示)が形成されており、この外部リード用ランドに前記固体撮像装置38の外部リード38cが電気的に接続されている。一方、前記回路基板43の基端部側には後述する信号ケーブル44の同軸線45の内部導体46や単純線47の導体48が接続される信号線接地用ランドが形成されている。
【0027】
図3に示すように信号ケーブル44は、複数の同軸線45及び単純線47により構成されており、図4に示すように同軸線45は内部導体46、内部導体46を覆う内部絶縁被覆51から構成される芯線52と、この芯線52を覆う外部導体53、外部導体53を覆う外部絶縁被覆54とから構成され、図5に示すように単純線47は導体48と絶縁被覆55とから構成されている。そして、図3に示すようにこれら同軸線45と単純線47とを絶縁テープ56で寄り束ね、総合シールド57、総合絶縁被覆58で覆って信号ケーブル44を構成している。
【0028】
図2に示すように前記信号ケーブル44は、回路基板43の基端部59で、回路基板43の実装面49側と反実装面側との二手に分岐して配線されるようになっている。例えば、反実装面側に分岐された単純線47は、固体撮像装置38の外部リード38cに直接半田等で接続固定されて駆動信号が固体撮像装置38に伝達されるようになる。また、この信号ケーブル44内の一部の同軸線45及び単純線47は、回路基板43上に設けた信号線接地用ランドに半田等で接続されて、固体撮像装置38で光電変換された電気信号等が前記ビデオプロセッサ3に伝送されるようになる。
【0029】
前記回路基板43の実装面49上には封止樹脂60により封止されたIC61が電気的に接続配線されて、固体撮像装置38、回路基板43、信号ケーブル44間で信号処理回路を形成している。つまり、固体撮像装置38の入出力信号である固体撮像装置駆動信号、固体撮像装置出力信号及び固体撮像装置駆動電源などが全て回路基板43上を経由して伝送される。
【0030】
一方、前記シールド枠42及び絶縁カバー41の内部には例えば非導電性の充填材63が充填されており、この充填材63によってシールド枠42内の固体撮像装置38、回路基板43、電子部品50、信号ケーブル44を封止固定している。なお、前記シールド枠42の基端よりはみ出している絶縁カバー41の後端部は、信号ケーブル44の外皮を覆うケーブル保護部材64を保持・固定している。前記ケーブル保護部材64は、内視鏡挿入部内に配設される他の内蔵物から受けるダメージや、他の内蔵物に与えるダメージを軽減するためのものである。
【0031】
ここで、図6を参照して対物レンズ部39について説明する。
図に示すように前記第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28は、少なくとも略同一外径でかつ熱膨張係数が同じであり、この第1対物レンズ27と第2対物レンズ28との間に光学絞り65を介在させて双方を接合した状態で、前記第1対物レンズ群35を構成して、これら対物レンズ27,28と熱膨張係数が異なる第1対物レンズ枠26内に配設されて接着固定されている。
【0032】
このため、この第1対物レンズ枠26内に嵌挿された第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28間に存在する空気層は、前記光学絞り65の透孔である内径寸法とこの光学絞り65の肉厚によって形成される極めて小さな空気層になる。なお、前記第1対物レンズ27と第2対物レンズ28との間に介在される光学絞り65は、当然、薄ければ薄いほど空気層を極めて小さくできるので、この光学絞り65を厚み寸法が0.03mm程度の金属製の薄板光学絞りにすることで、空気層中の水分が極めて少くなる。更に、金属製の薄板光学絞りの代わりにクロム等を蒸着させて形成した肉厚1μm程度の蒸着光学絞りを第1対物レンズ27と第2対物レンズ28との間に介在させることによって空気層がほとんどなくなる。
【0033】
また、前記第1対物レンズ27と第2対物レンズ28とを接合したことで、一体に接合された第1対物レンズ群35の熱容量が大きくなって、第1対物レンズ27外表面の温度変化が第2対物レンズ28以降の空気層に伝導し難くなる。つまり、第1対物レンズ27の外表面に送気・送水されて前記第1対物レンズ27の外表面の温度が下がった場合でも、この温度変化が第2対物レンズ28以降の空気層まで伝導されないので空気層の温度が低下して空気層中の水分がレンズ表面に結露することがなくなる。
【0034】
一方、図に示すように本実施形態においては熱膨張係数が同じである第1対物レンズ27と第2対物レンズ28とを接合した状態の第1厚み寸法L2を、第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28の外径寸法L1と略同じ寸法にしている。このことによって、前記第1対物レンズ27外表面からの熱応力と、第1対物レンズ枠26側面からの熱応力とを第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28全体で均等に分散させて、熱応力による偏った変形を生じ難くしている。また、たとえ前記第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28が熱応力によって変形する場合でも、熱応力が均等に分散された状態で変形するので全体的に相似形状で変形する。このため、前記第1対物レンズ枠26に接着固定される第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28側面の変形量が相対的に小さくなって接着部の剥離が生じ難くなる。
【0035】
また、前記第1対物レンズ27外表面からの熱応力は、第1対物レンズ枠26を伝達して第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28側面に加えられるので、第1対物レンズ27と第2対物レンズ28とを接合した第1厚み寸法L2を対物レンズ27,28の外径寸法L1と略同一寸法若しくは大きく設定することにより熱応力を受けるバランスが良くなる。加えて、接合される複数の対物レンズ27,28の外径寸法L1よりも第1対物レンズ枠26に嵌挿される接合した状態の対物レンズ27,28の第2厚み寸法L3を、前記対物レンズ27,28の外径寸法L1と同寸法、若しくはそれより大きい寸法にすることで、接合された第1対物レンズ27及び第2対物レンズ28が第1対物レンズ枠26に確実に接着固定されて接着部の剥離を生じ難くして、湿気の侵入による結露の発生がなくなる。
【0036】
このように、内視鏡の先端部に配設される第1対物レンズ枠内に第1対物レンズと第2対物レンズとの間に薄板の光学絞りを介在させて、第1対物レンズと第2対物レンズとを接合した状態で接着固定したことにより、2つの対物レンズの間の空気層の存在が対物レンズ間に存在する光学絞りの透孔によって形成される極めて小さな空間にする一方、2つの対物レンズを接合したことによってレンズの熱容量を大きくして外表面の温度変化が対物レンズ枠内の空気層に伝導し難くして、空気層に存在する水分がレンズ表面に結露して発生する曇りを防止することができる。
【0037】
また、対物レンズ外表面からの熱応力は、対物レンズ枠を伝わって前記対物レンズ側面に加えられる熱応力よりも大きいが、第1対物レンズと第2対物レンズとを接合したことにより、対物レンズの厚み寸法が対物レンズの外径寸法と略同じ若しくは大きくして熱応力を受ける対物レンズのバランスが向上するとともに、接合された対物レンズの側面全体を対物レンズ枠に接着固定して接着距離を増大させたことにより対物レンズを対物レンズ枠により強固に接着固定して接着部からの湿気の浸入による曇りの発生を防止することができる。
【0038】
さらに、第1対物レンズと第2対物レンズとを接合したことにより、対物レンズの厚み寸法が対物レンズの外径寸法と略同じ若しくは大きいので対物レンズ外表面からの熱応力と側面からの熱応力が接合された対物レンズ全体で均等に分散されて偏った変形がなくなる一方、たとえ変形する場合でも、熱応力が均等に分散したことにより全体的に相似形状に変形してレンズとレンズ枠との接着部に剥離が発生することがなくして、湿気の侵入によって曇りが発生することを防止することができる。
【0039】
なお、上述した対物レンズ部39の構成は、電子内視鏡1に限定されるものではなく、光学内視鏡に用いるようにしてもよい。
【0040】
図7は本発明の第2実施形態に係る対物レンズ部の他の構成を示す図である。
図に示すように本実施形態においては光学絞り65を介在させて接合される第1対物レンズ27と第2対物レンズ66とが共に平行平板レンズである。前記対物レンズ27及び第2対物レンズ66を平行平板レンズにし、光学絞り65を介在させて接合する部分のレンズ面を平面とすることで、対物レンズ間に存在する空気層が、光学絞り65の内径寸法と肉厚によって形成された極めて小さな空気層だけになる。その他の構成は、前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0041】
なお、本実施形態においては2枚の平行平板レンズからなる対物レンズを光学絞り65を介在させて接合して第1対物レンズ群35を構成しているが、平行平板レンズからなる3枚以上の対物レンズと、各対物レンズ間に光学絞りを介在させて接合して第1対物レンズ群35を構成するようにしてもよい。
【0042】
このように、第1対物レンズ枠に配設される複数の対物レンズを平行平板レンズで構成し、各対物レンズの間に光学絞りを介在させて第1対物レンズ群を構成することによって、対物レンズ間に存在する空気層が極めて小さな空気層になるので、空気層に含まれている水分がレンズ表面に結露して発生する視野不良を防止することができる。
【0043】
また、3枚以上の平行平板レンズを接合して第1対物レンズ群を構成することによって、2枚の対物レンズを結合して第1対物レンズ群を構成した場合より厚み寸法を厚くして接着距離を大幅に増大させて、対物レンズと対物レンズ枠との接着をより強固にすることができるとともに、熱応力によってレンズとレンズ枠との接着部に剥離が発生することをなくして湿気の侵入によって発生するレンズ表面の曇りをより確実に防止することができる。
【0044】
図8は本発明の第3実施形態に係る第1対物レンズと第2対物レンズとの接合面の構成を示す図である。
図に示すように本実施形態においては光学絞り65を介在させて接合される第1対物レンズ27の接合面を平面に形成する一方、第2対物レンズ67の第1対物レンズ27との接合面側に凸部67aを形成している。この凸部67aは、前記光学絞り65の開口に係入するものであり、外径寸法が光学絞り65の開口の内径寸法と略同寸法であり、前記凸部67aの突出高さは前記光学絞り65の肉厚に略一致している。つまり、前記第1対物レンズ27と第2対物レンズ67との間に光学絞り65を介在させて接合したとき、光学絞り65の開口内に前記第2対物レンズ28の凸部67aが係入して空気層をない状態にしている。その他の構成は前述の実施形態と同様であり、同部材に同符号を付して説明を省略する。
【0045】
なお、本実施形態においては第2対物レンズに凸部を形成しているが、この凸部を形成する部分は第2対物レンズに限定されるものではなく第1対物レンズの接合面側に設けるようにしてもよい。また、平行平板レンズである前記対物レンズ66に凸部を形成する構成であってもよい。
【0046】
このように、光学絞りを介在させて複数の対物レンズを接合したとき形成される空気層となる光学絞りの開口を、対物レンズに設けた凸部を係入してなくすことによって、対物レンズどおしを接合したときの空気層がなくなって、空気層に存在する水分による視野曇りを確実に防止することができる。
【0047】
ところで、従来より内視鏡は部品点数が多く、また先端部の小型化が図られているため、組立てが複雑になって高価な部品の1つになっていた。このため、部品点数を削減して原価低減を図るとともに、先端部の小型化を図った内視鏡が望まれていた。
【0048】
図9は固体撮像装置と内視鏡先端部外表面との絶縁をとった内視鏡の構成例を示す説明図である。
【0049】
図に示すように本実施形態の内視鏡には、第1対物レンズ72を配設した第1対物レンズ枠69と、略凸字形状の第2対物レンズ68を含む複数の対物レンズを配設した第2対物レンズ枠70と、カバーガラス38a,素子基板38b,素子チップ38dを配設した撮像装置枠71とが組み合わせて配設されている。なお、この固体撮像装置枠71に配設されている固体撮像装置38は、前記対物レンズ68,72の光軸に直交している。
【0050】
上述の構成において、前記第1対物レンズ枠69の基端部は、非導電性のプラスチック若しくはガラス製の第2対物レンズ68の先端側に前記第1対物レンズ72の外径寸法と略同一外径寸法に形成されている凸状部68aに外嵌して接着固定されている。
【0051】
一方、前記第2対物レンズ枠70の先端部は、前記第2対物レンズ68の大径部68bに外嵌して接着固定され、この第2対物レンズ枠70の後端部には前記撮像装置枠71の先端部が外嵌した状態で接着固定されている。
【0052】
このとき、前記対物レンズ68の凸状部68aに外嵌して接着固定されている第1対物レンズ枠69と、対物レンズ68の大径部68bに外嵌して接着固定されている第2対物レンズ枠70との間には、前記第1対物レンズ枠69と前記第2対物レンズ枠70とが接触することを防止する所定の間隔となる間隙が設けられるようになっている。すなわち、前記対物レンズ68の凸状部68a及び大径部68bの外径寸法の間には、前記第1対物レンズ枠69と第2対物レンズ枠70とが接触することを防止する段部が形成されている。
【0053】
したがって、非導電性部材で形成した第2対物レンズ68に所定の段部を形成して凸状部68a及び大径部68bを設け、この凸状部68a及び大径部68bにそれぞれ第1対物レンズ枠69及び第2対物レンズ枠70を外嵌させて接着固定することにより、例えば図7に示すように第2対物レンズ枠34と第1対物レンズ枠26との間に絶縁枠33を配置すること無く電気的接触がなくなる。
【0054】
このように、非導電性部材で形成した第2対物レンズに凸状部及び大径部を設けて段部を形成することにより、これら凸状部及び大径部に外嵌させて接着固定した第1対物レンズ枠と第2対物レンズ枠との電気的接触をなくして、従来の内視鏡の構成部品に含まれていた絶縁枠を不要にして固体撮像装置と内視鏡先端部外表面との絶縁をとって、固体撮像装置の静電破壊を防止することができる。このことによって、部品点数を削減して原価低減を図れるとともに、絶縁枠をなくして先端部の小型化を図れる。
【0055】
図10は固体撮像装置と内視鏡先端部外表面との絶縁をとる内視鏡の他の構成例を示す説明図である。
図に示すように本実施形態の内視鏡には、第1対物レンズ72及び第2対物レンズ73を配設した第1対物レンズ枠69と、外径寸法が前記第1対物レンズ72及び第2対物レンズ73より大径な対物レンズ74を含む複数の対物レンズを配設した第2対物レンズ枠70と、カバーガラス38a,素子基板38b,素子チップ38dを配設した撮像装置枠71とが組み合わせて配設されている。
【0056】
前記第1対物レンズ枠69と第2対物レンズ枠70とは、第1対物レンズ枠69と第2対物レンズ枠70との間に充填した非導電性の接着剤75によって接着固定されており、この接着剤75によって第1対物レンズ枠69と第2対物レンズ73以降の水密を確保している。また、前記撮像装置枠71は前記第2対物レンズ枠70に外嵌した状態で接着固定されている。
【0057】
このとき、第2対物レンズ枠70に配設した対物レンズ74の外径寸法を、第1対物レンズ枠69の外径寸法より太径に形成して、前記第2対物レンズ枠70が第1対物レンズ枠69に接触することがないようにしている。
【0058】
このように、第2対物レンズ枠の内径寸法を第1対物レンズ枠の外径寸法より太径に形成して第2対物レンズ枠と第1対物レンズ枠とが接触することを防止して、第1対物レンズ枠と第2対物レンズ枠との間に非導電性の接着剤を充填したことにより、第1対物レンズ枠と第2対物レンズ枠との電気的接触がなくなって図9に示した内視鏡と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0059】
ところで、検査や処置に使用される内視鏡は、目的部位に挿通されるまでの間又は目的観察部位を観察する際、捻じったり湾曲させたりする。そして、これら操作が繰り返し行われることによって、撮像ユニットから延出している信号線が断線して所望の内視鏡画像を観察することができなくなるおそれがあった。このため、信号線の断線を防止する信頼性が高い撮像ユニットを備えた内視鏡が望まれていた。
【0060】
図11は信号線の断線を防止する高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の構成例を示す説明図である。
図に示すように本実施形態の内視鏡では、固体撮像装置38の外部リード38c及び回路基板43上の接続ランドに接続される信号ケーブル44の少なくとも同軸線45または単純線47が、回路基板43上に配置された少なくとも電子部品50より先端側の位置で、例えば絹やナイロン製の糸77によってこの回路基板43に糸巻き固定されている。また、この糸巻き固定部より基端側には信号ケーブル44の総合シールド57及び/又は外部導体53を束ねた状態にして半田等で固化形成したGND部76を設けている。
【0061】
このように、GND部より先端側に延出して電子部品よりさらに先端側に配置された少なくとも同軸線又は単純線を、糸によって回路基板に糸巻き固定したことにより、内視鏡挿入部に設けられている湾曲部が湾曲操作された際などに前記信号ケーブルが挿入部内で煽られたり、引っ張られた場合でも、同軸線又は単純線が電子部品やGND部に引っかかって後端側方向に抜けることが防止されて、撮像ユニット内での信号線の断線を防止することができる。このことにより、信頼性の高い撮像ユニットの提供が可能になる。
【0062】
図12は信号線の断線を防止して信頼性の高い撮像ユニットを備えた内視鏡の他の構成例を示す説明図であり、図13は図12のA−A断面図である。
図12及び図13に示すように本実施形態の内視鏡では、固体撮像装置38の外部リード38cに接続するために先端側に延出される少なくとも1本以上の信号ケーブル44の同軸線45又は単純線47を、シールド枠79に設けたケーブルカシメ形成部78内で外部導体53とともに寄り束ねた状態で導電性の接着剤82を充填している。そして、このケーブルカシメ形成部78をカシメることによって前記同軸線45及び単純線47を一体的に固定するとともに外部導体53とケーブルかしめ形成部78とを電気的に導通させてシールドを確保している。なお、前記シールド枠79は、1枚のステンレス等の薄板を長方形状に内側に折り曲げ成形したものであり、薄板が重なっている部分をさらに折り曲げてケーブルカシメ形成部78を設けたものである。
【0063】
このように、シールド枠にケーブルカシメ形成部を設け、このケーブルかしめ形成部に同軸線や単純線を固定することにより、図11に示した内視鏡と同様の作用及び効果を得ることができる。また、信号ケーブルの同軸線の外部導体をシールド枠のケーブルカシメ形成部に電気的に導通させて確実なシールドをとることができるとともに、同軸線や単純線を接着剤でより強固に固定することができる。このことによって、放射ノイズを抑えた撮像ユニットが提供される。
【0064】
なお、前記ケーブルかしめ形成部は図12及び図13に示した構成に限定されるものではなく、図14及び図15に示す構成であってもよい。
【0065】
つまり、図14の断線を防止した高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の他の構成例を示す説明図及び図15の図14のB−B断面図に示すように、シールド枠80の基端部を回路基板43などの他の部位より後方に延出し、この延出した部分で両側から同軸線45又は単純線47を挟むように圧着するケーブルカシメ部81を設けるようにしても上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0066】
また、図16に示すように信号ケーブル44の同軸線45の外部導体53を寄り束ねて撮像GND部84を設ける一方、シールド枠83の基端部側を内側に折り曲げて導電用突出部85を設け、この導電用突出部85と前記撮像GND部84とを直接接触させている。
【0067】
このように、信号ケーブルの同軸線の外部導体をより束ねて形成した撮像GND部とシールド枠とを直接接続することによって、確実なシールドを行うことができる。このことによって、放射ノイズを抑えた撮像ユニットが提供される。
【0068】
また、導電用突出部は、シールド枠を折り曲げるだけの簡単な作業で形成されるので、組立て作業を簡略化することができる。
【0069】
ところで、従来より内視鏡の撮像ユニットを組み立てる際、組立てが複雑で、封止樹脂が撮像ユニット内に十分に行き渡らないことがあった。このため、撮像ユニット内に十分に封止樹脂を充填することが可能で、先端部の小型化が図れる内視鏡が望まれていた。
【0070】
図17は封止樹脂の充填を確実に行えて、小型化を図れる撮像ユニットを示す説明図である。
【0071】
図に示すように本実施形態の内視鏡の撮像ユニット40を構成する固体撮像装置38を配設した固体撮像装置枠86の後端部には、回路基板43の略中央部付近まで延出した第1シールド枠87が外嵌しており、接着剤にて接着固定されている。そして、この接着固定状態で固体撮像装置38の外部リード38cと回路基板43との接続部を完全に覆うように第1シールド枠87内及びそれより後方の電装部上に至るまで非導電性の第1接着剤88が封止樹脂として充填されている。
【0072】
そしてさらに、前記第1シールド枠87の後方内側に第2シールド枠89が内嵌されて接着剤にて接着固定されており、この第2シールド枠89内には前記第1接着剤88をさらに覆うように非導電性の第2接着剤90が封止樹脂として同軸線45や単純線47を覆うように充填されている。なお、前記第1シールド枠87及び第2シールド枠89は、絶縁カバー41によって被覆されている。
【0073】
このように、固体撮像装置を覆うように配設されるシールド枠を複数の枠部材で構成し、基端側に配設されるシールド枠を先端側のシールド枠に対して内嵌させて接着固定することによって、撮像ユニットの外形形状を先端側から後端側にいくにしたがって徐々に小径に形成して、基端側に向かって小型になる撮像ユニットを構成することができる。
【0074】
また、複数のシールド枠を組み立てていく際、1つのシールド枠を組みたてるたびに組み立てられたシールド枠内に接着剤を封止樹脂として充填することによって、接着剤のシールド枠内への充填を確実に行うことができる。このことによって、撮像ユニットの強度を確実に保持して信頼性の高い撮像ユニットが構成される。なお、本実施形態においては、シールド枠を第1シールド枠及び第2シールド枠の2つの枠部材で構成しているが、シールド枠を3つ以上の枠部材で構成するようにしてもよい。
【0075】
図18は小型化を図った撮像ユニットの他の構成例を示す説明図である。
図に示すように本実施形態の内視鏡の撮像ユニット40では、固体撮像装置38の外部リード38cと、この外部リード38cに接続される信号ケーブル44の同軸線45の芯線52の内部導体46及び単純線47の導体48と、回路基板43上の電子部品50と、電気接続部とを覆うように非導電性の第1接着剤88を充填した上に例えば熱収縮チューブなどの弾性チューブからなる第1絶縁カバー91を被覆している。そして、前記固体撮像装置38の後部側と、前記第1絶縁カバー91上に非導電性の第2接着剤90を塗布した後、その外側に柔軟で様々な形状に変化可能な金属メッシュ92及び第2絶縁カバー93を順に被覆している。なお、前記第2絶縁カバー93は締め付け力を有する熱収縮チューブ等の弾性チューブ体である。
【0076】
このように、撮像ユニットを構成する外部リード、この外部リードに接続される信号ケーブルの同軸線の芯線の内部導体及び単純線の導体と、回路基板上の電子部品と、電気接続部とを第1接着剤、第1絶縁カバー、第2接着剤、金属メッシュ及び収縮性能を有する第2絶縁カバーで被覆することによって、固体撮像装置より後方側の撮像ユニットを、回路基板や回路基板上に搭載されている電子部品あるいは信号ケーブル等に沿わせた最小の外形形状に形成することができる。このことによって、撮像ユニットを小型化に形成して内視鏡先端部の細径化が可能になる。
【0077】
図19ないし図21は組立て作業性が良く確実にシールドを行える撮像ユニットの構成例に係り、図19は撮像ユニットの概略構成を説明する図、図20は回路基板と信号ケーブルとの接続状態を示す図、図21はシールド枠と回路基板との構成例を示す説明図である。
【0078】
図19及び図20に示すように回路基板43上面及び側面上には、信号ケーブル44の同軸線45の外部導体53及び、又は総合シールド57を束ねたシールドGND94と、このシールドGND94とシールド枠95とを導通させるためのGND接続部96が形成されている。
【0079】
図21(a),(b)に示すように前記シールド枠95基端側には前記回路基板43側面のGND接続部96に接触する内側に突設した突起部97が設けられている。この突起部97は、例えばこのシールド枠95側面の一部にコの字状の切り込みを入れ、その切り込みを内側に折り曲げること等により形成したものである。同図(a),(b)に示すように、回路基板43をシールド枠95に挿入することで、回路基板43側面に設けたGND接続部96を介して、シールド枠95とシールドGND94とが導通状態になって確実にシールドをとることができるとともに、回路基板43にシールド枠95を挿入するという簡単な作業で組立てを行うことができる。加えて、最小限の部品点数で確実なシールドを構成することができるので、撮像ユニットを安価に提供することができる。
【0080】
図22及び図23は高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の別の構成例を示すものであり、図22は撮像ユニットの概略構成を示す説明図、図23はシールド枠の構成を示す図である。
【0081】
図22に示すように本実施形態の撮像ユニットでは回路基板98の略中央部に貫通孔99が設けられており、この貫通孔99に前記回路基板98とシールド枠100とを電気的に導通接続するポストピン101が回路基板98に対して略垂直に挿通している。前記ポストピン101は、シールド枠100に形成されている図23に示すスリット102に当接した状態でシールド枠100に半田によって一体的に固定されている。
【0082】
このように、回路基板に形成されている貫通孔にポストピンを挿通し、このポストピンをシールド枠に形成したスリットに当接させることにより、回路基板をシールド枠に対して所定位置に配置することができる。このことにより、双方の位置出しが容易になって組立て性が向上する。また、ポストピンをシールド枠に当接させた状態で半田で一体的に固定したことにより、確実なシールドをとることができる。
【0083】
なお、図24に示すように、ポストピン101をシールド枠103に形成した固定穴104に挿通させて位置出しする構成であってもよい。また、信号ケーブル44の少なくとも同軸線45の外部導体53又は総合シールド57をポストピン101に巻き付けて固定することにより、より確実なシールドをとることができる。さらに、ポストピン101の形状としては図25に示すようにT字形状のポストピン105等であってもよい。
【0084】
図26は高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡のまた他の構成例を示す図である。
【0085】
図に示すように本実施形態においては、第1対物レンズ110は、基端側に向かって凸状に形成された非導電性の透明樹脂製の凸レンズである。そして、この第1対物レンズ110を第1対物レンズ枠111に嵌挿し、位置調整してピント出しを行った後接着剤にて第1対物レンズ枠111に接着固定している。
【0086】
このように、第1対物レンズと第1対物レンズ枠とが嵌挿する部分において位置調整を行うことによって、ピント出しを行うことができるとともに、この第1対物レンズを非導電性の透明樹脂で形成したことによって、先端部外表面と固体撮像装置38との絶縁をとることができる。このことにより、絶縁枠をなくして原価低減を図って安価な撮像ユニットの提供が可能になる。
【0087】
また、図27に示すように、固体撮像装置38の先端側に位置する絶縁部材であるカバーガラス38aの先端部に、接着剤によって固体撮像装置枠106の基端部内側を外嵌させて接着固定するとき、絶縁をとるために、この固体撮像装置枠106とシールド枠103との間に一定の距離L(例えば0.3mm以上)の間隔を設けている。なお、前記シールド枠103は前記カバーガラス38aに外嵌した状態で接着剤によって接着固定されている。
【0088】
上述のように構成したことよって、先端部で静電気が発生した場合、固体撮像装置枠106、シールド枠103との間に絶縁部材であるカバーガラス38aが介在するとともに、双方の間隔が一定の距離Lだけ離れて配設されているので、固体撮像装置が静電破壊されることを防止することができる。このことによって、絶縁を確保するための対物レンズ枠部材が不要になって、対物レンズ枠の構造を簡素化して原価低減を図って安価な撮像ユニットの提供が可能になる。
【0089】
図28は封止樹脂の充填を確実に行えて、小型化を図れる撮像ユニットの別の構成例を示す説明図である。
【0090】
図に示すように本実施形態においては、固体撮像装置枠106の基端部内側には固体撮像装置38が嵌合固定されており、この固体撮像装置枠106に外嵌した状態でシールド枠107が接着剤で接着固定されている。このシールド枠107の固体撮像装置38が位置する部位の近傍には、後述する充填材109を外部から注入するための注入孔108が設けてある。このシールド枠107には絶縁カバー41が被覆されるようになっており、この絶縁カバー41の前記注入孔108に対応する部分には注射器等を用いて充填材109を充填するための透孔が形成されている。このため、透孔及び注入孔108からシールド枠内の固体撮像装置38周囲に隙間なく充填材109を充填することが可能になっている。なお、この絶縁カバー41に形成した透孔は充填材によって塞がれる。
【0091】
このように、絶縁カバーに形成した透孔と注入孔とを介して充填材を注入していくことによって、固体撮像装置周囲に充填材を十分に充填させることができる。このことによって、固体撮像装置枠、固体撮像装置、シールド枠を強固に固定して、撮像ユニットに捻じりや煽りが加えられた場合に発生する断線等による画像不具合を無くして信頼性の高い撮像ユニットの提供が可能になる。また、固体撮像装置を固定する撮像装置枠の構造を単純にして固体撮像装置枠の加工を容易にして安価な撮像ユニットの提供が可能になる。
【0092】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0093】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0094】
(1)複数の対物レンズと、複数の光学絞りと、少なくとも前記対物レンズ又は光学絞りを嵌挿する対物レンズ枠とにより構成される対物レンズ部を挿入部の先端部に設けた内視鏡において、
前記対物レンズの少なくとも先端側から1枚目の対物レンズと2枚目の対物レンズとの間に光学絞りを介在させて接合し、
この接合して形成される対物レンズ群の厚み寸法を前記接合された対物レンズの外径寸法に対して略同寸法若しくは大きくした内視鏡。
【0095】
(2)複数の対物レンズと、複数の光学絞りと、少なくとも前記対物レンズ又は光学絞りを嵌挿する対物レンズ枠とにより構成される対物レンズ部を挿入部の先端部に設けた内視鏡において、
前記対物レンズの少なくとも先端側から1枚目の対物レンズと2枚目の対物レンズとの間に光学絞りを介在させて対物レンズ同士を接合したとき、
この接合された対物レンズの側面と前記対物レンズ枠とが接着固定される接着距離が、前記接合された対物レンズの外径寸法に対して略同寸法若しくは大きい内視鏡。
【0096】
(3)前記対物レンズの接合面が少なくとも平面である付記1又は付記2記載の内視鏡。
【0097】
(4)前記先端側から1枚目の対物レンズが平行平板レンズで、先端側から2枚目の対物レンズが先端側が平面で基端側が凸状をなし、平面間に光学絞りを介在させて対物レンズ同士を接合した付記1ないし付記3の少なくとも1つに記載の内視鏡。
【0098】
(5)少なくとも先端側から1枚目及び2枚目の平行平板レンズの間に絞りを介在させて対物レンズ同士を接合した付記1ないし付記3の少なくとも1つに記載の内視鏡。
【0099】
(6)対物レンズ枠内に、同一外径の対物レンズと光学絞りとを接合した対物レンズ群が、前記対物レンズ枠内に接着固定される付記1ないし付記3の少なくとも1つに記載の内視鏡。
【0100】
(7)少なくとも先端側から1枚目と2枚目の光学絞りが介在する対物レンズ面のうち、光学絞りを除く部分の対物レンズ面どうしが接合されている付記1ないし付記3の少なくとも1つに記載の内視鏡。。
【0101】
(8)前記光学絞りは、蒸着により形成された付記1記載の内視鏡。
【0102】
(9)前記光学絞りは、薄板材より形成された付記1記載の内視鏡。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡の挿入部の先端部に配設される対物レンズ部を構成する対物レンズに発生する曇りを防止する内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図6は本発明の第1実施形態に係り、図1は
内視鏡装置の概略構成を示す説明図
【図2】挿入部の先端部の構成を説明する長手方向断面図
【図3】信号ケーブルの構成を説明する断面図
【図4】同軸線の構成を示す斜視図
【図5】単純線の構成を示す斜視図
【図6】対物レンズ部の構成を示す図
【図7】本発明の第2実施形態に係る対物レンズ部の他の構成を示す図
【図8】本発明の第3実施形態に係る第1対物レンズと第2対物レンズとの接合面の構成を示す図
【図9】固体撮像装置と内視鏡先端部外表面との絶縁をとった内視鏡の構成例を示す説明図
【図10】固体撮像装置と内視鏡先端部外表面との絶縁をとる内視鏡の他の構成例を示す説明図
【図11】信号線の断線を防止する高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の構成例を示す説明図
【図12】信号線の断線を防止して信頼性の高い撮像ユニットを備えた内視鏡の他の構成例を示す説明図
【図13】図12のA−A断面図
【図14】信号線の断線を防止した高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の他の構成例を示す説明図
【図15】図14のB−B断面図
【図16】信号線の断線を防止した高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の別の構成例を示す説明図
【図17】封止樹脂の充填を確実に行えて、小型化を図れる撮像ユニットを示す説明図
【図18】小型化を図った撮像ユニットの他の構成例を示す説明図
【図19】図19ないし図21は組立て作業性が良く確実にシールドを行える撮像ユニットの構成例に係り、図19は撮像ユニットの概略構成を説明する図
【図20】回路基板と信号ケーブルとの接続状態を示す図
【図21】シールド枠と回路基板との構成例を示す説明図
【図22】図22及び図23は高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡の別の構成例を示すものであり、図22は撮像ユニットの概略構成を示す説明図
【図23】シールド枠の構成を示す図
【図24】撮像ユニットのまた別の構成を示す説明図
【図25】ポストピンの他の構成を示す図
【図26】高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡のまた別の構成例を示す図
【図27】高信頼性の撮像ユニットを備えた内視鏡のさらに又別の構成例を示す図
【図28】封止樹脂の充填を確実に行えて、小型化を図れる撮像ユニットの別の構成例を示す説明図
【符号の説明】
27…第1対物レンズ
28…第2対物レンズ
65…光学絞り
Claims (3)
- 体腔内に挿入可能な挿入部の先端部に複数の対物レンズを有する対物レンズ部を備える内視鏡において、
前記対物レンズ部は、
少なくとも1つの対物レンズが接着固定された第1対物レンズ枠と、
少なくとも1つの対物レンズが接着固定された第2対物レンズ枠と、
前記第1対物レンズ枠および前記第2対物レンズ枠間に嵌着され、少なくとも1つの対物レンズが内部に接着固定された筒状の絶縁枠と、
を具備することを特徴とする内視鏡。 - 前記第1対物レンズ枠に、第1対物レンズ及び第2対物レンズを接着固定する構成において、
前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとを光学絞りを介在させた状態で接合したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。 - 前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとは熱膨張係数が同じで、前記第1対物レンズと前記第2対物レンズとを接合したときの厚み寸法は、第1対物レンズ及び第2対物レンズの外径寸法と略同じ寸法に設定したことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
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