JP4159016B2 - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電型のアクチュエータの応用製品には、静電型マイクロポンプやオンデマンド型インクジェット記録ヘッドがある。
液体輸送の為のマイクロポンプの駆動方式は圧電効果を用いたピエゾ方式や熱による液体の膨張を利用したサーマル方式、静電引力を利用した静電駆動方式等の方式が開示されている。その中でも、静電駆動方式はシリコンデバイス加工技術を利用した加工技術による微細化が容易であって、静電力を利用するために低消費電力には有利である。
しかしながら、構成部品材にシリコンを用いるため、アルカリ性、又は、酸性等、輸送する液の性質によっては、構成部品のシリコンが溶出し、マイクロポンプの破壊の原因となっていた。この為、液が接するシリコン表面には液に対する耐腐食性膜を形成するのが一般的である。この耐腐食性薄膜を形成した例を以下に示す。
インク液滴をノズル孔から直接記録媒体上に噴射して記録する静電型のアクチュエータを用いたインクジェット記録装置用のインクジェット記録ヘッドの駆動方法が種々提案されている。
オンデマンド方式のインクジェット記録装置に用いられる印字ヘッドのインクジェット記録ヘッドであって、インクに圧力を与えて吐出するためのインク液室の圧力室を構成している振動板の表面にインクに耐腐食性を持つ、Ti、Ti化合物、Al23の耐インク性の耐腐食性薄膜を形成することは公知である(国際公開098/42513号の公報を参照)。
又は、インクに圧力を与えて吐出するためのインク液室の圧力室を構成している振動板の表面に酸化シリコン膜を形成した後、積層して耐インク性を有する酸化物、窒化物、金属等の薄膜を形成して、振動板のピンホールを塞ぐことも公知である(特開平10−291322号公報を参照)。
【0003】
このようなTi、Ti化合物、Al23や酸化シリコン膜からなる耐インク性の耐腐食性薄膜を単層又は積層して形成した静電型のアクチュエータの振動版は、座屈して生ずる撓みによる作動不良、腐食、その製造方法においてはハンドリングする際の破損等により歩留まりが低下してコスト高になっていた。
このようなTi、Ti化合物、Al23や酸化シリコン膜からなる耐インク性の耐腐食性薄膜を単層又は積層して形成した静電型のアクチュエータを静電型マイクロポンプやインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に利用した場合、その耐腐食性薄膜の内部応力や振動板上の膜厚分布によって振動板が座屈することにより、撓みを生じており、この振動板の撓みは、駆動電圧が上昇するために駆動回路コストの上昇や駆動電圧のバラツキが増大し消費電力も大きく、液やインクの吐出時の噴射特性のビット間のバラツキ、液やインク吐出不良、液やインクの種類によっては多少ながら腐食し万能ではなかった。
このような、例えば、従来の静電型マイクロポンプやインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置の製造方法は、厚さ200μm程度のシリコン基板に液やインク液室と数μmの振動板を形成した第一のシリコン基板とn+又はp+型の不純物拡散駆動電極を形成した第二のシリコン基板を各々別々に作製し直接接合する、第一のシリコン基板をハンドリングする際の破損等により歩留まりが低下していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のインクジェット記録ヘッドにあっては、耐インク性の耐腐食性薄膜が形成されているが、耐腐食性薄膜が形成された振動が、座屈して生ずる撓みによる作動不良やその腐食が発生するという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、振動板の撓みを防止するために形成される耐腐食性薄膜の耐腐食性を優れたものとすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録ヘッドは、インク滴を吐出するノズル孔が連通する液室の壁面を形成する振動板を有し、前記振動板の液室側壁面にはインクに対して耐腐食性を有する1又は複層の薄膜が形成され、前記耐腐食性を有する1又は複層の薄膜は酸素原子が含まれている窒化チタン薄膜を含む構成とした。
【0006】
ここで、前記窒化チタン薄膜は、酸素原子の濃度が1%以上含まれている構成とできる。また、前記窒化チタン薄膜は積層構造で形成されている構成とできる。
【0007】
本発明に係るインクジェット記録装置は、本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備えた構成とした。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至図4は本発明の一実施形態の平面図、W−W線断面図、X−X線断面図、及びY−Y線断面図である。静電力により振動して作動する静電アクチュエータ0は、静電力により振動して作動する振動板1と、上記振動板1に対向する電極基板2と、上記電極基板2上に形成されて上記振動板1に空隙6を介して対向する電極3と、上記振動板1を振動して作動するための電圧を印加する上記電極3と対向する上記振動板1上に耐腐食性の薄膜が形成された耐腐食性薄膜4と、上記耐腐食性薄膜4の上記振動板1の撓みの発生を防止する振動板撓み発生防止手段5とからなり、上記耐腐食性薄膜4の形成された上記振動板1の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐腐食に優れ、歩留まりが向上して低コストにすることが出来るようになった。
液滴やインク滴を静電力による圧力波で吐出する静電型マイクロポンプ10やインクジェット記録ヘッド20は、液滴やインク液滴を図示の矢印A方向又は図示の矢印B方向に吐出するノズル孔11やノズル孔21と、上記ノズル孔11やノズル孔21が連通する液流路やインク流路の液室12やインク液室22と、上記液室12や上記インク液室22の壁面を形成する上記静電アクチュエータ0の上記振動板1に形成された上記耐腐食性薄膜4の上記振動板1の撓みの発生を防止する上記振動板撓み発生防止手段5からなる。
振動板基板1aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板で、上記振動板1、個々の上記ノズル孔11や上記ノズル孔21に対応して液やインク液滴が加圧される上記液室12や上記インク液室22、共通液室13や共通インク液室23、液流路14やインク液流路24が異方性エッチングにより形成され、上記インク液室12や上記インク液室22と上記共通液室13や上記共通インク液室23は上記液流路14や上記インク液流路24によって連通されている。
ノズル板11aやノズル板21aは、ガラス板,金属板又はシリコン板で、上記ノズル孔11や上記ノズル孔21と液供給路15やインク液供給路25が形成されている。
更に、上記振動板1の表面上、上記振動板基板1aの表面上、上記インク液室12の表面上、上記共通液室13の表面上、上記インク液流路14の表面上にはインク液滴に対する耐腐食性の膜の上記耐腐食性薄膜4が形成されている。
【0010】
上記振動板撓み発生防止手段5は、上記耐腐食性薄膜4を成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法,酸化法により形成され、応力で上記振動板1の撓みの発生を緩和又は防止する、内部応力が少なくとも引っ張り応力(tensile stress)、又は、1.0E10dyne/cm2以下の圧縮応力(compressive stress)をもつ単層の薄膜、或いは、微少穴のピンホール等によるインク液滴漏洩等による作動不良を防止するため順次積層された積層膜等であって、作動不良が抑制出来るように好ましくは抵抗率が1.0E−3Ωcm以上の量産性に優れた窒化チタン薄膜4a、又は、量産性に優れた酸化シリコン薄膜4b、又は、耐腐食性に優れ膜応力の制御が容易なジルコニウム薄膜4c、又は、耐腐食性に優れ膜応力の制御が容易な窒化ジルコニウム等のジルコニウム化合物薄膜4d、又は、圧縮応力と引っ張り応力の応力方向の異なる2層以上の異応力複数層薄膜4e、又は、上記振動板1上に形成した上記耐腐食性薄膜4と同等の応力を有して上記振動板1下に形成した同等応力薄膜4f、又は、上記耐腐食性薄膜4の膜厚分布が均一で引っ張り応力の膜厚均一薄膜4gである。
上記電極基板2は、n型、又は、p型の単結晶シリコン基板である。通常は,面配向(100)の単結晶シリコン基板を用いられるが、プロセスに応じて面方位(110)、又は、面方位(111)の単結晶シリコン基板を用いても何ら問題は無い。
上記電極3は、単結晶シリコン基板の上記電極基板2上の酸化シリコン膜2aの凹部2b内に形成された高融点金属からなり、上記振動板1を振動して作動するための電圧が印加される。
上記電極3は、上記電極基板2と互いに絶縁分離されており、反応性スパッタ法、CVD法等によって形成したチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いはそれらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタン又は、酸化シリコン膜2a上に順次形成されるチタン、窒化チタンの積層構造からなる振動して作動させる電極であって、単結晶シリコン基板の上記電極基板2を熱酸化することにより形成した上記シリコン酸化膜2aの上記凹部2b内に配置されている。
【0011】
上記凹部2bは、上記振動板1と上記電極3間に上記空隙6を形成するためのものであって、上記空隙6を介して上記振動板1と対向した上記電極3に電圧を印加することで静電引力を発生させる。
パッド部2cは、上記電極3の電極パッド3aに対して外部から電圧を印加する図示しないPPCやワイヤーボンデイング等の実装を行うためのものである。従って、簡単な応力の構成で、駆動中に充放電電流のみの省資源で低消費電力で、上記振動板撓み発生防止手段5により上記耐腐食性薄膜4の形成された上記振動板1の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐腐食に優れ、歩留まりが向上して低コストの上記静電アクチュエータ0及びそれを具備する上記静電型マイクロポンプ10やそれを具備する上記インクジェット記録ヘッド20を提供することが出来るようになった。
【0012】
図5乃至図22は、本発明の実施形態に係る、上記静電アクチュエータ0及びその上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10やその上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20の製造方法を示す図である。
静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜4からなる上記静電アクチュエータ0及びその上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10やその上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20は、
図5と図6において、最初に、面配向(100)、(111)、又は、(110)のp型、又は、n型の単結晶シリコン基板の上記電極基板2上に熱酸化法により上記酸化シリコン膜2aを形成する酸化シリコン膜形成工程(a)と、
図7と図8において、次に、通常のフォトリソグラフィとドライエッチング法、又は、ウェットエッチング法で行うエッチングは、上記酸化シリコン膜2aに上記電極3の領域と上記パッド3aの領域を規定するパターニング工程(b)と、
図9と図10において、上記パターニング工程(b)でパターニングされた上記酸化シリコン膜2a上に反応性スパッタ法、CVD法等によって形成したチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いはそれらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタンを順次形成される窒化チタンを全面に成膜して上記電極3を形成する電極形成工程(c)と、
図11と図12において、高融点金属の上記電極3上にCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって形成した絶縁物3b、望ましくは酸化シリコンを形成する絶縁物形成工程(d)と、
図13と図14において、上記絶縁物3bをエッチングマスクとして高融点金属の上記電極3をエッチングしパターニングして上記電極基板2を完成する電極基板完成工程(e)と、
図15と図16において、次に,伝導型がp型、又は、n型、面方位(110)の単結晶シリコン基板の上記振動板基板1aの片面に上記振動板1の膜厚に等しくなる深さまでp型、或いは、n型の伝導型を示す不純物を1E19/cm3以上拡散させた拡散領域1a1と、更に、上記拡散領域1a1と反対の面に、上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10や上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20の上記ノズル孔11や上記ノズル孔21と上記液室12上記インク液室22とを規定する酸化シリコン或いは,窒化シリコン,五酸化タンタル等の単結晶シリコンのエッチングマスタパターンを形成した上記振動板基板1aと上記電極基板2とアライメントして500℃前後の温度で接合した後、800℃以上の熱処理を行う接合精度が良い直接接合法で接合する接合工程(f)と、
又は、上記振動板基板1aと上記電極基板2とをアライメント接合した後にエッチングマスクパターンを形成しても良い。
更に、面方位(110)単結晶シリコン基板の上にシリコン酸化膜を介し,上記振動板1の膜厚に等しい単結晶薄膜シリコンが形成されているSOI(Silicon On Insulator)基板と上記電極基板2を直接接合しても良い。この場合においても,単結晶シリコン薄膜と反対の面に、上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10や上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20の上記ノズル孔11や上記ノズル孔21と上記液室12や上記インク液室12を規定する酸化シリコン膜,窒化シリコン膜,五酸化タンタル等の単結晶シリコンエッチングマスタパターンをあらかじめ形成した後に上記電極基板2と直接接合しても良い。
【0013】
図17と図18において、次に、上記接合工程(f)で上記振動板基板1aと上記電極基板2を直接接合して、単結晶シリコンエッチングマスタパターンが形成された側からKOH、TMAH等によって異方性エッチングして、この時、高濃度に不純物を含む上記拡散領域1a1でエッチングは自発的に停止して上記振動板1を形成する振動板形成工程(g)と、
SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて異方性エッチングした場合は、酸化シリコン膜上でエッチングは停止する。尚、この時,前記、酸化シリコン膜を除去しても何ら問題はない。
【0014】
図19と図20において、次に、上記振動板基板1a表面と上記振動板1の全面にわたり同時にインク液滴に対する耐腐食性の上記耐腐食性薄膜4を形成する耐腐食性薄膜形成工程(h)と、
上記振動板撓み発生防止手段5は、上記耐腐食性薄膜4を成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来る、且つ、安価に形成できるスパッタ法、CVD法,酸化法により形成され、応力で上記振動板1の撓みの発生を緩和又は防止する、内部応力が少なくとも引っ張り応力(tensile stress)、又は、1.0E10dyne/cm2以下の圧縮応力(compressive stress)をもつ単層の薄膜、或いは、順次積層された積層膜であって、好ましくは抵抗率が1.0E−3Ω・cm以上の上記窒化チタン薄膜4a、又は、上記酸化シリコン薄膜4b、又は、上記ジルコニウム薄膜4c、又は、窒化ジルコニウム等の上記ジルコニウム化合物薄膜4d、又は、応力を緩和する上記応力緩和薄膜4e、又は、同等の応力を有する上記同等応力薄膜4fである。
【0015】
図21と図22において、上記ノズル板11aや上記ノズル板21aは、ガラス板や金属板からなる基板上部にサンドブラスト加工やレーザー加工で、インク液供給用の上記インク液供給路15が形成されて張り付けられ、上記電極パッド3aの上部領域の上記耐腐食性薄膜4、上記振動板1、上記絶縁物3bをエッチング除去するノズル板形成工程(i)で製造される。
従って、取り扱い中の上記振動板1の破壊が防止され、上記耐腐食性薄膜4が形成された上記振動板1の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐腐食に優れ、歩留まりが大幅に向上して低コストの上記静電アクチュエータ0及び上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10や上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20の製造方法を提供することが出来るようになった。
上記振動板基板1aは、各上記ノズル孔11や各上記ノズル孔21に対応して、異方性エッチングにより形成される上記液室12や上記インク液室22と、上記液室12や上記インク液室22へ液体やインク液を供給するための上記共通液室13や上記共通インク液室23が形成され,両者は異方性エッチングで形成した上記液流路14や上記インク液流路24で連通され、各々の表面には上記耐腐食性薄膜4が形成された構造となる。
静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜4からなる上記静電アクチュエータ0及び上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10や上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20の上記電極3に上記電極パッド3aを介して電圧を印加すると、上記振動板1と上記電極3との間に静電力が働き、上記振動板1は上記電極3方向に撓み、上記液室12や上記インク液室22は引圧となり液体やインク液を供給のための上記液流路14や上記インク液流路24を経て上記共通液室13や上記共通インク液室23から液体やインク液が供給される。
上記電極3への上記電極パッド3aを介しての電圧を切ると、上記振動板1の剛性によって元の位置へ戻り、この時、上記液室12や上記インク液室22内は加圧され上記ノズル孔11や上記ノズル孔21を経て、上記振動板基板1aに対して法線方向の図示の矢印A方向、又は、上記ノズル孔11や上記ノズル孔21の方向を変更する事で上記振動板基板1aに対して水平方向の図示の矢印B方向に液滴やインク液滴は吐出される。
【0016】
図23において、静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜4からなる上記静電アクチュエータ0及び上記静電アクチュエータ0を具備する上記静電型マイクロポンプ10や上記静電アクチュエータ0を具備する上記インクジェット記録ヘッド20において、上記振動板撓み発生防止手段5は、液滴やインク液滴に対する上記耐腐食性薄膜4を上記窒化チタン薄膜4aと上記ジルコニウム薄膜4cを用いて内部応力を種々変化させた時、1E19/cm3以上ボロン不純物が導入された厚さ2μmの上記振動板1が挫屈し撓みが発生するかどうかと液体やインク液滴吐出噴射特性を評価した。
その結果、上記振動板撓み発生防止手段5は、応力で上記振動板1の撓みの発生を緩和又は防止する、上記耐腐食性薄膜4の上記窒化チタン薄膜4aや上記ジルコニウム薄膜4cの内部応力が少なくとも引っ張り応力(tensile stress)、若しくは、1E10dyne/cm2以下の圧縮応力(compressive stress)であれば、上記振動板1は挫屈による撓みは発生せず噴射特性も良好であった。
一方、2E10dyne/cm2以上もの圧縮応力では、上記振動板1は挫屈を生じ撓みが発生し、インク液滴が吐出しないといった噴射不良が発生した。
【0017】
図24において、上記耐腐食性薄膜4として上記窒化チタン薄膜4aを用いた時に、上記窒化チタン薄膜4aの抵抗率とインク液滴に対する耐腐食性を評価した。
その結果は、上記耐腐食性薄膜4の上記窒化チタン薄膜4aの抵抗率が1E−3Ω・cm以上ではインク液滴に対して耐腐食性を示すのに対して、それ未満の抵抗率ではインク液滴に対して腐食が観察された。
【0018】
図25乃至図28において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段105である単層の耐腐食性薄膜104の窒化チタン薄膜104aからなる静電アクチュエータ00及び上記静電アクチュエータ00を具備する静電型マイクロポンプ110や上記静電アクチュエータ00を具備するインクジェット記録ヘッド120は、上記酸化シリコン膜形成工程(a)〜上記ノズル板形成工程(i)で製造される(図5乃至図22を参照)。
電極基板102は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極103は、上記電極基板102の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜102aに形成した深さ0.4μmの凹部102b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜102a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極103である上記窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物103bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物103bは、振動板101と上記電極103の絶縁を確保するための物である。
上記電極基板102のパッド部102cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物103bをエッチング除去されている領域であって,上記電極103に電極パッド103aを介して、上記振動板101を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
振動板基板101aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板101が、空隙106内にある酸化シリコン膜の上記絶縁物103bを介して上記電極103に対向して配置されている。
上記振動板基板101aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室112やインク液室122と、上記液室112や上記インク液室122へインク液体を供給する共通液室113や共通インク液室123が形成され、上記液室112や上記インク液室122と上記共通液室113や上記共通インク液室123の両者が液流路114やインク液流路124によって連通されている。
上記振動板基板101aの表面上、上記振動板101の表面上、上記液室112の表面上や上記インク液室122の表面上、上記共通液室113の表面上や上記共通インク液室123の表面上、上記液流路114の表面上や上記インク液流路124の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜104である上記窒化チタン薄膜104aが、成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法,酸化法により厚さ1000Åで形成されている。
【0019】
上記振動板撓み発生防止手段105は、上記耐腐食性薄膜104である上記窒化チタン薄膜104aであって、内部応力は1E08dyne/cm、引っ張り応力(tensile stress)で、抵抗率が6.0E−3Ω・cmの薄膜である。ノズル板111aやノズル板121aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工でインク液供給用の液供給路115やインク液供給路125とノズル孔111やノズル孔121が形成されて、上記液室112や上記インク液室122の上に張り付けられている。静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段105である単層の上記耐腐食性薄膜104の上記窒化チタン薄膜104aからなる上記静電アクチュエータ00及び上記静電アクチュエータ00を具備する上記静電型マイクロポンプ110や上記静電アクチュエータ00を具備する上記インクジェット記録ヘッド120においては、上記振動板101を電気的に接地し、更に,上記電極パッド103aを介して、上記電極103に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板101が振動して作動した。上記電極パッド103aを介して上記電極103に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板101と上記電極103間に静電引力が働き、上記振動板101は上記電極103方向に引かれた。この時、上記振動板撓み発生防止手段105は、上記耐腐食性薄膜104である上記窒化チタン薄膜104aによる上記振動板101の挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極103側に十分引かれた。その結果、上記液室112や上記インク液室122は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路114や上記インク液流路124を経て上記共通液室113や上記共通インク液室123から上記液室112や上記インク液室122へ液体やインク液が供給された。上記電極パッド103aを介して上記電極103に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板101はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室112や上記インク液室122は加圧され,上記ノズル孔111や上記ノズル孔121を経て液滴やインク滴が、図示の矢印B方向へ安定して吐出した。更に、この状態で液滴やインク滴による信頼性試験を行った結果、抵抗率を制御した上記耐腐食性薄膜104である上記窒化チタン薄膜104aは耐腐食性が十分あることが確認された。
【0020】
図29乃至図32において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段205である単層の耐腐食性薄膜204のジルコニウム薄膜204cからなる静電アクチュエータ200及び上記静電アクチュエータ200を具備する静電型マイクロポンプ210や上記静電アクチュエータ200を具備する上記インクジェット記録ヘッド220は、上記酸化シリコン膜形成工程(a)〜上記ノズル板形成工程(i)で製造される(図5乃至図22を参照)。
電極基板202は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極203は、上記電極基板202の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜202aに形成した深さ0.4μmの凹部202b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜202a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極203である窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物203bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物203bは、振動板201と上記電極203の絶縁を確保するためのものである。
上記電極基板202のパッド部202cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物203bをエッチング除去されている領域であって,上記電極203に電極パッド203aを介して、上記振動板201を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
振動板基板201aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板201が、空隙206内にある酸化シリコン膜の上記絶縁物203bを介して上記電極203に対向して配置されている。
上記振動板基板201aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室212やインク液室222と、上記液室212や上記インク液室222へ液体やインク液を供給する共通液室213や共通インク液室223が形成され、上記液室212や上記インク液室222と上記共通液室213や上記共通インク液室223の両者が液流路214やインク液流路224によって連通されている。
上記振動板基板201aの表面上、上記振動板201の表面上、上記液室212や上記インク液室222の表面上、上記共通液室213のや上記共通インク液室223の表面上、上記液流路214や上記インク液流路224の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜204である上記ジルコニウム薄膜204cがスパッタ法により厚さ1000Åで形成されている。
【0021】
上記振動板撓み発生防止手段205は、上記耐腐食性薄膜204である上記ジルコニウム薄膜204cの内部応力は−5.0E09dyne/cm2圧縮応力(compressive stress)である。
ノズル板211aやノズル板221aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の液供給路215やインク液供給路225とノズル孔211やノズル孔221が形成されて、上記インク液室212の上に張り付けられている。
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段205である単層の上記耐腐食性薄膜204の上記ジルコニウム薄膜204cからなる上記静電アクチュエータ200及び上記静電アクチュエータ200を具備する上記静電型マイクロポンプ210や上記静電アクチュエータ200を具備する上記インクジェット記録ヘッド220においては、上記振動板201を電気的に接地し、更に、上記電極パッド203aを介して、上記電極203に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板201が振動して作動した。
上記電極パッド203aを介して上記電極203に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板201と上記電極203間に静電引力が働き、上記振動板201は上記電極203方向に引かれた。
この時、上記振動板撓み発生防止手段205は、上記耐腐食性薄膜204である上記ジルコニウム薄膜204cによる上記振動板201の挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極203側に十分引かれた。
その結果、上記液室212や上記インク液室222は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路214や上記インク液流路224を経て上記共通液室213や上記共通インク液室223から上記液室212や上記インク液室222へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド203aを介して上記電極203に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板201はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室212や上記インク液室222は加圧され,上記ノズル孔211や上記ノズル孔221を経て液滴やインク液滴が、図示の矢印B方向へ安定して吐出した。更に、この状態で液滴やインク液滴による信頼性試験を行った結果、抵抗率を制御した上記耐腐食性薄膜204である上記ジルコニウム薄膜204cは耐腐食性が十分あることが確認された。
【0022】
図33乃至図36において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段305である積層の耐腐食性薄膜304の酸化シリコン薄膜304bと窒化チタン304aからなる静電アクチュエータ300及び上記静電アクチュエータ300を具備する静電型マイクロポンプ310や上記静電アクチュエータ300を具備するインクジェット記録ヘッド320は、上記酸化シリコン膜形成工程(a)〜上記ノズル板形成工程(i)で製造される(図5乃至図22を参照)。電極基板302は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極303は、上記電極基板302の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜302aに形成した深さ0.4μmの凹部302b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜302a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極303である窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物303bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物303bは、振動板301と上記電極303の絶縁を確保するための物である。
上記電極基板302のパッド部302cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物303bをエッチング除去されている領域であって,上記電極303に電極パッド303aを介して、上記振動板301を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
振動板基板301aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板301が、空隙306である酸化シリコン膜の上記絶縁物303bを介して上記電極303に対向して配置されている。
【0023】
上記振動板基板301aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室312やインク液室322と、上記液室312や上記インク液室322へ液体やインク液を供給する共通液室313や共通液室323が形成され、上記液室312や上記インク液室322と上記共通液室313や上記共通インク液室323の両者が液流路314やインク液流路324によって連通されている。上記振動板基板301aの表面上、上記振動板301の表面上、上記液室312や上記インク液室322の表面上、上記共通液室313や上記共通インク液室323の表面上、上記液流路314や上記インク液流路324の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜304である熱酸化法によって形成した厚さ500Åの上記酸化シリコン薄膜304bと、スパッタ法により形成した1000Åの上記窒化チタン薄膜304aが順次に形成されている。この時、上記振動板撓み発生防止手段305である積層の上記耐腐食性薄膜304上記酸化シリコン薄膜304bと上記窒化チタン薄膜304aであって、共に引っ張り応力(tensile stress)を有している。各々の膜応力については、上記酸化シリコン薄膜304bが1.0E08dyne/cmで、上記窒化チタン薄膜304aが1.0E09dyne/cmであ。又、このときの上記窒化チタン薄膜304aの抵抗率は1.0E−2Ω・cmであ。ノズル板311aやノズル板321aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の液供給路315やインク液供給路325とノズル孔311やノズル孔321が形成されて、上記液室312や上記インク液室322の上に張り付けられている。
【0024】
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段305である積層の上記耐腐食性薄膜304の上記酸化シリコン薄膜304bと上記窒化チタン薄膜304aからなる上記静電アクチュエータ300及び上記静電アクチュエータ300を具備する静電型マイクロポンプ31や上記静電アクチュエータ300を具備する上記インクジェット記録ヘッド320においては、上記振動板301を電気的に接地し、更に、上記電極パッド303aを介して、上記電極303に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板301が振動して作動した。
上記電極パッド303aを介して上記電極303に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板301と上記電極303間に静電引力が働き、上記振動板301は上記電極303方向に引かれた。
この時、上記振動板撓み発生防止手段305は、上記耐腐食性薄膜304である上記酸化シリコン薄膜304bと順次形成された上記窒化チタン薄膜304aによる上記振動板301の挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極303側に十分引かれた。
その結果、上記液室312や上記インク液室322は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路314や上記インク液流路324を経て上記共通液室313や上記共通インク液室323から上記液室312や上記インク液室322へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド303aを介して上記電極303に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板301はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室312や上記インク液室322は加圧され,上記ノズル孔311や上記ノズル孔321を経て液滴やインク滴が、図示の矢印B方向へ安定して吐出した。
更に、この状態で液滴やインク滴による信頼性試験を行った結果、上記耐腐食性薄膜304である上記酸化シリコン薄膜304bと上記窒化チタン薄膜304aは耐腐食性が十分あることが確認された。
【0025】
図37乃至図40において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段405である積層の耐腐食性薄膜404の酸化シリコン薄膜404bとジルコニウム薄膜404cからなる静電アクチュエータ400及び上記静電アクチュエータ400を具備する静電型マイクロポンプ410や上記静電アクチュエータ400を具備するインクジェット記録ヘッド420は、上記酸化シリコン膜形成工程(a)〜上記ノズル板形成工程(i)で製造される(図5乃至図22を参照)。
電極基板402は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極403は、上記電極基板402の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜402aに形成した深さ0.4μmの凹部402b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜402a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極403である窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物403bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物403bは、振動板401と上記電極403の絶縁を確保するためのものである。
上記電極基板402のパッド部402cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物403bをエッチング除去されている領域であって,上記電極403に電極パッド403aを介して、上記振動板401を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
【0026】
振動板基板401aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板401が、空隙406である酸化シリコン膜の上記絶縁物403bを介して上記電極403に対向して配置されている。
上記振動板基板401aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室412やインク液室422と、上記液室412や上記インク液室422へ液体やインク液を供給する共通液室413や共通インク液室423が形成され、上記液室412や上記インク液室422と上記共通液室413や上記共通インク液室423の両者が液流路414やインク液流路424によって連通されている。
上記振動板基板401aの表面上、上記振動板401の表面上、上記液室412や上記インク液室422の表面上、上記共通液室413や上記共通インク液室423の表面上、上記液流路414や上記インク液流路424の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜404である熱酸化法によって形成した厚さ500Åの上記酸化シリコン薄膜404bと、スパッタ法により形成した1000Åの上記ジルコニウム薄膜404cが順次に形成されている。
この時、上記振動板撓み発生防止手段405である積層の上記耐腐食性薄膜404の上記酸化シリコン薄膜404bと上記ジルコニウム薄膜404cは引っ張り応力(tensile stress)であって、上記酸化シリコン薄膜404bが1.0E08dyne/cm2で、上記ジルコニウム薄膜404cが5.0E09dyne/cm2であった。
ノズル板411aやノズル板421aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工でインク液供給用の液供給路415やインク液供給路425とノズル孔411やノズル孔421が形成されて、上記液室412や上記インク液室422の上に張り付けられている。
【0027】
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段405である積層の上記耐腐食性薄膜404の上記酸化シリコン薄膜404bと上記ジルコニウム薄膜404cからなる上記静電アクチュエータ400及び上記静電アクチュエータ400を具備する上記静電型マイクロポンプ410や上記静電アクチュエータ400を具備する上記インクジェット記録ヘッド420においては、上記振動板401を電気的に接地し、更に、上記電極パッド403aを介して、上記電極403に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板401が振動して作動した。上記電極パッド403aを介して上記電極403に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板401と上記電極403間に静電引力が働き、上記振動板401は上記電極403方向に引かれた。
この時、上記振動板撓み発生防止手段405は、上記耐腐食性薄膜404である上記酸化シリコン薄膜404bと順次形成された上記ジルコニウム薄膜404cによる上記振動板401の挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極403側に十分引かれた。
その結果、上記液室412や上記インク液室422は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路414や上記インク液流路424を経て上記共通液室413や上記共通インク液室423から上記液室412や上記インク液室422へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド403aを介して上記電極403に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板401はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室412や上記インク液室422は加圧され、上記ノズル孔411や上記ノズル孔421を経て液滴やインク滴が、図示の矢印B方向へ安定して吐出した。
更に、この状態で液滴やインク滴による信頼性試験を行った結果、上記耐腐食性薄膜404である上記酸化シリコン薄膜404bと上記ジルコニウム薄膜404cは耐腐食性が十分あることが確認された。
【0028】
図41乃至図44において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段505である積層の耐腐食性薄膜504の窒化チタン薄膜504aとジルコニウム薄膜504cからなる静電アクチュエータ500及び上記静電アクチュエータ500を具備する静電型マイクロポンプ510や上記静電アクチュエータ500を具備するインクジェット記録ヘッド520は、上記酸化シリコン膜形成工程(a)〜上記ノズル板形成工程(i)で製造される(図5乃至図22を参照)。
電極基板502は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極503は、上記電極基板502の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜502aに形成した深さ0.4μmの凹部502b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜502a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極503である窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物503bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物503bは、振動板501と上記電極503の絶縁を確保するためのものである。
上記電極基板502のパッド部502cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物503bをエッチング除去されている領域であって,上記電極503に電極パッド503aを介して、上記振動板501を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
振動板基板501aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板501が、空隙506である酸化シリコン膜の上記絶縁物503bを介して上記電極503に対向して配置されている。
上記振動板基板501aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室512やインク液室522と、上記液室512や上記インク液室522へ液体やインク液を供給する共通液室513や共通インク液室523が形成され、上記液室512や上記インク液室522と上記共通液室513や上記共通インク液室523の両者が液流路514やインク液流路524によって連通されている。
【0029】
上記振動板基板501aの表面上、上記振動板501の表面上、上記液室512や上記インク液室522の表面上、上記共通液室513や上記共通インク液室523の表面上、上記液流路514や上記インク液流路524の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜504であるスパッタ法によって形成した厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜504aと、スパッタ法により順次に形成した厚さ500Åの上記ジルコニウム薄膜504cが形成されている。
この時、上記振動板撓み発生防止手段505である積層の上記耐腐食性薄膜504の上記窒化チタン薄膜504aが7.0E08dyne/cm2圧縮応力(compressive stress)であって、順次に形成された上記ジルコニウム薄膜504cが5.0E09dyne/cm2圧縮応力(tensile stress)であった。上記窒化チタン薄膜504aの抵抗率は、1.3E−3Ω・cmであった。
ノズル板511aやノズル板521aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の液供給路515やインク液供給路525とノズル孔511やノズル孔521が形成されて、上記液室512や上記インク液室522の上に張り付けられている。
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段505である積層の上記耐腐食性薄膜504の上記窒化チタン薄膜504aと順次に形成された上記ジルコニウム薄膜504cからなる上記静電アクチュエータ500及び上記静電アクチュエータ500を具備する上記静電型マイクロポンプ510や上記静電アクチュエータ500を具備する上記インクジェット記録ヘッド520においては、上記振動板501を電気的に接地し、更に、上記電極パッド503aを介して、上記電極503に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板501が振動して作動した。
【0030】
上記電極パッド503aを介して上記電極503に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板501と上記電極503間に静電引力が働き、上記振動板501は上記電極503方向に引かれた。
この時、上記振動板撓み発生防止手段505は、上記耐腐食性薄膜504である上記窒化チタン薄膜504aと順次に形成された上記ジルコニウム薄膜504cによる上記振動板501の挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極503方向に十分引かれた。
その結果、上記液室512や上記インク液室522は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路514や上記インク液流路524を経て上記共通液室513や上記共通インク液室523から上記液室512や上記インク液室522へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド503aを介して上記電極503に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板501はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室512あ上記インク液室522は加圧され,上記ノズル孔511や上記ノズル孔521を経てインク液滴が、図示の矢印B方向へ安定して吐出した。更に、この状態で液滴やインク滴による信頼性試験を行った結果、上記耐腐食性薄膜504である上記窒化チタン薄膜504aと順次に形成された上記ジルコニウム薄膜504cは耐腐食性が十分あることが確認された。
【0031】
図45乃至図48において、静電力により振動して作動する静電アクチュエータ600は、静電力により振動して作動する振動板601と、上記振動板601に対向する電極基板602と、上記電極基板602上に形成されて上記振動板601に空隙606を介して対向する電極603と、上記振動板601を振動して作動するための電圧を印加する上記電極603と対向する上記振動板601上に耐腐食性の薄膜が形成された耐腐食性薄膜604と、上記耐腐食性薄膜604の上記振動板601の撓みの発生を防止する振動板撓み発生防止手段605とからなり、上記振動板撓み発生防止手段605は上記耐腐食性薄膜604が形成された上記振動板601が平坦になるようにして、インク液滴噴射特性等の作動特性のバラツキや不良が抑制され、上記耐腐食性薄膜604の形成された上記振動板601の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐インク腐食に優れ、歩留まりが向上して低コストにすることが出来るようになった。
液滴やインク滴を静電力による圧力波で吐出する静電型マイクロポンプ610やインクジェット記録ヘッド620は、インク液滴を図示の矢印C方向又は図示の矢印D方向に吐出するノズル孔611やノズル孔621と、上記ノズル孔611や上記ノズル孔621が連通するインク流路の液室612やインク液室622と、上記液室612や上記インク液室622の壁面を形成する上記静電アクチュエータ600の上記振動板601に形成された上記耐腐食性薄膜604とからなる。
振動板基板601aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板で、上記振動板601、個々の上記ノズル孔611や上記ノズル孔621に対応して液滴やインク滴が加圧される上記液室612や上記インク液室622、共通液室613や共通インク液室623、液流路614やインク液流路624が異方性エッチングにより形成され、上記液室612や上記インク液室622と上記共通液室613や上記共通液室623は上記液流路614や上記インク液流路624によって連通されている。
ノズル板611aやノズル板621aは、ガラス板、金属板又はシリコン板で、上記ノズル孔611や上記ノズル孔621と液供給路615やインク液供給路625が形成されている。
更に、上記振動板601の表面上、上記振動板基板601aの表面上、上記液室612や上記インク液室622の表面上、上記共通液室613や上記共通インク液室623の表面上、上記液流路614や上記インク液流路624の表面上には液滴やインク滴に対する耐腐食性の膜の上記耐腐食性薄膜604が形成されている。
【0032】
上記振動板撓み発生防止手段605は、上記耐腐食性薄膜604を成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法,酸化法により形成された厚さ10Åから2000Å、好ましくは100Å〜1000Åであって、上記耐腐食性膜604を上記振動板601上に平坦に形成されて、上記振動板601に撓みを生ずることを防止している。
上記振動板撓み発生防止手段605の上記耐腐食性薄膜604は、単層、或いは、微少穴のピンホール等による液滴やインク滴漏洩等による作動不良を防止しするために、順次積層された積層膜、少なくとも酸素原子を含み、好ましく酸素原子を濃度1%以上含む耐液体や耐インク腐食に優れ、量産性に優れた窒化チタン604aである。
上記電極基板602は、n型、又は、p型の単結晶シリコン基板である。通常は,面配向(100)の単結晶シリコン基板を用いられるが、プロセスに応じて面方位(110)、又は、面方位(111)の単結晶シリコン基板を用いても何ら問題は無く、又は、シリコン基板の代わりにガラス基板を用いてもよい。
【0033】
上記電極603は、単結晶シリコン基板の上記電極基板602上の酸化シリコン膜602aの凹部602b内に形成された高融点金属からなり、上記振動板601を振動して作動するための電圧が印加される。
上記電極603は、上記電極基板602と互いに絶縁分離されており、反応性スパッタ法、CVD法等によって形成したチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いはそれらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタン又は、上記酸化シリコン膜602a上に順次形成されるチタン、窒化チタンの積層構造からなる振動して作動させる電極であって、単結晶シリコン基板の上記電極基板602を熱酸化することにより形成した上記酸化シリコン膜602aの上記凹部602b内に配置されている。上記電極603上にCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって絶縁物603bが形成されている。
上記凹部602bは、上記振動板601と上記電極603間に上記空隙606を形成するためのものであって、上記空隙606を介して上記振動板601と対向した上記電極603に電圧を印加することで静電引力を発生させる。
パッド部602cは、上記電極603の電極パッド603aに対して外部から電圧を印加する図示しないPPCやワイヤーボンデイング等の実装を行うためのものである。
従って、上記振動板撓み発生防止手段605により上記耐腐食性薄膜604の形成された上記振動板601の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐液体や耐インク腐食に優れ、歩留まりが向上して低コストの上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620を提供することが出来るようになった。
【0034】
図49乃至図66において、上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620の製造方法を説明する。
静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜604からなる上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620は、
図49と図50において、最初に、面配向(100)、(111)、又は、(110)のp型、又は、n型の単結晶シリコン基板の上記電極基板602上に熱酸化法により上記酸化シリコン膜602aを形成する酸化シリコン膜形成工程(k)と、
図51と図52において、次に、通常のフォトリソグラフィとドライエッチング法、又は、ウェットエッチング法で行うエッチングは、上記酸化シリコン膜602aに上記電極603の領域と上記パッド603aの領域を規定するパターニング工程(l)と、
図53と図54において、上記パターニング工程(l)でパターニングされた上記酸化シリコン膜602a上に反応性スパッタ法、CVD法等によって形成したチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いはそれらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタンを順次形成される窒化チタンを全面に成膜して上記電極603を形成する電極形成工程(m)と、
図55と図56において、高融点金属の上記電極603上にCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって形成した上記絶縁物603b、望ましくは酸化シリコンを形成する絶縁物形成工程(n)と、
図57と図58において、上記絶縁物603bをエッチングマスクとして高融点金属の上記電極603をエッチングしパターニングして上記電極基板602を完成する電極基板完成工程(o)と、
図59と図60において、次に,伝導型がp型、又は、n型、面方位(110)の単結晶Si基板の上記振動板基板601aの片面に上記振動板601の膜厚に等しくなる深さまでp型、或いは、n型の伝導型を示す不純物を1E19/cm3以上拡散させた拡散領域601a1と、更に、上記拡散領域601a1と反対の面に、上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620の上記ノズル孔611や上記ノズル孔621と上記液室612や上記インク液室622とを規定する酸化シリコン或いは,窒化シリコン,五酸化タンタル等の単結晶シリコンのエッチングマスタパターンを形成した上記振動板基板601aと上記電極基板602とアライメントして500℃前後の温度で接合した後、800℃以上の熱処理を行う接合精度が良い直接接合法で接合する接合工程(p)と、
【0035】
又は、上記振動板基板601aと上記電極基板602とをアライメント接合した後にエッチングマスクパターンを形成しても良い。
更に、面方位(110)単結晶シリコン基板の上にシリコン酸化膜を介し,上記振動板601の膜厚に等しい単結晶薄膜シリコンが形成されているSOI(Silicon On Insulator)基板と上記電極基板602を直接接合しても良い。
この場合においても,単結晶シリコン薄膜と反対の面に、上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620の上記ノズル孔611や上記ノズル孔621と上記液室612や上記インク液室622を規定する酸化シリコン膜,窒化シリコン膜,五酸化タンタル等の単結晶シリコンエッチングマスタパターンをあらかじめ形成した後に上記電極基板602と直接接合しても良い。ガラス基板を用いた場合は、陽極接合で行う。
【0036】
図61と図62において、次に、上記接合工程(p)で上記振動板基板601aと上記電極基板602を直接接合して、単結晶シリコンエッチングマスタパターンが形成された側からKOH、TMAH等によって異方性エッチングして、この時,高濃度に不純物を含む上記拡散領域601a1でエッチングは自発的に停止して上記振動板601を形成する振動板形成工程(q)と、
SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて異方性エッチングした場合は、酸化シリコン膜上でエッチングは停止する。尚、この時,前記、酸化シリコン膜を除去しても何ら問題はない。
【0037】
図63と図64において、次に、上記振動板基板601a表面と上記振動板601の全面にわたり同時にインク液滴に対する耐腐食性の上記耐腐食性薄膜604を形成する耐腐食性薄膜形成工程(r)と、
上記振動板撓み発生防止手段605は、上記耐腐食性薄膜604を成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法、酸化法により上記振動板601に形成された単層、或いは、積層膜であって少なくとも酸素原子を含む、望ましくは1.0%以上酸素原子を含む量産性に優れた上記窒化チタン薄膜604aで上記振動板601は平坦である。ここで上記耐腐食性薄膜604は、液滴やインク滴等に対して耐腐食性を持つ薄膜であれば何れでも良い。
【0038】
図65と図66において、上記ノズル板611aや上記ノズル板621aは、ガラス板や金属板からなる基板上部にサンドブラスト加工やレーザー加工で、液体やインク液供給用の上記液供給路615や上記インク液供給路625が形成されて張り付けられ、上記電極パッド603aの上部領域の上記耐腐食性薄膜604、上記振動板601、上記絶縁物603bをエッチング除去するノズル板形成工程(s)で製造される。
従って、取り扱い中の上記振動板601の破壊が防止され、上記耐腐食性薄膜604が形成された上記振動板601の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、耐液体や耐インク腐食に優れ、歩留まりが大幅に向上して低コストの上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620の製造方法を提供することが出来るようになった。
上記振動板基板601aは、各上記ノズル孔611や上記ノズル孔621に対応して、異方性エッチングにより形成される上記液室612や上記インク液室622と、上記液室612や上記インク液室622へ液体やインク液体を供給するための上記共通液室613や上記共通インク液室623が形成され,両者は異方性エッチングで形成した上記液流路614や上記インク液流路624で連通され、各々の表面には上記耐腐食性薄膜604が形成された構造となる。
静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜604からなる上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620の上記電極603に上記電極パッド603aを介して電圧を印加すると、上記振動板601と上記電極603との間に静電力が働き、上記振動板601は上記電極603方向に撓み、上記液室612や上記インク液室622は引圧となり液体やインク液供給のための上記液流路614や上記インク液流路624を経て上記共通液室613や上記共通インク液室623から上記液室612や上記インク液室622へと液体やインク液が供給される。
上記電極603への上記電極パッド603aを介しての電圧を切ると、上記振動板601の剛性によって元の位置へ戻り、この時、上記液室612や上記インク液室622内は加圧され上記ノズル孔611や上記ノズル孔621を経て、上記振動板基板601aに対して法線方向の図示の矢印C方向、又は、上記ノズル孔611や上記ノズル孔621の方向を変更する事で上記振動板基板601aに対して水平方向の図示の矢印D方向にインク液滴は吐出される。
【0039】
図67において、静電力により振動して作動する上記耐腐食性薄膜604からなる上記静電アクチュエータ600及び上記静電アクチュエータ600を具備する上記静電型マイクロポンプ610や上記静電アクチュエータ600を具備する上記インクジェット記録ヘッド620において、液滴やインク滴に対する上記耐腐食性薄膜604として窒化チタンを用いた時の1E19/cm3以上ボロン不純物が導入された厚さ2μmの上記振動板601の撓み量とインク液滴の噴射スピードやインク液滴の量の噴射特性のビット間のバラツキを評価した。
その結果、上記耐腐食性薄膜604を上記振動板601上に形成した時に、上記振動板601が平坦でなく撓みが見られた場合、噴射特性のビット間にバラツキを生じ実用上大きな問題となることがわかった。この為、上記耐腐食性薄膜604を上記振動板601上に順次形成した場合、少しでも上記振動板601上に撓みが生じることは好ましくない。この傾向は、液滴やインク滴に対して耐腐食性を持つ薄膜の何れを用いた場合でも同様の結果を示した。
【0040】
図68において、次に、上記耐腐食性薄膜604として上記窒化チタン薄膜604aを用いた時に、上記窒化チタン薄膜604a中に含まれる酸素原子濃度と液滴やインク滴に対する耐腐食性を評価した。
その結果は、上記窒化チタン薄膜604a中に酸素原子が含有していない場合には実用上大きな問題とはならなかったが、液滴やインク滴に対して多少の腐食がみられたのに対し、酸素原子が少なくとも含まれた上記窒化チタン薄膜604aの場合には耐腐食性が向上すことがわかった。更に、1%以上含有している上記窒化チタン薄膜604aの場合には耐腐食性がより向上する事が分かった。このことから、上記耐腐食性薄膜604に上記窒化チタン薄膜604aを用いた場合には、少なくとも酸素原子が含まれることが望ましく、酸素原子が1%以上含有された上記窒化チタン薄膜604aの場合には、更に、望ましいことがわかる。
【0041】
図69乃至図72において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段705である単層の耐腐食性薄膜704の窒化チタン薄膜704aからなる静電アクチュエータ700及び上記静電アクチュエータ700を具備する静電型マイクロポンプ710や上記静電アクチュエータ700を具備するインクジェット記録ヘッド720は、上記酸化シリコン膜形成工程(k)〜上記ノズル板形成工程(s)で製造される(図49乃至図66を参照)。
電極基板702は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極703は、上記電極基板702の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜702aに形成した深さ0.4μmの凹部702b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜702a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極703である上記窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物703bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物703bは、振動板701と上記電極703の絶縁を確保するための物である。
【0042】
上記電極基板702のパッド部702cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物703bをエッチング除去されている領域であって,上記電極703に電極パッド703aを介して、上記振動板701を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
振動板基板701aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板701が、空隙706である酸化シリコン膜の上記絶縁物703bを介して上記電極703に対向して配置されている。
上記振動板基板701aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室712やインク液室722と、上記液室712や上記インク液室722へ液体やインク液を供給する共通液室713や共通インク液室723が形成され、上記液室712や上記インク液室722と上記共通液室713や上記共通インク液室723の両者が液流路714やインク液流路724によって連通されている。
上記振動板基板701aの表面上、上記振動板701の表面上、上記液室712や上記インク液室722の表面上、上記共通液室713や上記共通インク液室723の表面上、上記液流路714や上記インク液流路724の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜704である上記窒化チタン薄膜704aが、成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法、酸化法により厚さ1000Åで形成されている。
【0043】
上記耐腐食性薄膜704である上記窒化チタン薄膜704a中には、酸素原子が約10%含有している。この時、上記耐腐食性薄膜704である上記窒化チタン薄膜704が形成された状態で、上記振動板701座屈による撓みは全く発生していなかった。
ノズル板711aやノズル板721aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工でインク液供給用の液供給路715やインク液供給路725とノズル孔711やノズル孔721が形成されて、上記液室712や上記インク液室722の上に張り付けられている。
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段705である単層の上記耐腐食性薄膜704の上記窒化チタン薄膜704aからなる上記静電アクチュエータ700及び上記静電アクチュエータ700を具備する上記静電型マイクロポンプ710や上記静電アクチュエータ700を具備する上記インクジェット記録ヘッド720においては、上記振動板701を電気的に接地し、更に,上記電極パッド703aを介して、上記電極703に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板701が振動して作動した。
上記電極パッド703aを介して上記電極703に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板701と上記電極703間に静電引力が働き、上記振動板701は酸素原子10%含有する上記窒化チタン薄膜704aによる上記振動板701が平坦で座屈による撓みが発生していないため、静電引力により上記電極703側に十分引かれた。
その結果、上記液室712や上記インク液室722は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路714や上記インク液流路724を経て上記共通液室713や上記共通インク液室723から上記液室712や上記インク液室722へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド703aを介して上記電極703に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板701はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室712や上記インク液室722は加圧され、上記ノズル孔711や上記ノズル孔721を経て液滴やインク滴が、図示の矢印D方向へ安定して吐出した。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果は、非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来るようになった。又、インク液滴による信頼性試験を行った結果、耐腐食性が十分であることが確認された。
【0044】
図73乃至図76において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段805である積層の耐腐食性薄膜804の窒化チタン薄膜804aの窒化チタン薄膜804a1と条件を変更した窒化チタン804a2からなる静電アクチュエータ800及び上記静電アクチュエータ800を具備する静電型マイクロポンプ810や上記静電アクチュエータ800を具備するインクジェット記録ヘッド820は、上記酸化シリコン膜形成工程(k)〜上記ノズル板形成工程(s)で製造される(図49乃至図66を参照)。
電極基板802は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
電極803は、上記電極基板802の単結晶シリコン基板上の厚さ2μmの熱酸化法によって形成した酸化シリコン膜802aに形成した深さ0.4μmの凹部802b内に配置され、更に、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜802a上に形成した窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記電極803である窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物803bを形成し、酸化シリコン膜の上記絶縁物803bは、振動板801と上記電極803の絶縁を確保するためのものである。
上記電極基板802のパッド部802cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物803bをエッチング除去されている領域であって,上記電極803に電極パッド803aを介して、上記振動板801を振動して作動させる電圧を印加する領域である。
【0045】
振動板基板801aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、ボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmの上記振動板801が、空隙806である酸化シリコン膜の上記絶縁物803bを介して上記電極803に対向して配置されている。
上記振動板基板801aは、面方位(110)の単結晶シリコン基板をKOHで異方性エッチングして形成した、液室812やインク液室822と、上記液室812や上記インク液室822へ液体やインク液を供給する共通液室813や共通インク液室823が形成され、上記液室812や上記インク液室822と上記共通液室813や共通インク液室823の両者が液流路814やインク液流路824によって連通されている。
上記振動板基板801aの表面上、上記振動板801の表面上、上記液室812や上記インク液室822の表面上、上記共通液室813や上記共通インク液室823の表面上、上記液流路814や上記インク液流路824の表面上には液体やインク液に対する耐腐食性の薄膜である上記耐腐食性薄膜804である上記窒化チタン薄膜804aの、成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法、酸化法により形成した酸素原子を5%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a1と、更に、引き続いて条件を変更して、成膜時のボトムカバレージが良く制御性も良く酸素原子を含有させることが出来るスパッタ法、CVD法、酸化法により形成した酸素原子を15%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a2とが順次に形成されている。
【0046】
この時、上記振動板撓み発生防止手段805である積層の上記耐腐食性薄膜804の上記酸化窒化チタン薄膜804aの上記窒化チタン薄膜804a1と上記窒化チタン薄膜804a2と形成された状態で、上記振動板801の座屈による撓みは全く発生していなかった。
ノズル板811aやノズル板821aは、ガラス板からなり、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の液供給路815やインク液供給路825とノズル孔811やノズル孔821が形成されて、上記液室812や上記インク液室822の上に張り付けられている。
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段805である積層の上記耐腐食性薄膜804の上記酸化窒化チタン薄膜804aの上記窒化チタン薄膜804a1と上記窒化チタン薄膜804a2とからなる上記静電アクチュエータ800及び上記静電アクチュエータ800を具備する上記静電型マイクロポンプ810や上記静電アクチュエータ800を具備する上記インクジェット記録ヘッド820においては、上記振動板801を電気的に接地し、更に、上記電極パッド803aを介して、上記電極803に電圧を印加すると、一定周波数で上記振動板801が振動して作動した。
上記電極パッド803aを介して上記電極803に電圧を印加すると、電圧を印加した時、上記振動板801と上記電極803間に静電引力が働き、上記振動板801は上記電極803方向に引かれた。
【0047】
この時、上記振動板撓み発生防止手段805は、上記耐腐食性薄膜804である上記酸化窒化チタン薄膜804aのスパッタ法により形成した酸素原子を5%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a1と条件を変更してスパッタ法により形成した酸素原子を15%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a2による上記振動板801が平坦で挫屈による撓みは発生せず、静電引力により上記電極803側に十分引かれた。
その結果、上記液室812や上記インク液室822は引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路814や上記インク液流路824を経て上記共通液室813や上記共通液室823から上記液室812や上記インク液室822へ液体やインク液が供給された。
上記電極パッド803aを介して上記電極803に印加される電圧の周波数に対応して、上記振動板801はシリコンの剛性により元の位置へと戻り、この時上記液室812や上記インク液室822は加圧され,上記ノズル孔811や上記ノズル孔821を経て液滴やインク滴が、図示の矢印D方向へ安定して吐出した。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果は、非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来るようになった。又、液滴やインク滴による信頼性試験を行った結果、上記耐腐食性薄膜804である上記酸化窒化チタン薄膜804aのスパッタ法により形成した酸素原子を5%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a1と条件を変更してスパッタ法により形成した酸素原子を15%含有する厚さ500Åの上記窒化チタン薄膜804a2は、耐腐食性が十分あることが確認された。
【0048】
図77乃至図80において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段905である耐腐食性薄膜904が、簡単な応力の他の構成で、圧縮応力と引っ張り応力の応力方向の異なる2層以上の異応力複数層薄膜904eからなる静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備するインクジェット記録ヘッド920の上記異応力複数層薄膜904eは、スパッタ法により形成されて製造される。
上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920は、シリコンの振動板901、液体やインク液が加圧される液室や912やインク液室922、共通液室913や共通インク液室923、液流路914やインク液流路924が異方性エッチングにより形成された面方位(110)の単結晶シリコンの振動板基板901aとノズル孔911やノズル孔922、液供給路915やインク液供給路925が形成されたガラス板,金属板、シリコン板等のノズル板911aやノズル板921aと電極基板902の部分で構成されている。
上記振動板基板901aである単結晶シリコン基板には上記液室912や上記インク液室922と個々の上記ノズル911や上記ノズル921に対応して、静電引力によって駆動するシリコンの上記振動板901を形成し、そこへ液体やインク液を供給するための上記共通液室913や上記共通インク液室923が形成されている。
上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923は上記液流路914や上記インク液流路924によって連通されている。
更に、上記振動板基板901aと、シリコンの上記振動板901表面と上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923と上記液流路914や上記インク液流路924の液体やインク液が接する表面には、液体やインク液に対して耐腐食性を有する上記異応力複数層薄膜904eの第1耐腐食性薄膜904e1と第2耐腐食性薄膜904e2が厚さ10Åから5000Å、好ましくは100Å〜2000Åであってスパッタ法、CVD法,酸化法等により形成された窒化チタン等の金属である。
【0049】
窒化チタン以外でも耐腐食性を持つ材料で有れば何れでも良い。上記異応力複数層薄膜904eの各上記第1耐腐食性薄膜904e1と上記第2耐腐食性薄膜904e2の応力は互いに逆の応力を有している。
つまり、各上記第1耐腐食性薄膜904e1が圧縮応力の場合は上記第2耐腐食性薄膜904e2の応力は引っ張り応力であって、上記第1耐腐食性薄膜904e1が引っ張り応力の場合は上記第2耐腐食性薄膜904e2の応力は圧縮応力である。
この様に、上記異応力複数層薄膜904eの各上記第1耐腐食性薄膜904e1と上記第2耐腐食性薄膜904e2の応力は互いに逆となるように設定されている。
又、上記異応力複数層薄膜904eを2層以上の複数層を積層した場合は、各上記第1耐腐食性薄膜904e1、上記第2耐腐食性薄膜904e2、・・・上記第2耐腐食性薄膜904enの応力を各々制御し、n層を積層された上記異応力複数層薄膜904eの全体として応力を緩和することにより上記振動板901の撓みを緩和させる。
又、各上記第1耐腐食性薄膜904e1、上記第2耐腐食性薄膜904e2、・・・上記第2耐腐食性薄膜904enのn層した上記異応力複数層薄膜904eの全体として応力を緩和するばかりでなく、微少欠陥等によるピンホールを抑制することも出来るようになった。
【0050】
図81乃至図84において、静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段905である上記耐腐食性薄膜904が、簡単な応力の他の構成で、圧縮応力と引っ張り応力の応力方向の異なる2層以上の上記異応力複数層薄膜904eからなる上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920の上記異応力複数層薄膜904eの積層された互いに異なる応力を持つ耐腐食性薄膜としての窒化チタン薄膜904e3の窒化チタン薄膜904e31と窒化チタン薄膜904e32は、内部応力の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法により形成されて製造される。
上記電極基板902は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶Si基板である。
電極903は、上記電極基板902上の厚さ2μmの酸化シリコン膜902aに形成した深さ0.5μmの凹部302b内に配置され、反応性スパッタ法によって順次酸化膜上に形成した厚さ150nmの窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。
上記酸化シリコン膜902aは、熱酸化法によって形成した。更に、上記電極903の窒化チタン上には、プラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物903bを形成した。上記絶縁物903bは、上記振動板901と上記電極903の絶縁を確保するためのものである。
パッド部902cは、上記絶縁物903bがエッチング除去されている領域であって,上記静電型マイクロポンプ910や上記インクジェット記録ヘッド920に駆動電圧を印加する上記電極903の電極パッド903aが形成されたパッド領域である。
【0051】
面方位(110)の単結晶Si基板の上記振動板基板901aをKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmのシリコンの上記振動板901が、ギャップスペーサである上記酸化シリコン膜902aを介して空隙906を形成して上記電極903に対向して配置されている。
面方位(110)単結晶Si基板の上記振動板基板901aには,KOHの異方性エッチングで形成した上記液室912や上記インク液室922と、上記液室912や上記インク液室922へ液体やインク液を供給する上記共通液室913や上記共通インク液室923が形成され、上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923の両者が上記液流路914や上記インク液流路924によって連通されている。
上記振動板基板901a表面と、上記振動板901表面と上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923と上記液流路914や上記インク液流路924表面には、上記第1耐腐食性薄膜904e1に相当する上記窒化チタン薄膜904e3の上記窒化チタン薄膜904e31をスパッタ法により形成した。上記窒化チタン薄膜904e31は、シリコンの上記振動板901上での膜厚が500Åであって、5E08dyne/cm2の圧縮応力である。
更に、シリコンの上記振動板901上での厚さが500Åであって5E08dyne/cm2の引っ張り応力を有する上記第2耐腐食性薄膜904e2に相当する上記窒化チタン薄膜904e3の上記窒化チタン薄膜904e32をスパッタ条件を変更し順次形成した。
この時、上記振動板901は、窒化チタン薄膜904e31を積層しない場合に比較して、著しく抑制されている事を光干渉を利用した撓み量の観察で確認出来た。
更に、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の上記液供給路915や上記インク液供給路925と上記ノズル孔911や上記ノズル孔921が形成されたガラス板の上記ノズル板911aや上記ノズル板921aが上記液室912や上記インク液室922の上に張り付けられている。
【0052】
上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920において,上記振動板901を電気的に接地し、更に,上記電極パッド903aを介して上記電極903に駆動電圧を印加し一定周波数で駆動した。
上記電極903に駆動電圧を印加したとき、上記振動板901と上記電極903間には静電引力が働き、上記振動板901は撓みが発生していないため、静電引力により上記電極903側に十分引かれた。
その結果、上記液室912や上記インク液室922は、十分に引圧となり液体やインク液供給のための上記液流路914や上記インク液流路924を経て上記共通液室913や上記共通インク液室923から上記液室912や上記インク液室922へ液体やインク液が供給された。
駆動電圧の周波数に対応して上記振動板901は、Siの剛性により元の位置へと戻り、このとき上記液室912や上記インク液室922は加圧され,上記ノズル孔911や上記ノズル孔921を経て液体やインク液は図示の矢印E方向へ安定に吐出された。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果は、非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来た。また液体やインク液による信頼性試験を行った結果、耐腐食性が十分あることが確認された。
【0053】
図85乃至図88において、上記振動板基板901a表面と、シリコンの上記振動板901表面と上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923と上記液流路914や上記インク液流路924の液体やインク液が接する表面には、液体やインク液に対して耐腐食性を有する上記異応力複数層薄膜904eの上記第1耐腐食性薄膜904e1と、上記第1耐腐食性薄膜904e1の応力を緩和する為の望ましくは柔軟性に優れる有機系樹脂からなる、簡単な応力の他の構成で、上記異応力複数層薄膜904eの上記応力緩和薄膜904e4が形成されている。
この場合、上記応力緩和薄膜904e4の応力は圧縮応力でも引っ張り応力でも何れでも良く、上記応力緩和薄膜904e4により応力を緩和することにより上記振動板901の撓みを緩和させる。
又、積層した上記第1耐腐食性薄膜904e1と上記応力緩和薄膜904e4は、応力を緩和するばかりでなく、微少欠陥等によるピンホールを抑制することもできる。
更に、個々の上記ノズル孔911や上記ノズル孔921に対応して上記液室912や上記インク液室922を構成しているシリコンの上記振動板901は、上記酸化シリコン膜902aをギャップスペーサーとして上記空隙906を形成して、上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920を駆動するための電圧を印加する上記電極903に対向して各々配置されている。
【0054】
図示の矢印Eは、上記ノズル孔911や上記ノズル孔921の配置方向によって決まる液体やインク液の吐出方向である。
上記電極基板902は、n型、又は、p型の単結晶のシリコン基板であって、通常は,面配向(100)の単結晶のSi基板を用いるが、プロセスに応じて面方位(110)、又は、面方位(111))の単結晶のシリコン基板を用いても何ら問題は無い。又は、シリコン基板の代わりにガラス基板を用いてもよい。
上記電極903は、単結晶のシリコン基板の上記電極基板902上の上記酸化シリコン膜902aの上記凹部902b内に形成された上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920を駆動するための電圧を印加するものであって、導体であれは何れでも良い。
上記電極903は、互いに絶縁分離されており、反応性スパッタ法、CVD法等によって形成した望ましくはチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いは、それらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタン、又は、上記酸化シリコン膜902a上に順次形成されるチタンと窒化チタンの積層構造であって単結晶シリコン基板の上記電極基板902を熱酸化することにより形成した上記酸化シリコン膜902aのギャップスペーサ内に配置されている。
上記酸化シリコン膜902aのギャップスペーサはシリコンの上記振動板901と上記電極903に上記空隙906を形成するためのものであって、上記酸化シリコン膜902aのギャップスペーサーを介してシリコンの上記振動板901と対向した上記電極903に電圧を印加することで静電引力を発生させる。
上記パッド部902cは、上記電極903に対して導通するような駆動電圧印加パッド部であって、上記電極基板902に外部から電圧を印加し、更に、FPCやワイヤーボンデイング等の実装を行うための上記電極パッド903aである。
【0055】
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段905である上記耐腐食性薄膜904が圧縮応力と引っ張り応力の応力方向の異なる2層以上の上記異応力複数層薄膜904eからなる上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920の上記異応力複数層薄膜904eの積層された互いに異なる応力を持つ耐腐食性薄膜としての上記第1腐食性薄膜904e1と上記応力緩和薄膜904e4は、スパッタ法により形成されて製造される。
この構成は、上記第1腐食性薄膜904e1としては窒化チタンを用い、上記振動板901の間に上記第1腐食性薄膜904e1の応力を緩和する応力緩和層の上記応力緩和薄膜904e4に柔軟性に優れる有機系樹脂の一つであるポリイミドを用いて形成した例である。
上記電極基板902は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶のシリコン基板である。
上記電極903は、単結晶のシリコン基板の上記電極基板902上の厚さ2μmの上記酸化シリコン膜902aに形成した深さ0.5μmの上記凹部902b内に配置され、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜902a上に形成した厚さ150nmの窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。上記酸化シリコン膜902aは、熱酸化法によって形成した。
更に、上記電極903である窒化チタン上にはプラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の上記絶縁物903bを形成した。上記絶縁物903bは、上記振動板901と上記電極903の絶縁を確保するためのものである。
【0056】
上記パッド部902cは、上記電極903の酸化シリコン膜の上記絶縁物903bがエッチング除去されている領域であって、上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920を駆動するための電圧を印加する上記電極903の上記電極パッド903aが形成された領域である。
面方位(110)の単結晶のシリコン基板の上記振動板基板901aをKOHで異方性エッチング゛して形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmのシリコンの上記振動板901が、ギャップスペーサである上記酸化シリコン膜902aを介して上記電極903に対向して配置されている。
面方位(110)単結晶のシリコン基板の上記振動板901には、KOHの異方性エッチングで形成した上記液室912や上記インク液室922と、上記液室912や上記インク液室922へ液体やインク液を供給する上記共通液室913や上記共通インク液室923が形成され、上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923の両者が上記液流路914や上記インク液流路924によって連通されている。
上記振動板基板901a表面と、シリコンの上記振動板901表面と上記液室912や上記インク液室922と上記共通液室913や上記共通インク液室923と上記液流路914や上記インク液流路924表面には、上記応力緩和薄膜904e4として厚さ5μmのポリイミドを形成した。
更に、上記応力緩和薄膜904e4としてのポリイミド上には、上記第1腐食性薄膜904e1としては上記振動板901上の厚さ500Åであって1E09dyne/cm2圧縮応力を有する窒化チタンを順次形成した。
【0057】
この時、光干渉を利用した上記振動板901の撓みを観察した結果、上記応力緩和薄膜904e4としてのポリイミドを形成しない場合に比較して撓み量は著しく抑制されている事が確認出来た。
又、上記応力緩和薄膜904e4を形成した場合は、上記応力緩和薄膜904e4である窒化チタンの応力が圧縮応力でも、引っ張り応力でもシリコンの上記振動板901の撓みは抑制されることが確認できた。
更に,サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の上記液流路915や上記インク液流路925と上記ノズル孔911や上記ノズル孔921が形成されたガラス板の上記ノズル板911aや上記ノズル板921a上が、上記液室912や上記液室922の上に張り付けられている。
上記静電アクチュエータ900及び上記静電アクチュエータ900を具備する上記静電型マイクロポンプ910や上記静電アクチュエータ900を具備する上記インクジェット記録ヘッド920において、上記振動板901を電気的に接地し、更に、上記電極パッド903aを介して上記電極903に駆動電圧を印加して一定周波数で駆動した。
電圧を印加したとき、上記振動板901と上記電極903間には静電引力が働き、シリコンの上記振動板901は撓みが発生していないため、静電引力により上記電極903側に十分引かれた。
その結果、上記液室912や上記液室922は、十分に引圧となり液体やインク液供給のための上記液流路914や上記インク液流路924を経て上記共通液室913や上記共通インク液室923から上記液室912や上記インク液室922)へ液体やインク液が供給された。
駆動電圧の周波数に対応して、上記振動板901は、シリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき上記液室912や上記インク液室922は加圧され、上記ノズル孔911や上記ノズル孔921を経て液体やインク液は図示の矢印E方向へ安定に吐出された。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来た。
又、液体やインク液による信頼性試験を行った結果、耐腐食性も十分あることが確認された。
【0058】
図89乃至図92において、静電力により振動して作動する振動板撓み発生防止手段1105である耐腐食性薄膜1104が、簡単な応力の他の構成で、同等応力薄膜1104fの振動板1101上に形成した耐腐食性薄膜1104f1と同等の応力を有して上記振動板1101下に形成した同等応力薄膜1104f2からなる静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備するインクジェット記録ヘッド1120の上記同等応力薄膜1104fは、内部応力緩和の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法により形成されて製造される。
上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120は、シリコンの上記振動板1101、液体やインク液が加圧される液室1112やインク液室1122、共通液室1113や共通インク液室1123、液流路1114やインク液流路1124が異方性エッチングにより形成された面方位(110)の単結晶のシリコン基板の振動板基板1101aと、ノズル孔1111やノズル孔1121、液供給路1115や液供給路1125が形成されたガラス板、金属板、シリコン板等のノズル板1111aやノズル板1121aと、電極基板1102等で構成されている。単結晶のシリコン基板である上記振動板基板1101aには、上記液室1112や上記インク液室1122と個々の上記ノズル孔1111や上記ノズル孔1121に対応して、静電引力によって駆動する上記振動板1101を形成し、上記液室1112や上記インク液室1122へ液体やインク液を供給するための上記共通液室1113や上記共通インク液室1123が形成されている。
【0059】
上記液室1112や上記インク液室1122と上記共通液室1113や上記共通インク液室1123は、上記液流路1114や上記インク液流路1124によって連通されている。
更に、上記振動板基板1101a表面と、上記振動板1101上表面と上記液室1112や上記インク液室1122と上記共通液室1113や上記共通インク液室1123と上記液流路1114や上記インク液流路1124の液体やインク液が接する表面には液体やインク液に対する耐腐食性を有する窒化チタン等の上記耐腐食性薄膜1104f1が形成されている。上記耐腐食性薄膜1104f1は、耐腐食性を持つ材料で有れば何れでも良い。
一方、シリコンの上記振動板1101を介して逆の下面には上記耐腐食性薄膜1104f1の応力の方向と値が等しい応力を持つ層の上記同等応力薄膜1104f2が形成されている。
つまり、上記耐腐食性薄膜1104f1の応力が圧縮応力の場合は、上記振動板1101を介して形成した層の上記同等応力薄膜1104f2も圧縮応力とする。
逆に、上記耐腐食性薄膜1104f1が引っ張り応力の場合には、上記振動板1101を介して形成した層の上記同等応力薄膜1104f2も引っ張り応力とする。
この様な構成では、上記耐腐食性薄膜1104f1の応力を上記振動板1101を介した層でバランスをとり、応力緩和することにより上記振動板1101の撓みを緩和することが出来る。
【0060】
上記耐腐食性薄膜1104f1と上記振動板1101を介して形成した層の上記同等応力薄膜1104f2は、厚さ10Åから5000Å、好ましくは100Å〜2000Åであってスパッタ法、CVD法,酸化法等により形成する金属膜や酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等のシリコン化合物等であって応力を制御出来るのもで有れば何れでもよい。
微細欠陥によるピンホール防止のためには、上記耐腐食性薄膜1104f1を積層してもよい。この時、上記振動板1101を介して形成した層の上記同等応力薄膜1104f2で応力のバランスをとり、応力緩和を行うため上記振動板1101の撓みを緩和することが出来る。
更に、個々の上記ノズル孔1111や上記ノズル孔1121に対応して上記液室1112や上記インク液室1122を構成しているシ上記振動板1101は、酸化シリコン膜1102aをギャップスペーサーとして、上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120を駆動するための電圧を印加する電極1103に対向して各々配置されている。
【0061】
図示の矢印F方向は、上記ノズル孔1111や上記ノズル孔1121の配置方向によって決まる液体やインク液の吐出方向である。
上記電極基板1102は、n型、又は、p型の単結晶シリコン基板であって、通常は,面配向(100)の単結晶シリコン基板を用いるが、プロセスに応じて面方位(110)、又は、面方位(111)の単結晶シリコン基板を用いても何ら問題は無い。又は、シリコン基板の代わりにガラス基板を用いてもよい。
電極1103は、単結晶シリコン基板の上記電極基板1102上の上記酸化シリコン膜1102aの凹部1102b内に形成された、上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120を駆動するための電圧を印加する駆動電極であって導体であれは何れでも良い。
上記電極1103は、互いに絶縁分離されており、反応性スパッタ法、CVD法等によって形成した望ましくはチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或いはそれらの化合物、或いはそれらの積層構造、望ましくは窒化チタン、又は、上記酸化シリコン膜1102a上に順次形成されるチタンと窒化チタンの積層構造からなる駆動電極であって、上記電極基板1102の単結晶シリコン基板を熱酸化することにより形成した上記酸化シリコン膜1102aのギャップスペーサ内に配置されている。
上記酸化シリコン膜1102aのギャップスペーサは、上記振動板1101と上記電極1103に空隙1106を形成するためのものであって、絶縁物1103bを介して上記振動板1101と対向した上記電極1103に電圧を印加することで静電引力を発生させる。
パッド部1102cは、上記電極1103に対して導通するような駆動電圧印加パッド部であって、上記電極基板1102に外部から電圧を印加し、更に、FPCやワイヤーボンデイン等の実装を行うための電極パッド1103aからなるようになっている。
【0062】
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段1105である上記耐腐食性薄膜1104が上記同等応力薄膜1104fの上記振動板1101上に窒化チタンを用いて形成した上記耐腐食性薄膜1104f1と同等の応力を有して上記振動板1101下に酸化シリコンで形成した上記同等応力薄膜1104f2からなる上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120の上記同等応力薄膜1104fは、内部応力の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法により形成されて製造される。
上記電極基板1102は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
上記電極1103は、単結晶シリコン基板の上記電極基板1102上の厚さ2μmの上記酸化シリコン膜1102aに形成した深さ0.5μmの上記凹部1102b内に配置され、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜1102aに上に形成した厚さ150nmの窒化チタンであって互いに絶縁分離されている。上記酸化シリコン膜1102aは熱酸化法によって形成した。
更に、上記電極1103である窒化チタン上にはプラズマCVD法により形成した厚さ150nmの上記絶縁物1103bを形成した。
【0063】
上記絶縁物1103bは、上記振動板1101と上記電極1103の絶縁を確保するためのものである。
上記パッド部1102cは、酸化シリコン膜の上記絶縁物1103bがエッチング除去されている領域であって、上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120に駆動電圧を印加する上記電極1103の上記パッド部1103aが形成される領域である。
面方位(110)の単結晶シリコン基板の上記振動板基板1101aをKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む膜厚2μmのシリコンの上記振動板1101が、ギャップスペーサである上記酸化シリコン膜1102aを介して上記電極1103に対向して配置されている。
面方位(110)の単結晶シリコン基板の上記振動板基板1101aには、KOHの異方性エッチングで形成した上記液室1112や上記インク液室1122、上記液室1112や上記インク液室1122へ液体やインク液を供給する上記共通液室1113や上記共通インク液室1123が形成され、上記液室1112や上記インク液室1122と上記共通液室1113や上記共通インク液室1123の両者が上記液流路1114や上記インク液流路1124によって連通されている。
【0064】
上記振動板基板1101a表面と、シリコンの上記振動板1101表面と上記液室1112や上記インク液室1122と上記共通液室1113や上記共通インク液室1123と上記液流路1114や上記インク液流路1124表面には、上記耐腐食性薄膜1104f1である窒化チタンを、内部応力の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法により形成した。
上記耐腐食性薄膜1104f1である窒化チタンは、シリコンの上記振動板1101上での膜厚が500Åであって5E08dyne/cm2の圧縮応力である。
更に、上記振動板1101を介して反対の上記振動板1101下面には上記同等応力薄膜1104f2として厚さ1000Å、5E08dyne/cm2の圧縮応力を有する酸化シリコン膜が形成されている。
この時、光干渉を利用した上記振動板1101の撓みを観察した結果、上記同等応力薄膜1104f2として酸化シリコン膜を形成しない場合に比較して撓み量は著しく抑制されている事が確認出来た。
更に、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の上記液供給路1115や上記インク液供給路1125と上記ノズル孔1111や上記ノズル孔1121が形成されたガラス板の上記ノズル板1111aや上記ノズル板1111aが、上記液室1112や上記インク液室1122の上に張り付けられている。
上記静電アクチュエータ1100及び上記静電アクチュエータ1100を具備する上記静電型マイクロポンプ1110や上記静電アクチュエータ1100を具備する上記インクジェット記録ヘッド1120において、上記振動板1101を電気的に接地し、更に,上記パッド部1102cの上記電極パッド1103aを介して上記電極1103に駆動電圧を印加して一定周波数で駆動した。
駆動電圧を印加したとき、上記振動板1101と上記電極1103間には静電引力が働き、上記振動板1101は撓みが発生していないため、静電引力により上記電極1103側に十分引かれた。
その結果、上記液室1112や上記インク液室1122は、十分に引圧となり液体やインク液供給のための上記液流路1114や上記インク液流路1124を経て、上記共通液室1113や上記共通インク液室1123から上記液室1112や上記インク液室1122へ液体やインク液が供給された。
駆動電圧の周波数に対応して上記振動板1101は、シリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき上記液室1112や上記インク液室1122は加圧され、上記ノズル孔1111や上記ノズル孔1121を経て、液体やインク液は図示の矢印F方向へ安定に吐出された。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果も、非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来た。
又、液体やインク液による信頼性試験を行った結果、耐腐食性も十分あることが確認された。
【0065】
図93乃至図96において、静電力により振動して作動する静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備するインクジェット記録ヘッド1220は、振動板撓み発生防止手段1205である耐腐食性薄膜1204の、簡単な応力の他の構成で、応力の設定範囲が広く形成が容易で、膜厚分布が均一で引っ張り応力の膜厚均一薄膜1204gからなる。
上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220は、シリコンの振動板1201、液体やインク液が加圧される液室1212やインク液室1222、共通液室1213や共通インク液室1223、液流路1214やインク液流路1224が異方性エッチングにより形成された面方位(110)の単結晶シリコン基板の振動板基板1201aと、ノズル孔1211やノズル孔1221、液供給路1215やインク液供給路1225が形成されたガラス板,金属板、シリコン板等のノズル板1211aやノズル板1221aと電極基板1202等の部分で構成されている。
単結晶シリコン基板の上記振動板基板1201aには、上記液室1212や上記インク液室1222と個々の上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221に対応して、静電引力によって駆動するシリコンの上記振動板1201を形成し、上記液室1212や上記インク液室1222と個々の上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221へ液体やインク液を供給するための上記共通液室1213や上記共通インク液室1223が形成されている。
【0066】
上記液室1212や上記インク液室1222と上記共通液室1213や上記共通インク液室1223は上記液流路1214や上記インク液流路1224によって連通されている。
更に、上記振動板基板1201a表面と、シリコンの上記振動板1201表面と上記液室1212や上記インク液室1222と上記共通液室1213や上記共通インク液室1223と上記液流路1214や上記インク液流路1224の液体やインク液が接する表面には液体やインク液に対する耐腐食性を有する上記耐腐食性薄膜1204の膜厚分布が均一で引っ張り応力の上記膜厚均一薄膜1204gが形成されており、少なくとも上記振動板1201上の膜厚分布は均一である。
この様に引っ張り応力を有し、且つ、均一な膜厚を持つ上記膜厚均一薄膜1204gは、シリコンの上記振動板1201上における平面的な応力の偏りが無くなるため、結果として応力が緩和されて、上記振動板1201の撓みが緩和される。
【0067】
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段1205である上記耐腐食性薄膜1204の膜厚分布が均一で引っ張り応力の上記膜厚均一薄膜1204gは、窒化チタン等の金属であって、厚さ10Åから5000Å、好ましくは100Å〜2000Åであって、内部応力の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法、CVD法、酸化法等により形成する。上記膜厚均一薄膜1204gは耐腐食性を持つ材料で有れば何れでも良い。
微細欠陥によるピンホール防止のために上記膜厚均一薄膜1204gを積層してもよい。
更に、個々の上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221に対応して上記液室1212や上記インク液室1222を構成している上記振動板1201は、酸化シリコン膜1202aをギャップスペーサーとして、上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220を駆動するための電圧を印加する電極1203に対向して各々配置されている。
図示の矢印G方向は、上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221の配置方向によって決まる、液体やインク液の吐出方向である。
上記電極基板1202は、n型、又は、p型の単結晶シリコン基板であって、通常は,面配向(100)の単結晶シリコン基板を用いるが、プロセスに応じて面方位(110)、又は、面方位(111)の単結晶シリコン基板を用いても何ら問題は無い。又は、シリコン基板の代わりにガラス基板を用いてもよい。
上記電極1203は、単結晶シリコン基板の上記電極基板1202上の上記酸化シリコン膜1202aの凹部1202b内に形成され、上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220を駆動するための電圧を印加する駆動電極であって導体であれは何れでも良い。これらの上記電極1203は、互いに絶縁分離されており、反応性スパッタ法、CVD法等によって形成した望ましくはチタン、タングステン、タンタル等の高融点金属とその窒化物、或い、はそれらの化合物、或いは、それらの積層構造、望ましくは窒化チタン、又は、上記酸化シリコン膜1202a上に順次形成されるチタンと窒化チタンの積層構造からなる駆動電極であって、単結晶シリコン基板の上記電極基板1202を熱酸化することにより形成した上記酸化シリコン膜1202aのギャップスペーサ内に配置されている。
上記酸化シリコン膜1202aのギャップスペーサは、シリコンの上記振動板1201と上記電極1203に空隙1206を形成するためのものであって、上記酸化シリコン膜1202aのギャップスペーサを介して、上記振動板1201と対向した上記電極1203に電圧を印加することで静電引力を発生させる。
【0068】
パッド部1202cは、上記電極1203に対して導通するような駆動電圧印加パッド部であって、上記電極基板1202に外部から電圧を印加し、更に、FPCやワイヤーボンデイン等の実装を行うための電極パッド1203aからなる。
静電力により振動して作動する上記振動板撓み発生防止手段1205である上記耐腐食性薄膜1204の膜厚分布が均一で引っ張り応力の上記膜厚均一薄膜1204gからなる上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220の耐腐食性薄膜の応力を引っ張り応力とし上記振動板1201上の膜厚分布を均一にして上記振動板1201上の応力の偏りを抑えて撓みを緩和する窒化チタンを用いた上記膜厚均一薄膜1204gは、内部応力の制御性に優れ、且つ、安価に形成できるスパッタ法により形成されて製造される。
上記電極基板1202は、面方位(100)、抵抗率10〜30Ω・cmのp単結晶シリコン基板である。
上記電極1203は、単結晶シリコン基板の上記電極基板1202上の厚さ2μmの上記酸化シリコン膜1202aに形成した深さ0.4μmの上記凹部1202b内に配置され、反応性スパッタ法によって順次上記酸化シリコン膜1202a上に形成した窒化チタンであって、互いに絶縁分離されている。上記酸化シリコン膜1202aは、熱酸化法によって形成した。
更に、上記電極1203は、上記電極1203である窒化チタン上にはプラズマCVD法により形成した厚さ150nmの酸化シリコン膜の絶縁物1203bを形成した。
【0069】
上記絶縁物1203bは、上記振動板1201と上記電極1203の絶縁を確保するための物である。
上記パッド部1202cは、上記絶縁物1203bがエッチング除去されている領域であって、上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220に駆動電圧を印加する上記電極1203の上記電極パッド1203aが形成された領域である。
面方位(110)の単結晶シリコン基板の上記振動板基板1201aをKOHで異方性エッチングして形成したボロン不純物原子を1E20/cm3以上含む上記振動板1201が、ギャップスペーサである上記酸化シリコン膜1202aを介して上記電極1203に対向して配置されている。
面方位(110)の単結晶シルコン基板の上記振動板基板1201aには、KOHの異方性エッチングで形成した上記液室1212や上記インク液室1222と、上記液室1212や上記インク液室1222へ液体やインク液を供給する上記共通液室1213や上記共通インク液室1223が形成され、上記液室1212や上記インク液室1222と上記共通液室1213や上記共通インク液室1223の両者が上記液流路1214や上記インク液流路1224によって連通されている。
上記振動板基板1201a表面と、シリコンの上記振動板1201表面と上記液室1212や上記液室1212と上記共通液室1213や上記共通インク液室1223と上記液流路1214や上記インク液流路1224表面には、スパッタ法により耐腐食性薄膜である上記耐腐食性薄膜1204の膜厚分布が均一で引っ張り応力の上記膜厚均一薄膜1204gが窒化チタンで形成されており、上記振動板1201上の厚さは500Åである。
【0070】
上記膜厚均一薄膜1204gは、窒化チタンで、8E08dyne/cm2の引っ張り応力であり、シリコンの上記振動板1201上の膜厚分布は均一である。
この時、光干渉を利用した上記振動板1201の撓みを観察した結果、撓み量は著しく少ない事が確認出来た。
一方、シリコンの上記振動板1201上の上記膜厚均一薄膜1204gの窒化チタンの膜厚分布が均一でない場合、或いは、上記膜厚均一薄膜1204gの窒化チタン膜の応力が圧縮応力の場合は著しい上記振動板1201の撓みが観察された。
更に、サンドブラスト加工で液体やインク液供給用の上記液供給路1215や上記インク液供給路1225と上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221が形成されたガラス板の上記ノズル板1211aや上記ノズル板1221aが上記液室1212や上記インク液室1222の上に張り付けられている。
上記静電アクチュエータ1200及び上記静電アクチュエータ1200を具備する上記静電型マイクロポンプ1210や上記静電アクチュエータ1200を具備する上記インクジェット記録ヘッド1220において、上記振動板1201を電気的に接地し、更に、上記電極パッド1203aを介して上記電極1203に駆動電圧を印加して、一定周波数で駆動した。
駆動電圧を印加したとき、上記振動板1201と上記電極1203間)には、静電引力が働き、シリコンの上記振動板1201は撓みが発生していないため、静電引力により上記電極1203側に十分引かれた。
その結果、上記液室1212や上記インク液室1222は、十分に引圧となり、液体やインク液供給のための上記液流路1214や上記インク液流路1224を経て、上記共通液室1213や上記共通インク液室1223から上記液室1212や上記インク液室1222へ液体やインク液が供給された。
【0071】
駆動電圧の周波数に対応して上記振動板1201は、シリコンの剛性により元の位置へと戻り、このとき、上記液室1212や上記インク液室1222は加圧され、上記ノズル孔1211や上記ノズル孔1221を経て、液体やインク液は、図示の矢印G方向へ安定に吐出された。
更に、この状態で噴射特性のビット間のバラツキを測定した結果も、非常に均一性の良い噴射特性を得ることが出来た。
又、液体やインク液による信頼性試験を行った結果、耐腐食性も十分あることが確認された。
【0072】
図97において、インクジェット記録装置50は、インク画像を記録する被記録体(P)の記録紙を搬送する被記録体搬送手段51と、上記被記録体搬送手段51によって搬送される被記録体(P)の記録紙にインクを吐出してインク記録画像を形成する上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)からなる。
上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)は、キャリッジ52に取り付けられ、上記キャリッジ52はガイドレール53に移動自在に取り付けられており、上記被記録体搬送手段51のローラ51aによって搬送され送り出される被記録体(P)の記録紙の図示の矢印H方向の幅方向にその位置が制御されて、被記録体(P)の記録用紙にインク画像を記録するようになっている。
【0073】
図98と図99において、他のインクジェット記録装置50aは、インク画像を記録する被記録体(P)の記録紙を搬送する上記被記録体搬送手段51と、上記被記録体搬送手段51によって搬送される被記録体(P)の記録紙にインクを吐出してインク記録画像を形成する上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)からなる。
上記他のインクジェット記録装置50aは、記録装置本体50a1の内部において、図示の矢印I方向の主走査方向に移動可能なキャリッジ52と、上記キャリッジ52に搭載した上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)と、インクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部54と、上記記録装置本体50a1の下方部には前方側から多数枚の被記録体(P)の用紙を積載可能な給紙ユニット51bの給紙カセット、或いは、給紙トレイを抜き差し自在に装着することができ、被記録体(P)の用紙を手差しで給紙するための手差しトレイ等からなる。
上記他のインクジェット記録装置50aは、上記給紙ユニット51bから給送される被記録体(P)の記録紙を取り込み、上記印字機構部54によって所要のインク画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ55に排紙されて収納される。
上記印字機構部54は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である上記ガイドレール53の主ガイドロッドと従ガイドロッドとで上記キャリッジ52を、図示の矢印I方向の主走査方向に摺動自在に保持し、上記キャリッジ52にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク液滴を吐出する上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)を複数の図示しない上記ノズル孔のインク液滴の吐出口を図示の矢印I方向の主走査方向と交叉する方向に配列し、インク液滴吐出方向を下方に向けて装着している。
上記キャリッジ52は、後方側を主ガイドロッドに摺動自在に嵌装し、前方側を従ガイドロッドに摺動自在に載置している。
そして、上記キャリッジ52は、主走査方向に移動走査するため、主走査モータ52aで回転駆動される駆動プーリ52bと従動プーリ52cとの間にタイミングベルト52dを張装し、上記タイミングベルト52dを上記キャリッジ52に固定しており、上記主走査モータ52aの正逆回転により上記キャリッジ52が往復駆動される。
【0074】
被記録体搬送手段51において、一方、上記給紙ユニット51bにセットした被記録体(P)の記録紙を上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)の下方側に搬送するために、上記給紙ユニット51bから被記録体(P)の記録紙を分離給送する給紙ローラ51c、及び、フリクションパッド51dと、被記録体(P)の記録紙を案内するガイド部材51eと、給送された被記録体(P)の記録紙を反転させて搬送する搬送ローラ51fと、上記搬送ローラ51fの周面に押し付けられる搬送コロ51g、及び、上記搬送ローラ51fからの被記録体(P)の記録紙の送り出し角度を規定する先端コロ51hとを設けている。
上記搬送ローラ51fは、副走査モータ51iによって図示しない歯車列を介して回転駆動される。
そして、上記キャリッジ52の図示の矢印I方向の主走査方向の移動範囲に対応して上記搬送ローラ51fから送り出された被記録体(P)の記録紙を、上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)の下方側で案内する記録紙ガイド部材である印写受け部材51jを設けている。
【0075】
上記印写受け部材51jの記録紙搬送方向下流側には、被記録体(P)の記録紙を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ51k、拍車51lを設け、更に、被記録体(P)の記録紙を上記排紙トレイ55に送り出す排紙ローラ51m及び拍車51nと、排紙経路を形成するガイド部材51oとガイド部材51pとを配設している。
インク画像の記録時には、上記キャリッジ52を移動させながらインク記録画像信号に応じて、上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)を駆動することにより、停止している被記録体(P)の記録紙にインク液滴を吐出して1行分を記録し、被記録体(P)の記録紙を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
インク画像の記録終了信号、又は、被記録体(P)の記録紙の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、インク記録動作を終了させ被記録体(P)の記録紙を排紙する。
従って、耐腐食性薄膜が形成された振動板の座屈して撓む作動不良の発生を防止して、低消費電力で高精細な印字が出来る、耐インク腐食に優れ、歩留まりが向上して低コストの上記静電アクチュエータ0(110,〜,1210)からなる上記インクジェット記録ヘッド20(120,〜,1220)を具備する上記インクジェット記録装置50や上記インクジェット記録装置50aを提供することが出来るようになった。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録ヘッドによれば、インク滴を吐出するノズル孔が連通する液室の壁面を形成する振動板を有し、振動板の液室側壁面にはインクに対して耐腐食性を有する1又は複層の薄膜が形成され、耐腐食性を有する1又は複層の薄膜は酸素原子が含まれている窒化チタン薄膜を含む構成としたので、耐腐食性薄膜膜の耐腐食性が向上する。
【0077】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備えた構成としたので、高品質の画像を記録できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図2】図1におけるW−W線断面図である。
【図3】図1におけるX−X線断面図である。
【図4】図1におけるY−Y線断面図である。
【図5】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図6】図5におけるZ−Z線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図8】図7におけるZ−Z線断面図である。
【図9】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図10】図9におけるZ−Z線断面図である。
【図11】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図12】図11におけるZ−Z線断面図である。
【図13】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図14】図13におけるZ−Z線断面図である。
【図15】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図16】図15におけるZ−Z線断面図である。
【図17】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図18】図17におけるZ−Z線断面図である。
【図19】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図20】図19におけるZ−Z線断面図である。
【図21】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図22】図21におけるZ−Z線断面図である。
【図23】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの耐腐食性薄膜4の内部応力と振動板1の撓みとインク液滴吐出噴射の特性を説明する表図である。
【図24】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの耐腐食性薄膜4の抵抗率とインク液滴に対する耐腐食性の特性を説明する表図である。
【図25】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図26】図25におけるW−W線断面図である。
【図27】図25におけるX−X線断面図である。
【図28】図25におけるY−Y線断面図である。
【図29】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図30】図29におけるW−W線断面図である。
【図31】図29におけるX−X線断面図である。
【図32】図29におけるY−Y線断面図である。
【図33】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図34】図33におけるW−W線断面図である。
【図35】図33におけるX−X線断面図である。
【図36】図33におけるY−Y線断面図である。
【図37】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図38】図37におけるW−W線断面図である。
【図39】図37におけるX−X線断面図である。
【図40】図37におけるY−Y線断面図である。
【図41】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図42】図41におけるW−W線断面図である。
【図43】図41におけるX−X線断面図である。
【図44】図41におけるY−Y線断面図である。
【図45】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図46】図45におけるW−W線断面図である。
【図47】図45におけるX−X線断面図である。
【図48】図45におけるY−Y線断面図である。
【図49】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図50】図49におけるZ−Z線断面図である。
【図51】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図52】図51におけるZ−Z線断面図である。
【図53】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図54】図53におけるZ−Z線断面図である。
【図55】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図56】図55におけるZ−Z線断面図である。
【図57】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図58】図57におけるZ−Z線断面図である。
【図59】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図60】図59におけるZ−Z線断面図である。
【図61】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図62】図61におけるZ−Z線断面図である。
【図63】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図64】図63におけるZ−Z線断面図である。
【図65】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図66】図65におけるZ−Z線断面図である。
【図67】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの振動板601の撓み量とインク液滴の噴射の特性を説明する表図である。
【図68】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドの窒化チタン薄膜604a中に含まれる酸素原子濃度とインク液滴に対する耐腐食性の特性を説明する表図である。
【図69】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図70】図69におけるW−W線断面図である。
【図71】図69におけるX−X線断面図である。
【図72】図69におけるY−Y線断面図である。
【図73】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図74】図73におけるW−W線断面図である。
【図75】図73におけるX−X線断面図である。
【図76】図73におけるY−Y線断面図である。
【図77】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図78】図77におけるW−W線断面図である。
【図79】図77におけるX−X線断面図である。
【図80】図77におけるY−Y線断面図である。
【図81】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図82】図81におけるW−W線断面図である。
【図83】図81におけるX−X線断面図である。
【図84】図81におけるY−Y線断面図である。
【図85】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図86】図85におけるW−W線断面図である。
【図87】図85におけるX−X線断面図である。
【図88】図85におけるY−Y線断面図である。
【図89】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図90】図89におけるW−W線断面図である。
【図91】図89におけるX−X線断面図である。
【図92】図89におけるY−Y線断面図である。
【図93】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータ及びその静電アクチュエータを具備する静電型マイクロポンプ及びその静電アクチュエータを具備するインクジェット記録ヘッドを説明する上面図である。
【図94】図93におけるW−W線断面図である。
【図95】図93におけるX−X線断面図である。
【図96】図93におけるY−Y線断面図である。
【図97】本発明の実施の形態例を示す静電アクチュエータからなるインクジェット記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置を説明する斜視図である。
【図98】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータからなるインクジェット記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置を説明する説明図である。
【図99】本発明の他の実施の形態例を示す静電アクチュエータからなるインクジェット記録ヘッドを具備するインクジェット記録装置の主要部を説明する斜視図である。
【符号の説明】
0 静電アクチュエータ
1 振動板、1a 振動板基板、1a1 拡散領域
2 電極基板、2a 酸化シリコン膜、
2b 凹部、
2c パッド部
3 電極、3a 電極パッド、
3b 絶縁物
4 耐腐食性薄膜、4a 窒化チタン薄膜、
4b 酸化シリコン薄膜、
4c ジルコニウム薄膜、
4d ジルコニウム化合物薄膜、
4e 異応力複数層薄膜、4e1 第1耐腐食性薄膜、
4e2 第2耐腐食性薄膜、
4e3 窒化チタン薄膜、
4e4 応力緩和薄膜、
4f 同等応力薄膜、4f1 耐腐食性薄膜、
4f2 同等応力薄膜、
4g 膜厚均一薄膜
5 振動板撓み発生防止手段
6 空隙
10 静電型マイクロポンプ
11 ノズル孔、11a ノズル板
12 液室
13 共通液室
14 液流路
15 液供給路
20 インクジェット記録ヘッド
21 ノズル孔、21a ノズル板
22 インク液室
23 共通インク液室
24 インク液流路
25 インク液供給路
50 インクジェット記録装置、50a 他のインクジェット記録装置、
50a1 記録装置本体
51 被記録体搬送手段、51a ローラ、
51b 給紙ユニット、
51c 給紙ローラ、
51d フリクションパッド、
51e ガイド部材、
51f 搬送ローラ、
51g 搬送コロ、
51h 先端コロ、
51i 副走査モータ、
51j 印写受け部材、
51k 搬送コロ、
51l 拍車、
51m 排紙ローラ、
51n 拍車、
51o ガイド部材、
51p ガイド部材
52 キャリッジ、52a 主走査モータ、
52b 駆動プーリ、
52c 従動プーリ、
52d タイミングベルト
53 ガイドレール
54 印字機構部
55 排紙トレイ
100 静電アクチュエータ
101 振動板、101a 振動板基板
102 電極基板、102a 酸化シリコン膜、
102b 凹部、
102c パッド部
103 電極、103a 電極パッド、
103b 絶縁物
104 耐腐食性薄膜、104a 窒化チタン薄膜
105 振動板撓み発生防止手段
106 空隙
110 静電型マイクロポンプ
111 ノズル孔、111a ノズル板
112 液室
113 共通液室
114 液流路
115 液供給路
120 インクジェット記録ヘッド
121 ノズル孔、121a ノズル板
122 インク液室
123 共通インク液室
124 インク液流路
125 インク液供給路
200 静電アクチュエータ
201 振動板、201a 振動板基板
202 電極基板、202a 酸化シリコン膜、
202b 凹部、
202c パッド部、
203 電極、203a 電極パッド、
203b 絶縁物
204 耐腐食性薄膜、204c ジルコニウム薄膜
205 振動板撓み発生防止手段
206 空隙
210 静電型マイクロポンプ
211 ノズル孔、211a ノズル板
212 液室
213 共通液室
214 液流路
215 液供給路
220 インクジェット記録ヘッド
221 ノズル孔、221a ノズル板
222 インク液室
223 共通インク液室
224 インク液流路
225 インク液供給路
300 静電アクチュエータ
301 振動板、301a 振動板基板
302 電極基板、302a 酸化シリコン膜、
302b 凹部、
302c パッド部
303 電極、303a 電極パッド、
303b 絶縁物
304 耐腐食性薄膜、304a 窒化チタン薄膜、
304b 酸化シリコン薄膜
305 振動板撓み発生防止手段
306 空隙
310 静電型マイクロポンプ
311 ノズル孔、311a ノズル板
312 液室
313 共通液室
314 液流路
315 液供給路
320 インクジェット記録ヘッド
321 ノズル孔、321a ノズル板
322 インク液室
323 共通インク液室
324 インク液流路
325 インク液供給路
400 静電アクチュエータ
401 振動板、401a 振動板基板
402 電極基板、402a 酸化シリコン膜、
402b 凹部、
402c パッド部
403 電極、403a 電極パッド、
403b 絶縁物
404 耐腐食性薄膜、404b 酸化シリコン薄膜、
404c ジルコニウム薄膜
405 振動板撓み発生防止手段
406 空隙
410 静電型マイクロポンプ
411 ノズル孔、411a ノズル板
412 液室
413 共通液室
414 液流路
415 液供給路
420 インクジェット記録ヘッド
421 ノズル孔、421a ノズル板
422 インク液室
423 共通インク液室
424 インク液流路
425 インク液供給路
500 静電アクチュエータ
501 振動板、501a 振動板基板
502 電極基板、502a 酸化シリコン膜、
502b 凹部、
502c パッド部
503 電極、503a 電極パッド、
503b 絶縁物
504 耐腐食性薄膜、504a 窒化チタン薄膜、
504c ジルコニウム薄膜
505 振動板撓み発生防止手段
506 空隙
510 静電型マイクロポンプ
511 ノズル孔、511a ノズル板
512 液室
513 共通液室
514 液流路
515 液供給路
520 インクジェット記録ヘッド
521 ノズル孔、521a ノズル板
522 インク液室
523 共通インク液室
524 インク液流路
525 インク液供給路
600 静電アクチュエータ
601 振動板、601a 振動板基板、601a1 拡散領域
602 電極基板、602a 酸化シリコン膜、
602b 凹部、
602c パッド部
603 電極、603a 電極パッド、
603b 絶縁物
604 耐腐食性薄膜、604a 窒化チタン薄膜
605 振動板撓み発生防止手段
606 空隙
610 静電型マイクロポンプ
611 ノズル孔、611a ノズル板
612 液室
613 共通液室
614 液流路
615 液供給路
620 インクジェット記録ヘッド
621 ノズル孔、621a ノズル板
622 インク液室
623 共通インク液室
624 インク液流路
625 インク液供給路
700 静電アクチュエータ
701 振動板、701a 振動板基板
702 電極基板、702a 酸化シリコン膜、
702b 凹部、
702c パッド部
703 電極、703a 電極パッド、
703b 絶縁物
704 耐腐食性薄膜、704a 窒化チタン薄膜
705 振動板撓み発生防止手段
706 空隙
710 静電型マイクロポンプ
711 ノズル孔、711a ノズル板
712 液室
713 共通液室
714 液流路
715 液供給路
720 インクジェット記録ヘッド
721 ノズル孔、721a ノズル板
722 インク液室
723 共通液室
724 インク液流路
725 インク液供給路
800 静電アクチュエータ
801 振動板、801a 振動板基板
802 電極基板、802a 酸化シリコン膜、
802b 凹部、
802c パッド部
803 電極、803a 電極パッド、
803b 絶縁物
804 耐腐食性薄膜、804a 窒化チタン薄膜、
804a1 窒化チタン薄膜、
804a2 窒化チタン薄膜
805 振動板撓み発生防止手段
806 空隙
810 静電型マイクロポンプ
811 ノズル孔、811a ノズル板
812 液室
813 共通液室
814 液流路
815 液供給路
820 インクジェット記録ヘッド
821 ノズル孔、821a ノズル板
822 インク液室
823 共通インク液室
824 インク液流路
825 インク液供給路
900 静電アクチュエータ
901 振動板、901a 振動板基板
902 電極基板、902a 酸化シリコン膜、
902b 凹部、
902c パッド部
903 電極、903a 電極パッド、
903b 絶縁物
904 耐腐食性薄膜、904e 異応力複数層薄膜、
904e1 第1耐腐食性薄膜、
904e2 第2耐腐食性薄膜、
904e3 窒化チタン薄膜、
904e31 窒化チタン薄膜、904e32 窒化チタン薄膜、904e4 応力緩和薄膜
905 振動板撓み発生防止手段
906 空隙
910 静電型マイクロポンプ
911 ノズル孔、911a ノズル板
912 液室
913 共通液室
914 液流路
915 液供給路
920 インクジェット記録ヘッド
921 ノズル孔、921a ノズル板
922 インク液室
923 共通インク液室
924 インク液流路
925 インク液供給路
1100 静電アクチュエータ
1101 振動板、1101a 振動板基板
1102 電極基板、1102a 酸化シリコン膜、
1102b 凹部、
1102c パッド部
1103 電極、1103a 電極パッド、
1103b 絶縁物
1104 耐腐食性薄膜、1104f 同等応力薄膜、
1104f1 耐腐食性薄膜、
1104f2 同等応力薄膜、
1105 振動板撓み発生防止手段
1106 空隙
1110 静電型マイクロポンプ
1111 ノズル孔、1111a ノズル板
1112 液室
1113 共通液室
1114 液流路
1115 液供給路
1120 インクジェット記録ヘッド
1121 ノズル孔、1121a ノズル板
1122 インク液室
1123 共通インク液室
1124 インク液流路
1125 インク液供給路
1200 静電アクチュエータ
1201 振動板、1201a 振動板基板
1202 電極基板、1202a 酸化シリコン膜、
1202b 凹部、
1202c パッド部
1203 電極、1203a 電極パッド、
1203b 絶縁物
1204 耐腐食性薄膜、1204g 膜厚均一薄膜
1205 振動板撓み発生防止手段
1206 空隙
1210 静電型マイクロポンプ
1211 ノズル孔、1211a ノズル板
1212 液室
1213 共通液室
1214 液流路
1215 液供給路
1220 インクジェット記録ヘッド
1221 ノズル孔、1221a ノズル板
1222 インク液室
1223 共通インク液室
1224 インク液流路
1225 インク液供給路
(a) 酸化シリコン膜形成工程
(b) パターニング工程
(c) 電極形成工程
(d) 絶縁物形成工程
(e) 電極基板完成工程
(f) 接合工程
(g) 振動板形成工程
(h) 耐腐食性薄膜形成工程
(i) ノズル板形成工程
(k) 酸化シリコン膜形成工程
(l) パターニング工程
(m) 電極形成工程
(n) 絶縁物形成工程
(o) 電極基板完成工程
(p) 接合工程
(q) 振動板形成工程
(r) 耐腐食性薄膜形成工程
(s) ノズル板形成工程

Claims (4)

  1. インク滴を吐出するノズル孔が連通する液室の壁面を形成する振動板を有し、
    前記振動板の液室側壁面にはインクに対して耐腐食性を有する1又は複層の薄膜が形成され、
    前記耐腐食性を有する1又は複層の薄膜は酸素原子が含まれている窒化チタン薄膜を含む
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記窒化チタン薄膜は、酸素原子の濃度が1%以上含まれていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記窒化チタン薄膜は積層構造で形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
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