JP4156264B2 - コーティング装置用加工品支持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
この発明は、請求項1の導入部に従ったコーティング装置用加工品支持体に関し、特に真空コーティング装置に使われるものに関する。この種の加工品支持体は普通、比較的多数の加工品を保持しており、均一なコーティングを保証するため、たとえば複数の基本運動、一般に円運動を重ね合せて生成した合成運動をしながらそれらがコーティング源を通過して同時に回転する、というような方法で保持している。
【0002】
【従来の技術】
シャフトに平行でターンテーブルに隣接して通るロッドに、駆動体が各々取付けられている加工品支持体は公知である。これには、加工品の長さに合せてターンテーブル間の間隔を変更する場合、駆動体もそれに応じて移動させなければならず、再調整を必要とするので、かなりの手間を必然的に伴い、特に試運転を数回行なわなければならない、という短所がある。ターンテーブルを変更する場合、駆動体も変更するか、または少なくとも再調整する必要がある。調整が正確に行なわれなければ、重大な結果を招く場合がある。
【0003】
汎用タイプの公知の解決策に設計上は似ているが、ターンテーブル間の間隔を変更したり、またはターンテーブルを交換する可能性は提供されない解決策が、たとえばDE−A−198 03 278に記載されている。とりわけ、WO−A−00/36 178には、駆動体が各ターンテーブルに連係し、その駆動体が前記ターンテーブルの上面に回転可能に支持されている汎用タイプの加工品支持体が記載されている。しかし、この駆動体はターンテーブルにしっかりとは接続されていないので、加工品支持体に変更を加える際には、原則として、再取付けおよび再調整する必要がある。
【0004】
【発明の概要】
この発明の目的は、それぞれの加工品の形状、および、たとえばターンテーブル間の間隔の変更、またはターンテーブルの交換といったコーティング工程に関するその他の要件に、簡単に、手間をあまりかけることなく対応することができる、汎用タイプの加工品支持体を提供することにある。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴部の、この発明に従った特徴により達成される。この発明により達成される利点は特に、それぞれの駆動体を1度だけ調整すればよいという点にある。特に、ターンテーブル間の間隔を変更したり、または個々のターンテーブルを交換したりしても、再調整する必要はない。その1度の調整ですら、装置の他の構成要素を含む必要なく、個々のターンテーブルに対して行なうことができる。この発明に従って形成されたターンテーブルは一般に、既存のコーティング装置に簡単に組込むことができる。
【0006】
この発明により、各々の場合にコンパクトで頑強な装置を形成する個々の構成ブロックから、特にターンテーブルから加工品支持体を組立てることができる。これらはモジュール原理に従って組立てることができ、力を伝達するシャフト/ターンテーブルの嵌め合せと、ターンテーブルの外径をほぼ同等にすることとを除けば、特に互いに調整する必要はない。たとえば、ターンテーブルは、装置の他の部品を適合させる必要なく、このように異なるように形成することができる。
【0007】
特に、同一の加工品支持体において異なった設計のターンテーブルを同時に使用できる。ターンテーブルは、たとえばそれぞれの加工品の形状に対応するため、異なるピッチ、すなわち、異なる数の加工品ホルダを設けることができ、または、その上に並べられる加工品のコーティングに関する特殊要件、たとえば加工品の間欠的な、または連続した回転に対応して形成することができる。また、この発明に従って形成されたターンテーブルと従来方法で形成されたターンテーブルとを1台の加工品支持体に組合せることも可能である。
【0008】
いずれの場合も、駆動装置は加工品の軌跡の完全にまたはほぼ外側に取付けることができ、駆動体はターンテーブルの縁から加工品ホルダに係合できるので、コーティング工程を妨げたり加工品に部分的に重なる構成要素は必要とされない。しかし同時に、駆動装置がコンパクトに形成および構成されているので、この発明に従って形成されたターンテーブルは、従来のターンテーブルと比較すると同じか、またはわずかに高いだけである。以下に、単なる実施例を示す図面を参照して、この発明を詳しく説明する。
【0009】
【詳細な説明】
垂直なシャフト1は、その軸と一致する主回転軸の周りを図2の矢印に従って1回転するよう駆動させることができ、真空チャンバ内に静止して、またはたとえば回転可能など可動に構成可能なベース(図示せず)に回転可能に取付けられている。ターンテーブル2が、間隔を空けて連続して、シャフト1に回転不能に締付け固定されており、各々の場合、テーブルはその縁付近に複数の加工品ホルダ3を保持している。これらはシャフト1から同じ距離だけ離れており、各々の場合、主回転軸に平行な回転軸の周りを回転できるように、ターンテーブル2上に軸ジャーナル4により取付けられている。重量および材料を節減し、プラズマまたは妨げられない粒子の衝撃によりできるだけ均一なコーティングを加工品に施すため、ターンテーブルは軽量に設計することもでき、例としてスポークタイプのターンテーブルとしてもよい。
【0010】
加工品ホルダ3は、それぞれのターンテーブル2の周縁に均一に分布され、正多角形、この場合は八角形を形成しており、その中心に主回転軸が位置している。使用中、加工品ホルダ3の各々は加工品5(図1、二点鎖線)を保持する。連続するターンテーブル2間の間隔は、加工品の長さに応じて変更できる。シャフト1のプロファイルが円形である場合、ターンテーブル2をシャフト1に締付け固定するには、たとえば、スロット/ラグ嵌合手段または同様に簡単な嵌合手段、またはクランプねじのような着脱可能なねじ接続を用いて行なうことができる。その他の形状のプロファイルを有する場合、シャフトにターンテーブルを締付け固定させるための付加的手段は、一般に不必要である。ターンテーブル2の位置を固定するため、たとえばスリーブ(図示せず)のようなスペーサをシャフトに押込み、各々の場合、シャフト下端の周りに設けられた突起、またはターンテーブル2のうちの1つの上に置いて使用することができる。
【0011】
加工品ホルダ3の各々は駆動ホイール6を有し、これは、軸ジャーナル4の上端に配され、その回転軸と同軸で、歯7を有している。これらは例にあるように、周縁に規則正しく配置され、外側に突出し、間隔によって分けられている。
【0012】
ターンテーブル2には駆動装置8も取付けられている。これは、シャフト1と同軸でリング保持部材10によって保持される回転リング9を含んでいる。リング保持部材10は、ターンテーブル2の下側に対し前記回転リングの内側に締付け固定され、外側にぐるりとわたった棚状突起で回転リング9を下から把持し、それが主回転軸に平行には動かないものの前記軸の周りを回転できるようにしている。さらに、駆動装置8は延在部11を有し、これは回転リング9から外側に突出し、釘12を保持している。その釘12はシャフト1と平行に上を向き、これに締付けリング13が、締付けねじ14によって締付けられている。ターンテーブル2の縁に向けられたドライバフィンガー16の形をした駆動体が、締付けリング13のスロットに保持され、長さ方向に移動可能ではあるが止めねじ15で固定されるようになっている。締付けねじ14と止めねじ15とがクランプねじであり、ドライバフィンガー16はばね鋼の細片である。
【0013】
ドライバフィンガー16の位置は数箇所で調整できる。締付けねじ14を緩めた後、締付けリング13を釘12沿いに、すなわちシャフト1と平行に押込んで、それに対して垂直な平面で回転させることができる。その有効長さは、止めねじ15を緩めた後、長さ方向に移動させることで調整できる。
【0014】
延在部11は、釘12に加え、外側から入り江状に形成された窪み17を有しており、そこを通って、ベースに固定されシャフト1に平行なロッド18が突出ている。これはシャフト1に取付けられたすべてのターンテーブル2の駆動装置8に係合する止め具として機能し、それらがその角度位置に対して固定され、それぞれのターンテーブル2とともに回転しないように係合している。
【0015】
シャフト1とそれに締付け固定されたターンテーブル2が主回転軸を中心に回転する際、加工品ホルダ3の各々は、その円形の軌跡に従い、1回転するうちに1回、ドライバフィンガー16と接触する。前記ドライバフィンガーは駆動ホイール6上の歯7の1つに一時的に係合し、対応する加工品ホルダ3を、ターンテーブル2に対しターンテーブル2の回転方向とは逆の方向に、係合が解除されるときに、ターンテーブル2の回転方向にある次の歯が、最初に述べた歯が係合前に占めていた位置をほぼ占めるような具合に回転させる。ターンテーブル2に対し、加工品ホルダ3は、ドライバフィンガー16と駆動ホイール6との係合により、連続する2つの歯の間の角度差、この例では60°、の分だけ、ターンテーブル2の回転方向とは逆方向にこのように回転する。駆動体はターンテーブル2のみに接続されているので、その調整は、装置の他の部品とは関係なく、孤立のターンテーブルに対して行なうことができる。たとえば、シャフト1に沿って垂直に連続して配置されたターンテーブル2の間隔を変えるために、その取外し、および再取付けを行なう場合も、駆動体を再調整する必要はない。
【0016】
駆動装置は、すべてのターンテーブルの場合だけでなく個々のターンテーブルの場合にも、上記以外の方法で形成することができる。したがって、ターンテーブルの回転方向の一方側において有効な止め具1つで十分であるため、延在部に窪みを設ける必要はない。駆動ホイールは各々、連続歯システムを有することができ、または、マルタ十字もしくは摩擦車の形にもでき、これらは異なった設計であってもよい。駆動体は、ドライバフィンガーの形にする代わりにドライバリングの形にすることもできる。これは、ターンテーブルの縁を辿り、内部に歯システムを有するもので、この場合製造が特に簡単なため、歯のついたプロファイルを有する円柱状の金属シートの形にすることが好ましい。この歯システムは、加工品ホルダが間欠的にではなく連続して回転するように、駆動ホイールの歯システムと係合する。
【0017】
特に、連続して回転する加工品ホルダを有するターンテーブルには、駆動装置または加工品ホルダが詰まった場合にターンテーブルに多大な損傷をきたさないように、予め規定した破壊点を設けることが好ましい。これは、延在部が断面積を減じた点を有し、ある特定のトルクを上回った場合、そこが壊れて、ターンテーブルを回転させながら同時にその誤動作を示すように行なうことができる。延在部に弾力性を持たせたり、または継ぎ手により締付けることによって、同様の効果を達成できる。一方、またはさらに、シャフト/ターンテーブルの嵌め合せと、加工品ホルダの駆動ホイールまたは軸ジャーナルとに、所定の破壊点を設けることも可能である。後者は経済的な使い捨て部品として設計してもよい。
【0018】
継ぎ手を使うことで、ワイヤ、特に規定された剪断強度を有する銅線を用いて前記継ぎ手を固定し、その破壊負荷を上回った場合に前記継ぎ手が折曲がる動きを行なうようにすることで、所定の破壊点を設計することが可能である。この場合、壊れた所定の破壊点は、コーティング装置のオペレータによってあまり手間をかけずにその場で簡単に修理できる。所定の破壊点は、たとえば駆動ホイールのような他の力伝達部品にも、規定された剪断強度を有するワイヤで接続された2つまたはそれ以上の構成要素から前記破壊点を作ることにより、同様に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従った加工品支持体の一部分の一部断面側面図である。
【図2】 図1の加工品支持体の平面図である。
【符号の説明】
1 シャフト、2 ターンテーブル、3 加工品支持体、4 軸ジャーナル、5 加工品、6 駆動ホイール、7 歯、8 駆動装置、9 回転リング、10リング保持部材、11 延在部、12 釘、13 締付けリング、14 締付けねじ、15 止めねじ、16 ドライバフィンガー、17 窪み、18 ロッド。

Claims (16)

  1. 少なくとも1つの駆動可能なシャフト(1)により、複数のターンテーブル(2)が主回転軸を中心として回転可能に支持され、そのターンテーブルは前記主回転軸方向に調節可能な間隔で離れており、その各々が前記主回転軸に平行な回転軸の周りを回転可能に前記ターンテーブル(2)上に取付けられた少なくとも1つの加工品ホルダ(3)を保持しているベースと、少なくとも1つの加工品ホルダ(3)と少なくとも間欠的に係合し、それをその回転軸を中心として回転させるように各々がターンテーブル(2)と連係する駆動体とを含む、コーティング装置用加工品支持体であって、
    ターンテーブル(2)と連係する前記駆動体は、前記主回転軸を中心として回転できるがそれ以外は前記ターンテーブル(2)上を移動不能に締付け固定されかつその回転を一方側に限定し前記ベースに固定されている止め具と協力する駆動装置(8)に属すことを特徴とする、加工品支持体。
  2. 前記駆動体は、各々の場合、前記少なくとも1つの加工品ホルダ(3)の前記主回転軸から遠い方を向いた面に係合することを特徴とする、請求項1に記載の加工品支持体。
  3. 前記加工品ホルダ(3)に対する前記駆動体の位置は調節可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の加工品支持体。
  4. すべての駆動装置(8)用の前記止め具は、前記シャフト(1)に平行なロッド(18)により、それらの各々が前記ターンテーブル(2)のそれぞれの縁から突出し前記ロッド(18)に係合する延在部(11)を有するようにすることで、形成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の加工品支持体。
  5. 前記延在部(11)は、前記ロッド(18)を受ける入り江状の窪み(17)を有することを特徴とする、請求項4に記載の加工品支持体。
  6. 前記駆動装置(8)は、各々の場合、前記ターンテーブル(2)の下側に取付けられることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の加工品支持体。
  7. 前記駆動装置(8)は、前記ターンテーブル(2)と同軸の回転リング(9)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の加工品支持体。
  8. 前記ターンテーブル(2)の下側で、リング保持部材(10)が前記回転リング(9)の内側に締付け固定され、前記回転リングの下を把持することを特徴と
    する、請求項6または7に記載の加工品支持体。
  9. 少なくとも1つのターンテーブル(2)の前記駆動体が、前記少なくとも1つの加工品ホルダ(3)と間欠的に係合することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の加工品支持体。
  10. ドライバフィンガー(16)の形の前記駆動体が、前記ターンテーブル(2)の縁に向けられていることを特徴とする、請求項9に記載の加工品支持体。
  11. 前記ドライバフィンガー(16)は、前記シャフト(1)にほぼ平行な釘(12)に締付けねじ(14)によって締付け固定される締付けリング(13)の上に載置されることを特徴とする、請求項10に記載の加工品支持体。
  12. 前記ドライバフィンガー(16)は、前記締付けリング(13)の上に長さ方向に移動できるよう取付けられ、止めねじ(15)によって固定できることを特徴とする、請求項11に記載の加工品支持体。
  13. 少なくとも1つのターンテーブルの前記駆動体が、前記少なくとも1つの加工品ホルダと連続して係合することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の加工品支持体。
  14. 前記駆動体が内部歯システムを有するドライバリングの形をしており、歯のついたプロファイルを有する円柱状の金属シートの形をしていることを特徴とする、請求項13に記載の加工品支持体。
  15. 少なくとも1つの所定の破壊点が少なくとも1つのターンテーブル(2)上に設けられ、その所定の破壊点において、前記シャフト(1)と前記ターンテーブル(2)との間、または前記止め具と前記少なくとも1つの加工品ホルダ(3)との間の、前記駆動装置(8)を介した力の伝達が、過負荷の場合中断されることを特徴とした、請求項1から14のいずれかに記載の加工品支持体。
  16. その駆動体が前記少なくとも1つの加工品ホルダ(3)に間欠的に係合する少なくとも1つのターンテーブル(2)と、その駆動体が前記少なくとも1つの加工品ホルダに連続して係合している少なくとももう1つのターンテーブルとを有することを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の加工品支持体。
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