JP4157386B2 - 燃料タンクの蓋体シール構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の燃料タンクの蓋体シール構造に関し、特に、燃料タンクに設けられた開口に、ポンプモジュールのような部品を固定するための、燃料タンクの蓋体シール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂製の燃料タンクにおいて、燃料タンクの内部に挿入される燃料ポンプは、取付板に組み付けられて燃料タンクに固定されている。このため、燃料タンクには、取付板を取り付けるための開口が設けられており、この開口に組み付けられた取付板は、燃料タンクを液密に閉鎖するシール構造を有している。そのため、樹脂製の燃料タンクの開口に、ねじ部を一体的に成形し、このねじ部に、燃料ポンプの取付板を介して樹脂製のキャップ部材を組み付けることにより、燃料ポンプを燃料タンクに固定する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は、特許文献1において、合成樹脂製の燃料タンクの開口をシールするための部品固定部を示している。図8に示すように、この部品固定部は、ブロー成型などで成形された合成樹脂製のタンク本体81の壁に、開口82の周縁から外側に突出した態様をなし、タンク本体81と一体成形され、外周に雄ねじを備えた筒状ねじ部83と、これに螺合する内周に雌ねじを備えたロックナット(ナット部材)84との間に、被取付部品(図略)と一体に設けられた蓋板(取付板)85を挟み込んで被取付部品をタンク本体81に対して固定するようになっている。
【0004】
この部品固定部では、筒状ねじ部83の先端に径方向部87を介して設けられた縮径部88の外周に、リング状のシール86が装着され、ロックナット84をねじ込むことによって、径方向部87の上面に径方向へ延在するシール面87aと、これに対向して蓋板85の下面に形成されたシール面85aとの間に、シール86が挟み込まれて密封される構造となっている。このシール86の外周側には、このシール86の膨張に伴う径方向外周へのはみ出しを規制する規制手段として、ロックナット84の内周にシール86に近接して略垂直な円筒面84aが形成されている。この円筒面84aによって、シール86の外周側が規制されている。このため、燃料成分の吸収などにより膨張を起こすシール86に対して、円筒面84aにより規定される位置より外周側へのはみ出しが規制される。これにより、シール86は、シール面85a、87aに密着した位置からのずれや、断面形状の著しい変化が抑制され、シール性の低下を回避することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−80054号公報(第3頁〜第4頁、図1、図2、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構造においては、合成樹脂製の燃料タンクのタンク本体と、キャップ部材としての蓋板(取付板)が樹脂により成形されているため、樹脂の経時変化によって部品固定部の取付精度や取付強度が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、樹脂の経時変化によって取付板(蓋体)とタンク本体との間の取付精度や取付強度が低下しない密閉性の良好な、燃料タンクの蓋体シール構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明の請求項1に記載の発明は、樹脂製の燃料タンクの開口に樹脂製の蓋体を被せ、リテーナによって押圧して密閉する燃料タンクの蓋体シール構造であって、前記燃料タンクの開口の端部にフランジが形成され、前記フランジの下面と前記開口の首部外壁面とタンク外壁面とによって埋設された金属製のリング状部材と、内縁部が前記蓋体の外縁部の上面を押圧し、外縁部がボルトおよびナットにより前記リング状部材に螺着されるリング形状を呈するリテーナと、前記フランジの上面と、前記蓋体の外縁部の下面との間に介在するリング形状を呈するシールと、前記リテーナの内縁部の下面と前記蓋体の外縁部の上面との間に介在し、前記フランジを前記蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を全周にわたって有する金属リングとを備え、前記金属リングは、全周にわたって前記シールの真上に位置するように前記シールの円周方向に沿ったリング形状を呈し、かつ変形時のひずみを吸収するスリットが放射状に複数形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、金属リングは、樹脂製の燃料タンクの開口を前記蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を有することにより蓋体と開口との間の位置精度や取付強度の変化を補い、所定の位置精度や取付強度を維持することができるため、樹脂の経時変化によって生じる蓋体(取付板)とタンク本体との間の取付精度や取付強度が低下することを防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、樹脂製の燃料タンクの開口に樹脂製の蓋体を被せ、リテーナによって押圧して密閉する燃料タンクの蓋体シール構造であって、前記燃料タンクの開口の端部にフランジが形成され、前記フランジの下面と前記開口の首部外壁面とタンク外壁面とによって埋設された金属製のリング状部材と、内縁部が前記蓋体の外縁部の上面を押圧し、外縁部がボルトおよびナットにより前記リング状部材に螺着されるリング形状を呈するリテーナと、前記フランジの上面と、前記蓋体の外縁部の下面との間に介在するリング形状を呈するシールを備え、前記リテーナは、金属製であって、その内縁部は、前記フランジを前記蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を全周にわたって有するように断面波形状を呈し、前記断面波形状の部位は、全周にわたって前記シールの真上に位置するように前記シールの円周方向に沿って形成され、かつ変形時のひずみを吸収するスリットが放射状に複数形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、リテーナは、樹脂製の燃料タンクの開口を蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を有することにより蓋体と開口との間の位置精度や取付強度の変化を補い、所定の位置精度や取付強度を維持することができるため、樹脂の経時変化によって、蓋体(取付板)とタンク本体との間の取付精度や取付強度が低下することを防止することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記蓋体には、ポンプ部品が一体的に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、ポンプ部品は、蓋体に一体的に取り付けられていることによりポンプ部品と蓋体との間の隙間がなくなるため、蓋体(取付板)とタンク本体との間の密閉性を良くすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る燃料タンクの蓋体シール構造の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る燃料タンクの概略を示し、図1(a)は蓋体を取り付けた様子を示す斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA―A線の縦断面図である。図1(a)、(b)に示すように、燃料タンクTは、燃料を貯留する樹脂製のタンク2と、このタンク2に開けられた開口7とを備え、この開口7に蓋体1が取り付けられている。また、蓋体1には、樹脂製のタンク2内に設けられた燃料ポンプ6から供給される燃料を自動車のエンジンに供給する燃料供給通路4や、エンジンからの余剰燃料が還流する燃料戻し通路5などのポンプ部品が一体的に固定されている。また、タンク2には、自動車の車体に開口する燃料給油口(図略)と接続する接続口3が設けられている。
【0015】
図2は、図1のB部を示す拡大断面図である。図2に示すように、タンク2に開けられた円形の開口7には円板状の蓋体1が被せられ、リテーナ9によって固定されている。このリテーナ9の下面と、蓋体1の外縁部の上面との間には、金属リング10が円周状に設置され、また、蓋体1の外縁部の下面と、開口7の上面との間には、蓋体1と開口7との間を密閉するようにシール18が円周状に設置されている。
【0016】
さらに、図3を参照して詳細に説明する。図3は、図2のC部を示す部分断面図であり、燃料タンクTの蓋体シール構造を示している。図3に示すように、燃料タンクTの蓋体シール構造は、タンク2の開口7に、ポンプ部品(図略)を取り付けた蓋体1を被せ、この蓋体1をリテーナ9によって押圧して密閉している。開口7の上面7bと、蓋体1の外縁部の下面1bとの間には、シール(Oリング)18が介在している。シール18を設置する部位の上方(軸線上)にあって、蓋体1の外縁部の上面1aと、リテーナ9の内縁部の下面(押圧面)9aとの間には、金属リング10が設けられている。この金属リング10は、燃料タンクTの開口7を蓋体1で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を有している。
【0017】
このため、タンク2の開口7の端部にはフランジ7aが形成されており、フランジ7aの上面7bにシール18が円周状に設置され、開口7と蓋体1との間を密封している。また、開口7の外周には、この開口7よりも大径で金属製のリング状部材8が設けられている。このリング状部材8は、タンク2と一体的に成形され、フランジ7aの下面7cと開口7の首部外壁面7dとタンク外壁面2aとの間に埋設されている。そのため、リング状部材8は、タンク2の開口7の外周に、タンク2と一体的に固定されている。そして、このリング状部材8にはスタッドボルト11が螺入され、また、このスタッドボルト11にリテーナ9が挿着され、さらに、リテーナ9がナット12によって上方から螺着されている。これにより、リテーナ9はリング状部材8に固定される。
【0018】
また、円板状の蓋体1の下面には、ガイド15が開口7の内周に合わせて、円周状に設けられており、ガイド15の下端の外周には、入り勝手の面取りがなされている。このガイド15によって、蓋体1は、開口7からずれないように位置決めされる。また、フランジ7aの外縁部のリブ13と、蓋体1の外縁部1aの下面1bとの間は、シール18によってフローティング支持される。そのため、リブ13が、蓋体1の外縁部1aの下面1bとの間に、少し隙間を有して円周状に設けられる。さらに、円形の蓋体1の下面にあって、リブ13よりも中心側には、リブ14がフランジ7aの上面7bに対して隙間を有して、或いは、軽く当接して配置されている。これにより、リブ13とリブ14との間には空間16が画成され、この空間16にシール18が円周状に設置される。また、このフランジ7aの上面7bのシール設置部位の軸線上において、蓋体1の外縁部の上面1aには、リテーナ9によって押圧されるように金属リング10が設置される。
【0019】
次に、前記した金属リング10について説明する。図4は、金属リング10の概略を示し、図4(a)は平面図、図4(b)は(a)のD―D線の縦断面図である。金属リング10は、ばね鋼鈑をプレス加工し、熱処理を施したドーナツ状の金属円板の下面に、円周に沿って絞り加工などにより凹部(溝)10bを設けたものである。この金属リング10には、例えば、8個のスリット10a、10a…が、円板の内周方向に向けて放射状に形成されている。
【0020】
次に、以上の構成を備えた燃料タンクTの蓋体シール構造の動作を説明する。図3に示すように、リテーナ9が、スタッドボルト11、ナット12によってリング状部材8に固定されると、蓋体1の外縁部の上面1aに配設された金属リング10の上面は、リテーナ9の内縁部の下面9aによって下方へ向けて荷重を受けることになる。このように、リテーナ9の内縁部の下面9aが、金属リング10を押圧することによって、さらに、金属リング10の下方に配設された蓋体1は、金属リング10から押圧される。このとき、蓋体1と開口7との間には、シール18が設置されているため、開口7は、蓋体1によって密閉されることになる。
【0021】
ところが、タンク2の開口7や蓋体1は樹脂によって形成されているため、経時変化によって変形して、タンク2の開口7と蓋体1との間の、当初の位置精度や取付強度を保たなくなる場合がある。このとき、リテーナ9と蓋体1との間に挟まれた金属リング10が、金属リング10の有するばね性の付勢力によって、樹脂の経時変化による、蓋体1と開口7との間の位置精度や取付強度の変化を補い、所定の位置精度や取付強度を維持することができる。このような経時変化による変形をクリープ(Creep)変形といい、材料に荷重がかかると、時間の経過に伴って徐々に塑性変形が進むという現象が起こることをいう。そのため、金属リング10が有するばね性の付勢力が、シール18によってフローティング支持された蓋体1を押圧する。そして、フランジ7aの上面7bや蓋体1の外縁部1aの下面1bがクリープ変形によって、抉れたような面形状を呈した場合にも、このような、クリープによる変形に追従して、シール(Oリング)18の圧縮量を保持し、シールパッキンの反力低下を抑えて蓋体1とタンク2との間の密閉性の低下を抑えることができる。このような動作をする金属リング10について、さらに詳細に説明する。
【0022】
図3に示すように、リテーナ9がリング状部材8に固定されることによって、リテーナ9の内縁部の下面9aから金属リング10の上面が押圧される。このとき、図4に示すように、スリット10a、10a…が形成された金属リング10には、スリット10a、10a…が略等間隔で、例えば、8箇所に設けられていることにより、金属リング10は、凹部(溝)10bが押し開かれるように変形する。言い換えると、金属リング10の溝(凹部)10bが押し開かれるように変形する際に、金属リング10の内周が内周方向に向かって拡大して行くことになるが、このスリット10a、10a…は、その時の寸法上のひずみを吸収する働きをする。すなわち、スリット10a、10a…が、金属リング10にばね性の付勢力を発生させる際に、金属リング10の寸法上のひずみを吸収する溝として機能する。これにより、金属リング10は、ばね性の付勢力を発生することができる。
【0023】
また、図3に示すように、金属リング10は、フランジ7aの上面7bのシール設置部位の上方(軸線上)にあって、蓋体1の外縁部の上面1aに設置され、リテーナ9の内縁部の下面(押圧面)9aによって押圧される。このとき、リテーナ9の押圧面9aと、金属リング10と、蓋体1の外縁部の上面1aと、シール18と、フランジ7a上でシール18を設置する部位とが、同一軸線上に並ぶことによって、蓋体1がリテーナ9とタンク2とに強く挟み付けられるため、蓋体1は、開口7に強固に固定することができる。
【0024】
<第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なるところは、第2の実施の形態には、金属リング10が設けられていない点と、リテーナ19自体がばね性の付勢力を有している点である。尚、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成については同符合を付し、その説明を省略する。
【0025】
図5は、図1のB部に相当する部位を示す拡大断面図である。図5に示すように、タンク2に開けられた円形の開口7には円板状の蓋体1が被せられ、リテーナ19によって固定されている。このリテーナ19は、蓋体1の外縁部の上面において波形状を有しており、蓋体1をばね性の付勢力によって押圧して、蓋体1の上面に圧接している。また、開口7の上面と蓋体1との間には、開口7と蓋体1との間を密閉するようにシール18が円周状に設置されている。
【0026】
さらに、図6を参照して詳細に説明する。図6は、図5のE部を示す部分断面図であり、燃料タンクTの蓋体シール構造を示している。図6に示すように、燃料タンクTの蓋体シール構造は、樹脂製のタンク2に開けられた開口7に、ポンプ部品(図略)を取り付けた蓋体1を被せ、この蓋体1をリテーナ19によって押圧して密閉している。このとき、開口7の上面7bと、蓋体1の外縁部の下面1bとの間には、シール18が介在している。
【0027】
このため、タンク2の開口7の端部にはフランジ7aが形成されており、フランジ7aの上面7bにシール18が円周状に設置され、開口7と蓋体1との間を密封している。開口7の外周に、金属製のリング状部材8が設けられているのは、第1の実施の形態と同様である。このリング状部材8にはスタッドボルト11が螺入され、また、スタッドボルト11にリテーナ19が挿着され、さらに、リテーナ19がナット12によって上方から螺着されている。これにより、リテーナ19はリング状部材8に固定される。
【0028】
また、円板状の蓋体1の下面には、リブ13、リブ14、ガイド15が設けられ、空間16が画成され、空間16にシール18が設置されることは、第1の実施の形態と同様である。
【0029】
次に、前記したリテーナ19について詳細に説明する。図7は、リテーナ19の概略を示し、図7(a)は平面図、図7(b)は(a)のF―F線の縦断面図である。リテーナ19は、ばね鋼鈑をプレス加工し、熱処理を施したドーナツ状の金属円板であり、蓋体1の周囲を取り囲むように円周状に形成されている。このリテーナ19には、例えば、8個のスリット19a、19a…が、円板の内周方向に向けて放射状に形成されている。また、リテーナ19の内縁部には、円周に沿って絞り加工などによって波形状19cが形成されている。また、符号19bは丸孔を示し、この丸孔19bにスタッドボルト11(図6参照)を挿通し、ナット12(図6参照)を螺着することにより、リテーナ19がリング状部材8に固定される。
【0030】
次に、以上の構成を備えた燃料タンクTの蓋体シール構造の動作を説明する。図6に示すように、リテーナ19が、リング状部材8にスタッドボルト11、ナット12によって固定されると、リテーナ19の内縁部の下面19dが蓋体1を押圧する。このとき、蓋体1と開口7との間には、シール18が設置されているため、開口7は、蓋体1によって密閉されることになる。
【0031】
ところが、タンク2の開口7や蓋体1は、樹脂によって形成されているため経時変化によって変形して、タンク2の開口7と蓋体1との間の、当初の位置精度や取付強度を保たなくなる場合がある。このとき、リテーナ19が有するばね性の付勢力によって、樹脂の経時変化による、蓋体1と開口7との間の位置精度や取付強度の変化を補い、所定の位置精度や取付強度を維持することができる。また、リテーナ19が有するばね性の付勢力が、フランジ7aと蓋体1の外周部のクリープによる変形に追従し、シール性の低下を抑えることができることは、第1の実施の形態と同様である。このような動作をするリテーナ19について、さらに詳細に説明する。
【0032】
図7に示すように、スリット19a、19a…が形成されたリテーナ19は、リテーナ19がリング状部材8に固定されることによって、リテーナ19の内縁部の下面19dから蓋体1の外縁部の上面1a(図6参照)が押圧される。このとき、リテーナ19には、スリット19a、19a…が、例えば、8箇所に設けられていることにより、リテーナ19は、リテーナ19の波形状19cが押し開かれるように変形する。言い換えると、リテーナ19の波形状19cが開かれるように変形する際に、リテーナ19の内周が内周方向に向かって拡大して行くことになるが、このスリット19a、19a…は、その時の寸法上のひずみを吸収する働きをする。すなわち、リテーナ19にばね性の付勢力を発生させる際に、スリット19a、19a…が、リテーナ19の寸法上のひずみを吸収する溝として機能する。これにより、リテーナ19は、ばね性の付勢力を発生することができる。
【0033】
また、図6に示すように、フランジ7aの上面7bのシール18を設置する部位の上方(軸線上)において、リテーナ19の内縁部の下面(押圧面)19dは、蓋体1の外縁部の上面1aに当接し、蓋体1の外縁部の上面1aを押圧する。このとき、リテーナ19の押圧面19dと、蓋体1の外縁部の上面1aと、シール18と、フランジ7a上でシール18を設置する部位とが、同一軸線上に並ぶことによって、蓋体1がリテーナ9とタンク2とに強く挟み付けられるため、蓋体1は、開口7に強固に固定することができる。
【0034】
また、燃料ポンプ6は、蓋体1に一体的に取り付けられていることによりポンプ部品と蓋体との間の隙間がなくなるため、蓋体(取付板)1とタンク本体との間の密閉性を良くすることができる。
【0035】
また、金属製の締結手段(リテーナ9)にばね性の付勢力を付加して、蓋体1をタンク2に取り付けたため、燃料ポンプ6とタンク2との間の取付部が経時変化した場合も、常にシール18がシール設置面に対し適切な圧力で密着し、所定のシール性を得ることができる。
【0036】
また、金属製の締結手段(リテーナ9)の全周にばね性の付勢力を付加したので、シール性の部分的な低下を回避することができる。
【0037】
また、クリープによるシールパッキンの反力低下に対して、リテーナ自体のばね性又は、金属リング10などの別部材のばね性を締結部に持たせたため、クリープにばねが追従して、当初与えられたシールパッキンの反力が、クリープ後も保持でき、燃料ポンプ6を内蔵したタンク2の密閉性の低下を防ぐことができる。
【0038】
以上好ましい実施の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することのない範囲内において適宜の変更が可能なものである。例えば、前記実施の形態では、金属リングやリテーナにばね性の付勢力を持たせるために、金属リングやリテーナに8個のスリットを円周状に配置しているが、それらのスリットは、ばね性の付勢力を有することができれば、内周向きに配置しても、外周向きに配置しても良いし、個数も8個に限るものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、金属リングは、燃料タンクの開口を蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を有しているため、樹脂の経時変化によって、蓋体(取付板)とタンクとの間の取付精度や取付強度が低下することを防止することができる。
【0040】
請求項2に記載の発明によれば、リテーナ自体が、燃料タンクの開口を蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を有するため、樹脂の経時変化によって、蓋体(取付板)とタンクとの間の取付精度や取付強度が低下することを防止することができる。
【0041】
請求項3に記載の発明よれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、ポンプ部品は、蓋体に一体的に取り付けられていることによりポンプ部品と蓋体との間の隙間がなくなるため、蓋体(取付板)とタンク本体との間の密閉性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料タンクの概略を示し、(a)は蓋体を取り付けた様子を示す斜視図、(b)は(a)におけるA―A線の縦断面図である。
【図2】図1のB部を示す拡大断面図である。
【図3】図2のC部を示す部分断面図である。
【図4】金属リングの概略を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD―D線の縦断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る蓋体取付部の概略を示し、図1のB部を示す拡大断面図である。
【図6】図5のE部を示す部分断面図である。
【図7】リテーナの概略を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF―F線の縦断面図である。
【図8】従来例に係る蓋体取付部の概略を示す断面図であり、図2のC部に相当する部位を示す。
【符号の説明】
1 蓋体
1a 外縁部の上面
1b 外縁部の下面
2 タンク
2a タンク外壁面
3 接続口
4 燃料供給通路
5 燃料戻し通路
6 燃料ポンプ
7 開口
7a フランジ
7b フランジの上面
7c フランジの下面
7d 首部外壁面
8 リング状部材
9 リテーナ
9a 内縁部の下面(押圧面)
10 金属リング
10a スリット
10b 凹部(溝)
11 スタッドボルト
12 ナット
13 リブ
14 リブ
15 ガイド
16 空間
18 シール(Oリング)
19 リテーナ
19a スリット
19b 丸孔
19c 波形状
19d 内縁部の下面
T 燃料タンク

Claims (3)

  1. 樹脂製の燃料タンクの開口に樹脂製の蓋体を被せ、リテーナによって押圧して密閉する燃料タンクの蓋体シール構造であって、
    前記燃料タンクの開口の端部にフランジが形成され、
    前記フランジの下面と前記開口の首部外壁面とタンク外壁面とによって埋設された金属製のリング状部材と、
    内縁部が前記蓋体の外縁部の上面を押圧し、外縁部がボルトおよびナットにより前記リング状部材に螺着されるリング形状を呈するリテーナと、
    前記フランジの上面と、前記蓋体の外縁部の下面との間に介在するリング形状を呈するシールと、
    前記リテーナの内縁部の下面と前記蓋体の外縁部の上面との間に介在し、前記フランジを前記蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を全周にわたって有する金属リングと、
    を備え、
    前記金属リングは、全周にわたって前記シールの真上に位置するように前記シールの円周方向に沿ったリング形状を呈し、かつ変形時のひずみを吸収するスリットが放射状に複数形成されていることを特徴とする燃料タンクの蓋体シール構造。
  2. 樹脂製の燃料タンクの開口に樹脂製の蓋体を被せ、リテーナによって押圧して密閉する燃料タンクの蓋体シール構造であって、
    前記燃料タンクの開口の端部にフランジが形成され、
    前記フランジの下面と前記開口の首部外壁面とタンク外壁面とによって埋設された金属製のリング状部材と、
    内縁部が前記蓋体の外縁部の上面を押圧し、外縁部がボルトおよびナットにより前記リング状部材に螺着されるリング形状を呈するリテーナと、
    前記フランジの上面と、前記蓋体の外縁部の下面との間に介在するリング形状を呈するシールと、
    を備え、
    前記リテーナは、金属製であって、その内縁部は、前記フランジを前記蓋体で押圧する方向に作用するばね性の付勢力を全周にわたって有するように断面波形状を呈し、
    前記断面波形状の部位は、全周にわたって前記シールの真上に位置するように前記シールの円周方向に沿って形成され、かつ変形時のひずみを吸収するスリットが放射状に複数形成されていることを特徴とする燃料タンクの蓋体シール構造。
  3. 前記蓋体には、ポンプ部品が一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料タンクの蓋体シール構造。
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